JP2020153953A - レーザレーダ装置及びレーザレーダ装置用の制御プログラム - Google Patents

レーザレーダ装置及びレーザレーダ装置用の制御プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】レーザレーダ装置が配置される環境等の影響を抑え、信頼性を向上させることができるレーザレーダ装置及びレーザレーダ装置用の制御プログラムを提供する。【解決手段】レーザレーダ装置の制御部では、物体により反射されたレーザ光である反射光を受光した照射角度及びレーザ光を反射した物体までの距離を示す検知情報と、物体を検知する検知エリアDEに対応したエリア情報とに基づいて、レーザ光を反射した物体が検知エリアDEに位置しているかを判定する。また、初期設定時には、基準ターゲットにレーザ光が照射され、基準ターゲットからの反射光を受光した照射角度の範囲を基準情報として記憶する。そして、現在の状況下にて基準ターゲットにレーザ光が照射され基準ターゲットから反射光を受光した照射角度の範囲を対比情報として取得し、それら対比情報と基準情報との差に基づいてエリア情報を補正する。【選択図】 図8

Description

本発明は、レーザレーダ装置及びレーザレーダ装置用の制御プログラムに関する。
所定角度ごとにレーザ光を出力し、そのレーザ光の反射光を検出することにより検知エリア内に存在する物体を検知するレーザレーダ装置には、光学機構をレーザ光用の透過部が設けられたケース体に収容してなるものがある(例えば特許文献1参照)。ケース体に光学機構を収容して光学機構の露出を抑えることにより、外部環境等の影響が光学機構に及ぶことを抑制している。これは、レーザレーダ装置が配置される環境等の制約を緩和する上で好ましい。
特許第2789741号公報
ここで、レーザレーダ装置が屋外に配置されている場合には、ケース体に雨水等の水滴が付着し得る。図14に示すように、レーザ光用の透過部54Xに水滴が付着している場合には、当該水滴がレンズとなりレーザ光の拡がり角度が通常よりも大きくなる可能性がある。つまり、水滴の有無によってレーザ光の拡がり角度が変化する可能性がある(S1→S2参照)。例えば、図15に例示しているように水滴の影響によってレーザ光の拡がり角度が大きくなった場合には、検知エリアDE外に位置している物体を検知エリアDE内に位置していると誤検知し得る。これは、レーザレーダ装置への信頼性を低下させる要因になると懸念される。このように、レーザレーダ装置への信頼性の向上を図る上で、レーザレーダ装置に係る構成に未だ改善の余地がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その主たる目的は、レーザレーダ装置が配置される環境等の影響を抑え、信頼性を向上させることができるレーザレーダ装置及びレーザレーダ装置用の制御プログラムを提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段について記載する。
第1の手段.所定角度ごとに設定されている照射角度へレーザ光を照射する照射部及び物体により反射された前記レーザ光を受光する受光部を有する光学機構と、前記光学機構を収容するケース体とを備え、前記ケース体に、前記レーザ光が透過可能な透過部が設けられているレーザレーダ装置であって、
物体により反射されたレーザ光である反射光を受光した前記照射角度及び当該レーザ光を反射した前記物体までの距離に相関する相関値を示す検知情報と、前記物体を検知する検知エリアに対応するようにして予め定められた前記検知情報の集合であるエリア情報とに基づいて、レーザ光を反射した物体が前記検知エリアに位置しているかを判定する判定部と、
前記レーザ光の照射範囲に配設された基準物体に所定の状況下においてレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を基準情報として記憶する記憶部と、
現在の状況下にて前記基準物体にレーザ光が照射され当該基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を対比情報として取得し、当該対比情報と前記基準情報との差に基づいて前記エリア情報及び前記検知情報の何れかを補正する補正部と
を備え、
前記判定部は、前記補正部により補正された情報に基づいて前記判定を行うレーザレーダ装置。
第1の手段によれば、事前に記憶された基準情報と、後に取得された対比情報とに基づいて基準物体を検知する場合の照射角度がどのように変化したかを特定することができる。それら照射角度の違いに応じて対比情報及びエリア情報の何れかを補正し、補正後の情報に基づいて物体の有無を判定することにより、外部環境の影響等によってレーザ光の拡がり角度が変化した場合であっても、それに起因して検知結果の確からしさが低下することを抑制できる。これは、レーザレーダ装置の配置自由度の向上を図りつつ当該レーザレーダ装置の信頼性の低下を抑制する上で好ましい。
例えば、雨天においてレーザレーダ装置のケース(透過部)に雨等の水滴が付着した場合には、水滴がレンズとなってレーザ光の拡がり角度が大きくなる可能性がある。レーザ光の拡がり角度が大きくなると、検知エリア外に位置する物体を検知エリア内に位置していると誤って判定する可能性が高くなる。これは、レーザレーダ装置の信頼性を低下させる要因になり得る。この点、第1の手段によれば、例えば水滴が付着していない場合の範囲情報を基準情報として記憶させれば、この基準情報と対比情報からレーザ光の拡がり角度がどの程度変化したか(大きくなったか)を特定できる。このような差に基づいて対比情報又はエリア情報を補正することにより、水滴に起因した誤検知を抑制できる。
第2の手段.所定角度ごとに設定されている照射角度へレーザ光を照射する照射部及び物体により反射された前記レーザ光を受光する受光部を有する光学機構と、前記光学機構を収容するケース体とを備え、前記ケース体に、前記レーザ光が透過可能な透過部が設けられているレーザレーダ装置であって、
物体により反射されたレーザ光である反射光を受光した前記照射角度及び当該レーザ光を反射した前記物体までの距離に相関する相関値を示す検知情報と、前記物体を検知する検知エリアに対応するようにして予め定められた前記検知情報の集合であるエリア情報とに基づいて、レーザ光を反射した物体が前記検知エリアに位置しているかを判定する判定部と、
前記レーザ光の照射範囲に配設された基準物体に所定の状況下においてレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を基準情報として記憶する記憶部と、
現在の状況下にて前記基準物体にレーザ光が照射され当該基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を対比情報として取得し、当該対比情報と前記基準情報との差に基づいて前記エリア情報を補正する補正部と
を備え、
前記判定部は、前記補正部により補正された前記エリア情報に基づいて前記判定を行うレーザレーダ装置。
第2の手段によれば、事前に記憶された基準情報と、後に取得された対比情報とに基づいて基準物体を検知する場合の照射角度がどのように変化したかを特定することができる。それら照射角度の違いに応じてエリア情報を補正し、補正後の情報に基づいて物体の有無を判定することにより、外部環境の影響等によってレーザ光の拡がり角度が変化した場合であっても、それに起因して検知結果の確からしさが低下することを抑制できる。これは、レーザレーダ装置の配置自由度の向上を図りつつ当該レーザレーダ装置の信頼性の低下を抑制する上で好ましい。
また、第2の手段では、補正対象がエリア情報となっている。エリア情報を補正する構成とすれば、物体の有無を判定する都度(照射角度等の情報を取得した都度)、補正を行う必要がない。故に、制御負荷を軽減したり、処理速度を向上させたりすることができる。これは、レーザレーダ装置により物体検知を速やかに行う上で有利である。
なお、第1の手段及び第2の手段に示す「基準情報」は、レーザレーダ装置が配置された現場での設定操作に基づいて記憶されるものだけではなく、設計時に予め設定されるものも含む。また、「距離に相関する相関値」は、照射してから当該反射光を受光するまでの時間であってもよしいその時間から算出した距離であってもよい。
第3の手段.前記補正部は、前記対比情報が示す照射角度の範囲と前記基準情報が示す照射角度の範囲とに差が生じている場合に、前記エリア情報において、前記照射角度の範囲に前記差が生じている側と同じ側となる部分を増減させるようにして前記補正を行う。
透過部に付着する水滴を通過した場合のレーザ光の拡がり角度の変化については水滴の形状等に左右される。このため、水滴の形状によっては走査方向と反走査方向とで拡がり角度の変化に差が生じる可能性を否定できない。そこで、第3の手段に示すように、拡がり角度が変化していると想定される側においてエリア情報の大きさ(エリア情報により指定される範囲の大きさ)を変更させる構成とすれば、判定結果の信頼性を好適に向上させることができる。
第4の手段.前記補正部は、前記対比情報が示す照射角度の範囲と前記基準情報が示す照射角度の範囲との差が大きいほど前記エリア情報にて増減される部分が大きくなるようにして前記補正を行う。
透過部に付着する水滴を通過した場合のレーザ光の拡がり角度の変化について水滴の大きさや形状等に左右される。このため、レーザ光の拡がり角度の変化については多様になると想定される。そこで、第4の手段に示すように、照射角度の範囲の差が大きくなるほど補正によって変更される部分(拡大又は減縮される部分)が大きくなる構成とすれば、上述した信頼性を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
第5の手段.前記補正部は、前記対比情報が示す照射角度の範囲が前記基準情報が示す照射角度の範囲よりも大きくなっている場合に前記エリア情報を減縮させるようにして前記補正を行う。
第5の手段によれば、照射角度の範囲が大きくなった場合、すなわちレーザ光の拡がり角度が大きくなった場合には、エリア情報(エリア情報により指定される範囲)が減縮されることとなる。これにより、上記拡がり角度が大きくなった結果、検知エリア外に位置する物体があたかも検知エリア内に位置しているかのように誤判定されることを抑制できる。
第6の手段.前記エリア情報は、前記光学機構に近い側の限界位置及び遠い側の限界位置を示す前記相関値がレーザ光の前記照射角度ごとに定められたものであり、
前記補正部は、前記補正として、所定の照射角度の各限界位置に対応する前記相関値と、当該所定の照射角度に前記大きくなった分の角度を加味した照射角度の各限界位置に対応する前記相関値とに基づいて、前記近い側の限界位置については各近い側の限界位置に対応する前記相関値のうち前記光学機構から遠い方の限界位置に対応する前記相関値に補正し、且つ前記遠い側の限界位置については各遠い側の限界位置に対応する前記相関値のうち前記光学機構から近い方の限界位置に対応する前記相関値に補正する。
第6の手段によれば、レーザ光の拡がり角度が大きくなった場合には、その大きくなった分を加味して各照射角度における限界位置が再設定される。このように大きくなった角度分に基づいて距離範囲を短縮させる構成とすれば、水滴等の影響により判定結果の確からしさが低下することを好適に抑制できる。
第7の手段.前記補正部は、当該補正部によって前記エリア情報又は前記検知情報が補正されている状況下においても前記基準情報と前記対比情報との対比を継続する構成となっており、それら基準情報及び対比情報が一致した場合には、前記補正を解除する構成となっている。
第7の手段によれば、基準情報と対比情報とが一致した場合には補正が解除される。これにより、水滴等の拡がり角度を変化させる要素が消失した後に補正の影響が残ることを好適に抑制できる。
第8の手段.前記検知エリアはレーザ光の走査方向において複数の個別エリアに分かれており、それら個別エリア毎に前記基準物体が設けられており、
前記記憶部は、前記個別エリア毎に前記基準情報を記憶するものであり、
前記補正部は、前記個別エリア毎に前記対比情報を取得し、それら対比情報及び基準情報の差に基づいて前記エリア情報を個別エリア毎に補正可能となっている。
走査方向にて検知エリアが広い場合には、透過部についても走査方向に長くなる。このような構成においては部分毎に水滴の付着量や付着している水滴の大きさが相違し得る。そこで、手段8に示すように、検知エリアを走査方向にて複数の個別エリアに分割し、それら個別エリア毎にエリア情報を補正する構成とすれば、検知エリアが走査方向に広い構成であっても、水滴等の影響を好適に抑えることができる。つまり、手段8に示す構成によれば、レーザレーダの信頼性の向上の観点から検知エリアが制限されることを好適に抑制できる。
第9の手段.前記物体からの反射光の強度及び当該物体までの距離に基づいて当該物体における前記レーザ光の反射率を特定する反射率特定部を備え、
前記補正部は、前記反射率特定部によって特定された反射率が閾値よりも高い場合には前記補正を行い、前記閾値よりも低い場合には前記補正を行わない。
レーザ光については、その中心部分にて光が最も強く、外縁に近づくにつれて光が徐々に弱くなる。水滴等によりレーザ光の拡がり角度が大きくなった場合には、光が弱くなっている部分が低反射率の物体によって反射されたとしても、反射光は更に弱くなるため当該反射光から物体が存在すると判定される可能性は低いと想定される。これに対して、車のリフレクタ等の高反射率の物体にて反射された場合には弱い光であっても物体が存在すると判定される可能性が高くなる。そこで、第9の手段に示すように、物体の反射率を特定し、その特定した反射率が閾値(例えば10%)よりも高い場合には補正を行い、閾値よりも低い場合には補正を行わない構成とすることにより、検知結果の確からしさを好適に向上させることができる。
第10の手段.前記物体からの反射光の強度及び当該物体までの距離に基づいて当該物体における前記レーザ光の反射率を特定する反射率特定部を備え、
前記補正部は、前記反射率特定部によって特定された反射率が閾値よりも高い場合には前記補正として第1の補正を行い、前記閾値よりも低い場合には前記補正として前記第1の補正よりも補正レベルが低い第2の補正を行う。
レーザ光については、その中心部分にて光が最も強く、外縁に近づくにつれて光が徐々に弱くなる。水滴等によりレーザ光の拡がり角度が大きくなった場合には、光が弱くなっている部分が低反射率の物体によって反射されたとしても、反射光は更に弱くなるため当該反射光から物体が存在すると判定される可能性は低いと想定される。これに対して、車のリフレクタ等の高反射率の物体にて反射された場合には弱い光であっても物体が存在すると判定される可能性が高くなる。ここで、第10の手段に示すように、物体の反射率を特定し、その特定した反射率が閾値(例えば50%)よりも高い場合には第1の補正を行い、閾値よりも低い場合には補正レベル(補正の度合い)が第1の補正よりも低い第2の補正を行う構成とすることにより、検知結果の確からしさを好適に向上させることができる。
第11の手段.前記基準物体として、レーザ光の反射率が前記閾値よりも高い第1基準物体と、前記閾値よりも低い第2基準物体とを含み、
前記記憶部は、
前記所定の状況下にて前記第1基準物体にレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該第1基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を第1基準情報として記憶する第1記憶部と、
前記所定の状況下にて前記第2基準物体にレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該第2基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を第2基準情報として記憶する第2記憶部と
を有し、
前記補正部は、
現在の状況下にて前記第1基準物体にレーザ光が照射され当該第1基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を第1対比情報として取得し、当該第1対比情報と前記第1基準情報との差に基づいて前記エリア情報を補正する第1補正部と、
現在の状況下にて前記第2基準物体にレーザ光が照射され当該第2基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を第2対比情報として取得し、当該第2対比情報と前記第2基準情報との差に基づいて前記エリア情報を補正する第2補正部と
を有している。
上述したように水滴等の影響によってレーザ光の拡がり角度が大きくなったとしても物体の反射率によっては誤判定が発生しない場合もある。そこで、反射率の異なる第1基準物体及び第2基準物体を併用し、反射率をグループ分けして補正を行う構成とすれば、判定結果の確からしさを好適に向上させることができる。
第12の手段.所定角度ごとに設定されている照射角度へレーザ光を照射する照射部及び物体により反射された前記レーザ光を受光する受光部を有する光学機構と、前記光学機構を収容するケース体とを備え、前記ケース体に、前記レーザ光が透過可能な透過部が設けられているレーザレーダ装置に適用され、検知エリアにおける物体の検知を行うための制御プログラムであって、
コンピュータに、
物体により反射されたレーザ光である反射光を受光した前記照射角度及び当該レーザ光を反射した前記物体までの距離に相関する相関値を示す検知情報と、前記物体を検知する検知エリアに対応するようにして予め定められた前記検知情報の集合であるエリア情報とに基づいて、レーザ光を反射した物体が前記検知エリアに位置しているかを判定する判定処理と、
前記レーザ光の照射範囲に配設された基準物体に所定の状況下においてレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を基準情報として記憶する記憶処理と、
現在の状況下にて前記基準物体にレーザ光が照射され当該基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を対比情報として取得し、当該対比情報と前記基準情報との差に基づいて前記エリア情報及び前記検知情報の何れかを補正する補正処理と
を実行させるレーザレーダ装置用の制御プログラム。
第12の手段によれば、事前に記憶された基準情報と、後に取得された対比情報とに基づいて基準物体を検知する場合の照射角度がどのように変化したかを特定することができる。それら照射角度の違いに応じて対比情報及びエリア情報の何れかを補正し、補正後の情報に基づいて物体の有無を判定することにより、外部環境の影響等によってレーザ光の拡がり角度が変化した場合であっても、それに起因して検知結果の確からしさが低下することを抑制できる。これは、レーザレーダ装置の配置自由度の向上を図りつつ当該レーザレーダ装置の信頼性の低下を抑制する上で好ましい。
第1の実施形態におけるレーザレーダ装置の機械的構成を示す概略図。 レーザレーダユニットの外観を示す斜視図。 レーザレーダ装置の電気的構成を示すブロック図。 制御部にて実行されるエリア監視処理を示すフローチャート。 制御部にて実行される初期設定処理を示すフローチャート。 基準ターゲットの補足の様子を示す概略図。 制御部にて実行されるエリア情報補正用処理を示すフローチャート。 基準情報と対比情報との関係を示す概略図。 検知エリアとエリア情報との関係を示す概略図。 エリア情報の補正の流れを示す概略図。 第2の実施形態におけるエリア監視処理を示す概略図。 第3の実施形態におけるレーザレーダ装置を示す概略図。 エリア監視の変形例を示す概略図。 レーザ光の拡がりを示す概略図。 水滴の影響により発生する誤検知の態様を示す概略図。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態について図面を参照しつつ説明する。本実施形態は、レーザレーダユニットと、当該レーザレーダユニット用の制御装置と、レーザ光の照射範囲に配設される基準ターゲットとを有するレーザレーダ装置として具体化されている。先ず、図1及び図2を参照してレーザレーダユニットについて説明する。
図1に示すように、レーザレーダユニット20は、所定角度(例えば0.25°)毎に設定されている照射角度にてレーザ光を出力し物体Mにて反射されたレーザ光を受光する光学機構30と、レーザレーダユニット20の外郭を構成するハウジング50とを備えており、壁面等の固定対象100に取付プレートを介して固定されている。
ハウジング50は、光学機構30を保持するベース51と光学機構30を上記壁面とは反対側から覆うカバー52とが組み合わされてなる。カバー52には、レーザ光の照射口53が形成されている。照射口53はレーザレーダユニット20の前面側、固定対象100とは反対側に開放されている。この照射口53には、透明な窓部材54が嵌っており、光学機構30からのレーザ光は窓部材54を透過して後述する検知エリアへ照射される。
光学機構30は、ハウジング50内に収容されており、上記所定角度毎にレーザ光を照射して物体Mにより反射されたレーザ光(以下、反射光と称する)を受光する。光学機構30は、第1固定ミラー31、第2固定ミラー32、回転ミラー33、照射部35及び受光部36を有している。第1固定ミラー31及び回転ミラー33は、照射部35から照射されたレーザ光をハウジング50の外部へ導くための光路P1を形成する。回転ミラー33及び第2固定ミラー32は、物体Mで反射された反射光を受光部36へ導くための光路P2を形成する。
第1固定ミラー31及び第2固定ミラー32は、回転不可に固定されている。第2固定ミラー32の中心部には貫通穴34が形成されている。回転ミラー33は、第1固定ミラー31から反射されたレーザ光に対する傾斜角度を一定に維持した状態で回転可能に構成されている。具体的には、回転ミラー33は上記ベース51に固定されたモータ41(例えばステッピングモータ)によって回転可能に軸支されており、モータ41は回転ミラー33を所定の走査方向へ向かって所定角度単位で回転(回動)させる。
光学機構30から照射されるレーザ光の走査方向は水平方向に設定されている。図2に示す一点鎖線Hは、各照射角度においてレーザ光が通過する窓部材54上の点を仮想的に結んだ線であり、レーザ光の走査方向を示している。すなわち、本実施形態に示す光学機構30は、光路P1を水平に維持した状態で、図2に示す一点鎖線H上をなぞるように回転ミラー33を回転させながら、所定角度ごとにレーザ光を照射する。
照射部35から照射されたレーザ光は、まず、第1固定ミラー31で反射され、貫通穴34を通り、回転ミラー33で反射された後に、窓部材54を通ってレーザレーダユニット20の外部へ照射される。外部へ照射されたレーザ光の光路P1上に何らかの物体Mが存在する場合、外部へ照射されたレーザ光は物体Mによって反射される。物体Mで反射された反射光は、窓部材54を通ってレーザレーダユニット20内へ入り、回転ミラー33及び第2固定ミラー32で反射される。そして、第2固定ミラー32で反射された反射光は、受光部36によって受光される。なお、受光部36では、反射光の強度を検出可能となっている。なお、本実施形態ではレーザレーダ装置10が基準ターゲットを含む構成としたが、基準ターゲットについてはレーザレーダ装置10とは別に設けてもよい。
次に、図3を参照して、レーザレーダ装置10の電気的構成について説明する。レーザレーダ装置10は、駆動回路45及び制御装置60を備えている。駆動回路45は、レーザレーダユニット20に設けられており、レーザレーダユニット20とは別に設けられた制御装置60と接続されている。駆動回路45には光学機構30(モータ41、照射部35、受光部36)が接続されており、制御装置60からの指令等に基づいて光学機構30の駆動を制御する。
制御装置60には、制御部61及び記憶部62が設けられている。記憶部62はレーザレーダ用の制御プログラムやレーザレーダユニット20から取得した各種計測結果を記憶する。また、制御部61では、記憶部62に記憶されている測定結果等に基づいて、物体Mの有無の判断や物体Mまでの距離の算出等を行う。制御装置60には、制御部61及び記憶部62の他に、検知エリア内に物体を検知した場合や装置にエラーが発生した場合等に報知を行う報知部や後述する初期設定等を行う際にユーザによって操作される操作部が設けられている。なお、制御装置60を、レーザレーダユニット20に組み込むことも可能である。
ここで、図4のフローチャートを参照して、制御部61にて実行されるエリア監視処理について説明する。エリア監視処理は、予め設定されている検知エリアに物体が位置していないかを検知するための処理であり、所定の周期毎に繰り返し実行される。
エリア監視処理においては先ず、ステップS101にて距離測定処理を行う。距離測定処理においては、所定角度毎に設定されて照射角度の各々に対して照射部35からレーザ光を出力する。そして、照射されたレーザ光の反射光を受光した場合(物体Mを検出した場合)には、レーザ光を照射してから反射光を受光するまでの時間に基づいて、その物体Mまでの距離を測定する。そして、反射光を受光した際の照射角度(「相関値」に相当)及びレーザ光を反射した物体までの距離(「相関値」に相当)を検知情報として記憶部62に記憶する。なお、本実施の形態においては、0°〜150°の範囲を0.25°毎に分けて設定された各照射角度にてレーザ光が出力される。以下の説明では、601個の各照射角度を照射角度ANG1〜照射角度ANG601として区別する。
続くステップS102では位置判定処理を実行する。具体的には、検知エリアDEに対応付られたエリア情報と上記検知情報とに基づいて、今回検知した物体が検知エリアDEに位置しているかを判定する。ここで、エリア情報は、上記照射角度毎に検知エリアDEに対応する距離範囲が規定された位置情報(距離情報)の集合情報である。例えば、物体Mの検知情報がANG100且つ距離「50」であり且つエリア情報にANG100且つ距離「30〜60」が含まれている場合には、物体Mが検知エリア内に位置していると判定される。
ステップS102の判定により物体Mが検知エリア内に位置していると判定した場合には、ステップS104にて報知処理を実行した後、本エリア監視処理を終了する。ステップS104の報知処理では、検知エリア内に物体Mが位置していることをユーザ等に報知すべく、上記報知部から警報音等を出力させる。
本実施形態に示すレーザ光については、光源から遠ざかるにつれて照射方向(軸線)と交差する方向に拡がる構成となっており、その拡がり角度についてはレーザ光の通過経路(光路)の一部が隣の照射角度のレーザ光の通過経路(光路)と一部重複するように規定されている。ここで、図14に示すように窓部材54に雨水等の水滴が付着して、当該水滴をレーザ光が通過する場合には、水滴がレンズとなり水滴が無い場合と比較して上記拡がり角度が大きくなる(S1→S2参照)。このように拡がり角度が大きくなると、検知エリアの外に位置する物体Mを検知エリアに位置していると誤判定する可能性が生じる(図15参照)。これは、レーザレーダ装置の信頼性を低下させる要因になる。
本実施形態では、レーザ光の照射範囲(詳しくは検知エリアDEを挟んでレーザレーダユニット20と対峙する位置)に基準ターゲットを配設し、当該基準ターゲットを捕捉した照射角度を示す捕捉情報同士を対比することにより、レーザ光の拡がりを特定可能な構成となっている。捕捉情報は、検知エリアに検知される物体が存在せず且つレーザレーダユニット20の窓部材54に水滴等が付着していない状態で初期設定操作が行われることで取得される基準情報と、エリア監視の都度取得される対比情報とに大別される。以下、図5を参照して、制御部61にて実行される初期設定処理について説明する。初期設定処理は、制御装置60の起動直後に定期的に時に実行される処理であり、当該初期設定処理により初期設定が完了した後は、上記エリア監視処理を含む通常処理が定期的に実行される。
初期設定処理においては先ず、ステップS201にてユーザにより初期設定操作が行われたか否かを判定する。ステップS201にて否定判定をした場合にはそのまま本初期設定処理を終了する。ステップS201にて肯定判定をした場合には、ステップS202に進む。ステップS202では基準ターゲットの距離を測定している最中か否かを判定する。ステップS202にて否定判定をした場合には、ステップS203に進み距離測定開始処理を実行する。距離測定開始処理を実行することにより、レーザ光が監視時と同様に、照射角度ANG1→照射角度ANG1→照射角度ANG2→・・・→照射角度ANG599→照射角度ANG601の順に照射される。
ステップS202の説明に戻り、当該ステップS202にて肯定判定をした場合には、ステップS204に進む。ステップS204では距離測定が完了したか否かを判定する。ステップS204にて否定判定をした場合には、そのまま本初期設定処理を終了する。ステップS204にて肯定判定をした場合には、ステップS205に進む。ステップS205では一連の初期設定処理にて上記基準ターゲットのみが捕捉されたか否かを判定する。
具体的には、基準ターゲットについては形状、大きさ、レーザ光の反射率が決まっており、それらの情報が記憶部62に記憶されている。検知エリアにて他の物体を検知することなく、上記基準ターゲットのみを検知したか否かについては、記憶部62に記憶されている基準ターゲットの各種情報と照合することで判定される。ステップS205にて肯定判定をした場合にはステップS206に進む。ステップS206では、今回捕捉した基準ターゲットについて、反射光を受光した照射角度(捕捉角度)を基準情報として記憶部62に記憶する。また、基準ターゲットまでの距離を照射角度に対応付けて記憶する。例えば、図6(a)に示すように、照射角度ANG299〜ANG301にて照射されたレーザ光LB299〜LB301にて基準ターゲット80を捕捉した場合には、それら3つの照射角度ANG299〜ANG301と各測定距離とが記憶される。このようにして初期設定が完了した後は、初期設定処理の繰り返しが回避され、通常処理へと移行することとなる。
ステップS205の説明に戻り、当該ステップS205にて否定判定をした場合、すなわち基準ターゲットを捕捉できなかった場合や検知エリアにて他の物体を検知した場合には、ステップS207に進む。ステップS207ではエラー報知処理を実行する。これにより、ユーザに対して初期設定のやり直しを促す報知が実行されることとなる。続くステップS208では今回取得していた情報(測定結果)を消去し、本初期設定処理を終了する。
ここで、再び図4を参照して、上述したエリア監視処理について補足説明する。エリア監視処理におけるステップS103にて否定判定をした場合、すなわち物体が検知エリア内に位置していないと判定した場合には、基準ターゲット用のステップS105〜S107の処理を実行する。
ステップS105では、今回の照射角度が、上記初期設定処理にて捕捉された基準ターゲット80に対応した照射角度ANG299〜ANG301を含む所定範囲、詳しくは照射角度ANG296〜ANG304であるか否かを判定する。この所定範囲については上記初期設定処理にて記憶された基準情報に基づいて決定される。ステップS105にて否定判定をした場合には、そのまま本エリア監視処理を終了する。ステップS105にて肯定判定をした場合にはステップS106に進み、基準ターゲット80を捕捉したか否かを判定する。上記初期設定処理による捕捉時と同じ位置にて基準ターゲット80を捕捉した場合には、ステップS107にて基準ターゲット捕捉時の照射角度を対比情報として記憶部62に記憶する。また、基準ターゲットまでの距離を照射角度に対応付けて記憶する。基準ターゲット80を捕捉できなかった場合にはステップS106にて否定判定をして本エリア監視処理を終了する。
具体的には、図6(a)に示すように、照射角度ANG299〜ANG301にて照射されたレーザ光LB299〜LB301にて基準ターゲット80を捕捉した場合には、それら3つの照射角度ANG299〜ANG301と各測定距離とが記憶される。これに対して、例えばレーザ光が水滴を通過して、拡がり角度が大きくなった場合には、基準ターゲット80を捕捉する照射角度が増加し得る。例えば、図6(b)に示す例では、照射角度ANG298〜ANG302にて照射されたレーザ光LB298〜LB302にて基準ターゲット80が捕捉されている。つまり、左右に1つずつ角度が増えている。この場合には、それら5つの照射角度ANG298〜ANG302と各測定距離とが記憶される。
このように、本実施形態ではエリア監視に併せて対比情報が取得→記憶される構成となっている。制御部61においてはこれら対比情報に基づいて検知エリアDEに対応するエリア情報を補正する処理が実行される。以下、図7のフローチャートを参照して、エリア情報補正用処理について説明する。エリア情報補正用処理は、定期処理である上記通常処理の一環として実行される処理である。
エリア情報補正用処理においては先ず、ステップS301にて照射角度ANG1への復帰タイミングであるか否かを判定する。つまり、レーザ光の照射が一周して原位置に復帰したタイミングであるか否かを判定する。ステップS301にて否定判定をした場合には、そのままエリア情報補正用処理を終了する。ステップS301にて肯定判定をした場合にはステップS302に進む。ステップS302では、基準ターゲットの捕捉情報、すなわち対比情報が揃っているか否かを判定する。詳しくは、上記所定範囲に含まれる各照射角度について対比情報が揃っているか否かを判定する。ステップS302にて否定判定をした場合、すなわち対比情報が揃っていない場合には、ステップS307にて基準ターゲットの捕捉情報である対比情報を消去して、本エリア情報補正用処理を終了する。
なお、対比情報が揃っていることを見定める上では基準ターゲットを捕捉できなかった場合の情報についても対比情報として記憶しておくことも可能である。このような構成とすれば、基準ターゲットが存在しなかった場合とエラー等で捕捉に失敗した場合とを好適に区別できる。
ステップS302にて肯定判定をした場合にはステップS303に進む。ステップS303では、前回の確認時から対比情報が変化しているか否かを判定する。対比情報に変化がない場合にはステップS303にて否定判定し、ステップS307の消去処理を実行した後、本エリア情報補正用処理を終了する。対比情報の少なくとも一部が変化している場合にはステップS304に進む。
ステップS304では、基準情報と対比情報との対比処理を行う。基準情報と対比情報とが一致していない場合にはステップS305にて否定判定をしてステップS308に進む。ステップS308ではエリア情報補正処理を実行する。エリア情報の補正についての詳細は後述する。基準情報と対比情報とが一致している場合にはステップS305にて肯定判定をしてステップS306に進む。ステップS306では補正解除処理を行う。つまり、水滴等の付着によって一時的にレーザ光の拡がり角度が大きくなっていた場合には、当該水滴が流れる等してレーザ光の拡がりが元の戻ったことを契機として補正が解除される。ステップS306,S308の処理を実行した後は、ステップS307にて記憶部62に記憶されている対比情報を消去して、本エリア情報補正処理を終了する。基準情報と対比情報とが一致した場合には補正を解除することにより、水滴等の拡がり角度を変化させる要素が消失した後に補正の影響が残ることを好適に抑制できる。
ここで、図8及び図9を参照して、基準情報と対比情報との差に基づくエリア情報の補正について説明する。なお、説明の便宜上、図8においては基準ターゲット80を捕捉した照射角度については「○」、基準ターゲット80を捕捉しなかった照射角度については「×」として区別して表示している。
本実施形態に示すレーザレーダ装置10においては、窓部材54への水滴等の付着によってレーザ光の拡がり角度が最大で走査方向(平面視における左方向)及び反走査方向(平面視における右方向)の両方向に2所定角度分大きくなる可能性がある。エリア情報としては、基準情報と対比情報とが一致する場合に参照されるエリア情報E0、走査方向及び反走査方向の両方向にてレーザ光の拡がり角度が1所定角度分大きくなっている場合に参照されるエリア情報E1、走査方向及び反走査方向の両方向にてレーザ光の拡がり角度が2所定角度分大きくなっている場合に参照されるエリア情報E2、走査方向にてレーザ光の拡がり角度が1所定角度分大きくなっている場合に参照されるエリア情報E3、反走査方向にてレーザ光の拡がり角度が1所定角度分大きくなっている場合に参照されるエリア情報E4、走査方向にてレーザ光の拡がり角度が2所定角度分大きくなっている場合に参照されるエリア情報E5、走査方向にてレーザ光の拡がり角度が2所定角度分大きくなっており且つ反走査方向にてレーザ光の拡がり角度が1所定角度分大きくなっている場合に参照されるエリア情報E6、反走査方向にてレーザ光の拡がり角度が2所定角度分大きくなっている場合に参照されるエリア情報E7、走査方向にてレーザ光の拡がり角度が1所定角度分大きくなっており且つ反走査方向にてレーザ光の拡がり角度が2所定角度分大きくなっている場合に参照されるエリア情報E8がある。上述したステップS308のエリア情報補正処理では、基準情報と対比情報とに基づいてエリア情報E1〜E8の何れかをエリア情報E0に代えて参照対象とする。
図9(a)に示すように、補正無となるエリア情報E0を視覚的に示した範囲FE(エリア情報対応範囲)は検知エリアDEと一致している。これに対して、図9(b)に示すように、エリア情報E1〜E8を視覚的に示した範囲FE(エリア情報対応範囲)については何れも検知エリアDEよりも小さくなるように減縮されている。より詳しくは、エリア情報E1のエリア情報対応範囲FEについては走査方向及び反走査方向の両方向にて範囲が少し減縮されており、エリア情報E2のエリア情報対応範囲FEについては走査方向及び反走査方向の両方向にて範囲が大きく減縮されており、エリア情報E3のエリア情報対応範囲FEについては走査方向にて範囲が少し減縮されており、エリア情報E4のエリア情報対応範囲FEについては反走査方向にて範囲が少し減縮されており、エリア情報E5のエリア情報対応範囲FEについては走査方向にて範囲が大きく減縮されており、エリア情報E6のエリア情報対応範囲FEについては走査方向にて範囲が大きく減縮され且つ反走査方向にて範囲が少し減縮されており、エリア情報E7のエリア情報対応範囲FEについては反走査方向にて範囲が大きく減縮されており、エリア情報E8のエリア情報対応範囲FEについては反走査方向にて範囲が大きく減縮され且つ走査方向にて範囲が少し減縮されている(図8参照)。
既に説明したように、エリア情報E0〜E8は何れも各照射角度に係る距離情報、すなわち位置情報の集合であり、エリア情報を減縮させる場合には、基準となるエリア情報E0を参照して各照射角度における距離情報を減縮させる。各距離情報は、レーザレーダユニット20に対して近い側の限界点とレーザレーダユニット20に対して遠い側の限界点との間の範囲となるように規定されており、各限界点はレーザレーダユニット20(光源)からの距離を示している。ここで、エリア情報の減縮のプロセスについて説明する。
先ず基準情報と対比情報との対比結果から走査方向及び反走査方向の各方向についてレーザ光の拡がり角度の増加分を特定する。そして、エリア情報E0における各照射角度の距離情報のうち、今回変更対象としている照射角度に係る距離情報と、当該照射角度に対して上記増加した方向に上記増加分離れた照射角度に係る距離情報と、それらの間に他の照射角度が含まれる場合には当該照射角度に係る距離情報と参照する。次に、それら距離情報から距離範囲が最も短くなるように各距離情報の限界点をピックアップする。そして、変更対象となっている照射角度の距離情報をピックアップした限界点に基づいて書き替える。この減縮のプロセスを各照射角度の距離情報に各々適用することにより、基準となるエリア情報E0を一部減縮したエリア情報E1〜E8が形成される。
以下、図10を参照して、エリア減縮の具体例について説明する。図10では、エリア情報E0→エリア情報E1の減縮のプロセスを例示している。
エリア情報E1については、走査方向及び反走査方向の両方向に1所定角度ずつ拡がり角度が増加している場合に対応している。そこで、各照射角度について距離情報を減縮する上では、エリア情報E0から、今回対象としている照射角度ANG(X)における距離情報(限界点PN(X)〜限界点PF(X))と、走査方向に1所定角度進んだ照射角度ANG(X+1)における距離情報(限界点PN(X+1)、限界点PF(X+1))と、反走査方向に1所定角度戻った照射角度ANG(X−1)における距離情報(限界点PN(X−1)、限界点PF(X−1))とを参照する。
ここで、レーザレーダユニット20に対して近い側の限界点PN(X)、PN(X+1)、PN(X−1)については、レーザレーダユニット20(光源)からの距離が、PN(X+1)<PN(X)<PN(X−1)の順に大きくなっている。変更対象となっている照射角度ANG(X)の距離情報を構成する近い側の限界点PN(X)として3つの候補のうち最も遠い限界点PN(X−1)を適用する。次に、レーザレーダユニット20に対して遠い側の限界点PF(X)、PF(X+1)、PF(X−1)については、レーザレーダユニット20(光源)からの距離が、PF(X−1)<PF(X)<PF(X+1)の順に大きくなっている。変更対象となっている照射角度ANG(X)の距離情報を構成する遠い側の限界点PF(X)として3つの候補のうち最も近い限界点PF(X−1)を適用する。これにより、エリア情報E1においては、照射角度ANG(X)の距離情報が限界点PN(X)〜限界点PF(X)から限界点PN(X−1)〜限界点PF(X−1)に減縮される。
このような短縮処理を各照射角度の距離情報に各々適用することにより、エリア情報E0をベースとしたエリア情報E1が形成されている。
以上詳述した基準となるエリア情報E0と補正用のエリア情報E1〜E8は上記エリア監視の進行に伴って維持又は変更される。そしてエリア監視処理のステップS102では、上記ステップS306,S308にて指定されたエリア情報を参照して、位置判定処理が行われることとなる。
以上詳述した第1の実施形態によれば、以下の優れた効果を奏する。
本実施形態によれば、事前に記憶された基準情報と、後に取得された対比情報とに基づいて基準物体を検知する場合の照射角度がどのように変化したかを特定することができる。それら照射角度の違いに応じてエリア情報の何れかを補正し、補正後の情報に基づいて物体の有無を判定することにより、外部環境の影響等によってレーザ光の拡がり角度が変化した場合であっても、それに起因して検知結果の確からしさが低下することを抑制できる。これは、レーザレーダ装置10の配置自由度の向上を図りつつ当該レーザレーダ装置10の信頼性の低下を抑制する上で好ましい。
例えば、雨天においてレーザレーダ装置の窓部材に雨等の水滴が付着した場合には、水滴がレンズとなってレーザ光の拡がり角度が大きくなる可能性がある。レーザ光の拡がり角度が大きくなると、検知エリア外に位置する物体を検知エリア内に位置していると誤って判定する可能性が高くなる。これは、レーザレーダ装置の信頼性を低下させる要因になり得る。この点、本実施形態によれば、例えば水滴が付着していない場合の照射角度等の情報が基準情報として記憶させ、この基準情報と対比情報からレーザ光の拡がり角度がどの程度変化したか(大きくなったか)を特定できる。このような差に基づいて対比情報又はエリア情報を補正することにより、水滴に起因した誤検知を抑制できる。
また、補正対象がエリア情報となっているため、物体の有無を判定する都度(照射角度等の情報を取得した都度)、補正を行う必要がない。故に、制御負荷を軽減したり、処理速度を向上させたりすることができる。これは、レーザレーダ装置10により物体検知を速やかに行う上で有利である。
窓部材54に付着する水滴を通過した場合のレーザ光の拡がり角度の変化については水滴の形状等に左右される。このため、水滴の形状によっては走査方向と反走査方向とで拡がり角度の変化に差が生じる可能性を否定できない。そこで、拡がり角度が変化していると想定される側においてエリア情報対応範囲の大きさを変更させる構成とすれば、判定結果の信頼性を好適に向上させることができる。
窓部材54に付着する水滴を通過した場合のレーザ光の拡がり角度の変化について水滴の大きさや形状等に左右される。このため、レーザ光の拡がり角度の変化については多様になると想定される。そこで、照射角度の範囲の差が大きくなるほど補正によって変更される部分(拡大又は減縮される部分)が大きくなる構成とすれば、上述した信頼性を向上させる効果を好適に発揮させることができる。
なお、従来のレーザレーダ装置のように物体の中心(重心)が検知エリアに位置しているかを判定する構成では、水滴等の影響によりレーザ光の拡がり角度が大きくなっても、本実施形態に示したような不都合は生じない。しかしながら、中心(重心)判定タイプのレーザレーダ装置では、物体の外縁を詳細に把握することができず、判定結果の確からしさが低くなる。本実施形態等に示した課題は、物体の大きさを精度よく把握して、判定の確からしさの向を図った上記レーザレーダ装置10にて新たに生じた課題である。
<第2の実施形態>
レーザ光の強度は、光の中心部では最も強く、中心部から離れるにつれて弱くなる。反射率が極めて低い物体の場合には、拡散されたレーザ光の端が基準ターゲットに当たったとしても反射光の強度が反射光を計測可能なレベルに達しない可能性がある。つまり、物体検知の確からしさにレーザ光の拡がり角度の増加が影響するか否かについては物体の反射率に左右される可能性がある。本実施形態におけるエリア監視処理では、そのような事情に配慮した工夫がなされている。以下、図11を参照して、第1の実施形態との相違点を中心に本実施形態におけるエリア監視処理について説明する。
本実施形態におけるエリア監視処理においては先ず、ステップS401にて距離測定処理を行う。ステップS401の処理はステップS101と同様である。
ステップS402では反射率特定処理を実行する。反射率特定処理では、ステップS401にて測定した距離と反射光の強度とに基づいて物体Mにおけるレーザ光の反射率を特定する。その後は、ステップS403にて物体Mの反射率が閾値に達しているか否かを判定する。本実施の形態では閾値は距離に応じて物体Mまでの距離に応じて定められている。例えば物体までの距離が30mである場合には閾値=10%である。
ステップS403にて肯定判定をした場合、すなわち物体Mの反射率がある程度高いと想定される場合には、ステップS404に進む。ステップS404では、エリア情報が補正されているか否かを判定する。ステップS404にて否定判定をした場合には、ステップS405に進み、第1位置判定処理を実行する。第1位置判定処理では、エリア情報として基準エリア情報であるエリア情報E0を参照し、今回検知した物体Mが検知エリアDEに位置しているかを判定する。ステップS404にて肯定判定をした場合には、ステップS406に進み、第2位置判定処理を実行する。第2位置判定処理では、エリア情報として補正エリア情報であるエリア情報E1〜E8のうち指定されたエリア情報を参照し、今回検知した物体Mが検知エリアDEに位置しているかを判定する。
ステップS403の説明に戻り、当該ステップS403にて否定判定をした場合、すなわち物体Mの反射率が閾値に達していない場合には、ステップS405に進み、第1位置判定処理を実行する。つまり、本実施形態では、反射率が低い物体Mの場合には、上記補正が回避される構成となっている。以下のステップS407〜S411の各処理については、第1の実施形態におけるステップS103〜S107と同様であるため、説明を省略する。
レーザ光については、その中心部分にて光が最も強く、外縁に近づくにつれて光が徐々に弱くなる。水滴等によりレーザ光の拡がり角度が大きくなった場合には、光が弱くなっている部分が低反射率の物体によって反射されたとしても、反射光は更に弱くなるため当該反射光から物体が存在すると判定される可能性は低いと想定される。これに対して、車のリフレクタ等の高反射率の物体にて反射された場合には弱い光であっても物体が存在すると判定される可能性が高くなる。そこで、本実施形態に示したように、物体の反射率を特定し、その特定した反射率が閾値よりも高い場合には補正を行い、閾値よりも低い場合には補正を行わない構成とすることにより、検知結果の確からしさを好適に向上させることができる。
また、本実施形態に示した構成によれば、反射率が低い物体Mが検知エリアDEに位置している場合に、補正によって失報が生じることを抑制できる。これにより、レーザレーダ装置10の信頼性を好適に向上させることができる。
<第3の実施形態>
上記第2の実施形態では、物体におけるレーザ光の反射率に閾値を設けて、当該閾値を下回るものについては補正を行わない構成とすることにより、反射率が低い物体についての失報を抑制する構成とした。本実施形態でも当該失報を抑制する点については同様であるものの、その精度を高める具体的構成が第2の実施形態と相違している。以下、第2の実施形態との相違点を中心に上記工夫について説明する。
図12に示すように、本実施形態では、基準ターゲットとして、反射率が相対的に低い低反射基準ターゲット81と、反射率が相対的に高い高反射基準ターゲット82とが設けられている。低反射基準ターゲット81の反射率はレーザレーダユニット20(光源)からの距離が30mで50%よりも低くなるように(詳しくは30%程度)構成されており、高反射基準ターゲット82の反射率はレーザレーダユニット20(光源)からの距離が30mで50%よりも高くなるように(詳しくは70%程度)構成されている。
なお、これら2つの基準ターゲット81,82は、レーザ光によって捕捉される照射角度が重複しないように離して配置されている。これは、低反射基準ターゲット81からの反射光が高反射基準ターゲット82からの反射光に紛れる等して、補正機能が上手く働かなくなることを回避する工夫である。
本実施の形態においては、上記第1の実施形態に示した初期設定処理による基準情報の取得、監視処理における比較情報の取得、エリア情報補正用処理における対比・補正等が閾値である50%よりも反射率が低い低反射率用及び閾値である50%よりも反射率が高い高反射率用で個別に実行される構成となっている。これにより、反射率に即した補正を行うことができ、補正による信頼性向上効果を好適に発揮させることができる。
<他の実施形態>
・上記各実施形態では、レーザレーダユニット20の窓部材54(「透過部」に相当)に水滴が付着していない状況下にて初期設定処理が実行される場合について例示したが、例えば窓部材54に雨等の水滴が付着している場合に初期設定処理が実行されて基準情報が記憶された場合を考慮して以下の構成とするとよい。すなわち、晴天時等で水滴がなくなった場合にレーザ光の拡がり角度が小さくなる可能があり、レーザ光の拡がり角度が小さくなることで検知エリア内に位置する物体を検知エリア外に位置していると誤って判定する可能性が高くなる。そこで、基準情報に対して対比情報がレーザ光の拡がり角度が小さくなっていることを示している場合にはエリア情報を補正することによりエリア情報に対応する範囲を拡大させる構成とするとよい。このような構成とすれば、検知エリアDEに位置している物体の見逃しを好適に抑制できる。
・上記各実施形態では、レーザ照射が一周する毎に対比情報を取得して基準情報と比較する構成としたが、このような比較をどのタイミングにて行うかは任意である。例えば、予め設定されたインターバル期間が経過したことに基づいて比較情報を取得して基準情報と比較する構成とすることも可能である。
・上記各実施形態では、基準ターゲットを検知エリアの外に配設したが、基準ターゲットを検知エリア内に配設することも可能である。
・基準ターゲットを複数設けるとともに検知エリアDEに対応するエリア情報を各基準ターゲットに関連付けされた複数の個別エリア情報に分け、各基準ターゲットを用いた補正をそれら個別エリア情報毎に実行する構成としてもよい。例えば、図13に示すように、左右に並べて基準ターゲット80R,80M,80Lを配設する場合には、検知エリアDEを右側の基準ターゲット80Rに対応する右エリアDER、中央の基準ターゲット80Mに対応する中央エリアDEM、左側の基準ターゲット80Lに対応する左エリアDELに分割し、各エリアDER,DEM,DELに対応付けられた個別エリア情報を各々補正する構成としてもよい。
走査方向にて検知エリアDEが広い場合には、窓部材54についても走査方向に長くなる。このような構成においては部分毎に水滴の付着量や付着している水滴の大きさが相違し得る。そこで、上述の如く検知エリアDEを走査方向にて複数の個別エリアDER,DEM,DELに分割し、それら個別エリアDER,DEM,DEL毎にエリア情報を補正する構成とすれば、検知エリアDEが走査方向に広い構成であっても、水滴等の影響を好適に抑えることができる。つまり、レーザレーダの信頼性の向上の観点から検知エリアが制限されることを好適に抑制できる。
・上記第2の実施形態では、検知した物体の反射率が閾値以上である場合にはエリア情報の補正を可とし、物体の反射率が閾値に満たない場合にはエリア情報の補正を不可としたが、物体の反射率の高低に応じて段階的に補正を行う構成とすることも可能である。例えば、物体の反射率が第1の閾値に満たない場合にはエリア情報の補正を不可とし、第1の閾値以上且つ第2の閾値よりも小さい場合にはエリア情報の補正レベルを「弱」とし、第2の閾値以上である場合にはエリア情報の補正レベルを「強」とすることも可能である。このような変更を行う場合には、反射率が第1の閾値よりも小さい基準ターゲットと、反射率が第1の閾値〜第2の閾値の中間となる基準ターゲットと、反射率が第2の閾値よりも大きい基準ターゲットとを併用して、レーザ光の拡がり角度の変化の影響を反射率の範囲毎に補正に反映する構成とするとよい。
・上記第2の実施形態では、低反射基準ターゲット81の反射率を30%、高反射基準ターゲット82の反射率を70%としたが、これに限定されるものではない。少なくとも、低反射基準ターゲット81の反射率が、高反射基準ターゲット82の反射率を下回っているのであれば足り、各反射率については任意に変更してもよい。
また、上記第2の実施形態に示した基準ターゲット81,82については、各基準ターゲット81,82を捕捉する照射角度が重複しないように離して互いに遠ざけて配置したが、基準ターゲット81、82を近づけて配置することを否定するものではない。但し、両基準ターゲット81,82からの反射光が同時に受光部36に入ると、低反射基準ターゲット81からの反射光が高反射基準ターゲット82からの反射光に紛れる可能性がある。2つの基準ターゲット81,82を近接させる場合には、そのような混同を回避するための構成を追加されたい。例えば、基準ターゲット81,82の向き等を変えることで、一方の基準ターゲット81,82にのみレーザ光が照射される状況を所定の順序(交互に)発生させる構成とするとよい。
・上記各実施形態では、検知情報及びエリア情報のうちエリア情報を補正の対象としたが、検知情報を補正の対象とすることも可能である。
・補正用のエリア情報については、予め記憶させておく必要は必ずしもなく、基準情報と対比情報との対比の都度の演算処理によって決定→記憶する構成とすることも可能である。
・上記各実施形態では、レーザレーダ装置10の初期設定操作が行われることで、基準情報を取得する構成としたが、これに限定されるものではない。基準情報についてはメーカでの製造時に予め記憶部62に記憶させておく構成とすることも可能である。
10…レーザレーダ装置、30…光学機構、35…照射部、36…受光部、50…ハウジング(ケース体)、54…窓部材(透過部)、60…制御装置(コンピュータ)、61…制御部、62…記憶部、80〜82…基準ターゲット(基準物体)、DE…検知エリア。

Claims (12)

  1. 所定角度ごとに設定されている照射角度へレーザ光を照射する照射部及び物体により反射された前記レーザ光を受光する受光部を有する光学機構と、前記光学機構を収容するケース体とを備え、前記ケース体に、前記レーザ光が透過可能な透過部が設けられているレーザレーダ装置であって、
    物体により反射されたレーザ光である反射光を受光した前記照射角度及び当該レーザ光を反射した前記物体までの距離に相関する相関値を示す検知情報と、前記物体を検知する検知エリアに対応するようにして予め定められた前記検知情報の集合であるエリア情報とに基づいて、レーザ光を反射した物体が前記検知エリアに位置しているかを判定する判定部と、
    前記レーザ光の照射範囲に配設された基準物体に所定の状況下においてレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を基準情報として記憶する記憶部と、
    現在の状況下にて前記基準物体にレーザ光が照射され当該基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を対比情報として取得し、当該対比情報と前記基準情報との差に基づいて前記エリア情報及び前記検知情報の何れかを補正する補正部と
    を備え、
    前記判定部は、前記補正部により補正された情報に基づいて前記判定を行うレーザレーダ装置。
  2. 所定角度ごとに設定されている照射角度へレーザ光を照射する照射部及び物体により反射された前記レーザ光を受光する受光部を有する光学機構と、前記光学機構を収容するケース体とを備え、前記ケース体に、前記レーザ光が透過可能な透過部が設けられているレーザレーダ装置であって、
    物体により反射されたレーザ光である反射光を受光した前記照射角度及び当該レーザ光を反射した前記物体までの距離に相関する相関値を示す検知情報と、前記物体を検知する検知エリアに対応するようにして予め定められた前記検知情報の集合であるエリア情報とに基づいて、レーザ光を反射した物体が前記検知エリアに位置しているかを判定する判定部と、
    前記レーザ光の照射範囲に配設された基準物体に所定の状況下においてレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を基準情報として記憶する記憶部と、
    現在の状況下にて前記基準物体にレーザ光が照射され当該基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を対比情報として取得し、当該対比情報と前記基準情報との差に基づいて前記エリア情報を補正する補正部と
    を備え、
    前記判定部は、前記補正部により補正された前記エリア情報に基づいて前記判定を行うレーザレーダ装置。
  3. 前記補正部は、前記対比情報が示す照射角度の範囲と前記基準情報が示す照射角度の範囲とに差が生じている場合に、前記エリア情報において、前記照射角度の範囲に前記差が生じている側と同じ側となる部分を増減させるようにして前記補正を行う請求項1又は請求項2に記載のレーザレーダ装置。
  4. 前記補正部は、前記対比情報が示す照射角度の範囲と前記基準情報が示す照射角度の範囲との差が大きいほど前記エリア情報にて増減される部分が大きくなるようにして前記補正を行う請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
  5. 前記補正部は、前記対比情報が示す照射角度の範囲が前記基準情報が示す照射角度の範囲よりも大きくなっている場合に前記エリア情報を減縮させるようにして前記補正を行う請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
  6. 前記エリア情報は、前記光学機構に近い側の限界位置及び遠い側の限界位置を示す前記相関値がレーザ光の前記照射角度ごとに定められたものであり、
    前記補正部は、前記補正として、所定の照射角度の各限界位置に対応する前記相関値と、当該所定の照射角度に前記大きくなった分の角度を加味した照射角度の各限界位置に対応する前記相関値とに基づいて、前記近い側の限界位置については各近い側の限界位置に対応する前記相関値のうち前記光学機構から遠い方の限界位置に対応する前記相関値に補正し、且つ前記遠い側の限界位置については各遠い側の限界位置に対応する前記相関値のうち前記光学機構から近い方の限界位置に対応する前記相関値に補正する請求項5に記載のレーザレーダ装置。
  7. 前記補正部は、当該補正部によって前記エリア情報又は前記検知情報が補正されている状況下においても前記基準情報と前記対比情報との対比を継続する構成となっており、それら基準情報及び対比情報が一致した場合には、前記補正を解除する構成となっている請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
  8. 前記検知エリアはレーザ光の走査方向において複数の個別エリアに分かれており、それら個別エリア毎に前記基準物体が設けられており、
    前記記憶部は、前記個別エリア毎に前記基準情報を記憶するものであり、
    前記補正部は、前記個別エリア毎に前記対比情報を取得し、それら対比情報及び基準情報の差に基づいて前記エリア情報を個別エリア毎に補正可能となっている請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
  9. 前記物体からの反射光の強度及び当該物体までの距離に基づいて当該物体における前記レーザ光の反射率を特定する反射率特定部を備え、
    前記補正部は、前記反射率特定部によって特定された反射率が閾値よりも高い場合には前記補正を行い、前記閾値よりも低い場合には前記補正を行わない請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
  10. 前記物体からの反射光の強度及び当該物体までの距離に基づいて当該物体における前記レーザ光の反射率を特定する反射率特定部を備え、
    前記補正部は、前記反射率特定部によって特定された反射率が閾値よりも高い場合には前記補正として第1の補正を行い、前記閾値よりも低い場合には前記補正として前記第1の補正よりも補正レベルが低い第2の補正を行う請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載のレーザレーダ装置。
  11. 前記基準物体として、レーザ光の反射率が前記閾値よりも高い第1基準物体と、前記閾値よりも低い第2基準物体とを含み、
    前記記憶部は、
    前記所定の状況下にて前記第1基準物体にレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該第1基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を第1基準情報として記憶する第1記憶部と、
    前記所定の状況下にて前記第2基準物体にレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該第2基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を第2基準情報として記憶する第2記憶部と
    を有し、
    前記補正部は、
    現在の状況下にて前記第1基準物体にレーザ光が照射され当該第1基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を第1対比情報として取得し、当該第1対比情報と前記第1基準情報との差に基づいて前記エリア情報を補正する第1補正部と、
    現在の状況下にて前記第2基準物体にレーザ光が照射され当該第2基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を第2対比情報として取得し、当該第2対比情報と前記第2基準情報との差に基づいて前記エリア情報を補正する第2補正部と
    を有している請求項10に記載のレーザレーダ装置。
  12. 所定角度ごとに設定されている照射角度へレーザ光を照射する照射部及び物体により反射された前記レーザ光を受光する受光部を有する光学機構と、前記光学機構を収容するケース体とを備え、前記ケース体に、前記レーザ光が透過可能な透過部が設けられているレーザレーダ装置に適用され、検知エリアにおける物体の検知を行うための制御プログラムであって、
    コンピュータに、
    物体により反射されたレーザ光である反射光を受光した前記照射角度及び当該レーザ光を反射した前記物体までの距離に相関する相関値を示す検知情報と、前記物体を検知する検知エリアに対応するようにして予め定められた前記検知情報の集合であるエリア情報とに基づいて、レーザ光を反射した物体が前記検知エリアに位置しているかを判定する判定処理と、
    前記レーザ光の照射範囲に配設された基準物体に所定の状況下においてレーザ光が照射され、前記所定の状況下において当該基準物体からの反射光を受光した前記照射角度の範囲を基準情報として記憶する記憶処理と、
    現在の状況下にて前記基準物体にレーザ光が照射され当該基準物体から反射光を受光した前記照射角度の範囲を対比情報として取得し、当該対比情報と前記基準情報との差に基づいて前記エリア情報及び前記検知情報の何れかを補正する補正処理と
    を実行させるレーザレーダ装置用の制御プログラム。
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