JP2020156391A - 血糖値上昇抑制用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】新規な血糖値上昇抑制用組成物を提供する。【解決手段】おからを有効成分とする血糖値上昇抑制用組成物。【選択図】図1

Description

本発明は、おからを有効成分とする血糖値上昇抑制用組成物に関する。
血液に含まれるブドウ糖は、生命の維持に欠かせないエネルギー源である。一方で、血液中の糖濃度(血糖値)が必要以上に高い状態(高血糖状態)が続くと、糖尿病を発症する原因となる。糖尿病に起因する種々の合併症は、患者のクオリティ・オブ・ライフを著しく低下させる。
高血糖状態は、様々な誘因が絡み合って引き起こされる。例えば、肥満、過食、運動不足、ストレス等が、高血糖を招く誘因として知られている。また、食後に血糖値が急激に上昇する、いわゆる食後高血糖は、これを繰り返すことで空腹時の慢性的な高血糖状態へと繋がり、糖尿病発症の原因となり得る。
高血糖を予防するためには、食事への配慮や運動が良いとされている。特に、食事の際に、糖質の選択、食材の組み合わせ等に配慮することは、食後の血糖値の急激な上昇を抑制するとされている(例えば、非特許文献1)。
しかしながら、外食文化が一般的となった現代社会において、日常的な食事の際に糖質の選択等を自ら行うことは容易ではない。
従来から、糖の吸収を抑える食品素材として、難消化性デキストリンをはじめとする水溶性食物繊維が知られている(非特許文献2)。水溶性食物繊維は、消化管内で水分を吸収し、その結果胃内容物が粘性を呈する。そして、胃内容物の消化管通過時間が長くなり、グルコースの吸収が緩やかになることで、血糖値の上昇が抑制されると考えられている(非特許文献2)。
一方、セルロース、ヘミセルロース、リグニン等の不溶性食物繊維は、一般に粘性を示さないことから、食後における血糖値上昇の抑制作用が弱いとされている(非特許文献3)。非特許文献4及び5には、不溶性食物繊維は血糖値上昇抑制効果を有しないとも記載されている。
ところで、おからは低糖質な食品素材として知られ、糖質制限ダイエットのために小麦粉などと置き換えられて摂取されることが多くなっている。大豆から豆腐を製造する過程で得られる通常のおからは、水分含有量が約75〜80%と高く、保存性に問題があることから、近年では乾燥おからの形態で提供されることが主流である。
また、おからは食物繊維を豊富に含む食品素材でもあり、その食物繊維のほとんどが不溶性食物繊維である。日本食品標準成分表2015年版(七訂)によれば、乾燥おからの水溶性食物繊維の含有量は、乾燥固形分あたり1.5%である。
これまでに知られている血糖値上昇抑制効果を示す食品素材としては、シュンライ、ファイバースノウ及びシルキースノウから選ばれる大麦の茎及び/又は葉の粉砕末等が挙げられる(特許文献1)。これら特定品種の大麦の茎葉の粉砕末を摂取することにより、食後の血糖値の急激な上昇を抑制することができ、さらに空腹時の血糖値を低下させることも期待できるとされている。
特許5866745号公報
「糖尿病サイト」、<平成31年1月15日検索、URL:http://www.club−dm.jp/prevention/hyperglycemia_006.html> 長崎女子短期大学紀要、第41号、4−8頁、2017年3月 「食品機能性の科学」、産業技術サービスセンター、484頁、2008年4月 日本栄養・食糧学会誌、第61巻、第1号、3−9頁、2008年 日本栄養・食糧学会誌、第36巻、第4号、301−303頁、1983年
本発明が解決しようとする課題は、新規な血糖値上昇抑制用組成物を提供することにある。
本発明者は鋭意研究努力の結果、おからに食後の血糖値の上昇を抑制する作用があることを見出した。
上述したように、従来、不溶性食物繊維は、食後の血糖値の上昇を抑制する作用を有するものと認識されていなかったため、おからがかかる作用を奏することの発見は、予期せぬものであった。
すなわち、上記課題を解決する本発明は、おからを有効成分とする血糖値上昇抑制用組成物である。
おからを有効成分とする本発明は、食後の血糖値の上昇を抑制する作用を奏する。そのメカニズムは定かでないが、おからの食物繊維成分の大部分を占める不溶性食物繊維の摂取によって、胃内容物の消化管通過時間が延長され、グルコースの吸収が緩やかになることが、食後における血糖値の上昇を抑制することに寄与するものと考えられる。
本発明の好ましい形態では、前記おからが乾燥おからである。
乾燥おからは風味に癖が少ないため、様々な食品へ添加して摂取することが可能である。また、おから中の成分が濃縮されていることから、少ない摂取量でも一定量の食物繊維を摂取することができる。
本発明の好ましい形態では、前記乾燥おからが、メジアン径100μm以下の粉末である。
粉末のメジアン径が100μm以下である本発明の乾燥おからは、優れた血糖値上昇抑制効果を奏する。また、本発明の乾燥おからは、粒子径が小さいため分散性が高い。
本発明の好ましい形態では、前記乾燥おからが、5重量%以下の水分含有量である。
水分含有量が小さい本発明の乾燥おからは、ペーストや生地に練り込んだ際に取り扱い易いものである。
本発明の好ましい形態では、前記乾燥おからを5重量%含む水分散液において、20℃における粘度が20mPa・s以下である。
一般に、粘度が高いと消化管通過時間が延長され、グルコースの吸収が緩やかになると考えられるところ、本発明の乾燥おからは、この予測に反して、粘度が低いにもかかわらず優れた血糖値上昇抑制効果が発揮される。
本発明は、飲食品の形態で提供されることが好ましい。
また、本発明は、食前又は食事と同時におからを摂取することを特徴とする、食事による血糖値上昇を抑制する方法にも関する。
本発明の血糖値上昇抑制用組成物によれば、おからを含有することにより、食後における血糖値の上昇を抑制することができる。また、付加的な効果として、本発明の血糖値上昇抑制用組成物は、様々な食品に添加して摂取することが可能であるとともに、少ない摂取量でも一定量の食物繊維を摂取することができる。さらに、ペーストや生地に練り込んだ際に取り扱い易いものである。
本発明に係る血糖値上昇抑制用組成物のラットへの投与後15分及び30分後における血中グルコース濃度を示すグラフである。
次に、本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の好ましい実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
[1.おから]
本発明は、おからを有効成分とする血糖値上昇抑制用組成物である。また、本発明は、食事による血糖値上昇を抑制する方法であって、食前又は食事と同時におからを摂取することを特徴とする方法にも関する。
本発明の方法に係るおからは、血糖値上昇抑制用組成物の有効成分であるおからを使用するものである。したがって、以下に説明するおからの特徴は、本発明の方法に係るおからに準用することができる。
本発明の有効成分であるおからには、食物繊維として不溶性食物繊維及び水溶性食物繊維が含まれる。不溶性食物繊維としては、セルロース、ヘミセルロース、リグニンを例示することができる。また、水溶性食物繊維としては、ペクチンを例示することができる。
上述したように、おからに含まれる食物繊維の大部分は、不溶性食物繊維である。日本食品標準成分表2015年版(七訂)によれば、生おから及び乾燥おからの水溶性食物繊維の含有量は、それぞれ0.4%及び1.5%(乾燥固形分)であるのに対し、不溶性食物繊維の含有量は、それぞれ11.1%及び42.1%(乾燥固形分)である。
本発明において、おからは、乾燥おからを使用することが好ましい。日本食品標準成分表2015年版(七訂)によれば、「乾燥おから」は、可食部100g当たりの水分含有量が7.1%以下とされている。本発明の「乾燥おから」には、このような水分含有量のものが広く含まれ、粒子径の違い等に応じた異なる名称の類似製品、例えばおからパウダー、粉おから、おから粉、大豆粉なども、本発明の「乾燥おから」に含まれる。
これらの乾燥おからは、市販されているものを適宜使用することができる。また、おから(生おから)を乾燥処理することで得ることもできる。乾燥処理の方法は特に制限されず、公知の何れの方法を用いてもよいが、例えば凍結乾燥、熱風乾燥、高圧蒸気乾燥などを例示することができる。
また、乾燥に供するおから(生おから)としては、豆腐や豆乳の製造時に得られるものであれば特に制限なく使用することができる。例えば、大豆を浸漬し、この浸漬大豆と水をグラインダーで磨砕し、生呉を調製した後、当該生呉を連続式煮釜により100℃、4分間蒸煮した後、絞り機により豆乳と分離して得たおからを使用することができる。
また、乾燥処理された乾燥おからは、粒度をさらに小さくするため、例えば分級処理により選別し、及び/又は粉砕処理により微粒子化することが好ましい。これらの処理は、目標とする粒子径に適した分級装置と粉砕装置を用いてそれぞれ別個に行ってもよいし、両者が一体化された装置を用いて行ってもよい。
粉砕処理については、粉砕物を乾燥状態で得ることができる観点から、乾式粉砕とすることが好ましい。例えば、クラッシャー、ミル、ブレンダー、石臼など公知の粉砕機を用いて粉砕処理を行うことができる。
このような処理を経て粉末化された乾燥おからのメジアン径(メディアン径)は、レーザー回折・散乱法を利用した粒度分布測定装置を用いて測定することができる。
例えば、マスターサイザー3000(Malvern Panalytical社製)を用いて粒度分布を測定する場合、測定条件は、分散媒:イソプロパノール、試料屈折率:1.70、分散媒屈折率:1.390、として、測定する際にはレーザー散乱強度が10%〜15%になるように試料濃度を調整することが好ましい。
本発明の乾燥おから粉末のメジアン径は、上記に例示される粒度分布測定装置を用いて測定した累積体積分布曲線における50%粒子径(d50)とすることができる。
上述の方法で測定される乾燥おからの粉末のメジアン径は、100μm以下となるように処理することが好ましく、95μm以下となるように処理することがより好ましく、90μm以下となるように処理することがさらに好ましい。
また、メジアン径と同様の方法で測定される乾燥おからの粉末の90%粒子径(d90)は、200μm以下となるように処理することが好ましく、150μm以下となるように処理することがより好ましく、100μm以下となるように処理することがさらに好ましい。
本発明の乾燥おからは、その粉末のメジアン径及び90%粒子径が上記の上限値以下である小さい粒子であっても、優れた血糖値上昇抑制効果が発揮される。
また、上述したように、本発明の乾燥おからは分散性が高く、液体やペーストと混合した際にだまを形成しにくいため、良好な食感が得られる。
同様に、乾燥おからの粉末のメジアン径は、10μm以上となるように処理することが好ましく、20μm以上となるように処理することがより好ましく、30μm以上となるように処理することがさらに好ましい。
また、乾燥おからの粉末の10%粒子径(d10)は、1μm以上となるように処理することが好ましく、2.5μm以上となるように処理することがより好ましく、5μm以上となるように処理することがさらに好ましい。
本発明の乾燥おからは、その粉末のメジアン径及び10%粒子径を上記の下限値以上とすることで、胃内へ供給された際の水分の吸着性が良好となり、優れた血糖値上昇抑制効果が発揮される。
本発明の乾燥おからの粉末の水分含有量は、加熱乾燥法により測定することができる。
本発明の乾燥おからは、上述の方法で測定されるその粉末の水分含有量が、5重量%以下となるように処理することが好ましく、4重量%以下となるように処理することがより好ましく、3重量%以下となるように処理することがさらに好ましい。
本発明の乾燥おからは、日本食品標準成分表2015年版(七訂)に示される基準値よりも少ない水分含有量に処理されたものである。そのため、ペーストや生地に練り込んだ際のべたつきが抑えられ、取り扱い易さがより向上する。
水溶性食物繊維を多く含む食品素材とは異なり、不溶性食物繊維が食物繊維成分の大部分を占めるおからは、水分を含んでも粘性が増大しにくいという特徴を有する。具体的には、本発明の乾燥おからを5重量%含む水分散液において、20℃における粘度は、好ましくは20mPa・s以下であり、より好ましくは10mPa・s以下であり、さらに好ましくは5mPa・s以下である。前記の水分散液の粘度は、音叉型振動式粘度計を用いて測定することができる(測定温度:20℃)。
[2.血糖値上昇抑制用組成物]
上述したように、本発明は、おからを有効成分とする血糖値上昇抑制用組成物である。また、本発明は、食事による血糖値上昇を抑制する方法であって、食前又は食事と同時におからを摂取することを特徴とする方法にも関する。
本発明の「血糖値上昇抑制」及び「血糖値上昇を抑制」は、特に食後において、血糖値の急激な上昇を抑制する作用、血糖値を低下ないし降下させる作用、糖の吸収を緩やかにする作用、高血糖状態を改善する作用などを指す。また、必ずしも正常値の範囲にまで血糖値がコントロールされる必要はなく、少なくとも上記の作用を示すものであればよい。
本発明の「食前」は、食事を開始する30〜60分前を目安とすることができる。「食事と同時」は、必ずしも食事を開始する時を指すものではなく、食事を摂取している間であればよい。
また、上述したように、本発明の方法に係るおからは、血糖値上昇抑制用組成物の有効成分であるおからを使用するものである。したがって、本発明の方法に係るおからは、以下に説明する血糖値上昇抑制用組成物の形態で摂取することが好ましい。
本発明の血糖値上昇抑制用組成物は、血糖値上昇抑制効果を有するため、血糖値上昇の抑制や糖尿病の予防、改善及び/又は治療のためのヒト若しくは動物用の血糖値上昇抑制用医薬組成物や血糖値上昇抑制用飲食品組成物として利用可能である。かかる飲食品組成物としては、健康食品、機能性食品、病者用食品、経腸栄養食品、特別用途食品、保健機能食品、調整粉乳、妊産婦又は授乳婦用粉乳等を例示することができる。当該飲食品組成物は、経口的又は非経口的に摂取することができる。
前記の飲食品組成物には、血糖値上昇の抑制又は高血糖状態の改善のために用いられる物である旨の表示を付してもよい。例えば、「血糖値が気になる方に」、「食後の血糖値が気になる方に」、「血糖値が気になりはじめた方に」、「血糖値スパイクが気になる方に」、「血糖値の上昇をおだやかにする」、「糖の吸収をおだやかにする」、「血糖値の急激な上昇を抑えたい方に」、「血糖値スパイクを抑えたい方に」、「血糖値を下げる」等の表示を付すことができる。
また、本発明の血糖値上昇抑制用組成物は、顆粒状又は粉末状のサプリメントの形態とすることができる。この場合、本発明の血糖値上昇抑制用組成物は、飲食品の原料と混合して摂取することもできるが、外食時などにも容易に摂取することが可能となる観点、及び/又は風味に癖が少なく良好な食感が得られるという観点から、本発明に特有の利点を活かす意味で、前記の形態として飲食品に添加するなどして付加的に摂取することが好ましい。
本発明の血糖値上昇抑制用組成物を添加することができる前記「飲食品」は、特に制限されるものではなく、液状、ペースト状、固体、粉末等、形態を問わずに適用することができる。このような飲食品としては、粉乳、加工乳、発酵乳、チーズ、クリーム等の乳製品;乳酸飲料、清涼飲料、炭酸飲料、栄養飲料、果汁飲料等の飲料;アイスクリーム、シャーベット、氷菓等の冷菓類;そば、うどん、スパゲッティ等の麺類;即席めん、レトルト食品、調理缶詰め、即席スープ、即席みそ汁、フリーズドライ食品等の即席食品;チョコレート、錠菓、ビスケット、ゼリー、ジャム、焼き菓子類等の菓子類;スープ、サラダ、パン;経腸栄養剤;機能性食品等を例示することができる。
本発明の血糖値上昇抑制用組成物に含まれる乾燥おからの摂取量は、ヒトが摂取する場合、一日当たり、通常50mg/kg体重以上、好ましくは100〜200mg/kg体重を目安とすることができる。
また、摂取は、食事のタイミングに合わせて1日に1回又は数回に分けて行うことができ、摂取期間は数日以上継続することが好ましい。
本発明の血糖値上昇抑制用組成物における乾燥おからの粉末の含有量の下限値は、乾燥重量として、1重量%以上であることが好ましく、10重量%以上であることがより好ましく、50重量%以上であることがさらに好ましい。
乾燥おからの粉末を上記の下限値以上含むことにより、優れた血糖値上昇抑制効果を得ることができる。
また、上限値は特に制限されるものではないが、乾燥重量として、100重量%以下であることが好ましく、95重量%以下であることがより好ましく、90重量%以下であることがさらに好ましい。
乾燥おからの粉末の含有量の上限値を上記となるよう調製することで、従来から血糖値上昇抑制効果を有することが知られている他の成分や、種々の食品添加剤を適宜配合することができる。
この場合、血糖値上昇抑制効果が公知である他の成分として、水溶性食物繊維を配合することが好ましい。水溶性食物繊維は、高粘性又は低粘性の何れのものを使用することもできる。このような水溶性食物繊維としては、血糖値上昇抑制効果を有することが知られているものであれば特に制限されず、難消化性デキストリン、ポリデキストロース、イヌリン、グァーガム分解物、ペクチン、グルコマンナン、βグルカン、アルギン酸塩、グァーガム、寒天などを好適に例示することができる。これらの1又は複数を配合することも可能である。
このように、本発明の血糖値上昇抑制用組成物に、従来から血糖値上昇抑制効果を有することが知られている水溶性食物繊維をさらに配合することで、血糖値上昇抑制効果をより向上させることができる。
また、本発明の血糖値上昇抑制用組成物は、有効成分であるおからに加えて、任意の食品添加剤を含んでもよい。例えば、甘味料、着色料、保存料、増粘剤、安定剤、酸化防止剤、酸味料、香料、膨張剤、乳化剤、矯味剤、栄養強化剤などを例示することができる。その中でも、本発明の血糖値上昇抑制用組成物を経口的に摂取する際の摂取のし易さの観点、及び/又は血糖値上昇抑制効果を向上させる観点から、甘味料、増粘剤、安定剤、香料、膨張剤、乳化剤の1又は複数を含有することが特に好ましい。これらの含有量は、本発明の効果を妨げない範囲で適宜決定することができる。
乾燥おから粉末が顕著な血糖値上昇抑制効果を示すことを以下の通り実証した。
(1)乾燥おから粉末の調製
豆腐製造時に、大豆を絞って豆乳を調製する際の副産物として得たおからを凍結させた。その後、乾燥粉砕機を用いて、80〜100℃の雰囲気下にて水分量が2〜3重量%となるように乾燥処理を行うとともに、粉砕処理を行った。マスターサイザー3000(Malvern Panalytical社製)を用いて得られた乾燥おから粉末の粒度分布を測定したところ、メジアン径(d50)及び90%粒子径(d90)は共に100μm以下であった。
(2)サンプル調製
上記(1)の手順により得られた乾燥おから粉末、及びグルコースを、投与量がそれぞれラットの体重kgあたり300mg、及び2gとなるように純水に懸濁、溶解して被験試料とした。一方、グルコースのみを投与量がラットの体重kgあたり2gとなるように純水に溶解したものをコントロール試料とした。また、この乾燥おから粉末を5重量%含む水分散液を調製し、音叉型振動式粘度計を用いて20℃における粘度を測定したところ、粘度は20mPa・s以下であった。
(3)血糖値上昇抑制効果評価試験
CD(SD)ラット(日本チャールスリバー社製)を導入し、6週齢に到達後、試験に供した。体重層別化無作為抽出法により、平均体重が均等になるよう、1群10匹として、2群に群分けした。16時間絶食させた後、各ラットの尾静脈より採血し、実験動物用血中グルコース濃度測定装置ラボグルコ(ForaCare社製)を用いて投与前(0分)の血糖値を測定した。次いで、各ラットに、被験試料又はコントロール試料を投与容量がそれぞれ5mL/kg体重となるようにゾンデを用いて経口投与し、投与15分後及び30分後に血糖値を測定した。結果を図1及び表1に示す。なお、被験試料を投与した群を実施例1、コントロール試料を投与した群を比較例1とした。
(4)試験結果
図1から、本発明の乾燥おから粉末を含む糖液を摂取した実施例1のラットは、糖液のみを摂取した比較例1のラットに比べ、投与15分後及び30分後における血糖値の上昇が有意に抑制されたことがわかる。また、表1において、値は、10匹の平均値±標準偏差を示す。
以上の結果は、本発明の有効成分であるおからが、食後における急激な血糖値の上昇を抑制する効果を有することを示している。また、食前又は食事と同時におからを摂取することで、食事による血糖値の上昇を抑制することが可能であることも示している。
本発明によれば、新規な血糖値上昇抑制用組成物を提供することができる。



Claims (7)

  1. おからを有効成分とする、血糖値上昇抑制用組成物。
  2. 前記おからが乾燥おからである、請求項1に記載の血糖値上昇抑制用組成物。
  3. 前記乾燥おからが、メジアン径100μm以下の粉末である、請求項2に記載の血糖値上昇抑制用組成物。
  4. 前記乾燥おからが、5重量%以下の水分含有量である、請求項2又は3に記載の血糖値上昇抑制用組成物。
  5. 前記乾燥おからを5重量%含む水分散液において、20℃における粘度が20mPa・s以下である、請求項2〜4の何れか一項に記載の血糖値上昇抑制用組成物。
  6. 飲食品である、請求項1〜5の何れか一項に記載の血糖値上昇抑制用組成物。
  7. 食事による血糖値上昇を抑制する方法であって、食前又は食事と同時におからを摂取することを特徴とする、方法。

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