発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。また、図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の一構成例を表すブロック図である。タッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10と、制御部11と、ゲートドライバ12と、ソースドライバ13と、ソースセレクタ部13Sと、駆動電極ドライバ14と、タッチ検出部40とを備えている。このタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出機能付き表示デバイス10がタッチ検出機能を内蔵した表示デバイスである。タッチ検出機能付き表示デバイス10は、表示素子として液晶表示素子を用いている液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30とを一体化した、装置である。
本実施形態においては、表示領域に画像を表示する画像表示機能を有する表示機能層の開示例として液晶表示装置(液晶表示デバイス20)の場合を例示したが、その他の適用例として、有機EL装置、その他の自発光型表示装置、あるいは電気泳動素子等を有する電子ペーパー型表示装置等、あらゆるフラットパネル型の表示装置が挙げられる。また、中小型から大型まで、特に限定することなく適用が可能であることはいうまでもない。
液晶表示デバイス20は、後述するように、ゲートドライバ12から供給される走査信号Vscanに従って、1水平ラインずつ順次走査して表示を行うデバイスである。制御部11は、外部より供給された映像信号Vdispに基づいて、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14、及びタッチ検出部40に対してそれぞれ制御信号を供給し、これらが互いに同期して動作するように制御する回路である。本実施形態における制御装置は、制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14を含む。
ゲートドライバ12は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の表示駆動の対象となる1水平ラインを順次選択する機能を有している。
ソースドライバ13は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する各画素Pix(副画素SPix)に画素信号Vpixを供給する回路である。ソースドライバ13は、後述するように、1水平ライン分の映像信号Vdispから、液晶表示デバイス20の複数の副画素SPixの画素信号Vpixを時分割多重化した画素信号を生成し、ソースセレクタ部13Sに供給する。また、ソースドライバ13は、画像信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vselを生成し、画素信号Vpixとともにソースセレクタ部13Sに供給する。なお、ソースセレクタ部13Sは、ソースドライバ13と制御部11との間の配線数を少なくすることができる。
駆動電極ドライバ14は、制御部11から供給される制御信号に基づいて、タッチ検出機能付き表示デバイス10の、後述する駆動電極COMLにタッチ検出用の駆動信号(タッチ駆動信号、以下駆動信号という。)VcomAC、表示用の電圧である表示用駆動電圧VcomDCを供給する回路である。
タッチ検出部40は、制御部11から供給される制御信号と、タッチ検出機能付き表示デバイス10のタッチ検出デバイス30から供給されたタッチ検出信号Vdetに基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチ(上述した接触状態)の有無を検出し、タッチがある場合においてタッチ検出領域におけるその座標などを求める回路である。このタッチ検出部40はタッチ検出信号増幅部42と、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45と、検出タイミング制御部46とを備えている。
タッチ検出信号増幅部42は、タッチ検出デバイス30から供給されるタッチ検出信号Vdetを増幅する。タッチ検出信号増幅部42は、タッチ検出信号Vdetに含まれる高い周波数成分(ノイズ成分)を除去し、タッチ成分を取り出してそれぞれ出力する低域通過アナログフィルタを備えていてもよい。
(静電容量型タッチ検出の基本原理)
タッチ検出デバイス30は、静電容量型タッチ検出の基本原理に基づいて動作し、タッチ検出信号Vdetを出力する。図1〜図6を参照して、本実施形態のタッチ検出機能付き表示装置1におけるタッチ検出の基本原理について説明する。図2は、静電容量型タッチ検出方式の基本原理を説明するため、指が接触または近接していない状態を表す説明図である。図3は、図2に示す指が接触または近接していない状態の等価回路の例を示す説明図である。図4は、静電容量型タッチ検出方式の基本原理を説明するため、指が接触または近接した状態を表す説明図である。図5は、図4に示す指が接触または近接した状態の等価回路の例を示す説明図である。図6は、駆動信号及びタッチ検出信号の波形の一例を表す図である。
例えば、図2に示すように、容量素子C1は、誘電体Dを挟んで互いに対向配置された一対の電極、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2を備えている。図3に示すように、容量素子C1は、その一端が交流信号源(駆動信号源)Sに接続され、他端は電圧検出器(タッチ検出部)DETに接続される。電圧検出器DETは、例えば図1に示すタッチ検出信号増幅部42に含まれる積分回路である。
交流信号源Sから駆動電極E1(容量素子C1の一端)に所定の周波数(例えば数kHz〜数百kHz程度)の交流矩形波Sgを印加すると、タッチ検出電極E2(容量素子C1の他端)側に接続された電圧検出器DETを介して、出力波形(タッチ検出信号Vdet)が現れる。なお、この交流矩形波Sgは、後述する駆動信号VcomACに相当するものである。
指が接触(または近接)していない状態(非接触状態)では、図2及び図3に示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。図6に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I0の変動を電圧の変動(実線の波形V0)に変換する。
一方、指が接触(または近接)した状態(接触状態)では、図4に示すように、指によって形成される静電容量C2がタッチ検出電極E2と接している又は近傍にあることにより、駆動電極E1及びタッチ検出電極E2の間にあるフリンジ分の静電容量が遮られ、容量素子C1の容量値よりも容量値の小さい容量素子C1’として作用する。そして、図5に示す等価回路でみると、容量素子C1’に電流I1が流れる。図6に示すように、電圧検出器DETは、交流矩形波Sgに応じた電流I1の変動を電圧の変動(点線の波形V1)に変換する。この場合、波形V1は、上述した波形V0と比べて振幅が小さくなる。これにより、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|は、指などの外部からの近接する物体の影響に応じて変化することになる。なお、電圧検出器DETは、波形V0と波形V1との電圧差分の絶対値|ΔV|を精度よく検出するため、回路内のスイッチングにより、交流矩形波Sgの周波数に合わせて、コンデンサの充放電をリセットする期間Resetを設けた動作とすることがより好ましい。
図1に示すタッチ検出デバイス30は、駆動電極ドライバ14から供給される駆動信号Vcom(後述する駆動信号VcomAC)に従って、1検出ブロックずつ順次走査してタッチ検出を行うようになっている。
タッチ検出デバイス30は、複数の後述するタッチ検出電極TDLから、図3又は図5に示す電圧検出器DETを介して、検出ブロックごとにタッチ検出信号Vdetを出力し、タッチ検出部40のA/D変換部43に供給するようになっている。
A/D変換部43は、駆動信号VcomACに同期したタイミングで、タッチ検出信号増幅部42から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する回路である。
信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に含まれる、駆動信号Vcomをサンプリングした周波数以外の周波数成分(ノイズ成分)を低減するデジタルフィルタを備えている。信号処理部44は、A/D変換部43の出力信号に基づいて、タッチ検出デバイス30に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理部44は、指による差分の電圧のみ取り出す処理を行う。この指による差分の電圧は、上述した波形V0と波形V1との差分の絶対値|ΔV|である。信号処理部44は、1検出ブロック当たりの絶対値|ΔV|を平均化する演算を行い、絶対値|ΔV|の平均値を求めてもよい。これにより、信号処理部44は、ノイズによる影響を低減できる。信号処理部44は、検出した指による差分の電圧を所定のしきい値電圧と比較し、このしきい値電圧以上であれば、外部から近接する外部近接物体の接触状態と判断し、しきい値電圧未満であれば、外部近接物体の非接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出部40はタッチ検出が可能となる。
座標抽出部45は、信号処理部44においてタッチが検出されたときに、そのタッチパネル座標を求める論理回路である。検出タイミング制御部46は、A/D変換部43と、信号処理部44と、座標抽出部45とが同期して動作するように制御する。座標抽出部45は、タッチパネル座標を信号出力Voutとして出力する。
(モジュール)
図7は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールの一例を示す図である。図7に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、後述する画素基板2(TFT基板21)と、フレキシブルプリント基板Tとを備えている。画素基板2(TFT基板21)は、COG(Chip On Glass)19を搭載し、上述した液晶表示デバイス20の表示領域Adと、額縁領域Gdとが形成されている。COG19は、TFT基板21に実装されたICドライバのチップであり、図1に示した制御部11、ソースドライバ13など、表示動作に必要な各回路を内蔵した制御装置である。本実施形態では、上述したソースドライバ13及びソースセレクタ部13Sは、TFT基板21上に形成されている。ソースドライバ13及びソースセレクタ部13Sは、COG19に内蔵されていてもよい。また、駆動電極ドライバ14の一部である、駆動電極走査部14A、14Bは、TFT基板21に形成されている。また、ゲートドライバ12は、ゲートドライバ12A、12Bとして、TFT基板21に形成されている。また、タッチ検出機能付き表示装置1は、COG19に駆動電極走査部14A、14B、ゲートドライバ12などの回路を内蔵してもよい。
図1に示すタッチ検出機能付き表示デバイス10は、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの駆動電極ブロックBと、駆動電極ブロックB(駆動電極COML)と立体交差するように形成されたタッチ検出電極TDLとを模式的に示している。また、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLと、駆動電極COMLと交差せず平行な方向に延びるように形成された、後述する走査線GCLを備えている。
また、駆動電極COMLは、一方向に延在する複数のストライプ状の電極パターンに分割されている。タッチ検出動作を行う際は、各電極パターンには、駆動電極ドライバ14によって駆動信号VcomACが順次供給される。同時に駆動信号VcomACが供給される、駆動電極COMLの複数のストライプ状の電極パターンが図7に示す駆動電極ブロックBである。駆動電極ブロックB(駆動電極COML)は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の一辺に沿う方向に形成されており、後述するタッチ検出電極TDLは、タッチ検出機能付き表示デバイス10の他辺に沿う方向に形成されている。タッチ検出電極TDLの出力は、タッチ検出機能付き表示デバイス10の短辺側に設けられ、フレキシブルプリント基板Tを介して、フレキシブルプリント基板Tに実装されたタッチ検出部40と接続されている。このように、タッチ検出部40は、フレキシブルプリント基板T上に実装され、並設された複数のタッチ検出電極TDLのそれぞれと接続されている。フレキシブルプリント基板Tは、端子であればよく、フレキシブルプリント基板に限られず、この場合、モジュールの外部にタッチ検出部40が備えられる。
制御部11、ソースドライバ13及び駆動電極ドライバ14のうち、後述する駆動信号生成部は、画素基板2上にCOG19として実装される。ソースセレクタ部13Sは、TFT基板21上の表示領域Adの近傍に、TFT素子を用いて形成されている。表示領域Adには、後述する画素Pixがマトリックス状(行列状)に多数配置されている。額縁領域Gd、Gdは、TFT基板21の表面を垂直な方向からみて画素Pixが配置されていない領域である。ゲートドライバ12と、駆動電極ドライバ14のうち駆動電極走査部14A、14Bとは、額縁領域Gd、Gdに配置されている。
ゲートドライバ12は、ゲートドライバ12A、12Bを備え、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。ゲートドライバ12A、12Bは、表示領域Adに、後述する副画素SPix(画素)がマトリックス状に配置された、表示領域Adを挟んで両側から駆動することができるようになっている。以下の説明では、ゲートドライバ12Aを第1ゲートドライバ12Aとし、ゲートドライバ12Bを第2ゲートドライバ12Bとする。また、後述する走査線GCLは、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bとの間に配列する。このため、後述する走査線GCLは、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、駆動電極COMLの延在方向と平行な方向に延びるように設けられている。
駆動電極走査部14A、14Bは、TFT基板21上にTFT素子を用いて形成されている。駆動電極走査部14A、14Bは、駆動信号生成部から、表示用配線LDCを介して、表示用駆動電圧VcomDCの供給を受けるとともに、タッチ用配線LACを介して駆動信号VcomACの供給を受ける。駆動電極走査部14A、14Bは、額縁領域Gdにおいて、一定の幅Gdvを占める。そして、駆動電極走査部14A、14Bは、並設された複数の駆動電極ブロックBのそれぞれを、両側から駆動することができるようになっている。表示用駆動電圧VcomDCを供給する表示用配線LDCと、タッチ用駆動信号VcomACを供給するタッチ用配線LACとは、並列に額縁領域Gd、Gdに配置されている。表示用配線LDCは、タッチ用配線LACよりも表示領域Ad側に配置されている。この構造により、表示用配線LDCにより供給される表示用駆動電圧VcomDCが、表示領域Adの端部の電位状態を安定させる。このため、特に、横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスにおいて、表示が安定する。
図7に示すタッチ検出機能付き表示装置1は、上述したタッチ検出信号Vdetを、タッチ検出機能付き表示デバイス10の一方の辺側から出力する。これにより、タッチ検出機能付き表示装置1は、端子部であるフレキシブルプリント基板Tを介してタッチ検出部40に接続する際の配線の引き回しが容易になる。
(タッチ検出機能付き表示デバイス)
次に、タッチ検出機能付き表示デバイス10の構成例を詳細に説明する。図8は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。図9は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置の制御装置の一例を示す図である。図10は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの画素配列を表す回路図である。
図8に示すように、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、画素基板2と、この画素基板2の表面に垂直な方向に対向して配置された対向基板3と、画素基板2と対向基板3との間に挿設された液晶層6とを備えている。
液晶層6は、電界の状態に応じてそこを通過する光を変調するものであり、例えば、FFS(フリンジフィールドスイッチング)またはIPS(インプレーンスイッチング)等の横電界モードの液晶を用いた液晶表示デバイスが用いられる。なお、図8に示す液晶層6と画素基板2との間、及び液晶層6と対向基板3との間には、それぞれ配向膜が配設されてもよい。
また、対向基板3は、ガラス基板31と、このガラス基板31の一方の面に形成されたカラーフィルタ32とを含む。ガラス基板31の他方の面には、タッチ検出デバイス30の検出電極であるタッチ検出電極TDLが形成され、さらに、このタッチ検出電極TDLの上には、偏光板35が配設されている。
画素基板2は、回路基板としてのTFT基板21と、このTFT基板21上にマトリックス状に配設された複数の画素電極22と、TFT基板21及び画素電極22の間に形成された複数の駆動電極COMLと、画素電極22と駆動電極COMLとを絶縁する絶縁層24と、を含む。
(表示装置のシステム構成例)
画素基板2は、TFT基板21上に、表示領域Adと、インターフェース(I/F)及びタイミングジェネレータの機能を備えるCOG19と、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12B及びソースドライバ13とを備えている。上述した図7に示すフレキシブルプリント基板Tは、図7に示すCOG19として配置された図9に示すCOG19への外部信号またはCOG19を駆動する駆動電力を伝送する。画素基板2は、透明絶縁基板(例えばガラス基板)のTFT基板21の表面にあり、液晶セルを含む画素がマトリックス状(行列状)に多数配置されてなる表示領域Adと、ソースドライバ(水平駆動回路)13と、ゲートドライバ(垂直駆動回路)12A、12Bと、を備えている。ゲートドライバ(垂直駆動回路)12A、12Bは、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bとして、表示領域Adを挟むように配置されている。
表示領域Adは、液晶層6を含む副画素SPixが、m行×n列に配置されたマトリックス(行列状)構造を有している。なお、この明細書において、行とは、一方向に配列されるm個の副画素SPixを有する画素行をいう。また、列とは、行が配列される方向と直交する方向に配列されるn個の副画素SPixを有する画素列をいう。そして、mとnとの値は、垂直方向の表示解像度と水平方向の表示解像度に応じて定まる。表示領域Adは、画素Vpixのm行n列の配列に対して行毎に走査線GCLm+1、GCLm+2、GCLm+3・・・が配線され、列毎に信号線SGLn+1、SGLn+2、SGLn+3、SGLn+4、SGLn+5・・・が配線されている。以後、実施形態においては、走査線GCLm+1、GCLm+2、GCLm+3・・・を代表して走査線GCLのように表記し、信号線SGLn+1、SGLn+2、SGLn+3、SGLn+4、SGLn+5・・・を代表して信号線SGLのように表記することがある。
画素基板2には、外部から外部信号である、マスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号が入力され、COG19に与えられる。COG19は、外部電源の電圧振幅のマスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号を、液晶の駆動に必要な内部電源の電圧振幅にレベル変換(昇圧)し、マスタークロック、水平同期信号及び垂直同期信号としてタイミングジェネレータを通し、垂直スタートパルスVST、垂直クロックパルスVCK、水平スタートパルスHST及び水平クロックパルスHCKを生成する。COG19は、垂直スタートパルスVST、垂直クロックパルスVCKを第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bに与えるとともに、水平スタートパルスHST及び水平クロックパルスHCKをソースドライバ13に与える。COG19は、副画素SPix毎の画素電極に対して各画素共通に与えて、コモン電位とよばれる表示用駆動電圧(対向電極電位)VCOMを生成して上述した駆動電極COMLに与える。
第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、後述するシフトレジスタを含み、さらにラッチ回路等を含んでもよい。第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、上述した垂直スタートパルスVSTが与えられることで、ラッチ回路が、垂直クロックパルスVCKに同期してCOG19から出力される表示データを1水平期間で順次サンプリングしラッチする。第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、ラッチ回路においてラッチされた1ライン分のデジタルデータを垂直走査パルスとして順に出力し、走査線GCLに与えることによって副画素SPixを行単位で順次選択する。第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、走査線GCLの延在方向に走査線GCLを挟むように配置されている。第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、表示領域Adの上寄り、垂直走査上方向から、表示領域Adの下寄り、垂直走査下方向へ順に出力する。
ソースドライバ13には、例えば6ビットのR(赤)、G(緑)、B(青)のデジタル画像信号Vsigが与えられる。ソースドライバ13は、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bによる垂直走査によって選択された行の各副画素SPixに対して、画素毎に、もしくは複数画素毎に、あるいは全画素一斉に、信号線SGLを介して表示データを書き込む。
TFT基板21には、図9及び図10に示す各副画素SPixの薄膜トランジスタ(TFT;Thin Film Transistor)素子Tr、図8に示す各画素電極22に画素信号Vpixを供給する画素信号線SGL、各TFT素子Trを駆動する走査線GCL等の配線が形成されている。このように、画素信号線SGLは、TFT基板21の表面と平行な平面に延在し、画素に画像を表示するための画素信号Vpixを供給する。図10に示す液晶表示デバイス20は、マトリックス状に配列した複数の副画素SPixを有している。副画素SPixは、TFT素子Tr及び液晶素子LCを備えている。TFT素子Trは、薄膜トランジスタにより構成されるものであり、この例では、nチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTで構成されている。TFT素子Trのソースは画素信号線SGLに接続され、ゲートは走査線GCLに接続され、ドレインは液晶素子LCの一端に接続されている。液晶素子LCは、一端がTFT素子Trのドレインに接続され、他端が駆動電極COMLに接続されている。
図9に示す第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bは、垂直走査パルスを、図10に示す走査線GCLを介して、副画素SPixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、表示領域Adにマトリックス状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。ソースドライバ13は、画素信号Vpixを、SGLを介して、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bにより順次選択される1水平ラインを含む各副画素SPpixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号に応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。駆動電極ドライバ14は、表示用の駆動信号(表示用駆動電圧VcomDC)を印加して、駆動電極COMLを駆動する。
上述したように、タッチ検出機能付き表示装置1は、第1ゲートドライバ12A、第2ゲートドライバ12Bが走査線GCLm+1、GCLm+2、GCLm+3を順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択される。また、タッチ検出機能付き表示装置1は、1水平ラインに属する画素Vpixに対して、ソースドライバ13が画素信号を供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、その1水平ラインに対応する駆動電極COMLに対して駆動信号Vcomを印加するようになっている。
図8に示すカラーフィルタ32は、例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色されたカラーフィルタの色領域を周期的に配列して、上述した図10に示す各副画素SPixにR、G、Bの3色の色領域32R、32G、32B(図10参照)が1組として画素Pixとして対応付けられている。カラーフィルタ32は、TFT基板21と垂直な方向において、液晶層6と対向する。なお、カラーフィルタ32は、異なる色に着色されていれば、他の色の組み合わせであってもよい。
図10に示す副画素SPixは、走査線GCLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。走査線GCLは、ゲートドライバ12と接続され、ゲートドライバ12より走査信号Vscanが供給される。また、副画素SPixは、画素信号線SGLにより、液晶表示デバイス20の同じ列に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。画素信号線SGLは、ソースドライバ13と接続され、ソースドライバ13より画素信号Vpixが供給される。
図11は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置を実装したモジュールにおいて、ソースドライバと、画素信号線との関係を説明する模式図である。図11に示すように、タッチ検出機能付き表示装置1は、画素信号線SGLが、ソースセレクタ部13Sを介して上述したCOG19に内蔵したソースドライバ13に接続されている。ソースセレクタ部13Sは、スイッチ制御信号Vselに応じて開閉動作する。
図11に示すように、ソースドライバ13は、制御部11から供給される画像信号Vsig及びソースドライバ制御信号に基づいて、画素信号Vpixを生成し出力する。ソースドライバ13は、1水平ライン分の画像信号Vsigから、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の複数(この例では3つ)の副画素SPixの画素信号Vpixを時分割多重した画素信号を生成し、ソースセレクタ部13Sに供給する。また、ソースドライバ13は、画像信号Vsigに多重化された画素信号Vpixを分離するために必要なスイッチ制御信号Vsel(VselR、VselG、VselB)を生成し、画像信号Vsigとともにソースセレクタ部13Sに供給する。なお、この多重化により、ソースドライバ13とソースセレクタ部13Sとの間の配線数が少なくなる。
ソースセレクタ部13Sは、ソースドライバ13から供給された画像信号Vsig及びスイッチ制御信号Vselに基づいて、画像信号Vsigに時分割多重された画素信号Vpixを分離し、タッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20に供給する。
ソースセレクタ部13Sは、例えば、3つのスイッチSWR、SWG、SWBを備え、3つのスイッチSWR、SWG、SWBの各一端は互いに接続されソースドライバ13から画像信号Vsigが供給される。3つのスイッチSWR、SWG、SWBの各他端はタッチ検出機能付き表示デバイス10の液晶表示デバイス20の画素信号線SGLを介して、副画素SPixにそれぞれ接続されている。3つのスイッチSWR、SWG、SWBは、ソースドライバ13から供給されたスイッチ制御信号Vsel(VselR、VselG、VselB)によってそれぞれ開閉制御される。この構成により、ソースセレクタ部13Sは、スイッチ制御信号Vselに応じて、スイッチSWR、SWG、SWBを時分割的に順次切り替えてオン(ON)状態にすることができる。これにより、ソースセレクタ部13Sは、多重化された画像信号Vsigから画素信号Vpix(VpixR、VpixG、VpixB)を分離する。そして、ソースセレクタ部13Sは、画素信号Vpixを、3つの副画素SPixにそれぞれ供給する。上述した赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色された色領域32R、32G、32Bが、副画素SPixにそれぞれ対応付けられている。このため、色領域32Rに対応する副画素SPixには、画素信号VpixRが供給される。色領域32Gに対応する副画素SPixには、画素信号VpixGが供給される。色領域32Bに対応する副画素SPixには、画素信号VpixBが供給される。
副画素SPixは、駆動電極COMLにより、液晶表示デバイス20の同じ行に属する他の副画素SPixと互いに接続されている。駆動電極COMLは、駆動電極ドライバ14と接続され、駆動電極ドライバ14より表示用駆動電圧VcomDCが供給される。つまり、この例では、同じ一行に属する複数の副画素SPixが駆動電極COMLを共有するようになっている。
図1に示すゲートドライバ12は、走査信号Vscanを、図10に示す走査線GCLを介して、副画素SPixのTFT素子Trのゲートに印加することにより、液晶表示デバイス20にマトリックス状に形成されている副画素SPixのうちの1行(1水平ライン)を表示駆動の対象として順次選択する。図1に示すソースドライバ13は、画素信号Vpixを、図10に示す画素信号線SGLを介して、ゲートドライバ12により順次選択される1水平ラインを構成する各副画素SPixにそれぞれ供給する。そして、これらの副画素SPixでは、供給される画素信号Vpixに応じて、1水平ラインの表示が行われるようになっている。図1に示す駆動電極ドライバ14は、駆動信号Vcomを印加し、図7及び図9に示す、所定の本数の駆動電極COMLからなる駆動電極ブロックB毎に駆動電極COMLを駆動する。
上述したように、液晶表示デバイス20は、ゲートドライバ12が走査線GCLを時分割的に順次走査するように駆動することにより、1水平ラインが順次選択される。また、液晶表示デバイス20は、1水平ラインに属する副画素SPixに対して、ソースドライバ13が画素信号Vpixを供給することにより、1水平ラインずつ表示が行われる。この表示動作を行う際、駆動電極ドライバ14は、その1水平ラインに対応する駆動電極COMLを含む駆動電極ブロックに対して表示用駆動電圧VcomDCを印加するようになっている。
本実施形態に係る駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能する。図12は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの駆動電極及びタッチ検出電極の一構成例を表す斜視図である。図12に示す駆動電極COMLは、図8に示すように、TFT基板21の表面に対する垂直方向において、画素電極22に対向している。タッチ検出デバイス30は、画素基板2に設けられた駆動電極COMLと、対向基板3に設けられたタッチ検出電極TDLにより構成されている。タッチ検出電極TDLは、駆動電極COMLの電極パターンの延在方向と交差する方向に延びるストライプ状の電極パターンから構成されている。そして、タッチ検出電極TDLは、TFT基板21の表面に対する垂直な方向において、駆動電極COMLと対向している。タッチ検出電極TDLの各電極パターンは、タッチ検出部40のタッチ検出信号増幅部42の入力にそれぞれ接続されている。駆動電極COMLとタッチ検出電極TDLにより互いに交差した電極パターンは、その交差部分に静電容量を生じさせている。なお、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、ストライプ状に複数に分割される形状に限られない。例えば、タッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、櫛歯形状であってもよい。あるいはタッチ検出電極TDL又は駆動電極COML(駆動電極ブロック)は、複数に分割されていればよく、駆動電極COMLを分割するスリットの形状は直線であっても、曲線であってもよい。
この構成により、タッチ検出デバイス30では、タッチ検出動作を行う際、駆動電極ドライバ14が、図7に示す駆動電極ブロックBを時分割的に線順次走査するように駆動する。これにより、スキャン方向Scanに駆動電極COMLの駆動電極ブロックB(1検出ブロック)は、順次選択される。そして、タッチ検出デバイス30は、タッチ検出電極TDLからタッチ検出信号Vdetを出力する。このようにタッチ検出デバイス30は、1検出ブロックのタッチ検出が行われるようになっている。
図13、図14及び図15は、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置におけるタッチ検出の動作例を表す模式図である。図7に示す駆動電極COMLの駆動電極ブロックBが20個の駆動電極ブロックB1〜B20である場合の、各駆動電極ブロックB1〜B20に対するタッチ用駆動信号VcomACの印加動作を示している。駆動信号印加ブロックBACは、タッチ用駆動信号VcomACが印加された駆動電極ブロックBを示しており、その他の駆動電極ブロックBは電圧が印加されず、電位が固定されていない状態、いわゆるフローティング状態となっている。駆動信号印加ブロックBACは、タッチ用駆動信号VcomACが印加された駆動電極ブロックBを示しており、その他の駆動電極ブロックBには表示用駆動電圧VcomDCが印加され、電位が固定されていてもよい。図1に示す駆動電極ドライバ14は、図13に示すタッチ検出動作の対象となる駆動電極ブロックBのうち、駆動電極ブロックB3を選択して、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。次に、駆動電極ドライバ14は、図14に示す駆動電極ブロックBのうち、駆動電極ブロックB4を選択して、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。次に、駆動電極ドライバ14は、図15に示す駆動電極ブロックBのうち、駆動電極ブロックB5を選択して、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。このように、駆動電極ドライバ14は、駆動電極ブロックBを順次選択して、タッチ用駆動信号VcomACを印加し、全ての駆動電極ブロックBにわたって走査する。なお、駆動電極ブロックBの個数は、20個に限定されるものではない。
タッチ検出デバイス30は、図13から図15に示す駆動電極ブロックBの1つが、上述した静電容量型タッチ検出の基本原理における駆動電極E1に対応する。タッチ検出デバイス30は、タッチ検出電極TDLの1つが、タッチ検出電極E2に対応する。タッチ検出デバイス30は、上述した基本原理に従ってタッチを検出するようになっている。そして、図12に示すように、互いに立体交差した電極パターンは、静電容量式タッチセンサをマトリックス状に構成している。よって、タッチ検出デバイス30のタッチ検出面全体にわたって走査することにより、外部近接物体の接触または近接が生じた位置の検出も可能となっている。
タッチ検出機能付き表示デバイス10は、ゲートドライバ12が走査線GCLを時分割的に線順次走査するように駆動することにより、表示走査を行う。また、タッチ検出機能付き表示デバイス10は、駆動電極ドライバ14が、駆動電極ブロックBを順次選択して駆動することにより、1回の走査を完了するタッチ検出走査を行う。例えば、タッチ検出走査Scantは、表示走査Scandの2倍の走査速度で行われる。このように、タッチ検出機能付き表示装置1では、タッチ検出の走査速度を表示の走査速度よりも速くすることにより、外部から近接する外部近接物体によるタッチにすぐに応答することができ、タッチ検出に対する応答特性を改善することができるようになっている。なお、タッチ検出走査及び表示走査の関係は、限定されるものではなく、例えば、タッチ検出走査は、表示走査の2倍以上の走査速度で行われるようにしてもよいし、表示走査の2倍以下の走査速度で行われるようにしてもよい。
(駆動信号生成部及び駆動電極ドライバ)
図16は、実施形態1に係る駆動電極ドライバの駆動信号生成部を示すブロック図である。駆動信号生成部14Qは、高レベル電圧生成部61と、低レベル電圧生成部62と、バッファ63、64、66と、スイッチング回路65とを備えている。
高レベル電圧生成部61は、タッチ用駆動信号VcomACの高レベル電圧を生成する。低レベル電圧生成部62は、表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧を生成する。この低レベル電圧生成部62が生成した電圧は、タッチ用駆動信号VcomACの低レベル電圧としても使用される。バッファ63は、高レベル電圧生成部61から供給された電圧を、インピーダンス変換を行いつつ出力し、スイッチング回路65に供給する。バッファ64は、低レベル電圧生成部62から供給された電圧を、インピーダンス変換を行いつつ出力し、スイッチング回路65に供給する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMに基づいて、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合と駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合とを交互に繰り返し、タッチ用駆動信号VcomACを生成する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合に、バッファ63から供給された電圧を出力し、駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合に、バッファ64から供給された電圧を出力する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMに基づいて、駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合に、バッファ64から供給された電圧を表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧として出力する。バッファ63、64は、例えばボルテージフォロワにより構成される。なお、スイッチング回路65の出力する電圧は、出力端子65Eに出力される。バッファ66は、低レベル電圧生成部62から供給された電圧を、インピーダンス変換を行いつつ出力し、表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧を出力端子66Eに供給する。
図17は、実施形態1に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。図18は、実施形態1に係る駆動電極ドライバの駆動部を示すブロック図である。図19は、比較例に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。図20は、比較例に係るタッチ用配線の額縁における幅を模式的に示す説明図である。図21は、実施形態1に係るタッチ用配線の額縁における幅を模式的に示す説明図である。
図17に示すように、駆動電極走査部14A、14Bは、走査制御部51と、タッチ検出走査部52と、駆動部530とを備えている。駆動部530は、駆動電極ブロックBと同じ数の駆動部53(k)〜53(k+3)を備えている。走査制御部51は、COG19に実装されている。また、タッチ検出走査部52と、駆動部530とは、表示領域Adの周囲にある額縁に配置されている。以後、複数の駆動部53(k)〜53(k+3)のうちの任意の1つをさす場合には、単に駆動部53を用いるものとする。
走査制御部51は、制御部11より供給された制御信号に基づいて、タッチ検出走査部52に対して制御信号SDCK、走査開始信号SDSTを供給する。また、表示用配線LDCには、上述した駆動信号生成部14Qから出力端子66Eを介して出力された、表示用駆動電圧VcomDCが供給される。タッチ用配線LACは、上述した駆動信号生成部14Qから出力端子65Eを介して出力された、タッチ用駆動信号VcomACが供給される。走査制御部51は、駆動信号生成部14Qからタッチ用駆動信号VcomACが供給されている駆動電極選択信号VCOMSELを、駆動部530に対して供給する。駆動電極選択信号VCOMSELは、駆動信号生成部14Qから駆動電極COMLへタッチ用駆動信号VcomACを供給する期間、つまりタッチ検出期間を識別するための信号である。
タッチ検出走査部52は、転送回路である、駆動電極用のシフトレジスタ(第1の転送回路)52SR1及び駆動電極用のシフトレジスタ(第2の転送回路)52SR2を含む。シフトレジスタ52SR1は、タッチ用駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを選択するための転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SRout(k+2)、SRout(k+3)・・・を生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ52SR1が走査制御部51から供給された走査開始信号SDSTをトリガーとして、駆動電極選択信号VCOMSELに同期させて、順次シフトレジスタ52SR1の次のシフトレジスタ52SR2へ転送され、順次選択される。シフトレジスタ52SR2は、空転送信号としての転送回路出力TRN(k)、TRN(k+1)、TRN(k+2)、TRN(k+3)・・・を生成し、次のシフトレジスタ52SR1へ転送する。
ここで、空転送とは、転送回路出力(シフトレジスタ出力)が選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)等の制御に利用されず、次段の転送回路又は次に接続される転送回路に入力されることを言う。
駆動電極選択信号VCOMSELに同期して選択されたシフトレジスタ52SR1は、転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SRout(k+2)、SRout(k+3)・・・を、駆動部530の各増幅回路54へ送出する。タッチ検出走査部52は、選択されたシフトレジスタ52SRが例えば高レベルの信号をk+2番目の転送回路出力SRout(k+2)としてk+2番目の駆動部53(k+2)に供給した場合に、この駆動部53(k+2)は、k+2番目の駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLに駆動信号VcomACを印加するようになっている。以後、転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SRout(k+2)、SRout(k+3)・・・のうち任意の1つをさす場合には、転送回路出力SRoutを用いることがある。また、転送回路出力TRN(k)、TRN(k+1)、TRN(k+2)、TRN(k+3)・・・のうち任意の1つをさす場合には、転送回路出力TRNを用いることがある。
駆動部530は、タッチ検出走査部52から供給された転送回路出力SRout、及び走査制御部51から供給された駆動電極選択信号VCOMSELに基づいて、駆動信号生成部14Qから供給された表示用駆動電圧VcomDCまたはタッチ用駆動信号VcomACを駆動電極COMLに印加する回路である。駆動部53は、タッチ検出走査部52の出力信号に対応して1つずつ設けられており、対応する駆動電極ブロックBに対して駆動信号Vcomを印加するようになっている。
駆動部53は、増幅回路54と、駆動電極ブロックB毎に1つの選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)とを備えている。シフトレジスタ52SR1から供給された転送回路出力SRoutは、振幅レベルに増幅するバッファ機能を有する増幅回路54を介して、選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)の動作を制御することができる。つまり、選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)は、シフトレジスタ52SR1から供給される信号に基づいて動作が制御される。選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)の一端は、駆動電極ブロックBが含む複数の駆動電極COMLに接続され、選択スイッチSW1の他端は、表示用配線LDC及びタッチ用配線LACのうち一方と接続されている。
この構成により、駆動部53は、転送回路出力SRoutが高レベル、かつ駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomとして出力する。駆動部53は、転送回路出力SRoutが低レベルかつ、かつ駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、駆動電極ブロックBをタッチ用配線LACから切り離し、表示用配線LDCに接続する。ここで、タッチ用駆動信号VcomACの出力先として選択された駆動電極ブロックBは、選択駆動電極ブロックSTXである。タッチ用駆動信号VcomACの出力先として選択されていない駆動電極ブロックBは、非選択駆動電極ブロックNTXである。例えば、図17に示す駆動部53(k+2)が、k+2番目の駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLにタッチ用駆動信号VcomACを印加するので、選択駆動電極ブロックSTXは、駆動電極ブロックB(k+2)である。そして、タッチ用駆動信号VcomACの出力先として選択されていない駆動電極ブロックB(k)、B(k+1)、B(k+3)は、非選択駆動電極ブロックNTXである。
また、液晶表示デバイス20が表示動作している場合、駆動部53は、転送回路出力SRoutが低レベルであって、駆動電極ブロックB毎に1つの選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)を全て表示用配線LDCに接続し、表示用駆動電圧VcomDCを駆動信号Vcomとして出力する。
図18は、実施形態1に係る駆動電極ドライバの駆動部を示すブロック図である。図18は、第1ゲートドライバ12A側の構成を説明するが、第2ゲートドライバ12Bの構成も同様である。また、以下の説明は、選択スイッチSW1を代表して説明するが、選択スイッチSW2、SW3、SW4も同様である。第1ゲートドライバ12A(第2ゲートドライバ12B)は、ゲートシフトレジスタ120SRを含む。ゲートシフトレジスタ120SRは、垂直スタートパルスVSTに応答して動作を開始し、垂直クロックVCKに同期して、順次垂直走査方向に選択され、バッファ回路を介して走査線GCLに垂直選択パルスを出力する。図18に示すように、ゲートシフトレジスタ120SRは、副画素SPixの数に応じて大きくなる。このため、走査線GCLの延びる方向と交差する方向であってタッチ用配線LACが延びる方向において、1つの駆動電極COMLは、複数の副画素SPixと重なり合う。その結果、タッチ用配線LACが延びる方向において、1つの駆動電極COMLと重なり合う複数の副画素SPixを走査するゲートシフトレジスタ120SRの数は、駆動電極用のシフトレジスタ52SR1の数よりも大きくなる。そこで、図18に示すように、駆動電極用のシフトレジスタ52SR1と、駆動電極用のシフトレジスタ52SR2とは、タッチ用配線LACが延びる方向にスペースがあることから並べることができる。このため、額縁領域Gdには、駆動電極用のシフトレジスタ52SR1に加え、額縁領域Gdを増加しなくても駆動電極用のシフトレジスタ52SR2を形成することができる。
選択スイッチSW1は、駆動電極COML毎に複数備えられるスイッチCOMSWを備えている。スイッチCOMSWは、スイッチ制御信号Ssw、Sxswに応じて、駆動電極COML毎に全て動作する。スイッチCOMSWは、駆動電極COML毎に全て動作することで、タッチ用配線LACと駆動電極COMLとの接続及び表示用配線LDCと駆動電極COMLとの接続のいずれか一方を時分割で選択する。
スイッチCOMSWは、例えば、CMOSスイッチCMOS1と、CMOSスイッチCMOS2とが1つの回路単位とされた場合、複数の当該回路単位が駆動電極COML毎に設けられている。CMOSスイッチCMOS1と、CMOSスイッチCMOS2とは、Nチャネルのゲートを有するトランジスタNMOSと、Pチャネルのゲートを有するトランジスタPMOSとを有している。
CMOSスイッチCMOS1は、スイッチ信号線GSWがトランジスタNMOS、トランジスタPMOSのゲートに接続される。CMOSスイッチCMOS2は、スイッチ信号線GxSWがCMOSスイッチCMOS2は、トランジスタNMOS、トランジスタPMOSのゲートに接続される。スイッチ信号線GSWに供給されるスイッチ制御信号Sswと、スイッチ信号線GxSWに供給されるスイッチ制御信号Sxswとは、電位のハイレベルとローレベルとが互いに反転した信号である。このため、CMOSスイッチCMOS1、CMOSスイッチCMOS2は、タッチ用配線LACと駆動電極COMLとの接続及び表示用配線LDCと駆動電極COMLとの接続のいずれか一方を同期して同じ選択をすることができる。このように、選択スイッチSW1は、駆動電極COML毎に複数のスイッチCOMSWを備え、スイッチCOMSWがタッチ用配線LACと駆動電極COMLとの間に並列に接続されている。複数のスイッチCOMSWは、選択信号であるスイッチ制御信号Ssw、Sxswに応じて、駆動電極COML毎に全て動作して、タッチ用配線LACと駆動電極COMLとを接続し、タッチ用駆動信号VcomACを印加する。
増幅回路54は、インバータ、スイッチング回路、バッファ、を備えている。インバータは、転送回路出力SRoutが高レベルの場合に駆動電極用のシフトレジスタ52SR1のうち選択された転送段の転送回路出力SRoutの反転論理を出力する。増幅回路54は、駆動電極選択信号VCOMSELに応じて、インバータの入力及び出力からスイッチングし、スイッチ制御信号Sswをバッファに出力する。バッファは、スイッチ制御信号Sswを増幅し、スイッチ信号線GSWに供給する。インバータは、バッファが出力するスイッチ制御信号Sswの反転論理を生成して、スイッチ制御信号Sxswとして出力し、スイッチ信号線GxSWに供給する。
CMOSスイッチCMOS1、CMOS2は、接続導体Q3でタッチ用配線LACと接続されている。また、CMOSスイッチCMOS1、CMOS2は、接続導体Q2で表示用配線LDCと接続されている。CMOSスイッチCMOS1、CMOS2は、接続導体Q1で、駆動電極COMLと接続されている。CMOSスイッチCMOS1、CMOS2は、トランジスタNMOS、トランジスタPMOSのゲートに、スイッチ制御信号Ssw、Sxswが入力されることで、接続導体Q1と接続導体Q2との接続及び接続導体Q3と接続導体Q1との接続のうちいずれか一方の接続を選択することができる。
図18に示すように、走査線GCLは、スイッチ信号線GSW、GxSWと基本的には同層に配線され、走査線GCLと、スイッチ信号線GSW、GxSWとが交差する部分では、絶縁層を介して立体交差している。走査線GCLは、スイッチ信号線GSW、GxSWと同じトランジスタのゲート線であり、同じ工程で形成することで、製造工程を短縮することができる。走査線GCLは、タッチ用配線LAC、表示用配線LDCと絶縁層を介して、立体交差している。そして、選択スイッチSW1は、タッチ用配線LAC(表示用配線LDC)と立体交差する走査線GCLの間(例えば走査線GCLm+1と走査線GCLm+2との間)にある領域に配置されている。タッチ用配線LAC(表示用配線LDC)と立体交差する走査線GCL同士の間隔は、表示領域Adにおける隣り合う走査線GCL同士の間隔と同じである。
(比較例)
図19に示すように、タッチ検出走査部52は、転送回路である、駆動電極用のシフトレジスタ52SR1を含み、駆動電極用のシフトレジスタ52SR2を含まない。駆動電極用のシフトレジスタ52SR1は、タッチ用駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを選択するための転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SRout(k+2)、SRout(k+3)・・・を生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ52SRが走査制御部51から供給された走査開始信号SDSTをトリガーとして制御信号SDCK1、SDCK2に同期させて、順次シフトレジスタ52SRの転送段毎に転送され、順次選択される。選択されたシフトレジスタ52SRは、転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SRout(k+2)、SRout(k+3)・・・を、駆動部530の各論理回路55へ送出する。論理回路55は、タッチ検出走査部52から供給された転送回路出力SRout、及び走査制御部51から供給された駆動電極選択信号VCOMSELの論理積(AND)を生成して出力する。論理回路55は、選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)の動作を制御することができる振幅レベルに増幅するバッファ機能を有している。タッチ検出走査部52は、選択されたシフトレジスタ52SRが例えば高レベルの信号をk+2番目の転送回路出力SRout(k+2)としてk+2番目の駆動部53(k+2)に供給した場合に、この駆動部53(k+2)は、k+2番目の駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLに駆動信号VcomACを印加するようになっている。
図20に示すように、額縁領域Gdのうち、表示用配線LDC及びタッチ用配線LACが占める幅Wtp、駆動部53の配線が占める領域の幅Wtxがあり、タッチ用配線LACの抵抗を抑制したい要望がある。例えば、タッチ用配線LACの抵抗は、出力端子65Eより遠端の駆動電極COMLで最も大きくなることから、時定数に応じてタッチ用駆動信号VcomACの波形のなまりが生じ、タッチ検出の精度に影響を与える可能性がある。時定数は、出力端子65Eより遠端の駆動電極COMLの影響よりもタッチ用配線LACの抵抗の影響が2倍程度影響する。このため、タッチ用配線LACの幅を増加させ、出力端子65Eより遠端の駆動電極COMLまでのタッチ用配線LACの抵抗を抑制することが有効である。しかしながら、幅Wtpの増加は、額縁領域Gdの増加に繋がり、表示領域に寄与しない、額縁が大きくなってしまう可能性がある。
図20に示すように、幅Wtxには、走査開始信号SDSTを伝送する制御信号線LSDST、制御信号SDCK1を伝送する制御信号線LSDCK1、制御信号SDCK2を伝送する制御信号線LSDCK2、駆動電極選択信号VCOMSELを伝送する制御信号線LVCOMSEL、シフトレジスタ52SR1の形成領域、シフトレジスタ52SR1などを駆動するLogic電源用の論理回路用電源線LPWA、LPWB及び線間絶縁用のスペースが含まれる。制御信号線LSDCK1、制御信号線LSDCK2及び線間絶縁用のスペースの幅ΔWCKは例えば、15μm以上20μm以下程度必要である。
図20に示すように、実施形態1に係る幅Wtxには、走査開始信号SDSTを伝送する制御信号線LSDST、駆動電極選択信号VCOMSELを伝送する制御信号線LVCOMSEL、シフトレジスタ52SR1の形成領域、シフトレジスタ52SR1などを駆動するLogic電源用の論理回路用電源線LPWA、LPWB及び線間絶縁用のスペースが含まれる。実施形態1に係る幅Wtxには、制御信号SDCK1を伝送する制御信号線LSDCK1、制御信号SDCK2を伝送する制御信号線LSDCK2を含まないので、図20に示す幅ΔWCKの分だけ実施形態1に係る幅Wtxを抑制することができる。これにより、実施形態1に係る額縁領域Gdは狭くすることができる。又は、タッチ用配線LACは、図20に示す幅ΔWCKの分だけ図21に示す幅Δwlを増加させる余地がある。図20に示す幅ΔWCKの分だけ図21に示す幅Δwlを増加させる場合、タッチ用配線LACの抵抗は低減される。その結果、タッチ用駆動信号VcomACの波形のなまりが改善され、タッチ検出の精度が向上することができる。又は、タッチ用配線LACは、図20に示す幅ΔWCKの一部だけ図21に示す幅Δwlを増加させる場合、タッチ用駆動信号VcomACの波形のなまりが改善され、タッチ検出の精度が向上し、額縁領域Gdを狭くすることができる。
続いて、実施形態1のタッチ検出機能付き表示装置1の動作及び作用について説明する。以下の説明では、表示用の駆動信号としての駆動信号Vcomを、表示用駆動電圧VcomDCとして記載し、タッチ検出用の駆動信号としての駆動信号Vcomを、タッチ用駆動信号VcomACとして記載する。
(タッチ検出機能付き表示装置動作)
次に、タッチ検出機能付き表示装置1の動作を説明する。図22は、タッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形例を示す説明図である。図22に示すように、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間)と表示動作(表示期間)とに分けて、動作している。図22に示すタッチ検出動作期間は、Touch Term1、Touch Term2、Touch Term3であり、表示期間は、Disply Term1、Disply Term2、Disply Term3である。そして、タッチ検出動作期間と、表示期間とは、交互に動作する。
走査開始信号SDSTが入力されると、走査開始信号SDSTをトリガーとして、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx1として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout1を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN1を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN1の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN1の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx2として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout2を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN2を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN2の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN2の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx3として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout3を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN3を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。以後、タッチ検出機能付き表示装置1の動作は、繰り返される。このように、タッチ検出の動作期間を識別する駆動電極選択信号VCOMSELのレベルの変化に応じて、タッチ用駆動信号VcomACが供給される選択駆動電極ブロックSTXが選択される。
(変形例)
図23は、タッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形の変形例を示す説明図である。図23に示すように、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間)と表示動作(表示期間)とに分けて、動作している。図22に示すタッチ検出動作期間は、Touch Term1、Touch Term2、Touch Term3であり、表示期間は、Disply Term1、Disply Term2、Disply Term3である。そして、タッチ検出動作期間と、表示期間とは、交互に動作する。
走査開始信号SDSTが入力されると、走査開始信号SDSTをトリガーとして、駆動電極選択信号VCOMSELの低レベルに同期させて、シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx1として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout1を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN1を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN1の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの低レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN1の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの低レベルとの論理和をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの低レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx2として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout2を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN2を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN2の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの低レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN2の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの低レベルとの論理和をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの低レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx3として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout3を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN3を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。以後、タッチ検出機能付き表示装置1の動作は、繰り返される。
以上説明したように、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、TFT基板21上に複数の画素電極がマトリックス状に配置された表示領域Adと、画素電極と対向して設けられ、複数に分割された駆動電極COMLと、表示領域Adに画像を表示する画像表示機能を有する表示機能層としての液晶層6と、を備える。実施形態1に係る制御装置は、制御部11、ゲートドライバ12、ソースドライバ13、駆動電極ドライバ14を含む。この制御装置は、画像信号に基づいて、画素電極と駆動電極COMLとの間に表示用駆動電圧VcomDCを印加して画像表示機能を発揮させるように画像表示制御を行う。そして、実施形態1に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、駆動電極COMLと対向して、駆動電極COMLとの間に静電容量を形成するタッチ検出電極と、タッチ検出電極からの検出信号に基づき、近接する物体の位置を検出するタッチ検出部と、表示領域の外側に位置する額縁領域Gdに配設され、タッチ用駆動信号VcomACを駆動電極COMLに供給するタッチ用配線LACと、タッチ用配線LACと接続する駆動電極COMLを選択する、選択スイッチSWと、を備える。複数のシフトレジスタ52SR1及び52SR2は、第1の転送回路であるシフトレジスタ52SR1と、第2の転送回路である52SR2を備えている。第1の転送回路であるシフトレジスタ52SR1は選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)を制御する転送回路である。第2の転送回路である52SR2は、シフトレジスタ52SR1へ転送回路出力を供給する。
言い換えると、制御装置のうち駆動電極ドライバ14の駆動電極走査部14A、14Bは、スキャン方向Scanに、複数の駆動電極COMLのうちタッチ用駆動信号VcomACを供給する駆動電極COMLを選択する。1つの駆動電極COMLを選択する駆動電極走査部14A、14Bは、複数の駆動電極COMLのうちタッチ用駆動信号VcomACを供給する駆動電極COMLを選択するため、複数の転送回路であるシフトレジスタ52SR1及び52SR2を額縁領域Gdに備える。そして、当該複数のシフトレジスタ52SR1及び52SR2のうち一部であるシフトレジスタ52SR1が選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)へ出力する転送回路である。
これにより、実施形態1に係る額縁領域Gdは狭くすることができる。また、額縁領域Gdの回路全体を表示領域Adへ寄せることもでき、水分侵入又は割れなど発生を抑制して品質を向上できる。又は、実施形態1に係る額縁領域Gdは、タッチ用配線LACの抵抗を低減させることもできる。その結果、タッチ用駆動信号VcomACの波形のなまりが改善され、タッチ検出の精度が向上することができる。そして、制御信号SDCK1及びSDCK2を発生させる回路が不要になり、COG19の回路が小さくなることから、ICの小型化に寄与できる。あるいは、実施形態1に係る額縁領域Gdは、タッチ用配線LACの抵抗を低減させ、かつ額縁領域Gdを狭くすることもできる。
複数のシフトレジスタ52SR1及び52SR2は、タッチ用配線LACが延びる方向に並んで配置されている。これにより、額縁領域Gdを広げることなく、配置することができる。なお、1つの駆動電極COMLを選択する駆動電極走査部14A、14Bは、複数の駆動電極COMLのうちタッチ用駆動信号VcomACを供給する駆動電極COMLを選択する複数の転送回路として、シフトレジスタ52SR1及び52SR2の2つを例示したが、数はこれに限定されない。例えば、1つの駆動電極COMLを選択する駆動電極走査部14A、14Bは、シフトレジスタ52SR1を1つ、52SR2を2つの3つの転送回路を備えていてもよい。これにより、空転送の期間を長くすることができる。また、1つの駆動電極COMLを選択する駆動電極走査部14A、14Bは、シフトレジスタ52SR1を2つ以上備え、52SR2を2つ以上備える、複数のの転送回路を備えていてもよい。
画素電極を走査する表示用転送回路であるゲートシフトレジスタ120SRが額縁領域Gdにあり、1つの駆動電極COMLに重なり合う、画素電極を走査するためのゲートシフトレジスタ120SRよりも、当該1つの駆動電極COMLに対して備えられる複数の複数のシフトレジスタ52SR1及び52SR2の数が少なくてもよい。これにより、額縁領域Gdを広げることなく、配置することができる。
表示用駆動電圧VcomDCを供給する表示用配線LDCと、タッチ用駆動信号VcomACを供給するタッチ用配線LACとが並列に配置されていている。これにより、額縁領域Gdを有効に使用して、駆動電極COMLに電圧を供給できる。
1つの駆動電極COMLに対して、複数の駆動電極COMLのうちタッチ用駆動信号VcomACを供給する駆動電極COMLを選択する複数のシフトレジスタ52SR1及び52SR2が額縁領域Gdに備えられ、当該複数のシフトレジスタ52SR1及び52SR2のうち、シフトレジスタ52SR1と異なるシフトレジスタ52SR2が空転送の転送回路出力TRNの信号を出力する転送回路である。これにより、タイミングパルスとしての制御信号SDCK1及びSDCK2がなくても、図7に示すように、駆動電極ドライバ14が、スキャン方向Scanに駆動電極COMLの駆動電極ブロックB(1検出ブロック)を走査できる。
タッチ検出の動作期間を識別する駆動電極選択信号VCOMSELが複数の転送回路である、複数のシフトレジスタ52SR1及び52SR2に入力されている。これにより、タイミングパルスとしての制御信号SDCK1及びSDCK2がなくても、図7に示すように、駆動電極ドライバ14が、スキャン方向Scanに駆動電極COMLの駆動電極ブロックB(1検出ブロック)を走査できる。
タッチ検出の動作期間を識別する駆動電極選択信号VCOMSELを伝送する制御信号線LVCOMSELが額縁領域Gdに備えられ、当該制御信号線LVCOMSELが複数のシフトレジスタ52SR1及び52SR2に接続されている。これにより、額縁領域Gdは狭くすることができる。又は、タッチ用配線LACは、図20に示す幅ΔWCKの分だけ図21に示す幅Δwlを増加させる余地がある。図20に示す幅ΔWCKの分だけ図21に示す幅Δwlを増加させる場合、タッチ用配線LACの抵抗は低減される。その結果、タッチ用駆動信号VcomACの波形のなまりが改善され、タッチ検出の精度が向上することができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置1について説明する。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図24は、実施形態2に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。図24に示すように、タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ52SR2が走査制御部51から供給された走査開始信号SDSTをトリガーとして、空転送信号としての転送回路出力TRN(k)を生成し、次のシフトレジスタ52SR1へ転送する。転送回路出力TRN(k)を転送されたシフトレジスタ52SR1は、駆動電極選択信号VCOMSELに同期させて、順次シフトレジスタ52SR1の次のシフトレジスタ52SR2へ転送され、順次選択される。シフトレジスタ52SR2は、空転送信号としての転送回路出力TRN(k+1)、TRN(k+2)、TRN(k+3)・・・を生成し、次のシフトレジスタ52SR1へ転送する。
次に、タッチ検出機能付き表示装置1の動作を説明する。図25は、実施形態2に係るタッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形例を示す説明図である。
走査開始信号SDSTが入力されると、走査開始信号SDSTをトリガーとして、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN1を出力する。転送回路出力TRN1の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN1の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx1として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout1を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN2を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN2の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN2の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx2として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout2を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN3を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN3の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN3の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx3として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout3を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN3を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。以後、タッチ検出機能付き表示装置1の動作は、繰り返される。
(変形例)
図26は、実施形態2の変形例に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。図27は、実施形態2の変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形例を示す説明図である。実施形態2の変形例に係る駆動電極ドライバにおいて、図26に示すように、走査開始信号SDSTを取得する初段のシフトレジスタは、シフトレジスタ52SR1である。これにより、回路数が削減される。
このため、図27に示すように、走査開始信号SDSTが入力されると、走査開始信号SDSTをトリガーとして、シフトレジスタ52SR1が駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、転送回路出力SRout1を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx1として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout1を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN2を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN2の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN2の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx2として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout2を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN3を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN3の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN3の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx3として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout3を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN3を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。以後、タッチ検出機能付き表示装置1の動作は、繰り返される。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1について説明する。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図28は、実施形態3に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。図29は、実施形態3に係る駆動電極ドライバの駆動信号生成部を示すブロック図である。
図28に示すように、実施形態3に係る駆動部53は、実施形態1で説明する論理回路55を備えている。これにより、図29に示すように、駆動信号生成部14Qは、高レベル電圧生成部61と、低レベル電圧生成部62と、バッファ63、64とを備えている。高レベル電圧生成部61は、バッファ63を介して高レベル駆動信号VcomDCHの高レベルの直流電圧を出力端子65Eに出力する。低レベル電圧生成部62は、バッファ64を介して表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧を出力端子66Eに出力する。図28に示すように、論理回路55は、タッチ検出走査部52から供給された転送回路出力SRout、及び走査制御部51から供給された駆動制御信号EXVCOMの論理積(AND)を生成して出力する。論理回路55は、選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)の動作を制御することができる振幅レベルに増幅するバッファ機能を有している。タッチ検出走査部52は、選択されたシフトレジスタ52SRが例えば高レベルの信号をk+2番目の転送回路出力SRout(k+2)としてk+2番目の駆動部53(k+2)に供給した場合に、この駆動部53(k+2)は、k+2番目の駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLに駆動信号VcomACを印加するようになっている。論理回路55の出力は、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合に選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)の動作を制御し、出力端子65Eから供給された電圧を駆動電極COMLに出力する。論理回路55の出力は、駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合に選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)の動作を制御し、出力端子66Eから供給された電圧を駆動電極COMLに出力する。その結果、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合と駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合とを交互に繰り返し、タッチ用駆動信号VcomACが生成される。論理回路55は、駆動制御信号EXVCOMに基づいて、駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合に、バッファ64から供給された電圧を表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧として出力する。
実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1には、制御信号SDCK1を伝送する制御信号線LSDCK1、制御信号SDCK2を伝送する制御信号線LSDCK2を含まないので、図20に示す幅ΔWCKの分だけ実施形態3に係る幅Wtxを抑制することができる。そこで、タッチ用配線LACは、図20に示す幅ΔWCKの分だけ幅を増加させる余地がある。図20に示す幅ΔWCKの分だけ、タッチ用配線LACの幅を増加させる場合、タッチ用配線LACの抵抗は低減される。その結果、タッチ用駆動信号VcomACの波形のなまりが改善され、タッチ検出の精度が向上することができる。又は、タッチ用配線LACは、図20に示す幅ΔWCKの一部だけ図21に示す幅Δwlを増加させる場合、タッチ用駆動信号VcomACの波形のなまりが改善され、タッチ検出の精度が向上し、額縁領域Gdを狭くすることができる。
次に、タッチ検出機能付き表示装置1の動作を説明する。図30は、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置のタイミング波形例を示す説明図である。
走査開始信号SDSTが入力されると、走査開始信号SDSTをトリガーとして、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、走査制御部51より供給される駆動制御信号EXVCOMに基づいて、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合と駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合とを交互に繰り返し、高レベル駆動信号VcomDCHと表示用駆動電圧VcomDCとからタッチ用駆動信号VcomACを生成し、このタッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx1として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout2を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN1を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN1の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN1の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを生成し、このタッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx2として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout2を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout1を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN2を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
転送回路出力TRN2の高レベルが信号遅れ分、次の駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルと重なり合うので、転送回路出力TRN2の高レベルと、駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルとの論理積をトリガーとし、かつ駆動電極選択信号VCOMSELの高レベルに同期させて、次のシフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を高レベルとして出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを生成し、このタッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx3として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout3を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout3を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN3を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。以後、タッチ検出機能付き表示装置1の動作は、繰り返される。
以上説明したように、実施形態3に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、表示用駆動電圧VcomDCを供給する表示用配線LDCと、表示用駆動電圧VcomDCよりも電圧の高い一定電圧を供給するタッチ用配線VcomACとが並列に配置されていている。これにより、額縁領域Gdを有効に使用して、駆動電極COMLに電圧を供給できる。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係るタッチ検出機能付き表示装置1について説明する。なお、上述した実施形態1で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図31は、実施形態4に係る駆動電極ドライバの駆動信号生成部を示すブロック図である。図32は、実施形態4に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。図33は、実施形態4に係るタッチ検出機能付き表示装置1のタイミング波形例を示す説明図である。
図31は、実施形態4に係る駆動電極ドライバの駆動信号生成部を示すブロック図である。駆動信号生成部14Qは、高レベル電圧生成部61と、低レベル電圧生成部62と、バッファ63、64と、スイッチング回路65とを備えている。
高レベル電圧生成部61は、駆動信号VcomACの高レベル電圧を生成する。低レベル電圧生成部62は、表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧を生成する。この低レベル電圧生成部62が生成した電圧は、駆動信号VcomACの低レベル電圧としても使用される。バッファ63は、高レベル電圧生成部61から供給された電圧を、インピーダンス変換を行いつつ出力し、スイッチング回路65に供給する。バッファ64は、低レベル電圧生成部62から供給された電圧を、インピーダンス変換を行いつつ出力し、スイッチング回路65に供給する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMに基づいて、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合と駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合とを交互に繰り返し、駆動信号VcomACを生成する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMが高レベルの場合に、バッファ63から供給された電圧を出力し、駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合に、バッファ64から供給された電圧を出力する。スイッチング回路65は、駆動制御信号EXVCOMに基づいて、駆動制御信号EXVCOMが低レベルの場合に、バッファ64から供給された電圧を表示用駆動電圧VcomDCの直流電圧として出力する。バッファ63、64は、例えばボルテージフォロワにより構成される。なお、スイッチング回路65の出力する電圧は、出力端子65Eに出力される。
図32は、実施形態4に係る駆動電極ドライバを示すブロック図である。駆動電極走査部14A、14Bは、走査制御部51と、タッチ検出走査部52と、駆動部530とを備えている。駆動部530は、駆動電極ブロックBと同じ数の駆動部53(k)〜53(k+3)を備えている。走査制御部51は、COG19に実装されている。また、タッチ検出走査部52と、駆動部530とは、表示領域Adの周囲にある額縁に配置されている。以後、複数の駆動部53(k)〜53(k+3)のうちの任意の1つをさす場合には、単に駆動部53を用いるものとする。
走査制御部51は、制御部11より供給された制御信号に基づいて、タッチ検出走査部52に対して走査開始信号SDSTを供給する。また、配線LCCには、上述した駆動信号生成部14Qから出力端子65Eを介して出力された、表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomACのうちの一方が供給される。走査制御部51は、駆動電極選択信号VCOMSELを、駆動部530に対して供給する。駆動電極選択信号VCOMSELは、駆動信号生成部14Qから配線LCCを経由して駆動電極COMLへ駆動信号VcomACを供給する期間を識別するための信号である。
タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ52SR1、52SR2を含んでおり、駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを選択するための転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SRout(k+2)、SRout(k+3)・・・を生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ52SR1が走査制御部51から供給された走査開始信号SDSTをトリガーとして、駆動電極選択信号VCOMSELに同期させて、順次シフトレジスタ52SR1の次のシフトレジスタ52SR2へ転送され、順次選択される。シフトレジスタ52SR2は、空転送信号としての転送回路出力TRN(k)、TRN(k+1)、TRN(k+2)、TRN(k+3)・・・を生成し、次のシフトレジスタ52SR1へ転送する。
駆動電極選択信号VCOMSELに同期して選択されたシフトレジスタ52SR1は、転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SROUT(k+2)、SRout(k+3)・・・を、駆動部530の各増幅回路54へ送出する。タッチ検出走査部52は、選択されたシフトレジスタ52SRが例えば高レベルの信号をk+2番目の転送回路出力SRout(k+2)としてk+2番目の駆動部53(k+2)に供給した場合に、この駆動部53(k+2)は、k+2番目の駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLに駆動信号VcomACを印加するようになっている。
図33に示すように、実施形態4に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、タッチ検出動作(タッチ検出動作期間Pt)と表示動作(表示期間Pd)とに分けて、時分割的に駆動電極COMLに駆動信号Vcom(表示用駆動電圧VcomDC及び駆動信号VcomAC)を供給する。
駆動電極COMLは、液晶表示デバイス20の駆動電極として機能するとともに、タッチ検出デバイス30の駆動電極としても機能するため、駆動信号Vcomが互いに影響を及ぼす可能性がある。このため、駆動電極COMLは、表示動作を行う表示動作期間Pdと、タッチ検出動作を行うタッチ検出動作期間Ptとに分けて駆動信号Vcomが印加される。駆動電極ドライバ14は、表示動作を行う表示動作期間Pdにおいては表示用駆動電圧として駆動信号Vcomを印加する。そして、駆動電極ドライバ14は、タッチ検出動作を行うタッチ検出動作期間Ptにおいてはタッチ駆動信号として駆動信号Vcomを印加する。このように、タッチ検出機能付き表示装置1では、時間をずらして、表示用駆動電圧VcomDCと駆動信号VcomACとを同じ配線LCCに供給する。駆動信号VcomACの波形は、駆動制御信号EXVCOMの矩形波に同期した波形となる。
また、図33に示すように、タッチ検出動作では、選択駆動電極ブロックSTXのスイッチSWxの1つがオン動作(閉動作)し、駆動信号VcomACの矩形波を印加することにより、タッチ検出の走査を行う。また、タッチ検出動作では、非選択駆動電極ブロックNTXの選択スイッチSWxの全てがオフ動作(開動作)し、非選択駆動電極ブロックNTXの電位を固定しない、フローティング状態とする。この場合、非選択駆動電極ブロックNTXの選択スイッチSWxの全てを十分にオフ状態とするため、非選択駆動電極ブロックNTXの選択スイッチSWxのゲート電位を調整しておくことが好ましい。
タッチ検出機能付き表示装置1は、表示期間Pdにおいて、全てのSW1〜SW4をオン動作し、駆動電極COMLに対して表示用駆動電圧VcomDCを印加する。以上説明したように、実施形態4に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、制御装置が、時間をずらして表示用駆動電圧VcomDCとタッチ用駆動信号VcomACとを同じタッチ用配線LCCに供給している。このため、実施形態4に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、さらに額縁領域Gdを抑制できる。これにより、額縁領域の回路全体を表示領域Adへ寄せることもでき、水分侵入又は割れなど発生を抑制して品質を向上できる。又は、実施形態1に係る額縁領域Gdは、タッチ用配線LACの抵抗を低減させることもできる。その結果、タッチ用駆動信号VcomACの波形のなまりが改善され、タッチ検出の精度が向上することができる。そして、制御信号SDCK及びSDCK2を発生させる回路が不要になり、COG19の回路が小さくなることから、ICの小型化に寄与できる。あるいは、実施形態4に係る額縁領域Gdは、タッチ用配線LACの抵抗を低減させ、かつ額縁領域Gdを狭くすることもできる。
(実施形態5)
次に、実施形態5に係るタッチ検出機能付き表示装置1について説明する。なお、上述した実施形態1から4で説明したものと同じ構成要素には同一の符号を付して重複する説明は省略する。図34は、実施形態5に係る駆動電極ドライバの駆動信号生成部を示すブロック図である。図35は、実施形態5に係るタッチ検出機能付き表示装置1のタイミング波形例を示す説明図である。
図34に示すように、タッチ検出走査部52は、転送回路である、駆動電極用のシフトレジスタ52SR1、駆動電極用のシフトレジスタ52SR2を含む。駆動電極用のシフトレジスタ52SR1は、タッチ用駆動信号VcomACを印加する駆動電極COMLを選択するための転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SRout(k+2)、SRout(k+3)・・・を生成するものである。具体的には、タッチ検出走査部52は、シフトレジスタ52SR1が走査制御部51から供給された走査開始信号SDSTをトリガーとして制御信号SDCK1に同期させて、順次シフトレジスタ52SRの転送段毎に転送され、順次選択される。選択されたシフトレジスタ52SR1は、転送回路出力SRout(k)、SRout(k+1)、SRout(k+2)、SRout(k+3)・・・を、駆動部530の各論理回路55へ送出する。論理回路55は、タッチ検出走査部52から供給された転送回路出力SRout、及び走査制御部51から供給された駆動電極選択信号VCOMSELの論理積(AND)を生成して出力する。つまり、シフトレジスタ52SR1の転送回路出力SRoutは、論理回路55の出力を介して、選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)の動作を制御することができる。なお、論理回路55は、論理回路55の出力を振幅レベルに増幅するバッファ機能の増幅回路と接続されている。タッチ検出走査部52は、選択されたシフトレジスタ52SRが例えば高レベルの信号をk+2番目の転送回路出力SRout(k+2)としてk+2番目の駆動部53(k+2)に供給した場合に、この駆動部53(k+2)は、k+2番目の駆動電極ブロックB(k+2)に属する複数の駆動電極COMLに駆動信号VcomACを印加するようになっている。
図35に示すように、走査開始信号SDSTが入力されると、走査開始信号SDSTをトリガーとして、制御信号SDCK1に同期させて、シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を高レベルとして出力する。論理回路55は、駆動電極選択信号VCOMSELが高レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを駆動信号Vcomの波形Tx1として出力する。シフトレジスタ52SR1が転送回路出力SRout1を低レベルとして出力すると、転送回路出力SRout1を受けて、シフトレジスタ52SR2が空転送し、転送回路出力TRN1を出力する。駆動部53は、駆動電極選択信号VCOMSELが低レベルの場合に、タッチ用駆動信号VcomACを表示用駆動信号VcomDCに切り替え、駆動信号Vcomとして出力する。
実施形態5に係る検出機能付き表示装置1は、第1の転送回路であるシフトレジスタ52SR1と、第2の転送回路である52SR2を備えている。第1の転送回路であるシフトレジスタ52SR1は、論理回路55を介して選択スイッチSW1(SW2、SW3、SW4)を制御する転送回路である。第2の転送回路である52SR2は、シフトレジスタ52SR1へ転送回路出力を供給する。そして、制御信号SDCK2を伝送する制御信号線LSDCK2を含まないので、図20に示す幅ΔWCKの半分程度だけ幅Wtxを抑制することができる。これにより、実施形態5に係る額縁領域Gdは狭くすることができる。
以上、いくつかの実施形態及び変形例を挙げて実施形態を説明したが、本実施形態はこれらの実施形態等には限定されず、種々の変形が可能である。
また、上記の各実施形態及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、FFS、IPS等の各種モードの液晶を用いた液晶表示デバイス20とタッチ検出デバイス30とを一体化してタッチ検出機能付き表示デバイス10とすることができる。図36は、変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイスの概略断面構造を表す断面図である。これに代えて、図36に示す変形例に係るタッチ検出機能付き表示デバイス10は、TN(Twisted Nematic:ツイステッドネマティック)、VA(Vertical Alignment:垂直配向)、ECB(Electrically Controlled Birefringence:電界制御複屈折)等の各種モードの液晶とタッチ検出デバイスとを一体化してもよい。
図36に示すように、対向基板3に駆動電極COMLがある場合、表示用配線LDC及びタッチ用配線LAC、若しくは配線LCCは、対向基板3に備えられるようにしてもよい。そして、配線LCCは、TFT基板21に対して垂直な方向において表示領域Adの外側に位置する額縁領域Gdに配設されている。
また、上記各実施形態では、液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30とを一体化した装置としたが、これに限定されるものではなく、これに代えて、例えば液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30を装着した装置であってもよい。このような液晶表示デバイス20と静電容量型のタッチ検出デバイス30を装着した装置の場合、図8に示す画素基板2の駆動電極COMLを第1の駆動電極COMLとし、これに加えて、対向基板3における、ガラス基板31の表面にも第2の駆動電極COMLを備えており、第1の駆動電極COMLと第2の駆動電極COMLとが電気的に接続されている。この場合でも、上述したような構成にすることにより、外部ノイズや、液晶表示デバイスから伝わるノイズ(上記各実施形態における内部ノイズに対応するもの)の影響を抑えつつタッチ検出を行うことができる。
<2.適用例>
次に、図37〜図44を参照して、実施形態及び変形例で説明したタッチ検出機能付き表示装置1の適用例について説明する。図37〜図44は、本実施形態に係るタッチ検出機能付き表示装置を適用する電子機器の一例を示す図である。実施形態1、2、3及び4若しくはこれらの変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、テレビジョン装置、デジタルカメラ、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯電話等の携帯端末装置あるいはビデオカメラなどのあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。言い換えると、実施形態1、2、3及び4若しくはこれらの変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1は、外部から入力された映像信号あるいは内部で生成した映像信号を、画像あるいは映像として表示するあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。
(適用例1)
図37に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び4若しくはこれらの変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用されるテレビジョン装置である。このテレビジョン装置は、例えば、フロントパネル511及びフィルターガラス512を含む映像表示画面部510を有しており、この映像表示画面部510は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
(適用例2)
図38及び図39に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び4若しくはこれらの変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用されるデジタルカメラである。このデジタルカメラは、例えば、フラッシュ用の発光部521、表示部522、メニュースイッチ523及びシャッターボタン524を有しており、その表示部522は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
(適用例3)
図40に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び4若しくはこれらの変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用されるビデオカメラの外観を表すものである。このビデオカメラは、例えば、本体部531、この本体部531の前方側面に設けられた被写体撮影用のレンズ532、撮影時のスタート/ストップスイッチ533及び表示部534を有している。そして、表示部534は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
(適用例4)
図41に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び4若しくはこれらの変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用されるノート型パーソナルコンピュータである。このノート型パーソナルコンピュータは、例えば、本体541、文字等の入力操作のためのキーボード542及び画像を表示する表示部543を有しており、表示部543は、実施形態1、2、3及び変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置である。
(適用例5)
図42及び図43に示す電子機器は、実施形態1、2、3及び4若しくはこれらの変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1が適用される携帯電話機である。図42は携帯電話機を開いた状態での正面図である。図43は携帯電話機を折りたたんだ状態での正面図である。当該携帯電話機は、例えば、上側筐体551と下側筐体552とを連結部(ヒンジ部)553で連結したものであり、ディスプレイ554、サブディスプレイ555、ピクチャーライト556及びカメラ557を有している。当該ディスプレイ554は、タッチ検出機能付き表示装置1が取り付けられている。
(適用例6)
図44に示す電子機器は、携帯型コンピュータ、多機能な携帯電話、音声通話可能な携帯コンピュータ又は通信可能な携帯コンピュータとして動作し、いわゆるスマートフォン、タブレット端末と呼ばれることもある、情報携帯端末である。この情報携帯端末は、例えば筐体561の表面に表示部562を有している。この表示部562は、実施形態1、2、3及び4若しくはこれらの変形例に係るタッチ検出機能付き表示装置1である。
本発明の思想の範疇において、当業者であれば、各種の変更例及び修正例に想到し得るものであり、それら変更例及び修正例についても本発明の範囲に属するものと了解される。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除若しくは設計変更を行ったものは、又は、工程の追加、省略若しくは条件変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。また、本実施形態において述べた態様によりもたらされる他の作用効果について本明細書記載から明らかなもの、又は当業者において適宜想到し得るものついては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。