JP2020161286A - 全固体電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】容量低下を抑制しつつ、抵抗増加を抑制することが可能な全固体電池を提供する。【解決手段】正極と負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層とを備える全固体電池であって、前記負極及び前記固体電解質層の少なくともいずれかが硫化物固体電解質を含有し、前記負極が、Si及びSiO2を含む負極活物質粒子を含有し、前記負極活物質粒子のX線光電子分光法(XPS)による表面分析において、Siに帰属するピークの面積に対するSiO2に帰属するピークの面積の比(SiO2に帰属するピーク面積/Siに帰属するピーク面積)が0.37以上0.47以下であることを特徴とする、全固体電池。【選択図】図1

Description

本開示は全固体電池に関する。
近年リチウムイオン電池の分野において、従来広く使用されている炭素系の負極活物質に代えて、エネルギー密度を向上するために、Si系の負極活物質を用いることが提案されている。
しかし、Si系の負極活物質は、従来広く使用されている炭素系の負極活物質に比べ、Li挿入時の体積変化が大きいため、Si系の負極活物質を用いた全固体電池では、Si系の負極活物質が大きく膨張収縮することにより、負極活物質と固体電解質との間のイオン伝導パスが阻害され、抵抗が増加するという問題があった。
Si系の負極活物質を用いて、高いエネルギー密度を確保しながら、負極活物質層の膨張収縮を抑制する試みとして、例えば、特許文献1には、負極活物質層の表層にケイ素酸化物を含有させ、前記表層における酸素原子のケイ素原子に対する原子比:O/Si比を1.00以上とした全固体リチウムイオン二次電池が開示されている。
また、特許文献2には、Siと、SiOと炭素質物の三相の複合体よりなる負極活物質と、導電材と結着剤よりなる負極活物質層を有する非水電解質二次電池用負極が開示されている。特許文献2には、Si相への多量のリチウムの挿入脱離による膨張収縮を、Si相を他の2相の中に分散することにより緩和すると記載されており、Si相とSiO相の量的関係は、モル比が0.6≦Si/SiO≦1.5(SiO/Siに換算した場合、0.67≦SiO/Si≦1.67)であることが、負極活物質として大きな容量と良好なサイクル特性を得ることができるため望ましいと記載されている。
特開2018−73513号公報 特開2013−243160号公報
しかしながら、Si系の負極活物質を用いた全固体電池においては、更なる抵抗増加の抑制が望まれている。
本開示では、容量低下を抑制しつつ、抵抗増加を抑制することが可能な全固体電池を提供することを目的とする。
本開示の全固体電池は、正極と負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層とを備える全固体電池であって、
前記負極及び前記固体電解質層の少なくともいずれかが硫化物固体電解質を含有し、
前記負極が、Si及びSiOを含む負極活物質粒子を含有し、
前記負極活物質粒子のX線光電子分光法(XPS)による表面分析において、Siに帰属するピークの面積に対するSiOに帰属するピークの面積の比(SiOのピーク面積/Siのピーク面積)が0.37以上0.47以下であることを特徴とする。
本開示によれば、X線光電子分光法(XPS)による表面分析において、Siに帰属するピークの面積に対するSiOに帰属するピークの面積の比(SiOのピーク面積/Siのピーク面積)が0.37以上0.47以下である負極活物質粒子と、硫化物固体電解質とを組み合わせて用いることにより、高い容量を有し、且つ、Siの膨張収縮による抵抗の増加を抑制することが可能な全固体電池を提供することができる。
本開示の全固体電池の一例を示す断面模式図である。 実施例1、2及び比較例1〜3で得た全固体電池について、使用した負極活物質粒子の表面のSiO/Siに対し、耐久後抵抗(Ω)の値をプロットした図である。 実施例1、2及び比較例1〜3で得た全固体電池について、使用した負極活物質粒子の表面のSiO/Siに対し、初回効率(%)の値をプロットした図である。
本開示の全固体電池は、正極と負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層とを備える全固体電池であって、
前記負極及び前記固体電解質層の少なくともいずれかが硫化物固体電解質を含有し、
前記負極が、Si及びSiOを含む負極活物質粒子を含有し、
前記負極活物質粒子のX線光電子分光法(XPS)による表面分析において、Siに帰属するピークの面積に対するSiOに帰属するピークの面積の比(SiOのピーク面積/Siのピーク面積)が0.37以上0.47以下であることを特徴とする。
本開示の全固体電池は、典型的にはリチウムイオン電池である。Si系の負極活物質を用いたリチウムイオン電池の負極では、充電に伴い、下記式(1)に示すような、いわゆる電気化学的合金化反応が起こり、放電に伴い、下記式(2)に示すような、SiとLiとの合金からのLiイオンの離脱反応が起こる。
式(1) xLi + xe + ySi → LiSi
式(2) LiSi → xLi + xe + ySi
Si系の負極活物質は、炭素系の負極活物質に比べ、電池のエネルギー密度を高めることができる。一方で、Si系の負極活物質は、前記式(1)に示すLiの挿入時の体積変化が大きく、炭素系の負極活物質に比べると、3〜4倍程度に膨張することが知られている。そのため、充電時には、固体電解質が、膨張するSi系の負極活物質に押されて変形し、放電時には、固体電解質が、Liイオンの離脱に伴うSi系の負極活物質の収縮に追随することができず、負極活物質が固体電解質から剥がれて、負極活物質と固体電解質との間に空隙が発生することで、負極活物質と固体電解質との間のイオン伝導が阻害され、電池の内部抵抗が増加すると推測される。このような内部抵抗の増加は、全固体二次電池において、充放電を繰り返した場合に更に顕著になる。
本開示の全固体電池は、SiとSiOとが特定の比率で表面に存在する負極活物質粒子を、硫化物固体電解質と組み合わせて用いていることにより、Siによる高容量を有しながら、負極活物質粒子の表面に存在するSiOが、硫化物固体電解質の硫黄原子(S)と反応して結合状態を形成し得るため、負極活物質粒子と硫化物固体電解質とが密着しやすく、Siが膨張収縮して負極活物質粒子の大きさが変動しても、負極活物質粒子は硫化物固体電解質からの剥がれが抑制されて、負極活物質粒子と硫化物固体電解質との接触が維持されやすいため、イオン伝導性が低下し難く、抵抗の増加を抑制することができると推測される。
以下、本開示の全固体電池について詳述する。
本開示の全固体電池は、正極と負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層とを備える。
図1は、本開示の全固体電池の一例を示す断面模式図であり、図1に示す全固体電池100は、正極合材層12及び正極集電体14を含む正極16と、負極合材層13及び負極集電体15を含む負極17と、正極16と負極17の間に位置する固体電解質層11を備える。
本開示の全固体電池は、負極及び固体電解質層の少なくともいずれかが硫化物固体電解質を含有するものであるため、通常、負極に含まれる負極活物質粒子の少なくとも一部が、前記硫化物固体電解質の少なくとも一部と接触している。負極が硫化物固体電解質を含有する場合は、負極内において、負極活物質粒子の少なくとも一部と、硫化物固体電解質の少なくとも一部とが互いに接触する。固体電解質層が硫化物固体電解質を含有する場合は、負極と固体電解質層との界面において、負極活物質粒子の少なくとも一部と、硫化物固体電解質の少なくとも一部とが互いに接触する。
以下、本開示の全固体電池について、詳細に説明する。
1.負極
負極は、少なくとも負極活物質粒子を含有する。中でも、イオン伝導性に優れる点から、負極は、負極活物質粒子と固体電解質とを少なくとも含有する負極合材層を備えることが好ましい。以下、本開示において好ましく用いられる負極合材層を備える負極について説明する。
<負極合材層>
負極合材層は、負極活物質粒子と、固体電解質とを少なくとも含有し、更に導電材を含有することが好ましく、必要に応じて更に結着剤等のその他の成分を含有していてもよい。
(負極活物質粒子)
負極活物質粒子は、少なくともSi及びSiOを含有する。
前記負極活物質粒子のX線光電子分光法(XPS)による表面分析において、Siに帰属するピークの面積に対するSiOに帰属するピークの面積の比(SiOのピーク面積/Siのピーク面積)は、0.37以上0.47以下である。なお、XPSによる表面分析で得られる各ピークの面積は、例えばマルチパック等のXPS解析ソフトを用いて、各ピークにベースラインを引いて求める。
前記負極活物質粒子が含有するSi及びSiOの含有量は、前記負極活物質粒子のXPSによる表面分析において、Siのピーク面積に対するSiOのピーク面積の比(SiOのピーク面積/Siのピーク面積)が前記範囲内となるように適宜調整され、特に限定はされない。
なお、前記負極活物質粒子は、効果を損なわない範囲において、前記Si及びSiO以外のその他の成分を含有していてもよい。
前記負極活物質粒子において、前記その他の成分の含有量は、高容量化及び抵抗増加の抑制の観点から、1質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下であることがより好ましい。中でも、高容量化及び抵抗増加の抑制の点から、前記負極活物質粒子は、Si及びSiOからなるものであることが好ましい。
負極合材層に含まれる前記負極活物質粒子の含有量は、特に限定されるものではないが、エネルギー密度を高める点から、負極合材層の総量を100質量%とすると、30質量%以上であることが好ましく、40質量%以上であることが好ましく、一方、固体電解質等の他の材料を十分に含有させる点から、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。
前記負極活物質粒子の製造方法は、特に限定はされないが、例えば、Si粒子を、大気下で加熱して表面を熱酸化させることにより得ることができる。
前記熱酸化させるための加熱の条件は、加熱する粒子の大きさ等により適宜調整され、特に限定はされないが、粒子表面に存在するSi及びSiOの存在比率を前記特定の範囲内にし易い点から、加熱温度は700℃以上であることが好ましく、加熱時間は30分以上であることが好ましい。
本開示の全固体電池においては、前記負極活物質粒子の少なくとも一部が、硫化物固体電解質に接触していることが、抵抗の増加を抑制する効果を向上する点から好ましい。前記負極活物質粒子の少なくとも一部が、硫化物固体電解質に接触している場合としては、例えば、前記負極合材層が、前記負極活物質粒子と硫化物固体電解質とを含有し、前記負極合材層内において、前記負極活物質粒子の少なくとも一部が、硫化物固体電解質に接触している場合や、後述する固体電解質層が硫化物固体電解質を含有し、前記負極合材層と固体電解質層との界面において、前記負極合材層中の前記負極活物質粒子の少なくとも一部が、固体電解質層中の硫化物固体電解質に接触している場合等が挙げられる。本開示の全固体電池において、前記特定の負極活物質粒子の少なくとも一部が、前記硫化物固体電解質に接触していることにより、前記負極活物質粒子の表面が、前記硫化物固体電解質と化学的に結合して密着性を高めやすく、前記負極活物質粒子が前記硫化物固体電解質との密着性に優れることにより、負極活物質と硫化物固体電解質とのイオン伝導パスが阻害され難くなるため、抵抗の増加が抑制されると考えられる。
(固体電解質)
前記負極合材層に用いられる固体電解質としては、例えば、後述する固体電解質層に用いられる固体電解質と同様のものを挙げることができる。中でも、抵抗の増加を抑制する点、及びイオン伝導性を向上する点から、前記負極合材層は、硫化物固体電解質を含有することが好ましい。
負極合材層が含有する硫化物固体電解質としては、中でも、抵抗の増加を抑制する点、及びイオン伝導性が高い点から、LiS−Pを含むものであることが好ましく、LiS−P−LiI−LiBrを含むものがより好ましく、後述する固体電解質層において好ましく用いられる硫化物固体電解質を同様に好ましく用いることができる。
負極合材層中の固体電解質の含有量は、特に限定されるものではないが、イオン伝導性を向上する点から、負極合材層の総量100質量%中、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましく、一方、前記負極活物質粒子等の他の材料を十分に含有させる点から、70質量%以下であることが好ましく、60質量%以下であることがより好ましい。
負極合材層が、固体電解質として硫化物固体電解質以外の固体電解質を含有する場合は、抵抗の増加を抑制する効果を向上する点、及びイオン伝導性を向上する点から、負極合材層が含有する固体電解質の総量100質量%中、硫化物固体電解質の割合が、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがより更に好ましい。
(導電材)
負極合材層は、電子伝導性を向上する点から、導電材を含有することが好ましい。導電材としては、従来全固体電池に使用されているものを適宜選択して用いることができ、特に制限はされず、例えば炭素材料等が挙げられる。導電材に用いられる炭素材料としては、例えば、アセチレンブラックやファーネスブラック等のカーボンブラック、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種を挙げることができ、中でも、電子伝導性の観点から、カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましい。当該カーボンナノチューブ、及び、カーボンナノファイバーはVGCF(気相法炭素繊維)であってもよい。
負極合材層中の前記導電材の含有量は、負極中の電子伝導パスを多く確保することができる点から、負極合材層の総量100質量部中、1.0質量部以上であることが好ましく、一方、前記負極活物質粒子や前記固体電解質等の他の材料を十分に含有させる点から、15質量部以下であることが好ましい。
(その他の成分)
負極合材層には上記成分以外に、結着剤などのその他の成分が含まれていてもよい。
結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ブチレンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルブチラール(PVB)、アクリル樹脂等を用いることができる。
負極合材層中の前記結着剤の含有量は、特に限定されるものではないが、結着剤としての機能を十分に発現させる点から、負極合材層の総量100質量部中、0.3質量部以上であることが好ましく、0.5質量部以上であることがより好ましく、一方、前記負極活物質粒子や前記固体電解質等の他の材料を十分に含有させる点から、5質量部以下であることが好ましい。
前記負極合材層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上100μm以下とすることができ、10μm以上50μm以下であってもよい。
<負極集電体>
前記負極合材層を備える負極は、更に負極集電体を有していても良い。負極集電体は、前記負極合材層の集電を行う機能を有するものである。
負極集電体の材料としては、例えば、Cu及びCu合金等を挙げることができる。また、負極集電体の表面には、Ni、Cr、C等のコート層が形成されていても良い。コート層は、例えば、めっき層であっても良く、蒸着層であっても良い。
負極集電体の形状としては、例えば、箔状、板状、メッシュ状等が挙げられる。
本開示の全固体電池用の負極は、さらに、負極集電体に接続された負極リードを備えていてもよい。
2.正極
正極は、少なくとも正極活物質を含有するものであり、例えば、正極活物質を含有し、必要に応じて、固体電解質、導電材及び結着剤等を更に含有する正極合材層を備えるものとすることができる。
正極活物質としては、従来公知の材料を用いることができ、特に限定はされないが、高容量であることから、酸化物活物質を用いることが好ましい。正極活物質として好ましく用いられる酸化物活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、ニッケルコバルトアルミ酸リチウム(LiNi0.8Co0.15Al0.05等)、ニッケルコバルトマンガン酸リチウム(LiNi3/5Mn1/5Co1/5、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3(0≦x<0.3)等)、マンガン酸リチウム(LiMn)、Li1+xMn2−x−y(Mは、Al、Mg、Co、Fe、Ni、Znからなる群より選ばれる少なくとも一種の元素、0≦x<0.5、0≦y<2)で表される組成の異種元素置換Li−Mnスピネル、チタン酸リチウム、リン酸金属リチウム(LiMPO、M=Fe、Mn、Co、Ni)等が挙げられる。中でも、高容量である点から、Li1+xNi1/3Mn1/3Co1/3(0≦x<0.3)が好ましい。
前記正極活物質の形状は特に限定されず、粒子状、膜状等が挙げられる。
前記正極活物質の表面には、正極活物質と、固体電解質との反応を抑制する点から、Liイオン伝導性酸化物から構成されるコート層が形成されていることが好ましい。Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、LiNbO、LiBO、LiBO、LiCO、LiAlO、LiSiO、LiSiO、LiPO、LiSO、LiTiO、LiTi12、LiTi、LiZrO、LiMoOおよびLiWO等を挙げることができる。中でも、リチウムイオン伝導性が高い点から、LiNbOが好ましい。
正極合材層に用いられる導電材、結着剤及び固体電解質は、上述した負極合材層に用いられるものと同様のものを用いることができる。
正極合材層の厚さは、特に限定されないが、例えば、10μm以上250μm以下であってもよく、中でも20μm以上200μm以下であってもよい。
前記正極合材層を備える正極は、更に正極集電体を有していても良い。正極集電体は、前記正極合材層の集電を行う機能を有するものである。
正極集電体の材料としては、例えば、SUS、Ni、Cr、Au、Pt、Al、Fe、Ti、Zn等を挙げることができる。また、正極集電体の表面には、Ni、Cr、C等のコート層が形成されていても良い。コート層は、例えば、めっき層であっても良く、蒸着層であっても良い。
正極集電体の形状は、上述した負極集電体の形状と同様のものを採用することができる。
正極は、さらに、正極集電体に接続された正極リードを備えていてもよい。
<固体電解質層>
固体電解質層は、少なくとも固体電解質を含有し、必要に応じて結着剤等を含有していても良い。
固体電解質層が含有する固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質等の無機固体電解質を挙げることができ、中でもイオン伝導性が高い点から、硫化物固体電解質を好ましく用いることができる。本開示の全固体電池は、固体電解質層が硫化物固体電解質を含有する硫化物全固体電池であっても良い。
硫化物固体電解質としては、例えば、LiS−P、LiS−P−LiI、LiS−P−LiI−LiBr、LiS−P−LiO、LiS−P−LiO−LiI、LiS−SiS、LiS−SiS−LiI、LiS−SiS−LiBr、LiS−SiS−LiCl、LiS−SiS−B−LiI、LiS−SiS−P−LiI、LiS−B、LiS−P−Z(ただし、m、nは正の数を表し、Zは、Ge、Zn又はGaを表す。)、LiS−GeS、LiS−SiS−LiPO、LiS−SiS−LiMO(ただし、x、yは正の数を表し、Mは、P、Si、Ge、B、Al、Ga又はInを表す。)等を挙げることができる。中でも、抵抗の増加を抑制する点、及びイオン伝導性が高い点から、LiS−Pを含むものであることがより好ましく、LiS−P−LiI−LiBrが特に好ましい。なお、前記「LiS−P」の記載は、LiSおよびPを含む原料組成物を用いてなる硫化物固体電解質を意味し、他の記載についても同様である。
固体電解質層中の固体電解質の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、固体電解質層の総量100質量%中、50質量%以上であり、70質量%以上99.99質量%以下の範囲内であってもよく、90質量%以上99.9質量%以下の範囲内であってもよい。
固体電解質層が、固体電解質として硫化物固体電解質以外の固体電解質を含有する場合は、抵抗の増加を抑制する効果を向上する点、及びイオン伝導性を向上する点から、固体電解質層が含有する固体電解質の総量100質量%中、硫化物固体電解質の割合が、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、90質量%以上であることがより更に好ましい。
固体電解質層が含有していてもよい結着剤としては、例えば、前記負極合材層に用いられる結着剤と同様のものを挙げることができる。
<その他の構成>
本開示の全固体電池は、必要に応じ、正極、負極及び固体電解質層を収容する外装体を備えるものであってもよい。
外装体の形状としては、特に限定されないが、ラミネート型等を挙げることができる。
外装体の材質は、電解質に安定なものであれば特に限定されないが、ポリプロピレン、ポリエチレン、及びアクリル樹脂等の樹脂が挙げられる。
本開示の全固体電池の形状としては、例えば、コイン型、ラミネート型、円筒型及び角型等を挙げることができる。
本開示の全固体電池は、典型的にはリチウムイオン電池であり、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、中でも、繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用な点から、二次電池であることが好ましい。また、本開示の全固体電池は、充放電による抵抗の増加を抑制することができるため、二次電池である場合に特に効果を発揮することができる。なお、一次電池には、二次電池の一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。
<全固体電池の製造方法>
本開示の全固体電池の製造方法は、前述した本開示の全固体電池を製造可能な方法であればよく、特に制限はされない。前述した負極合材層、固体電解質層及び正極合材層の形成方法としては、例えば、各層の原料である粉末又はペレットをプレスして成形する圧粉成形法や、各層の原料であるスラリーを塗布、乾燥するスラリー塗工法等を挙げることができる。スラリー塗工法では、原料のスラリーを塗布、乾燥して塗膜を形成した後、更にプレスしても良い。
中でも、負極合材層を形成する工程、正極合材層を形成する工程、及び固体電解質層を形成する工程が、それぞれ原料の粉末又はペレットを充填させた充填体、或いは原料のスラリーを塗布、乾燥して形成した塗膜を、プレスする工程を有する方法が、全固体電池の性能を高めやすい点から好ましい。特に、負極合材層を形成する工程が、負極合材層用原料の粉末又はペレットを充填させた充填体、或いは負極合材層用原料のスラリーを塗布、乾燥して形成した塗膜を、プレスして負極合材層を形成する工程であることが、負極合材層中の前記負極活物質粒子と、当該負極活物質粒子と接触している硫化物固体電解質との密着性が向上し、抵抗の増加を抑制する効果を高め、イオン伝導性を向上する点から、本開示の全固体電池の製造方法として好ましい。
そのような好ましい全固体電池の製造方法としては、例えば、
所望の形状を有する型に、前記固体電解質層用原料を充填し、プレスすることで固体電解質層を形成する工程と、
前記形成された固体電解質層の一方の面に、正極合材層用原料を充填し、プレスすることで正極合材層を形成する工程と、
前記形成された固体電解質層のもう一方の面に、前記負極合材層用原料を充填し、プレスすることで負極合材層を形成する工程と、を有する全固体電池の製造方法を挙げることができる。
前記方法に用いる負極合材層用原料は、例えば、前記負極合材層を構成する各成分を含有する粉末又はペレット、或いは、前記負極合材層を構成する各成分を溶剤に溶解又は分散させたスラリーのいずれであってもよい。前記負極合材層用原料がスラリーの場合、前記負極合材層用原料を充填し、プレスする方法としては、例えば、前記負極合材層用原料のスラリーを塗布、乾燥して塗膜を形成した後、当該塗膜をプレスする方法が挙げられる。
前記負極合材層用原料は、前記負極活物質粒子及び固体電解質を含有し、更に導電材、及び必要に応じ含有される結着剤等のその他の成分を含んでいてもよく、さらに、負極合材層を製造する途中で除去される溶剤等の成分を含んでいてもよい。
負極合材層用原料のスラリーの調製方法は特に制限されないが、例えば、前記負極活物質粒子、固体電解質、導電材、必要に応じ含有される結着剤等のその他の成分、及び溶剤等を混合した混合物を、超音波分散装置や振とう器等を用いて攪拌することにより、負極合材層用原料のスラリーを得ることができる。
前記負極合材層用原料のスラリーに用いられる溶剤としては、特に限定されず、例えば、ヘプタン、酪酸ブチル、メタノール、エタノール、プロパノール、プロピレングリコール等のアルコール類や、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等、或いは、これらの混合物や水との混合物を用いてもよい。
負極合材層用原料のスラリーにおいて、各成分を分散する方法としては、特に限定されないが、例えば、ホモジナイザー、ビーズミル、シェアミキサー、ロールミル等が挙げられる。
負極合材層用原料のスラリーを塗布する方法としては、公知の方法を用いることができ、特に限定はされず、例えば、塗布方法としては、スプレー法、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、グラビア印刷法、ダイコート法等が挙げられる。
負極合材層用原料のスラリーを乾燥する方法は、公知の方法を用いることができ、特に限定されず、例えば、減圧乾燥、加熱乾燥、減圧加熱乾燥などが挙げられ、具体的な条件に制限はなく、適宜設定すればよい。
前記負極合材層用原料のペレットは、前記負極合材層用原料のスラリーを乾燥し、所定量を計量して圧縮成形することにより得ることができる。前記負極合材層用原料の粉末は、例えば、前記負極合材層用原料のペレットを粉砕することにより得ることができる。
前記負極合材層用原料の粉末又はペレットをプレスして前記負極合材層を形成する際、又は、前記負極合材層用原料のスラリーを塗布、乾燥して塗膜を形成した後、当該塗膜をプレスして前記負極合材層を形成する際のプレスの圧力は、特に限定はされないが、例えば、20MPa以上1000MPa以下とすることができる。
前記方法に用いる正極合材層用原料は、例えば、前記正極合材層を構成する各成分を含有する粉末又はペレット、或いは、前記正極合材層を構成する各成分を溶剤に溶解又は分散させたスラリーのいずれであっても良い。前記正極合材層用原料がスラリーの場合に、前記正極合材層用原料を充填し、プレスする方法としては、例えば、前記負極合材層用原料がスラリーの場合と同様の方法が挙げられる。
前記正極合材層用原料は、前記正極活物質を含有し、必要に応じ、前記固体電解質、前記導電材、及び前記結着剤等のその他の成分を更に含んでいてもよく、さらに、正極合材層を製造する途中で除去される溶剤等の成分を含んでいてもよい。
正極合材層用原料の粉末、ペレット又はスラリーは、例えば、前記負極合材層用原料の粉末、ペレット又はスラリーを調整する方法と同様の方法により調製することができる。
前記正極合材層用原料のスラリーを塗布、乾燥する方法としては、例えば、前記負極合材層用原料のスラリーを塗布、乾燥する方法と同様の方法が挙げられる。
前記正極合材層用原料の粉末又はペレットをプレスして前記正極合材層を形成する際、又は、前記正極合材層用原料のスラリーを塗布、乾燥して塗膜を形成した後、当該塗膜をプレスして前記正極合材層を形成する際のプレスの圧力は、特に限定はされないが、例えば、20MPa以上1000MPa以下とすることができる。
前記方法において、前記固体電解質層用原料としては、例えば、前記固体電解質層を構成する各成分を含有する粉末又はペレットを用いることができる。
前記固体電解質層用原料の粉末又はペレットをプレスして前記固体電解質層を形成する際のプレスの圧力は、特に限定はされないが、例えば、20MPa以上1000MPa以下とすることができる。
また、本開示の全固体電池の別の製造方法として、例えば、所望の形状を有する型に、正極合材層用原料の粉末と、固体電解質層用原料の粉末と、負極合材層用原料の粉末とを、この順に堆積させて粉末堆積体を得た後、当該粉末堆積体を一度にプレスする方法を挙げることもできる。
或いは、前述した負極合材層、正極合材層、及び固体電解質層を、各々別に作製した後、組み立てることによって、本開示の全固体電池を製造してもよい。
[実施例1]
(1)負極活物質粒子の作製
焼成炉にシリコン(Si)粉末(高純度化学研究所)を10g投入し、空気雰囲気下において、700℃、60分の処理条件で加熱して熱酸化を行うことで、負極活物質粒子を得た。
得られた負極活物質粒子について、X線光電子分光法(XPS)による表面元素分析を行った。Si=99、SiO=103を基準ピーク位置とし、XPS解析ソフト(マルチパック)を用いてそれぞれのピークにベースラインを引いてピーク面積(ピークの積分値)を算出し、Siに帰属するピークの面積(積分値)に対するSiOに帰属するピークの面積(積分値)の比(SiOのピーク面積/Siのピーク面積)を求めた。
負極活物質粒子のXPSによる表面分析から求めた「SiOのピーク面積/Siのピーク面積」の値を表1に示す。なお、表1及び図2、3において、「SiOのピーク面積/Siのピーク面積」を単に「SiO/Si」と表記する。
(2)硫化物固体電解質の作製
LiS(フルウチ化学)0.550g、P(アルドリッチ)0.887g、LiI(日宝化学)0.285g、LiBr(高純度化学研究所)0.277gをそれぞれ秤量し、これらをメノウ乳鉢で5分間混合した後、脱水ヘプタン(関東化学)4gを加え、遊星型ボールミルを用いて40時間メカニカルミリングすることで、硫化物固体電解質を得た。
(3)正極合材層用原料の作製
LiNi1/3Co1/3Mn1/3(日亜化学工業)の表面にLiNbOを被覆したものを正極活物質として用いた。当該正極活物質1.5g、導電材としてVGCF(昭和電工)0.023g、前記硫化物固体電解質0.239g、結着剤としてPVdF(クレハ)、酪酸ブチル(ナカライテスク)0.8gをそれぞれ秤量し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UH−50)を用いてこれらを混合することで、正極合材層用原料を得た。
(4)負極合材層用原料の作製
前記負極活物質粒子1.0g、導電材としてVGCF(昭和電工)0.04g、前記硫化物固体電解質0.776g、結着剤としてPVdF(クレハ)0.02g、酪酸ブチル(ナカライテスク)2.4gをそれぞれ秤量し、超音波ホモジナイザー(SMT社製、UH−50)を用いてこれらを混合することで、負極合材層用原料を得た。
(5)全固体電池の作製
1cmのセラミックス製の型に、前記硫化物固体電解質を0.065g秤量し、1ton/cm(≒98MPa)でプレスして固体電解質層を形成した。次いで、固体電解質層の片面に、前記正極合材層用原料0.018gを塗布し、乾燥させ、1ton/cmでプレスすることで、正極合材層を形成した。固体電解質層の正極合材層とは逆側の面に、前記負極合材層用原料0.0054gを塗布し、乾燥させ、4ton/cmでプレスすることで負極合材層を形成した。更に、正極集電体としてアルミ箔を正極合材層の表面に配置し、負極集電体として銅箔を負極合材層の表面に配置して、全固体電池を得た。
(6)評価
<初回効率の測定>
全固体電池を0.245mAで4.35Vまで定電流定電圧充電(CC/CV充電)した後、0.245mAで3.0Vまで定電流定電圧放電(CC/CV放電)を行った。
前記CC/CV充電の初期充電容量と、前記CC/CV放電の初期放電容量から、初回効率を下記式により求めた。結果を表1に示す。
初回効率(%)=(初期放電容量/初期充電容量)×100
<耐久後抵抗の測定>
前記初回効率の測定を行った後の電池を、更に、3.43Vの電圧まで0.245mAで定電流充電(CC充電)した後、7.35mAで5秒間放電し、その後、電池を60℃の恒温槽内に入れ、電圧範囲を3.2Vから4.2Vとし、電流値を4.9mAとして、定電流充放電(CC充放電)にて充放電サイクルを300サイクル実施した。次いで、0.245mAで4.35Vまで定電流定電圧充電(CC/CV充電)した後、0.245mAで3.0Vまで定電流定電圧放電(CC/CV放電)し、更に、3.43Vの電圧まで0.245mAで定電流充電(CC充電)した後、7.35mAで5秒間放電し、電圧の変化からDC−IRを測定して耐久後抵抗値とした。
[実施例2、比較例1〜3]
実施例1の前記(1)負極活物質粒子の作製において、シリコン(Si)を加熱する際の処理条件を表1に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2及び比較例1〜3の全固体電池を得て、実施例1と同様の評価を行った。なお、比較例1では、シリコン(Si)を加熱せず、そのまま負極活物質粒子として用いた。
実施例2及び比較例1〜3で用いた負極活物質粒子のXPSによる表面分析で求められるSiに帰属するピークの面積に対するSiOに帰属するピークの面積の比(SiOに帰属するピーク面積/Siに帰属するピーク面積)の値を表1に示す。また、実施例2及び比較例1〜3で得た全固体電池の初回効率及び耐久後抵抗を表1に示す。
また、実施例1、2及び比較例1〜3で得た全固体電池について、使用した負極活物質粒子のXPSによる表面分析で求められるSiに帰属するピークの面積に対するSiOに帰属するピークの面積の比(SiOに帰属するピーク面積/Siに帰属するピーク面積)に対し、耐久後抵抗(Ω)の値をプロットした図を図2に示し、初回効率(%)の値をプロットした図を図3に示す。
表1及び図2の結果から、XPSによる表面分析において、Siに帰属するピークの面積に対するSiOに帰属するピークの面積の比(SiOのピーク面積/Siのピーク面積)が0.37以上0.47以下である負極活物質粒子を用いた実施例1、2の全固体電池では、耐久後抵抗が低く、充放電による抵抗の増加が抑制されたことが明らかにされた。一方、SiOのピーク面積/Siのピーク面積の値が0.37未満又は0.47超過の負極活物質粒子を用いた比較例1〜3の全固体電池は、耐久後抵抗が高く、充放電による抵抗増加を抑制する効果が劣っていた。実施例1、2の全固体電池では、負極活物質粒子の表面のSiOが、硫化物固体電解質と化学的に結合したことにより、充放電後の負極活物質粒子と硫化物固体電解質との剥がれが抑制され、負極活物質と硫化物固体電解質との接触面積が維持されたことと、負極活物質粒子の表面に存在するSiOの量が適度であったため、SiOによるイオン伝導性の低下の影響が少なく、抵抗の増加を抑制する効果が高かったと考えられる。比較例3では、負極活物質粒子の表面に存在するSiOの量が多すぎたため、不可逆反応量が大きく、固体電解質表面のイオン伝導性が低下したことにより、実施例1、2に比べて耐久後抵抗が増加したと推測される。
また、図3から、使用した負極活物質粒子の表面にSiOの量が多いほど、電池の初回効率が低下する傾向があることが明らかにされた。これは、負極活物質粒子表面の酸素と接触している硫化物固体電解質が、初回充電時に不可逆的な反応しているためと推測される。
実施例1、2で得た全固体電池では、使用した負極活物質粒子の表面におけるSiOとSiの存在比率が適度であったため、初期充放電後も容量の低下が抑制され、電池特性を維持しながら、充放電による抵抗増加を抑制することができたと考えられる。
11 固体電解質層
12 正極合材層
13 負極合材層
14 正極集電体
15 負極集電体
16 正極
17 負極
100 全固体電池

Claims (1)

  1. 正極と負極と、前記正極と前記負極との間に配置された固体電解質層とを備える全固体電池であって、
    前記負極及び前記固体電解質層の少なくともいずれかが硫化物固体電解質を含有し、
    前記負極が、Si及びSiOを含む負極活物質粒子を含有し、
    前記負極活物質粒子のX線光電子分光法(XPS)による表面分析において、Siに帰属するピークの面積に対するSiOに帰属するピークの面積の比(SiOに帰属するピーク面積/Siに帰属するピーク面積)が0.37以上0.47以下であることを特徴とする、全固体電池。
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