JP2020159915A - 光コヒーレントセンサ及び光コヒーレントセンシング方法 - Google Patents

光コヒーレントセンサ及び光コヒーレントセンシング方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高価な装置を導入することなく、信号処理によってフェーディングによる精度の劣化を回避する。【解決手段】プローブ光として光パルスを生成する光源部と、プローブ光によって測定対象物で発生する信号光をコヒーレント検波してビート信号を生成する受光部と、ビート信号が入力される演算部とを備えて構成される。演算部は、光情報取得手段と、精度劣化回避手段と、位相差情報取得手段とを備える。光情報取得手段は、光パルスごとに、信号光の受光時刻tjに対する、信号光の強度I(tj)及び位相P(tj)の分布を、ビート信号から取得する。精度劣化回避手段は、基準時間STを設定する。位相差情報取得手段は、信号光の受光時刻tjに対する位相差を、tk>tj>ti、且つ、tkとtiとの差が基準時間STである受光時刻tk及び受光時刻tiの位相差P(tk)−P(ti)として取得し、信号光の受光時刻に対する位相差の分布を取得する。【選択図】図1

Description

この発明は、例えば、光ファイバを用いた分布型振動センサに適用可能な、光コヒーレントセンサ及び光コヒーレントセンシング方法に関する。
光ファイバにプローブ光として光パルスを入射すると、光パルスの伝搬に伴って後方散乱光が発生していく。光ファイバの長手方向の各位置において発生した後方散乱光は、光が光ファイバの入力端から後方散乱光の発生位置までの往復に要する時間だけ遅れて観測される。例えば、光ファイバに破断点がある場合、破断点に対応する時刻において後方散乱光の強度が変化する。この原理は、通信用光ファイバの破断点の検知に利用され、時間領域反射測定(OTDR:Optical Time Domain Reflectrometry)として知られている。
このOTDRは、光ファイバに伝わる振動の分布的な測定など、光センサにも応用されている。光ファイバに振動が加わると、振動が加わった位置近傍で発生した後方散乱光の位相が変化する。このため、OTDRによって得られた後方散乱光の位相の変化を観測することにより、分布的に光ファイバに加えられた振動の情報を得ることができる。このような、光ファイバに加えられた振動を分布的に測定する光ファイバセンサは、分布型振動センサ(DVS:Distributed Vibration Sensor)や、分布型音響センサ(DAS:Distributed Acoustic Sensor)と呼ばれる。
後方散乱光の位相は、光ファイバに外部から加えられた振動によって変化するが、プローブ光の位相にも依存する。プローブ光の位相は、後方散乱光の発生位置(観測点)に到達するまでに受けた振動によって変化する。このため、通常、各位置の振動を測定するために、光ファイバ上の異なる2点で発生した後方散乱光の位相差を測定する手段が採られる。一般に、この2点間の距離は、ゲージ長と呼ばれる。
時間経過に伴って入射される複数の光パルス(以下、光パルス列とも称する。)に対して同様の測定を行うと、求めた位相差の時間変化から振動の波形が得られる。
一般に、プローブ光の光源として高コヒーレンスなレーザを利用して得られるOTDRの波形は、光パルスが伝搬する間に発生する複数の散乱中心からの後方散乱光が干渉した結果として得られる。このため、後方散乱光の強度は、発生位置に対して不規則に異なる。この現象は、フェーディングと呼ばれ、振動の測定結果に影響を与える。
DASにおいて、位相差の算出に利用する2点からの後方散乱光のうち少なくとも一方の強度が、フェーディングにより微弱な場合、この点を利用して求めた位相情報の精度が著しく劣化する。フェーディングによる精度の劣化を回避する技術として、プローブ光の波長の多重化(例えば、非特許文献1参照。)や、強度が微弱になる位置を補完する位相変調などの技術がある。
Y. Lu, X. Zhang, C. Liang, M. Chen, J. Wang, and Z. Meng, "Fading noise reduction in distributed vibration measurements utilizing multi-wavelength based Φ-OTDR," in 26th International Conference on Optical Fiber Sensors, OSA Technical Digest (Optical Society of America, 2018),paper TuE21
しかしながら、上述の波長の多重化や位相変調の技術では、高価な装置を導入しなければならず、光コヒーレントセンサの入手コストを増大させる課題がある。
この発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、この発明の目的は、高価な装置を導入することなく、信号処理によってフェーディングによる精度の劣化を回避する、光コヒーレントセンサ及び光コヒーレントセンシング方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、この発明の光コヒーレントセンサは、プローブ光として光パルスを生成する光源部と、プローブ光によって測定対象物で発生する信号光をコヒーレント検波してビート信号を生成する受光部と、ビート信号が入力される演算部とを備えて構成される。演算部は、光情報取得手段と、精度劣化回避手段と、位相差情報取得手段とを備える。
光情報取得手段は、光パルスごとに、信号光の受光時刻tjに対する、信号光の強度I(tj)及び位相P(tj)の分布を、ビート信号から取得する。精度劣化回避手段は、基準時間STを設定する。位相差情報取得手段は、信号光の受光時刻tjに対する位相差を、受光時刻tkに対する位相P(tk)と受光時刻tiに対する位相P(ti)との差、P(tk)−P(ti)として取得し、信号光の受光時刻に対する位相差の分布を取得する。ここで、tk>tj>tiであり、tkとtiとの差が基準時間STである。
この発明の光コヒーレントセンサの好適実施例によれば、精度劣化回避手段は、初期状態の基準時間ST0に対して、第1時間Δt1を変化させて、各第1時間Δt1について、それぞれ複数の光パルスにおける強度I(tk+Δt1)の最小値を取得し、この最小値が最大となる最大第1時間Δt1maxを取得する。また、初期状態の基準時間ST0に対して、第2時間Δt2を変化させて、各第2時間Δt2について、それぞれ複数の光パルスにおける強度I(ti−Δt2)の最小値を取得し、この最小値が最大となる最大第2時間Δt2maxを取得する。その後、ST0+Δt1max+Δt2maxを基準時間STとする。
また、この発明の光コヒーレントセンシング方法は、以下の過程を備えて構成される。先ず、プローブ光として光パルスを生成する。次に、プローブ光によって測定対象物で発生する信号光をコヒーレント検波してビート信号を生成する。次に、光パルスごとに、信号光の受光時刻tjに対する、信号光の強度I(tj)及び位相P(tj)の分布を、ビート信号から取得する。次に、基準時間STを設定する。次に、信号光の受光時刻tjに対する位相差を、受光時刻tkに対する位相P(tk)と受光時刻tiに対する位相P(ti)との差、P(tk)−P(ti)として取得し、信号光の受光時刻に対する位相差の分布を取得する。
また、この発明の光コヒーレントセンシング方法の好適実施例によれば、基準時間STを設定する過程では、初期状態の基準時間ST0に対して、第1時間Δt1を変化させて、各第1時間Δt1について、それぞれ複数の光パルスにおける強度I(tk+Δt1)の最小値を取得し、この最小値が最大となる最大第1時間Δt1maxを取得する。また、初期状態の基準時間ST0に対して、第2時間Δt2を変化させて、各第2時間Δt2について、それぞれ複数の光パルスにおける強度I(ti−Δt2)の最小値を取得し、この最小値が最大となる最大第2時間Δt2maxを取得する。その後、ST0+Δt1max+Δt2maxを基準時間STとする。
この発明の光コヒーレントセンサ及び光コヒーレントセンシング方法によれば、位相差を求めるにあたり、第1時間Δt1及び第2時間Δt2を変化させて、2点からの信号光の強度Iがともに大きくなるように基準時間STを設定することにより、フェーディングによる精度劣化を回避することができる。
この発明の光コヒーレントセンサを説明するための模式図である。 振動検知光ファイバセンサの特性試験の結果を示す図である。
以下、図を参照して、この発明の実施の形態について説明するが、この発明が理解できる程度に概略的に示したものに過ぎない。また、以下、この発明の好適な構成例につき説明するが、単なる好適例にすぎない。従って、この発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、この発明の構成の範囲を逸脱せずにこの発明の効果を達成できる多くの変更又は変形を行うことができる。
図1を参照して、この発明の一実施形態に係る光コヒーレントセンサを説明する。図1は、この発明の光コヒーレントセンサを説明するための模式図である。ここでは、光コヒーレントセンサの構成例として、振動検知光ファイバセンサを説明する。
振動検知光ファイバセンサは、光源部10、光サーキュレータ20、光ファイバ30、受光部50、演算部60を備えて構成される。この振動検知光ファイバセンサは、OTDRに用いられる。
光源部10は、プローブ光として、周期的に光パルスを生成する。すなわち、光源部10は光パルス列を生成する。振動検知光ファイバセンサの空間分解能は、この光パルスの幅に依存する。また、振動検知光ファイバセンサの測定距離は、光パルスの繰り返し周波数に依存する。光パルスは、測定対象物である光ファイバ30を1m伝搬するのに5nsの時間を要する。信号光として、光ファイバ30で発生する後方散乱光を観測する場合は,順方向の伝搬と,逆方向の伝搬の往復の時間を要するので、1mあたり10nsの遅延が発生する。例えば、パルス幅を100ns、繰り返し周波数を5kHzとしたとき、空間分解能は10mとなり、最大の測定距離は20kmとなる。
光源部10は、例えば、レーザ光源12、ファイバカプラ13、強度変調器14、関数発生器16及び光増幅器18を備えて構成される。
レーザ光源12は、通信波長帯の連続光として、レーザ光を生成する。レーザ光源12として、線幅が10kHz以下のいわゆる狭線幅レーザを用いるのが良い。レーザ光源12として狭線幅レーザを用いると、この振動検知光ファイバセンサは、位相感応OTDRに用いることができる。レーザ光の波長は、任意で良いが、標準単一モード光ファイバで低損失の1550nmにするのが良い。レーザ光源12で生成されたレーザ光は、ファイバカプラ13に送られる。
ファイバカプラ13は、レーザ光を2分岐する。2分岐された一方は、強度変調器14に送られる。また、2分岐された他方は、参照光として受光部50に送られる。
関数発生器16は、矩形状の電気パルスを生成する。この電気パルスは、強度変調器14に送られる。関数発生器16が生成する電気パルスは、例えば、パルス幅が100ns幅で、繰り返し周波数が5kHzである。また、関数発生器16の出力は、後述するアナログ−ディジタル(A/D)変換器56にも送られ、トリガー信号として用いられる。
強度変調器14は、レーザ光を電気パルスで光パルス化して、光パルスを生成する。この光パルスは、光増幅器18に送られる。強度変調器14が生成する光パルスのパルス幅と繰り返し周波数は、共に関数発生器16が生成する電気パルスと同じである。この例では、光パルスは、パルス幅が100nsで、繰り返し周波数が5kHzである。
強度変調器14として、例えば、音響光学変調器(AOM:Acoustic Optic Modulator)が用いられる。AOMを用いる場合、光ドップラー効果により、強度変調器14で生成される光パルスの周波数は、強度変調器14に入力されるレーザ光の周波数から変化する。このため、受光部50でのコヒーレント検波の際には、ヘテロダイン検波となることが多い。
強度変調器14で生成された光パルスは、光増幅器18で所定の増幅を受ける。これは、光パルスの強度が強いほど、光ファイバ30での後方散乱光の強度が強くなるためである。光増幅器18で増幅された光パルスは、プローブ光として、光サーキュレータ20を経て光ファイバ30に送られる。なお、ここでは図示及び説明を省略するが、一般的には、光増幅器18の後段に、バンドパスフィルタ(BPF)が用いられる。BPFは、光増幅器18で発生する自然放出光(ASE:Amprified Spontaneous Emission)のノイズを取り除く。
光ファイバ30に送られたプローブ光は、光ファイバ30を伝播し、プローブ光の伝播に伴って後方散乱光が発生する。この後方散乱光は、信号光として光サーキュレータ20を経て受光部50に送られる。なお、ここでは図示及び説明を省略するが、後方散乱光を増幅するために、受光部50の前段に光増幅器とBPFが設けられることが多い。
受光部50は、プローブ光によって、光ファイバ30で発生する後方散乱光をコヒーレント検波して電気信号を生成する。
受光部50は、コヒーレントレシーバ52、バランス型フォトダイオード(PD)54、アナログ・ディジタル(A/D)変換器56を備えて構成される。
コヒーレントレシーバ52は、参照光を用いて、後方散乱光のコヒーレント検波を行う。コヒーレントレシーバ52として、例えば、光90°ハイブリッドカプラを用いることができる。コヒーレントレシーバ52からの出力は、バランス型PD54に送られる。
バランス型PD54は、コヒーレントレシーバ52からの出力をバランス検波する。これにより、後方散乱光の強度と位相の情報を持つ、I相(cos波)とQ相(sin波)のビート信号が生成される。このI相及びQ相のビート信号は、A/D変換器56に送られる。
A/D変換器56は、I相及びQ相のビート信号をディジタル信号に変換する。ディジタル信号に変換された、I相及びQ相のビート信号は、演算部60に入力される。
演算部60としては、例えば、市販のパーソナルコンピュータ(PC)を利用できる。ここでは、一例として、演算部60が、CPU(Central Processing Unit)70、RAM(Random Access Memory)62、ROM(Read Only Memory)64及び記憶手段66を備えて構成されるものとして説明する。CPU70は、ROM64に格納されているプログラムを実行することにより、後述する各機能手段を実現する。各機能手段での処理結果は、一時的にRAM62に格納される。
演算部60が備える機能手段として、光情報取得手段72、位相差情報取得手段74、精度劣化回避手段76がある。
光情報取得手段72は、光パルスごとに、後方散乱光の受光時刻tに対する、後方散乱光の強度I(t)及び位相P(t)の分布を、A/D変換器56から送られたビート信号から取得する。
強度I(t)及び位相P(t)を取得するにあたり、光情報取得手段72は、先ず、I相及びQ相のビート信号から、後方散乱光の複素振幅を生成する。
この後方散乱光の複素振幅もビート信号であるので、ダウンコンバートする必要がある。そこで、次に、後方散乱光の複素振幅をダウンコンバートする。このダウンコンバートする方法として、例えば、ビート周波数を持つ逆回転の複素振幅を、後方散乱光の複素振幅に積算し、ローパスフィルター(LPF)を作用させる方法が用いられる。
その後、ダウンコンバートして得られた複素振幅の絶対値を計算することで、後方散乱光の受光時刻tに対する、後方散乱光の強度I(t)の分布が得られる。また、このとき、後方散乱光の位相P(t)の分布も得られる。強度I(t)及び位相P(t)の分布は、記憶手段66に格納される。記憶手段66には、記憶手段66の容量に応じて定められる数の光パルスについて、強度I(t)及び位相P(t)の分布が格納される。
位相差情報取得手段74は、基準時間をSTとしたとき、後方散乱光の受光時刻tjに対する位相差ΔP(tj)を、受光時刻tkに対する位相P(tk)と受光時刻tiに対する位相P(ti)との差P(tk)−P(ti)として取得し、信号光の受光時刻tjに対する位相差ΔP(tj)の分布を取得する。ここで、tk>tj>tiであり、tkとtiとの差が基準時間STである。
なお、受光時刻tjは、後方散乱光が発生した、光ファイバ30の長手方向の位置xjに対応する。従って、位相差ΔPを、位置xjの関数として、ゲージ長GLだけ離れたk点及びi点の位置xk及びxiを用いると、ΔP(xj)=P(xk)−P(xi)と表すことができる。ここでxk>xj>xiである。位相差情報取得手段74は、位相差ΔP(x)の分布から、光ファイバ30の各位置での振動情報を、任意好適な従来公知の方法で取得する。
ここで、信号光の受光時刻tjに対する位相差ΔP(tj)を取得するために用いる、tk>tj>tiである信号光の受光時刻tkに対する強度I(tk)及び信号光の受光時刻tiに対する強度I(ti)の少なくとも一方が微弱になると、位相Pの精度が劣化してしまう。このため、精度劣化回避手段76が、基準時間STを設定し、設定した基準時間STを位相差情報取得手段74に送る。信号光の受光時刻tkと受光時刻tiとの差が基準時間STである2点の強度I(tk)及びI(ti)がともに大きくなるように、基準時間STを設定することにより、フェーディングによる精度劣化を回避する。
基準時間STの設定方法を説明する。
精度劣化回避手段76は、初期状態の基準時間ST0と、第1時間Δt1に対して、記憶手段66に格納されている複数の光パルスにおける強度I(tk+Δt1)の最小値min(Δt1)を取得する。さらに、第1時間Δt1を変化させて、各第1時間Δt1について得られた最小値min(Δt1)の中で、最小値min(Δt1)が最大となる第1時間Δt1を最大第1時間Δt1maxとして取得する。
また、精度劣化回避手段76は、初期状態の基準時間ST0と、第2時間Δt2に対して、記憶手段66に格納されている複数の光パルスにおける強度I(ti−Δt2)の最小値min(Δt2)を取得する。さらに、第2時間Δt2を変化させて、各第2時間Δt2について得られた最小値min(Δt2)の中で、最小値min(Δt2)が最大となる第2時間Δt2を最大第2時間Δt2maxとして取得する。
その後、ST0+Δt1max+Δt2maxを基準時間STとして設定する。第1時間Δt1及び第2時間Δt2の可変幅、すなわち、基準時間STの可変幅は任意好適に設定することができる。例えば、基準時間STを大きくすると、フェーディングによる精度劣化の回避能力は高まるが、空間分解能は低下する。一方、基準時間STを小さくすると、フェーディングによる精度劣化の回避能力の高まりの程度は大きくはないが、空間分解能の低下を抑制できる。後述する特性試験では、基準時間STを、例えば、ST0からST0+ST0/2程度の範囲で可変にすることで、精度劣化の影響を低減できることが示されている。
ここでは、基準時間STの設定方法を説明したが、ゲージ長GLを設定する場合も同様に行うことができる。
この場合、精度劣化回避手段76は、初期状態のゲージ長GL0と、第1距離d1に対して、記憶手段66に格納されている複数の光パルスにおける強度I(xk+d1)の最小値min(d1)を取得する。さらに、第1距離d1を変化させて、各第1距離d1について得られた最小値min(d1)の中で、最小値min(d1)が最大となる第1距離d1を最大第1距離d1maxとして取得する。
また、精度劣化回避手段76は、初期状態のゲージ長GL0と、第2距離d2に対して、記憶手段66に格納されている複数の光パルスにおける強度I(xi−d2)の最小値min(d2)を取得する。さらに、第2距離d2を変化させて、各第2距離d2について得られた最小値min(d2)の中で、最小値min(d2)が最大となる第2距離d2を最大第2距離d2maxとして取得する。
その後、GL0+d1max+d2maxをゲージ長GLとして設定する。第1距離d1及び第2距離d2の可変幅、すなわち、ゲージ長GLの可変幅は任意好適に設定することができる。ゲージ長GLを、例えば、GL0からGL0+GL0/2程度の範囲で可変にすればよい。
(特性試験)
図2を参照して、振動検知光ファイバセンサの特性試験について説明する。図2は、振動検知光ファイバセンサの特性試験の結果を示す図である。図2(A)は、ゲージ長GLを固定した場合(比較例)の結果を示し、図2(B)は、ゲージ長GLを適応させた場合(実施例)の結果を示している。図2(A)及び図2(B)では、横軸に光ファイバの入力端からの距離[km]を取って示し、縦軸に時間[ms]を取って示している。また、図2(A)及び図2(B)では、濃淡が位相を示している。
ここでは、光ファイバ30の長さを12kmとした。光ファイバ30の入力端から1kmの位置において、ファイバストレッチャーを用いて、光ファイバ30を40mの長さにわたって振動させた。レーザ光源12として、線幅3kHzの狭線幅レーザを用いている。
図2(A)は、ゲージ長GLを80mに固定した場合の結果を示している。光ファイバ30の入力端から1kmの位置において、印加された振動による位相変化が確認できる。なお、図2(A)では、光ファイバ30の入力端から2.5km、2.8km、4.8kmの位置付近において、大きな位相変化が観測されている。これらの位相変化は、印加された振動によるものではなく、フェーディングによる精度劣化によるものである。
図2(B)は、ゲージ長GLを80m〜120mの範囲内で可変にした場合の結果を示している。光ファイバ30の入力端から1kmの位置において、印加された振動による位相変化が確認できる。なお、図2(B)では、図2(A)で見られた光ファイバ30の入力端から2.5km、2.8km、4.8kmの位置付近における大きな位相変化が観測されていない。すなわち、ゲージ長GLを可変にすることで、フェーディングによる精度劣化を低減できていることがわかる。
(他の実施形態)
ここでは、振動検知光ファイバセンサを例にとり、フェーディングによる精度劣化を低減できる光コヒーレントセンサを説明したが、これに限定されない。2点間における位相の差を利用する光コヒーレントセンサであれば、この発明を適用できる。
また、ここでは、受光部50でのコヒーレント検波の際には、ヘテロダイン検波となる場合を説明したが、ホモダイン検波であってもよい。ホモダイン検波にする場合は、強度変調器16として周波数シフトのないものを用いるか、あるいは、ファイバカプラ14とコヒーレントレシーバ52の間に参照光の周波数をシフトさせる周波数シフタを用いればよい。ホモダイン検波の場合は、A/D変換器56として広帯域のものを用いる必要がない。
10 光源部
12 レーザ光源
13 ファイバカプラ
14 強度変調器
16 関数発生器
18 光増幅器
20 光サーキュレータ
30 光ファイバ
50 受光部
52 コヒーレントレシーバ
54 バランス型フォトダイオード(PD)
56 アナログ・ディジタル(A/D)変換器
60 演算部
62 RAM
64 ROM
66 記憶手段
70 CPU
72 光情報取得手段
74 位相差情報取得手段
76 精度劣化回避手段

Claims (4)

  1. プローブ光として光パルスを生成する光源部と、
    前記プローブ光によって測定対象物で発生する信号光をコヒーレント検波してビート信号を生成する受光部と、
    前記ビート信号が入力される演算部と
    を備え、
    前記演算部は、
    前記光パルスごとに、前記信号光の受光時刻tjに対する、前記信号光の強度I(tj)及び位相P(tj)の分布を、前記ビート信号から取得する光情報取得手段と、
    基準時間STを設定する精度劣化回避手段と
    前記信号光の受光時刻tjに対する位相差を、tk>tj>ti、且つ、tkとtiとの差が前記基準時間STである受光時刻tkに対する位相P(tk)と受光時刻tiに対する位相P(ti)との差、P(tk)−P(ti)として取得し、前記信号光の受光時刻に対する前記位相差の分布を取得する位相差情報取得手段と、
    を備える
    ことを特徴とする光コヒーレントセンサ。
  2. 前記精度劣化回避手段は、
    初期状態の基準時間ST0に対して、第1時間Δt1を変化させて、各第1時間Δt1について、それぞれ複数の光パルスにおける強度I(tk+Δt1)の最小値を取得し、該最小値が最大となる最大第1時間Δt1maxを取得し、
    初期状態の基準時間ST0に対して、第2時間Δt2を変化させて、各第2時間Δt2について、それぞれ複数の光パルスにおける強度I(ti−Δt2)の最小値を取得し、該最小値が最大となる最大第2時間Δt2maxを取得し、
    ST0+Δt1max+Δt2maxを基準時間STとする
    ことを特徴とする請求項1に記載の光コヒーレントセンサ。
  3. プローブ光として光パルスを生成する過程と、
    前記プローブ光によって測定対象物で発生する信号光をコヒーレント検波してビート信号を生成する過程と、
    前記光パルスごとに、前記信号光の受光時刻tjに対する、前記信号光の強度I(tj)及び位相P(tj)の分布を、前記ビート信号から取得する過程と、
    基準時間STを設定する過程と、
    前記信号光の受光時刻tjに対する位相差を、tk>tj>ti、且つ、tkとtiとの差が前記基準時間STである受光時刻tkに対する位相P(tk)と受光時刻tiに対する位相P(ti)との差、P(tk)−P(ti)として取得し、前記信号光の受光時刻に対する前記位相差の分布を取得する過程と、
    を備える
    ことを特徴とする光コヒーレントセンシング方法。
  4. 前記基準時間STを設定する過程では、
    初期状態の基準時間ST0に対して、第1時間Δt1を変化させて、各第1時間Δt1について、それぞれ複数の光パルスにおける強度I(tk+Δt1)の最小値を取得し、該最小値が最大となる最大第1時間Δt1maxを取得し、
    初期状態の基準時間ST0に対して、第2時間Δt2を変化させて、各第2時間Δt2について、それぞれ複数の光パルスにおける強度I(ti−Δt2)の最小値を取得し、該最小値が最大となる最大第2時間Δt2maxを取得し、
    ST0+Δt1max+Δt2maxを基準時間STとする
    ことを特徴とする請求項3に記載の光コヒーレントセンシング方法。
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