JP2020160496A - 車両制御装置、車両制御方法、およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムを提供すること。【解決手段】車両制御装置は、車両の周辺環境を認識する認識部と、前記認識部の認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御する運転制御部と、を備え、前記認識部は、第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路がどれであるかを認識する。【選択図】図1
Description
本発明は、車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムに関する。
従来、自車両前方の矢印信号灯が付設された信号機の赤色信号灯が点灯していると判定したとき、矢印信号灯の指示する方向に対する走行レーンと自車両走行レーンとが一致する場合、矢印信号灯に基づいて車両の運転を支援する運転支援方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、上記の従来技術では、矢印が指し示す道路を精度よく認識することができない場合があった。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
この発明に係る車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムは、以下の構成を採用した。
(1):この発明の一態様に係る車両制御装置は、車両の周辺環境を認識する認識部と、前記認識部の認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御する運転制御部と、を備え、前記認識部は、第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路がどれであるかを認識する車両制御装置である。
(1):この発明の一態様に係る車両制御装置は、車両の周辺環境を認識する認識部と、前記認識部の認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御する運転制御部と、を備え、前記認識部は、第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路がどれであるかを認識する車両制御装置である。
(2):上記(1)の態様において、前記第1方向は、前記矢印式信号を正面から見た方向であり、前記第1情報は、前記矢印式信号の矢印が指し示す指示方向を示す情報であるものである。
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記第2方向は、前記複数の道路を俯瞰する方向であり、前記第2情報は、前記複数の道路を俯瞰方向から見た情報であるものである。
(4):上記(2)または(3)の態様において、前記第1情報は、前記矢印式信号の矢印が指し示す指示方向が俯瞰方向から見た俯瞰指示方向に変換された情報であるものである。
(5):上記(4)の態様において、前記統合する処理は、前記認識部が、前記第2情報に前記俯瞰指示方向を反映させる処理であるものである。
(6):上記(5)の態様において、前記認識部は、前記第1方向を基準に指示方向が鉛直反対方向を指し示す矢印を認識した場合、前記第2情報において、前記車両の進行方向と、前記鉛直反対方向が俯瞰から見た前記方向に変換された前記俯瞰指示方向と、が合致するように、前記第2情報に前記第1情報を反映させるものである。
(7):上記(5)または(6)の態様において、前記認識部は、少なくとも、前記指示方向が左右のうち特定方向である第1矢印式信号と、前記指示方向が前記特定方向である第2矢印式信号とを認識した場合、前記第1矢印式信号の前記指示方向と、前記第2矢印式信号の前記指示方向とを、前記俯瞰方向から見た前記俯瞰指示方向に変換し、前記俯瞰指示方向を前記第2情報に反映させて、前記第1矢印式信号に対応する道路と、前記第2矢印式信号に対応する道路とを認識するものである。
(8):上記(1)から(7)のいずれかの態様において、前記認識部は、前記矢印式信号の指示方向を示す矢印を形成する基部と矢先部とを認識し、前記矢先部が指し示す方向を前記矢印式信号が指し示す指示方向として認識するものである。
(9):上記(1)から(8)のいずれかの態様において、前記認識部は、前記矢印式信号の指示方向を示す矢印を形成する基部と矢先部と、前記矢先部が有する屈曲部を認識し、前記屈曲部側に前記基部が延出する方向を前記矢印式信号が指し示す指示方向として認識するものである。
(10):上記(5)から(8)のいずれかの態様において、前記認識部は、前記指示方向が左右のうち特定方向である複数の矢印式信号を認識した場合において、前記複数の道路を俯瞰方向から見た前記第2情報における前記車両の進行方向と、前記複数の矢印式信号を俯瞰方向から見るように変換された前記複数の矢印式信号のそれぞれの矢印の矢先部の方向とがなす第1角が大きい順に前記矢印を一つずつ選択し、前記第2情報における前記車両の進行方向と前記特定方向に延在する道路とのなす第2角が大きい順に前記道路を一つずつ選択し、前記選択における序列が同じ前記なす第1角と前記なす第2角とを組にして、前記矢印が指し示す道路は、前記組における前記矢印に対応する前記道路であると認識するものである。
(11):上記(5)から(10)のいずれかの態様において、前記認識部は、前記矢印式信号の矢印が指し示す指示方向を俯瞰方向から見た俯瞰指示方向に変換し、前記車両が走行する第1道路と、前記第1道路と交差する第2道路とが交差する位置付近を基準に、前記第2情報に前記俯瞰指示方向を反映させるものである。
(12):上記(11)の態様において、前記認識部は、前記第1道路における前記車両が走行する第1走行車線と前記第1走行車線に対する対向車線との第1区画線を延出させた第1仮想線と、前記第2道路における第2走行車線と前記第2走行車線に対する対向車線との第2区画線を延出させた第2仮想線と、が交差する位置付近を前記基準に設定するものである。
(13):上記(1)から(12)のいずれかの態様において、地図情報を記憶した記憶部を更に備え、前記認識部は、前記地図情報を参照して、認識した道路のうち車道を前記複数の道路の対象とするものである。
(14):上記(1)から(13)のいずれかの態様において、前記認識部は、前記矢印式信号の色を認識し、前記運転制御部は、前記認識部により認識された前記色が所定の色でない場合、前記矢印式信号が指示する方向に向かって移動するように、前記車両の操舵および速度を制御しないものである。
(15):この発明の一態様に係る車両制御方法は、コンピュータが、車両の周辺環境を認識し、前記認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御し、第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路がどれであるかを認識する車両制御方法である。
(16):この発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、車両の周辺環境を認識させ、前記認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御させ、第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路がどれであるかを認識させるプログラムである。
(1)〜(16)によれば、矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる。
以下、図面を参照し、本発明の車両制御装置、車両制御方法、およびプログラムの実施形態について説明する。なお、以下では、左側通行の法規が適用される場合について説明するが、右側通行の法規が適用される場合、左右を逆に読み替えればよい。
[全体構成]
図1は、実施形態に係る車両制御装置を利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
図1は、実施形態に係る車両制御装置を利用した車両システム1の構成図である。車両システム1が搭載される車両は、例えば、二輪や三輪、四輪等の車両であり、その駆動源は、ディーゼルエンジンやガソリンエンジンなどの内燃機関、電動機、或いはこれらの組み合わせである。電動機は、内燃機関に連結された発電機による発電電力、或いは二次電池や燃料電池の放電電力を使用して動作する。
車両システム1は、例えば、カメラ10と、レーダ装置12と、ファインダ14と、物体認識装置16と、通信装置20と、HMI(Human Machine Interface)30と、車両センサ40と、ナビゲーション装置50と、MPU(Map Positioning Unit)60と、運転操作子80と、自動運転制御装置100と、走行駆動力出力装置200と、ブレーキ装置210と、ステアリング装置220とを備える。これらの装置や機器は、CAN(Controller Area Network)通信線等の多重通信線やシリアル通信線、無線通信網等によって互いに接続される。なお、図1に示す構成はあくまで一例であり、構成の一部が省略されてもよいし、更に別の構成が追加されてもよい。
カメラ10は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)等の固体撮像素子を利用したデジタルカメラである。カメラ10は、車両システム1が搭載される車両(以下、自車両M)の任意の箇所に取り付けられる。前方を撮像する場合、カメラ10は、フロントウインドシールド上部やルームミラー裏面等に取り付けられる。カメラ10は、例えば、周期的に繰り返し自車両Mの周辺を撮像する。カメラ10は、ステレオカメラであってもよい。
レーダ装置12は、自車両Mの周辺にミリ波などの電波を放射すると共に、物体によって反射された電波(反射波)を検出して少なくとも物体の位置(距離および方位)を検出する。レーダ装置12は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。レーダ装置12は、FM−CW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式によって物体の位置および速度を検出してもよい。
ファインダ14は、LIDAR(Light Detection and Ranging)である。ファインダ14は、自車両Mの周辺に光を照射し、散乱光を測定する。ファインダ14は、発光から受光までの時間に基づいて、対象までの距離を検出する。照射される光は、例えば、パルス状のレーザー光である。ファインダ14は、自車両Mの任意の箇所に取り付けられる。
物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14のうち一部または全部による検出結果に対してセンサフュージョン処理を行って、物体の位置、種類、速度などを認識する。物体認識装置16は、認識結果を自動運転制御装置100に出力する。物体認識装置16は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14の検出結果をそのまま自動運転制御装置100に出力してよい。車両システム1から物体認識装置16が省略されてもよい。
通信装置20は、例えば、セルラー網やWi−Fi網、Bluetooth(登録商標)、DSRC(Dedicated Short Range Communication)などを利用して、自車両Mの周辺に存在する他車両と通信し、或いは無線基地局を介して各種サーバ装置と通信する。
HMI30は、自車両Mの乗員に対して各種情報を提示すると共に、乗員による入力操作を受け付ける。HMI30は、各種表示装置、スピーカ、ブザー、タッチパネル、スイッチ、キーなどを含む。
車両センサ40は、自車両Mの速度を検出する車速センサ、加速度を検出する加速度センサ、鉛直軸回りの角速度を検出するヨーレートセンサ、自車両Mの向きを検出する方位センサ等を含む。
ナビゲーション装置50は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機51と、ナビHMI52と、経路決定部53とを備える。ナビゲーション装置50は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置に第1地図情報54を保持している。GNSS受信機51は、GNSS衛星から受信した信号に基づいて、自車両Mの位置を特定する。自車両Mの位置は、車両センサ40の出力を利用したINS(Inertial Navigation System)によって特定または補完されてもよい。ナビHMI52は、表示装置、スピーカ、タッチパネル、キーなどを含む。ナビHMI52は、前述したHMI30と一部または全部が共通化されてもよい。経路決定部53は、例えば、GNSS受信機51により特定された自車両Mの位置(或いは入力された任意の位置)から、ナビHMI52を用いて乗員により入力された目的地までの経路(以下、地図上経路)を、第1地図情報54を参照して決定する。第1地図情報54は、例えば、道路を示すリンクと、リンクによって接続されたノードとによって道路形状が表現された情報である。第1地図情報54は、道路の曲率やPOI(Point Of Interest)情報などを含んでもよい。地図上経路は、MPU60に出力される。ナビゲーション装置50は、地図上経路に基づいて、ナビHMI52を用いた経路案内を行ってもよい。ナビゲーション装置50は、例えば、乗員の保有するスマートフォンやタブレット端末等の端末装置の機能によって実現されてもよい。ナビゲーション装置50は、通信装置20を介してナビゲーションサーバに現在位置と目的地を送信し、ナビゲーションサーバから地図上経路と同等の経路を取得してもよい。
MPU60は、例えば、推奨車線決定部61を含み、HDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に第2地図情報62を保持している。推奨車線決定部61は、ナビゲーション装置50から提供された地図上経路を複数のブロックに分割し(例えば、車両進行方向に関して100[m]毎に分割し)、第2地図情報62を参照してブロックごとに推奨車線を決定する。推奨車線決定部61は、左から何番目の車線を走行するといった決定を行う。推奨車線決定部61は、地図上経路に分岐箇所が存在する場合、自車両Mが、分岐先に進行するための合理的な経路を走行できるように、推奨車線を決定する。
第2地図情報62は、第1地図情報54よりも高精度な地図情報である。第2地図情報62は、例えば、車線の中央の情報あるいは車線の境界の情報等を含んでいる。また、第2地図情報62には、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報などが含まれてよい。第2地図情報62は、通信装置20が他装置と通信することにより、随時、アップデートされてよい。
運転操作子80は、例えば、アクセルペダル、ブレーキペダル、シフトレバー、ステアリングホイール、異形ステア、ジョイスティックその他の操作子を含む。運転操作子80には、操作量あるいは操作の有無を検出するセンサが取り付けられており、その検出結果は、自動運転制御装置100、もしくは、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220のうち一部または全部に出力される。
自動運転制御装置100は、例えば、第1制御部120と、第2制御部160とを備える。第1制御部120と第2制御部160は、それぞれ、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。また、これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体(非一過性の記憶媒体)がドライブ装置に装着されることで自動運転制御装置100のHDDやフラッシュメモリにインストールされてもよい。
図2は、第1制御部120および第2制御部160の機能構成図である。第1制御部120は、例えば、認識部130と、行動計画生成部140とを備える。第1制御部120は、例えば、AI(Artificial Intelligence;人工知能)による機能と、予め与えられたモデルによる機能とを並行して実現する。例えば、「交差点を認識する」機能は、ディープラーニング等による交差点の認識と、予め与えられた条件(パターンマッチング可能な信号、道路標示などがある)に基づく認識とが並行して実行され、双方に対してスコア付けして総合的に評価することで実現されてよい。これによって、自動運転の信頼性が担保される。
認識部130は、カメラ10、レーダ装置12、およびファインダ14から物体認識装置16を介して入力された情報に基づいて、自車両Mの周辺にある物体の位置、および速度、加速度等の状態を認識する。物体の位置は、例えば、自車両Mの代表点(重心や駆動軸中心など)を原点とした絶対座標上の位置として認識され、制御に使用される。物体の位置は、その物体の重心やコーナー等の代表点で表されてもよいし、表現された領域で表されてもよい。物体の「状態」とは、物体の加速度やジャーク、あるいは「行動状態」(例えば車線変更をしている、またはしようとしているか否か)を含んでもよい。
また、認識部130は、例えば、自車両Mが走行している車線(走行車線)を認識する。例えば、認識部130は、第2地図情報62から得られる道路区画線のパターン(例えば実線と破線の配列)と、カメラ10によって撮像された画像から認識される自車両Mの周辺の道路区画線のパターンとを比較することで、走行車線を認識する。なお、認識部130は、道路区画線に限らず、道路区画線や路肩、縁石、中央分離帯、ガードレールなどを含む走路境界(道路境界)を認識することで、走行車線を認識してもよい。この認識において、ナビゲーション装置50から取得される自車両Mの位置やINSによる処理結果が加味されてもよい。また、認識部130は、一時停止線、障害物、信号(矢印式信号を含む)、料金所、その他の道路事象を認識する。また、認識部130は、認識した認識対象の色を認識する。
認識部130は、走行車線を認識する際に、走行車線に対する自車両Mの位置や姿勢を認識する。認識部130は、例えば、自車両Mの基準点の車線中央からの乖離、および自車両Mの進行方向の車線中央を連ねた線に対してなす角を、走行車線に対する自車両Mの相対位置および姿勢として認識してもよい。これに代えて、認識部130は、走行車線のいずれかの側端部(道路区画線または道路境界)に対する自車両Mの基準点の位置などを、走行車線に対する自車両Mの相対位置として認識してもよい。
認識部130は、矢印式信号が指し示す道路を認識する。認識部130は、例えば、判定部132、処理部134、および道路認識部136を備える。判定部132、処理部134、および道路認識部136の概要について説明し、詳細については後述する。
判定部132は、カメラ10により撮像された画像を取得し、取得した画像に矢印式信号が含まれるか否か判定する。また、判定部132は、画像に矢印式信号が含まれる場合、上記の矢印式信号の色を認識し、認識した色が所定の色であるか判定する。処理部134は、画像における矢印式信号の矢印を俯瞰するように見た矢印に変換したり、変換した矢印を俯瞰で見たときの道路に当てはめたりする。
道路認識部136は、道瞰指示方向が指し示す道路を認識する。行動計画生成部140は、認識部130の認識結果に基づいて、自車両Mの操作および速度を制御する。この処理の詳細については後述する。
行動計画生成部140は、原則的には推奨車線決定部61により決定された推奨車線を走行し、更に、自車両Mの周辺状況に対応できるように、自車両Mが自動的に(運転者の操作に依らずに)将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、自車両Mの到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、道なり距離で所定の走行距離(例えば数[m]程度)ごとの自車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
行動計画生成部140は、目標軌道を生成するにあたり、自動運転のイベントを設定してよい。自動運転のイベントには、定速走行イベント、低速追従走行イベント、車線変更イベント、分岐イベント、合流イベント、テイクオーバーイベントなどがある。行動計画生成部140は、起動させたイベントに応じた目標軌道を生成する。
第2制御部160は、行動計画生成部140によって生成された目標軌道を、予定の時刻通りに自車両Mが通過するように、走行駆動力出力装置200、ブレーキ装置210、およびステアリング装置220を制御する。
図2に戻り、第2制御部160は、例えば、取得部162と、速度制御部164と、操舵制御部166とを備える。取得部162は、行動計画生成部140により生成された目標軌道(軌道点)の情報を取得し、メモリ(不図示)に記憶させる。速度制御部164は、メモリに記憶された目標軌道に付随する速度要素に基づいて、走行駆動力出力装置200またはブレーキ装置210を制御する。操舵制御部166は、メモリに記憶された目標軌道の曲がり具合に応じて、ステアリング装置220を制御する。速度制御部164および操舵制御部166の処理は、例えば、フィードフォワード制御とフィードバック制御との組み合わせにより実現される。一例として、操舵制御部166は、自車両Mの前方の道路の曲率に応じたフィードフォワード制御と、目標軌道からの乖離に基づくフィードバック制御とを組み合わせて実行する。
走行駆動力出力装置200は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。走行駆動力出力装置200は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するECU(Electronic Control Unit)とを備える。ECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置210は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置210は、運転操作子80に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置210は、上記説明した構成に限らず、第2制御部160から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置220は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、第2制御部160から入力される情報、或いは運転操作子80から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
以下の説明において適宜、XYZ座標系を用いて位置関係等を説明する。X方向は、自車両Mの進行方向であり、Y方向は、進行方向に直交する方向すなわち水平面内でX方向に直交する方向である。Z方向は、X方向およびY方向に直交する方向である。
[特定処理]
認識部130は、第1方向を基準に生成された自車両Mの進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する特定処理を行って、複数の道路のうち、矢印式信号が指し示す道路がどれであるかを認識する。
認識部130は、第1方向を基準に生成された自車両Mの進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する特定処理を行って、複数の道路のうち、矢印式信号が指し示す道路がどれであるかを認識する。
「第1方向」は、矢印式信号を正面(略正面)から見た方向である。正面から見た方向とは、自車両Mが進行方向に存在する矢印式信号を、自車両M側から見た方向である。「第1情報」は、矢印式信号の矢印が指し示す指示方向を示す情報である。また、「第1情報」は、指示方向が俯瞰方向から見た俯瞰指示方向に変換された情報である。
「第2方向」は、複数の道路を俯瞰する方向である。「第2情報」は、複数の道路を俯瞰方向から見た情報である。
「特定処理」は、認識部130が、第2情報に俯瞰指示方向を反映させる処理である。以下、この処理の詳細について、図3〜図7を参照して説明する。
図3は、自動運転制御装置100により実行される特定処理の流れの一例を示すフローチャートである。図3のステップ番号は、図4〜6のステップ番号に相当する。
まず、判定部132が、カメラ10により撮像された画像を取得する(ステップS100)。次に、判定部132は、取得した画像に矢印式信号が含まれるか否かを判定する(ステップS102)。画像に矢印式信号が含まれる場合、認識部130は、上記の矢印式信号の色を認識する(ステップS104)。次に、判定部132は、矢印式信号の色が所定の色(例えば緑)であるか否かを判定する(ステップS106)。
矢印式信号の色が所定の色でない場合、判定部132は、ステップS102で画像に含まれると判定された矢印式信号は、自車両Mが従って行動する対象の矢印式信号でないと判定する(ステップS108)。この場合、自動運転制御装置100は、矢印式信号が指示する方向に向かって移動するように、自車両Mの操舵および速度を制御しない。所定の色とは、法規等で車両が従うことを意味する色(日本国内であれば、例えば緑)である。
例えば、所定の色以外の色とは、車両以外の交通参加者(路面電車など)が従うことを意味する色(日本国内であれば、例えば黄色)である。また、所定の色および所定の色以外の色は、各国や地域によって変更されてもよい。例えば、赤色の矢印式信号が認識された場合、認識部130は、矢印式信号が示す方向に進行禁止という意味であることを認識してもよい。
ステップS106で矢印式信号の色が所定の色であると判定された場合、認識部130は、ステップS100で取得された画像における矢印式信号の矢印の指示方向(正面指示方向)を認識する(ステップS110)。すなわち、第1方向から見たときの矢印式信号の矢印の指示方向を認識する。
認識部130は、例えば、矢印式信号の指示方向を示す矢印を形成する基部と矢先部とを認識し、矢先部が指し示す方向を矢印式信号が指し示す指示方向として認識する。図4は、基部bと矢先部aとにより形成される矢印の一例を示す図である。図4の例では、矢先部aの先端がZ方向を指し示している。この場合、車両が直進する方向を矢印式信号は指し示している。また、認識部130は、矢先部aが有する屈曲部cを認識し、屈曲部c側に基部bが延出する方向を矢印式信号が指し示す指示方向として認識してもよい。
次に、処理部134が、正面指示方向を俯瞰指示方向に変換する(ステップS112)。俯瞰指示方向とは、正面から認識された矢印式信号の指示方向を俯瞰方向から把握すると仮定した場合の矢印式信号の指示方向である。例えば、処理部134は、所定の変換テーブルを参照して、正面指示方向を俯瞰指示方向に変換してもよいし、所定の関数やアルゴリズムを用いて正面指示方向を俯瞰指示方向に変換してよい。また、地面からの矢印式信号機の設置場所や、基準位置に対する矢印式信号機の設置角度が加味された上記の変換がされてもよい。
図5は、変換処理の概念図である。例えば、処理部134は、ZY平面において方向を指し示す正面指示方向を、XY平面において正面指示方向が指し示す方向に対応する方向を指し示す俯瞰指示方向に変換する。
次に、処理部134は、ステップS100で取得された画像、またはステップS100で取得された画像が撮像されたタイミングの前後のタイミングで撮像された画像に基づいて、俯瞰方向から道路の構造を表現した道路情報を生成する(ステップS114)。例えば、処理部134は、所定の変換テーブルを参照して、画像から得られた情報に基づいて道路情報を生成する。なお、道路情報は、地図情報に基づいて、または加味して生成されてもよいし、他の装置と通信して他の装置から取得されてもよい。図6は、ステップS114および後述するステップS116の処理の概念図である。
次に、処理部134は、ステップS114で生成した道路情報に基準点を設定する(ステップS116)。例えば、処理部134は、後述する図6のS116に示すように、自車両Mが走行する第1道路R1と、第1道路R1と交差する第2道路R2とが交差する位置付近を基準位置SPとする。第2道路R2は、例えば、第1道路R1と直交する道路である。
例えば、処理部134は、第1仮想線IM1と、第2仮想線IM2と、が交差する位置付近を基準位置SPに設定する。第1仮想線IM1は、第1道路R1における自車両Mが走行する第1走行車線と第1走行車線に対する対向車線との第1区画線D1を延出させた仮想線である。第2仮想線IM2は、第2道路R2における第2走行車線と第2走行車線に対する対向車線との第2区画線D2を延出させた仮想線である。
次に、処理部134は、基準位置SPに基づいて、道路情報に俯瞰指示方向を当てはめる(ステップS118)。例えば、処理部134は、俯瞰指示方向の矢印の起点(基部bの矢先部aから遠い端部)を基準位置SPに設定する。すなわち、処理部134は、道路情報に俯瞰指示方向を反映させる。図7は、ステップS118および後述するステップS120の処理の概念図である。
次に、道路認識部136が、俯瞰指示方向が指し示す道路を矢印式信号が指し示す道路であると認識する(ステップS120)。例えば、道路認識部136は、道路情報に含まれる各道路R1〜R5の入口を設定する。例えば、道路認識部136は、道路の第1始点と第2始点とを結んだ仮想線IM11〜IM15を入口として設定する。道路の始点とは、交差点付近に存在する道路の端部(例えば、他の道路と接続する箇所)である。道路認識部136は、俯瞰指示方向の矢印を延在させた場合に、この矢印と接触する入口に対応する道路を、矢印式信号が指し示す道路であると認識する。
例えば、図7の例では、道路認識部136は、俯瞰指示方向AR1は仮想線IM11に対応する道路R4を指し示し、俯瞰指示方向AR2は仮想線IM12に対応する道路R5を指し示していると認識する。
そして、自動運転制御装置100は、ステップS120の認識結果に基づいて、自車両Mを制御する(ステップS122)。例えば、自車両Mは、道路R4に進行する計画を生成している場合において、特定処理結果に基づいて、道路R4方向に進んでよいことを示すように矢印式信号が点灯したと認識した場合、周辺状況を考慮しながら道路R4方向に進む。
上述したように、認識部130は、特定処理を行うことにより、矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる。ひいては、自動運転制御装置100は、より精度の高い自動運転を実現することができる。
なお、認識部130は、少なくとも、矢印式信号の指示方向が左右のうち特定方向(プラスY方向またはマイナスY方向)である第1矢印式信号と、指示方向が特定方向である第2矢印式信号を認識した場合、第1矢印式信号の指示方向と、第2矢印式信号の指示方向とを、俯瞰方向から見た俯瞰指示方向に変換し、俯瞰指示方向を道路情報に反映させて、第1矢印式信号に対応する道路と、第2矢印式信号に対応する道路とを認識してもよい。すなわち、指示方向が所定の角度の範囲内に含まれる複数の矢印式信号が存在する場合に、特定処理が行われてもよい。
特定方向とは、例えば、自車両Mの進行方向をゼロ度とした場合に、ゼロ度からプラス180度、またはゼロ度からマイナス180度の方向である。例えば、自車両Mの進行方向を基準に右方向を指し示す第1矢印式信号および第2矢印式信号が存在する場合、特定方向はゼロ度からプラス180度の方向である。また、当然、一つの矢印式信号が存在する場合であっても、同様の処理が行われてもよい。
[俯瞰指示方向に対応する道路を認識する処理の他の一例(その1)]
図3のステップ120の俯瞰指示方向が指し示す道路を矢印式信号が指し示す道路であると認識する処理は、以下のように行われてもよい。
図3のステップ120の俯瞰指示方向が指し示す道路を矢印式信号が指し示す道路であると認識する処理は、以下のように行われてもよい。
図8は、俯瞰指示方向に対応する道路を認識する処理の他の一例を示す図である。道路認識部136は、基準位置SPまたは所定位置に基づいて、道路情報に俯瞰指示方向を当てはめ、更に、道路ベクトルを生成する。道路ベクトルは、道路が延在する方向を示すベクトルである。例えば、道路認識部136は、例えば、道路の幅方向の中心点を結んだ線が延在する方向をベクトルの向きとする道路ベクトル(図7のar1〜ar5)を生成する。また、道路ベクトルは、道路の車線を区画線が延在する方向がベクトルの向きとして設定されてもよい。
道路認識部136は、俯瞰指示方向AR1、AR2のそれぞれと、道路ベクトルのそれぞれとがなす角を導出し、俯瞰指示方向AR1、AR2に対するなす角が最小になるような道路を導出する。換言すると、道路認識部136は、俯瞰指示方向と道路ベクトルとを網羅的に組み合わせ、これらのなす角の大きさを導出し、導出したなす角の大きさが最小になるような俯瞰指示方向と道路ベクトルとの組み合わせを導出する。道路認識部136は、導出した組み合わせの道路ベクトルに対応する道路を俯瞰指示方向が指し示す道路であると認識する。最小になるような俯瞰指示方向と道路ベクトルとの組み合わせとは、それぞれのなす角の大きさが閾値以下となり、それぞれのなす角の大きさが平滑化されるような組み合わせである。
また、上記の処理に代えて、道路認識部136は、自車両Mの進行方向または自車両Mの進行方向に直交する直交方向の俯瞰指示方向が指し示す道路を認識した後、その他の俯瞰指示方向が指し示す道路であると認識してもよい。例えば、図8の例では、道路認識部136は、直交方向の俯瞰指示方向AR2とのなす角の大きさが最小となる道路ベクトルar5を導出し、俯瞰指示方向AR2の指し示す道路は道路R5であると認識する。次に、道路認識部136は、俯瞰指示方向AR2と道路ベクトルar5以外の道路ベクトルとのなす角度を導出し、俯瞰指示方向AR1とのなす角が最小となる道路ベクトルar4を導出し、俯瞰指示方向AR1の指し示す道路は道路4であると認識する。
なお、図3のフローチャートのステップS120の処理で説明したように、道路認識部136は、道路情報に含まれる各道路の入口を設定する処理においても、自車両Mの進行方向、または自車両Mの進行方向に直交する直交方向の俯瞰指示方向が指し示す道路を認識した後、その他の俯瞰指示方向が指し示す道路であると認識してもよい。
図9は、入口を設定する処理における俯瞰指示方向が指し示す道路が認識される一例を示す図である。自車両Mの進行方向に合致する俯瞰指示方向AR3と、進行方向に直交する俯瞰指示方向AR2とに対する道路が認識された後、他の俯瞰指示方向AR1の道路が認識される処理が行われてもよい。
上述したように、認識部130は、特定処理を行うことにより、矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる。
[俯瞰指示方向がUターンを示す際の処理の他の一例]
図10は、俯瞰指示方向がUターンを示す際の処理の一例を示す図である。図3〜9で説明したように、俯瞰指示方向が自車両Mの進行方向とは反対方向を指し示す場合、道路認識部136は、上述した処理により、俯瞰指示方向は自車両Mの対向車線を指し示す道路であると認識する。認識部130は、対向車線にUターンすることが可能であることを認識することができる。
図10は、俯瞰指示方向がUターンを示す際の処理の一例を示す図である。図3〜9で説明したように、俯瞰指示方向が自車両Mの進行方向とは反対方向を指し示す場合、道路認識部136は、上述した処理により、俯瞰指示方向は自車両Mの対向車線を指し示す道路であると認識する。認識部130は、対向車線にUターンすることが可能であることを認識することができる。
上述したように、認識部130は、Uターンを示す矢印式信号が存在する場合であっても矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる。
[正面指示方向が鉛直反対方向(Z方向)を示す際の処理の一例]
図11は、正面指示方向が鉛直反対方向(Z方向)を示す際の処理の一例を示す図である。道路認識部136は、第1方向を基準に指示方向が鉛直反対方向を示す矢印を認識した場合、道路情報において、自車両Mの進行方向PDと、第1方向を基準にした場合の鉛直反対方向が俯瞰から見た方向に変換された俯瞰指示方向AR3と、が合致するように、道路情報に指示方向を反映させる。そして、道路認識部136は、俯瞰指示方向AR3は自車両Mが進行している道路を指し示していると認識する。なお、この処理は、上述した各処理においても適用されてもよい。
図11は、正面指示方向が鉛直反対方向(Z方向)を示す際の処理の一例を示す図である。道路認識部136は、第1方向を基準に指示方向が鉛直反対方向を示す矢印を認識した場合、道路情報において、自車両Mの進行方向PDと、第1方向を基準にした場合の鉛直反対方向が俯瞰から見た方向に変換された俯瞰指示方向AR3と、が合致するように、道路情報に指示方向を反映させる。そして、道路認識部136は、俯瞰指示方向AR3は自車両Mが進行している道路を指し示していると認識する。なお、この処理は、上述した各処理においても適用されてもよい。
上述したように、認識部130は、鉛直反対方向を示す矢印式信号が存在する場合、より容易に矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる。
[俯瞰指示方向に対応する道路を認識する処理の他の一例(その2)]
認識部130は、指示方向が左右のうち特定方向である複数の矢印式信号を認識した場合において、以下の処理を行ってもよい。なお、右方向を指し示す矢印式信号と左方向を指し示す矢印式信号とが存在する場合、本処理の対象外とされてもよい。
認識部130は、指示方向が左右のうち特定方向である複数の矢印式信号を認識した場合において、以下の処理を行ってもよい。なお、右方向を指し示す矢印式信号と左方向を指し示す矢印式信号とが存在する場合、本処理の対象外とされてもよい。
例えば、認識部130は、複数の道路を俯瞰方向から見た道路情報における自車両Mの進行方向と、複数の矢印式信号を俯瞰方向から見るように変換された複数の矢印式信号のそれぞれの矢印の矢先部の方向とがなす第1角が大きい順に矢印を一つずつ選択する。認識部130は、道路情報における自車両Mの進行方向と特定方向に延在する道路とのなす第2角が大きい順に道路を一つずつ選択する。更に、認識部130は、選択における序列が同じなす第1角となす第2角とを組にして、矢印が指し示す道路は、組における矢印に対応する道路であると認識する。
例えば、道路1〜3、および俯瞰指示方向1〜3が存在する場合、認識部130は、道路1と俯瞰指示方向1とを選択し、これを組とし、道路2と俯瞰指示方向2とを選択し、これを組みとし、道路3と俯瞰指示方向3とを選択し、これを組とする。そして、認識部130は、俯瞰指示方向1が指し示す道路は道路1であり、俯瞰指示方向2が指し示す道路は道路2であり、俯瞰指示方向3が指し示す道路は道路3であると認識する。
図12は、俯瞰指示方向に対応する道路を認識する処理の他の一例(その2−1A)を示す図である。例えば、認識部130は、複数の矢印式信号を俯瞰方向から見るように変換された複数の矢印式信号のそれぞれの俯瞰指示方向AR3、AR4の矢印の矢先部の方向と、自車両Mの進行方向PDとがなす角の大きさθ1、θ2が大きい順に矢印を一つずつ選択する。θ1>θ2なので、俯瞰指示方向AR3、AR4の矢印の順で選択される。
次に、例えば、認識部130は、特定方向に延在する道路の基準方向ARr1、ARr2と、自車両Mの進行方向PDとのなす角の大きさθ11、θ12が大きい順に基準方向に対応する道路を一つずつ選択する。θ11>θ12なので、基準方向ARr1、ARr2の順で選択される。
そして、認識部130は、矢印を選択した順序と、基準方向を選択した順序とにおいて、同じ序列の矢印と基準方向とを組にして、それぞれが対応すると認識する。上記の例では、俯瞰指示方向AR3は基準方向ARr1に対応する道路を指し示し、俯瞰指示方向AR4は基準方向ARr2に対応する道路を指し示していると認識される。
図13は、俯瞰指示方向に対応する道路を認識する処理の他の一例(その2−1B)を示す図である。図12の例では、Uターンを指し示す矢印式信号が表示されるものとした。 図13の例では、Uターンを指し示す矢印式信号が表示されない。例えば、自動運転制御装置100は、地図情報や他の装置により送信された情報、標識等に基づいて、対象の矢印式信号にはUターンを指し示す矢印式信号が表示されないことを認識した場合、Uターン先の道路R1を処理対象から除外する。
図13の例では、認識部130は、矢印式信号の俯瞰指示方向AR4、AR5の矢印の矢先部の方向と、自車両Mの進行方向PDとがなす角の大きさθ2、θ3が大きい順に矢印を一つずつ選択する。θ2>θ3なので、俯瞰指示方向AR4、AR5の矢印の順で選択される。
例えば、認識部130は、道路の基準方向ARr2、ARr3と、自車両Mの進行方向PDとのなす角の大きさθ12、θ13が大きい順に基準方向に対応する道路を一つずつ選択する。θ12>θ13なので、基準方向ARr2、ARr3の順で選択される。
認識部130は、俯瞰指示方向AR4は基準方向ARr2に対応する道路を指し示し、俯瞰指示方向AR5は基準方向ARr3に対応する道路を指し示していると認識する。
上述したように、認識部130は、自車両Mの進行方向と道路ベクトルとのなす角と、自車両Mの進行方向と俯瞰指示方向とのなす角とに基づいて、矢印式信号が指し示す道路を認識することにより、矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる。
[俯瞰指示方向に対応する道路を認識する処理の他の一例(その2−2)]
図14は、俯瞰指示方向に対応する道路を認識する処理の他の一例(その2−2)を示す図である。図14に示すように、矢印式信号が表示される表示枠の数が、Uターン先の道路を除いた道路(進行先)の数よりも多い場合、Uターンを指し示す矢印式信号が表示されるものとされてもよい。この場合、認識部130は、矢印式信号が表示される表示枠のうち最も右側には、Uターンを指し示す矢印式信号が表示されると認識する。
図14は、俯瞰指示方向に対応する道路を認識する処理の他の一例(その2−2)を示す図である。図14に示すように、矢印式信号が表示される表示枠の数が、Uターン先の道路を除いた道路(進行先)の数よりも多い場合、Uターンを指し示す矢印式信号が表示されるものとされてもよい。この場合、認識部130は、矢印式信号が表示される表示枠のうち最も右側には、Uターンを指し示す矢印式信号が表示されると認識する。
図14の例では、認識部130は、表示枠のうち、最も右側に表示される表示枠には何も表示されていないため、Uターン対象の道路を処理対象から除外する。例えば、認識部130は、表示枠のうち、最も右側に表示される表示枠の次に右側の表示枠に表示される矢印式信号およびそれより左側の表示枠に表示された矢印式信号と、Uターン先の道路を除いた道路とを処理対象とする。
上述したように、認識部130は、Uターンを示す矢印式信号が出現する場合であっても、矢印が指し示す道路をより精度よく認識することができる。
以上説明した第1実施形態によれば、認識部130は、第1方向を基準に生成された車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、第1方向とは別の第2方向を基準に生成された矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する特定処理を行って、複数の道路のうち、矢印式信号が指し示す道路を精度よく認識することができる。
<第2実施形態>
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、矢印式信号に対応付けられた設けられた看板、または道路上に表示された路面標示を加味して、矢印式信号が指し示す道路を認識する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
以下、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、矢印式信号に対応付けられた設けられた看板、または道路上に表示された路面標示を加味して、矢印式信号が指し示す道路を認識する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
図15は、第2実施形態の特定処理の対象となる場面の一例を示す図である。例えば、図15に示すように、矢印式信号に対応付けられて地名が対応付けられていたり、矢印式信号の手前の路面に路面標示が存在していたりする場合、これらの情報が加味されて、矢印式信号の矢印が指し示す道路が認識される。
[フローチャート]
図16は、第2実施形態の自動運転制御装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、認識部130が、図3のフローチャートのステップS100〜S120の処理を実行する(ステップS200)。次に、道路認識部136が、ステップS120で認識した道路を道路候補として抽出する(ステップS202)。
図16は、第2実施形態の自動運転制御装置100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、認識部130が、図3のフローチャートのステップS100〜S120の処理を実行する(ステップS200)。次に、道路認識部136が、ステップS120で認識した道路を道路候補として抽出する(ステップS202)。
次に、道路認識部136は、地図情報を参照して、道路候補の行き先を取得し、取得した行き先と、矢印式信号に対応する看板とに基づいて、第1スコアを導出する(ステップS204)。第1スコアは、矢印式信号に対応付けられた行き先と、矢印式信号に基づいて抽出された道路候補の行き先との合致度に基づく指標である。
例えば、道路認識部136は、画像処理を行って矢印式信号付近に設けられた看板を認識し、更に、地図情報等を参照して、看板に表示された情報が地名や道路名など行き先を示唆する情報(行き先情報)であるか否かを判定する。行き先情報である場合、認識部130は、看板の最も近くに存在する矢印式信号の表示枠を認識し、行き先情報は、上記の認識した表示枠の矢印式信号に対応する情報であると認識する。なお、図15の例では、最も右側の右方向を指し示している矢印式信号に対応する行き先情報は「D」である。
例えば、認識された矢印式信号に対応する行き先情報が存在する場合、認識部130は、行き先情報の行き先と、道路候補の行き先とが合致するか否かを判定し、合致度に応じて第1スコアを導出する。例えば、認識部130は、地図情報を参照し、道路の行き先を辿ると、行き先情報の行き先に到達する場合、高い第1スコアを導出し、外れる場合は低い第1スコアを導出し、到達はしないが近くに到達する場合、高いスコアと低いスコアとの間のスコアを導出する。
次に、道路認識部136は、第1スコアが閾値以上であるか否かを判定する(ステップS206)。例えば、複数の道路候補が存在する場合、すべての、道路候補の行き先と、行き先情報の行き先とに対する第1スコアが閾値以上である必要がある。
第1スコアが閾値以上でない場合、道路認識部136は、再度、道路候補を設定する(ステップS216)。例えば、道路候補の行き先が埼玉であり、行き先情報の行き先が千葉であるような場合、第1スコアは閾値未満となる場合がある。例えば、道路認識部136は、前回、導出した道路候補の次に、矢印式信号が示す道路である可能性が高い道路を道路候補に設定する。例えば、道路認識部136は、前回とは異なる手法(上述した処理または後述する処理)を用いて道路候補を導出したり、処理対象とした画像とは異なるタイミングで撮像された画像を用いて処理を行ったりする。
第1スコアが閾値以上である場合、道路認識部136は、路面標示が指し示す道路を認識する(ステップS208)。図17は、ステップS208の処理について説明するための図である。例えば、処理部134は、カメラ10により撮像された画像に含まれる路面標示を認識し、認識した路面標示を俯瞰方向から見た路面標示に変換する。道路認識部136は、処理部134により変換された路面標示S1〜S4を道路情報に対応付ける。そして、道路認識部136は、各路面標示S1〜S4の方向と、道路ベクトルが指し示す方向とを比較して、路面標示と道路ベクトルとのなす角の大きさが最小になる組み合わせを導出する。なお、マイナスX方向側に存在する路面標示ほど、マイナスX方向側に延在する道路に対する路面標示である。
道路認識部136は、図17に示すうに、道路r3の道路ベクトルrv3と路面標示S3との組み合わせがなす角の大きさが最小となり、道路r2の道路ベクトルrv2と路面標示S2との組み合わせがなす角の大きさが最小となると認識する。そして、道路認識部136は、路面標示S3は道路r3を指し示し、路面標示S2は道路r2を指し示すと認識する。路面標示に基づいて認識された道路を「特定道路」と称する場合がある。
次に、道路認識部136は、矢印式信号の俯瞰指示方向と、俯瞰方向から見た路面標示とに対応する道路を導出する(ステップS210)。図18は、ステップS210の処理を説明するための図である。例えば、道路認識部136は、矢印式信号の俯瞰指示方向と、俯瞰方向から見た路面標示の指し示す方向とがなす角の大きさが最小となる組み合わせを導出する。図18の例では、路面標示S3と俯瞰指示方向AR11との組み合わせと、路面標示S2と俯瞰指示方向AR12との組み合わせとが導出される。道路認識部136は、俯瞰指示方向AR11は、路面標示S3に対応付けられた道路r3を指し示し、俯瞰指示方向AR12は、路面標示S2に対応付けられた道路r2を指し示していると認識する。
次に、道路認識部136は、矢印式信号における道路候補と、矢印式信号および路面標示に対応する特定道路とが一致するか否かを判定する(ステップS212)。ステップ道路候補と特定道路とが一致しない場合、ステップS216の処理に進む。
道路候補と特定道路とが一致する場合、道路認識部136は、道路候補を矢印式信号が指し示す道路と認識する(ステップS214)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。
上述したように、認識部130は、矢印式信号の周辺の情報を加味することにより、更に、より精度よく矢印式信号が指し示す道路を認識することができる。
[変形例]
なお、上述したような処理の流れに代えて、認識部130は、処理結果に対するスコアを導出し、導出したスコアに基づいて、矢印式信号が指し示す道路を認識してもよい。図19は、導出されるスコアの内容の一例を示す図である。例えば、認識部130は、図示するように、矢印式信号と、この矢印式信号に対応する道路候補との組み合わせごとにスコア1〜スコア4を導出し、導出したスコアを統計的に処理して矢印式信号が指し示す道路が認識する。例えば、認識部130は、すべての、矢印式信号と、この矢印式信号に対応する道路候補との組み合わせごとのスコア(統合スコア)が閾値以上である場合、矢印式信号が指し示す道路は道路候補であると認識する。
なお、上述したような処理の流れに代えて、認識部130は、処理結果に対するスコアを導出し、導出したスコアに基づいて、矢印式信号が指し示す道路を認識してもよい。図19は、導出されるスコアの内容の一例を示す図である。例えば、認識部130は、図示するように、矢印式信号と、この矢印式信号に対応する道路候補との組み合わせごとにスコア1〜スコア4を導出し、導出したスコアを統計的に処理して矢印式信号が指し示す道路が認識する。例えば、認識部130は、すべての、矢印式信号と、この矢印式信号に対応する道路候補との組み合わせごとのスコア(統合スコア)が閾値以上である場合、矢印式信号が指し示す道路は道路候補であると認識する。
スコア1は、矢印式信号の俯瞰指示方向と、道路候補の道路ベクトルとの合致度に基づくスコアである。合致度が高いほど、スコアは大きく導出される(スコア2、3についても同様である)。スコア2は、矢印式信号に基づいて認識された道路の行き先と、行き先情報の行き先との合致度に基づくスコアである。スコア3は、道路候補と、特定道路との合致度に基づくスコアである。
スコア4は、矢印式信号の表示枠の位置に基づくスコアである。図20は、スコア4が付与される際の概念図である。例えば、認識部130は、複数の矢印式信号の表示枠が存在する信号機において、最も右側の表示枠は自車両Mの進行方向に対して、最も角度が大きい方向に道路ベクトルが向いている道路(プラス180度(またはマイナス180度)に近い方向に延在する道路)に対応する矢印式信号であると認識する。そして、認識部130は、複数の表示枠のうち最も右側の矢印式信号に最も角度が大きい道路ベクトルが向いている道路が道路候補として対応付けられている場合、スコアが高くなるようなスコアを付与する。
また、認識部130は、2番の表示枠についても、複数の表示枠のうち2番目に右側の矢印式信号に2番目に角度が大きい道路ベクトルが向いている道路が道路候補として対応付けられている場合、スコアが高くなるようなスコアを付与する。
上述したように、認識部130は、複数の表示枠における矢印式信号の位置を加味することにより、更に、より精度よく矢印式信号が指し示す道路を認識することができる。
図21は、スコア4が付与される際の他の概念図である。図20では、Y方向に並べて設けられた矢印式信号について説明したが、Y方向とZ方向とに並べて設けられた矢印式信号の場合、以下のように処理が行われてもよい。例えば、図21では、複数の表示枠のうち最も右側に設けられた表示枠の下側に(マイナスZ方向)に、矢印式信号が設けられている。
この場合、例えば、認識部130は、下側に設けられた矢印式信号は自車両Mの進行方向に対して、最も角度が大きい方向に道路ベクトルが向いている道路に対応する矢印式信号であると認識する。そして、認識部130は、上述したように、下側に設けられた矢印式信号に最も角度が大きい道路ベクトルが向いている道路が道路候補として対応付けられている場合、スコアが高くなるようなスコアを付与する。
また、認識部130は、最も右側の矢印式信号に2番目に角度が大きい道路ベクトルが向いている道路が道路候補として対応付けられている場合、スコアが高くなるようなスコアを付与する。
上述した処理により、認識部130は、上下方向に矢印式信号が表示される場合であっても、複数の表示枠における矢印式信号の位置を加味することにより、更に、より精度よく矢印式信号が指し示す道路を認識することができる。
以上説明した第2実施形態によれば、認識部130が、矢印式信号が存在する周辺の情報や、複数の表示枠における矢印式信号が表示される位置を加味することにより、更に、より精度よく矢印式信号が指し示す道路を認識することができる。
<第3実施形態>
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、認識部130は、撮像された第1画像に含まれる信号を、第2画像に変換し、第2画像を用いて、矢印式信号が指し示す道路を認識する。以下、第1実施形態または第2実施形態との相違点を中心に説明する。
以下、第3実施形態について説明する。第3実施形態では、認識部130は、撮像された第1画像に含まれる信号を、第2画像に変換し、第2画像を用いて、矢印式信号が指し示す道路を認識する。以下、第1実施形態または第2実施形態との相違点を中心に説明する。
図22は、第1画像が第2画像に変換される処理の概念図である。例えば、認識部130は、第1画像において矢印式信号の位置と撮像位置との相対位置を認識し、認識した相対位置が、矢印式信号が撮像位置から正面に位置するような相対関係でない場合、第1画像を第2画像に変換する変換処理を行う。例えば、認識部130は、第1画像に含まれる画像要素(例えば看板や標識、信号機、またはこれらに含まれる特徴箇所等)と、要素を各方向から見たときのテンプレートとを比較して、画像要素に合致する要素を有するテンプレートを抽出する。そして、認識部130は、抽出したテンプレートに対応付けられた撮像方向を認識する。
認識部130は、変換情報を参照して、撮像方向に基づいて、第1画像を第2画像に変換する。変換情報とは、例えば、撮像方向ごとに規定された第1画像を第2画像に変換する関数やパラメータ、座標に関する情報等である。
以上説明した第3実施形態によれば、認識部130が、所定の方向から見たときの矢印式信号を含む第1画像を、第2画像に変換することで、正面視で表現された矢印式信号を特定処理に利用することができる。この結果、認識部130は、より精度よく矢印式信号が示す道路を認識することができる。
<第4実施形態>
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、認識部130は、学習済モデル200を用いて特定処理を行う。以下、第1実施形態から第3実施形態との相違点を中心に説明する。
以下、第4実施形態について説明する。第4実施形態では、認識部130は、学習済モデル200を用いて特定処理を行う。以下、第1実施形態から第3実施形態との相違点を中心に説明する。
図23は、学習済モデル200に入力される画像と、学習済モデル200が出力する情報の一例を示す図である。認識部130は、記憶装置に記憶された学習済モデル200に画像を入力し、学習済モデル200により出力された結果を用いて、正面から矢印式信号を見たときの矢印式信号が指し示す方向を認識してもよい。
例えば、学習済モデル200は、不図示の学習装置が学習データを機械学習して生成したモデルである。学習済モデル200は、ニューラルネットワークなどの機械学習を利用したモデルである。学習データは、様々な方向から撮像された矢印式信号を含む学習画像と、正面から矢印式信号を見たときの矢印式信号が指し示す方向を示す情報(正解データ)とが対応付けられた情報を含む。例えば、学習装置は、学習データに含まれる学習画像をモデルに入力した場合に、学習モデルが学習画像に対応付けられた正解データを出力するように、学習モデルに含まれる係数や重みを調整することで学習済モデル200を生成する。
なお、学習済モデル200は、俯瞰指示方向を出力してもよい。学習済モデル200は、矢印式信号の撮像方向を出力するモデルであってもよい。
上述したように、認識部130は、予め用意された学習済モデル200を利用することにより、処理負荷を抑制して、より精度よく矢印式信号が示す道路を認識することができる。
以上説明した第4実施形態によれば、認識部130が、学習済モデル200を用いて特定処理を行うことにより、容易且つ精度よく、矢印式信号が指し示す道路を認識することができる。
なお、学習済モデル200は、第1情報(例えば正面視方向から撮像された画像)と、第2情報(俯瞰方向から見た道路情報)とを入力すると、矢印式信号が指し示す道路を示す情報を出力するモデルであってもよい。この場合、例えば、学習済モデル200が出力する情報は、交差点パターン1〜N(「N」は任意の自然数)のうち、所定の交差点パターンに該当し、更に、所定の交差点パターンの道路において矢印信号は道路n1、道路n2を指し示していることを示す情報を出力する。例えば、学習装置は、学習情報をモデルに入力した場合に、学習モデルが学習情報に対応付けられた正解情報を出力するように、学習モデルに含まれる係数や重みを調整することで学習済モデル200を生成する。学習情報は、第1情報および第2情報であり、正解情報は、道路のパターンと道路のパターンにおいて矢印式信号が指し示す道路を示す情報とが対応付けられた情報である。
なお、学習モデルは、正面視方向から撮像された画像における矢印式信号が指し示す方向と、俯瞰方向に対応する道路ベクトルとが入力されると、矢印式信号に対応する道路ベクトル、または矢印式信号と道路ベクトルとの組み合わせを出力するモデルであってもよい。
<第5実施形態>
以下、第4実施形態について説明する。第5実施形態では、認識部130は、地図情報を参照して、認識した道路のうち車道を複数の道路の対象とし、それ以外の道路を複数の道路の対象外とする。以下、第1実施形態から第4実施形態との相違点を中心に説明する。
以下、第4実施形態について説明する。第5実施形態では、認識部130は、地図情報を参照して、認識した道路のうち車道を複数の道路の対象とし、それ以外の道路を複数の道路の対象外とする。以下、第1実施形態から第4実施形態との相違点を中心に説明する。
図24は、第5実施形態の認識部130が行う特定処理を説明するための図である。例えば、認識部130は、地図情報を参照して、俯瞰方向から見た道路情報を取得する。例えば、図示するように、認識部130が、道路r1〜r5を認識したものとする。地図情報には、道路の種別が対応付けられているものとする。例えば、道路r1〜r4は車道であり、道路r5は歩道であるものとする。この場合、認識部130は、車道である道路r1〜r4の道路を特定処理の処理対象とし、道路r5を特定処理の処理対象外とする。
また、認識部130は、所定の基準を満たさない道路を処理対象外としてもよい。所定の基準を満たさない道路とは、道幅が所定幅以下の道路や、中央車線などの道路区画線を有さない道路等である。
以上説明した第5実施形態によれば、認識部130は、処理対象外の道路を除外して、特定処理を行うことができるため、より精度よく矢印式信号が指し示す道路を認識することができる。
上記処理では、認識部130は、矢印式信号が示す方向を俯瞰方向から見たときの方向に変換したが、これに代えて、(1)道路が延在する方向を正面から見たときの信号を示す情報に当てはめて、矢印式信号が指し示す道路を認識してもよい。以下、図25を参照して説明する。
図25は、矢印式信号が指し示す道路が認識される処理の他の一例を示す図である。例えば、認識部130は、正面から見たときの信号を示す情報(図中、AR21、AR21)に対して、道路ベクトルar1〜5を当てはめてもよい。この場合、自車両Mの進行方向および進行方向と同じ方向を向いている道路ベクトルを、鉛直反対方向(正面から見たときのZ方向)に合わせる。これにより、矢印式信号が指し示す方向と、矢印式信号が指し示す方向の道路の道路ベクトルの方向とが合致する。認識部130は、上記処理で合致した矢印式信号が示す方向に合致する方向を有する道路ベクトルに対応する道路を、矢印式信号が指し示す道路と認識する。
上述した処理により、認識部130は、より精度よく矢印式信号の指し示す道路を認識することができる。
また、認識部130は、高精度地図を参照して、高精度地図に交差点に接続される道路の情報や、矢印式信号が指し示す道路の情報等が含まれている場合、画像における矢印式信号の情報と、高精度地図とに基づいて、矢印式信号が指し示す道路を認識してもよい。認識部130は、高精度地図に高精度地図に交差点に接続される道路の情報や、矢印式信号が指し示す道路の情報等が判定基準を満たす程度含まれていない場合、画像から得られた道路の情報を参照して、または高精度地図(または地図情報)に画像から得られた情報を統合した情報を参照して、道路情報を取得し、取得した道路情報を用いて矢印式信号が指し示す道路を認識してもよい。
また、認識部130は、自車両Mの位置情報と、走行する地域の法規を示す情報とに基づいて、第1法規が適用される地域から第2法規が適用される地域を自車両Mが走行すると判定した場合、第2法規に基づく処理を行う。この場合、認識部130は、第2法規に対応するプログラムに従って処理を実行したり、第2法規に基づいて生成された情報を参照して処理を実行したりする。
上述した各実施形態の一部、各実施形態の全部、各実施形態における一部の処理、各実施形態における全部の処理は、組み合わされて実行されてもよい。また、図3および図16のフローチャートの一部の処理は省略されてもよい。また、図3および図16のフローチャートの一部または全部の処理は適宜組み合わされて実行されてもよい。
[ハードウェア構成]
図26は、実施形態の自動運転制御装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図示するように、自動運転制御装置100は、通信コントローラ100−1、CPU100−2、ワーキングメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)100−3、ブートプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)100−4、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置100−5、ドライブ装置100−6などが、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。通信コントローラ100−1は、自動運転制御装置100以外の構成要素との通信を行う。記憶装置100−5には、CPU100−2が実行するプログラム100−5aが格納されている。このプログラムは、DMA(Direct Memory Access)コントローラ(不図示)などによってRAM100−3に展開されて、CPU100−2によって実行される。これによって、判定部132、処理部134、および道路認識部136のうち一部または全部が実現される。
図26は、実施形態の自動運転制御装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。図示するように、自動運転制御装置100は、通信コントローラ100−1、CPU100−2、ワーキングメモリとして使用されるRAM(Random Access Memory)100−3、ブートプログラムなどを格納するROM(Read Only Memory)100−4、フラッシュメモリやHDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置100−5、ドライブ装置100−6などが、内部バスあるいは専用通信線によって相互に接続された構成となっている。通信コントローラ100−1は、自動運転制御装置100以外の構成要素との通信を行う。記憶装置100−5には、CPU100−2が実行するプログラム100−5aが格納されている。このプログラムは、DMA(Direct Memory Access)コントローラ(不図示)などによってRAM100−3に展開されて、CPU100−2によって実行される。これによって、判定部132、処理部134、および道路認識部136のうち一部または全部が実現される。
上記説明した実施形態は、以下のように表現することができる。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
車両の周辺環境を認識し、
前記認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御し、
第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、
前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、
前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路を認識する、
ように構成されている車両制御装置。
プログラムを記憶した記憶装置と、
ハードウェアプロセッサと、を備え、
前記ハードウェアプロセッサが前記記憶装置に記憶されたプログラムを実行することにより、
車両の周辺環境を認識し、
前記認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御し、
第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、
前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、
前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路を認識する、
ように構成されている車両制御装置。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
1‥車両システム、10‥カメラ、16‥物体認識装置、100‥自動運転制御装置、120‥第1制御部、130‥認識部、132‥判定部、134‥処理部、136‥道路認識部、140‥行動計画生成部、160‥第2制御部、164‥速度制御部、166‥操舵制御部
Claims (16)
- 車両の周辺環境を認識する認識部と、
前記認識部の認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御する運転制御部と、
を備え、
前記認識部は、
第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、
前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、
前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路がどれであるかを認識する、
車両制御装置。 - 前記第1方向は、前記矢印式信号を正面から見た方向であり、
前記第1情報は、前記矢印式信号の矢印が指し示す指示方向を示す情報である、
請求項1に記載の車両制御装置。 - 前記第2方向は、前記複数の道路を俯瞰する方向であり、
前記第2情報は、前記複数の道路を俯瞰方向から見た情報である、
請求項1または2に記載の車両制御装置。 - 前記第1情報は、前記矢印式信号の矢印が指し示す指示方向が俯瞰方向から見た俯瞰指示方向に変換された情報である、
請求項2または3に記載の車両制御装置。 - 前記統合する処理は、前記認識部が、前記第2情報に前記俯瞰指示方向を反映させる処理である、
請求項4に記載の車両制御装置。 - 前記認識部は、
前記第1方向を基準に指示方向が鉛直反対方向を指し示す矢印を認識した場合、
前記第2情報において、前記車両の進行方向と、前記鉛直反対方向が俯瞰から見た前記方向に変換された前記俯瞰指示方向と、が合致するように、前記第2情報に前記第1情報を反映させる、
請求項5に記載の車両制御装置。 - 前記認識部は、
少なくとも、前記指示方向が左右のうち特定方向である第1矢印式信号と、前記指示方向が前記特定方向である第2矢印式信号とを認識した場合、
前記第1矢印式信号の前記指示方向と、前記第2矢印式信号の前記指示方向とを、前記俯瞰方向から見た前記俯瞰指示方向に変換し、
前記俯瞰指示方向を前記第2情報に反映させて、
前記第1矢印式信号に対応する道路と、前記第2矢印式信号に対応する道路とを認識する、
請求項5または6に記載の車両制御装置。 - 前記認識部は、
前記矢印式信号の指示方向を示す矢印を形成する基部と矢先部とを認識し、
前記矢先部が指し示す方向を前記矢印式信号が指し示す指示方向として認識する、
請求項1から7のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。 - 前記認識部は、
前記矢印式信号の指示方向を示す矢印を形成する基部と矢先部と、前記矢先部が有する屈曲部を認識し、
前記屈曲部側に前記基部が延出する方向を前記矢印式信号が指し示す指示方向として認識する、
請求項1から8のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。 - 前記認識部は、
前記指示方向が左右のうち特定方向である複数の矢印式信号を認識した場合において、
前記複数の道路を俯瞰方向から見た前記第2情報における前記車両の進行方向と、前記複数の矢印式信号を俯瞰方向から見るように変換された前記複数の矢印式信号のそれぞれの矢印の矢先部の方向とがなす第1角が大きい順に前記矢印を一つずつ選択し、
前記第2情報における前記車両の進行方向と前記特定方向に延在する道路とのなす第2角が大きい順に前記道路を一つずつ選択し、
前記選択における序列が同じ前記なす第1角と前記なす第2角とを組にして、
前記矢印が指し示す道路は、前記組における前記矢印に対応する前記道路であると認識する、
請求項5から9のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。 - 前記認識部は、
前記矢印式信号の矢印が指し示す指示方向を俯瞰方向から見た俯瞰指示方向に変換し、
前記車両が走行する第1道路と、前記第1道路と交差する第2道路とが交差する位置付近を基準に、前記第2情報に前記俯瞰指示方向を反映させる、
請求項5から10のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。 - 前記認識部は、
前記第1道路における前記車両が走行する第1走行車線と前記第1走行車線に対する対向車線との第1区画線を延出させた第1仮想線と、
前記第2道路における第2走行車線と前記第2走行車線に対する対向車線との第2区画線を延出させた第2仮想線と、が交差する位置付近を前記基準に設定する、
請求項11に記載の車両制御装置。 - 地図情報を記憶した記憶部を更に備え、
前記認識部は、前記地図情報を参照して、認識した道路のうち車道を前記複数の道路の対象とする、
請求項1から12のうちいずれかの1項に記載の車両制御装置。 - 前記認識部は、前記矢印式信号の色を認識し、
前記運転制御部は、前記認識部により認識された前記色が所定の色でない場合、前記矢印式信号が指示する方向に向かって移動するように、前記車両の操舵および速度を制御しない、
請求項1から13のうちいずれかの1項に記載の車両制御装置。 - コンピュータが、
車両の周辺環境を認識し、
前記認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御し、
第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、
前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、
前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路がどれであるかを認識する、
車両制御方法。 - コンピュータに、
車両の周辺環境を認識させ、
前記認識結果に基づいて、前記車両の操舵および速度を制御させ、
第1方向を基準に生成された前記車両の進行方向に存在する矢印式信号の表示する第1情報と、
前記第1方向とは別の第2方向を基準に生成された前記矢印式信号付近に存在する複数の道路の構造に関する第2情報と、を統合する処理を行って、
前記複数の道路のうち、前記矢印式信号が指し示す前記道路がどれであるかを認識させる、
プログラム。
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