JP2020158482A - 整髪剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】α−ケトグルタル酸を整髪成分として用いた整髪剤組成物を提供する。また、整髪後の髪型の耐湿性に優れる整髪剤組成物を提供する。【解決手段】本発明の整髪剤組成物は、成分(A):α−ケトグルタル酸、並びに成分(B):水及び/又はエタノールを含有し、前記成分(A)の含有割合が0.01〜0.8質量%であり、pHが6.8以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、整髪剤組成物に関する。
毛髪を整えるために、液状、ジェル状、クリーム状及び固形状等の種々の性状の整髪剤組成物が知られている。従来、整髪剤組成物においては、その主機能である整髪力を発揮するための整髪成分として、皮膜形成ポリマーや室温で固形状のロウ、油脂や炭化水素油が用いられることが多い(例えば、特許文献1、特許文献2)。
特開平11−171740号公報 特開平10−45546号公報
しかしながら、α−ケトグルタル酸を整髪成分として用いた整髪剤組成物は知られていない。
また、従来の整髪成分を用いた整髪剤組成物を用いて整髪を行った際、湿気によって整髪後の髪型がくずれやすく耐湿性に劣る場合があった。このため、整髪後の髪型の耐湿性に優れ、髪型のキープ力に優れる整髪剤組成物が求められている。
従って、本発明の目的は、α−ケトグルタル酸を整髪成分として用いた整髪剤組成物、及び/又は、整髪後の髪型の耐湿性に優れる整髪剤組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、α−ケトグルタル酸、並びに、水及び/又はエタノールを含み、α−ケトグルタル酸を特定の割合とし、pHが特定値以下である整髪剤組成物によれば、α−ケトグルタル酸を整髪成分として用い且つ整髪後の髪型の耐湿性に優れる整髪剤組成物が得られること、また、他の整髪成分を含む整髪剤組成物については整髪後の髪型の耐湿性に優れる整髪剤組成物が得られることを見出した。本発明はこれらの知見に基づいて完成させたものである。
すなわち、本発明は、下記成分(A)及び下記成分(B)を含有し、上記成分(A)の含有割合が0.01〜0.8質量%であり、pHが6.8以下である整髪剤組成物を提供する。
成分(A):α−ケトグルタル酸
成分(B):水及び/又はエタノール
上記整髪剤組成物は、エタノールの含有割合が0.1〜80.0質量%であることが好ましい。
本発明の整髪剤組成物によれば、α−ケトグルタル酸を整髪成分として用いた整髪剤組成物を提供することができる。また、本発明の整髪剤組成物によれば、整髪後の髪型の耐湿性に優れ、整髪後の髪型のキープ力に優れる。
本発明の整髪剤組成物は、α−ケトグルタル酸、並びに水、及び/又はエタノールを少なくとも含む。なお、本明細書において、α−ケトグルタル酸を「成分(A)」と称する場合がある。また、水及び/又はエタノールを「成分(B)」と称する場合がある。
すなわち、本発明の整髪剤組成物は、成分(A)及び成分(B)を少なくとも含む。本発明の整髪剤組成物は、上記成分(A)及び成分(B)以外の成分を含んでいてもよい。また、本発明の整髪剤組成物に含まれる各成分、例えば、成分(A)、成分(B)、及び他の成分などの各成分は、それぞれ、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。
[成分(A)]
成分(A)は、α−ケトグルタル酸である。
本発明の整髪剤組成物において、成分(A)は整髪力及び/又は耐湿性を向上させる作用を奏する。特に、成分(A)以外の整髪成分を含まない又は少量しか含まない整髪剤組成物においては、成分(A)は主たる整髪成分として作用し、毛髪のくせ付け力(アレンジ力)及び/又は整髪された髪型を固定する作用(整髪保持力)を発揮する。さらに、耐湿性(高湿度環境下で、整髪された髪型がくずれにくくする特性)を向上させる作用を発揮する。成分(A)以外の整髪成分を比較的多量に含む場合には、主として耐湿性(高湿度環境下で、整髪された髪型がくずれにくくする特性)を向上させる作用を発揮する。さらに、成分(A)は整髪力を向上させる補助的な作用を発揮する。成分(A)による整髪力は、洗髪により洗い流しが容易であるという利点を有する。
本発明の整髪剤組成物中の成分(A)の含有割合は、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.01〜0.8質量%であり、好ましくは0.1〜0.6質量%、より好ましくは0.3〜0.5質量%である。上記含有割合が0.01質量%以上であることにより、pHが特定値以下の場合において、成分(A)と毛髪中のアミノ基との反応が進行しやすいためと考えられるが、整髪力(アレンジ力・整髪保持力)及び整髪後の髪型の耐湿性に優れる。上記含有割合が0.8質量%を超えると、整髪力(アレンジ力・整髪保持力)及び耐湿性が得られない。上記成分(A)の含有割合は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(A)の含有割合の合計である。
[成分(B)]
成分(B)は、水及び/又はエタノールである。成分(B)は、一種のみを使用してもよいし、二種以上を使用してもよい。成分(B)としては、中でも、水及びエタノールの両方を含むことが好ましい。水は、特に限定されないが、精製水が好ましい。
本発明の整髪剤組成物中の成分(B)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、20.0〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは25.0〜99.8質量%である。上記含有割合が20.0質量%以上であると、整髪力及び整髪後の髪型の耐湿性により優れる。上記成分(B)の含有割合は、本発明の整髪剤組成物中の全ての成分(B)の含有割合の合計である。
本発明の整髪剤組成物中のエタノールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜80.0質量%が好ましく、より好ましくは20.0〜60.0質量%、さらに好ましくは30.0〜50.0質量%である。上記含有割合が上記範囲内であると、耐湿性が向上する。また、ウォーター剤型及びエアゾール剤型の整髪剤用途に優れる。
本発明の整髪剤組成物中の水の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、15.0〜99.8質量%が好ましく、より好ましくは20.0〜90.0質量%、さらに好ましくは30.0〜80.0質量%である。
[その他の成分]
本発明の整髪剤組成物は、本発明の効果を損なわない範囲内で、成分(A)及び成分(B)以外の成分(その他の成分)を含んでいてもよい。上記その他の成分しては、特に限定されないが、例えば、多価アルコール;界面活性剤;油性成分;増粘剤;ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール;ヒアルロン酸、コラーゲン、パントテニルアルコール等の保湿剤;殺菌剤;パール化剤;グリチルリチン酸及びその塩等の抗炎症剤;メントール等の清涼剤;リン酸及びその塩類、クエン酸及びその塩類、乳酸及びその塩類、水酸化ナトリウム、トリエタノールアミンなどのpH調整剤;香料;紫外線吸収剤;酸化防止剤;防腐剤;金属イオン封鎖剤(キレート剤);皮膜形成ポリマー;粉体;色素;顔料;ビタミン類;アミノ酸類;糖類;収斂剤;美白剤;動植物抽出物;中和剤;殺菌剤;制汗剤;消臭剤;酸;アルカリなどが挙げられる。上記その他の成分は、一種のみを用いてもよいし、二種以上を用いてもよい。
上記多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ポリオキシプロピレンメチルグルコシドなどが挙げられる。上記多価アルコールは、一種のみを用いてよいし、二種以上を用いてもよい。
上記界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。上記界面活性剤は、一種のみを用いてよいし、二種以上を用いてもよい。
上記ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、及びこれらのアルキレンオキシド付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルフェノール、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルホルムアルデヒド縮合物、ポリオキシエチレンステロール及びその誘導体、ポリオキシエチレンラノリン及びその誘導体、ポリオキシエチレンミツロウ誘導体、シュガーエステル類、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油などが挙げられる。
上記アニオン性界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸石鹸、アルキル硫酸エステル塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキルエーテルリン酸エステル、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグリシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルカルボン酸塩、アルキルフェニルエーテルスルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸及びその塩、N−アシルサルコシン及びその塩、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸塩などが挙げられる。
上記カチオン性界面活性剤としては、例えば、アルキルアミン塩、脂肪酸アミドアミン塩、エステル含有第3級アミン塩等のアミン塩、モノアルキル型第4級アンモニウム塩、ジアルキル型第4級アンモニウム塩、トリアルキル型第4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム型第4級アンモニウム塩等のアルキル第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩等の環式第4級アンモニウム塩、塩化ベンゼトニウムなどが挙げられる。
上記両性界面活性剤としては、アルキルグリシン塩、カルボキシメチルグリシン塩、N−アシルアミノエチル−N−2−ヒドロキシエチルグリシン塩等のグリシン型両性界面活性剤、アルキルアミノプロピオン酸塩、アルキルイミノジプロピオン酸塩等のアミノプロピオン酸型両性界面活性剤、アルキルジメチルアミノ酢酸ベタイン、脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミノ酢酸ベタイン型両性界面活性剤、アルキルヒドロキシスルホベタイン等のスルホベタイン型両性界面活性剤等が挙げられる。
上記油性成分としては、ロウ、炭化水素油、エステル油、シリコーン油、植物油、高級アルコール、高級脂肪酸などが挙げられる。上記油性成分は、一種のみを用いてよいし、二種以上を用いてもよい。
上記ロウとしては、例えば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、ミツロウ、ヒマワリ種子ロウ、コメヌカロウ、セラックロウ、鯨ロウ、ラノリンなどが挙げられる。
上記炭化水素油としては、例えば、α−オレフィンオリゴマー、ワセリン、セレシン、パラフィン、流動パラフィン、イソパラフィン、軽質イソパラフィン、軽質流動イソパラフィン、流動イソパラフィン、スクワラン、合成スクワラン、植物性スクワラン、水添ポリイソブテン、水添(テトラデセニル/メチルペンタデセン)、イソドデカンなどが挙げられる。
上記エステル油としては、例えば、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸セチル、オレイン酸オレイル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸エチル、イソステアリン酸イソプロピル、2−エチルヘキサン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セトステアリル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸イソセチル、オクタン酸イソステアリル、イソステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸オクチルドデシル、ジメチルオクタン酸オクチルドデシル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、イソステアリン酸プロピレングリコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、イソノナン酸イソノニル、アジピン酸ジイソプロピル、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ペンタエリトリット、リンゴ酸ジイソステアリル、トリエチルヘキサン酸エリスリチル、ヒドロキシステアリン酸2−エチルヘキシル、ヘキサ(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトラ(ヒドロキシステアリン酸/イソステアリン酸)ジペンタエリスリチル、ヘキサヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、(エチルヘキサン酸/ステアリン酸/アジピン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリル、ヘキサ(ベヘン酸/安息香酸/エチルヘキサン酸)ジペンタエリスリチル、安息香酸アルキル(C12−15)などが挙げられる。
上記シリコーン油としては、例えば、メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン等のジメチルシリコーン油(ジメチコン);メチルフェニルポリシロキサン等のメチルフェニルシリコーン油;メチルシクロポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーン油;アミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体等のアミノ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーン、脂肪酸変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、脂肪族アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、アルキル変性シリコーン等の変性シリコーン;メチルハイドロジェンポリシロキサン、ジメチコノールなどが挙げられる。
上記植物油としては、例えば、マカデミアナッツ油、ユーカリ油、ヤシ油、アボカド油、サフラワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ククイナッツ油、シア脂(シアバター)、カカオバター、アーモンド油、ヒマワリ油、ローズヒップ油、オリーブスクワラン、カメリアオイル、キウイフルーツシード油、ツバキ油、杏仁油、ゴマ油、大豆油、ホホバ油、ヒマシ油、ヘーゼルナッツ油、メドウフォーム油、ハッカ油、アルガンオイル、カロットオイル、ラベンダー油、シュガースクワラン、ダマスクバラ花ロウ、センチフォリアバラ花ロウ、ソケイ花ワックス、椿油、これらの水素添加物(例えば、水素添加ヒマシ油、水素添加ホホバ油、水素添加パーム油、水素添加アボカド油、水素添加大豆油等)などが挙げられる。
上記高級アルコールとしては、炭素数が12〜22(より好ましくは14〜22)の脂肪族アルコールが好ましく、例えば、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ミリスチルアルコール、2−オクチルドデカノール、オレイルアルコールなどが挙げられる。
上記高級脂肪酸としては、炭素数が12〜22(より好ましくは16〜18)の脂肪酸が好ましく、例えば、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、ベヘニン酸などが挙げられる。
上記増粘剤としては、例えば、水溶性を有する、天然高分子、半合成高分子、合成高分子等が挙げられる。上記水溶性を有する天然高分子としては、例えば、アラビアゴム、トラガントガム、グアガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼインなどが挙げられる。上記水溶性を有する半合成高分子としては、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、結晶セルロースなどが挙げられる。上記水溶性を有する合成高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシビニルポリマー(カルボマー)、アクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体、ポリビニルメチルセルロース、ポリアミド樹脂、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。上記増粘剤としては、また、ベントナイト、合成ヘクトライト等の粘土鉱物などが挙げられる。中でも、水溶性を有する合成高分子が好ましく、より好ましくはカルボキシビニルポリマー、アクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体である。上記増粘剤は、一種のみを用いてよいし、二種以上を用いてもよい。
なお、増粘剤としてカルボキシビニルポリマーやアクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体を用いる場合は、通常、塩基性物質で中和して用いられる。塩基性物質としては、例えば、トリエタノールアミン、モノエタノールアミン等のアルカノールアミン類;アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機塩基;アルギニン等の塩基性アミノ酸等が挙げられる。また、塩基性物質の添加量は、カルボキシビニルポリマーやアクリル酸・メタクリル酸エステル共重合体を中和するのに充分な量であり、これら成分の種類や使用量に応じて適宜配合すればよい。
上記皮膜形成ポリマーとしては、アニオン性皮膜形成ポリマー、カチオン性皮膜形成ポリマー、両性皮膜形成ポリマー、ノニオン性皮膜形成ポリマーなどが挙げられる。上記皮膜形成ポリマーは、一種のみを用いてよいし、二種以上を用いてもよい。
上記アニオン性皮膜形成ポリマーとしては、(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、(メタ)アクリル酸/(メタ)アクリル酸アルキル共重合体、アクリル樹脂アルカノールアミン、メチルビニルエーテル/マレイン酸エステル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/ネオデカン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸/プロピオン酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/マレイン酸モノブチルエステル/イソボロリルアクリレート共重合体、アクリル酸/アクリル酸アルキルエステル/アルキルアクリルアミド共重合体、ポリビニルピロリドン/アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、(スチレン/アクリル酸アルキル)共重合体、(スチレン/アクリル酸アミド)共重合体、アクリル酸アルキルエステル/メタクリル酸アルキルエステル/ジアセトンアクリルアミド/メタクリル酸共重合体、ウレタン−アクリル系共重合体、ポリスチレンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。なお、「(メタ)アクリル」は、「アクリル」と「メタクリル」との双方を意味する。
上記カチオン性皮膜形成ポリマーとしては、例えば、ビニルピロリドン・N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体ジエチル硫酸塩、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、ビニルイミダゾリウムトリクロライド/ビニルピロリドン共重合体、ヒドロキシエチルセルロース/ジメチルジアリルアンモニウムクロリド、ポリビニルピロリドン/アルキルアミノアクリレート/ビニルカプロラクタム共重合体、塩化メチルビニルイミダゾリウム・ビニルピロリドン共重合体、(ビニルピロリドン/ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド/ラウリルジメチルアミノプロピルメタクリルアミド)共重合体などが挙げられる。
上記両性皮膜形成ポリマーとしては、例えば、N−メタクリロイルオキシエチルN,N−ジメチルアンモニウム−α−N−メチルカルボキシベタイン・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、N,Nジメチル−N−(2−メタクリロイルオキシエチル)アミン=N−オキシド・メタクリル酸アルキルエステル共重合体、アクリル酸ヒドロキシプロピル/メタクリル酸ブチルアミノエチル/アクリル酸オクチルアミド共重合体、ジアルキルアミノエチルメタクリレート/メタクリル酸アルキルエステル共重合体のモノクロル酢酸両性化物、(イソブチレン/ジエチルアミノプロピルマレイミド/マレイン酸)共重合体などが挙げられる。
上記ノニオン性皮膜形成ポリマーとしては、例えば、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体[(ビニルピロリドン/VA)コポリマー]、ビニルピロリドン/メタクリルアミド/ビニルイミダゾール共重合体、ビニルメチルエーテル・マレイン酸エチル共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルカプロラクタム、ジメチルアクリルアミド/アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体、アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル共重合体[(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリル酸メトキシエチル)コポリマー]、(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマーなどが挙げられる。
本発明の整髪剤組成物の25℃におけるpHは6.8以下であり、好ましくは5.0以下である。上記pHが6.8以下であることにより、毛髪中のタンパク質におけるアミノ基がイオン化しやすく、成分(A)とイオン結合を形成しやすくなるためと推定されるが、整髪力及び整髪後の髪型の耐湿性向上効果が発揮される。上記pHの下限は、特に限定されないが、2.0が好ましく、より好ましくは4.0である。
本発明の整髪剤組成物は、特に限定されず、公知乃至慣用の方法により製造することができる。例えば、上記各成分を混合し、ホモミキサー、パドルミキサーなどで撹拌して、必要に応じて転相乳化法などにより乳化させることにより、製造することができる。また、乳化させる場合、混合と乳化は別々に行っても同時に行ってもよい。
本発明の整髪剤組成物の剤型としては、特に限定されず、例えば、ウォーター剤型(ローション剤型、ノンエアゾールミスト剤型等)、ジェル剤型、乳液剤型、クリーム剤型、エアゾールスプレー剤型、ワックス剤型、スティック剤型、グリース剤型などが挙げられる。中でも、毛髪への塗布及び整髪が容易である観点から、ウォーター剤型、ジェル剤型、乳液剤型、ワックス剤型、グリース剤型、エアゾールスプレー剤型が好ましく、特にウォーター剤型が好ましい。
以下に、本発明の整髪剤組成物の、各剤型における好ましい具体的態様を説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
[ウォーター剤型]
本発明の整髪剤組成物がウォーター剤(例えば、ローション剤、ノンエアゾールミスト剤)である場合、本発明の整髪剤組成物は、成分(A)及び成分(B)を少なくとも含む。本発明の整髪剤組成物は、皮膜形成ポリマー、多価アルコール、pH調整剤を含んでいてもよい。上記各成分は、例えば、上述したものが挙げられる。
本発明の整髪剤組成物中の成分(B)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、80.0〜99.9質量%が好ましく、より好ましくは90.0〜99.5質量%である。
本発明の整髪剤組成物中のエタノールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、20.0〜60.0質量%が好ましく、より好ましくは30.0〜50.0質量%である。
上記皮膜形成ポリマーの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜3.0質量%である。
上記多価アルコールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜10.0質量%である。
[ジェル剤型]
本発明の整髪剤組成物がジェル剤である場合、本発明の整髪剤組成物は、成分(A)及び成分(B)を少なくとも含む。本発明の整髪剤組成物は、皮膜形成ポリマー及び増粘剤を含むことが好ましい。また、本発明の整髪剤組成物は、多価アルコール、界面活性剤、香料を含んでいてもよい。上記各成分は、例えば、上述したものが挙げられる。
本発明の整髪剤組成物中の成分(B)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、30.0〜90.0質量%が好ましく、より好ましくは60.0〜80.0質量%である。
本発明の整髪剤組成物中のエタノールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜10.0質量%である。
上記皮膜形成ポリマーの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜7.0質量%である。
上記増粘剤の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜0.8質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜0.8質量%、さらに好ましくは0.4〜0.6質量%である。
上記多価アルコールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜30.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜25.0質量%である。
上記界面活性剤の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.01〜30.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%である。
[ワックス剤型]
本発明の整髪剤組成物がワックス剤である場合、本発明の整髪剤組成物は、成分(A)及び成分(B)を少なくとも含む。本発明の整髪剤組成物は、油性成分、界面活性剤、及び増粘剤を含むことが好ましい。また、本発明の整髪剤組成物は、多価アルコールを含んでいてもよい。上記各成分は、例えば、上述したものが挙げられる。
本発明の整髪剤組成物中の成分(B)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、25.0〜80.0質量%が好ましく、より好ましくは30.0〜50.0質量%である。
本発明の整髪剤組成物中のエタノールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.01〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%である。
上記油性成分の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.2〜60.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜55.0質量%、さらに好ましくは6.0〜50.0質量%である。
上記油性成分は、25℃で固形の油性成分と25℃で液状の油性成分を含むことが好ましい。
25℃で固形の油性成分としては、例えば、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、米ぬかロウ、ラノリン、鯨ロウ、セラック、綿ロウ、モクロウ、水添ホホバ油などのロウ;オゾケライト、セレシン、パラフィンロウ、ポリエチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリンなどの炭化水素油;ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、ラウリン酸、ラノリン酸、ベヘニン酸などの高級脂肪酸;ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、キミルアルコール、ベヘニルアルコール、バチルアルコール、セトステアリルアルコールなどの高級アルコールが挙げられる。25℃で固形の油性成分の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜40.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜40.0質量%、さらに好ましくは5.0〜30.0質量%である。
25℃で液状の油性成分としては、例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、スクワランなどの炭化水素;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸ミリスチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチルなどのエステル油;ジメチコン、環状シリコーン油などのシリコーン油が挙げられる。25℃で液状の油性成分の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜40.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜30.0質量%である。
上記界面活性剤の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは4.0〜10.0質量%である。
上記増粘剤の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜0.8質量%が好ましく、より好ましくは0.2〜0.4質量%である。
上記多価アルコールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜8.0質量%である。
[エアゾール剤型]
本発明の整髪剤組成物がエアゾール剤型で用いられる場合、本発明の整髪剤組成物は、噴射剤とともに、エアゾール容器に充填されてエアゾール整髪剤として用いられる。即ち、上記エアゾール整髪剤は、エアゾール容器と本発明の整髪剤組成物(所謂、「原液」)と噴射剤とを備え、上記エアゾール容器内に、本発明の整髪剤組成物と上記噴射剤とが充填されている。
本発明の整髪剤組成物は、成分(A)及び成分(B)を少なくとも含む。本発明の整髪剤組成物は、皮膜形成ポリマーを含むことが好ましい。また、本発明の整髪剤組成物は、多価アルコール、シリコーン油を含んでいてもよい。上記各成分は、例えば、上述したものが挙げられる。
本発明の整髪剤組成物中の成分(B)の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、50.0〜90.0質量%が好ましく、より好ましくは70.0〜80.0質量%である。
本発明の整髪剤組成物中のエタノールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、5.0〜80.0質量%が好ましい。
上記皮膜形成ポリマーの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜15.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜10.0質量%である。
上記多価アルコールの含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜5.0質量%である。
上記シリコーン油の含有割合は、特に限定されないが、本発明の整髪剤組成物100質量%に対して、0.1〜20.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜10.0質量%である。
上記噴射剤としては、ジメチルエーテル(DME)及び窒素ガスなどが挙げられる。上記噴射剤は、一種のみを用いてもよく、二種以上を用いてもよい。
上記エアゾール整髪剤において、本発明の整髪剤組成物(原液)と上記噴射剤との合計100質量%中、本発明の整髪剤組成物の含有量は、0.5〜70.0質量%が好ましく、より好ましくは1.0〜60.0質量%である。
本発明の整髪剤組成物において、成分(A)は、整髪成分として作用する際、毛髪に流れをつくって固定する力(くせ付け力)に優れる。また、本発明の整髪剤組成物が他の整髪成分を含む場合含まない場合のいずれにおいても、整髪後の髪型の耐湿性に優れ、整髪後の髪型のキープ力に優れる。元来毛髪内に存在する結合は湿気により解離するため、従来の整髪剤を用いて整髪した後の髪型は湿気によりくずれやすい。しかしながら、成分(A)を特定の割合で用いた本発明の整髪剤組成物によれば、成分(A)が毛髪の内部に浸透し、成分(A)中の複数のカルボキシ基が、それぞれ、毛髪中のタンパク質における複数のアミノ基と主にイオン結合を形成し、さらに成分(A)中のカルボニル基の作用により、毛髪の形状を固定することができ、整髪成分として作用することが可能となるものと推測される。そして、上記イオン結合によって毛髪の形状を固定することにより、上述の元来毛髪内に存在する結合が湿気により解離した場合であっても形成された上記イオン結合は解離しにくいため、整髪後の髪型の耐湿性及びキープ力に優れるものと推測される。
本発明の整髪剤組成物の使用方法は、下記のとおりである。本発明の整髪剤組成物を毛髪へ塗布した後、所望の髪型に整髪することができる。上記整髪は、毛髪を所望の方向に曲げてくせ付けることに加えて、カールした毛髪を真っ直ぐになるようにくせ付けることや、寝癖を直すことも含む。本発明の整髪剤組成物は、乾燥した毛髪に塗布してもよいし、タオルドライ後の濡れた毛髪に塗布してもよい。上記整髪時には、加熱を行わなくてもよい。成分(A)と毛髪中のアミノ基との結合は主にイオン結合であり、このイオン結合は常温で形成されるため、くせ付け等を目的とした加熱は不要であると推測される。なお、整髪時に毛髪が濡れている場合などには、乾燥を促進する目的で毛髪を加熱してもよい。上記加熱を行う場合には、毛髪のダメージを低減する観点から、毛髪の温度が100℃未満(より好ましくは、90℃未満)となるようにすることが好ましい。
本発明の整髪剤組成物は、整髪剤として用いられる。上記整髪剤としては、例えば、ヘアウォーター、ヘアローション、ヘアミスト(ノンエアゾール型)、ヘアジェル、ヘアミルク、ヘアクリーム、ヘアスプレー(エアゾール型)、ヘアワックス、ヘアスティック、ヘアグリース、寝癖直しウォーターなどが挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。なお、表に記載の配合量は、各成分の配合量(すなわち、各原料中の有効成分の配合量。所謂純分)であり、特記しない限り「質量%」で表す。
実施例1〜9、比較例1〜10
表に記した各成分を用い、実施例及び比較例の各整髪剤組成物(ウォーター剤型)を常法により調製した。なお、トリエタノールアミンは、1.0質量%未満の範囲内で、設定したpHとなるように添加した。
(評価)
実施例1〜9及び比較例1〜10で得られた各整髪剤組成物について以下の通り評価した。
(1)pH(25℃におけるpH)
pH測定器(商品名「pHメーター」、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
(2)整髪力
実施例及び比較例で得られた各整髪剤組成物に、毛束(長さ30cm、重量2g)を温度25℃の環境下で2時間浸漬した後、直径1cmの棒にらせん状に巻き付け、温度25℃、相対湿度50%の環境下で24時間放置し、くせ付けされた毛束(サンプル)を作製した。
また、整髪剤組成物の代わりに精製水を用いた以外は上記と同様にして、比較対象を作製した。
温度25℃、相対湿度50%の環境下で、上記サンプルと比較対象を共につり下げた状態として、目視観察により、くせ付けの度合いを比較し、下記基準で評価した。
[整髪力の判定基準]
◎(優良):比較対象よりも大幅にくせが付いている。
○(良好):比較対象よりも明らかにくせが付いている。
×(不良):比較対象と同等、もしくは、比較対象よりも劣るくせ付け度合いである。
(3)整髪後の髪型のキープ力(耐湿性)
上記整髪力の評価の後、上記サンプル及び比較対象を、温度25℃、相対湿度80%の環境下にて、つり下げた状態で180分間保管した。
上記保管後に、温度25℃、相対湿度50%の環境下で、上記サンプルと比較対象を共につり下げた状態として、目視観察により、くせ付けの度合いを比較し、下記基準で評価した。
[整髪後の髪型のキープ力(耐湿性)の判定基準]
◎(優良):比較対象よりも大幅にくせが付いている。
○(良好):比較対象よりも明らかにくせが付いている。
×(不良):比較対象と同等、もしくは、比較対象よりも劣るくせ付け度合いである。
Figure 2020158482
Figure 2020158482
本発明の整髪剤組成物(実施例)は、α−ケトグルタル酸が整髪成分として作用することでくせ付け力に優れ、また、整髪後の髪型の耐湿性にも優れており、整髪後の髪型のキープ力に優れていた。一方、α−ケトグルタル酸を含まない場合(比較例1)、α−ケトグルタル酸の配合量が過剰である場合(比較例2及び3)、α−ケトグルタル酸の代わりに類似化合物を用いた場合(比較例4〜9)、及びpHが6.8を超える場合(比較例10)のいずれの場合も、整髪力及び耐湿性が実施例に対して劣るか、又は全く発揮しなかった。
実施例10〜22
表に記した各成分を用い、実施例の各整髪剤組成物(ウォーター剤型)を常法により調製した。なお、トリエタノールアミンは、1.0質量%未満の範囲内で、設定したpHとなるように添加した。
(評価)
実施例10〜22で得られた各整髪剤組成物について、pH、整髪力、及び耐湿性を評価した。各評価の評価方法及び評価基準は、上述の実施例1〜9におけるものと同じである。
Figure 2020158482
実施例23〜26、比較例11、12
表に記した各成分を用い、実施例23〜26及び比較例11、12の各整髪剤組成物を常法により調製した。なお、トリエタノールアミンは、1.0質量%未満の範囲内で、設定したpHとなるように添加した。また、実施例23〜25及び比較例11の整髪剤組成物はワックス剤型であり、実施例26及び比較例12の整髪剤組成物はジェル剤型である。
Figure 2020158482
実施例23〜26及び比較例11、12で得られた整髪剤組成物約1gを掌に取り、掌上でのばした後、ウィッグ(株式会社ビューラックス製、商品名「スタッフス カットウィッグ」)の半頭(頭部の左右いずれか片側)の毛髪上に均一に塗布し、毛髪を上方に立ち上げるように整髪した。
その結果、実施例23〜26及び比較例11、12の整髪剤組成物は、いずれも、毛髪が十分に立ち上がった髪型に整髪することができ、優れた整髪力を有していた。
さらに、上記整髪後のウィッグを25℃、相対湿度80%の環境下に6時間保管し、保管後の髪型の変化を観察した。
その結果、実施例23〜26の各整髪剤組成物で整髪したウィッグは、いずれも、保管後も保管前の髪型がほぼ維持されており、優れた耐湿性を有していた。これに対して、比較例11、12の整髪剤組成物で整髪したウィッグは、立ち上げた毛髪が保管後には明らかに下方に倒れており、耐湿性に劣るものであった。
さらに、以下に、本発明の整髪剤組成物の処方例を示す。
<ヘアワックス>
カルナウバロウ 5.0質量%
マイクロクリスタリンワックス 3.0質量%
パラフィン 3.0質量%
ミネラルオイル 10.0質量%
シクロペンタシロキサン 5.0質量%
ジメチコン 3.0質量%
エチルヘキサン酸セチル 5.0質量%
セテス−20 4.0質量%
ステアリン酸グリセリル 2.0質量%
ステアリン酸 2.0質量%
ステアリルアルコール 1.0質量%
カルボマー 0.3質量%
1,3−ブチレングリコール 3.0質量%
フェノキシエタノール 0.3質量%
エタノール 適量
トリエタノールアミン 適量
香料 適量
α−ケトグルタル酸 0.1質量%
精製水 残部
合計 100質量%
<ヘアジェル>
ポリビニルピトリドン 3.0質量%
(メタクリロイルオキシエチルカルボキシベタイン/メタクリル酸アルキル)コポリマー
2.0質量%
グリセリン 5.0質量%
マルチトール 2.0質量%
1,3−ブチレングリコール 3.0質量%
カルボマー 0.5質量%
エタノール 適量
トリエタノールアミン 適量
EDTA−2Na 適量
フェノキシエタノール 0.2質量%
香料 適量
α−ケトグルタル酸 0.2質量%
精製水 残部
合計 100質量%
<ヘアジェル>
ケイ酸(Na/Mg) 2.5質量%
シリカ 2.0質量%
エタノール 20.0質量%
グリセリン 5.0質量%
1,3−ブチレングリコール 7.0質量%
パンテノール 3.0質量%
キサンタンガム 0.1質量%
α−ケトグルタル酸 0.02質量%
クエン酸 0.15質量%
ビスPEG−18メチルエーテルジメチルシラン 0.03質量%
EDTA−2Na 適量
ケイソウ土 0.2質量%
精製水 残部
合計 100質量%
<ヘアミスト>
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP
3.0質量%
ポリビニルピトリドン 0.5質量%
アミノコート 2.0質量%
グリセリン 5.0質量%
エタノール 適量
パンテノール 0.1質量%
トリエタノールアミン 適量
香料 適量
α−ケトグルタル酸 0.05質量%
精製水 残部
合計 100質量%
<ヘアスプレー>
(原液)
(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C1−18)/
アルキル(C1−8)アクリルアミド)コポリマーAMP 4.0質量%
アクリレーツコポリマーAMP 3.0質量%
ジプロピレングリコール 2.0質量%
エタノール 残部
精製水 40.0質量%
香料 適量
トリエタノールアミン 適量
α−ケトグルタル酸 0.2質量%
合計 100質量%
(噴射剤)
ジメチルエーテル 100質量%
[原液:噴射剤=55:45(質量比)]
<ヘアミスト>
α−ケトグルタル酸 0.4質量%
トリエタノールアミン 適量
ヒアルロン酸Na 0.01質量%
加水分解ケラチン 0.1質量%
香料 0.1質量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(50E.O.) 0.1質量%
グリセリン 1.0質量%
エタノール 30.0質量%
精製水 残部
合計 100質量%

Claims (2)

  1. 下記成分(A)及び下記成分(B)を含有し、
    前記成分(A)の含有割合が0.01〜0.8質量%であり、
    pHが6.8以下である整髪剤組成物。
    成分(A):α−ケトグルタル酸
    成分(B):水及び/又はエタノール
  2. エタノールの含有割合が0.1〜80.0質量%である請求項1に記載の整髪剤組成物。
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