JP2020158732A - インフレーション成形用樹脂組成物およびそれからなるインフレーションフィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】インフレーションフィルム成形時に、フィルム強度を損なわずに偏肉の少ないフィルムを得ることのできる、オレフィン系重合体の組成物を提供する。【解決手段】下記要件(1)を満たすオレフィン系重合体A100重量部に対し、下記要件(2)を満たすオレフィン系重合体Bを2.0重量部以上30.0重量部以下添加することを特徴とするインフレーションフィルム成形用樹脂組成物。(1)メルトマスフローレートが0.01g/10分以上2.0g/10分以下であり、かつ密度が945kg/m3以上970kg/m3以下であるオレフィン系重合体(2)酸化防止剤を含まない高密度ポリエチレン【選択図】なし

Description

本発明は、フィルム強度を損なわずに偏肉が少ないインフレーション成形用樹脂組成物およびそれを用いたインフレーションフィルムに関するものである。
インフレーション成形により成膜される各種包装用ポリエチレンフィルムは、高生産性を確保するため、高速成形化が求められ、さらには低偏肉性が要求されている。
しかしながら、高速成形を行うと、インフレーション成形機のダイス内部にてポリエチレンの流動ムラが生じて、溶融樹脂を空気で膨張させたときにフィルムの厚みムラ、すなわち偏肉が多くなる。そのため、フィルムにしわやたるみが発生し、フィルムの外観不良や、後工程での印刷、製袋不良等の問題が生じて、フィルムの製品価値が低下する。
このような問題の改良方法として、ダイス内部での樹脂の流動ムラを改良する目的で、ポリエチレンにステアリン酸カルシウムとステアリン酸亜鉛を添加する方法(特許文献1参照)が提案されている。しかし、成膜時にフィルムがロールを通過する際に擦れたステアリン酸カルシウムやステアリン酸亜鉛がロールに堆積し、堆積物がフィルムに付着してしまう問題がある。
また、ポリエチレンを特定の酸素濃度下で造粒する方法やポリエチレンに低分子量のポリエチレンを添加する方法が提案されているが、フィルムにゲルが発生したり、ダイス出口に滲出して溜まった低分子量ポリエチレンがフィルムを汚染する問題がある(例えば、特許文献2参照)。
特開平4−10638号公報 特開平11−71427号公報
本発明は、インフレーションフィルム成形時にフィルム強度を損なわずに、偏肉の少ないフィルムを得ることのできるオレフィン系重合体の組成物提供することを目的とするものである。
本発明者らは、鋭意検討した結果、オレフィン系重合体Aに特定の要件を満たすオレフィン系重合Bを添加した組成物を用いてインフレーション成形することで、偏肉が少なく、高速成形が可能なインフレーションフィルムを与えることが出来ることを見出し、本発明に到達した。
即ち、本発明は、オレフィン系重合体A100重量部に対し、酸化防止剤を含まないオレフィン系重合体Bを2.0重量部以上30.0重量部以下添加することを特徴とするインフレーション成形用樹脂組成物およびそれを用いたインフレーションフィルムである。
本発明のインフレーション成形用組成物(以下、「本願の組成物」という)を構成するオレフィン系重合体Aは、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体もしくはエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンの共重合体(エチレン・α−オレフィン共重合体)が挙げられる。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体等のエチレン系重合体が挙げられ、これらオレフィン系重合体は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。このようなオレフィン系重合体の中では、フィルム成形性やコストパフォーマンスに優れるため、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体が好ましく、フィルム強度、高速成形性の観点から高密度ポリエチレンが特に好ましい。
また、本発明を構成するオレフィン系重合体Aは、JIS K6922−1(1997年)で測定したメルトマスフローレート(以下、「MFR」ともいう)が0.01g/10分以上の場合、成膜時の機械負荷が少なく好ましい。また、メルトマスフローレートが0.2g/10分以下の場合は樹脂の溶融張力が高く、溶融した樹脂を空気で膨張させたバブルの安定性が良好で好ましい。また、本発明を構成するオレフィン系重合体Aの密度は945kg/m以上ではフィルムの耐熱性、剛性が高く好ましく、密度が970kg/m以下の場合はフィルムの耐衝撃強度が高く好ましい。
また、本願の組成物を構成するオレフィン系重合体Aは、その重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比 Mw/Mnが20以上30以下であることが好ましい。Mw/Mnが20以上であれば組成物の流動性がより良好であり、またMw/Mnが30以下であれば組成物から得られたフィルムの衝撃強度がより高くなる。ここで、Mw及びMnは一般的なのゲルパーミエーション・クロマトフラフィー(GPC)により測定することができる。
また、本願の組成物を構成するオレフィン系重合体Aは、その190℃、21.6kg荷重のメルトマスフローレート(以下、「HLMFR」と記す)は、4g/10分以上20g/10分以下が好ましい。HLMFRが4g/10分以上であれば組成物の流動性がより良好であり、20g/10分以下であれば、組成物から得られたフィルムの衝撃強度がより高くなる。
このようなオレフィン系重合体Aの製造方法は、特に制限されるものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン−L、ニポロン−Zの商品名で各々市販されている。
さらに、本願の組成物を構成するオレフィン系重合体Aには、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常ポリオレフインに使用される添加剤を添加しても構わない。ただし、この場合、後述するオレフィン重合体Bには添加剤は含まれない。
本願の組成物を構成するオレフィン系重合体Bは酸化防止剤を含まない。酸化防止剤を含まないことで偏肉が少ないインフレーションフィルムとなる。
本願の組成物を構成するオレフィン系重合体Bは、高密度ポリエチレンである。 本願の組成物を構成するオレフィン系重合体Bは、JIS K6922−1(1997年)で測定したメルトマスフローレートが0.01g/10分以上2.0g/10分以下であることが好ましい。MFRが0.01g/10分以上の場合、成膜時の押出負荷が低く好ましく、また、MFRが2.0g/10分以下の場合はフィルム強度が高く好ましい。
本願の組成物を構成するオレフィン系重合体Bの密度は、945kg/m以上970kg/m以下であることが好ましい。密度が945kg/m以上であることにより、組成物から得られるフィルムの剛性がより高くなり、密度が970kg/m以下であることにより組成物から得られるフィルムの耐衝撃強度がより高くなる。
本発明を構成するオレフィン系重合体Bの数平均分子量(Mn)は5,000〜20,000であることが好ましい。Mnが5,000以上であれば、組成物から得られる成形物の衝撃強度がより高くなり、Mnが20,000以下であると、組成物の流動性がより良好である。Mnは一般的なゲルパーミエーション・クロマトフラフィー(GPC)で測定することができる。
このようなオレフィン系重合体Bの製造方法は、特に制限されるものではないが、チーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などを例示することができ、このような樹脂は、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン−L、ニポロン−Zの商品名で各々市販されている。
また、本願の組成物を構成するオレフィン系重合体Bは、オレフィン系重合体Aと混合される前に少なくとも1回溶融混練されていることが好ましく、2回以上溶融混練されていることが好ましい。これにより、本願の組成物を用いてインフレーション成形を行った際に、よりフィルムの偏肉が少なく良好である。
オレフィン系重合体Bの溶融混練は、通常用いられる樹脂の溶融混練装置により行うことができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、加圧ニーダー、回転ロールなどの溶融混練装置が挙げられる。
ここで、溶融混練を一回行うとは以下の内容で説明できる。単軸押出機や二軸押出機による溶融混練においては、オレフィン系重合体Bを当該装置に投入し、装置内で混練を行って押し出すことを一回と見なす。また、バンバリーミキサー、加圧ニーダーおよび回転ロールによる溶融混練は、オレフィン系重合体Bを当該装置に投入して、装置内で融点以上の温度で混練を行った後に、常温まで冷却することで一回と見なす。
これら溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はオレフィン系重合体Bの融点〜250℃程度が好ましい。混練時間は、単軸押出機や二軸押出機であれば当該押出機内での滞留時間が30秒から3分程度が好ましい。バンバリーミキサーや加圧ニーダーであれば、当該装置内で溶融開始から5分から10分程度が好ましい。回転ロールであれば、ロールに投入して溶融開始から3分から10分程度が好ましい。
本願の組成物は、オレフィン系重合体Aおよびオレフィン系重合体Bに、熱可塑性樹脂Cの成形体を配合することが好ましい。熱可塑性樹脂Cの成形体を配合することで、インフレーションフィルムの偏肉が少なく良好である。
熱可塑性樹脂Cとしては、例えばチーグラー・ナッタ触媒やフィリップス触媒、メタロセン触媒を用いた高・中・低圧イオン重合法などで製造された樹脂で、市販品の中から便宜選択することができる。例えば東ソー株式会社からニポロンハード、ニポロン−L、ニポロン−Z、ペトロセン、ウルトラセンの商品名で各々市販されているものを挙げることができる。また、前記オレフィン系重合体Aと同じであってもよい。
このような熱可塑性樹脂Cの成形体の製造方法は、特に制限されるものではなく、インフレーション法、キャスト法などを例示することができる。また、オレフィン系重合体Aおよびオレフィン系重合体Bに配合する際の熱可塑性樹脂Cの成形体の形状は、フィルム状、フィルムを室温で固めて細かく裁断したペレット状、フィルムを溶融して細かく裁断したペレット状などを例示することができる。
本発明のオレフィン系重合体Aとオレフィン系重合体Bとの混合は、通常用いられる樹脂の混合装置により行うことができる。例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリ−ミキサー、加圧ニーダー、回転ロールなどの溶融混練装置、ヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーなどが挙げられる。溶融混練装置を用いる場合、溶融温度はオレフィン系重合体Aの融点〜250℃程度が好ましい。
本願の樹脂組成物を用いたフィルムを得るためにインフレーション成形する方法としては特に制限はなく、従来公知の方法を用いることができる。成形条件としては温度150℃以上250℃以下、ブローアップ比1.2以上6.0以下、成形速度20〜120m/分の範囲が好ましい。成形温度を150℃以上にすることにより、流動性がより良好となり、250℃以下であれば、成形時のゲル発生が少なく良好である。また、ブローアップ比が1.2以上であればフィルムの引裂強度が良好となり、ブローアップ比が6.0以下であればインフレーション成形時の溶融樹脂を空気で膨張させた部分(以下、「バブル」と記す)の揺れが少なく安定し、フィルムのシワが少なく良好である。成形速度が20〜120m/分の範囲であれば、成形時のバブルの蛇行が少なく良好である。
また、本願の樹脂組成物を用いたフィルムは、その厚みが5μm以上であることが好ましい。これにより、成形時にゲルによるフィルム切れがより低減でき良好である。また、フィルム厚みが100μm以下であることが好ましい。これにより、フィルムが硬すぎないために巻き取る際の巻きズレが発生しにくくなり、巻き上がったフィルムの外観がより良好となる。
本願のインフレーションフィルムは、塗装する際のマスキング、断熱材の防湿包装等の産業用資材や、スーパーのレジ袋等の食品包装資材など広範囲にわたる包装材料として使用できる。
本願のインフレーションフィルムは、本願のインフレーション成形用樹脂組成物を原料として用い、インフレーション成形により成形する工程を有する製造方法により得ることができる。
前記製造方法は、好ましくは、少なくとも1回溶融混練したオレフィン系重合体Bと、オレフィン系重合体Aを混合する原料混合工程を有する。
本発明の範囲で調整した樹脂組成物を用いればフィルムの機械的強度、厚み均一性に優れ、またフィルムの高速成形性に優れたフィルムを得ること示す。
以下、本発明について実施例により説明するが、これら実施例に限定されるものではない。
以下に、組成物の物性、加工性の測定方法と評価方法を示す。
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(2)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠して測定した。
(3)Mw及びMn
GPCにより、以下の条件で測定した。
検出器 : ウォーターズ社製150C、ALC/GPC
カラム : 東ソー製GMHHR−H(S)
溶媒 : 1,2,4−トリクロロベンゼン
校正 : ユニバーサルキャリブレーション法
(4)溶融混練
オレフィン系重合体Bの溶融混練は、オレフィン系重合体Bのペレットを混練機に投入し、以下の条件で実施してペレット化した。溶融混練の回数は各実施例に記載の回数行った。
混練機 : プラコー(株)製 単軸スクリュー押出機
スクリュー径50mmφ
混練温度 : 210℃
押出量 : 20kg/時間
(5)インフレーション成膜条件
以下の条件でインフレーションフィルムを製造した。
成膜機 : プラコー(株)製。スクリュー径50mmφ
ダイ : 75mmφスパイラルダイ
ダイギャップ : 1.2mm
成形温度 : 210℃
ブローアップ比 : 6
成形速度 : 70m/分
フィルム厚み : 10μm
(6)フィルムの厚み均一性測定
フィルム厚み測定器(株式会社ミツトヨ製ダイアルゲージ7002−10)を用いてフィルム円周の厚みを測定し、厚み偏肉度を以下の基準で判断した。
◎: 10μm±1.0μm
〇: 10μm±2.0μm以上
×: 10μm±3.0μm以上
(7)フィルムの衝撃強度
フィルムを15cm×15cmの正方形に切り出し、JIS K7124−1のA法に準拠して、フィルムをクランプで固定し、このフィルムの上から重量の異なる半球状物を自由落下させ、フィルム試験片数の50%が破壊されるときの半球状の重量から衝撃強度(以下、「ダートインパクト強度」ともいう)を測定した。
(8)フィルム破断速度
フィルムの成形速度を、70m/minから、1分間あたり10mの割合で徐々に速くして、成形中にフィルムが破断した速度を測定した。
実施例1
オレフィン系重合体Aとして、メルトマスフローレート0.05g/10分、密度952kg/m、Mw/Mn25、HLMFR11g/10分の高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード7300A、以下、「A−1」と記す。)100重量部に、オレフィン系重合体Bとして、メルトマスフローレート0.35g/10分、密度958kg/m、Mn18,000、酸化防止剤無添加の高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード8022)を予め混練機にて2回溶融混練して得られたポリエチレン(以下、「B−1a」と記す。)を10重量部、更にオレフィン系重合体A−1をインフレーション成形して得られたフィルムを常温で固めてペレット状とした熱可塑性樹脂C成形体(以下、「C−1」と記す。)を5重量部加え、ヘンシェルミキサーにて混合した。得られた組成物を用いて、フィルムの平均厚み10μm、フィルム巾710mmとなるよう、成形温度210℃、ブローアップ比6、成形速度70m/分の条件でインフレーション成形し、フィルムを作製した。フィルムの厚み測定を行い、厚み均一性を評価し、衝撃強度も測定した。また、フィルム成形時の破断速度の計測も行った。結果を表1に示した。
実施例2
オレフィン系重合体B−1aの添加量を30重量部とした以外は、実施例1と同様にしてインフレーション成形し、フィルムを得た。結果を表1に示した。
実施例3
オレフィン系重合体B−1aの添加量を5重量部とした以外は、実施例1と同様にしてインフレーション成形し、フィルムを得た。結果を表1に示した。
実施例4
オレフィン系重合体B−1aに代えて、メルトマスフローレート0.35g/10分、密度958kg/m、Mn18,000、酸化防止剤無添加の高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード8022)を予め混練機にて4回溶融混練して得られたポリエチレン(以下、「B−1b」と記す。)を10重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてインフレーション成形し、フィルムを得た。結果を表1に示した。
実施例5
オレフィン系重合体B−1aに代えて、メルトマスフローレート0.35g/10分、密度958kg/m、Mn18,000、酸化防止剤無添加の高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード8022)(以下、「B−1c」と記す。)を10重量部添加したこと以外は、実施例1と同様にしてインフレーション成形し、フィルムを得た。結果を表1に示した。
実施例6
オレフィン系重合体B−1aの代わりに、メルトマスフローレート0.05g/10分、密度957kg/m、Mn15,000、酸化防止剤が無添加の高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード8D01A)を予め混練機にて2回溶融混練して得られたポリエチレン(以下、「B−2」と記す。)を10重量部添加した以外は、実施例1と同様にしてインフレーション成形し、フィルムを得た。結果を表1に示した。
比較例1
オレフィン系重合体B−1aを添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にしてインフレーション成形し、フィルムを得た。結果を表2に示した。フィルム厚みの偏肉が大きく、フィルム厚み均一性が悪かった。
比較例2
オレフィン系重合体B−1aの代わりに、メルトマスフローレート0.03g/10分、密度950kg/m、Mn16,000、酸化防止剤が添加されている高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード8600A)を予め混練機にて2回溶融混練して得られたポリエチレン(以下、「B−3」と記す。)を添加した以外は、実施例1と同様にしてインフレーション成形し、フィルムを得た。結果を表2に示した。酸化防止剤が添加されていることでフィルム厚みの偏肉は大きく、フィルム厚み均一性が悪かった。
比較例3
オレフィン系重合体B−1aの代わりに、メルトマスフローレート1.0g/10分、密度954kg/m、Mn22,000、酸化防止剤が添加されている高密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ニポロンハード5700)を予め混練機にて2回溶融混練して得られたポリエチレン(以下、「B−4」と記す。)を添加した以外は、実施例1と同様にしてインフレーション成形し、フィルムを得た。結果を表2に示した。フィルム厚みの偏肉が大きく、フィルム厚み均一性が悪かった。また、ダートインパクト強度が小さく、フィルムの強度が低下した。

Claims (9)

  1. 下記要件(1)を満たすオレフィン系重合体A100重量部に対し、下記要件(2)を満たすオレフィン系重合体Bを2.0重量部以上30.0重量部以下添加することを特徴とするインフレーションフィルム成形用樹脂組成物。
    (1)メルトマスフローレートが0.01g/10分以上0.2g/10分以下であり、かつ密度が945kg/m以上970kg/m以下であるオレフィン系重合体
    (2)酸化防止剤を含まない高密度ポリエチレン
  2. オレフィン系重合体Aが高密度ポリエチレンであることを特徴とする請求項1に記載のインフレーションフィルム成形用樹脂組成物。
  3. オレフィン系重合体AのMw/Mnが20以上30以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のインフレーションフィルム成形用樹脂組成物。
  4. オレフィン系重合体Bのメルトマスフローレートが0.01g/10分以上2.0g/10分以下であり、かつ密度が945kg/m以上970kg/m以下であることを特徴とする請求項1乃至3いずれか一項に記載のインフレーションフィルム成形用樹脂組成物。
  5. オレフィン系重合体Bのゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した数平均分子量が5,000〜20,000であることを特徴とする請求項1乃至4いずれか一項に記載のインフレーションフィルム成形用樹脂組成物。
  6. オレフィン系重合体Bが、オレフィン重合体Aと混合される前に少なくとも1回以上溶融混練されていることを特徴とする請求項1乃至5いずれか一項に記載のインフレーションフィルム成形用樹脂組成物。
  7. 熱可塑性樹脂Cを含むことを特徴とする請求項1乃至6いずれか一項に記載のインフレーションフィルム成形用樹脂組成物。
  8. フィルムの厚みが5μm以上100μm以下であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか一項に記載のインフレーションフィルム成形用樹脂組成物からなるフィルム。
  9. 請求項1乃至7いずれか一項に記載のインフレーション成形用樹脂組成物を原料として用い、インフレーション成形により成形する工程を有する請求項8に記載のフィルムの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007105483A1 (ja) * 2006-03-10 2007-09-20 Mitsui Chemicals, Inc. インフレーション成形による成形体の製造方法

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