JP2020156212A - 車上装置及び列車制御システム - Google Patents

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【課題】緊急停止指令に対応して、列車をより安全な位置で自動的に停止させる車上装置及び列車制御システムを提供する。【解決手段】車上装置10は、列車2に搭載され走行を制御し、緊急停止指令が発せられると列車2を停止させる。停止禁止区間で列車2が停止又はそのおそれがある場合、警報を作動させる。緊急停止指令の要因に関する情報に基づき、列車2を停止禁止区間で停止させた方が安全であると判断したときは、警報の作動を休止したうえで列車2を停止禁止区間で停止させ、緊急停止指令が解除された後または列車2が停止禁止区間を出た後に、警報の作動休止を解除する。【選択図】図4

Description

本発明は、列車の走行を制御する車上装置及び列車制御システムに関し、特に、緊急停止指令に対応した走行制御が可能な車上装置及び列車制御システムに関する。
特許文献1には、例えば、エアセクションなどの線路設備に基づく停止回避区間で列車が停車するのを避けるように、速度照査パターンにおける停止目標点を設定するようにした列車制御装置が開示されている。具体的に、この列車制御装置は、停止回避区間の前方に停止限界点が設定されている場合に、列車が停止回避区間を避けて停止限界点で停車できるか否かを判定し、停車できる場合は停止限界点を速度照査パターンにおける停止目標点に設定し、停車できない場合は停止回避区間の手前に停止目標点を設定する。これにより、列車が停止回避区間で停車することを避け、エアセクションでの停車による架線の損傷などを防止できるようにしている。
特許第6077270号公報
ところで、列車の走行制御においては、例えば、火災、水害、地震、土砂崩れ、大雪などの災害の発生に起因する緊急停止指令が発せられた場合に、その災害の発生状況に応じて列車を安全な場所に停止させることが重要になる。緊急停止指令に従って列車を緊急停止させる際、前述したようなエアセクションなどの停止禁止区間での停止は避けられるべきであるが、列車の走行状態や災害の発生状況によっては、停止禁止区間で列車を緊急停止させた方が乗客の安全にとって有効な場合もあり得る。
例えば、停止禁止区間の前方で発生した沿線火災に起因する緊急停止指令が発せられ、そのタイミングで停止禁止区間の手前を走行する列車を緊急停止させようとした場合を想定すると、列車が停止禁止区間に進入してしまう前に、停止禁止区間の手前で列車を停止させることが可能な状況であれば特に問題は生じない。しかし、停止禁止区間への列車の進入が不可避な状況のとき、従来の走行制御では、停止禁止区間を通過するまで列車を走行させた後に、停止禁止区間の前方で列車を停止させることが要求される。このとき、沿線火災の現場付近に列車が緊急停止することになると列車への延焼の可能性が生じてしまい、停止禁止区間での停止を回避したことがかえって危険な状況を招くおそれがある。このような状況は、沿線火災だけに限らず、水害や土砂崩れ等により軌道が塞がれた場合にも、停止禁止区間の前方と被災現場との間に列車を停止させるスペースが無ければ脱線等の可能性が生じ、沿線火災の場合と同様な危険な状況を招き得る。
上記のような緊急停止指令に対応した列車の走行制御は、鉄道の自動運転レベルを定めた基準であるGoA(Grades of Automation)において、レベル1〜2(GoA1〜GoA2)では運転士の判断により手動で危険を回避することができ、また、レベル4(GoA4)ではオペレータによる遠隔制御により危険を回避可能なシステムが構築されている。しかしながら、レベル3(GoA3)では、運転操作を行わない乗務員がドアの開閉のみを行い(運転は自動)、緊急時には、その乗務員が列車を停止させるための操作を行うものの、ブレーキ力の調整や再加速の操作まではできないようになっている。このため、状況に応じて危険を回避し安全な位置に列車を緊急停止させることは難しく、停止位置によっては危険性が増してしまう可能性もある。
本発明は上記の点に着目してなされたもので、緊急停止指令に対応して列車をより安全な位置で自動的に停止させることのできる車上装置及び列車制御システムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため本発明の一態様は、列車に搭載され、前記列車の走行を制御すると共に停止禁止区間で前記列車が停止し又はそのおそれがある場合に警報を作動させる車上装置を提供する。この車上装置は、緊急停止指令によって前記列車を前記停止禁止区間で停止させる必要が生じた場合、前記警報の作動を休止した上で前記列車を前記停止禁止区間で停止させ、前記緊急停止指令が解除され又は前記列車が前記停止禁止区間を出た後に前記警報の作動の休止を解除する。
また、上記の車上装置は、前記緊急停止指令が与えられた時の前記列車の走行状態に関する情報と前記停止禁止区間の位置に関する情報とに基づき前記列車を前記停止禁止区間の手前で停止させることが可能か否かを判定し、停止可能な場合には、前記列車を前記停止禁止区間の手前で停止させ、停止不可能な場合には、前記緊急停止指令の要因に関する情報に基づき前記停止禁止区間の前方よりも前記停止禁止区間で停止させた方が安全であると判断したとき、前記警報の作動を休止した上で前記列車を前記停止禁止区間で停止させるようにしてもよい。
本発明に係る列車制御システムの一態様は、上記の車上装置と、前記列車の走行環境を監視し、前記緊急停止指令の要因となる事象を検知すると、前記緊急停止指令と前記事象の発生位置及び内容を含む情報とを生成して前記車上装置に伝える監視装置と、を含む。
上記のような本発明に係る車上装置及び列車制御システムによれば、緊急停止指令に対応して、停止禁止区間を含めたより安全な位置で列車を自動的に停止させることが可能になる。
本発明の一実施形態に係る列車制御システムの概略構成を示すブロック図である。 上記の実施形態における緊急停止指令に対応した一連の動作を示すフローチャートである。 上記の実施形態において、停止禁止区間の手前で列車を緊急停止させる場合の走行制御の推移の一例を示す概念図である。 上記の実施形態において、停止禁止区間内で列車を緊急停止させる場合の走行制御の推移の一例を示す概念図である。 上記の実施形態において、停止禁止区間の前方で列車を緊急停止させる場合の走行制御の推移の一例を示す概念図である。 上記の実施形態に関連して、車上火災に起因した緊急停止指令が与えられた場合の走行制御の推移の一例を示す概念図である。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る列車制御システムの概略構成を示すブロック図である。図1において、本実施形態の列車制御システム1は、列車2に搭載された車上装置10と、地上側に設置された地上装置30と、を備えて構成される。
車上装置10は、例えば、走行情報検出部11、車上側通信部12、記憶部13、車上側監視部14、警報出力部15、表示部16、及び車上側制御部17を備える。
走行情報検出部11は、列車2に搭載された速度発電機やトランスポンダなどを利用して、列車2の現在の速度及び位置を含んだ走行状態に関する情報(以下、「走行情報」と呼ぶ)を検出し、その走行情報を車上側制御部17に出力する。
車上側通信部12は、列車2に搭載された無線通信機器を利用して、地上装置30から無線通信により送信される情報を受信して車上側制御部17に伝えると共に、車上側制御部17から出力される情報を無線通信により地上装置30に向けて送信する。
記憶部13は、列車2のブレーキ性能及び編成長に関する情報を含んだ列車情報と、列車2が走行する路線3の設備及び停止禁止区間の位置に関する情報を含んだ路線情報とをデータベースとして記憶している。停止禁止区間の具体例としては、エアセクションやデッドセクション、踏切道、火災発生時のトンネル内、地震発生時の橋梁上などに該当する区間が挙げられる。上記データベースへの情報の登録及び更新は、列車2に搭載された入力装置(図示省略)を使用して実施するか、或いは、地上装置30から送信される列車情報及び路線情報を車上側通信部12経由で受信して車上側制御部17により実施することが可能である。
車上側監視部14は、列車2に搭載されたカメラや各種センサなどを利用して、列車2の走行方向の前方及び自列車上を監視し、緊急停止指令の要因となる事象を検知すると、緊急停止指令を生成して車上側制御部17に与える。また、車上側監視部14は、その検知した事象の発生位置及び内容に関する情報を車上側制御部17に与えることも可能である。緊急停止指令の要因となる事象の具体例としては、火災、水害、地震、土砂崩れ、大雪等の災害の発生や、踏切、駅ホーム等での非常停止ボタンの押下などが挙げられる。
警報出力部15は、列車2が停止禁止区間で停止し又はそのおそれがある場合に警報を作動させて運転士若しくは乗務員に注意喚起する。この警報出力部15は、車上側制御部17からの切替信号に従って、警報のオンオフ、即ち、警報の作動を可能な状態にするか、警報の作動を休止した状態にするかを切り替えることが可能である。
表示部16は、列車2の運転台等に備えられた表示機器を利用して、運転士若しくは乗務員に対し、制限速度や緊急停止指令の有無、停止禁止区間への接近予告、停止禁止区間の通過中/停止中などの情報を表示する。
車上側制御部17は、走行情報検出部11で検出された走行情報と、記憶部13のデータベースに登録された列車情報及び路線情報とに基づき、速度照査パターンを逐次生成して速度照査を行い、速度超過時にはブレーキを作動させて列車2の走行状態を制御する。この速度照査パターンを生成する際に用いた自列車の速度及び位置に関する情報は、車上側通信部12を介して地上装置30にも送信される。
また、車上側制御部17は、車上側監視部14及び/又は地上装置30の後述する地上側監視部32からの緊急停止指令が与えられると、その緊急停止指令によって列車2を停止禁止区間で停止させる必要が生じた場合に、警報出力部15に切替信号を送り警報の作動を休止させた上で、列車2を停止禁止区間で停止させる制御を行う。そして、車上側制御部17は、上記緊急停止指令が解除されるか、又は自列車が停止禁止区間を出た後に、警報出力部15に切替信号を送り警報の作動の休止を解除して、通常時の走行制御に戻る。なお、車上側制御部17による列車2の走行制御に関する具体的な内容については後で詳しく説明する。
地上装置30は、例えば、地上側通信部31、地上側監視部32及び地上側制御部33を備える。
地上側通信部31は、列車2が走行する路線3の沿線に設置された無線通信機器を利用して、列車2の車上装置10から無線通信により送信される情報を受信して地上側制御部33に与えると共に、地上側制御部33から出力される情報を無線通信により車上装置10に向けて送信する。
地上側監視部32は、路線3の沿線に設置されたカメラや各種センサなどを利用して所定の領域を監視し、緊急停止指令の要因となる事象を検知すると、緊急停止指令を生成して地上側制御部33に与える。また、地上側監視部32は、その検知した事象の発生位置及び内容に関する情報を地上側制御部33に与えることも可能である。なお、本実施形態では車上側及び地上側の双方に監視部14,32を配置する構成例を示したが、車上側及び地上側のいずれか一方に監視部を設けて緊急停止指令の要因となる事象の検知を行うことも可能である。
地上側制御部33は、路線3上に在線する複数の列車の車上装置10からそれぞれ送信される自列車の速度及び位置に関する情報を地上側通信部31経由で受信し、その受信情報を基に各列車の走行状態を認識する。そして、地上側制御部33は、各々の列車についての停止限界点、具体的には、先行列車の編成最後尾の位置を停止限界点に定め、その停止限界点に関する情報を地上側通信部31経由で対応する列車の車上装置10に向けて送信する。また、地上側制御部33は、地上側監視部32から与えられた緊急停止指令とその要因となった事象の発生位置及び内容に関する情報とを地上側通信部31経由で各列車の車上装置10に送信する。
次に、本実施形態の列車制御システム1の動作について説明する。
まず、緊急停止指令が発せられていない通常の運行状況における動作について簡単に説明する。
通常の運行状況において、列車2の車上装置10では、走行情報検出部11により現在の走行情報が検出されて車上側制御部17に伝えらえる。車上側制御部17では、列車2の現在位置を基に走行方向の前方にある停止限界点が探索される。この停止限界点の探索は、記憶部13のデータベースに路線情報として登録されている軌道終端や進路未開通区間などの固定的な停止限界点や、地上装置30から送信される先行列車の編成最後尾の位置などの移動する停止限界点を対象として行われる。
次いで、車上側制御部17では、記憶部13のデータベースに登録されている路線情報を参照して、列車2の現在位置に最も近い停止限界点の手前に停止禁止区間が存在するか否かが判定される。停止禁止区間が存在しない場合には、上記停止限界点を停止目標点に設定して速度照査パターンが生成され、その速度照査パターンに従って列車2の走行状態が制御される。一方、停止禁止区間が存在する場合には、上記停止限界点で列車2を停止させた場合に列車2が停止禁止区間を通過可能か否かが判定される。この判定は、列車2の編成長や停止禁止区間から停止限界点までの距離などの情報を基に行うことが可能である。
列車2が停止禁止区間を通過可能な場合には、上記停止限界点を停止目標点に設定して速度照査パターンが生成され、その速度照査パターンに従って列車2の走行状態が制御される。一方、列車2が停止禁止区間を通過不可能な場合、つまり、列車2の一部が停止禁止区間に停止することが予想される場合には、その停止禁止区間の手前に停止目標点を設定して速度照査パターンが生成され、その速度照査パターンに従って列車2の走行状態が制御される。上記のような走行状態の制御が行われることにより、通常の運行状況において列車2は停止禁止区間を避けた場所に停止するようになる。
次に、緊急停止指令が発せられている場合の動作について、図2のフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
本実施形態の列車制御システム1では、列車2の車上装置10に設けられた車上側監視部14により列車2の走行方向の前方及び自列車上が監視されると共に、地上装置30に設けられた地上側監視部32により路線3の沿線の所定領域が監視され、車上側監視部14又は地上側監視部32で緊急停止指令の要因となる事象が検知されると、緊急停止指令と当該事象の発生位置及び内容に関する情報とが、車上装置10の車上側制御部17に与えられる。このとき、車上装置10の表示部16には緊急停止指令を示す表示が行われる。
緊急停止指令を受けた車上側制御部17は、図2のステップS10において、走行情報検出部11により検出される現在の走行状態(速度及び位置)から最大減速度で制動した場合の停止可能位置を算出する。続くステップS20で車上側制御部17は、記憶部13のデータベースに登録されている路線情報を参照して、自列車の現在位置より走行方向の前方にある停止禁止区間を特定し、その停止禁止区間の位置情報とステップS10で算出した停止可能位置とに基づき、停止禁止区間の手前で自列車を停止させることが可能か否かを判定する。停止可能な場合には(Yes)ステップS30に進み、停止不可能な場合には(No)ステップS40に移る。
図3は、停止禁止区間の手前で列車2を停止させることが可能な場合の一例を示した概念図である。一方、図4及び図5は、停止禁止区間の手前で列車2を停止させることが不可能な場合の一例を示した概念図である。ここでは例えば、列車2の現在位置より走行方向(白抜き矢印)の前方にある停止禁止区間(斜線部分)の前方において、緊急停止指令の要因となる事象(白抜きばつ印)が発生した場合を想定する。図3〜図5の上段に示した状態は、上記ステップS20の判定時に対応しており、緊急停止指令が与えられた時の列車2の位置と停止禁止区間の位置との相対的な関係の違いにより、算出した停止可能位置(黒三角印)が、図3では停止禁止区間の手前になり、図4及び図5では停止禁止区間内になっている。
停止禁止区間の手前で列車2を停止させることが可能な場合(図3)、図2のステップS30で車上側制御部17は、ブレーキを制御して停止禁止区間の手前で列車2を停止させる。図3の中段は、列車2が停止禁止区間の手前で緊急停止した状態を示している。なお、この状態において車上装置10の警報出力部15は、通常の運行状況のときと同様に警報の作動が可能な状態にある。また、車上装置10の表示部16には、緊急停止指令の表示と共に停止禁止区間への接近予告が表示される。
一方、停止禁止区間の手前で列車2を停止させることが不可能な場合(図4及び図5)、図2のステップS40で車上側制御部17は、列車2を停止禁止区間の前方で停止させるよりも停止禁止区間内で停止させる方が安全かどうかの判定を行う。この判定は、緊急停止指令の要因となった事象の発生位置及び内容に基づき、停止禁止区間が設定されている事由も適宜考慮して、停止位置の安全性を比較することにより行われる。
上記判定について、具体的に例えば、緊急停止指令の要因となった事象が沿線火災であり、その発生位置が停止禁止区間の比較的近くにあるような状況を想定する。このような状況において、沿線火災の発生位置と停止禁止区間の前端部との間のスペースが列車2の編成長以上であった場合、停止禁止区間を通過するまで列車2を走行させた後に、沿線火災の発生位置の手前で列車2を停止させることが可能である。しかし、この場合に列車2の編成長に対して上記スペースに余裕がなく、列車2の先頭車両が火災現場の間近で停止せざるを得ない状況であれば、列車2への延焼の可能性が生じる。この延焼の可能性に対して、停止禁止区間が例えばエアセクションにより設定されているものであれば、停止禁止区間内に列車2を停止させることで架線の損傷などの可能性は生じるものの、乗客の安全性は延焼の可能性と比べて高いと考えられるので、停止禁止区間内での停止が判定される。一方、列車2の編成長に対して上記スペースにある程度余裕があり、停止禁止区間の前方で列車2を停止させたとしても列車2への延焼の可能性が低ければ、停止禁止区間の前方での停止が判定される。
また例えば、緊急停止指令の要因となった事象が沿線での水害や土砂崩れ等により軌道が塞がれてしまったような状況を想定すると、この被災現場に列車2が進入してしまうことはあってはならない。このような状況では、被災現場と停止禁止区間の前端部との間のスペースに列車2を確実に停止させることが可能であると判断できる場合を除いて、停止禁止区間内での停止が判定される。
上記のようにしてステップS40の判定を行い、停止禁止区間内で列車2を停止させる方が安全な場合には(Yes)、続くステップS50で車上側制御部17は、警報出力部15に切替信号を送り警報の作動を休止させる。これにより、列車2が停止禁止区間に進入しても警報が作動することはない。そして、ステップS60で車上側制御部17は、ブレーキを制御して停止禁止区間内で列車2を停止させる。図4の中段は、警報の作動を休止させた上で、列車2が停止禁止区間で緊急停止した状態を示している。このとき、車上装置10の表示部16には、緊急停止指令の表示と共に停止禁止区間に停止中の表示が行われる。
一方、停止禁止区間の前方で列車2を停止させる方が安全な場合には(ステップ40のNo)、ステップS70に移って車上側制御部17は、ブレーキを制御して停止禁止区間の前方で列車2を停止させる。このとき、列車2が停止禁止区間を走行中は、警報出力部15による警報が作動可能な状態にあり、表示部16には緊急停止指令の表示と共に停止禁止区間を通過中の表示が行われる。そして、列車2の最後尾が停止禁止区間を通り過ぎ、列車2の先頭車両が緊急停止指令の要因となった事象の発生位置の手前で停止する。表示部16には緊急停止指令の表示が継続して行われる。図5の中段は、列車2が停止禁止区間の前方で緊急停止した状態を示している。
上記ステップS10〜ステップS70の一連の処理により、緊急停止指令に対応して停止禁止区間を含めたより安全な位置で列車2を停止させる制御が完了すると、続くステップS80で車上側制御部17は、緊急停止指令が解除されたか否かを判定する。この判定は緊急停止指令が解除されるまで繰り返される。緊急停止指令の解除が判定されると、続くステップS90で車上側制御部17は、警報出力部15による警報の作動が休止状態にあるか否かを判定し、休止状態にある場合には、ステップS100で警報出力部15に切替信号を送り、警報の作動の休止を解除させる。
そして、緊急停止指令が解除された後に警報が作動可能な状態になると、車上側制御部17は、通常の運行状況のときと同様にして列車2の走行を再開させる。図3〜図5の下段は、緊急停止指令の解除後に列車2の走行が再開された状態をそれぞれ示している。図3及び図4の下段に示した状態において、列車2が停止禁止区間を走行中は警報出力部15による警報が作動すると共に、表示部16には停止禁止区間を通過中の表示が行われる。
なお、ここでは緊急停止指令が解除された後に警報の作動の休止を解除する一例を説明したが、列車2が停止禁止区間の手前若しくは停止禁止区間内で停止していた場合、その列車2が緊急停止指令の解除により走行を再開して停止禁止区間を出た後に、警報の作動の休止を解除するようにしてもよい。緊急停止指令が解除されたことを契機に警報を作動可能にするか、列車2が停止禁止区間を出たことを契機に警報を作動可能にするかは、当該システムに対する要求に応じて適宜に選択することが可能である。
上述したように本実施形態の列車制御システム1によれば、列車2の車上装置10に緊急停止指令が与えられたとき、通常は停止を回避しなければならない停止禁止区間内も含めて、より安全な位置で列車2を緊急停止させるべく、警報の作動状態の切り替えとブレーキの制御とが自動的に行われるようになり、列車2の乗客の安全性が向上する。このような列車制御システム1をGoA3で運行される列車の走行制御に適用すれば、運転操作を行わない係員だけの乗務であっても、緊急時に状況に応じた適切な位置に列車を停止させることが可能になる。
なお、上述した実施形態では、緊急停止指令の要因となる事象が停止禁止区間の前方で発生した場合について説明したが、これ以外にも例えば図6に示すように、列車2の車上で発生した火災に起因して緊急停止指令が発せられた場合も本発明は有効である。
この場合、車上装置10の車上側監視部14により車上火災が検知されることで車上側制御部17に緊急停止指令が与えられる。車上側制御部17では、停止可能位置が算出され、停止禁止区間の手前で列車2を停止させることが可能か否かの判定が行われる。図6の上段に示した例では、停止禁止区間の手前での停止は不可能な状況であるため、停止禁止区間の前方、及び停止禁止区間内のいずれで列車2を停止させた方が安全かの判定が行われる。
このとき、停止禁止区間が設定されている事由が例えばトンネル内に該当することであったとすると、そのような停止禁止区間内で車上火災が発生している列車2を停止させることがあってはならないため、停止禁止区間の前方、即ち、トンネルを抜けた先の安全な場所で列車2を停止させるようにブレーキの制御が行われる(図6の中段)。列車2が緊急停止すると乗客の降車又は避難が行われ、消火作業等により緊急停止指令が解除されると列車の走行が再開される(図6の下段)。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて更なる変形や変更が可能である。
1…列車制御システム、2…列車、3…路線、11…走行情報検出部、12…車上側通信部、13…記憶部、14…車上側監視部、15…警報出力部、16…表示部、17…車上側制御部、30…地上装置、31…地上側通信部、32…地上側監視部、33…地上側制御部

Claims (5)

  1. 列車に搭載され、前記列車の走行を制御すると共に停止禁止区間で前記列車が停止し又はそのおそれがある場合に警報を作動させる車上装置であって、
    緊急停止指令によって前記列車を前記停止禁止区間で停止させる必要が生じた場合、前記警報の作動を休止した上で前記列車を前記停止禁止区間で停止させ、前記緊急停止指令が解除され又は前記列車が前記停止禁止区間を出た後に前記警報の作動の休止を解除する、車上装置。
  2. 前記緊急停止指令が与えられた時の前記列車の走行状態に関する情報と前記停止禁止区間の位置に関する情報とに基づき前記列車を前記停止禁止区間の手前で停止させることが可能か否かを判定し、
    停止可能な場合には、前記列車を前記停止禁止区間の手前で停止させ、
    停止不可能な場合には、前記緊急停止指令の要因に関する情報に基づき前記停止禁止区間の前方よりも前記停止禁止区間で停止させた方が安全であると判断したとき、前記警報の作動を休止した上で前記列車を前記停止禁止区間で停止させる、
    請求項1に記載の車上装置。
  3. 請求項2に記載の車上装置と、
    前記列車の走行環境を監視し、前記緊急停止指令の要因となる事象を検知すると、前記緊急停止指令と前記事象の発生位置及び内容を含む情報とを生成して前記車上装置に伝える監視装置と、
    を含む、列車制御システム。
  4. 前記監視装置は、前記列車に搭載され、前記列車の走行方向の前方及び車上を監視する車上側監視部を備える、請求項3に記載の列車制御システム。
  5. 前記監視装置は、地上に配置され、前記列車が走行する路線沿線の所定の領域を監視する地上側監視部を備える、請求項3又は4に記載の列車制御システム。
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