JP2015158999A - 光電センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、感度調整時の困難さを抑制できる光電センサを提供することを目的とする。
【解決手段】光電センサ10は、投光手段230及び/または受光手段231を有する光学ユニット200と、直方体状のケーシング100と、設定値に基づいて感度パラメータを調整する感度パラメータ調整手段233と、を備える。投光手段230は、検出領域5内に検出光を発する。受光手段231は、検出領域5からの検出光を受ける。ケーシング100の光透過窓110側とは異なる上平面105には、光透過窓110に近い順に、インジケータ303、感度受付部材301及び調整開始部材302が配置されている。感度受付部材301は、外部から感度パラメータの設定値の入力を受け付け、感度パラメータ調整手段233へ出力する。調整開始部材302は、感度パラメータの自動調整を開始するための部材である。インジケータ303は、検出対象物6を検出できるかを表示する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光電センサに関する。
光電センサには、例えば透過型、反射型及び回帰反射型などの様々なタイプの光電センサが存在する。透過型光電センサは、投光手段を備える投光器と、受光手段を備える受光器とが別体の筐体に設けられたセンサである。この投光器と受光器とを互いに対向させて配置し、投光器と受光器との間に検出対象物を配置する。反射型光電センサは、投光手段及び受光手段をともに1つの筐体内に備えるセンサである。反射型光電センサでは、投光手段からの光を検出対象物に照射し、検出対象物からの反射光を受光手段で受光する。回帰反射型光電センサもまた、投光手段及び受光手段をともに1つの筐体内に備えるセンサである。回帰反射型光電センサでは、回帰反射型光電センサと回帰反射部材との間に検出対象物を配置し、検出対象物及び回帰反射部材からの反射光を受光手段で受光する。
透過型光電センサの一例は特許文献1に開示されており、反射型光電センサの一例は特許文献2に開示されており、回帰反射型光電センサの一例は特許文献3に開示されている。
透過型光電センサ及び回帰反射型光電センサにおいては、投光手段が出射した光の光量に対して、受光手段が受光した光の光量の減衰量に基づいて検出対象物を検出する。具体的には、透過型光電センサ及び回帰反射型光電センサは、受光手段での受光量が所定の閾値より小さい場合に、検出対象物を検出する。反射型光電センサにおいては、投光手段が出射した光の光量に対して、受光手段が受光した光の光量の増加量に基づいて検出対象物を検出する。具体的には、反射型光電センサは、受光手段での受光量が所定の閾値より大きい場合に、検出対象物を検出する。
検出対象物を正確に検出するためには、検出対象物を検出するための感度を調整する必要がある。そのため、光電センサには感度を調整するための調整部材が設けられている。さらに、光電センサにはインジケータが設けられている。インジケータは、調整後の感度に基づいて検出対象物を検出可能か否かを、例えば光の点灯又は消灯によって報知する部材である。インジケータは、調整後の感度に基づいて、光電センサが検出領域内の検出対象物を検出した場合に例えば光を点灯する。具体的には、透過型光電センサ及び回帰反射型センサにおいては、受光手段での受光量が所定の閾値より小さくなった場合には、光電センサが検出対象物を検出したとしてインジケータは光を点灯する。また、反射型光電センサにおいては、受光手段での受光量が所定の閾値より大きくなった場合には、光電センサが検出対象物を検出したとしてインジケータは光を点灯する。一方、調整後の感度によっては、光電センサが検出領域内に検出対象物があることが検出できない場合にはインジケータは例えば光を点灯しない。使用者は、検出領域内の検出対象物を検出可能か否かを、インジケータの点灯又は消灯の状態を見て確認する。そして、使用者は確認の結果に基づいて調整部材により感度を調整する。
特開2002−350554号公報 特開2013−206836号公報 特許第4158828号公報
使用者は、調整部材を操作する場合には、光透過窓とは反対側に位置する。この場合、インジケータ及び調整部材の配置によっては、使用者がインジケータを確認するのが困難となる場合がある。例えば、インジケータと調整部材とが隣接して配置されている場合に調整部材を操作して感度の調整を行うと、調整部材を操作している手及び道具等によって使用者はインジケータの確認が困難となる。結果として、検出対象物が検出可能か否かの判断が行い難くなり、感度の調整が困難となる。
そこで、本発明は、感度の調整を容易にできる光電センサを提供することを目的とする。
本発明の一態様に係る光電センサは、投光手段と受光手段とのうち少なくとも一方を有する光学ユニットと、直方体状であり、光学ユニットを収容するケーシングと、感度パラメータ調整部と、を備える。投光手段は、検出領域内に存在する検出対象物を検出するための検出光を発する。受光手段は、検出領域からの検出光を受ける。ケーシングは、複数の平面と、感度受付部材と、調整開始部材と、インジケータとを含む。複数の平面には、投光手段からの検出光及び受光手段への検出光の少なくとも一方が通過する光通過部側の第1平面が含まれる。さらに、複数の平面には、第1平面とは異なる第2平面が含まれる。感度受付部材は、外部から感度パラメータの設定値の入力を受け付け、感度パラメータ調整部へ出力する。感度パラメータ調整部は、感度受付部材に入力された設定値となるように感度パラメータを調整する。調整開始部材は、感度パラメータの自動調整を開始するための部材である。インジケータは、検出対象物の有無及び/又は検出対象物を安定的に検出できるかを表示する。インジケータ、感度受付部材及び調整開始部材は、第2平面に設けられている。インジケータ、感度受付部材及び調整開始部材は、光通過部に近い側から、インジケータ、感度受付部材及び調整開始部材の順に配置されている。
光通過部に近い順に、インジケータ、感度受付部材及び調整開始部材が配置されている。ここで、使用者は、光通過部での光の通過を阻止しないように、光通過部以外の位置において光電センサを操作する。例えば、使用者は光通過部とは反対側から光電センサを操作する。よって、使用者に近い側から調整開始部材、感度受付部材及びインジケータの順に配置されている。つまり、使用者にとって、インジケータは、調整開始部材及び感度受付部材よりも遠い位置に配置されている。特に、調整開始部材とインジケータとの間に感度受付部材が設けられることで、調整開始部材とインジケータとが近接しない。言い換えれば、調整開始部材とインジケータとの間に、少なくとも感度受付部材が介在可能な程度の距離が設けられている。そのため、調整開始部材の操作の際に、インジケータが使用者の手及び道具等によって遮られない。これにより、調整開始部材を操作しながらもインジケータを容易に確認することができる。よって、検出対象物が検出可能か否かの判断が容易となり、感度の調整が容易となる。また、インジケータが光通過部側の先端に設けられることで、先端側のインジケータに視線を向けつつも同時に調整開始部材も視野内において確認することができる。よって、インジケータを確認しながらも調整開始部材の操作を行うことができる。
なお、光通過部は、光透過窓及びレンズの少なくとも1つを含む。光透過窓は例えば偏光フィルタが嵌め込まれる開口である。光透過窓は、光学ユニット及びケーシングの少なくとも1つに設けられる。レンズは、集光して光の広がりを抑える部材である。
なお、調整開始部材は、調整開始部材が操作されると、感度パラメータを所望の値に自動調整する。あるいは、調整開始部材は、調整開始部材が操作されると、感度受付部材での設定値に基づいて感度パラメータを調整してもよい。
好ましくは、感度パラメータは、投光手段からの投光の強度、受光手段における受光量の増幅率及び受光手段における検出対象物の検出の有無を判断するための基準となる閾値の少なくとも1つによって調整される。
感度は、光電センサが、大きさの小さい検出対象物を検出できるようにするなど、検出対象物をどの程度正確に検出できるかを示す指標である。感度パラメータは、感度を調整するためのパラメータである。感度パラメータは、例えば、投光手段からの投光の強度、受光手段における受光量の増幅率(ゲイン)及び閾値等の少なくとも1つである。閾値とは、受光手段において検出対象物の検出の有無を判断するための基準値である。
透過型光電センサにおいては、投光手段を備える投光器と受光手段を備える受光器とが別体の筐体に設けられている。反射型光電センサ及び回帰反射型光電センサにおいては、投光手段及び受光手段を1つの筐体内に備えるセンサである。感度受付部材は、透過型光電センサの場合、感度パラメータの設定値として、投光器の投光手段からの投光の強度の調整を受け付ける。また、反射型光電センサ及び回帰反射型光電センサの場合、感度受付部材は、感度パラメータの設定値として、投光手段からの投光の強度の調整を受け付ける。また、感度受付部材は、感度パラメータの設定値として、透過型光電センサの受光器、反射型光電センサ及び回帰反射型光電センサの受光手段における受光量の増幅率及び閾値の調整を受け付ける。
好ましくは、ケーシングの複数の平面は、第1平面と対向する第3平面をさらに有する。第2平面は、第1平面及び第3平面に交差している。第2平面には、第1平面側からインジケータ、感度受付部材及び調整開始部材が順に配置されている。
上記構成によれば、光通過部に近い順に、インジケータ、感度受付部材及び調整開始部材が配置されている。言い換えれば、使用者に近い側から調整開始部材、感度受付部材及びインジケータの順に配置されている。特に、調整開始部材とインジケータとの間に感度受付部材が設けられることで、調整開始部材とインジケータとが近接しない。言い換えれば、調整開始部材とインジケータとの間に、少なくとも感度受付部材が介在可能な程度の距離が設けられている。よって、調整開始部材の操作の際に、インジケータが使用者の手及び道具等によって遮られない。また、インジケータが光通過部側の先端に設けられることで、先端側のインジケータに視線を向けつつも同時に調整開始部材も視野内において確認することができる。よって、インジケータを確認しながらも調整開始部材の操作を行うことができる。このような構成の光電センサにより、感度の調整が容易となる。
好ましくは、第2平面は長方形状であり、第2平面の長手方向は、投光手段からの検出光及び受光手段への検出光の少なくとも一方の光軸に沿っている。
上記構成によれば、長方形状の第2平面の長手方向は投光手段からの検出光及び受光手段への検出光の少なくとも一方の光軸に沿っている。よって、第2平面の長手方向、つまり検出光の光軸に沿って、光通過部に近い順に、インジケータ、感度受付部材及び調整開始部材が順に設けられている。特に、調整開始部材とインジケータとの間に、少なくとも感度受付部材が介在可能な程度の距離が設けられている。そのため、調整開始部材の操作の際に、インジケータが使用者の手及び道具等によって遮られない。これにより、調整開始部材を操作しながらもインジケータを容易に確認することができる。よって、検出対象物が検出可能か否かの判断が容易となり、感度の調整が容易となる。
好ましくは、感度受付部材は、工具が嵌合可能な嵌合部を含み、工具の操作により感度パラメータの設定が可能な回動部材である。
上記構成によれば、感度受付部材は、工具により操作される回動部材である。よって、感度受付部材がインジケータと調整開始部材との間に配置されても、工具により容易に感度受付部材を操作可能である。
好ましくは、調整開始部材は、押しボタンスイッチである。
前述した通り、光通過部に近い順に、インジケータ、感度受付部材及び調整開始部材が配置されている。例えば、使用者は光通過部とは反対側から光電センサを操作する。よって、使用者に近い側から調整開始部材、感度受付部材及びインジケータの順に配置されている。つまり、調整開始部材は使用者に最も近接する位置に配置される。この調整開始部材が押しボタンスイッチであるため、使用者は容易に調整開始部材を操作することができる。
本発明によれば、感度の調整を容易にできる光電センサを提供することができる。
本発明に係る光電センサ10を左上部からみた斜視図である。 本発明に係る光電センサ10を左後部の下部からみた斜視図である。 本発明に係る光電センサ10の分解斜視図である。 光学ユニット200の全体構成の概略図である。 本発明に係る光電センサ10を上側からみた上面図である。 光電センサ10の機能構成を説明するためのブロック図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
<実施形態>
光電センサには、透過型光電センサ、反射型光電センサ及び回帰反射型光電センサなどの様々なタイプの光電センサがある。以下では、回帰反射型光電センサのうち同軸回帰反射型の光電センサ10を例に挙げて本発明を説明する。
[全体構成]
まずは実施形態に係る光電センサ10の全体構成について説明する。図1は実施形態に係る光電センサ10を左上方からみた斜視図である。図2は実施形態に係る光電センサ10を左下後方からみた斜視図である。図3は実施形態に係る光電センサ10の分解斜視図である。
光電センサ10は、主として、ケーシング100(図1)、光学ユニット200(図3)、操作ユニット300(図3)及びアダプタ400(図3)を含む。以下に、ケーシング100、光学ユニット200、操作ユニット300及びアダプタ400それぞれの構成について説明する。
本実施形態において、光電センサ10は例えば図1の状態で載置され使用されるものとする。つまり、操作ユニット300が設けられたケーシング100の上平面105が、光電センサ10の上側となるように載置される。この場合、光電センサ10の「前側」とは、光電センサ10の光透過窓110から光が出射される方向である。光電センサ10の「後側」とは、「前側」と反対の方向である。光電センサ10の「上側」とは、操作ユニット300が設けられるケーシング100の上平面105に向かう方向である。光電センサ10の「下側」とは、「上側」と反対の方向である。光電センサ10の「左側」及び「右側」とは、光電センサ10の「上側」及び「下側」が使用者の「上側」及び「下側」と一致している場合に基づいて次のように定義する。光電センサ10の「左側」とは、光電センサ10の光の出射方向、つまり「前側」に向いた使用者から光電センサ10を見た左の方向である。光電センサ10の「右側」とは、「左側」と反対の方向である。
[ケーシング100]
ケーシング100は、略直方体状の形状を有している。ケーシング100は、樹脂によって形成されている。ただし、ケーシング100は、樹脂に限らず、金属等の他の材料によって形成されてもよい。ケーシング100は、前平面101(図1)、後平面102(図2)、左平面103(図2)、右平面104(図3)、上平面105(図1)、下平面106(図2)及びアダプタ取付部107(図2)を含む。
前平面101は、光が透過する光透過窓110側の平面である。後平面102は、前平面101と対向する平面であり、主に使用者が光電センサ10を操作する際に使用者が対向する面である。上平面105は、操作ユニット300が設けられる平面であり、主に光電センサ10の使用時に上となる面である。下平面106は、上平面105に対向する平面である。アダプタ取付部107は、後平面102と下平面106との間に位置し、アダプタ400が取り付けられる部分である。
前平面101、後平面102、上平面105及び下平面106はそれぞれ略長方形状の形状を有している。左平面103及び右平面104は、アダプタ400が取り付けられる部分が切り欠かれた略五角形の形状を有している。左平面103及び右平面104は、前平面101よりも面積が大きい。
後平面102、左平面103、右平面104及び下平面106は連続的に連結して形成されている。すなわち、ケーシング100は、後平面102と左平面103と右平面104と下平面106とを含むケーシング本体100a(図3)を有する。ケーシング本体100aにおいて、後平面102と左平面103と右平面104と下平面106とは一体的に形成されている。
ケーシング本体100aは、前開口100a−1を含む。前開口100a−1は、光学ユニット200の前方に位置する。前開口100a−1は、光学ユニット200を挿入可能な程度の大きさを有する。詳細には、図3においてケーシング本体100aを前面から見た前開口100a−1は、光学ユニット200の左右方向のいずれの断面よりも大きい。従って、光電センサ10の組立時には、前開口100a−1を通してケーシング本体100aの前方からケーシング本体100a内に光学ユニット200を挿入することができる。前平面101は、ケーシング本体100aと別体の部材である。前開口100a−1は、前平面101によって封止される。
ケーシング本体100aは、上開口100a−2を含む。上開口100a−2は、光学ユニット200の上方に位置する。上開口100a−2の面積は、前開口100a−1の面積よりも小さい。上平面105は、ケーシング本体100aと別体の部材である。上開口100a−2は、上平面105によって封止される。
なお、ケーシング100が「略直方体状」であるとは、上述したアダプタ取付部107を含む形状のように、厳密な直方体状と異なる形状であってもよいことを意味する。
[光学ユニット200]
次に、光学ユニット200の全体構成の概略について説明する。図4は、光学ユニット200の全体構成の概略図である。
光学ユニット200は、ケーシング100に収容される。光学ユニット200は、投光素子201、受光素子203、絞り205、ハーフミラー207、レンズ209、偏光フィルタ211及び全反射部213を含む。また、光学ユニット200は、第1基板215、第2基板217、第3基板219を含む。また、光学ユニット200は、図3に示すように、各種部材及び基板が取り付けられる第1部材241と、第2部材243とを含む。
第3基板219の板状面が右平面104に沿うように配置されている。第3基板219の後平面102側に例えば長尺状の接続部材221が配置されている。接続部材221の先端の接続端子221aが第3基板219に接続されている。なお、接続部材221の他端はアダプタ400に接続される。接続部材221は、第3基板219と電気的に接続可能な配線であり、例えば、コネクタ、ケーブル及びコードなどと称されるものが含まれる。本実施形態の光電センサ10の場合、受光素子203が受信した信号に対しては、受光手段231等に含まれるアンプにより増幅などの信号処理が行われる。接続部材221は、信号処理が行われた信号を光電センサ10の外部に送信するための部材である。
第1基板215は、上平面105に概ね平行に配置されている。第1基板215は、上平面105に対向している。第1基板215は、第3基板219に概ね垂直である。第1基板215は、後述の感度受付部材301及び調整開始部材302と電気的に接続されている。
第2基板217は、後平面102に概ね平行に配置されている。第2基板217は、後平面102に対向している。第2基板217は、第3基板219に概ね垂直である。第2基板217には、投光素子201及び受光素子203が設けられている。これら第1基板215、第2基板217及び第3基板219は互いに電気的に接続されている。よって、感度受付部材301及び調整開始部材302が操作されると、第1基板215及び第2基板217の回路素子により後述の感度パラメータが調整される。
投光素子201は、検出対象物6及び回帰反射部材2に出射する検出光Aを発光する素子である。受光素子203は、検出対象物6及び回帰反射部材2から反射された戻り光Bを受光する素子である。投光素子201及び受光素子203は同一の第2基板217上に載置されている。また、投光素子201を制御する後述の投光回路202及び受光素子203を制御する後述の受光回路204もまた第2基板217上に設けられている。
絞り205は、投光素子201の前方に配置されている。言い換えれば、絞り205は、投光素子201からの検出光Aの出射方向に配置されている。絞り205は開口205aを有している。開口205aは、投光素子201から出射された光のうち、概ね平行な光を選択的に通過させる。
ハーフミラー207は、絞り205を通過した投光素子201からの検出光Aの一部を透過する。また、ハーフミラー207は、検出対象物6及び回帰反射部材2から反射され返って来た戻り光Bの一部を反射する。
レンズ209は、偏光フィルタ211の後方に配置されている。言い換えれば、レンズ209は、検出光Aの出射方向とは反対方向に配置されている。レンズ209は、集光して光の広がりを抑える。
偏光フィルタ211は、前平面101に面して開口した光透過窓110に嵌め込まれており、透過する光の状態に応じて光を偏光させる。具体的には、図3に示すように、第1部材241の溝(図示せず)及び第2部材243の溝(図示せず)に偏光フィルタ211が嵌め込まれる。そして、第1部材241と第2部材243とが互いに嵌め合わされることで、偏光フィルタ211が光透過窓110に固定される。
全反射部213は、受光素子203に隣接して配置されている。全反射部213は、ハーフミラー207により反射された戻り光Bを全反射させ受光素子203に進行させる。
検出光A及び戻り光Bの進行について順を追って説明する。投光素子201から出射された検出光Aは、絞り205及びハーフミラー207を透過し、レンズ209により集光される。さらに、検出光Aは、偏光フィルタ211により偏光され、検出対象物6に照射される。検出対象物6が透明体の場合には、検出対象物6により検出光Aの一部が反射され、検出対象物6を透過した検出光Aは回帰反射部材2により反射される。検出対象物6及び回帰反射部材2により反射された戻り光Bは、偏光フィルタ211及びレンズ209を通過する。さらに、戻り光Bは、ハーフミラー207及び全反射部213で反射されて受光素子203に進行する。受光素子203が受光する戻り光Bの光量が所定の閾値の以下となった場合、検出対象物6が検出される。
[操作ユニット300]
次に、操作ユニット300の全体構成について説明する。図5は実施形態に係る光電センサ10を上方からみた上面図である。図6は光電センサ10の機能構成を説明するためのブロック図である。
操作ユニット300は、感度受付部材301、調整開始部材302及びインジケータ303を含む。感度受付部材301、調整開始部材302及びインジケータ303は、上平面105に取り付けられている。投光素子201からの検出光Aの出射方向に沿って、調整開始部材302、感度受付部材301及びインジケータ303が順に配置されている。言い換えれば、光透過窓110に近い順に、インジケータ303、感度受付部材301及び調整開始部材302が順に配置されている。検出光Aの出射方向は、上平面105の長手方向に沿っている。
感度受付部材301は、使用者から感度パラメータの設定値を受け付ける。調整開始部材302は、使用者から感度パラメータの設定開始の指示を受け付ける。よって、調整開始部材302が操作されると、感度受付部材301での設定値に基づいて感度パラメータの調整が開始される。インジケータ303は、設定された感度パラメータによって検出対象物6が検出可能か否かを表示する。以下に感度受付部材301、調整開始部材302及びインジケータ303における感度パラメータの調整機能についてについて詳しく説明する。
光電センサ10は、感度パラメータの調整機能として、図6に示すように、投光手段230と、受光手段231と、判定手段232と、感度パラメータ調整手段233と、感度受付部材301と、調整開始部材302と、インジケータ303とを備える。
投光手段230は、検出領域5内に存在する検出対象物6を検出するための検出光Aを発する。投光手段230は、上述した投光素子201と、投光素子201を駆動する投光回路202を含む。投光素子201は、例えば発光ダイオードであり、検出光Aを発する。投光回路202は、例えば、投光素子201を流れる電流値を制御することによって、検出光Aのパワーを調整することができる。投光素子201に対向して回帰反射部材2が配置される。投光素子201から出射された検出光Aは、回帰反射部材2で反射して戻り光Bとなる。
受光手段231は、戻り光Bを受ける。受光手段231は、上述した受光素子203と、受光回路204とを含む。受光素子203は、例えば、フォトダイオードであり、戻り光Bの受光量に応じて出力信号を変化させる。受光回路204は、受光素子203からの出力信号を増幅し、A/D変換した結果の出力信号値(以下、この出力信号値を受光信号値と呼ぶ)を判定手段232に出力する。
判定手段232は、受光信号値と閾値とを比較し、検出対象物6の有無を判定する。具体的には、検出対象物6が検出領域5内に存在しない場合、受光信号値は閾値を上回っている。しかし、検出対象物6が検出領域5内に存在すると、戻り光Bの受光量が減少するため、受光信号値が低下する。判定手段232は、受光信号値が閾値より小さくなると、検出対象物6が検出領域5内に存在すると判定する。判定手段232は、判定結果に基づく信号をインジケータ303に出力する。インジケータ303は、検出対象物6が検出領域5内に存在するとの信号を受け取ると、例えば光を点灯する。また、インジケータ303は、検出対象物6が検出領域5内に存在しないとの信号を受け取ると、例えば光を点灯しない。
感度受付部材301は、使用者からの操作に応じて感度パラメータの設定値を受け付ける。図3、図5に示すように、感度受付部材301は、ドーム(dome)状の部材であり、操作ユニット300中央付近に設けられる。感度受付部材301は、その略中央部にプラスドライバー等の工具が挿入可能な嵌合部301aを有し、回動可能な部材である。本実施形態において嵌合部301aは、プラス(+)状の形状を有している。ただし、嵌合部301aは、マイナス(−)状などの他の形状であってもよい。
また、感度受付部材301は、指標部301bを有する。指標部301bは、例えばへこみによって形成されている。上平面105において感度設定部材301の周囲には、目盛り301cが設けられている。目盛り301cは感度パラメータの値を示す。指標部301bが指し示す目盛り301cの位置が感度パラメータの設定位置である。よって、使用者は、所望の感度パラメータとなるように、工具を嵌合部301aに挿入して感度受付部材301を回転する。これにより、回転量、つまり回転角度に応じた所望の感度パラメータの設定値が設定される。例えば、感度受付部材301は可変抵抗に接続されており、回転量に応じて抵抗値が変化する。この抵抗値が感度パラメータの設定値に相当する。
ここで、感度は、光電センサ10が、大きさの小さい検出対象物6を検出できるようにするなど、光電センサ10が検出対象物6をどの程度正確に検出できるかを示す指標である。また、感度パラメータは、感度を調整するためのパラメータである。感度パラメータとしては、例えば、検出光Aのパワー(投光強度)、受光手段231における受光量の増幅率(ゲイン)、及び受光手段231において検出対象物6の検出の有無を判断するための基準値である閾値の少なくとも1つが挙げられる。
感度パラメータにより検出光Aの投光強度が設定される場合には、目盛り301cには例えば検出光Aの投光強度の大きさが目盛り301c毎に示されている。使用者が、指標部301bを所望の目盛り301cに位置付けることで、その目盛り301cが指し示す検出光Aの投光強度が設定値となる。
また、感度パラメータにより受光手段231における受光量の増幅率が設定される場合には、目盛り301cには例えば増幅率の大きさが目盛り301c毎に示されている。使用者が、指標部301bを所望の目盛り301cに位置付けることで、その目盛り301cが指し示す増幅率が設定値となる。
また、感度パラメータにより閾値が設定される場合には、目盛り301cには例えば閾値の大きさが目盛り301c毎に示されている。使用者が、指標部301bを所望の目盛り301cに位置付けることで、その目盛り301cが指し示す閾値が設定値となる。
感度パラメータ調整手段233は、感度受付部材301から感度パラメータの設定値を受け付ける。感度パラメータ調整手段233は、感度受付部材301から入力された設定値となるように感度パラメータを調整する。具体的には、例えば前述のように感度受付部材301が可変抵抗に接続されている場合には、感度パラメータ調整手段233は抵抗値を感度パラメータの設定値として受け付ける。この設定値が検出光Aのパワー(投光強度)を示す場合には、感度パラメータ調整手段233は、設定値に応じて投光回路202から投光素子201へ出力する電流値又はパルス幅を調整する。また、設定値が受光手段231における受光量の増幅率(ゲイン)を示す場合には、感度パラメータ調整手段233は、設定値に応じて受光手段231の増幅率(ゲイン)を調整する。また、設定値が受光手段231における閾値の場合には、感度パラメータ調整手段233は、設定値に応じて閾値を調整する。
調整開始部材302は、使用者が感度パラメータ調整手段233による調整を開始するときに、使用者から調整開始の指示を受け付ける。調整開始部材302は、例えば押し下げ式の押しボタンから形成されている。感度パラメータ調整手段233は、調整開始部材302が操作されると感度パラメータ調整動作を実行する。
インジケータ303は、検出対象物6を安定的に検出できるか否かを異なる点灯色によって指し示す。インジケータ303は、検出光Aの出射方向に向けて突出する山型の部材である。インジケータ303は、動作表示灯303aと、安定表示灯303bとを含む。動作表示灯303aは、受光信号値がしきい値以上であるとき、もしくは、受光信号値がしきい値以下であるときのいずれか一方において点灯する。安定表示灯303bは、受光信号値がしきい値から十分離れており、外乱などによる誤検出もなく、検出対象物6を安定的に検出できる場合に点灯する。動作表示灯303a及び安定表示灯303bは、それぞれ異なる表示色の発光ダイオードである。
使用者は、感度パラメータを設定した後、検出領域5内に検出対象物6がある場合とない場合の両方において安定表示灯303bが点灯し、検出対象物6がある場合とない場合との一方において動作表示灯303aが点灯し、他方において動作表示灯303aが消灯していることを確認する。これによって、使用者は、感度受付部材301によって設定した感度パラメータが適切な値であるか判断することができる。
上述の通り、検出光Aの出射方向に沿って、調整開始部材302、感度受付部材301及びインジケータ303が順に配置されている。つまり、光透過窓110に近い順に、インジケータ303、感度受付部材301及び調整開始部材302が順に配置されている。ここで、使用者は、光透過窓110での光の通過を阻止しないように、光透過窓110以外の位置において光電センサ10を操作する。例えば、使用者は光透過窓110とは反対側から光電センサ10を操作する。よって、使用者に近い側から調整開始部材302、感度受付部材301及びインジケータ303の順に配置されている。つまり、使用者にとって、インジケータ303は、調整開始部材302及び感度受付部材301よりも遠い位置に配置されている。特に、調整開始部材302とインジケータ303との間に感度受付部材301が設けられることで、調整開始部材302とインジケータ303とが近接しない。言い換えれば、調整開始部材302とインジケータ303との間に、少なくとも感度受付部材301が介在可能な程度の距離が設けられている。そのため、調整開始部材302の操作の際に、インジケータ303が使用者の手及び道具等によって遮られない。これにより、調整開始部材302を操作しながらもインジケータ303を容易に確認することができる。よって、検出対象物6が検出可能か否かの判断が容易となり、感度の調整が容易となる。また、インジケータ303が光透過窓110側の先端に設けられることで、先端側のインジケータ303に視線を向けつつも同時に調整開始部材302も視野内において確認することができる。よって、インジケータ303を確認しながら調整開始部材302の操作を行うことができる。
また、感度受付部材301及び調整開始部材302の両方が設けられている必要はなく、感度受付部材301のみであってもよい。そして、調整開始部材302のみの操作に応じて感度パラメータが調整されてもよい。
[アダプタ400]
次に、アダプタ400の全体構成の概略について説明する。図2に示すように、光電センサ10には、光電センサ10を他の機器に接続するためのアダプタ400が取り付けられている。アダプタ400は、後平面102と下平面106とが交差するアダプタ取付部107に取り付けられている。アダプタ400は回動可能な部材である。例えば、アダプタ400は、図2等に示すように、その延長方向が下平面106に沿う方向に取り付けることができる。また、アダプタ400を回動することで、アダプタ400の延長方向が後平面102に沿う方向に取り付けることも可能である。
<その他変形例>
(1)
上記実施形態では、同軸回帰反射型の光電センサ10を例に挙げて説明した。しかし、本発明は、同軸回帰反射型の光電センサ10以外の光電センサにも適用可能である。例えば、同軸以外の回帰反射型の光電センサ、透過型光電センサ及び反射型光電センサ等の光電センサにも適用可能である。また、これらの光電センサにおいても上記と同様の効果を得ることができる。
(2)上記実施形態では、光学ユニット200の第1部材241及び第2部材243に光透過窓110が設けられている。しかし、光透過窓は、光学ユニット200に設けられるのではなく、ケーシング100の前平面101に設けられてもよい。このとき、光学ユニット200には、前平面101の光透過窓に対応して開口が設けられている。この開口を介して、前平面101の光透過窓を通過する光を光学ユニット200内部に取り込み、または外部に出射する。
(3)上記実施形態では、感度パラメータ調整手段233は、感度受付部材301での設定に基づいて感度パラメータを調整する。しかし、感度パラメータ調整手段233は、必ずしも感度受付部材301での設定に基づいて感度パラメータを調整する必要は無い。単に、感度パラメータ調整手段233は、感度パラメータ調整手段233が操作されると、感度パラメータを所望の値に自動調整してもよい。
本発明は、同軸回帰反射型の光電センサ、透過型光電センサ及び反射型光電センサ等の光電センサなどの種々の光電センサに適用可能である。
2 回帰反射部材
5 検出領域
6 検出対象物
10 光電センサ
100 ケーシング
101 前平面
102 後平面
103 左平面
104 右平面
105 上平面
106 下平面
110 光透過窓
200 光学ユニット
201 投光素子
203 受光素子
230 投光手段
231 受光手段
232 判定手段
233 感度パラメータ調整手段
241 第1部材
243 第2部材
300 操作ユニット
301 感度受付部材
302 調整開始部材
303 インジケータ

Claims (6)

  1. 検出領域内に存在する検出対象物を検出するための検出光を発する投光手段と、前記検出領域からの検出光を受ける受光手段と、のうち少なくとも一方を有する光学ユニットと、
    直方体状であり、前記光学ユニットを収容するケーシングと、
    感度パラメータ調整部と、
    を備え、
    前記ケーシングは、
    前記投光手段からの検出光及び前記受光手段への検出光の少なくとも一方が通過する光通過部側の第1平面と、前記第1平面とは異なる第2平面とを有する複数の平面と、
    外部から感度パラメータの設定値の入力を受け付け、前記感度パラメータ調整部へ出力する感度受付部材と、
    感度パラメータの自動調整を開始するための調整開始部材と、
    前記検出対象物の有無及び/又は前記検出対象物を安定的に検出できるかを表示するインジケータと、
    を含み、
    前記感度パラメータ調整部は、前記感度受付部材に入力された設定値となるように感度パラメータを調整し、
    前記インジケータ、前記感度受付部材及び前記調整開始部材は、前記第2平面に設けられており、前記光通過部に近い側から、前記インジケータ、前記感度受付部材及び前記調整開始部材の順に配置されている、光電センサ。
  2. 前記感度パラメータは、前記投光手段からの投光の強度、前記受光手段における受光量の増幅率及び前記受光手段における前記検出対象物の検出の有無を判断するための基準値である閾値の少なくとも1つによって調整される、請求項1に記載の光電センサ。
  3. 前記ケーシングの複数の平面は、前記第1平面と対向する第3平面をさらに有し、
    前記第2平面は、前記第1平面及び前記第3平面に交差しており、
    前記第2平面には、前記第1平面側から前記インジケータ、前記感度受付部材及び前記調整開始部材が順に配置されている、請求項1に記載の光電センサ。
  4. 前記第2平面は長方形状であり、前記第2平面の長手方向は、前記投光手段からの検出光及び前記受光手段への検出光の少なくとも一方の光軸に沿っている、請求項3に記載の光電センサ。
  5. 前記感度受付部材は、工具が嵌合可能な嵌合部を含み、前記工具の操作により前記感度パラメータの設定が可能な回動部材である、請求項1に記載の光電センサ。
  6. 前記調整開始部材は、押しボタンスイッチである、請求項1に記載の光電センサ。
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