以下に、本発明の各実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(表示装置の構成)
図1は、本実施形態に係る表示装置の一構成例を示すブロック図である。図1に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、表示部10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出部40とを備えている。表示装置1は、表示部10がタッチ検出機能を内蔵した表示装置である。表示部10は、表示素子として液晶表示素子を用いている表示パネル20と、タッチ入力を検出するタッチ検出装置であるタッチパネル30とを一体化した装置である。なお、表示部10は、表示パネル20の上にタッチパネル30を装着した、いわゆるオンセルタイプの装置であってもよい。また、表示パネル20は、例えば、有機EL表示パネルであってもよい。
表示パネル20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行う表示装置である。
制御部11は、表示パネル20による画像の表示動作と、タッチパネル30によるタッチ検出動作とを制御する。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、及びタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して、または同期しないで動作するように制御する回路である。制御部11は、表示パネル制御部11Cと、タッチパネル制御部11Dとを含む。表示パネル制御部11Cが、表示パネル20の表示動作を主に制御し、タッチパネル制御部11Dが、タッチパネル30のタッチ検出動作を主に制御する。なお、制御部11は、後述の制御を行うCPU(Central Processing Unit)であってもよい。
ゲートドライバ12は、制御部11の表示パネル制御部11Cから供給される制御信号(垂直同期信号Vsync、水平同期信号Hsync)に基づいて、表示部10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
ソースドライバ13は、制御部11の表示パネル制御部11Cから供給される制御信号及び画素信号Vpixに基づいて、表示部10の、後述する各副画素SPixに画素信号Vpixを供給する回路である。
駆動電極ドライバ14は、制御部11のタッチパネル制御部11Dから供給される制御信号(垂直同期信号Vsync、タッチ検出同期信号Vsvd)に基づいて、表示部10の、後述する駆動電極Txに駆動信号Vcomを供給する回路である。
タッチパネル30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、外部の導体の接触または接近を検出する。タッチパネル30は、外部の導体の接触または接近を検出した場合、タッチ検出信号Vdetを出力する。
タッチ検出部40は、制御部11のタッチパネル制御部11Dから供給される制御信号と、タッチパネル30から供給されるタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチパネル30に対するタッチの有無を検出する回路である。また、タッチ検出部40は、タッチがある場合においてタッチ入力が行われた座標などを求める。このタッチ検出部40は、タッチ検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを備える。
上述のように、タッチパネル30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作する。ここで、図2を参照して、本実施形態の表示装置1の静電容量型タッチ検出方式の基本原理について説明する。図2は、タッチパネルの動作を説明するための図である。タッチパネル30は、静電容量式のタッチセンサであり、駆動電極Txとタッチ検出電極Rxを有する。駆動電極Txとタッチ検出電極Rxとは、誘電体Dを挟んで互いに対向配置され、容量素子C1を形成する。駆動電極Txは、駆動電極ドライバ14からタッチ駆動信号Vcomtが供給される。タッチ駆動信号Vcomtは、所定の周波数(例えば、数kHz〜数百kHz程度の周波数)の交流矩形波である。タッチ検出電極Rxは、タッチ検出部40に接続されている。タッチ検出部40は、電圧検出部DETを含み、電圧検出器DETは、例えば、後述するタッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。電圧検出器DETは、タッチ駆動信号Vcomtに応じた電流の変動を電圧の変動に変換する。また、タッチ検出部40は、検出対象物(指又はスタイラス等)が形成する容量素子C2によって生じる変動に基づいて、検出対象部の接触又は近接を判定する。
なお、電圧検出器DETは、基準電圧に対する電圧の変動値を示す差分値|ΔV|を精度よく検出するため、スイッチング素子によって、タッチ駆動信号Vcomtの周波数に合わせて、コンデンサに蓄えられた電荷を放電する期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。なお、基準電圧とは、検出対象物による変動を受ける前の電圧検出器DETから出力される電圧値を示す。
そして、タッチ検出部40のA/D変換部43は、適正なタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力される差分値|ΔV|のアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。後述するタッチ検出部40の信号処理部44は、A/D変換部43から出力された差分値|ΔV|のデータ(デジタル信号)を平均化する演算を行い、例えば、差分値|ΔV|の平均値を算出する。これによって、信号処理部44は、差分値|ΔV|についてノイズによる影響を低減することができる。そして、信号処理部44は、算出した差分値|ΔV|の平均値を所定の閾値Vthと比較し、この閾値Vth以上であれば、検出対象物がタッチ(近接)している状態と判定し、閾値Vth未満であれば、検出対象物がタッチ(近接)していない状態と判定する。なお、以下では、タッチが検出されるとは、このようにタッチ検出部40によって検出対象物がタッチ(近接)している状態と判定された場合を意味し、検出対象物がタッチパネル30に接触したことと、近接したこととの両方を含んでよい。
タッチ検出部40の座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、タッチ検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、タッチパネル座標を検出信号出力Voutとして出力する。なお、タッチ検出部40は、信号処理部44と座標抽出部45を有さず、A/D変換部43の出力信号を検出信号出力Voutとして出力するようにしてもよい。このようにして、タッチ検出が可能となる。静電容量式のタッチセンサには駆動電極Txに供給された交流駆動信号を駆動電極Txと対向するタッチ検出電極Rxにて検出する相互容量検出方式以外に、検出電極に交流信号を供給し、検出電極の変動の程度を検出することで検出対象物を検出する自己容量方式等の検出方式を用いることができる。
図3は、本実施形態に係る表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。図3に示すように、表示装置1は、後述する画素基板2(第1基板21)と、プリント基板PTとを備えている。なお、プリント基板PTは、例えば、フレキシブルプリント基板である。画素基板2(第1基板21)は、COG(Chip On Glass)19を搭載し、上述した表示パネル20の表示領域Adと、額縁Gdとが形成されている。COG19は、第1基板21に実装されたICドライバのチップであり、図1に示した制御部11として機能する表示動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。本実施形態では、上述したソースドライバ13は、第1基板21上に形成されている。ソースドライバ13は、COG19に内蔵されていてもよい。また、駆動電極ドライバ14の一部である、駆動電極走査部14A、14Bは、第1基板21に形成されている。また、ゲートドライバ12は、ゲートドライバ12A、12Bとして、第1基板21に形成されている。また、表示装置1は、COG19に駆動電極走査部14A、14B、ゲートドライバ12などの回路を内蔵してもよい。なお、COG19はあくまで実装の一形態であってこれに限られるものでない。例えば、COG19と同様の機能を有する構成をCOF(Chip on film又はChip on flexible)で設けてもよい。
図3に示すように、第1基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極Txの駆動電極ブロックBと、タッチ検出電極Rxとは、交差するように形成されている。
また、駆動電極Txは、一方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14によって駆動信号Vcomが順次供給される。同時に駆動信号Vcomが供給される、駆動電極Txの複数のストライプ状の電極パターンが図3に示す駆動電極ブロックBである。駆動電極ブロックB(駆動電極Tx)は、表示部10の長辺方向に形成されており、後述するタッチ検出電極Rxは、駆動電極ブロックBの延在方向と交差する方向に延在されており、例えば、表示部10の短辺方向に形成されている。タッチ検出電極Rxの出力は、表示部10のプリント基板PT側に設けられ、プリント基板PTを介して、プリント基板PTに実装されたタッチ検出部40と接続されている。このように、タッチ検出部40は、プリント基板PT上に実装され、並設された複数のタッチ検出電極Rxのそれぞれと接続されている。プリント基板PTは、フレキシブルプリント基板に限られず、リジット基板、または、リジットフレキシブル基板であってもよい。また、タッチ検出部40は、プリント基板PT上に実装されていなくてもよく、プリント基板PTを介して接続されるモジュール外部の制御基板上に備えられていてもよい。本実施形態では、タッチ検出部40はプリント基板PTに実装されたタッチドライバICであるが、タッチ検出部40の一部の機能は、他のMPUの機能として設けられてもよい。具体的には、タッチドライバICの機能として設けられ得るA/D変換、ノイズ除去等の各種機能のうち一部の機能(例えば、ノイズ除去等)は、タッチドライバICと別個に設けられたMPU等の回路で実施されてもよい。また、タッチ検出部40をCOG19に内蔵(1チップ構成)してもよく、この場合、例えば、プリント基板PT等の配線を介して検出信号をアレイ基板上のCOG19に伝送するようにしてもよい。
ソースドライバ13は、第1基板21上の表示領域Adの近傍に形成されている。表示領域Adには、後述する副画素SPixがマトリックス状(行列状)に多数配置されている。額縁Gdは、表示領域Adの外側の領域であり、第1基板21の表面を垂直な方向からみて副画素SPixが配置されていない領域である。ゲートドライバ12と、駆動電極ドライバ14のうち駆動電極走査部14A、14Bとは、額縁Gdに配置されている。
ゲートドライバ12は、例えば、ゲートドライバ12A、ゲートドライバ12Bを備え、第1基板21上にTFT素子を用いて形成されている。ゲートドライバ12A及びゲートドライバ12Bは、後述する副画素SPix(画素)がマトリックス状に配置された表示領域Adを挟んで両側から駆動することができるようになっている。また、走査線は、ゲートドライバ12A、ゲートドライバ12Bとの間に配列する。このため、走査線は、第1基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの延在方向と平行な方向に延びるように設けられている。本実施形態では、ゲートドライバ12A、ゲートドライバ12Bとして2つの回路が設けられているが、これはゲートドライバ12の具体的構成の一例であってこれに限られるものでない。例えば、ゲートドライバ12は、走査線の一方端のみに設けられた1つの回路であってもよい。
駆動電極走査部14A、14Bは、第1基板21上にTFT素子を用いて形成されている。駆動電極走査部14A、14Bは、駆動信号生成部から、表示用配線LDCを介して、表示期間に共通電極(タッチ検出時の駆動電極Tx)を駆動する表示駆動信号Vcomdの供給を受けると共に、タッチ検出期間にタッチ用配線LACを介してタッチ検出駆動信号Vcomtの供給を受ける。駆動電極走査部14A、14Bは、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれを、両側から駆動することができるようになっている。表示駆動信号Vcomdを供給する表示用配線LDCと、タッチ駆動信号Vcomtを供給するタッチ用配線LACとは、並列に額縁Gdに配置されている。表示用配線LDCは、タッチ用配線LACよりも表示領域Ad側に配置されている。この構造により、表示用配線LDCにより供給される表示駆動信号Vcomdが、表示領域Adの端部の電位状態を安定させる。このため、特に、横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスにおいて、表示が安定する。本実施形態では、駆動電極走査部14A、14Bとして2つの回路が設けられているが、いずれか1つのみであってもよい。
図3に示す表示装置1は、タッチ検出電極Rxの延在方向で、プリント基板PTと接続されているため、端子部であるプリント基板PTを介してタッチ検出部40に接続する際の配線の引き回しが容易になる。
次に表示部10の構成例を詳細に説明する。図4は、本実施形態に係る表示装置の概略断面構造を表す断面図である。図4に示すように、表示部10は、画素基板2と、この画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された表示機能層(例えば、液晶層6)とを備えている。
画素基板2は、回路基板としての第1基板21と、この第1基板21の上方にマトリックス状に配設された複数の画素電極(第2電極)22と、第1基板21と画素電極22との間に形成された複数の駆動電極(第1電極)Txと、画素電極22と駆動電極Txとを絶縁する絶縁層23と、を含む。第1基板には、TFT(Thin Film Transistor)が配置される。第1基板21の下側には、接着層を介して偏光板(図示しない)を設けてもよい。
なお、本実施形態において、第1基板21に対して、駆動電極Tx、絶縁層23、画素電極22の順で積層されたが、これに限られない。第1基板21に対して画素電極22、絶縁層23、駆動電極Txの順で積層されてもよいし、画素電極22と駆動電極Txは絶縁層を介して、同層に形成されてもよい。さらに、画素電極22と駆動電極Txの少なくとも一方は、第2基板31上に配置されてもよい。
対向基板3は、第2基板31と、この第2基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。対向基板3は、第2基板31の他方の面に形成された、タッチパネル30の検出電極であるタッチ検出電極Rxを含む。さらに、このタッチ検出電極Rxの上には、接着層を介して偏光板35が設けられている。なお、カラーフィルタ32は第1基板21上に配置されてもよい。また、第1基板21と第2基板31は、例えば、ガラス基板である。
第1基板21と第2基板31との間に液晶層6が設けられる。液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)を含むIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた表示パネルが用いられる。なお、図6に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
第1基板21の下方には、図示しない照明部が設けられる。照明部は、例えばLED等の光源を有しており、光源からの光を第1基板21に向けて射出する。照明部からの光は、画素基板2を通過して、その位置の液晶の状態により光が遮られて射出しない部分と射出する部分とが切り換えられることで、表示面に画像が表示される。なお、画素電極22として、第2基板31側から入射する光を反射する反射電極が設けられ、対向基板3側に透光性の駆動電極Txが設けられた反射型液晶表示装置の場合、第1基板21の下方に照明部は設けなくてもよい。反射型液晶表示装置は、第2基板31の上方にフロントライトを設けていてもよい。この場合、第2基板31側から入射する光は、反射電極(画素電極22)で反射されて、第2基板31を通過して観察者の目に到達する。また、表示パネル20に有機EL表示パネルを用いた場合には、副画素SPix毎に自発光体を有しており、自発光体の点灯量を制御することにより画像が表示されるため、照明部は設ける必要がない。
図5は、本実施形態に係る表示部の画素配列を表す回路図である。図4に示す第1基板21には、図5に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ素子(以下、TFT素子)Tr、各画素電極22に画素信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する走査線GCL等の配線が形成されている。画素信号線SGL及び走査線GCLは、第1基板21の表面と平行な平面に延在する。
図5に示す表示パネル20は、マトリックス状に配列された複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、それぞれTFT素子Tr及び液晶素子LCを備えている。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソース又はドレインの一方は画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査線GCLに接続され、ソース又はドレインの他方は液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのソース又はドレインの他方に接続され、他端が駆動電極Txに接続されている。
副画素SPixは、走査線GCLにより、表示パネル20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。走査線GCLは、ゲートドライバ12(図1参照)と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、画素信号線SGLにより、表示パネル20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13(図1参照)と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。さらに、副画素SPixは、駆動電極Txにより、同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。駆動電極Txは、駆動電極ドライバ14(図1参照)と接続され、駆動電極ドライバ14より駆動信号Vcomが供給される。つまり、この例では、同じ一行に属する複数の副画素SPixが一本の駆動電極Txを共有するようになっている。本実施形態の駆動電極Txの延びる方向は、走査線GCLの延びる方向と平行である。
なお、本実施形態において、駆動電極Txの延在方向は、走査線GCLの延在方向と平行である場合について説明したが、これに限られない。駆動電極Txの延在方向は、画素信号線SGLの延在方向と平行であってもよい。その場合、同じ一列に属する複数の副画素SPixが一本の駆動電極Txと共有するようになり、駆動電極ドライバ14は、表示パネル上の画素信号線SGLの延在方向のいずれかの端部に配置されることとなる。
図1に示すゲートドライバ12は、走査線GCLを順次走査するように駆動する。走査信号Vscan(図1参照)が、走査線GCLを介して、副画素SPixのTFT素子Trのゲートに印加され、副画素SPixのうちの1水平ラインが表示駆動の対象として順次選択される。また、表示装置1は、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、少なくともその1水平ラインに対応する駆動電極Txに対して駆動信号Vcom(表示駆動信号Vcomd)を印加する。なお、駆動電極ドライバ14は、走査信号Vscanが印加されている1水平ラインに対応する駆動電極Txを含む複数又はすべての駆動電極Txに対して駆動信号Vcom(表示駆動信号Vcomd)を印加してもよい。
図4に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域32R、32G、32Bが周期的に配列されている。上述した図5に示す各副画素SPixに、R、G、Bの3色の色領域32R、32G、32Bが1組として対応付けられ、色領域32R、32G、32Bを1組として画素Pixが構成される。図4に示すように、カラーフィルタ32は、第1基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。また、カラーフィルタ32は、3色の組み合わせに限定されず、4色以上の組み合わせであってもよい。さらに、表示部10は、カラーフィルタ32を有さず、白黒表示であってもよい。
図4及び図5に示す駆動電極Txは、表示パネル20の複数の副画素SPixに共通電位を与える共通電極として機能するとともに、タッチパネル30のタッチ検出を行う際の駆動電極としても機能する。図6は、本実施形態に係る表示部の駆動電極及びタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。タッチパネル30は、画素基板2に設けられた駆動電極Txと、対向基板3に設けられたタッチ検出電極Rxを有している。
駆動電極Txは、図6の左右方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出電極Rxは、駆動電極Txの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びる複数の電極パターンを有している。そして、タッチ検出電極Rxは、第1基板21(図4参照)の表面に対する垂直な方向において、駆動電極Txと対向している。タッチ検出電極Rxの各電極パターンは、タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42の入力にそれぞれ接続される(図1参照)。駆動電極Txとタッチ検出電極Rxにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせている。
タッチ検出電極Rx及び駆動電極Txは、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)等の透光性を有する導電性材料が用いられる。なお、タッチ検出電極Rxを形成する電極は、金属製の導電材料を用いてもよい。この場合、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)又はこれらの合金の少なくとも1つの金属材料を用いることができる。タッチ検出電極Rxは、これらの金属材料を1以上用いて、複数積層した積層体としてもよい。タッチ検出電極Rxに金属製の導電材料を用いる場合は、メッシュ加工を施したり、黒色材料でメッキ加工するなどの不可視化処理をしたりするとより良い。また、タッチ検出電極Rx及び駆動電極Txは、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極Rx及び駆動電極Txは、櫛歯形状であってもよい。あるいはタッチ検出電極Rx及び駆動電極Txは、複数に分割されていればよく、駆動電極Txを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
この構成により、タッチパネル30では、タッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14が駆動電極Txを時分割的に順次走査するように駆動することにより、駆動電極Txの1検出ブロックが順次選択される。選択された駆動電極Txの検出ブロックは、駆動電極ドライバ14によって駆動信号Vcom(タッチ駆動信号Vcomt)がスキャン方向SDに順次供給され、順次走査駆動が行われるようになっている。そして、タッチ検出電極Rxからタッチ検出信号Vdetが出力されることにより、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。ここで、駆動電極Txの検出ブロックは、1本または複数本の駆動電極Txの電極パターンを含み、複数の検出ブロックは、それぞれ駆動電極Txの延出方向に沿った方向に延び、かつ、スキャン方向SDに配列される。
図6に示すように、タッチパネル30において、互いに交差したタッチ検出電極Rx及び駆動電極Txは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチパネル30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部からの導体の接触または近接が生じた位置の検出が可能となっている。
(表示装置の駆動方法)
次に、以上説明した表示装置1の駆動方法について説明する。表示パネル20は、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、走査線GCLのうちの、隣接する(h−1)行目、h行目、(h+1)行目の走査線GCLの1水平ラインずつ順次走査して表示を行う。同様に、駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、表示部10の、駆動電極Txのうちの、隣接する(i−1)列目、i列目、(i+1)列目に駆動信号Vcomを供給する。以下の説明では、表示駆動信号としての駆動信号Vcomを、表示駆動信号Vcomdとして記載し、タッチ駆動信号としての駆動信号Vcomを、タッチ駆動信号Vcomtとして記載する。
図7は、本実施形態に係る表示期間とタッチ検出期間との配置を説明する図である。制御部11は、フレーム期間(垂直同期時間)Tにおいて、1フレーム分のライン、すなわち全ての走査線GCLを駆動することで、表示機能層に、1フレーム分の画像の表示動作を行わせる。すなわち、制御部11は、1つのフレーム期間Tにおいて、1フレーム分の副画素SPixが表示する画像を更新する。また、制御部11は、1つのフレーム期間Tにおいて、1つの検出面のタッチ検出を、複数回実施する。制御部11は、表示動作とタッチ検出動作とを時分割で実行させる。
図7に示すように、制御部11が生成した垂直同期信号Vsyncがゲートドライバ12及び駆動電極ドライバ14に入力されると、バックポーチ期間BPを経て、表示動作とタッチ検出動作とが交互に行われる。すなわち、フレーム期間Tにおいては、バックポーチ期間BPの後に、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが交互に繰り返される。1つの表示期間Pdと1つのタッチ検出期間Ptとを1つのユニット期間とすると、フレーム期間Tにおいては、このユニット期間が、2n回繰り返された後、フロントポーチ期間FPを経て、1つのフレーム期間Tが終了する。1つのフレーム期間Tが終了したら、次の垂直同期信号Vsyncが入力され、次のフレーム期間Tが始まる。すなわち、制御部11は、バックポーチ期間BPと、2n回のユニット期間と、フロントポーチ期間FPとがこの順で配置されるフレーム期間Tを繰り返すことで、表示動作とタッチ検出動作とを実行する。なお、バックポーチ期間BP及びフロントポーチ期間FPは、表示動作が行われず、かつ、タッチ検出動作が行われない期間である。バックポーチ期間BP及びフロントポーチ期間FPは、例えば極性反転の準備期間、内部画像処理の演算期間、データの読出し及びゲートドライバの追い出し等、表示動作を調整するための期間である。以下、バックポーチ期間BPとフロントポーチ期間FPとを合わせて、ブランク期間Pbと記載する。すなわち、ブランク期間Pbも、表示動作が行われず、かつ、タッチ検出動作が行われない期間である。
1つの表示期間Pdにおいては、1フレーム分の画像のうちの一部の画像の表示動作が行われる。言い換えれば、表示期間Pdにおいては、ゲートドライバ12が、制御部11の制御により、全ての走査線GCLのうちの一部の走査線GCLに対して走査信号Vscanを印加することで、1フレームのうちの一部の画像を更新する。なお、1つの表示期間Pdにおいては、所定数の走査線GCL、ここでは複数の走査線GCLに対し、走査信号Vscanが順番に印加され、1ラインずつ画像が更新される。そして、タッチ検出期間Ptを隔てた次の表示期間Pdにおいては、前の表示期間Pdで最後に走査信号Vscanが印加された走査線GCLの次の行の走査線GCLから順に、走査信号Vscanが印加される。表示装置1は、このように表示期間Pdを複数回繰り返すことで、1つのフレーム期間Tで、全ての走査線GCLに走査信号Vscanを順番に印加して、1フレーム分の画像を更新する。このように、本実施形態においては、1フレーム分の画像を更新する表示期間が、複数の表示期間Pdに分割されている。なお、図7の例では、1つのフレーム期間Tで、2n個の表示期間Pdが設けられており、2n個の表示期間Pdで、1フレーム分の画像を更新する。
図8は、タッチ検出期間における検出ブロックを示す模式図である。タッチ検出期間Ptは、表示期間Pd同士の間に設けられている。すなわち、表示期間Pdの後に、タッチ検出期間Ptが配置され、そのタッチ検出期間Ptの後に、表示期間Pdが配置されている。1つの検出期間Ptにおいては、1つの検出面のうちの一部の領域におけるタッチ検出が行われる。そして、表示期間Pdを隔てた次のタッチ検出期間Ptにおいては、前のタッチ検出期間Ptでタッチ検出されなかった領域におけるタッチ検出が行われる。すなわち、図8に示すように、表示部10のタッチ検出が行われる検出面GSは、複数の検出ブロックAk(k=1、2、・・・K)に区分されている。検出ブロックAkは、所定本数の駆動電極Txで構成され、言い換えれば、1つの検出ブロックAkには、所定本数の駆動電極Txが割り当てられている。すなわち、駆動電極ドライバ14は、制御部11の制御により、所定のタッチ検出期間Ptで、検出ブロックA1に相当する所定の本数の駆動電極Txに対してタッチ駆動信号Vcomtを印加し、次のタッチ検出期間Ptで、駆動電極ドライバ14は、検出ブロックA2に相当する所定の本数の駆動電極Txに対してタッチ駆動信号Vcomtを印加する。なお、検出ブロックAkに対応する駆動電極Txは、1でもよいし、2以上の複数でもよい。また、検出ブロックAk毎に異なる本数であってもよい。このように、駆動電極ドライバ14は、これらの所定の本数の駆動電極Txに対してタッチ駆動信号Vcomtを印加し、タッチ検出期間Pt毎に、検出ブロックAk(k=1、2、…K)に対してタッチ駆動信号Vcomtを順次印加することにより、検出面GSの全体のタッチ検出を行う。なお、検出面GSは、画像が表示される表示領域Adと同じ領域であってもよい。
本実施形態においては、1つのフレーム期間Tにおいて、検出面GSの全体のタッチ検出を、複数回、ここでは2回、実行する。すなわち、図7に示すように、1つのフレーム期間Tは、第1期間P1と、第1期間P1の後の期間である第2期間P2とが含まれている。第1期間P1は、バックポーチ期間BPと、n個のユニット期間(表示期間Pd及びタッチ検出期間Pt)と、を含む。第1期間P1においては、表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptよりも前に、ブランク期間Pbであるバックポーチ期間BPが配置されているといえる。
第1期間P1のn個分の表示期間Pdを合わせて第1表示期間とすると、第1表示期間において、全ての走査線GCLのうちの一部の走査線GCLに対して走査信号Vscanが印加されて、1フレーム分の画像のうちの一部の画像の表示動作が行われる。さらにいえば、第1表示期間のそれぞれの表示期間Pdにおいては、第1表示期間で表示動作が行われる画像のさらに一部の画像の表示動作が、順番に実行される。また、第1期間P1のn個分のタッチ検出期間Ptを合わせて第1タッチ検出期間とすると、第1タッチ検出期間において、1つの検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。すなわち、第1タッチ検出期間のそれぞれのタッチ検出期間Ptにおいて、検出ブロックAk毎にタッチ検出が行われることで、第1タッチ検出期間全体において、検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。すなわち、第1期間P1においては、第1表示期間が複数の表示期間Pdに区分され、第1タッチ検出期間が複数のタッチ検出期間Ptに区分され、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが交互になるように、表示動作及びタッチ検出動作が実行される。このように、第1期間P1においては、バックポーチ期間BPの後に、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが交互に繰り返されることで、1フレーム分の画像のうちの一部の画像の表示動作が行われ、検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。
第2期間P2は、n+1から2nまでの、合計n個のユニット期間(表示期間Pd及びタッチ検出期間Pt)と、フロントポーチ期間FPと、を含む。第2期間P2においては、表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptよりも後に、ブランク期間Pbであるフロントポーチ時間FPが配置されているといえる。
第2期間P2のn個分の表示期間Pdを合わせて第2表示期間とすると、第2表示期間において、1フレーム分の画像のうちの、他の一部の画像の表示動作が行われる。すなわち、第2表示期間においては、1フレーム分の画像のうちの、第1期間P1で表示動作が行われた領域以外の画像の表示動作が行われる。言い換えれば、第2表示期間においては、全ての走査線GCLのうち、第1期間P1で走査信号Vscanが印加されなかった走査線GCLに対して、走査信号Vscanが印加される。本実施形態では、1フレーム分の画像のうちの、第1期間P1で表示動作が行われなかった全ての領域の画像の表示動作が行われる。さらにいえば、第2表示期間のそれぞれの表示期間Pdにおいては、第2表示期間で表示動作が行われる画像のさらに一部の画像の表示動作が、順番に実行される。また、第2期間P2のn個分のタッチ検出期間Ptを合わせて第2タッチ検出期間とすると、第2タッチ検出期間において、1つの検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。すなわち、第2タッチ検出期間のそれぞれのタッチ検出期間Ptにおいて、検出ブロックAk毎にタッチ検出が行われることで、第2タッチ検出期間全体において、検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。このように、第2期間P2においては、第1期間P1の後に、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが交互に繰り返されることで、1フレーム分の画像のうちの他の一部の画像の表示動作が行われ、検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。その後、フロントポーチ期間FPが経過することで、第2期間P2は終了する。すなわち、第2期間P2においては、第2表示期間が複数の表示期間Pdに区分され、第2タッチ検出期間が複数のタッチ検出期間Ptに区分され、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが交互になるように、表示動作及びタッチ検出動作が実行される。
なお、第2期間P2のユニット期間の数、すなわち表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptの数は、第1期間P1と同じくn個である。すなわち、第1期間P1の表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptの数と、第2期間P2の表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptの数とは、等しい。ただし、第1期間P1の表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptの数と、第2期間P2の表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptの数とは、異なってもよい。また、この実施形態においては、1つのフレーム期間Tにおいて、第1期間P1と第2期間P2との2つの期間が設けられていたが、期間の数は複数であれば2つに限られず、3つ以上であってもよい。この場合、最初の期間である第1期間P1と最後の期間である第2期間P2との間に、別の期間である中間期間が所定数設けられる。この中間期間においても、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが交互に実施され、表示期間Pdの全体で、1フレーム分の画像のうちの一部の表示動作が行われ、タッチ検出期間Ptの全体で、1つの検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。第1期間P1と中間期間と第2期間P2とで、1フレーム分の画像が更新される。ただし、中間期間は、バックポーチ期間BPを含まない。
ここで、本実施形態に係るフレーム期間Tにおける表示動作とタッチ検出動作との詳細を説明する。図9は、本実施形態に係る信号出力のタイムチャートである。図9のタイムチャートは、垂直同期信号Vsync、走査信号Vscan、タッチ検出同期信号Vsvd、タッチ駆動開始信号Vshd、及びタッチ駆動信号Vcomtの、時間毎の印加状態を示している。垂直同期信号Vsyncは、上述のように制御部11が生成する信号であり、制御部11によってフレーム期間T毎に出力される。走査信号Vscanは、ゲートドライバ12が制御部11の制御により生成する信号であり、上述のように、表示期間Pdにおいて、ゲートドライバ12によって、それぞれの走査線GCLに順次出力されている。タッチ検出同期信号Vsvdは、上述のように、制御部11が生成して駆動電極ドライバ14に出力される信号である。タッチ検出同期信号Vsvdは、タッチ駆動開始信号Vshdを生成するためのトリガとなる信号である。タッチ駆動開始信号Vshdは、駆動電極ドライバ14がタッチ検出同期信号Vsvdに基づいて生成して出力する信号である。タッチ駆動開始信号Vshdは、タッチ駆動信号Vcomtを出力するタイミング及び期間を示す信号であり、タッチ駆動開始信号Vshdが生成されている期間が、タッチ検出期間Ptとなる。すなわち、駆動電極ドライバ14は、タッチ駆動開始信号Vshdが生成されている期間において、駆動電極Txにタッチ駆動信号Vcomtを出力する。本実施形態の例では、1つの検出ブロックAkに複数の駆動電極Txが割り当てられているため、1つのタッチ検出期間Ptにおいて、タッチ駆動信号Vcomtが、複数の駆動電極Txに対して印加されている。
図9に示すように、フレーム期間Tmにおいて、垂直同期信号Vsyncが出力されたら、第1期間P1が始まる。第1期間P1においては、最初にバックポーチ期間BPが始まり、パックポーチ期間BPが経過したら、最初の表示期間Pdが始まる。最初の表示期間Pdにおいて、走査信号Vscan(走査信号Vscan1)が、走査線GCLに順次印加される。そして、第1期間P1において、最初の表示期間Pdの最中から最初の表示期間Pdが終了するタイミングまで、タッチ検出同期信号Vsvdが出力される。第1期間P1におけるタッチ検出同期信号Vsvdは、第1期間P1における最初の表示期間Pd、すなわち最初の走査信号Vscanの出力をトリガとして出力される。第1期間P1におけるタッチ検出同期信号Vsvdは、例えば、最初の表示期間Pdが始まってから所定時間経過したら、出力される。
第1期間P1のタッチ検出同期信号Vsvdの出力が終了したタイミング、すなわち、最初の表示期間Pdが終了したタイミングで、最初のタッチ駆動開始信号Vshd(タッチ駆動開始信号Vshd1)が出力される。すなわち、最初のタッチ駆動開始信号Vshdは、タッチ検出同期信号Vsvdをトリガとして出力される。タッチ駆動開始信号Vshdは、タッチ検出期間Ptの間だけ、出力される。すなわち、タッチ駆動開始信号Vshdが出力されている間、1つの検出ブロックAkの複数の駆動電極Txのそれぞれに対し、タッチ駆動信号Vcomt(タッチ駆動信号Vcomt1)が出力される。
以降の第1期間P1において、走査信号Vscanとタッチ駆動開始信号Vshdとは、すなわち走査信号Vscanとタッチ駆動信号Vcomtとは、交互に出力される。すなわち、タッチ駆動開始信号Vshdの出力が終了したタイミングから、表示期間Pdの間、次の走査信号Vscanが出力される。そして、走査信号Vscanの出力が終了したタイミング、すなわち表示期間Pdが終了したタイミングから、タッチ検出期間Ptの間、次のタッチ駆動開始信号Vshdとタッチ駆動信号Vcomtとが出力される。このように、第1期間P1においては、バックポーチ期間BPの後、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが、交互に繰り返される。第1期間P1においては、最初の表示期間Pdから最後の表示期間Pdまでにおいて、1フレーム分の画像のうちの一部の画像の表示動作が行われ、最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでにおいて、検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。
第1期間P1における最後のタッチ駆動開始信号Vshd(タッチ駆動開始信号Vshdn)の出力が終了したら、すなわち、第1期間P1における最後のタッチ駆動信号Vcomt(タッチ駆動信号Vcomtn)の出力が終了したら、タッチ検出部40は、座標抽出部45が算出した座標、すなわちタッチ検出された位置の座標の情報を、検出信号出力Voutとして出力する。タッチ検出部40は、検出信号出力Voutを、例えば制御部11に出力する。
第1期間P1における最後のタッチ駆動信号Vcomtを出力して、タッチ検出された位置の座標の出力が終了したら、第1期間P1が終了して、第2期間P2が開始する。第1期間P1と第2期間P2との間には、ブランク期間Pbが設けられていない。従って、第1期間P1においてタッチ検出された位置の座標の出力が終了した直後に、第2期間P2が開始して、第2期間P2における最初の表示期間Pdが始まる。第2期間P2における最初の表示期間Pdにおいて、走査信号Vscan(走査信号Vscan1)が、走査線GCLに順次印加される。また、最初の表示期間Pdの最中から最初の表示期間Pdが終了するタイミングまで、タッチ検出同期信号Vsvdが出力される。第2期間P2におけるタッチ検出同期信号Vsvdは、例えば、第1期間P1の最後のタッチ駆動信号Vcomtをトリガとして、出力される。すなわち、第2期間P2におけるタッチ検出同期信号Vsvdは、第1期間P1の最後のタッチ駆動信号Vcomtが出力されてから所定時間経過したら、出力される。ただし、第2期間P2におけるタッチ検出同期信号Vsvdは、第2期間P2における最初の表示期間Pd、すなわち最初の走査信号Vscanの出力をトリガとして出力されてもよい。
タッチ検出同期信号Vsvdの出力が終了したタイミング、すなわち、最初の表示期間Pdが終了したタイミングで、最初のタッチ駆動開始信号Vshd(タッチ駆動開始信号Vshd1)が出力される。タッチ駆動開始信号Vshdは、タッチ検出期間Ptの間だけ、出力される。すなわち、タッチ駆動開始信号Vshdが出力されている間、1つの検出ブロックAkの複数の駆動電極Txのそれぞれに対し、タッチ駆動信号Vcomt(タッチ駆動信号Vcomt1)が、順次出力される。
以降の第2期間P2において、走査信号Vscanとタッチ駆動開始信号Vshdとは、すなわち走査信号Vscanとタッチ駆動信号Vcomtとは、第1期間P1と同様に、交互に出力される。このように、第2期間P2においても表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが、交互に繰り返される。第2期間P2においては、最初の表示期間Pdから最後の表示期間Pdまでにおいて、1フレーム分の画像のうち他の一部の画像の表示動作が行われ、最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでにおいて、検出面GSの全体のタッチ検出動作が行われる。
第2期間P2における最後のタッチ駆動開始信号Vshd(タッチ駆動開始信号Vshdn)の出力が終了したら、すなわち、第2期間P2における最後のタッチ駆動信号Vcomt(タッチ駆動信号Vcomtn)の出力が終了したら、タッチ検出部40は、座標抽出部45が算出した座標、すなわちタッチ検出された位置の座標の情報を、検出信号出力Voutとして出力する。
第2期間P2における最後のタッチ駆動信号Vcomtを出力して、タッチ検出された位置の座標の出力が終了したら、フロントポーチ期間FPが開始する。フロントポーチ期間FPが終了したら、第2期間P2が終了し、次のフレーム期間Tm+1の第1期間P1が開始する。
ここで、本実施形態に係る表示動作とタッチ検出動作とをより詳しく説明する前に、他の実施例について説明する。図10は、他の実施例に係る信号出力のタイムチャートである。上述のように、タッチ検出された座標の出力は、最後のタッチ駆動信号Vcomtが出力されてから行われる。従って、図10に示すように、他の実施例においては、フレーム期間Tm−1の第2期間P2でタッチ検出された座標の出力は、フレーム期間Tm−1の第2期間P2で最後のタッチ駆動信号Vcomtnが出力された直後のタイミングである、時刻t0xに行われる。また、フレーム期間Tmの第1期間P1でタッチ検出された座標の出力は、フレーム期間Tmの第1期間P1で最後のタッチ駆動信号Vcomtnが出力された直後のタイミングである、時刻t1xに行われる。また、フレーム期間Tmの第2期間P2でタッチ検出された座標の出力は、フレーム期間Tmの第2期間P2で最後のタッチ駆動信号Vcomtnが出力された直後のタイミングである、時刻t2xに行われる。すなわち、フレーム期間Tm−1の第2期間P2でのタッチ検出の座標出力があってから、フレーム期間Tmの第1期間P1でのタッチ検出の座標出力があるまでの時間である第1レポート時間D1Xは、時刻t0Xから時刻t1Xまでの時間となる。また、フレーム期間Tmの第1期間P1でのタッチ検出の座標出力があってから、フレーム期間Tmの第2期間P2でのタッチ検出の座標出力があるまでの時間である第2レポート時間D2Xは、時刻t1Xから時刻t2Xまでの時間となる。
ここで、第2期間P2の最後の期間から第1期間P1の最初の期間は、表示動作もタッチ検出動作も行わないブランク期間Pbとなっている。従って、時刻t0Xから時刻t1Xまでの第1レポート時間D1Xには、ブランク期間Pb、すなわちフレーム期間Tm−1のフロントポーチ期間FP及びフレーム期間Tmのバックポーチ期間BPが含まれる。一方、第2レポート時間D2Xには、ブランク期間Pbが含まれない。従って、他の実施例においては、ブランク期間Pbの分、第2レポート時間D2Xよりも第1レポート時間D1Xの方が長くなってしまう。第1レポート時間D1Xの長さと第2レポート時間D2Xの長さとが異なると、タッチ検出の結果を反映した表示装置1の動作を行うタイミングが、レポート時間毎に異なってしまう。この場合、タッチ検出の精度が低下するおそれがある。例えば表示装置1に等速で円を描写した場合、第1レポート時間D1Xと第2レポート時間D2Xとで、座標の出力タイミングが不均一となるため、円がいびつな形となるおそれがある。
それに対し、図9に示すように、本実施形態に係る表示装置1は、第1期間P1の表示期間Pdと第2期間P2の表示期間Pdとを調整することで、第1レポート時間D1の長さと第2レポート時間D2の長さとの違いを小さくしている。本実施形態に係る第1レポート時間D1は、時刻t0から時刻t1までの時間であり、第2レポート時間D2は、時刻t1から時刻t2までの時間である。時刻t0は、フレーム期間Tm−1の第2期間P2でタッチ検出された座標が出力されるタイミングであり、時刻t1は、フレーム期間Tmの第1期間P1でタッチ検出された座標が出力されるタイミングであり、時刻t2は、フレーム期間Tmの第2期間P2でタッチ検出された座標が出力されるタイミングである。なお、本実施形態では、第1レポート時間D1の長さと第2レポート時間D2の長さとを実質同じにすることが好ましい。
具体的には、本実施形態に係る表示装置1は、第1期間P1における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間である時間F1の長さと、第2期間P2における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間である時間F2の長さとを、異ならせている。さらに言えば、表示装置1は、時間F1を、時間F2よりも短くしている。すなわち、図10に示す他の実施例においては、時間F1Xと時間F2Xとが同じであるため、ブランク期間Pbの分、第1レポート時間D1Xが長くなってしまうが、本実施形態においては、時間F1を短くすることでブランク期間Pbの分が吸収されて、第1レポート時間D1Xと第2レポート時間D2との長さの差を小さくしている。なお、本実施形態において、時間F2と時間F1との差分を、ブランク期間Pbの長さに一致させることが好ましい。これにより、第1レポート時間D1の長さと第2レポート時間D2の長さとを同じにすることができ、タッチ検出精度をより好適に向上させる。なお、本実施形態における時間F1は、第1期間P1における最初のタッチ駆動信号Vcomt1(又はタッチ駆動開始信号Vshd1)が出力されるタイミングから、第1期間P1における最後のタッチ駆動信号Vcomtn(又はタッチ駆動開始信号Vshdn)の出力が終了するタイミングまでの間の時間であると言い換えることもできる。同様に、時間F2は、第2期間P2における最初のタッチ駆動信号Vcomt1(又はタッチ駆動開始信号Vshd1)が出力されるタイミングから、第2期間P2における最後のタッチ駆動信号Vcomtn(又はタッチ駆動開始信号Vshdn)の出力が終了するタイミングまでの間の時間であると言い換えることもできる。
ここで、本実施形態においては、時間F1と時間F2とで、すなわち第1期間P1と第2期間P2とで、タッチ検出期間Ptの長さを同じにしている。さらに、本実施形態においては、時間F1と時間F2とで、すなわち第1期間P1と第2期間P2とで、表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptの数を、同じにしている。そのため、表示装置1は、時間F1と時間F2とを異ならせるために、時間F1と時間F2とで、すなわち第1期間P1と第2期間P2とで、表示期間Pdの長さを異ならせている。ここで、第1期間P1における表示期間(時間F1における表示期間)Pdを、表示期間Pd1とし、第2期間P2における表示期間(時間F2における表示期間)Pdを、表示期間Pd2とする。この場合、表示装置1は、第1期間P1におけるそれぞれの表示期間Pd1の長さと、第2期間P2におけるそれぞれの表示期間Pd2の長さとを異ならせている。さらに言えば、表示装置1は、第1期間P1におけるそれぞれの表示期間Pd1の長さを、第2期間P2におけるそれぞれの表示期間Pd2の長さよりも、短くしている。言い換えれば、表示装置1は、第1期間P1における所定のタッチ検出期間Ptからその直後のタッチ検出期間Ptまでの時間である時間Ft1と、第2期間P2における所定のタッチ検出期間Ptからその直後のタッチ検出期間Ptまでの時間である時間Ft2とを、異ならせる。さらに言えば、表示装置1は、時間Ft1を、時間Ft2よりも、短くしている。なお、時間Ft1は、より詳しくは、第1期間P1において、所定のタッチ検出期間Ptが終了してから直後のタッチ検出期間Ptが始まるまでの時間であり、時間Ft2は、第2期間P2において、所定のタッチ検出期間Ptが終了してから直後のタッチ検出期間Ptが始まるまでの時間である。時間Ft1は、表示期間Pd1に相当し、時間Ft2は、表示期間Pd2に相当するともいえる。
本実施形態に係る表示装置1は、このように第1期間P1における表示期間Pd1の長さを第2期間P2における表示期間Pd2の長さより短くすることで、言い換えれば時間Ft1を時間Ft2より短くすることで、タッチ検出期間Ptを同じにしたまま、時間F1を、時間F2よりも短くすることができる。
本実施形態においては、表示装置1は、第1期間P1における表示期間Pd1の長さを第2期間P2における表示期間Pd2の長さより短くするために、第1期間P1において走査信号Vscanを印加する走査線GCLの数、すなわち第1期間P1において駆動する走査線GCLの数を、第2期間P2において駆動する走査線GCLの数よりも、少なくする。さらに言えば、本実施形態では、表示期間Pd1において走査信号Vscanを印加する走査線GCLの数を、表示期間Pd2において走査信号Vscanを印加する走査線GCLの数よりも少なくしている。例えば、1フレーム分の走査線GCLが、合計1140本であるとする。この場合、例えば他の実施例においては、1つの表示期間Pdに15本の走査線GCLに走査信号Vscanを印加して、第1期間P1と第2期間P2とで、表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptの数を、それぞれ38個としているとする。この場合、第1期間P1と第2期間P2とにおいて、それぞれ570本ずつの走査線GCLに走査信号Vscanが印加され、1つのフレーム期間Tで、合計1140本の走査線GCLに走査信号Vscanが印加される。一方、本実施形態においては、例えば、第1期間P1と第2期間P2とで、表示期間Pd及びタッチ検出期間Ptの数を、それぞれ38個としているが、第1期間P1の表示期間Pd1で走査信号Vscanを印加する走査線GCLの数を14本とし、第2期間P2の表示期間Pd2で走査信号Vscanを印加する走査線GCLの数を16本とする。この場合、第1期間P1で532本の走査線GCLに走査信号Vscanが印加され、第2期間P2で608本の走査線GCLに走査信号Vscanが印加されるため、1つのフレーム期間Tで、合計1140本の走査線GCL、すなわち1フレーム分の走査線GCLに、走査信号Vscanが印加される。このように、1つのフレーム期間Tで走査信号Vscanが印加される走査線GCLの数を1フレーム分の数に保ったまま、表示期間Pd1と表示期間Pd2とで走査信号Vscanを印加する走査線GCLの数を異ならせることで、表示動作を適切に行いつつ、タッチ検出精度を向上させることができる。
なお、上述のように、第1期間P1の全ての表示期間Pdを合わせた時間を第1表示期間とし、第2期間P2の全ての表示期間Pdを合わせた時間を第2表示期間とした場合、表示装置1は、第1表示期間の長さと第2表示期間の長さとを異ならせ、さらに言えば、第1表示期間の長さを第2表示期間の長さより短くしているということもできる。また、上述のように、第1期間P1の全てのタッチ検出期間Ptを合わせた時間を第1タッチ検出期間とし、第2期間P2の全てのタッチ検出期間Ptを合わせた時間を第2タッチ検出期間とした場合、表示装置1は、第1タッチ検出期間の長さと第2タッチ検出時間の長さとを実質同じにすることが好ましいといえる。結果として、第1期間P1は、第2期間P2より短くなる。
以上説明したように、本実施形態に係る表示装置1は、表示駆動信号Vcomdが供給される駆動電極(第1電極)Txと、画素信号Vpixが供給される複数の画素電極(第2電極)22と、表示駆動信号Vcomd及び画素信号Vpixに基づいて表示動作を行う表示機能層(ここでは液晶層6)と、タッチ検出信号Vdetを出力してタッチ検出動作を行う複数のタッチ検出電極Rxと、表示動作及びタッチ検出動作を制御する制御部11と、を有する。制御部11は、1フレーム分の画像の表示動作を行うフレーム期間Tが、第1期間P1と第2期間P2とに、区分されるように、表示動作とタッチ検出動作とを制御する。第1期間P1は、1フレーム分の画像のうちの一部の画像の表示動作を行う第1表示期間と、1つの検出面GS分のタッチ検出を行う第1タッチ検出期間と、第1表示期間及び第1タッチ検出期間より前の期間であって、表示動作とタッチ検出動作との両方を実施しないブランク期間Pbと、を含む。第2期間P2は、1フレーム分の画像のうちの他の一部の画像の表示動作を行う第2表示期間と、1つの検出面GS分のタッチ検出を行う第2タッチ検出期間と、を含む。制御部11は、第1表示期間の長さと第2表示期間の長さとを異ならせる。
本実施形態のように、検出面GSのタッチ検出を、第1期間P1と第2期間P2との両方で実施する場合、第2期間P2のタッチ検出の座標を出力してから次の第1期間P1のタッチ検出の座標を出力するまでの時間である第1レポート時間D1に、ブランク期間Pbが含まれてしまう。一方、第1期間P1のタッチ検出の座標を出力してから次の第2期間P2のタッチ検出の座標を出力するまでの時間である第2レポート時間D2には、ブランク期間Pbが含まれず、第1レポート時間D1と第2レポート時間D2との長さが異なってしまい、タッチ検出精度が低下するおそれがある。それに対し、本実施形態に係る制御部11は、第1期間P1における第1表示期間の長さと第2期間P2における第2表示期間の長さとを、異ならせる。これにより、第1レポート時間D1と第2レポート時間D2との長さの違いを抑制して、タッチ検出精度を向上させることができる。また、表示期間の調整によって、第1レポート時間D1と第2レポート時間D2との長さを調整しているため、タッチ検出時間を調整する必要がなくなり、タッチ検出精度をより好適に向上させる。
また、制御部11は、第1期間P1において、第1表示期間を複数の表示期間Pdに区分し、第1タッチ検出期間を複数のタッチ検出期間Ptに区分して、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが交互になるように、表示動作及びタッチ検出動作を実行させる。そして、制御部11は、第2期間P2において、第2表示期間を複数の表示期間Pdに区分し、第2タッチ検出期間を複数のタッチ検出期間Ptに区分して、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとが交互になるように、表示動作及びタッチ検出動作を実行させる。制御部11は、第1期間P1における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間F1と、第2期間P2における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間F2とを、異ならせる。この表示装置1は、表示期間とタッチ検出期間とを分割して実施する分割駆動において、時間F1と時間F2とを異ならせているため、第1レポート時間D1と第2レポート時間D2との長さの違いを抑制して、タッチ検出精度を向上させることができる。
また、制御部11は、第1期間P1における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間F1を、第2期間P2における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間F2よりも、短くする。表示装置1は、時間F1を時間F2より短くすることで、第1レポート時間D1が第2レポート時間D2に対して長くなり過ぎることを抑制して、タッチ検出精度を向上させることができる。
また、制御部11は、第1期間P1における、所定のタッチ検出期間Ptからその直後のタッチ検出期間Ptまでの時間Ft1を、第2期間P2における、所定のタッチ検出期間Ptからその直後のタッチ検出期間Ptまでの時間Ft2よりも、短くする。この表示装置1は、第1期間P1における1つのタッチ検出期間Pt毎の周期を、第2期間P2における1つのタッチ検出期間Pt毎の周期よりも短くするため、第1レポート時間D1が第2レポート時間D2に対して長くなり過ぎることを抑制して、タッチ検出精度を向上させることができる。
また、制御部11は、第1期間P1において表示動作を行うために駆動する走査線GCLの数を、第2期間P2において表示動作を行うために駆動する走査線GCLの数よりも少なくする。これにより、第1レポート時間D1が第2レポート時間D2に対して長くなり過ぎることを抑制して、タッチ検出精度を向上させることができる。
また、制御部11は、第1期間P1及び第2期間P2を含むフレーム期間Tを繰り返すように、表示動作及びタッチ検出動作を実行させる。そして、制御部11は、第2期間P2においてタッチ検出された位置の座標を出力してから、その直後のフレーム期間Tにおける第1期間P1においてタッチ検出された位置の座標を出力するまでの第1レポート時間D1と、第1期間P1においてタッチ検出された位置の座標を出力してから、第2期間P2においてタッチ検出された位置の座標を出力するまでの第2レポート時間D2とを、同じ長さにする。第1レポート時間D1と第2レポート時間D2とを同じ長さとすることで、タッチ検出精度を向上させることができる。
なお、本実施形態に係る表示装置1は、1つのフレーム期間Tにおいて、検出面GSの全体のタッチ検出を2回実行するが、1つのフレーム期間Tにおいて、検出面GSの全体のタッチ検出を3回以上実行してもよい。すなわち、1つのフレーム期間Tにおいて、第1期間P1及び第2期間P2に加え、第3期間P3を設けてもよいし、第3期間P3以降の期間を加えてもよい。この場合、第3期間P3及び第3期間P3以降の期間を、第2期間P2と同様にする。すなわち、第1期間P1における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間F1を、第2期間P2における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間F2と、第3期間P3及び第3期間P3以降の期間における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間と、よりも短くする。
また、表示装置1は、駆動電極Txとタッチ検出電極Rxとの相互静電容量に基づいてタッチ検出を行う。この表示装置1によると、相互静電容量方式の表示装置において、タッチ検出精度を向上させることができる。
このように、本実施形態に係るタッチパネル30は、相互静電容量式タッチセンサであったが、自己静電容量方式であってもよい。すなわち、表示装置1は、タッチ検出電極RxAの自己静電容量に基づいてタッチ検出を行うものであってもよい。以下、図11から図13を参照して、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理について説明する。図11は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。図12は、自己静電容量方式のタッチ検出の基本原理を説明するための、指が接触または近接した状態を表す説明図である。図13は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。なお、図11及び図12は、検出回路を併せて示している。
図11に示すように、指が接触または近接していない状態において、タッチ検出電極RxAに所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波であるタッチ駆動信号Vcomtが印加される。タッチ検出電極RxAは、静電容量C3を有しており、静電容量C3に応じた電流が流れる。電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流の変動を電圧の変動(実線の波形V4(図13参照))に変換する。
次に、図12に示すように、指が接触または近接した状態において、指とタッチ検出との間の静電容量C4が、タッチ検出電極RxAの静電容量C3に加わる。したがって、タッチ検出電極RxAにタッチ駆動信号Vcomtが印加されると、静電容量C3及びC4に応じた電流が流れる。図13に示すように、電圧検出器DETは、タッチ駆動信号Vcomtに応じた電流の変動を電圧の変動(点線の波形V5)に変換する。そして、得られた波形V4及び波形V5の電圧値をそれぞれ積分し、これらの値を比較することで、タッチ検出電極RxAへの、指の接触または近接の有無を判別することができる。なお、タッチ検出部40は、当該内容に限らず、電圧値を積分せずに比較するようにしてもよい。また、図13では、波形V2と波形V3について、所定の基準電圧に低下するまでの期間を求めて、これらの期間を比較する等の方法であってもよい。
具体的には、図11及び図12に示すように、タッチ検出電極RxAはスイッチSW1及びスイッチSW2で切り離すことが可能な構成となっている。図13において、時刻T01のタイミングでタッチ駆動信号Vcomtは電圧V0に相当する電圧レベルを上昇させる。このときスイッチSW1はONしておりスイッチSW2はOFFしている。このためタッチ検出電極RxAも電圧V0の電圧上昇となる。次に時刻T11のタイミングの前にスイッチSW1をOFFとする。このときタッチ検出電極RxAはフローティング状態であるが、タッチ検出電極の静電容量C3(図11参照)、あるいはタッチ検出電極の静電容量C3に指等の接触または近接による静電容量C4を加えた静電容量(C3+C4、図12参照)によって、タッチ検出電極RxAの電位はV0が維持される。更に、時刻T11のタイミングの前にスイッチSW3をONさせ所定の時間経過後にOFFさせ電圧検出器DETをリセットさせる。このリセット動作により出力電圧はVrefと略等しい電圧となる。
続いて、時刻T11のタイミングでスイッチSW2をONさせると、電圧検出器DETの反転入力部がタッチ検出電極RxAの電圧V0となり、その後、タッチ検出電極RxAの静電容量C3(またはC3+C4)と電圧検出器DET内の静電容量C5の時定数に従って電圧検出器DETの反転入力部は基準電圧Vrefまで低下する。このとき、タッチ検出電極RxAの静電容量C3(またはC3+C4)に蓄積されていた電荷が電圧検出器DET内の静電容量C5に移動するため、電圧検出器DETの出力が上昇する(Vdet2)。電圧検出器DETの出力(Vdet2)は、タッチ検出電極RxAに指等が近接していないときは、実線で示す波形V4となり、Vdet2=C3・V0/C5となる。指等の影響による静電容量が付加されたときは、点線で示す波形V5となり、Vdet2=(C3+C4)・V0/C5となる。その後、タッチ検出電極RxAの静電容量C3(またはC3+C4)の電荷が静電容量C5に十分移動した後の時刻T31のタイミングでスイッチSW2をOFFさせ、スイッチSW1及びスイッチSW3をONさせることにより、タッチ検出電極RxAの電位を交流矩形波Sgと同電位のローレベルにするとともに電圧検出器DETをリセットさせる。なお、このとき、スイッチSW1をONさせるタイミングは、スイッチSW2をOFFさせた後、時刻T02以前であればいずれのタイミングでもよい。また、電圧検出器DETをリセットさせるタイミングは、スイッチSW2をOFFさせた後、時刻T12以前であればいずれのタイミングとしてもよい。以上の動作を所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)で繰り返す。波形V4と波形V5との差分の絶対値|ΔV|に基づいて、外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することができる。なお、タッチ検出電極RxAの電位は、図13に示すように、指等が近接していないときはV2の波形となり、指等の影響による静電容量C4が付加されるときはV3の波形となる。波形V2と波形V3とが、それぞれ所定の電圧VTHまで下がる時間を測定することにより外部近接物体の有無(タッチの有無)を測定することも可能である。なお、自己静電容量方式では、駆動電極でタッチ検出が可能な構成であればよく、以上説明した回路構成に限られない。
図14は、表示装置を実装したモジュールの他の一例を示す図である。自己静電容量方式の場合、マトリクス状に設けられたタッチ検出電極RxAを、タッチ検出電極Rx及び駆動電極Txの機能を兼用する電極として用いるようにしてもよい。この場合、COG19がタッチ検出部40の機能を内蔵し、タッチ検出電極RxAは、配線Lによって、それぞれCOG19に接続されている。なお、図14では、説明の便宜上、一部のタッチ検出電極RxAとCOG19とが、配線Lで接続されているが、実際には全てのタッチ検出電極RxAが、それぞれCOG19と配線Lで接続されている。なお、タッチ検出電極RxAの形状及び大きさは任意であるが、例えば大きさを画素の大きさに対応させてもよい。この場合、画素を構成する電極(例えば、液晶表示装置の画素における画素電極22又は対向電極としての駆動電極Tx)の1つをタッチ検出電極RxAとして用いてもよい。すなわち、タッチ検出電極RxAは、複数の画素を有する表示装置の画素の各々に設けられた電極と兼用されていてもよい。この場合、上述したタッチ検出電極Rxは、設ける必要がない。なお、自己静電容量方式の場合、一列に配列する複数のタッチ検出電極RxAを、検出ブロックAk(図8参照)としてもよいし、1つのタッチ検出電極RxAを、検出ブロックAkとしてもよい。
(第1変形例)
次に、本実施形態の第1変形例について説明する。第1変形例は、信号出力のタイムチャートが、上述の実施形態とは異なる。第1変形例において、上述の実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図15は、第1変形例に係る信号出力のタイムチャートである。第1変形例においても、上述の実施形態と同様に、第1期間P1における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間である時間F1の長さを、第2期間P2における最初のタッチ検出期間Ptから最後のタッチ検出期間Ptまでの時間である時間F2よりも短くして、第1レポート時間D1の長さと第2レポート時間D2の長さとの違いを小さくしている。ただし、第1変形例においては、1つの表示期間Pdにおいて駆動する走査線GCLの数を、第1期間P1と第2期間P2とで同じにしている点で、上述の実施形態とは異なる。従って、第1変形例においては、第1期間P1における表示期間Pdの長さと、第2時間P2における表示期間Pdの長さとは、同じになっている。
ただし、第1変形例においては、第1期間P1における表示期間Pdの数を、第2期間P2における表示期間Pdの数よりも少なくしている。すなわち、図15の例では、第1期間P1の表示期間Pdの数が(n−1)個であり、第2期間P2の表示期間Pdの数が、(n+1)個である。第1変形例においては、これにより、時間F1の長さを、時間F2の長さより短くしており、さらに言えば、第1期間P1における表示期間Pdの合計時間である第1表示時間を、第2期間P2における表示期間Pdの合計時間である第2表示時間より短くしている。なお、図15の例では、表示期間Pdとタッチ検出期間Ptとを交互に配置しているため、第1期間P1の表示期間Pdの数を第2期間P2の表示期間Pdの数より少なくすることに加え、第1期間P1のタッチ検出期間Ptの数を第2期間P2の表示期間Pdの数より少なくしている。ただし、タッチ検出期間Ptの数は同じであってもよい。
このように、第1変形例においては、制御部11は、第1期間P1における表示期間Pdの数を、第2期間P2における表示期間Pdの数よりも少なくしている。これによっても、第1レポート時間D1の長さと第2レポート時間D2の長さとの違いを小さくして、タッチ検出精度を向上させることができる。
(第2変形例)
次に、第2変形例について説明する。第2変形例は、信号出力のタイムチャートが、上述の実施形態とは異なる。第2変形例において、上述の実施形態と構成が共通する箇所は、説明を省略する。
図16は、第2変形例に係る信号出力のタイムチャートである。図16に示すように、第2変形例においては、第1期間P1における表示期間の全体である第1表示期間Pda1が、複数の表示期間Pdに分割されておらず、1つの連続した期間となっている。同様に、第1期間P1におけるタッチ検出期間の全体である第1タッチ検出期間Pta1が、複数のタッチ検出期間Ptに分割されておらず、1つの連続した期間となっている。第2期間P2においても、同様に、第2表示期間Pda2及び第2タッチ検出期間Pta2が、分割されずに1つの連続した期間となっている。
第1期間P1においては、バックポーチ期間BPの後に、第1表示期間Pda1が配置されて、第1表示期間Pda1において、1フレームの一部の画像に対して表示動作が実行されている。また、第1表示期間Pda1の直後に第1タッチ検出期間Pta1が配置されて、第1タッチ検出期間Pta1において、1つの検出面GSのタッチ検出動作が実行されている。第1タッチ検出期間Pta1で座標出力が終了したら、第2期間P2が始まり、第2期間P2においては、最初に第2表示期間Pda2が配置されて、第2表示期間Pda2において、1フレームの残りの画像に対して表示動作が実行されている。また、第2表示期間Pda2の直後に第2タッチ検出期間Pta2が配置されて、第2タッチ検出期間Pta2において、1つの検出面GSのタッチ検出動作が実行されている。第2タッチ検出期間Pta2で座標出力が終了したら、フロントポーチ期間FPが始まり、フロントポーチ期間FPが終了すれば、第2期間P2が終了し、次のフレーム期間Tが開始する。
ここで、第2変形例においては、第1表示期間Pda1の長さと、第2表示期間Pda2の長さとを異ならせており、さらに言えば、第1表示期間Pda1の長さを、第2表示期間Pda2の長さより短くしている。これにより、第1レポート時間D1の長さと第2レポート時間D2の長さとの違いを小さくしている。なお、第2変形例においては、第1タッチ検出期間Pta1の長さを、第2タッチ検出期間Pta2の長さと同じにすることが好ましい。第2変形例のように分割駆動しない場合でも、第1表示期間Pda1の長さと、第2表示期間Pda2の長さとを異ならせることで、タッチ検出精度を向上させることができる。なお、第1変形例及び第2変形例においても、上述の実施形態と同様に、1つのフレーム期間Tにおいて、第1期間P1及び第2期間P2に加え、第3期間P3を設けてもよいし、第3期間P3以降の期間を加えてもよい。
また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。