JP2020159346A - 容量可変型斜板式圧縮機 - Google Patents
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Abstract
【課題】最小容量状態から容量を上げる迅速性に優れた容量可変型斜板式圧縮機を提供する。【解決手段】本発明の圧縮機では、弁ケース63は、第2弁体67が着座し、第2弁体67の第1弁体65に向かう移動を規制する弁座面75aと、弁座面75aより径方向の外側に形成された規制面75bとを有する。第2弁体67は、抽気通路52aと制御通路59との間に設けられるとともに、弁座面75aに当接する第1当接面67aと、規制面75bに当接する第2当接面67bとを有する。抽気通路52aは、軸心V方向で弁座面75aと規制面75bとの間に開口している。第2弁体67には、弁座面75aに第1当接面67aが当接した状態で、規制面75bに第2当接面67bが当接しうるように調整し、抽気通路52a側と制御通路59側との冷媒の漏れを規制する調整手段70、72が設けられている。【選択図】図4
Description
本発明は容量可変型斜板式圧縮機に関する。
特許文献1に従来の容量可変型斜板式圧縮機(以下、単に圧縮機という。)が開示されている。この圧縮機は、ハウジングと、斜板と、複数のピストンと、容量制御弁と、開度調整弁とを備えている。
ハウジングには、吸入室、複数のシリンダボア、クランク室及び吐出室が形成されている。斜板は、クランク室内に設けられ、クランク室内のクランク室圧力によって傾斜角度が変更される。各ピストンは、斜板に係合しつつシリンダボア内に収容され、ハウジングとの間に圧縮室を形成する。容量制御弁は、クランク室圧力を変更可能である。開度調整弁は、吸入室に吸入する冷媒量を調整する。
ハウジングには、外部回路と吸入室とを接続する吸入通路と、容量制御弁を介して吐出室とクランク室とを接続する給気通路と、クランク室と吸入室とを接続する抽気通路と、給気通路と開度調整弁とを連通する制御通路とが形成されている。
開度調整弁は、弁ケースと、第1弁体と、第2弁体と、付勢ばねとを有している。弁ケースには、吸入通路の一部を構成する第1弁室と、抽気通路の一部を構成する第2弁室とが形成されている。第1弁体は、第1弁室に設けられ、吸入通路の開度を調整する。第2弁体は、第2弁室に設けられ、抽気通路の開度を調整する。付勢ばねは、第1弁室及び第2弁室に渡って設けられ、第1弁体と第2弁体とを離間させるように第1弁体及び第2弁体を付勢する。
この圧縮機では、大容量時の吸入圧力の圧力損失を防止しつつ、小容量時における静粛性も確保できる。また、製造コストの高騰化と設計自由度の低下とを招くことなく、小容量時の高い効率を実現可能である。さらに、起動時にクランク室内に充填され得る液冷媒等を速やかに流出し、速やかに容量を上げることができる。
しかし、上記従来の圧縮機には、最小容量状態から容量を上げる迅速性にさらなる要望が存在する。
すなわち、この圧縮機は、最小容量状態において、第2弁体が抽気通路を閉じている。この状態から容量を上げるため、容量制御弁によってクランク室圧力を制御圧力よりも高くして、第2弁体を押し下げることが考えられる。この際、第2弁体が抽気通路を閉じている状態において、第2弁体がクランク室圧力によって抽気通路を開くように、第2弁体にクランク室圧力が作用する受圧面を設けたとしても、第2弁体が抽気通路を開くまでにある程度の時間を要してしまう。
発明者らはこの原因を以下のように推察している。まずは、容量制御弁から供給される高圧のクランク室圧力の冷媒が抽気通路から第2弁体の周面を経て第2弁体の背後に回り込み、抽気通路を閉じる方向に高圧のクランク室圧力が第2弁体を押圧する。また、第2弁体が高圧のクランク室圧力によって弁ケースから僅かに離れ、抽気通路を僅かに開いたとしても、高圧のクランク室圧力の冷媒が第2弁室に大きな流速で流れるため、弁ケースと第2弁体との間に負圧が生じ、第2弁体が再び弁ケースに着座してしまう。
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、最小容量状態から容量を上げる迅速性に優れた容量可変型斜板式圧縮機を提供することを解決すべき課題としている。
本発明の圧縮機は、吸入室、シリンダボア、クランク室及び吐出室が形成されたハウジングと、
前記クランク室内に設けられ、前記クランク室内のクランク室圧力によって傾斜角度が変更される斜板と、
前記斜板に係合しつつ前記シリンダボア内に収容され、前記ハウジングとの間に圧縮室を形成するピストンと、
前記クランク室圧力を変更可能な容量制御弁と、
前記吸入室に吸入する冷媒量を調整する開度調整弁とを備え、
前記ハウジングには、外部回路と前記吸入室とを接続する吸入通路と、前記容量制御弁を介して前記吐出室と前記クランク室とを接続する給気通路と、前記クランク室と前記吸入室とを接続する抽気通路と、前記給気通路と前記開度調整弁とを連通する制御通路とが形成され、
前記開度調整弁は、前記吸入通路の一部を構成する第1弁室と、前記抽気通路の一部を構成する第2弁室とが形成された弁ケースと、
前記第1弁室に設けられ、前記吸入通路の開度を調整する第1弁体と、
前記第2弁室に設けられ、前記抽気通路の開度を調整する第2弁体と、
前記第1弁室及び前記第2弁室に渡って設けられ、前記第1弁体と前記第2弁体とを離間させるように前記第1弁体及び前記第2弁体を付勢する付勢ばねとを有する容量可変型斜板式圧縮機において、
前記弁ケースは、前記第2弁体が着座し、前記第2弁体の前記第1弁体に向かう移動を規制する弁座面と、前記弁座面より径方向の外側に形成された規制面とを有し、
前記第2弁体は、前記抽気通路と前記制御通路との間に設けられるとともに、前記弁座面に当接する第1当接面と、前記規制面に当接する第2当接面とを有し、
前記抽気通路は、軸心方向で前記弁座面と前記規制面との間に開口しており、
前記第2弁体には、前記弁座面に前記第1当接面が当接した状態で、前記規制面に前記第2当接面が当接しうるように調整し、前記抽気通路側と前記制御通路側との冷媒の漏れを規制する調整手段が設けられていることを特徴とする。
前記クランク室内に設けられ、前記クランク室内のクランク室圧力によって傾斜角度が変更される斜板と、
前記斜板に係合しつつ前記シリンダボア内に収容され、前記ハウジングとの間に圧縮室を形成するピストンと、
前記クランク室圧力を変更可能な容量制御弁と、
前記吸入室に吸入する冷媒量を調整する開度調整弁とを備え、
前記ハウジングには、外部回路と前記吸入室とを接続する吸入通路と、前記容量制御弁を介して前記吐出室と前記クランク室とを接続する給気通路と、前記クランク室と前記吸入室とを接続する抽気通路と、前記給気通路と前記開度調整弁とを連通する制御通路とが形成され、
前記開度調整弁は、前記吸入通路の一部を構成する第1弁室と、前記抽気通路の一部を構成する第2弁室とが形成された弁ケースと、
前記第1弁室に設けられ、前記吸入通路の開度を調整する第1弁体と、
前記第2弁室に設けられ、前記抽気通路の開度を調整する第2弁体と、
前記第1弁室及び前記第2弁室に渡って設けられ、前記第1弁体と前記第2弁体とを離間させるように前記第1弁体及び前記第2弁体を付勢する付勢ばねとを有する容量可変型斜板式圧縮機において、
前記弁ケースは、前記第2弁体が着座し、前記第2弁体の前記第1弁体に向かう移動を規制する弁座面と、前記弁座面より径方向の外側に形成された規制面とを有し、
前記第2弁体は、前記抽気通路と前記制御通路との間に設けられるとともに、前記弁座面に当接する第1当接面と、前記規制面に当接する第2当接面とを有し、
前記抽気通路は、軸心方向で前記弁座面と前記規制面との間に開口しており、
前記第2弁体には、前記弁座面に前記第1当接面が当接した状態で、前記規制面に前記第2当接面が当接しうるように調整し、前記抽気通路側と前記制御通路側との冷媒の漏れを規制する調整手段が設けられていることを特徴とする。
本発明の圧縮機は、最小容量状態において、第2弁体が抽気通路を閉じている。この際、第2弁体の第1当接面が弁ケースの弁座面と当接した状態で、第2弁体の第2当接面が弁座面より径方向の外側に形成された弁ケースの規制面と当接し得るように調整し、抽気通路側と制御通路側との冷媒の漏れを規制する調整手段が設けられている。そして、抽気通路が軸心方向で弁座面と規制面との間で開口しているため、調整手段が抽気通路から第2弁体の周面を経て第2弁体の背後に回り込もうとする冷媒を規制している。
この状態から容量を上げるため、容量制御弁によって制御圧力を下げ、クランク室圧力が制御圧力よりも高くなる。すると、クランク室圧力の冷媒が規制面と第2当接面とを押し開き、第2当接面にクランク室圧力を作用させる。第2当接面には、クランク室圧力が作用する受圧面を大きく確保し易い。このため、第2弁体は、付勢ばねによって弁ケースから迅速に離間する。このため、高圧のクランク室圧力の冷媒が第2弁室に流れても、弁ケースと第1部材との間に負圧が生じることはない。
このため、クランク室内の冷媒が第2弁室、第1弁室及び吸入通路を経て吸入室に流れるため、クランク室圧力が迅速に下がり、斜板の傾斜角度が迅速に大きくなる。
したがって、本発明の圧縮機は、最小容量状態から容量を上げる迅速性に優れる。
第2弁体は、第1部材と、第2部材とを有していることが好ましい。第1部材は、軸心周りで環状をなして第1当接面が形成され、第1弁体側に配置されて付勢ばねを受承する。第2部材は、軸心周りで筒状をなして第2当接面が形成され、第1部材の外周側に配置されて第1部材に対して軸心方向に移動可能であるとともに第2弁室の内部を軸心方向に移動する。調整手段は、第1部材及び第2部材よりなることが好ましい。
単一の部材からなる第2弁体において、第1当接面で確実に冷媒を規制するとともに第2当接面で確実に冷媒を規制するように設計するためには、第1、2当接面を極めて精度よく形成することが要求され、量産上困難であるが、この場合、第1部材に第1当接面を形成し、第2部材に第2当接面を形成するので、第2部材が第1部材に対して軸心方向に移動することにより、第1当接面と第2当接面との軸心方向の誤差を吸収することができるため、設計上の精度要求を緩和することができる。
調整手段は、さらにシール材を含むことが好ましい。シール材は、第1部材と第2部材との間に設けられ、第1部材と第2部材との軸心方向の相対移動を許容しながら、第1部材と第2部材との間を封止する。この場合、クランク室圧力の冷媒が第1部材と第2部材との間に入り込んで第2弁体の背後に移動することを防止できる。
第2弁体は第2弁体本体とシール材とを有し、調整手段が第2弁体本体及びシール材よりなることが好ましい。第2弁体本体は、軸心周りで環状をなして第1当接面が形成され、第1弁体側に配置されて付勢ばねを受承するとともに第2弁室の内部を軸心方向に移動する。シール材は、第2弁体本体又は弁ケースに設けられ、第2弁体本体の軸心方向の移動を許容しながら、第2当接面を形成する。この場合、シール材が第2当接面を形成しながら変形し、第2弁体本体の軸心方向の移動を許容する。このため、シール材の変形によって第1当接面と第2当接面との軸心方向の誤差を吸収することができる。
本発明の圧縮機は、最小容量状態から容量を上げる迅速性に優れる。
以下、本発明を具体化した実施例1〜3を図面を参照しつつ説明する。実施例1〜3の圧縮機は、片頭ピストン式の容量可変型斜板式圧縮機である。これらの圧縮機は、車両に搭載されており、空調装置の冷凍回路を構成している。
(実施例1)
図1に示すように、実施例1の圧縮機のハウジング1は、フロントハウジング3、リヤハウジング5、シリンダブロック7及び弁ユニット9を備えている。本実施例1では、フロントハウジング3が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング5が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1の紙面の上方を圧縮機の上方とし、図1の紙面の下方を圧縮機の下方として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図2以降では、図1に対応させて前後方向及び上下方向を規定している。なお、圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
図1に示すように、実施例1の圧縮機のハウジング1は、フロントハウジング3、リヤハウジング5、シリンダブロック7及び弁ユニット9を備えている。本実施例1では、フロントハウジング3が位置する側を圧縮機の前方側とし、リヤハウジング5が位置する側を圧縮機の後方側として、圧縮機の前後方向を規定している。また、図1の紙面の上方を圧縮機の上方とし、図1の紙面の下方を圧縮機の下方として、圧縮機の上下方向を規定している。そして、図2以降では、図1に対応させて前後方向及び上下方向を規定している。なお、圧縮機は、搭載される車両等に対応して、その姿勢が適宜変更される。
フロントハウジング3には、前方に向かって突出するボス3aが形成されている。ボス3a内には、圧縮機の前後方向に延びる第1軸孔3bが形成されている。第1軸孔3b内には軸封装置11a及び第1ラジアル軸受11bが設けられている。また、フロントハウジング3の後面には第1スラスト軸受11cが設けられている。
リヤハウジング5には、吸入室5a及び吐出室5bが形成されている。また、リヤハウジング5には、容量制御弁13、制御逆止弁14、逆止弁55及び開度調整弁61が設けられている。吸入室5aはリヤハウジング5の径方向の外側に位置している。吸入室5aは、後述する吸入通路51により、圧縮機の外に設けられた蒸発器101に接続されている。吸入室5aには、リヤハウジング5の径方向に延びる弁収容室47が連続して形成されている。つまり、弁収容室47は、吸入通路51の一部を構成している。
吐出室5bはリヤハウジング5の径方向の内側に位置している。吐出室5bは吐出通路53により、圧縮機の外に設けられた凝縮器102に接続されている。吐出通路53には、逆止弁55が設けられている。蒸発器101、凝縮器102、膨張弁103、配管104等により、外部回路100が構成されている。そして、圧縮機及び外部回路100によって空調装置が構成されている。
シリンダブロック7は、フロントハウジング3と弁ユニット9との間に位置している。フロントハウジング3とシリンダブロック7との間には、クランク室15が形成されている。シリンダブロック7には、複数個のシリンダボア7aが周方向に等角度間隔で形成されている。各シリンダボア7aは前方でクランク室15と連通している。
また、シリンダブロック7には、第1軸孔3bと同軸をなす第2軸孔7bが形成されている。第2軸孔7b内には第2ラジアル軸受17a、第2スラスト軸受17b及び押圧ばね17cが設けられている。
フロントハウジング3とシリンダブロック7とには、駆動軸19が挿通されている。駆動軸19は、フロントハウジング3内において、軸封装置11aに挿通されている。また、駆動軸19は、シリンダブロック7内において、第2ラジアル軸受17a及び第2スラスト軸受17bに挿通されている。これにより、駆動軸19は、ハウジング1に支持されており、圧縮機の前後方向と平行な回転軸心周りで回転可能となっている。
駆動軸19にはラグプレート21が圧入されている。ラグプレート21は、クランク室15内において前方に配置されており、駆動軸19の回転に伴ってクランク室15内で回転可能となっている。ラグプレート21とフロントハウジング3との間に第1ラジアル軸受11b及び第1スラスト軸受11cが設けられている。
また、駆動軸19には斜板23が挿通されている。斜板23は、クランク室15内において、ラグプレート21の後方に位置している。ラグプレート21と斜板23との間には、駆動軸19回りに傾角縮小ばね25が設けられている。また、駆動軸19の後方には、サークリップ27が固定されており、サークリップ27と斜板23との間には、駆動軸19回りに復帰ばね29が設けられている。
クランク室15内において、ラグプレート21と斜板23とはリンク機構31によって接続されている。リンク機構31は、駆動軸19の駆動軸心に直交する方向に対する斜板23の傾斜角度を変更可能に斜板23を支持している。
各シリンダボア7a内には、それぞれピストン33が往復動可能に収納されている。各ピストン33の後端面は、各シリンダボア7a内で弁ユニット9と対向している。これにより、各ピストン33は、各シリンダボア7aの後方に圧縮室35を区画している。
各ピストン33と斜板23との間には、前後で対をなすシュー37a、37bが設けられている。各ピストン33は、各対のシュー37a、37bによって斜板23に係合している。そして、各対のシュー37a、37bによって、斜板23の回転がピストン33の往復動に変換されるようになっている。また、各ピストン33は、各対のシュー37a、37bによって、斜板23の傾斜角度に応じたストロークで、各シリンダボア7a内を往復動することが可能となっている。
弁ユニット9は、前方から吸入弁板、弁板及び吐出弁板が積層されたものである。弁ユニット9には、各シリンダボア7aに対応して、吸入リード弁、吸入ポート、吐出ポート及び吐出リード弁が形成されている。弁ユニット9の後面にはリテーナ39が固定されている。リテーナ39は吐出室5b内に配置されており、吐出リード弁の最大開度を規制する。
この圧縮機は、図1及び図2に示すように、クランク室15と吸入室5aとを連通する第1抽気通路52a及び第2抽気通路52bと、図2に示すように、吐出室5bと容量制御弁13とを連通する第1給気通路41と、制御逆止弁14を介して容量制御弁13とクランク室15とを接続する第2給気通路43と、吸入室5aと容量制御弁13とを連通する検知通路45とを備えている。また、リヤハウジング5には制御通路59が形成されている。制御通路59は、一方側が第2給気通路43における制御逆止弁14より容量制御弁13側に接続しており、他方側が弁収容室47に接続している。
第1抽気通路52aは、シリンダブロック7、弁ユニット9及びリヤハウジング5に形成され、開度調整弁61を介してクランク室15と吸入室5aとを連通し、連通面積が調整される。第2抽気通路52bは、シリンダブロック7及び弁ユニット9に形成され、第2軸孔7b、弁ユニット9を介してクランク室15と吸入室5aとを連通する。後述するオフ運転時には、第1抽気通路52aは閉じている一方、第2抽気通路52bは開いている。起動時及び最大容量運転時には、第1抽気通路52a及び第2抽気通路52bの両方が開いた状態となる。
図1及び図2に示すように、第1給気通路41及び検知通路45はリヤハウジング5に形成されている。第2給気通路43はリヤハウジング5、弁ユニット9及びシリンダブロック7に形成されている。容量制御弁13はリヤハウジング5に設けられている。容量制御弁13は、吸入室5a内の吸入圧力Ps及びコントローラ49の制御信号に基づいて第1給気通路41と第2給気通路43との連通面積を調整する。
シリンダブロック7内には、制御逆止弁14が設けられている。この制御逆止弁14は、図3に示すように、シリンダブロック7に形成された弁収容室14aと、弁収容室14a内に収容された弁体14bとからなる。弁収容室14aは、弁ユニット9と対面して第2給気通路43の途中に形成されている。弁体14bはキャップ状をなしており、側壁に適数個の通孔14cが形成されている。制御逆止弁14では、容量制御弁13から高圧の冷媒が第2給気通路43に供給されれば、弁体14bがクランク室15側に移動し、冷媒が通孔14cを通ってクランク室15に供給される。他方、容量制御弁13から高圧の冷媒が第2給気通路43に供給されなければ、弁体14bはクランク室15のクランク室圧力Pcによって弁ユニット9側に移動し、弁体14bが弁ユニット9の第2給気通路43を閉鎖するため、クランク室15内の冷媒は第2給気通路43から第1給気通路41内に供給されない。
図2、図5、図8及び図9に示すように、リヤハウジング5に形成された弁収容室47は、リヤハウジング5の径方向に延びる略円柱状に形成されている。弁収容室47内に開度調整弁61が設けられている。開度調整弁61は、弁ケース63と、第1弁体65と、第2弁体67と、コイルばね69とからなる。弁ケース63、第1弁体65及び第2弁体67は樹脂製であり、コイルばね69は金属製である。開度調整弁61には、下方から順番にOリング79a、79b、79cが保持されている。開度調整弁61はこの状態で弁収容室47内に収納され、サークリップ48によって固定されている。
弁ケース63は、軸心V方向に延びる円筒状をなす筒体63aと、蓋体63bと、支持体63cとからなる。筒体63aは弁ケース63の周壁を構成している。また、蓋体63bは筒体63aの下端に固定されている。蓋体63bには連通窓61bが形成されている。連通窓61bはOリング79aより下方において制御通路59と連通している。支持体63cは、円筒状をなして筒体63aの上端に固定されており、弁ケース63の上端で吸入口61aを形成している。吸入口61aはOリング79cより上方において外部回路100と連通している。
筒体63a内には、第1弁室71a及び第2弁室71bが形成されている。第1弁室71aは、第2弁室71bより大径であり、第2弁室71bの上方に位置している。第1弁室71a及び第2弁室71bは軸心V方向に延びる同軸の円柱状をなしている。
筒体63aには、複数個の吸入窓61cが周方向に形成されている。各吸入窓61cはOリング79bとOリング79cとの間に位置し、吸入通路51と連通している。また、筒体63aには、複数個の抽気窓61dが周方向に形成されている。各抽気窓61dは外側から軸心Vに向かう径方向に形成されている。各抽気窓61dはOリング79aとOリング79bとの間に位置し、第1抽気通路52aと連通している。
筒体63aには、第1弁室71aと第2弁室71bとの間に、内側に環状に突出する突出部75が形成されている。突出部75は、第1弁体65の下位置を規制するとともに、第2弁体67の上位置を規制するようになっている。突出部75の内側は、第1弁室71aと第2弁室71bとを連通する連通孔75cを形成する。図4及び図6に示すように、突出部75における軸心Vと直交する下面には、連通孔75cの外縁に沿って軸心V周りで円環状をなす弁座面75aが形成されている。
また、筒体63aには、突出部75と第2弁室71bとの間に、内側に環状に突出する段部78が形成されている。段部78の内径は突出部75の内径より大きい。各抽気窓61dはこの段部78に貫設されている。段部78における軸心Vと直交する下面には、軸心V周りで円環状をなす規制面75bが形成されている。つまり、各抽気窓61dは、軸心V方向で弁座面75aと規制面75bとの間に開口している。弁座面75aは軸心V方向における第1弁体65側の先端側に形成され、規制面75bは弁座面75aより径方向の外側かつ弁座面75aよりも軸心V方向の下方側に形成されている。抽気窓61dは、軸心V方向で弁座面75aと規制面75bとの間に位置している。
図2、図5、図8及び図9に示すように、第1弁体65は、ばね受け部65aと、第1筒部65bと、第2筒部65cとからなる。ばね受け部65aは、軸心V周りで円環状をなしており、コイルばね69の上端部を受承するようになっている。ばね受け部65aには、第2筒部65c内と連通する抜き穴65dが形成されている。抜き穴65dは、吸入通路51の蒸発器101側と第1弁室71aとを連通している。第1筒部65bは、ばね受け部65aの外周縁から軸心V方向の下方に延びている。第1筒部65bは、軸心V周りで円筒状をなし、周面が吸入窓61cと対面するようになっている。第1筒部65bには、第1筒部65bを貫通する連通孔65eが形成されている。連通孔65eは、吸入窓61cを介し、第1弁体65と第2弁体67との間の空間70と吸入室5aとを連通させる。第2筒部65cは、第1筒部65bより内側でばね受け部65aから軸心V方向の下方に延びている。第2筒部65cは軸心V周りで円筒状をなし、コイルばね69の上端部を外周面で保持している。
第1弁体65は第1弁室71a内に収容され、弁ケース63の軸心V方向、つまり、圧縮機の上下方向で第1弁室71a内を摺動可能となっている。第1弁体65は、図2及び図5に示すように、支持体63cと当接するまで上方に摺動可能である。この状態では第1筒部65bが吸入窓61cの開度を縮小している。また、第1弁体65は、図8に示すように、突出部75と当接するまで下方に摺動可能である。この状態では第1筒部65bが吸入窓61cを完全に開放している。
図4及び図6に示すように、第2弁体67は、第1部材70と、第2部材72と、Oリング80とからなる。第1部材70は、ばね受け部70aと、筒部70bとからなる。ばね受け部70aは、軸心V周りで円環状をなしており、コイルばね69の下端部を受承するようになっている。また、ばね受け部70aの外周面には軸心V周りで環状をなすシール溝70cが凹設されており、シール溝70c内にOリング80が設けられている。ばね受け部70aの下面には上方に向かって凹む凹部70dが形成されている。ばね受け部70aには、軸心V周りで抜き穴70eが形成されている。抜き穴70eは、凹部70dを介し、第2弁室71bの蓋体63b側と第1弁室71aとを連通している。蓋体63bには連通窓61bが形成されているため、抜き穴70eは、第2弁室71bの内部と第2弁室71bの外部とを連通する。
筒部70bは、ばね受け部70aの外周縁から軸心Vにやや近づいた位置から軸心V方向の上方に延びている。筒部70bは、軸心V周りで円筒状をなし、周面が抽気窓61dと対面するものの、周面は段部78の内周面との間に隙間Cを有している。筒部70b内にコイルばね69の下端部を内周面で保持している。筒部70bにおける軸心Vと直交する上面には、軸心V周りで円環状をなす第1当接面67aが形成されている。この第1当接面67aは、弁ケース63における突出部75の弁座面75aと当接し、抽気窓61dからの冷媒を規制する第1規制部74を形成する。
第2部材72は第1部材70の外周側で軸心V方向、つまり上下に摺動可能に設けられている。第2部材72は、円筒状に形成された本体72aと、第2部材本体72aの上端で軸心Vにやや近づくように形成された円環状の頭部72bとからなる。本体72aはばね受け部70aの外周面と摺接するようになっている。
頭部72bは筒部70bの外周面と摺接するようになっている。頭部72bにおける軸心Vと直交する上面には、軸心V周りで円環状をなす第2当接面67bが形成されている。この第2当接面67bは、弁ケース63における段部78の規制面75bと当接し、抽気窓61dからの冷媒を規制する第2規制部76を形成する。第2規制部76は第1規制部74よりも大径である。本実施例では、第1部材70と第2部材72とが調整手段を構成し、弁座面75aに第1当接面67aが当接した状態で、規制面75bに第2当接面67bが当接し得るように調整し、第1抽気通路52a側と制御通路59側との冷媒の漏れを規制する。
Oリング80はばね受け部70aと本体72aとに当接した状態で設けられている。Oリング80は、第1部材70と第2部材72との軸心V方向の相対摺動を許容しながら、第1部材70と第2部材72との間を封止している。Oリング80が本発明のシール材に相当する。
第1部材70及び第2部材72は第2弁室71b内に収容され、弁ケース63の軸心V方向、つまり、圧縮機の上下方向で第2弁室71b内を摺動可能となっている。第1部材70及び第2部材72は、第1部材70が突出部75と当接するまで上方に摺動可能である。この状態において、第1当接面67aが弁座面75aとともに第1規制部74を形成する。また、第2部材72は、第1部材70が突出部75と当接しても、自己が段部78と当接するまで上方に摺動可能である。この状態において、第2当接面67bが弁座面67cとともに第2規制部76を形成する。
こうして、第2弁体67は、第2部材72の頭部72bにより、図7(A)に示すように、受圧面S1を確保している。この受圧面S1には、抽気通路52及び抽気窓61dによってクランク室圧力Pcが作用する。他方、第2弁体67は、第1部材70及び第2部材72により、図7(B)に示すように、より大きな受圧面S2を確保している。この受圧面S2には、制御通路59及び連通窓61bによって制御圧力Pcvが作用する。
図2、図5、図8及び図9に示すように、コイルばね69は、第1弁体65のばね受け部65a及び第2筒部65cと、第2弁体67における第1部材70のばね受け部70a及び筒部70bとの間に保持されている。コイルばね69は、第1弁体65と第2弁体67とをその付勢力によって軸心V方向で離間させている。コイルばね69が付勢ばねに相当する。
この圧縮機では、車両のエンジンやモータによって駆動軸19が回転駆動され、ラグプレート21及び斜板23が回転し、各ピストン33がシリンダボア7a内を往復動する。この際、各ピストン33は、斜板23の傾斜角度に応じたストロークでシリンダボア7a内を往復動する。このため、各ピストン33は、圧縮室35内に吸入室5a内の冷媒を吸入し、圧縮室35内で冷媒を圧縮し、圧縮室35から高圧の冷媒を吐出室5bに吐出する。吸入室5aは外部回路100から開度調整弁61を介して冷媒を吸入する。吐出室5bは、吐出圧力Pdが逆止弁55を開けば、外部回路100に高圧の冷媒を吐出する。
この間、この圧縮機では、容量制御弁13によってクランク室15のクランク室圧力Pcを調整することにより、吐出容量を適宜変更することが可能となっている。例えば、容量制御弁13が第1給気通路41と第2給気通路43との連通面積を大きくすれば、吐出室5b内の吐出圧力Pdの冷媒がクランク室15内に流入し易くなり、クランク室圧力Pcが高くなる。この場合、斜板23の傾斜角度が小さくなり、駆動軸19の1回転当たりの吐出容量が小さくなる。また、容量制御弁13が第1給気通路41と第2給気通路43との連通面積を小さくすれば、吐出圧力Pdの冷媒がクランク室15内に流入し難くなる。一方、クランク室15内の冷媒が第1抽気通路52a、第2抽気通路52b及び開度調整弁61を経て吸入室5aに流出し、クランク室圧力Pcが低くなる。この場合、斜板23の傾斜角度が大きくなり、容量が大きくなる。
また、この圧縮機では、設定吸入圧力と設定クランク室圧力とが予め設定されている。本実施例では、第1弁体65が開く際の開弁圧を設定吸入圧力とし、第2弁体67が閉じる際の閉弁圧を設定クランク室圧力としている。設定吸入圧力及び設定クランク室圧力の大きさは、適宜設定することが可能である。
車両のエンジンのスイッチが入れられると、圧縮機は、最小容量状態(オフ状態)で運転される。この間、コントローラ49からの信号により容量制御弁13は開かれている。このため、制御逆止弁14は開状態であり、吐出室5bとクランク室15とが連通しており、容量制御弁13を経た制御圧力Pcvはクランク室圧力Pcより高い。このため、開度調整弁61は、図2に示すように、第1弁体65が上方に摺動して吸入窓61cの開度を縮小しているとともに、第2弁体67が上方に摺動して抽気窓61dを閉じている。
より詳細には、図4に示すように、第2弁体67における第1部材70の第1当接面67aが弁ケース63における突出部75の弁座面75aに当接して第1規制部74を形成する。この際、第2弁体67の第2部材72が第1部材70よりも上方に摺動し、第2部材72の第2当接面67bが規制面75bに当接して第2規制部76を形成する。第2規制部76は、第1規制部74より径方向の外側かつ第1規制部74よりも軸心V方向の下方側に位置している。そして、抽気窓61dが軸心V方向で弁座面75aと規制面75bとの間に位置しているため、第1規制部74が抽気窓61dから第1弁室71a、吸入窓61c及び吸入通路51を経て吸入室5aに流れようとする冷媒を規制している。
また、第2規制部76が抽気窓61dから第2部材72の周面を経て、制御通路59側である第2部材72の背後に回り込もうとする冷媒を規制する。特に、この圧縮機では、第2弁体67がOリング80を有しているため、クランク室圧力Pcの冷媒が第1部材70と第2部材72との間に入り込んで第2弁体67の背後に移動することを防止できる。
車両が長時間停車したり、空調装置が停止され、長時間を経ると、クランク室15内の冷媒が冷却されて液冷媒となっている場合がある。この状態で空調装置のスイッチが入れられ、圧縮機が起動する時、第1弁体65はコイルばね69の付勢力により第1弁室71a内で上位置に位置し、各吸入窓61cの開度は最小となっている。コントローラ49からの信号により容量制御弁13は閉じられ、吐出室5bとクランク室15との連通は縮小される。この際、制御圧力Pcvは減圧される一方、クランク室圧力Pcは、クランク室15内の液冷媒の存在により、制御圧力Pcvより高く、制御逆止弁14は閉じられている。
高圧のクランク室圧力Pcの冷媒が抽気窓61dから第1部材70の筒部70bと段部78との間の隙間Cに供給される。このため、第2部材72の頭部72bにクランク室圧力Pcが作用する。このため、第2部材72は、図7に示す受圧面S1の一部にクランク室圧力Pcを受け、下方に摺動しようとする。一方、第1部材70及び第2部材72には蓋63b側から制御圧力Pcvが作用しており、第1部材70及び第2部材72は、受圧面S2に制御圧力Pcvを受けている。受圧面S2は受圧面S1より大きいが、制御圧力Pcvが低くされ、クランク室圧力Pcが制御圧力Pcvより高くされているため、第2部材72は、図5に示すように、クランク室圧力Pcの冷媒が第2規制部76で規制面75bと第2当接面67bとを押し開き、第2当接面67bにクランク室圧力Pcを作用させる。この際、第2部材72は第1部材70に対して下方に移動する。このため、第2部材72は、受圧面S1の全体にクランク室圧力Pcを受けて下方に摺動し、頭部72bとの係合によって第1部材70も下方に摺動する。
第1部材70及び第2部材72は一体となって、さらなる時間の経過により、図8に示すように、蓋体63bと当接するまで下方に摺動する。この間、高圧のクランク室圧力Pcの冷媒が抽気窓61dから第2部材72の周面を経て第2部材72の背後に回り込むことは抑制される。
また、この際、コイルばね69の付勢力も第1部材70を下方へ摺動させる方向に作用するため、第1部材70は突出部75から迅速に離間する。このため、高圧のクランク室圧力Pcの冷媒が第2弁室71bに流れても、突出部75と第1部材70との間に負圧が生じることはない。
このため、起動時にクランク室15内に溜まった液冷媒は、抽気窓61d、第2弁室71b、第1弁室71a、吸入窓61c及び吸入通路51を経て吸入室5aに流れるため、クランク室圧力Pcが迅速に低くなり、斜板23の傾斜角度が迅速に大きくなり、速やかに図9に示す最大容量状態に移行する。
したがって、この圧縮機は、最小容量状態から容量を上げる迅速性に優れる。
圧縮機の運転中に最小容量状態(オフ運転状態)となった後、再び最大容量状態となる場合にも、第2弁体67が、図2に示すような抽気窓61dを閉鎖する上位置から、図9に示すような、抽気窓61dを開く下位置に移動することが要求される。
最大容量時は、コントローラ49の信号により、容量制御弁13が吐出室5bとクランク室15との間の連通面積を縮小する。クランク室圧力Pcは、圧縮室35からのブローバイガスにより、第2給気通路43内の制御圧力Pcvより高い状態であり、制御逆止弁14は閉じられている。
開度調整弁61では、吸入圧力Psは設定吸入圧力より高く、第1弁体65が吸入冷媒によって下方に移動する。クランク室圧力Pcの冷媒が第1部材70の筒部70bと段部78との間の隙間Cに供給され、第2部材72の頭部72bにクランク室圧力Pcが作用する。クランク室圧力Pcの冷媒が第2規制部76で規制面75bと第2当接面67bとを押し開き、第2部材72は第1部材70に対して下方に移動する。頭部72hとの係合によって第1部材70も下方に摺動する。このため、第2弁体67が抽気窓61dを開放する。この際にも、第2弁体67の背後に回りこむ冷媒の漏れが抑制され、迅速に第2弁体67が移動し、速やかに図9に示すような最大容量状態に移行する。
この圧縮機では、第2弁体67が第1部材70と第2部材72とを有し、第1部材70と第2部材72とが相互に移動し得るため、第1部材70に第1当接面67aを形成し、第2部材72に第2当接面67bを形成すれば、弁座面75aに第1当接面67aが当接した状態で、規制面75bに第2当接面67bが当接するように調整することが可能である。このため、単一の部材に2つの当接面を設けるのに比べて精度要求を緩和することができる。すなわち、第1当接面67aと第2当接面67bとの軸心V方向の誤差は、第2部材72が第1部材70に対して軸心V方向に摺動することにより吸収することができる。このため、優れた量産性を発揮することができる。
(実施例2)
実施例2の圧縮機は、図10に示すように、開度調整弁61の第2弁体67がOリング80に代え、PTFE製のチップシール81をシール材として採用している。他の構成は実施例1と同様である。
実施例2の圧縮機は、図10に示すように、開度調整弁61の第2弁体67がOリング80に代え、PTFE製のチップシール81をシール材として採用している。他の構成は実施例1と同様である。
この圧縮機では、チップシール81を採用しているため、第2部材72が第1部材70に対して軸心V方向に摺動し易く、第2弁体67の応答性が向上する。他の作用効果は実施例1と同様である。
(実施例3)
実施例3の圧縮機は、図11に示すように、開度調整弁61が第2弁体68を採用している。第2弁体68は、第2弁体本体77と、シール材82とからなる。
実施例3の圧縮機は、図11に示すように、開度調整弁61が第2弁体68を採用している。第2弁体68は、第2弁体本体77と、シール材82とからなる。
第2弁体本体77は、ばね受け部77aと、筒部77bとからなる。ばね受け部77aは、軸心V周りで円環状をなしており、コイルばね69の下端部を受承するようになっている。ばね受け部77aの下面には上方に向かって凹む凹部77dが形成されている。筒部77bは、ばね受け部77aの外周縁から軸心Vにやや近づいた位置から軸心V方向の上方に延びている。
ばね受け部77aは筒部77bの外周側に載置面77fを有し、シール材82は、皿形状をなし、載置面77f上に載置されている。シール材82は弾性変形可能なゴム製である。シール材82は、第2弁体本体77の軸心V方向の摺動を許容しながら、段部78の規制面75bと当接する第2当接面82aを形成する。第2弁体本体77とシール材82が調整手段を構成する。他の構成は実施例1と同様である。
この圧縮機では、シール材82が第2当接面82aを形成しながら弾性変形し、第2弁体本体77の軸心V方向の移動を許容する。このため、第2弁体本体77に第1当接面67aを形成し、シール材82の弾性変形によって第1当接面67aと第2当接面82aとの軸心V方向の誤差を吸収することができる。
以上において、本発明を実施例1〜3に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜3に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
例えば、本発明では、実施例1、2の第2弁体として、第1部材70と第2部材72とを一体のものとし、シール材を無くしたものを採用することもできる。この場合、第1当接面67aと第2当接面67bとの軸心V方向の位置精度が要求されるものの、本発明の作用効果を奏することができる。
実施例3では、シール材82が第2弁体本体77上に載置されているが、シール材を段部78に保持する等、弁ケース63に設けてもよい。
また、実施例1〜3の圧縮機では、吸入室5aが弁収容室47と連続して形成されているが、吸入室5aと弁収容室47とを離間して設けつつ、吸入室5aと弁収容室47とが通路によって連通する構成としてもよい。
本発明は車両の空調装置等に利用可能である。
5a…吸入室
7a…シリンダボア
15…クランク室
5b…吐出室
1…ハウジング
Pc…クランク室圧力
23…斜板
35…圧縮室
33…ピストン
13…容量制御弁
61…開度調整弁
100…外部回路
51…吸入通路
41、43…給気通路(41…第1給気通路、43…第2給気通路)
52a、52b…抽気通路(52a…第1抽気通路、52b…第2抽気通路)
59…制御通路
71a…第1弁室
71b…第2弁室
63…弁ケース
65…第1弁体
67…第2弁体
69…付勢ばね(コイルばね)
75a…弁座面
75b…規制面
67a…第1当接面
67b…第2当接面
V…軸心
61a…吸入口
61c…吸入窓
61d…抽気窓
Ps…吸入圧力
70…第1部材
72…第2部材
74…第1規制部
76…第2規制部
70、72、80、81、82…調整手段(70…第1部材、72…第2部材、80、81、82…シール材(80…Oリング、81チップシール、82…シール材))
77…第2弁体本体
7a…シリンダボア
15…クランク室
5b…吐出室
1…ハウジング
Pc…クランク室圧力
23…斜板
35…圧縮室
33…ピストン
13…容量制御弁
61…開度調整弁
100…外部回路
51…吸入通路
41、43…給気通路(41…第1給気通路、43…第2給気通路)
52a、52b…抽気通路(52a…第1抽気通路、52b…第2抽気通路)
59…制御通路
71a…第1弁室
71b…第2弁室
63…弁ケース
65…第1弁体
67…第2弁体
69…付勢ばね(コイルばね)
75a…弁座面
75b…規制面
67a…第1当接面
67b…第2当接面
V…軸心
61a…吸入口
61c…吸入窓
61d…抽気窓
Ps…吸入圧力
70…第1部材
72…第2部材
74…第1規制部
76…第2規制部
70、72、80、81、82…調整手段(70…第1部材、72…第2部材、80、81、82…シール材(80…Oリング、81チップシール、82…シール材))
77…第2弁体本体
Claims (4)
- 吸入室、シリンダボア、クランク室及び吐出室が形成されたハウジングと、
前記クランク室内に設けられ、前記クランク室内のクランク室圧力によって傾斜角度が変更される斜板と、
前記斜板に係合しつつ前記シリンダボア内に収容され、前記ハウジングとの間に圧縮室を形成するピストンと、
前記クランク室圧力を変更可能な容量制御弁と、
前記吸入室に吸入する冷媒量を調整する開度調整弁とを備え、
前記ハウジングには、外部回路と前記吸入室とを接続する吸入通路と、前記容量制御弁を介して前記吐出室と前記クランク室とを接続する給気通路と、前記クランク室と前記吸入室とを接続する抽気通路と、前記給気通路と前記開度調整弁とを連通する制御通路とが形成され、
前記開度調整弁は、前記吸入通路の一部を構成する第1弁室と、前記抽気通路の一部を構成する第2弁室とが形成された弁ケースと、
前記第1弁室に設けられ、前記吸入通路の開度を調整する第1弁体と、
前記第2弁室に設けられ、前記抽気通路の開度を調整する第2弁体と、
前記第1弁室及び前記第2弁室に渡って設けられ、前記第1弁体と前記第2弁体とを離間させるように前記第1弁体及び前記第2弁体を付勢する付勢ばねとを有する容量可変型斜板式圧縮機において、
前記弁ケースは、前記第2弁体が着座し、前記第2弁体の前記第1弁体に向かう移動を規制する弁座面と、前記弁座面より径方向の外側に形成された規制面とを有し、
前記第2弁体は、前記抽気通路と前記制御通路との間に設けられるとともに、前記弁座面に当接する第1当接面と、前記規制面に当接する第2当接面とを有し、
前記抽気通路は、軸心方向で前記弁座面と前記規制面との間に開口しており、
前記第2弁体には、前記弁座面に前記第1当接面が当接した状態で、前記規制面に前記第2当接面が当接しうるように調整し、前記抽気通路側と前記制御通路側との冷媒の漏れを規制する調整手段が設けられていることを特徴とする容量可変型斜板式圧縮機。 - 前記第2弁体は、前記軸心周りで環状をなして前記第1当接面が形成され、前記第1弁体側に配置されて前記付勢ばねを受承する第1部材と、
前記軸心周りで筒状をなして前記第2当接面が形成され、前記第1部材の外周側に配置されて前記第1部材に対して前記軸心方向に移動可能であるとともに前記第2弁室の内部を前記軸心方向に移動する第2部材とを有し、
前記調整手段は、前記第1部材及び前記第2部材よりなる請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。 - 前記調整手段は、さらに、前記第1部材と前記第2部材との間に設けられ、前記第1部材と前記第2部材との前記軸心方向の相対移動を許容しながら、前記第1部材と前記第2部材との間を封止するシール材を含む請求項2記載の容量可変型斜板式圧縮機。
- 前記第2弁体は、前記軸心周りで環状をなして前記第1当接面が形成され、前記第1弁体側に配置されて前記付勢ばねを受承するとともに前記第2弁室の内部を前記軸心方向に移動する第2弁体本体と、
前記第2弁体本体又は前記弁ケースに設けられ、前記第2弁体本体の前記軸心方向の移動を許容しながら、前記第2当接面を形成するシール材とを有し、
前記調整手段は、前記第2弁体本体及び前記シール材よりなる請求項1記載の容量可変型斜板式圧縮機。
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