JP2020158148A - 加工装置および複合容器の製造方法 - Google Patents

加工装置および複合容器の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2020158148A
JP2020158148A JP2019058686A JP2019058686A JP2020158148A JP 2020158148 A JP2020158148 A JP 2020158148A JP 2019058686 A JP2019058686 A JP 2019058686A JP 2019058686 A JP2019058686 A JP 2019058686A JP 2020158148 A JP2020158148 A JP 2020158148A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plastic member
container
container body
cutting blade
composite
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2019058686A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7287046B2 (ja
Inventor
量哉 広瀬
Kazuya Hirose
量哉 広瀬
勇介 須賀
Yusuke Suga
勇介 須賀
泰亮 植松
Yasuaki Uematsu
泰亮 植松
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2019058686A priority Critical patent/JP7287046B2/ja
Publication of JP2020158148A publication Critical patent/JP2020158148A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7287046B2 publication Critical patent/JP7287046B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Nonmetal Cutting Devices (AREA)
  • Containers Having Bodies Formed In One Piece (AREA)
  • Auxiliary Devices For And Details Of Packaging Control (AREA)

Abstract

【課題】複合容器において容器本体の外側に設けられたプラスチック製部材の分離性を高める切り込み加工をすることが可能な、加工装置および複合容器の製造方法を提供する。【解決手段】加工装置80は、容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40と、を有する複合容器10Aを保持する容器保持部81と、容器保持部81に保持された複合容器10Aに対して進退可能に設けられ、複合容器10Aのプラスチック製部材40を貫通する切り込み部45を形成する切込刃82を有する加工部83と、加工部83に取り付けられ、プラスチック製部材40に当接することにより、プラスチック製部材40に対する切込刃82の押し込み量を調整する調整部材84と、を備えている。【選択図】図8

Description

本開示は、加工装置および複合容器の製造方法に関する。
近時、飲食品等の内容液を収容するボトルとして、プラスチック製のものが一般化してきており、このようなプラスチックボトルには内容液が収容される。
このような内容液を収容するプラスチックボトルは、金型内にプリフォームを挿入し、2軸延伸ブロー成形することにより製造される。
ところで、従来の2軸延伸ブロー成形法では、例えばPETやPP等の単層材料、多層材料又はブレンド材料等を含むプリフォームを用いて容器形状に成形している。しかしながら、従来の2軸延伸ブロー成形法においては、単にプリフォームを容器形状に成形するだけであるのが一般的である。このため、容器に対して様々な機能や特性(バリア性や保温性等)を持たせる場合、例えばプリフォームを構成する材料を変更する等、その手段は限定されてしまう。とりわけ、容器の部位(例えば胴部や底部)に応じて、異なる機能や特性を持たせることは難しい。
これに対して本出願人は、特許文献1において、容器に対して様々な機能や特性を付与することが可能な複合容器を提案している。
特開2015−128858号公報
上記した複合容器が備えるプラスチック製部材は、容器本体に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体から分離(剥離)して除去することができ、容器本体をリサイクルすることができる。しかしながら、プラスチック製部材は、容器本体に密着するように設けられており、その容器本体からの分離性には改善の余地があった。
本開示はこのような点を考慮してなされたものであり、複合容器において容器本体の外側に設けられたプラスチック製部材の分離性を高める切り込み加工をすることが可能な、加工装置および複合容器の製造方法を提供することを目的とする。
一実施の形態による加工装置は、容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材と、を有する複合容器を保持する容器保持部と、前記容器保持部に保持された前記複合容器に対して進退可能に設けられ、前記複合容器の前記プラスチック製部材を貫通する切り込み部を形成する切込刃を有する加工部と、前記加工部に取り付けられ、前記プラスチック製部材に当接することにより、前記プラスチック製部材に対する前記切込刃の押し込み量を調整する調整部材と、を備えている。
一実施の形態による加工装置において、前記調整部材は、前記切込刃に隣接して配置されていてもよい。
一実施の形態による加工装置において、前記加工部は、前記容器保持部に保持された前記複合容器に近接および離間する方向に沿って延びる第1回動軸線に対して回動自在に設けられていてもよい。
一実施の形態による加工装置において、前記切込刃は、円形状を有するとともに、前記第1回動軸線に直交する第2回動軸線に対して回転自在に設けられ、前記切り込み部を形成する際に、前記切込刃自身が前記第2回動軸線に対して回転してもよい。
一実施の形態による加工装置において、前記調整部材は、円筒形状を有するとともに、前記第2回動軸線に対して回転自在に設けられ、前記切り込み部を形成する際に、前記調整部材自身が前記第2回動軸線に対して回転してもよい。
一実施の形態による加工装置において、前記容器本体の回転を規制する回転規制部を更に備えていてもよい。
一実施の形態による加工装置において、2つの前記調整部材を備え、前記加工部は、2つの前記切込刃を含み、各々の前記調整部材は、それぞれ異なる前記切込刃に隣接して配置されていてもよい。
一実施の形態による加工装置において、2つの前記調整部材を備え、一方の前記調整部材が、前記切込刃に隣接して配置されていてもよい。
一実施の形態による複合容器の製造方法は、プリフォームを準備する工程と、前記プリフォームの外側に、プラスチック製部材を設ける工程と、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材に対してブロー成形金型を用いてブロー成形を施すことにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させ、前記プリフォームに対応する容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを形成する工程と、ブロー成形後の前記プラスチック製部材に対して、本開示による加工装置を用いて、前記プラスチック製部材を貫通する切り込み部を形成する工程と、を備え、前記切り込み部を形成する工程において、前記調整部材をブロー成形後の前記プラスチック製部材に当接させて、前記プラスチック製部材に対する前記切込刃の押し込み量を調整する。
一実施の形態による複合容器の製造方法において、前記切り込み部を形成する工程において、前記切り込み部は、前記切込刃を前記プラスチック製部材に押し付けながら、前記切込刃または前記容器本体を回動させることにより形成されてもよい。
一実施の形態による複合容器の製造方法において、前記切り込み部を形成する工程において、前記切り込み部は、前記切込刃を前記プラスチック製部材に押し付けることにより形成されてもよい。
一実施の形態による複合容器の製造方法において、前記切り込み部を形成する工程において、前記切り込み部は、前記プラスチック製部材のうち、前記容器本体の底部に対応する位置に形成されてもよい。
一実施の形態による複合容器の製造方法において、前記切り込み部を形成する工程において、前記切り込み部は、前記プラスチック製部材のうち、前記容器本体の胴部に対応する位置に形成されてもよい。
一実施の形態による複合容器の製造方法において、前記切り込み部周囲のプラスチック製部材を加熱することにより、前記切り込み部周囲の前記プラスチック製部材を収縮させる工程を更に備えていてもよい。
本開示によれば、複合容器において容器本体の外側に設けられたプラスチック製部材の分離性を高める切り込み加工をすることができる。
図1は、第1の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器を示す部分垂直断面図である。 図2は、第1の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器を示す水平断面図(図1のII−II線断面図)である。 図3は、第1の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器を示す底面図である。 図4は、複合容器を製造するための複合プリフォームを示す部分垂直断面図である。 図5は、複合容器を製造するための複合プリフォームを示す水平断面図(図4のV−V線断面図)である。 図6(a)〜(d)は、各種プラスチック製部材を示す斜視図である。 図7は、第1の実施の形態による加工装置を示す斜視図である。 図8は、第1の実施の形態による加工装置を示す拡大図(図7のVIII部に対応する拡大図)である。 図9は、第1の実施の形態による加工装置を示す側面図である。 図10は、第1の実施の形態による加工装置を示す平面図であって、加工装置のロッドが進行位置をとった状態を示す平面図である。 図11Aは、第1の実施の形態による加工装置を示す断面図(図10のXIA−XIA線断面図)である。 図11B(a)−(c)は、第1の実施の形態による加工装置の動作を説明する断面図である。 図12(a)〜(f)は、第1の実施の形態による複合容器の製造方法を示す概略図である。 図13(a)〜(c)は、第1の実施の形態による複合容器の製造方法を示す概略図である。 図14(a)〜(c)は、第1の実施の形態による複合容器の製造方法を示す概略図である。 図15は、第1の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器の変形例を示す底面図である。 図16は、図11Aに対応する図であって、第1の実施の形態による加工装置の変形例を示す断面図である。 図17は、図11Aに対応する図であって、第1の実施の形態による加工装置の変形例を示す断面図である。 図18は、第1の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器の変形例の底部を示す正面図である。 図19は、第1の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器の変形例を示す底面図である。 図20は、第1の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器の変形例を示す垂直断面図(図19のXX−XX線断面図)である。 図21は、第2の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器を示す部分垂直断面図である。 図22は、第2の実施の形態による加工装置を示す側面図である。 図23は、第2の実施の形態による加工装置を示す平面図である。 図24は、第2の実施の形態による加工装置を示す断面図(図22のXXIV−XXIV線断面図)である。 図25(a)〜(d)は、第2の実施の形態による複合容器の製造方法を示す概略図である。 図26は、第2の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器の変形例を示す正面図である。 図27は、第2の実施の形態による加工装置によって加工された複合容器の変形例を示す正面図である。
(第1の実施の形態)
以下、図面を参照して本開示の第1の実施の形態について説明する。図1乃至図14は第1の実施の形態を示す図である。以下に示す各図は、模式的に示したものである。そのため、各部の大きさ、形状は理解を容易にするために、適宜誇張している。また、技術思想を逸脱しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。なお、以下に示す各図において、同一部分には同一の符号を付しており、一部詳細な説明を省略する場合がある。また、本明細書中に記載する各部材の寸法等の数値および材料名は、実施の形態としての一例であり、これに限定されるものではなく、適宜選択して使用することができる。本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば平行や直交、垂直等の用語については、厳密に意味するところに加え、実質的に同じ状態も含むものとする。
複合容器の構成
まず、図1乃至図3により、本実施の形態による加工装置によって加工される複合容器の概要について説明する。なお、本明細書中、「上」および「下」とは、それぞれ複合容器10Aを正立させた状態(図1)における上方および下方、またはそれぞれ加工装置を床面上に設置した状態(図9)における上方および下方のことをいう。
図1乃至図3に示す複合容器10Aは、後述するように、ブロー成形金型50を用いてプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを含む複合プリフォーム70(図4および図5参照)に対して2軸延伸ブロー成形を施すことにより、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aを一体として膨張させて得られたものである。
このような複合容器10Aは、内側に位置するプラスチック材料製の容器本体10と、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40とを備えている。
このうち容器本体10は、口部11と、口部11下方に設けられた首部13と、首部13下方に設けられた胴部20と、胴部20下方に設けられた底部30とを備えている。
他方、プラスチック製部材40は、容器本体10の外面に薄く延ばされた状態で密着されており、容器本体10に対して容易に移動又は回転しない状態で取付けられている。
次に、容器本体10について詳述する。容器本体10は、上述したように口部11と、首部13と、胴部20と、底部30とを有している。
このうち口部11は、図示しないキャップに螺着されるねじ部14と、ねじ部14下方に設けられたフランジ部17とを有している。なお、口部11の形状は、従来公知の形状であっても良い。容器本体10に内容液等の内容物が充填され、口部11に図示しないキャップが螺着されることにより、内容物入り複合容器10Aが作製される。
首部13は、フランジ部17と胴部20との間に位置しており、略均一な径をもつ略円筒形状を有している。
胴部20は、首部13側から底部30側に向けて徐々に径が拡大する形状(水平断面において徐々に面積が拡大する形状)を有する第1部分21と、第1部分21の下方に設けられ、全体として略均一な径をもつ第2部分22と、を有している。このうち第2部分22は、円筒形状を有している。しかしながら、これに限られるものではなく、胴部20の第2部分22が四角形筒形状や八角形筒形状等の多角形筒形状を有していても良い。あるいは、胴部20の第2部分22が上方から下方に向けて均一でない水平断面をもつ筒形状を有していても良い。胴部20の外面には、例えば、減圧吸収パネル又は溝等の凹凸が形成されていても良い。
一方、底部30は、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している。なお、底部30の形状についても特に限定されるものではなく、従来公知の底部形状(例えば後述するペタロイド底形状や丸底形状等)を有していても良い。
また、胴部20における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば50μm以上250μm以下程度に薄くすることができる。また、底部30における容器本体10の厚みは、これに限定されるものではないが、例えば0.15mm以上2.0mm以下程度にすることができる。さらに、容器本体10の重量についても、これに限定されるものではないが、10g以上20g以下とすることができる。このように容器本体10の肉厚を薄くすることにより、容器本体10の軽量化を図ることができる。
このような容器本体10は、合成樹脂材料を射出成形して製作したプリフォーム10a(後述)を二軸延伸ブロー成形することにより作製することができる。なお容器本体10の材料としては熱可塑性樹脂、特にPE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PET(ポリエチレンテレフタレート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PC(ポリカーボネート)を使用することが好ましい。容器本体10は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良いが、リサイクルのしやすさを考慮した場合、無色透明であることが好ましい。また、上述した各種樹脂をブレンドして用いても良い。さらに、容器本体10の内面に、容器のバリア性を高めるために、例えばダイヤモンド状炭素膜や酸化珪素薄膜等の蒸着膜を形成しても良い。
また、容器本体10は、2層以上の多層成形ボトルとして形成することもできる。すなわち射出成形により、例えば、中間層をMXD6、MXD6+脂肪酸塩、PGA(ポリグリコール酸)、EVOH(エチレンビニルアルコール共重合体)又はPEN(ポリエチレンナフタレート)等のガスバリア性を有する樹脂(中間層)として3層以上からなるプリフォーム10aを射出成形後、ブロー成形することによりガスバリア性を有する多層ボトルとして形成しても良い。なお、中間層としては、上述した各種樹脂をブレンドした樹脂を用いても良い。
また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡プリフォームを成形し、この発泡プリフォームをブロー成形することによって、容器本体10を作製しても良い。このような容器本体10は、発泡セルを内蔵しているため、容器本体10全体の遮光性を高めることができる。
このような容器本体10は、例えば満注容量が100ml以上2000ml以下のボトルからなっていても良い。あるいは、容器本体10は、満注容量が例えば10L以上60L以下の大型のボトルであっても良い。
次に、プラスチック製部材40について説明する。プラスチック製部材40(40a)は後述するようにプリフォーム10aの外側を取り囲むように設けられ、プリフォーム10aの外側に密着された後、プリフォーム10aとともに2軸延伸ブロー成形されることにより得られたものである。
プラスチック製部材40は容器本体10の外面に接着されることなく取付けられており、容器本体10に対して移動又は回転しないほどに密着されている。このプラスチック製部材40は、容器本体10の外面において薄く引き延ばされて容器本体10を覆っている。また、図2に示すように、プラスチック製部材40は、容器本体10を取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、略円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11を除く、首部13、胴部20および底部30を覆うように設けられている。これにより、容器本体10の首部13、胴部20および底部30に対して所望の機能や特性を付与することができる。
なお、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち口部11以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。例えば、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11および首部13を除く、胴部20および底部30の全体を覆うように設けられていても良い。または、プラスチック製部材40は、容器本体10のうち、口部11、首部13および底部30の中心部を除く、胴部20および底部30を覆うように設けられていても良い。
このようなプラスチック製部材40としては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40がプリフォーム10aに対して収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40は、プリフォーム10aの外側に設けられ、このプリフォーム10aと一体となって加熱され、2軸延伸ブロー成形されることにより得られる。
プラスチック製部材40は、容器本体10に対して溶着ないし接着されていないため、容器本体10から剥離して除去することができる。図1および図3に示すように、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30に対応する位置に、プラスチック製部材40を貫通する切り込み部45が形成されている。これにより、切り込み部45からプラスチック製部材40の分離を行うことができ、容器本体10の表面からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。このため、複合容器10Aにおいて、プラスチック製部材40の分離をより一層容易なものとし、容器本体10のリサイクルを行いやすくすることができる。また、切り込み部45が、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30に対応する位置に形成されていることにより、複合容器10Aの外観が損なわれることを抑制することができる。また、底部30の厚みは、胴部20の厚みよりも厚くなっていることが一般的である。このため、切り込み部45が容器本体10の底部30に対応する位置に形成されていることにより、後述するように、切込刃82(図7等参照)をプラスチック製部材40に押し付けながら切り込み部45を形成する際に、万が一、切込刃82が容器本体10に接触した場合であっても、容器本体10に孔が開いてしまう不具合を抑制することができる。この結果、内容物が複合容器10Aから漏れ出す不具合を効果的に抑制することができる。
図3に示すように、切り込み部45は、底部30のうち、凹部31に対応する位置に形成されている。また、切り込み部45は、複数形成されている。これにより、使用者が、切り込み部45を起点として、容器本体10からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。また、切り込み部45は、底面から見て円弧形状に形成されており、本実施の形態では、容器本体10の周方向に沿って線状に延びる2本の切り込み部45が形成されている。2本の切り込み部45は、底面方向から見て約180°ずつ等配となるように形成されていている。また、各々の切り込み部45がなす円弧形状において、中心角θは、それぞれ約45°となっている。なお、中心角θは、形成される切り込み部45の数等に応じて適宜変更することができ、中心角θは45°以下であっても良く、例えば30°であっても良い。また、底部30に形成される切り込み部45は、1つであっても良い。この場合、切り込み部45がなす円弧形状において、中心角θは、180°以下であることが好ましい。これにより、複合容器10Aの搬送中等において、切り込み部45を起点としてプラスチック製部材40が容器本体10の底部30から捲れてしまうことを抑制することができる。また、底部30に形成される切り込み部45は、3つ以上であっても良い。
プラスチック製部材40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−4−メチルペンテン−1、ポリスチレン、AS樹脂、ABS樹旨、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、フタル酸ジアリル樹脂、フッ素系樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリブタジエン、ポリブテン−1、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、エチレンプロピレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ナイロン6、ナイロン6,6、芳香族ポリアミド、ポリカーボネート、ポリテレフタル酸エチレン、ポリテレフタル酸ブチレン、ポリナフタレン酸エチレン、Uポリマー、液晶ポリマー、変性ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、不飽和ポリエステル、アルキド樹脂、ポリイミド、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルスルホン、シリコーン樹脂、ポリウレタン、フェノール樹脂、尿素樹脂、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、エポキシ樹脂等を挙げることができる。このうち低密度ポリエチレン(LDPE)等のポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の熱可塑性非弾性樹脂を用いることが好ましい。またそれらのブレンド材料や多層構造、部分的多層構造のものであってもよい。さらに、プラスチック製部材40の材料には、その特性が損なわれない範囲において、主成分の樹脂以外にも、各種の添加剤を添加してもよい。添加剤としては、例えば、可塑剤、紫外線安定化剤、着色防止剤、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、耐候剤、帯電防止剤、糸摩擦低減剤、スリップ剤、離型剤、抗酸化剤、イオン交換剤、および着色顔料等を添加することができる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることで、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用し、この発泡プリフォームを成形することによって、遮光性を高めることができる。
プラスチック製部材40は、紫外線等の不可視光線をバリアする光線バリア性を有する材料からなっていても良い。この場合、プリフォーム10aとして多層プリフォームやブレンド材料を含むプリフォーム等を用いることなく、複合容器10Aの光線バリア性を高め、紫外線等により内容液が劣化することを防止することができる。このような材料としては、ブレンド材料、またはPETやPE、PPに遮光性樹脂を添加した材料が考えられる。また、熱可塑性樹脂の溶融物に不活性ガス(窒素ガス、アルゴンガス)を混ぜることにより作製された、0.5μm以上100μm以下の発泡セル径を持つ発泡部材を使用しても良い。
プラスチック製部材40は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも保冷性又は保温性の高い材料(熱伝導性の低い材料)からなっていても良い。この場合、容器本体10そのものの厚みを厚くすることなく、内容液の温度が複合容器10Aの表面まで伝達しにくくすることが可能となる。これにより、複合容器10Aの保冷性又は保温性が高められる。また、使用者が複合容器10Aを把持した際、冷たすぎたり熱すぎたりすることにより複合容器10Aを持ちにくくなることが防止される。このような材料としては、発泡化したポリウレタン、ポリスチレン、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、フェノール樹脂、ポリ塩化ビニル、ユリア樹脂、シリコーン、ポリイミド、メラミン樹脂などが考えられる。これら樹脂を含んでなる樹脂材料に、中空粒子を混合することが好ましい。中空粒子の平均粒子径は、1μm以上200μm以下であることが好ましく、5μm以上80μm以下であることがより好ましい。なお、「平均粒子径」とは、体積平均粒子径を意味し、粒度分布・粒径分布測定装置(例えば、ナノトラック粒度分布測定装置、日機装株式会社製など)を用いて公知の方法により測定することができる。また、中空粒子としては、樹脂などから構成される有機系中空粒子であってもよく、ガラスなどから構成される無機系中空粒子であってもよいが、分散性が優れるという理由から、有機系中空粒子が好ましい。有機系中空粒子を構成する樹脂としては、例えば、架橋スチレン−アクリル樹脂などのスチレン系樹脂、アクリロニトリル−アクリル樹脂などの(メタ)アクリル系樹脂、フェノール系樹脂、フッ素系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂などを挙げることができる。また、ローペイクHP−1055、ローペイクHP−91、ローペイクOP−84J、ローペイクウルトラ、ローペイクSE、ローペイクST(ロームアンドハース(株)製)、ニポールMH−5055(日本ゼオン(株)製)、SX8782、SX866(JSR(株)製)などの市販される中空粒子を用いることも出来る。中空粒子の含有量としては、プラスチック製部材40に含有される樹脂材料100質量部に対して、0.01質量部以上50質量部以下であることが好ましく、1質量部以上20質量部以下であることがより好ましい。
また、プラスチック製部材40は、容器本体10(プリフォーム10a)を構成するプラスチック材料よりも滑りにくい材料からなっていても良い。この場合、容器本体10の材料を変更することなく、使用者が複合容器10Aを把持しやすくすることができる。
プラスチック製部材40は、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
また、プラスチック製部材40の厚みは、これに限定されるものではないが、容器本体10に取り付けられた状態で例えば5μm以上500μm以下程度とすることができる。
複合プリフォームの構成
次に、図4および図5により、複合プリフォームの構成について説明する。
図4および図5に示すように、複合プリフォーム70は、プラスチック材料製のプリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に設けられた有底円筒状のプラスチック製部材40aとを備えている。
プリフォーム10aは、口部11aと、口部11aに連結された胴部20aと、胴部20aに連結された底部30aとを備えている。このうち口部11aは、上述した容器本体10の口部11に対応するものであり、口部11と略同一の形状を有している。また、胴部20aは、上述した容器本体10の首部13および胴部20に対応するものであり、略円筒形状を有している。底部30aは、上述した容器本体10の底部30に対応するものであり、略半球形状を有している。
プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aの外面に接着されることなく取付けられており、プリフォーム10aに対して移動又は回転しないほどに密着されているか、又は自重で落下しない程度に密着されている。プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aを取り囲むようにその周方向全域にわたって設けられており、円形状の水平断面を有している。
この場合、プラスチック製部材40aは、プリフォーム10aのうち、胴部20aの全域と、底部30aの全域とを覆うように設けられている。
なお、プラスチック製部材40aは、口部11a以外の全域又は一部領域に設けられていても良い。または、プラスチック製部材40aは、底部30を除く、胴部20aを覆うように設けられていても良い。
このようなプラスチック製部材40aとしては、プリフォーム10aに対して収縮する作用をもたないものであっても良く、収縮する作用をもつものであっても良い。
プラスチック製部材40aが収縮する作用をもつ場合、プラスチック製部材40aは、例えば、外的な作用(例えば熱)が加えられた際、プリフォーム10aに対して収縮(例えば熱収縮)するものが用いられても良い。あるいは、プラスチック製部材40aは、それ自体が収縮性ないし弾力性を持ち、外的な作用を加えることなく収縮可能なものであっても良い。
なお、プラスチック製部材40aが熱収縮作用をもつ場合、円筒状のプラスチック製部材40aをプリフォーム10aに嵌め込んだ後、プラスチック製部材40aの下端部(口部11aとは反対側の端部)に形成された余白部を熱圧着しても良い。
プラスチック製部材40aとしては、例えばダイレクトブロー成形により作製されたダイレクトブローチューブ、シート成形により作製されたシート成形チューブ、押出成形により作製された押出チューブ、射出成形により作製された射出成形チューブ、インフレーション成形により作製されたインフレーション成形チューブ等を用いることができるが、これに限定されるものではなく、上記以外の成形方法を用いても良い。
プラスチック製部材40aは、赤色、青色、黄色、緑色、茶色、黒色、白色等の色に着色されていても良く、さらに透明であっても不透明であっても良い。
次にプラスチック製部材40aの形状について説明する。
図6(a)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、つなぎ目のない円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aの底部42がプリフォーム10aの底部30aを覆うので、複合容器10Aの胴部20に加え、底部30に対してもバリア性等の様々な機能や特性を付与することができる。このようなプラスチック製部材40aは、例えば上述したダイレクトブローチューブやシート成形チューブ、射出成形チューブを挙げることができる。
また、図6(b)に示すように、プラスチック製部材40aは、全体として円管形状(無底円筒形状)からなり、つなぎ目のない円筒状の胴部41を有していても良い。この場合、プラスチック製部材40aとしては、例えば上述したブローチューブ、押出チューブ、インフレーション成形チューブ、シート成形チューブを用いることができる。
また、図6(c)および図6(d)に示すように、プラスチック製部材40aは、フィルムを筒状に形成してその端部を貼り合わせることにより作製されても良い。この場合、図6(c)に示すように、プラスチック製部材40aは、胴部41を有する管形状(無底円筒形状)に構成されていても良く、図6(d)に示すように、底部42を貼り合わせることにより有底筒形状に構成されていても良い。
加工装置の構成
次に、図7乃至図11Bにより、本実施の形態による加工装置80の構成について説明する。この加工装置80は、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40に対して、プラスチック製部材40を貫通する切り込み部45を形成するためのものである。
図7および図9に示すように、加工装置80は、容器保持部81と、加工部83と、調整部材84と、を備えている。容器保持部81は、複合容器10Aを保持する。加工部83は、切込刃82を有している。切込刃82は、容器保持部81に保持された複合容器10Aに対して進退可能に設けられ、複合容器10Aのプラスチック製部材40を貫通する切り込み部45を形成する。調整部材84は、加工部83に取り付けられ、プラスチック製部材40に当接することにより、プラスチック製部材40に対する切込刃82の押し込み量を調整する。
このうち容器保持部81は、後述するフレーム組合体90に取り付けられている。本実施の形態では、容器保持部81は、容器本体10の底部30が加工部83と対向するように、複合容器10Aを横向きに倒した状態で複合容器10Aを保持している。この容器保持部81は、容器本体10の口部11を保持する第1保持部81aと、容器本体10の胴部20を保持する第2保持部81bと、を有している。図7に示すように、第1保持部81aには、容器本体10の口部11の形状に対応する形状の凹部81cが形成されており、この凹部81c内に容器本体10の口部11が収容されるようになっている。また、第2保持部81bには、容器本体10の胴部20の第2部分22の外径よりも大きい内径を有する開口部81dが形成されており、この開口部81d内に容器本体10の胴部20が収容されるようになっている。
加工部83は、ベース部85上に配置された駆動部86に取り付けられている。加工部83は、固定された容器保持部81に対して移動可能である。ベース部85は、駆動部86を支持するものであり、後述するフレーム組合体90に支持されている。なお、これに限らず、ベース部85が作業スペースの床面上に直接接するように配置されていても良い。
駆動部86は、ベース部85上に配置された本体部86aと、本体部86aに対して所定の方向(水平方向(図9の左右方向))に沿って進退可能なロッド86bと、を有している。加工部83は、ロッド86bに取り付けられている。ロッド86bは、本体部86aに対して出没自在であり、本体部86aから所定の方向(図9の左方)に突出した進行位置(図10および図11A参照)と、進行位置からロッド86bの一部が本体部86aに引き込まれた退避位置(図7乃至図9参照)との間で進退可能に構成されている。また、この場合、ロッド86bの進退は、案内部材87によって案内されるようになっている。
また、図7および図9に示すように、駆動部86は、ロッド86bの進行位置と退避位置とを切り替えるレバー86cを含んでおり、レバー86cの回動動作により、ロッド86bの進行位置と退避位置とが切り替えられるように構成されている。なお、駆動部86としては、例えばエアシリンダを用いることができる。この場合、例えば、レバー86cを初期位置(図7および図9参照)から回動させた際に、エアシリンダの図示しないシリンダ内に空気が供給され、ロッド86bが進行位置をとる。一方、レバー86cを初期位置に戻した際に、エアシリンダの図示しないシリンダ内から空気が排出され、ロッド86bが退避位置をとる。また、ロッド86bが進行位置をとった際におけるロッド86bの本体部86aからの突出量は、ロッド86bが進行位置をとった際に調整部材84が複合容器10Aに当接するように、適宜設定することができる。
このような駆動部86に取り付けられた加工部83は、容器保持部81に保持された複合容器10Aに近接および離間する方向(水平方向(図9の左右方向))に沿って延びる回動軸線X(第1回動軸線)に対して回動自在に設けられている。また、上述したように、加工部83は、切込刃82を有している。図7乃至図11Aに示すように、切込刃82は、略直方体形状を有する本体部83aに取り付けられている。図11Aに示すように、この本体部83aには、回動軸線Xに沿って延びる第1挿入孔831が形成されており、この第1挿入孔831に上述したロッド86bが挿入されることにより、加工部83が駆動部86のロッド86bに取り付けられている。また、本体部83aには、回動軸線Xに直交する回動軸線Y(第2回動軸線)に沿って延びる第2挿入孔832が形成されており、この第2挿入孔832に調整部材84の後述する円筒部84aが挿入される。
本実施の形態では、加工部83は、2つの切込刃82を含み、各々の切込刃82は、それぞれ本体部83aの上部と下部とに取り付けられている。また、図7、図8および図10に示すように、切込刃82は、円形状を有している。この切込刃82は、回動軸線Yに対して回転自在に設けられ、プラスチック製部材40に切り込み部45を形成する際に、切込刃82自身が回動軸線Yに対して回転するように構成されている。具体的には、図11Aに示すように、切込刃82には、中央に開口82aが形成されており、この開口82aを調整部材84の後述する円筒部84aが貫通している。そして、調整部材84がボルトB1により加工部83の本体部83aに取り付けられることにより、切込刃82が回動軸線Yに対して、調整部材84と同心に回転するようになっている。この場合、一例として、切込刃82は、丸刃のカッターであっても良い。なお、丸刃のカッターの外径は、20mm以上35mm以下程度とすることができ、一例として、28.00mmであっても良い。
このような加工部83は、切込刃82をプラスチック製部材40に押し付けながら、切込刃82を回動させることにより、プラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成するように構成されている。すなわち、加工部83が回動軸線Xに対して回動することにより、本体部83aに取り付けられた切込刃82が回動軸線Xに対して回動する。これにより、切込刃82がプラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する。また、上述したように、切込刃82は、回動軸線Yに対して回転自在に設けられている。このため、切り込み部45を形成する際に、切込刃82がプラスチック製部材40に押し付けられながら回動軸線Xに対して回動することに伴い、切込刃82自身が回動軸線Yに対して回転(自転)する。これにより、切り込み部45を形成する際に、切り込み部45におけるバリ等の発生を抑制し、かつ切込刃82の摩耗を抑制することができるようになっている。
また、切込刃82は、ロッド86bが進行位置をとる場合においては、プラスチック製部材40に接触する状態となり(図11A参照)、ロッド86bが退避位置をとる場合においては、切込刃82がプラスチック製部材40に接触しない状態となる(図7乃至図9参照)。切込刃82がプラスチック製部材40に接触する状態では、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量は、後述するように調整部材84により調整されている。このため、プラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを抑制することができようになっている。
さらに、加工部83は、加工部83を回動させるレバー83bを更に有しており、レバー83bの回動動作により、加工部83が回動軸線Xに対して回動するように構成されている。この場合、ロッド86bが進行位置をとった状態において、レバー83bを初期位置(図7乃至図9参照)から回動させることにより、切込刃82が回動し、切込刃82がプラスチック製部材40に円弧形状の切り込み部45を形成するようになっている。
次に、調整部材84について説明する。調整部材84は、複合容器10Aの底部(容器本体10の底部30に対応する部分)に当接することにより、切込刃82が過剰にプラスチック製部材40に進入することを防ぐものである。図7乃至図11Aに示すように、調整部材84は、加工部83の本体部83aに取り付けられている。このため、調整部材84は、加工部83の本体部83aとともに回動軸線Xに対して回動自在に設けられている。
図8に示すように、調整部材84は、円筒形状を有している。この調整部材84は、回動軸線Yに対して回転自在に設けられ、切り込み部45を形成する際に、調整部材84自身が回動軸線Yに対して回転するように構成されている。具体的には、図11Aに示すように、調整部材84は、中央に形成された円筒部84aを含んでいる。そして、調整部材84は、円筒部84aが加工部83の切込刃82の開口82aを貫通するとともに加工部83の本体部83aの第2挿入孔832に挿入された状態で、ボルトB1により本体部83aに取り付けられている。このようにして、調整部材84が回動軸線Yに対して回転するようになっている。このように、調整部材84自身が回動軸線Yに対して回転することにより、切込刃82によってプラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、調整部材84によって容器本体10に傷が付くことを抑制することができる。
また、上述したように、調整部材84および切込刃82は、互いに同心に回転(自転)するようになっている。これにより、調整部材84および切込刃82が、それぞれ回転(自転)した場合であっても、調整部材84の外側面84bからの切込刃82の径方向外方への突出量を、調整部材84の全周にわたって略均一にすることができる。このため、プラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、調整部材84および切込刃82が、それぞれ回転(自転)した場合であっても、切込刃82によって容器本体10に傷が付くことを抑制することができる。
調整部材84の外径は、切込刃82の外径よりも小さくなっている。調整部材84の外径は、切込刃82がプラスチック製部材40を貫通し、かつ切込刃82の容器本体10への押し込み量が、0.01mm以上0.05mm以下程度となるように設定することが好ましい。これにより、切込刃82によってプラスチック製部材40を貫通する切り込み部45を確実に形成することができるとともに、容器本体10に傷が付くことを抑制することができる。例えば、プラスチック製部材40の面のうち、切り込み部45が形成される面と調整部材84が当接する面とが同一平面上にある場合、調整部材84の外径をR1とし、切込刃82の外径をR2とし、切り込み部45が形成される部分のプラスチック製部材40の厚みをTとすると、以下の式1を満たしていることが好ましい。
T+0.01(mm)≦R2−R1≦T+0.05(mm)・・・式(1)
一方、本実施の形態では、切り込み部45は、底部30の凹部31に形成されている。また、調整部材84は、底部30の接地部32に当接している。このように切り込み部45が形成される面と調整部材84が当接する面とが同一平面上にない場合であっても、調整部材84の外径は、切込刃82の容器本体10への押し込み量が0.01mm以上0.05mm以下程度となるように設定することが好ましい。本発明者らは、様々な外径寸法の調整部材84を用いて実験をおこない、切込刃82の容器本体10への押し込み量が、0.01mm以上0.05mm以下程度となるように、調整部材84の外形寸法を求めた。この場合、調整部材84の外径としては、26.70mmが最適であった。すなわち、調整部材84の外径が26.70mmの場合に、切り込み部45からプラスチック製部材40の分離を容易に行うことができ、かつ、容器本体10に傷が付くことを抑制することができた。
また、調整部材84は、切込刃82に隣接して配置されている。図9および図11Aに示すように、本実施の形態では、加工装置80は、2つの調整部材84を備えており、各々の調整部材84は、それぞれ異なる切込刃82に隣接して配置されている。すなわち、2つの調整部材84のうちの一方の調整部材84が、本体部83aの上部に取り付けられた切込刃82の上方に配置されており、他方の調整部材84が、本体部83aの下部に取り付けられた切込刃82の下方に配置されている。この場合、調整部材84はプラスチック製部材40のうち容器本体10の底部30の接地部32に対応する位置に当接し、切込刃82はプラスチック製部材40のうち容器本体10の底部30の凹部31に対応する位置に押し込まれるようになっている(図11A参照)。
このような調整部材84は、ロッド86bが進行位置をとる場合においては、調整部材84の外側面84bがプラスチック製部材40に当接する状態となる(図11A参照)。言い換えれば、後述するように調整部材84がプラスチック製部材40に当接することにより、ロッド86bが進行位置をとる。一方、ロッド86bが退避位置をとる場合においては、調整部材84は、プラスチック製部材40に当接しない状態となるようになっている(図7乃至図9参照)。
ここで、上述したように、ロッド86bが進行位置をとる場合においては、加工部83の切込刃82も同様にプラスチック製部材40に接触するようになっている。具体的には、ロッド86bが退避位置から進行位置へ切り替えられる際には、まず、図11B(a)に示すように、ロッド86bの進行に伴って切込刃82がプラスチック製部材40に接触する。次に、図11B(b)に示すように、切込刃82がプラスチック製部材40に押し込まれる。その後、ロッド86bが更に進行すると、図11B(c)に示すように、調整部材84がプラスチック製部材40に当接する。そして、調整部材84がプラスチック製部材40に当接すると、ロッド86bの進行が停止し、ロッド86bが進行位置をとる。このように、調整部材84がプラスチック製部材40に当接すると、ロッド86bの進行が停止して進行位置をとるため、切込刃82は、これ以上プラスチック製部材40に押し込まれることはない。このため、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量は、調整部材84の外側面84bからの切込刃82の突出量(すなわち、調整部材84の外径と切込刃82の外径との差の半分の量)を調整することにより、容易に調整することができる。この結果、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量を調整するために例えばロッド86bの本体部86aからの突出量を調整する場合と比較して、当該押し込み量を正確かつ容易に調整することができる。
また、図7乃至図11Aに示すように、加工装置80は、容器本体10の回転を規制する回転規制部89を更に備えている。この回転規制部89は、容器本体10の底部30に対応する形状をもっており、ボルトB2によって駆動部86のロッド86bの先端に固定されている。この回転規制部89は、ロッド86bが進行位置をとった際に、容器本体10の底部30の凹部31に嵌合して、容器本体10を所定の方向(図9乃至図11Aの左方)に押圧する。これにより、容器本体10のフランジ部17が容器保持部81の第1保持部81aに押し付けられ、容器本体10の回転が規制されるようになっている。また、回転規制部89は、加工部83が回動した場合であっても、回動軸線Xに対して回動しないように構成されている。このため、容器本体10の底部30の凹部31に嵌合した回転規制部89が回動してしまうことにより、回転規制部89と共に容器本体10が回動してしまうことを抑制することができる。
次に、上述した容器保持部81等を支持するフレーム組合体90の一例について説明する。
図7および図9に示すように、フレーム組合体90は、支持部材91と、支持部材91上に配置された高さ調節部材92とを有している。
このうち支持部材91は、作業スペースの床面上に配置されるものである。この支持部材91は、一対の四角柱状の部材から構成されており、各々の部材は、回動軸線Xに沿って延びるように配置されている。
高さ調節部材92は、四角柱状の部材から構成されており、支持部材91の幅方向(回動軸線Xに直交する方向)に沿って延びるように配置されている。この高さ調節部材92は、容器保持部81、ベース部85および案内部材87の高さを調整する役割を果たす。これにより、加工部83が、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30に対応する位置に、切り込み部45を形成することができるようになっている。
なお、フレーム組合体90において、上述した各々の部材は、ボルト等により、互いに固定されていても良い。
複合容器の製造方法
次に、図12(a)〜(f)、図13(a)〜(c)および図14(a)〜(c)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法について説明する。
まず、プラスチック材料製のプリフォーム10aを準備する(図12(a)参照)。この場合、例えば図示しない射出成形機を用いて、射出成形法によりプリフォーム10aを作製しても良い。また、プリフォーム10aとして、従来一般に用いられるプリフォームを用いても良い。
次に、プリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを設けることにより、プリフォーム10aと、プリフォーム10aの外側に密着されたプラスチック製部材40aとを有する複合プリフォーム70を作製する(図12(b)参照)。この場合、プラスチック製部材40aは、全体として有底円筒形状からなり、円筒状の胴部41と、胴部41に連結された底部42とを有している。
この際、プリフォーム10aの外径と同一又はわずかに小さい内径をもつプラスチック製部材40aを、プリフォーム10aに対して押し込むことにより、プリフォーム10aの外面に密着させても良い。あるいは、後述するように、熱収縮性をもつプラスチック製部材40aをプリフォーム10aの外面に設け、このプラスチック製部材40aを50℃乃至100℃に加熱することにより熱収縮させてプリフォーム10aの外面に密着させても良い。
このように、予めプリフォーム10aの外側にプラスチック製部材40aを密着させ、複合プリフォーム70を作製しておくことにより、複合プリフォーム70を作製する一連の工程(図12(a)〜(b))と、ブロー成形を行う一連の工程(図12(c)〜(f))とを別々の場所(工場等)で実施することが可能になる。
次に、複合プリフォーム70は、加熱装置51によって加熱される(図12(c)参照)。このとき、複合プリフォーム70は、口部11aを下に向けた状態で回転しながら、加熱装置51によって周方向に均等に加熱される。この加熱工程におけるプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aの加熱温度は、例えば90℃乃至130℃としても良い。
また、ブロー成形金型50を準備する。そして、加熱装置51によって加熱された複合プリフォーム70は、複合容器10Aを作製するためのブロー成形金型50に送られる(図12(d)参照)。
容器本体10および容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40は、このブロー成形金型50を用いて成形される。この場合、ブロー成形金型50は、金属型または樹脂型である型本体52を備えており、型本体52は、互いに分割された一対の胴部金型50a、50bと、底部金型50cとからなる(図12(d)参照)。型本体52の内面は、複合容器10Aの首部13、胴部20および底部30に対応する形状を有している。図12(d)において、一対の胴部金型50a、50b間は互いに開いており、底部金型50cは上方に上がっている。この状態で型本体52の一対の胴部金型50a、50b間に、複合プリフォーム70が挿入される。
次に、図12(e)に示すように、底部金型50cが下がったのちに一対の胴部金型50a、50bが閉鎖され、型本体52の一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cにより密閉されたブロー成形金型50が構成される。次に、プリフォーム10a内に空気が圧入され、複合プリフォーム70に対して2軸延伸ブロー成形が施される。
これにより、複合プリフォーム70は、ブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形され、ブロー成形金型50内でプリフォーム10aから容器本体10が得られる。この間、胴部金型50a、50bは30℃乃至80℃まで加熱され、底部金型50cは5℃乃至25℃まで冷却される。この際、ブロー成形金型50内では、複合プリフォーム70のプリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aが一体として膨張される。これにより、プリフォーム10aおよびプラスチック製部材40aは、一体となってブロー成形金型50の内面に対応する形状に賦形される。
このようにして、容器本体10および容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40を有し、切り込み部45が形成される前の複合容器10Aが得られる。
その後、図12(f)に示すように、型本体52の一対の胴部金型50a、50bおよび底部金型50cが互いに離れ、ブロー成形金型50内から、複合容器10Aが取出される。
次に、ブロー成形後のプラスチック製部材40に対して、加工装置80を用いて、プラスチック製部材40を貫通する切り込み部45を形成する。この場合、切込刃82をプラスチック製部材40に押し付けながら、切込刃82を回動させて、切り込み部45を形成する。この際、まず、加工装置80を準備する。次に、図13(a)に示すように、加工装置80の容器保持部81に、切り込み部45が形成される前の複合容器10Aを取り付ける。この際、容器本体10の口部11が第1保持部81aの凹部81c内に収容され、容器本体10の胴部20の第2部分22が第2保持部81bの開口部81d内に収容される。なお、この場合、駆動部86のレバー86cは、初期位置にあり、駆動部86のロッド86bは、退避位置をとっている。
次いで、使用者が、レバー86cを初期位置から回動させる。これにより、図13(b)に示すように、駆動部86の本体部86aからロッド86bが所定の方向(図9の左方)に突出し、ロッド86bが進行位置をとる。これにより、ロッド86bの先端に取り付けられた回転規制部89(図8等参照)が容器本体10の底部30の凹部31(図1および図3参照)に嵌合して、複合容器10Aを当該所定の方向(図9の左方)に押圧する。そして、容器本体10のフランジ部17が容器保持部81の第1保持部81aに押し付けられる。また、この際、切込刃82が、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30に対応する位置に押し付けられる。
ここで、加工装置80は、プラスチック製部材40に当接することにより、プラスチック製部材40に対する切込刃82の押し込み量を調整する調整部材84を備えている。このため、ロッド86bが進行位置をとった際に、調整部材84がブロー成形後のプラスチック製部材40に当接し、プラスチック製部材40に対する切込刃82の押し込み量が調整される。すなわち、切込刃82が、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30の凹部31に対応する位置に押し付けられた際に、調整部材84の外側面84bが、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30の接地部32に対応する位置に当接する(図11A参照)。そして、調整部材84がプラスチック製部材40に当接すると、ロッド86bの進行が停止する。このため、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量が所定の量に調整される。また、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量は、調整部材84の外側面84bからの切込刃82の突出量を調整することにより、容易に調整することができる。このため、切込刃82の外側面84bからの突出量を予め調整しておくことにより、切込刃82によってプラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを抑制することができる。
また、調整部材84は、切込刃82に隣接して配置されている。これにより、プラスチック製部材40のうち、調整部材84が当接する部分と、切り込み部45が形成される部分との距離を近づけることができる。このため、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量と、予め調整された切込刃82の外側面84bからの突出量に基づいて想定される折り込み量との差を小さくすることができる。とりわけ、容器本体10の底部30のように三次元形状(凹部31)を有している場合であっても、プラスチック製部材40のうち、調整部材84が当接する部分と、切り込み部45が形成される部分とを近づけることができるため、上述した差を小さくすることができる。このため、切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことをより効果的に抑制することができる。また、加工装置80は、2つの調整部材84を備えており、各々の調整部材84は、それぞれ異なる切込刃82に隣接して配置されている。これにより、切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを効果的に抑制しつつ、プラスチック製部材40に対して2つの切り込み部45を容易に形成することができる。
次に、使用者が、加工部83のレバー83bを回動させる。これにより、図13(c)に示すように、切込刃82が回動軸線Xに対して回動する。この際、上述したように、回転規制部89(図8等参照)により、容器本体10のフランジ部17が容器保持部81の第1保持部81aに押し付けられている。また、回転規制部89は、ロッド86bに固定されており、加工部83が回動した場合であっても、回動しないように構成されている。これにより、容器本体10の回転が規制される。このため、切込刃82の回動に伴って、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30に対応する位置に円弧形状の切り込み部45(図3参照)が形成される。このように、切り込み部45が容器本体10の底部30に対応する位置に形成されることにより、複合容器10Aの外観が損なわれることを抑制することができる。また、加工部83は、2つの切込刃82を含んでいる。これにより、プラスチック製部材40に2つの切り込み部45(図1および図3参照)が形成される。このため、複合容器10Aにおいて、プラスチック製部材40の分離をより容易なものとすることができる。
また、切り込み部45を形成する際、切込刃82が、回動軸線Y(図7乃至図9および図11A参照)に対して回転(自転)する。すなわち、切込刃82をプラスチック製部材40に押し付けながら切込刃82を回動軸線Xに対して回動させたとき、プラスチック製部材40に押し込まれた切込刃82自身が回転しながら、プラスチック製部材40に切り込み部45を形成する。これにより切り込み部45にはバリ等が発生しにくくなり、かつ切込刃82の摩耗も抑えられる。
また、この際、調整部材84が、回動軸線Yに対して回転(自転)する。すなわち、切込刃82をプラスチック製部材40に押し付けながら切込刃82を回動軸線Xに対して回動させたとき、プラスチック製部材40に当接した調整部材84自身が回転する。これにより、調整部材84により、プラスチック製部材40のうち容器本体10の底部30の接地部32に対応する位置に傷が付くことを抑制することができる。
次いで、使用者が、レバー83bを回動させて、レバー83bを初期位置に戻す(図14(a)参照)。
次に、使用者が、レバー86cを回動させて、レバー86cを初期位置に戻す。これにより、図14(b)に示すように、駆動部86の本体部86aにロッド86bの一部が引き込まれる。
そして、使用者が、加工装置80の容器保持部81から複合容器10Aを取り外す。このようにして、図14(c)に示すように、切り込み部45が形成された複合容器10Aが得られる。
その後、複合容器10Aの口部11を介して、複合容器10A内へ内容物が充填される。
ところで、容器本体10をリサイクルする際、複合容器10Aのプラスチック製部材40を容器本体10から分離除去する必要がある。この場合、切り込み部45を起点として、容器本体10からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。このため、複合容器10Aにおいて、プラスチック製部材40の分離を容易なものとすることができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、加工装置80が、複合容器10Aを保持する容器保持部81と、容器保持部81に保持された複合容器10Aに対して進退可能に設けられ、複合容器10Aのプラスチック製部材40を貫通する切り込み部45を形成する切込刃82を有する加工部83と、加工部83に取り付けられ、プラスチック製部材40に当接することにより、プラスチック製部材40に対する切込刃82の押し込み量を調整する調整部材84と、を備えている。これにより、複合容器10Aの所望の位置に、切り込み部45を安定して形成することができるとともに、切込刃82によってプラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを抑制することができる。とりわけ、加工装置80が調整部材84を備えていることにより、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量を予め調整することができる。このため、摩耗等により切込刃82を交換した場合であっても、新しい切込刃82によってプラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、調整部材84は、切込刃82に隣接して配置されている。これにより、プラスチック製部材40のうち、調整部材84が当接する部分と、切り込み部45が形成される部分との距離を近づけることができる。このため、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量と、予め調整された切込刃82の外側面84bからの突出量に基づいて想定される折り込み量との差を小さくすることができる。この結果、切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを効果的に抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、加工部83は、容器保持部81に保持された複合容器10Aに近接および離間する方向に沿って延びる回動軸線Xに対して回動自在に設けられている。これにより、加工部83を回動させることにより、プラスチック製部材40に対して切り込み部45をより確実に形成することができる。
また、本実施の形態によれば、切込刃82は、円形状を有するとともに、回動軸線Xに直交する回動軸線Yに対して回転自在に設けられ、切り込み部45を形成する際に、切込刃82自身が回動軸線Yに対して回転する。これにより、切り込み部45を形成する際に、切り込み部45におけるバリ等の発生を抑制し、かつ切込刃82の摩耗を抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、調整部材84は、円筒形状を有するとともに、回動軸線Yに対して回転自在に設けられ、切り込み部45を形成する際に、調整部材84自身が回動軸線Yに対して回転する。これにより、切り込み部45を形成する際に、調整部材84によってプラスチック製部材40のうち容器本体10の底部30の接地部32に対応する位置に傷が付くことを抑制することができる。
また、本実施の形態によれば、加工装置80は、容器本体10の回転を規制する回転規制部89を更に備えている。これにより、容器本体10の回転を規制することができ、切込刃82を回動させることにより、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30に対応する位置に切り込み部45を容易に形成することができる。
さらに、本実施の形態によれば、加工装置80が2つの調整部材84を備え、加工部83は、2つの切込刃82を含み、各々の調整部材84が、それぞれ異なる切込刃82に隣接して配置されている。これにより、切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを効果的に抑制しつつ、プラスチック製部材40に対して2つの切り込み部45を容易に形成することができる。
なお、上記実施の形態において、円弧形状の切り込み部45を形成した後に、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を加熱することにより、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を収縮させても良い。この際、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を、ヒートガンなどの温風を用いて加熱しても良い。加熱する方法はヒートガン、ドライヤーなどの温風以外に、蒸気や加熱した冶具、レーザーを用いても良い。蒸気の場合は、シュリンクラベルを装着する際のシュリンクトンネルを利用することも考えられる。また、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を加熱する際に、容器が変形しない程度にその周辺が温められてもよい。この場合、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を加熱することにより、図15に示すように、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40が収縮し、容器本体10の底部30の凹部31が露出する開口部46が形成される。なお、図15において、プラスチック製部材40が収縮する前の切り込み部45を仮想線(二点鎖線)で示している。
図15に示す例においては、切り込み部45の輪郭は、底面方向から見て、互いに離間する方向に窪む一対の円弧形状を有している。これにより、プラスチック製部材40を容器本体10から分離させる際に、切り込み部45の端部(図15に示すA部)において、裂け目が生じやすくすることができる。このため、切り込み部45の端部に裂け目を生じさせ、この裂け目を引き裂き線として、容器本体10からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。また、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40が収縮することにより、複数の切り込み部45間の部分を容器本体10に対して浮き上がらせることができる。これにより、使用者が複数の切り込み部45間の部分を摘まみやすくなり、プラスチック製部材40を容器本体10から容易に分離して除去することができる。なお、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を加熱することにより、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を収縮させる場合、プラスチック製部材40としては、収縮する作用をもつものが用いられる。
また、上記実施の形態において、切り込み部45が、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の底部30に対応する位置に形成されている例について説明した。しかしながら、これに限られず、切り込み部45が、例えば、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の胴部20に対応する位置に形成されていても良い。この場合においても、プラスチック製部材40を容器本体10から容易に分離して除去することができる。
また、上記実施の形態において、切込刃82を回動させることにより、切り込み部45を形成する例について説明した。しかしながら、これに限らず、切り込み部45を形成する工程において、容器本体10を回動させても良い。この場合、加工装置80において、回転規制部89を駆動部86のロッド86bから取り外すことにより、容器本体10を回動軸線Xに対して回動させることができる。この場合においても、プラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成することができる。
また、上記実施の形態において、加工部83が2つの切込刃82を有している例について説明した。しかしながら、これに限られず、図16および図17に示すように、加工部83が切込刃82を1つのみ有していても良い。また、この場合、図16に示すように、加工装置80が2つの調整部材84を備え、一方の調整部材84が、切込刃82に隣接して配置されていても良い。この場合においても、一方の調整部材84が切込刃82に隣接していることにより、調整部材84が当接する部分と、切り込み部45が形成される部分との距離を近づけることができる。このため、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量と、予め調整された切込刃82の外側面84bからの突出量に基づいて想定される折り込み量との差を小さくすることができ、切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを効果的に抑制することができる。切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量を正確に調整することができる。また、図17に示すように、加工装置80が調整部材84を1つのみ備えていても良い。この場合、切込刃82によってプラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、調整部材84によって容器本体10に傷が付くことをより効果的に抑制することができる。また、この場合、加工部83の本体部83aに形成される第2挿入孔832は1つであっても良い。なお、加工部83が3つ以上の切込刃82を含んでいても良い。
さらに、上記実施の形態において、加工装置80が切り込み部45を形成する複合容器10Aにおいて、容器本体10の底部30が、中央に位置する凹部31と、この凹部31周囲に設けられた接地部32とを有している例について説明した。しかしながら、これに限られず、図18乃至図20に示すように、容器本体10の底部30が、ペタロイド形状を有していても良い。この場合、底部30は、中央に位置する中央部131(図19および図20参照)と、中央部131から底部30の周縁部30bに向けて放射状に延びる複数(この場合は5本)のペタロイド脚132とを有している。
図19に示すように、5本のペタロイド脚132は、底部30の周縁部30bに沿って周方向に等間隔に配置されている。ペタロイド脚132は、複合容器10Aを安定して正立させるためには5本以上設けることが好ましいが、成形性の観点等から、その上限は9本程度とすることが好ましい。また、バックリングを効果的に防止するために、ペタロイド脚132の本数を奇数本とすることが好ましく、とりわけ5本とすることが更に好ましい。
また図19および図20に示すように、各ペタロイド脚132は、各々円周状に延びる接地部132aと、接地部132aから中央部131側に向けて上方に延びる内側傾斜面132bと、接地部132aから周縁部30b側に向けて上方に延びる外側傾斜面132cとを有している。
一方、隣接する各ペタロイド脚132間には、谷部133が形成されている。各谷部133は、中央部131から周縁部30bに向かって上方へ延びる湾曲面からなっている。各谷部133は、中央部131から周縁部30bに向かう断面において、下方へ向けて湾曲する球面の一部を構成している(図20参照)。この場合、各谷部133は、ドーム状曲面の一部からなっていても良い。
この場合、図19および図20に示すように、切り込み部45は、中央部131に対応する位置に形成することができる。
(第2の実施の形態)
次に、本開示の第2の実施の形態について図21乃至図25により説明する。図21乃至図25に示す第2の実施の形態は、切り込み部45を形成する際に、切り込み部45が、切込刃82をプラスチック製部材40に押し付けることにより形成される点が異なるものであり、他の構成は、図1乃至図14に示す第1の実施の形態と略同一である。図21乃至図25に示す第2の実施の形態において、図1乃至図14に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
複合容器の構成
まず、図21により、本実施の形態による加工装置80Aによって加工された複合容器10Aの概要について説明する。
本実施の形態において、図21に示すように、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の胴部20に対応する位置に、プラスチック製部材40を貫通する切り込み部45が形成されている。このように、切り込み部45が、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の胴部20に対応する位置に形成されていることにより、切り込み部45を目立たせることができ、使用者が切り込み部45を容易に認識することができる。
図21に示すように、本実施の形態においては、切り込み部45は、胴部20の第1部分21のうち、首部13近傍に形成されている。また、切り込み部45は、直線形状に形成されている。この場合、切り込み部45は、容器本体10の長手方向に沿って線状に延びる1本の切り込みによって構成されている。また、切り込み部45は、プラスチック製部材40の上端(口部11側端部)から離間して設けられ、容器本体10の胴部20に対応する位置の途中で終端している。
この切り込み部45の高さH1(上下方向に沿った長さ)は、7.0mm以上30.0mm以下であることが好ましい。切り込み部45の高さH1が7.0mm以上であることにより、切り込み部45を目立たせることができ、使用者が、切り込み部45を容易に認識することができる。また、切り込み部45の高さH1が7.0mm以上であることにより、使用者が、切り込み部45をきっかけとして、容器本体10の表面からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。また、切り込み部45の高さH1が30.0mm以下であることにより、切り込み部45が目立ちすぎることを抑制することができる。このため、複合容器10Aの意匠性が低下することを抑制することができる。
加工装置の構成
次に、図22乃至図24により、第2の実施の形態による加工装置80Aの構成について説明する。
図22に示すように、容器保持部81は、容器本体10の胴部20の第1部分21が加工部83と対向するように、容器本体10を正立させた状態で容器本体10を保持している。この場合、図23に示すように、容器保持部81の第1保持部81aの凹部81c内に容器本体10の首部13(図22参照)近傍が収容されるようになっている。
加工部83は、切込刃82を水平方向に沿ってプラスチック製部材40に押し付けることにより、プラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成するように構成されている。本実施の形態による切込刃82は、カッターや抜き型に使用されるトムソン刃またはビク刃、腐食(エッチング)加工により作製するピナクル刃またはそれらをシャープニング加工した刃物、その他切削により作製する刃物(彫刻刃)であっても良い。
図22乃至図24に示すように、調整部材84は、加工部83の本体部83aの先端に取り付けられている。調整部材84は、直方体形状を有し、切込刃82に隣接して配置されている。本実施の形態では、加工装置80Aは、2つの調整部材84を備えており、各々の調整部材84は、それぞれ切込刃82に隣接して配置されている。図23および図24に示すように、各々の調整部材84は、容器保持部81に保持された複合容器10Aに近接および離間する方向(図23および図24の左右方向)および上下方向の両方向に直交する方向において、切込刃82の両側に配置されている。
本実施の形態において、フレーム組合体90は、第1支持部材93と、第1支持部材93上に配置された高さ調節部材94と、第1支持部材93上に配置された容器保持部取付部材95と、高さ調節部材94上に配置された第2支持部材96と、第2支持部材96上に配置されたベース部取付部材97とを有している。
このうち第1支持部材93は、作業スペースの床面上に配置されるものである。この第1支持部材93の平面形状は特に限定されず、矩形形状、コの字形状等であっても良い。また、第1支持部材93は、単一の部材から構成されていても良く、複数の部材を連結させることにより構成されていても良い。また、この第1支持部材93上には、容器本体10が載置される載置部材98が取り付けられている。この載置部材98は、平坦な板状の部材から構成されている。なお、容器本体10は、作業スペースの床面上に直接載置されても良い。
高さ調節部材94は、一対の四角柱状の部材から構成されており、ベース部85の高さを調整することにより、加工部83の高さを調整する役割を果たす。これにより、加工部83が、容器本体10の外側に密着して設けられたプラスチック製部材40の任意の場所に、切り込み部45を形成することができるようになっている。
容器保持部取付部材95は、一対の四角柱状の部材から構成されており、高さ調節部材94上に配置された第2支持部材96や、容器保持部81を保持する役割を果たす。図示された例においては、容器保持部取付部材95に第2支持部材96が連結されているとともに、容器保持部81が取り付けられている。
第2支持部材96は、一対の四角柱状の部材から構成されており、それぞれの一端が高さ調節部材94上に配置され、それぞれの他端が容器保持部取付部材95に連結されている。
ベース部取付部材97は、一対の四角柱状の部材から構成されており、第2支持部材96の幅方向に沿って延びるように、第2支持部材96上に配置されている。そして、このベース部取付部材97上にベース部85が取り付けられている。このようにして、ベース部85がフレーム組合体90に支持されている。
複合容器の製造方法
次に、図25(a)〜(d)により、本実施の形態による複合容器10Aの製造方法について説明する。
まず、例えば、図12(a)〜(f)に示す方法により、切り込み部45が形成される前の複合容器10Aを作製する。
次に、ブロー成形後のプラスチック製部材40に対して、加工装置80Aを用いて、プラスチック製部材40を貫通する切り込み部45を形成する。この場合、切込刃82をプラスチック製部材40に押し付けて、切り込み部45を形成する。この際、まず、加工装置80Aを準備する。次に、図25(a)に示すように、加工装置80Aの容器保持部81に、切り込み部45が形成される前の複合容器10Aを取り付ける。この際、容器本体10の首部13が第1保持部81aの凹部81c(図23参照)内に収容され、容器本体10の胴部20の第2部分22が第2保持部81bの開口部81d(図23参照)内に収容される。なお、この場合、駆動部86のレバー86cは、初期位置にあり、駆動部86のロッド86bは、本体部86aに引き込まれている。
次いで、使用者が、レバー86cを初期位置から回動させる。これにより、図25(b)に示すように、駆動部86の本体部86aからロッド86bが所定の方向(図25(b)の左方)に突出し、ロッド86bが進行位置をとる。これにより、加工部83の切込刃82がプラスチック製部材40のうち、容器本体10の胴部20に対応する位置に押し付けられる。このようにして、切込刃82により、プラスチック製部材40のうち、容器本体10の胴部20に対応する位置に切り込み部45が形成される。このように、切り込み部45がプラスチック製部材40のうち、容器本体10の胴部20に対応する位置に形成されることにより、切り込み部45を目立たせることができ、使用者が切り込み部45を容易に認識することができる。
また、この際、調整部材84がブロー成形後のプラスチック製部材40に当接し、プラスチック製部材40に対する切込刃82の押し込み量が調整される。すなわち、切込刃82がプラスチック製部材40のうち容器本体10の胴部20に対応する位置に押し付けられた際に、調整部材84の外側面84bがプラスチック製部材40のうち容器本体10の胴部20に対応する位置に当接する(図24参照)。これにより、切込刃82のプラスチック製部材40に対する押し込み量が調整される。そして、切込刃82の外側面84bからの突出量を予め調整しておくことにより、切込刃82によってプラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを抑制することができる。
次に、使用者が、レバー86cを回動させて、レバー86cを初期位置に戻す。これにより、図25(c)に示すように、駆動部86の本体部86aにロッド86bが引き込まれる。
そして、使用者が、加工装置80Aの容器保持部81から複合容器10Aを取り外す。このようにして、図25(d)に示すように、切り込み部45が形成された複合容器10Aが得られる。
以上説明したように、本実施の形態においても、加工部83により、プラスチック製部材40に対して切り込み部45を安定して形成することができるとともに、切込刃82によってプラスチック製部材40に対して切り込み部45を形成する際に、容器本体10に傷が付くことを抑制することができる。また、切り込み部45がプラスチック製部材40のうち、容器本体10の胴部20に対応する位置に形成されることにより、切り込み部45を目立たせることができ、使用者が切り込み部45を容易に認識することができる。
なお、上記実施の形態において、切り込み部45が胴部20の第1部分21のうち、首部13近傍に形成されている例について説明した。しかしながら、これに限られない。切り込み部45が形成される場所は任意であり、例えば、切り込み部45が胴部20の第2部分22のうち、底部30近傍に形成されていても良い。
また、上記実施の形態においても、直線形状の切り込み部45を形成した後に、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を加熱することにより、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を収縮させても良い。この場合、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40を加熱することにより、図26に示すように、切り込み部45周囲のプラスチック製部材40が収縮し、容器本体10の胴部20が露出する開口部46Aが形成される。図26に示す例においては、切り込み部45の輪郭は、正面視で、互いに離間する方向に窪む円弧形状を有している。これにより、プラスチック製部材40を容器本体10から分離させる際に、切り込み部45の上端および下端において、裂け目が生じやすくすることができる。このため、切り込み部45の上端または下端に裂け目を生じさせ、この裂け目を引き裂き線として、容器本体10からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。
また、上記実施の形態において、切り込み部45が直線形状を有する例について説明した。しかしながら、これに限らず、切り込み部45が円弧形状を有していても良い。この際、円弧形状の切込刃82を使用することにより、円弧形状を有する切り込み部45を形成することができる。また、例えば、複数の切り込み部45が形成されていても良い。複数の切り込み部45は、複数の切込刃82により形成されても良い。これにより、切り込み部45の形成工程を容易にすることができる。なお、単一の切込刃82をプラスチック製部材40に対して複数回押し付けることにより、複数の切り込み部45を形成しても良い。
また、図27に示すように、切り込み部45は、上下方向に沿って延びる複数の貫通孔47を含んでいても良い。この場合、例えば、図27に示すように、切り込み部45は、胴部20の第1部分21のうち、首部13近傍に形成されていても良い。なお、図示はしないが、切り込み部45は、胴部20の第2部分22のうち、底部30近傍に形成されていても良い。このような切り込み部45は、例えば、多数の刃を含む剣山形状の切込刃82を使用することにより、形成することができる。また、この場合、複数の貫通孔47が存在する領域の高さH2(上下方向に沿った長さ)は、7.0mm以上30.0mm以下であっても良い。複数の貫通孔47が存在する領域の高さH2が7.0mm以上であることにより、複数の貫通孔47を目立たせることができ、使用者が、切り込み部45を容易に認識することができる。また、複数の貫通孔47が存在する領域の高さH2が7.0mm以上であることにより、使用者が、切り込み部45をきっかけとして、容器本体10の表面からプラスチック製部材40を容易に分離除去することができる。また、複数の貫通孔47が存在する領域の高さH2が30.0mm以下であることにより、複数の貫通孔47が目立ちすぎることを抑制することができる。このため、複合容器10Aの意匠性が低下することを抑制することができる。
また、上記実施の形態において、切り込み部45が、切込刃82をプラスチック製部材40に押し付けることにより形成される例について説明した。すなわち、切り込み部45が、切込刃82を水平方向に沿ってプラスチック製部材40に押し付けることにより形成される例について説明した。しかしながら、これに限らず、切込刃82をプラスチック製部材40に対して上下方向に移動させることにより、切り込み部45が形成されても良い。
上記各実施の形態および変形例に開示されている複数の構成要素を必要に応じて適宜組合せることも可能である。あるいは、上記各実施の形態および変形例に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
10 容器本体
10A 複合容器
10a プリフォーム
20 胴部
30 底部
40、40a プラスチック製部材
45 切り込み部
50 ブロー成形金型
80 加工装置
80A 加工装置
81 容器保持部
82 切込刃
83 加工部
84 調整部材
89 回転規制部

Claims (14)

  1. 容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材と、を有する複合容器を保持する容器保持部と、
    前記容器保持部に保持された前記複合容器に対して進退可能に設けられ、前記複合容器の前記プラスチック製部材を貫通する切り込み部を形成する切込刃を有する加工部と、
    前記加工部に取り付けられ、前記プラスチック製部材に当接することにより、前記プラスチック製部材に対する前記切込刃の押し込み量を調整する調整部材と、を備える、加工装置。
  2. 前記調整部材は、前記切込刃に隣接して配置されている、請求項1に記載の加工装置。
  3. 前記加工部は、前記容器保持部に保持された前記複合容器に近接および離間する方向に沿って延びる第1回動軸線に対して回動自在に設けられている、請求項1または2に記載の加工装置。
  4. 前記切込刃は、円形状を有するとともに、前記第1回動軸線に直交する第2回動軸線に対して回転自在に設けられ、前記切り込み部を形成する際に、前記切込刃自身が前記第2回動軸線に対して回転する、請求項3に記載の加工装置。
  5. 前記調整部材は、円筒形状を有するとともに、前記第2回動軸線に対して回転自在に設けられ、前記切り込み部を形成する際に、前記調整部材自身が前記第2回動軸線に対して回転する、請求項4に記載の加工装置。
  6. 前記容器本体の回転を規制する回転規制部を更に備える、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の加工装置。
  7. 2つの前記調整部材を備え、
    前記加工部は、2つの前記切込刃を含み、
    各々の前記調整部材は、それぞれ異なる前記切込刃に隣接して配置されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の加工装置。
  8. 2つの前記調整部材を備え、
    一方の前記調整部材が、前記切込刃に隣接して配置されている、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の加工装置。
  9. 複合容器の製造方法において、
    プリフォームを準備する工程と、
    前記プリフォームの外側に、プラスチック製部材を設ける工程と、
    前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材に対してブロー成形金型を用いてブロー成形を施すことにより、前記プリフォームおよび前記プラスチック製部材を一体として膨張させ、前記プリフォームに対応する容器本体と、前記容器本体の外側に密着して設けられたプラスチック製部材とを形成する工程と、
    ブロー成形後の前記プラスチック製部材に対して、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の加工装置を用いて、前記プラスチック製部材を貫通する切り込み部を形成する工程と、を備え、
    前記切り込み部を形成する工程において、前記調整部材をブロー成形後の前記プラスチック製部材に当接させて、前記プラスチック製部材に対する前記切込刃の押し込み量を調整する、複合容器の製造方法。
  10. 前記切り込み部を形成する工程において、前記切り込み部は、前記切込刃を前記プラスチック製部材に押し付けながら、前記切込刃または前記容器本体を回動させることにより形成される、請求項9に記載の複合容器の製造方法。
  11. 前記切り込み部を形成する工程において、前記切り込み部は、前記切込刃を前記プラスチック製部材に押し付けることにより形成される、請求項9に記載の複合容器の製造方法。
  12. 前記切り込み部を形成する工程において、前記切り込み部は、前記プラスチック製部材のうち、前記容器本体の底部に対応する位置に形成される、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
  13. 前記切り込み部を形成する工程において、前記切り込み部は、前記プラスチック製部材のうち、前記容器本体の胴部に対応する位置に形成される、請求項9乃至11のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
  14. 前記切り込み部周囲のプラスチック製部材を加熱することにより、前記切り込み部周囲の前記プラスチック製部材を収縮させる工程を更に備える、請求項9乃至13のいずれか一項に記載の複合容器の製造方法。
JP2019058686A 2019-03-26 2019-03-26 加工装置および複合容器の製造方法 Active JP7287046B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019058686A JP7287046B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 加工装置および複合容器の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019058686A JP7287046B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 加工装置および複合容器の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020158148A true JP2020158148A (ja) 2020-10-01
JP7287046B2 JP7287046B2 (ja) 2023-06-06

Family

ID=72641531

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019058686A Active JP7287046B2 (ja) 2019-03-26 2019-03-26 加工装置および複合容器の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7287046B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020045170A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器
JP2020045169A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06106150A (ja) * 1992-06-11 1994-04-19 Alfill Getraenketechnik Gmbh 容器からラベルを剥離するための装置
JP2014176936A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Brother Ind Ltd カッタカートリッジ装置、調整治具、及び切断装置
JP2014226743A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 三星ダイヤモンド工業株式会社 カッタユニット、切断装置、切断方法及びホルダー
JP2020045170A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器
JP2020045169A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06106150A (ja) * 1992-06-11 1994-04-19 Alfill Getraenketechnik Gmbh 容器からラベルを剥離するための装置
JP2014176936A (ja) * 2013-03-15 2014-09-25 Brother Ind Ltd カッタカートリッジ装置、調整治具、及び切断装置
JP2014226743A (ja) * 2013-05-21 2014-12-08 三星ダイヤモンド工業株式会社 カッタユニット、切断装置、切断方法及びホルダー
JP2020045170A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器
JP2020045169A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020045170A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器
JP2020045169A (ja) * 2018-09-18 2020-03-26 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器
JP7284932B2 (ja) 2018-09-18 2023-06-01 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器
JP7316539B2 (ja) 2018-09-18 2023-07-28 大日本印刷株式会社 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器

Also Published As

Publication number Publication date
JP7287046B2 (ja) 2023-06-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7409528B2 (ja) 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器
JP7365592B2 (ja) 複合容器の製造方法、複合容器用製造装置および複合容器
JP7446701B2 (ja) 複合容器およびこの製造方法、ならびに複合容器の製造方法に用いる金型
JP2020158148A (ja) 加工装置および複合容器の製造方法
JP2016097530A (ja) 複合容器の製造装置、複合容器の製造方法、複合容器およびプラスチック製部材
JP2017036069A (ja) 複合容器、複合プリフォーム、複合容器の製造方法、およびプラスチック製部材
JP2017226217A (ja) 複合プリフォームおよびその製造方法ならびに複合容器およびその製造方法
JP2018043482A (ja) 複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材
JP2018043483A (ja) 複合プリフォーム、複合容器および複合プリフォームの製造方法
JP7298130B2 (ja) 内容物入り複合容器の製造方法および内容物入り複合容器
JP7116903B2 (ja) 複合容器およびその製造方法、複合プリフォームおよびその製造方法、ならびにプラスチック製部材
JP2017148963A (ja) ブロー成形プラスチックボトルの製造方法、ブロー成形プラスチックボトル、ブロー成形プラスチックボトル用金型、および表面部材
JP6907717B2 (ja) 複合プリフォームの製造方法および複合容器の製造方法
JP6868209B2 (ja) キャップ付き複合容器およびその製造方法
JP6776511B2 (ja) 複合容器の製造方法、複合プリフォームおよび複合容器
JP6701780B2 (ja) 複合プリフォームの製造方法および複合容器の製造方法
JP7148899B2 (ja) 複合容器の製造方法
JP7304000B2 (ja) 複合容器の製造方法および複合容器
JP6951690B2 (ja) ブロー成形方法、複合プリフォーム、複合容器およびプラスチック製部材
JP7097007B2 (ja) 複合容器の製造方法、複合プリフォームおよび複合容器
JP7081330B2 (ja) 複合プリフォーム中間体、複合プリフォーム中間体の製造方法、複合プリフォーム、複合プリフォームの製造方法および複合容器
JP7108972B2 (ja) 複合容器の製造方法、ブロー成形型、ブロー成形用転写シート、および複合容器
JP2018104051A (ja) 複合容器
JP7317463B2 (ja) 複合プリフォームおよびその製造方法、ならびに複合容器およびその製造方法
JP2022018385A (ja) 複合容器、複合容器の製造方法およびブロー成形型

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221226

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20230127

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230228

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230425

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230508

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7287046

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150