JP2020153941A - 表面性状推定装置、加工装置、及び、表面性状推定方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】工作物の加工面の表面性状を高精度に推定することができる表面性状推定装置、加工装置、及び、表面性状推定方法を提供すること。【解決手段】工作物Wの加工面に液体が付着した状態で加工面における液体の状態を取得する液体状態取得部70と、加工面における液体の状態に基づき、加工面の表面性状を推定する推定部100と、を備えた、表面性状推定装置。【選択図】図4
Description
本発明は、表面性状推定装置、加工装置、及び、表面性状推定方法に関する。
特許文献1には、触針をワークに接触させた状態で移動させたときに、触針に生じる変位量を検出することにより、ワークの表面形状を測定する表面粗さ測定装置が開示されている。また、特許文献2には、工作物支持装置により工作物を支持した状態で、工作物の表面性状をセンサにより検出する技術が開示されている。
加工装置により加工した工作物の加工面の表面性状を測定するにあたり、加工装置の機外に設けた外部装置を用いる場合には、加工後の工作物を加工装置から外部装置へ移動させる必要があるため、サイクルタイムが低下する。一方、加工装置の機上で加工面の表面性状を測定する場合、加工装置の機械振動が、高精度な表面性状の測定の妨げとなる。これに対し、本発明者は、加工面に付着した液体の状態に基づいて、加工面の表面性状を高精度に推定できることを見い出した。
本発明は、工作物の加工面の表面性状を高精度に推定することができる表面性状推定装置、加工装置、及び、表面性状推定方法を提供することを目的とする。
本発明の表面性状推定装置は、工作物の加工面に液体が付着した状態で前記加工面における前記液体の状態を取得する液体状態取得部と、前記加工面における前記液体の前記状態に基づき、前記加工面の表面性状を推定する推定部とを備える。当該表面性状推定装置によれば、推定部は、加工面に付着した液体の状態に基づいて、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
本発明の加工装置は、上記の表面性状推定装置を備える。当該加工装置は、上記した表面性状推定装置と同様の効果を奏する。
本発明の表面性状推定方法は、上記の加工装置を用いた表面性状推定方法であって、前記加工装置は、加工中の前記工作物にクーラントを供給するクーラント供給装置を備え、前記液体状態取得部は、前記液体としての前記クーラントを強制的に移動させるための移動力を付与したときの前記液体の前記状態を取得する。前記加工装置は、前記クーラント供給装置による前記クーラントの供給を行いつつ、前記工作物を回転させながら、前記工作物に対する加工を行い、前記工作物の加工が終了した後、前記工作物の回転を停止し、且つ、前記クーラント供給装置による前記クーラントの供給を停止した状態で、前記工作物を所定量回転させる。
当該表面性状推定方法によれば、クーラント供給装置によるクーラントの供給が終了した後の加工面に付着するクーラントの一部は、工作物を所定量回転させることにより、加工面から離脱する。これにより、加工装置は、加工面に付着するクーラントの膜厚を薄くすることができる。
(1.表面性状推定装置の概要)
表面性状推定装置は、加工後の工作物の加工面性状を推定する。具体的に、表面性状推定装置は、加工面に付着した液体の状態に基づき、加工面の表面性状を推定する。この点に関して、クーラントを供給しながら工作物の加工を行った場合、加工終了後にクーラントの供給を停止したとしても、クーラントの一部が工作物の加工面に付着したまま残存する傾向にある。この傾向は、特に、加工面が親水性を有する場合に顕著となる。従って、光学系の計測機器等を用いて、加工装置の機上で加工面の表面性状を計測する場合、加工面に付着するクーラントが、計測機器による高精度な計測の妨げとなる。
表面性状推定装置は、加工後の工作物の加工面性状を推定する。具体的に、表面性状推定装置は、加工面に付着した液体の状態に基づき、加工面の表面性状を推定する。この点に関して、クーラントを供給しながら工作物の加工を行った場合、加工終了後にクーラントの供給を停止したとしても、クーラントの一部が工作物の加工面に付着したまま残存する傾向にある。この傾向は、特に、加工面が親水性を有する場合に顕著となる。従って、光学系の計測機器等を用いて、加工装置の機上で加工面の表面性状を計測する場合、加工面に付着するクーラントが、計測機器による高精度な計測の妨げとなる。
これに対し、表面性状推定装置は、クーラント等の液体が加工面に付着した状態を利用する。即ち、加工面の表面性状と濡れ性との相関が高いことから、表面性状推定装置は、加工面における液体の状態を、表面性状の代用特性として利用する。そして、表面性状推定装置は、加工面に付着した液体の状態に基づいて、加工面の表面性状を推定する。
(2.加工装置1の構成)
以下に、表面性状推定装置、及び、表面性状推定装置を備えた加工装置を具体化した実施形態について説明する。本実施形態では、加工装置が、軸状の工作物を研削可能な砥石台トラバース型の円筒研削盤である場合を例に挙げて説明するが、研削盤以外の加工装置に本発明を適用することも可能である。また、本発明は、回転体でない工作物を加工する場合にも適用可能である。
以下に、表面性状推定装置、及び、表面性状推定装置を備えた加工装置を具体化した実施形態について説明する。本実施形態では、加工装置が、軸状の工作物を研削可能な砥石台トラバース型の円筒研削盤である場合を例に挙げて説明するが、研削盤以外の加工装置に本発明を適用することも可能である。また、本発明は、回転体でない工作物を加工する場合にも適用可能である。
まず、図1及び図2を参照しながら、加工装置1の構成を説明する。なお、トラバース方向をZ軸方向、トラバース方向と直角な水平方向をX軸方向、トラバース方向と直角な鉛直方向をY軸方向とする。図1に示すように、加工装置1は、ベッド10と、主軸台20と、心押台30と、砥石支持装置40と、クーラント供給装置50と、移動力付与装置60と、液体状態取得部70と、制御装置80と、推定部100(図4参照)とを主に備える。なお、主軸台20及び心押台30は、工作物Wを回転可能に支持する工作物支持装置を構成する。また、移動力付与装置60、液体状態取得部70、制御装置80の一部、及び、推定部100は、表面性状推定装置を構成する。
ベッド10は、ほぼ矩形状からなり、床上に配置される。ただし、ベッド10の形状は矩形状に限定されるものではない。ベッド10の上面には、一対の砥石台用Z軸ガイドレール11a、11bが設けられる。一対の砥石台用Z軸ガイドレール11a、11bは、Z軸方向に延びるように、且つ、相互に平行に配置固定される。また、一対の砥石台用Z軸ガイドレール11a、11bの間には、砥石台用Z軸ボールねじ11cと、砥石台用Z軸ボールねじ11cを回転駆動する砥石台用Z軸モータ11dとが配置される。
主軸台20は、主軸台本体21と、主軸22と、主軸モータ23と、主軸センタ24とを主に備える。主軸台本体21は、ベッド10の上面に固定される。主軸22は、軸方向をZ軸方向へ向けた状態で、主軸台本体21に対して回転可能に挿通支持される。
主軸モータ23は、主軸22の左端に設けられる。主軸モータ23は、主軸台本体21に対して主軸22をZ軸回りに回転駆動する。なお、主軸モータ23には、主軸モータ23の回転角を検出可能なエンコーダ(図示せず)が設けられている。主軸センタ24は、主軸22の右端に設けられ、軸状の工作物Wの軸方向一端を支持する。
心押台30は、心押台本体31と、心押センタ32とを備える。心押台本体31は、ベッド10の上面に固定される。心押センタ32は、軸方向をZ軸方向へ向けた状態で、心押台本体31に対して回転可能に挿通支持される。心押センタ32は、主軸センタ24との間で、工作物Wの軸方向両端をZ軸回りに回転可能に支持する。また、心押センタ32は、工作物Wの長さに応じて心押台本体31の右端面からの突出量の変更が可能に構成される。
砥石支持装置40は、砥石台トラバースベース41と、砥石台42と、砥石軸部材43と、砥石車44と、砥石回転用モータ45とを主に備える。砥石台トラバースベース41は、矩形の平板状に形成される。
砥石台トラバースベース41は、砥石台用Z軸ボールねじ11cのナット部材に連結され、砥石台用Z軸モータ11dの駆動により一対の砥石台用Z軸ガイドレール11a、11bに沿ってZ軸方向へ移動する。なお、この砥石台用Z軸モータ11dには、砥石台用Z軸モータ11dの回転角の検出が可能なエンコーダ(図示せず)が設けられている。
砥石台トラバースベース41の上面には、一対の砥石台用X軸ガイドレール41a、41bが、X軸方向に延びるように、且つ、相互に平行に配置固定される。そして、一対の砥石台用X軸ガイドレール41a、41bの間には、砥石台用X軸ボールねじ41cと、砥石台用X軸ボールねじ41cを回転駆動する砥石台用X軸モータ41dとが配置されている。
砥石台42は、一対の砥石台用X軸ガイドレール41a、41b上をX軸方向へ移動可能に配置されている。砥石台42は、砥石台用X軸ボールねじ41cのナット部材に連結され、砥石台用X軸モータ41dの駆動により一対の砥石台用X軸ガイドレール41a、41bに沿って移動する。なお、この砥石台用X軸モータ41dには、砥石台用X軸モータ41dの回転角の検出が可能なエンコーダ(図示せず)が設けられている。このように、砥石台42は、ベッド10、主軸台20及び心押台30に対し、X軸方向(プランジ送り方向)及びZ軸方向(トラバース送り方向)に相対移動可能に構成されている。
砥石軸部材43は、砥石台42に対し、Z軸に平行な回転軸線回りに回転可能に支持される。砥石車44は、砥石軸部材43の一端に対し、砥石軸部材43と一体回転可能に設けられる。砥石回転用モータ45は、砥石台42の上面に設けられ、ベルト・プーリ機構46を介して砥石軸部材43を回転駆動し、砥石車44を回転させる。そして、砥石車44は、回転しながら工作物Wを研削する。砥石台42の側面には、砥石車44を覆う砥石覆い47が設けられる。砥石覆い47は、工作物W側の1面を除く5面を覆い、クーラント供給装置50から砥石車44へ向けて供給されるクーラントCの飛散を防止する。
クーラント供給装置50は、クーラント貯留槽51と、ポンプ52と、クーラント用ノズル53とを主に備える。クーラント貯留槽51及びポンプ52は、ベッド10の脇に設置され、クーラント用ノズル53は、砥石覆い47に取付けられる。クーラント供給装置50は、クーラント貯留槽51に貯留されたクーラントCをポンプ52により汲み出し、ポンプ52に配管接続されたクーラント用ノズル53にクーラントCを送出する。
移動力付与装置60は、工作物Wの加工面にエアを供給するエア供給装置である。移動力付与装置60は、砥石車44による工作物Wの加工が終了した後、クーラント供給装置50によるクーラントCの供給が停止した状態で、加工面に付着するクーラントCにエアを供給し、クーラントCを強制的に移動させるための移動力をクーラントCに付与する。その結果、クーラントCは、エアが吹き付けられた方向へ移動する。
液体状態取得部70は、液体であるクーラントCが加工面に付着した状態で、当該加工面におけるクーラントCの状態を取得する。液体状態取得部70は、液体が付着した加工面に対するセンシングを行う検出部71を備える。本実施形態において、検出部71は、移動力付与装置60がクーラントCに移動力を付与したとき(即ち、エアを供給したとき)のクーラントCの状態を検出する。なお、本実施形態では、検出部71が画像センサである場合を例に挙げて説明するが、液体状態取得部70は、画像センサの代わりに、変位センサを検出部71として用いることも可能である。
また、本実施形態において、移動力付与装置60及び液体状態取得部70は、ベッド10に対して移動可能に設けられる。そして、移動力付与装置60及び液体状態取得部70は、工作物Wの加工中において、工作物Wから離れた位置に配置され、工作物Wの加工終了後に、工作物Wに接近して所定の処理を行う。これにより、加工装置1は、工作物Wの加工中に発生する切粉やクーラントC等の飛散物が移動力付与装置60及び液体状態取得部70に付着することを抑制できる。なお、加工装置1は、工作物Wの加工中において、砥石車44による工作物Wの加工領域と、加工領域から退避した移動力付与装置60及び液体状態取得部70とを仕切るシャッタを設けることも可能である。この場合、シャッタは、工作物Wの加工中に発生する飛散物が移動力付与装置60及び液体状態取得部70に付着することを防止できる。
制御装置80は、各モータを制御し、工作物W及び砥石車44をそれぞれ回転させる。また、制御装置80は、ポンプ52を制御し、クーラントCの供給制御を行う。さらに、制御装置80は、移動力付与装置60及び液体状態取得部70に関する各種制御を行う。推定部100は、液体状態取得部70が取得したクーラントCの状態に基づき、加工面の表面性状を推定する。
(3.移動力付与装置60及び液体状態取得部70による処理)
ここで、図2を参照して、工作物Wの加工後に行う移動力付与装置60及び液体状態取得部70の処理について説明する。
ここで、図2を参照して、工作物Wの加工後に行う移動力付与装置60及び液体状態取得部70の処理について説明する。
図2に示すように、工作物Wの加工が終了し、クーラント供給装置50によるクーラントCの供給が停止すると、移動力付与装置60及び液体状態取得部70は、工作物Wの上方に配置される。次に、液体状態取得部70は、検出部71による工作物Wのセンシングを行い、クーラントCが付着する複数の部位を検出する。そして、液体状態取得部70は、クーラントCが付着する複数の部位から、相対的に膜厚の薄いクーラントCが付着する部位を選択し、その部位を液体の移動速度の計測対象部位とする。
その後、移動力付与装置60は、加工面に対してエアを供給し、クーラントCを強制的に移動させるための移動力をクーラントCに付与する。なお、本実施形態において、移動力付与装置60は、工作物Wの軸線方向へエアを供給する。これにより、加工面に付着したクーラントCは、工作物Wの軸線方向への移動力が付与される。
そして、図3に示すように、検出部71は、移動力付与装置60から計測対象部位にエアが供給された状態で、計測対象部位におけるクーラントCのセンシングを行う。これにより、液体状態取得部70は、移動力を付与されて移動するクーラントCのセンシングを行うことができる。その後、液体状態取得部70は、検出部71によるセンシング結果に基づき、計測対象部位におけるクーラントCの移動速度を測定し、その測定結果をクーラントCの状態として取得する。そして、推定部100は、液体状態取得部70が取得したクーラントCの移動速度に基づき、加工面の表面性状を推定する
この点に関し、本実施形態における工作物Wの加工面は、親水性を有する。即ち、加工面は、表面性状が良好であるほど濡れにくく、表面性状が良好な加工面に付着したクーラントCは、移動しやすい状態にあることから、クーラントCの移動速度は、速くなる。一方、加工面の表面性状が良好でなければ、加工面は、濡れやすく、表面性状が良好でない加工面に付着したクーラントCは、移動しにくい状態になることから、クーラントCの移動速度は、遅くなる。この点に着目し、推定部100は、クーラントCの移動速度を、表面性状の代用特性として利用し、クーラントCの移動速度に基づいて、工作物Wの表面性状を推定する。
なお、膜厚が厚いクーラントCは、移動力付与装置60から移動力(エア)を付与したとしても移動させにくい。その結果、膜厚が厚いクーラントCは、膜厚が薄いクーラントと比べて、移動速度が遅くなることがある。また、膜厚が厚いクーラントCは、移動力を付与されてもほとんど移動しないことがある。この場合、推定部100は、クーラントCの移動速度が遅い理由、及び、クーラントCがほとんど移動しなかった理由が、クーラントCの膜厚に起因するものであったとしても、加工面の表面性状が良好でないと推定することになる。
そこで、液体状態取得部70は、移動力付与装置60から移動力(エア)を付与する前に、加工面に付着したクーラントCの状態をセンシングする。そして、液体状態取得部70は、加工面に膜厚が異なるクーラントCが付着した複数の部位から、相対的に膜厚の薄い部位を選択し、その選択した部位におけるクーラントCを移動速度の計測対象部位とする。そして、液体状態取得部70は、計測対象部位におけるクーラントCの移動速度を測定し、その測定結果を、クーラントCの状態として取得する。
よって、液体状態取得部70は、移動力の付与に伴って移動しやすいクーラントC、換言すれば、表面性状の相違に起因する移動速度の変動が発生しやすいクーラントCの移動速度を測定することができる。その結果、第一例の表面性状推定装置は、クーラントCの移動速度と加工面の表面性状との相関性を高めることができるので、推定部100は、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
よって、液体状態取得部70は、移動力の付与に伴って移動しやすいクーラントC、換言すれば、表面性状の相違に起因する移動速度の変動が発生しやすいクーラントCの移動速度を測定することができる。その結果、第一例の表面性状推定装置は、クーラントCの移動速度と加工面の表面性状との相関性を高めることができるので、推定部100は、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
なお、本実施形態では、液体状態取得部70は、移動力付与装置60から加工面に対して移動力を付与する前にセンシングを行い、計測対象部位を選択する場合を例に挙げて説明したが、これに限られるものではない。例えば、液体状態取得部70は、計測対象となる部位を選択せずに、クーラントCが付着する部位に対し、当該部位に向けて移動力を付与しながら、検出部71によるセンシングを行ってもよい。この場合、液体状態取得部70は、検出部71によるセンシングを行った部位の中から膜厚の薄いクーラントCを事後的に選択し、選択した部位を計測対象部位として、当該クーラントCの移動速度を測定することができる。
また、加工装置1は、検出部71によるセンシングを行う前に、工作物Wを所定量回転させてもよい。即ち、加工装置1は、クーラント供給装置50によるクーラントCの供給を行いつつ、工作物Wを回転させながら、工作物Wに対する加工を行う。そして、加工装置1は、工作物Wの加工が終了した後、工作物Wの回転を停止し、且つ、クーラント供給装置50によるクーラントCの供給を停止した状態で、工作物Wを所定量回転させる。このとき、加工面に付着したクーラントCの一部は、工作物Wの回転に伴って加工面から離脱するので、その後に加工面に付着するクーラントCの膜厚を全体的に薄くすることができる。その結果、加工面に付着するクーラントCは、移動力の付与に伴って移動しやすい状態となるので、推定部100は、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
ここで、本実施形態において、移動力付与装置60は、加工面に付着したクーラントCに対し、工作物Wの軸線方向への移動力を付与する。また、液体状態取得部70が測定するクーラントCの移動速度は、工作物Wの軸線方向への移動速度である。これにより、推定部100は、当該移動速度に基づき、加工面の表面性状として、工作物Wの軸線方向における加工面の表面粗さを推定することができる。
この点に関し、移動力付与装置60は、加工面に付着したクーラントCに対し、工作物Wにおける周方向への移動力を付与し、液体状態取得部70は、工作物Wにおける周方向へのクーラントCの移動速度を測定してもよい。この場合、推定部100は、当該移動速度に基づき、加工面の表面性状として、加工面のびびり模様の有無を推定することができる。また、加工装置1は、移動力付与装置60を用いる代わりに、工作物Wを所定量回転させることにより、加工面に付着したクーラントCに対し、工作物Wにおける周方向への移動力を付与することも可能である。この場合、加工装置1は、工作物Wにおける周方向への移動力を付与するための移動力付与装置60を不要とすることができる。
このように、推定部100は、加工面に付着した液体の状態を代用特性として利用し、当該液体の状態に基づいて加工面の表面性状を推定することにより、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
また、液体状態取得部70は、工作物Wの加工後に加工面に付着したクーラントCを利用する。つまり、液体状態取得部70は、クーラントCを加工面に付着した液体とし、クーラントCに移動力を付与したときのクーラントCの移動速度を測定する。よって、加工装置1は、加工面に付着した液体の状態を効率よく取得することができる。
さらに、液体状態取得部70は、工作物Wの加工面にクーラントCが付着した状態、且つ、工作物Wが工作物支持装置(主軸台20及び心押台30)に支持された状態で、加工面における液体の状態をする。即ち、液体状態取得部70は、加工装置1の機上で、加工面に付着したクーラントCの状態を取得できる。この場合、液体状態取得部70は、加工装置1の機外に設けた表面形状計測装置を用いて加工面に付着した液体の状態を取得する場合と比べて、加工装置1から表面形状計測装置へ移動する工程を不要とすることができる。その結果、加工装置1は、サイクルタイムを向上させることができる。
これに加え、加工装置1は、液体状態取得部70による液体の状態の取得を機上で行うことにより、加工面の表面性状の推定結果を早期に得ることができる。この場合、加工装置1は、加工面の表面性状が良好でない場合に、加工条件の変更や、砥石車44のドレッシング及びツルーイング等の対応を早期に行うことができる。その結果、加工装置1は、工作物Wに対する加工品質の安定化を図ることができると共に、砥石車44のドレスインターバルの最適化を図ることができる。
(1−3.第一例の表面性状推定装置の構成)
次に、図4を参照しながら、第一例の表面性状推定装置の構成を説明する。図4に示すように、第一例の表面性状推定装置は、移動力付与装置60と、液体状態取得部70と、制御装置80と、推定用データ記憶部90と、推定部100と、出力部110とを主に備える。上記したように、移動力付与装置60は、加工面に付着した液体を強制的に移動させるための移動力を液体に付与する。
次に、図4を参照しながら、第一例の表面性状推定装置の構成を説明する。図4に示すように、第一例の表面性状推定装置は、移動力付与装置60と、液体状態取得部70と、制御装置80と、推定用データ記憶部90と、推定部100と、出力部110とを主に備える。上記したように、移動力付与装置60は、加工面に付着した液体を強制的に移動させるための移動力を液体に付与する。
液体状態取得部70は、検出部71と、演算部72とを主に備える。検出部71は、液体が付着した加工面のセンシングを行う。そして、検出部71は、膜厚が異なる液体が加工面に付着した複数の部位の中から、膜厚が薄い部位を検出する。また、検出部71は、加工面に付着した液体に移動力が付与された状態で、移動する液体のセンシングを行う。演算部72は、検出部71によるセンシング結果に基づき、液体の移動速度を演算により求める。
第一例の表面性状推定装置としての制御装置80は、上記したように、移動力付与装置60及び液体状態取得部70に関する各種制御を行う。例えば、制御装置80は、工作物Wの加工中において、移動力付与装置60及び液体状態取得部70を工作物Wから離れた位置に退避させる(図1参照)。また、制御装置80は、工作物Wの加工終了後において、移動力付与装置60及び液体状態取得部70を工作物Wに接近させる(図2参照)と共に、移動力付与装置60によるエアの供給制御、検出部71によるセンシング制御等を行う。
推定用データ記憶部90は、液体状態取得部70が取得した液体の状態に基づいて推定部100が表面性状を推測する際に用いる推定用データを記憶する。例えば、図5に示すように、推定用データ記憶部90には、推定用データの1つとして、加工面の表面粗さと、液体の移動速度との関係を示すデータが記憶されている。このように、推定用データ記憶部90には、各種表面性状(例えば、びびり模様の有無)と液体の移動速度との関係を示す複数のデータが記憶されている。
推定部100は、液体状態取得部70が取得した液体の状態と、推定用データ記憶部90に記憶された推定用データとに基づき、加工面の表面性状を推定する。そして、出力部110は、推定部100による推定結果を出力する。
(4.表面性状推定工程)
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、第一例の表面性状推定装置により実行される表面性状推定工程を説明する。表面性状推定工程は、砥石車44による工作物Wの加工が終了し、主軸台20による工作物Wの回転を停止させた状態から、推定部100による推定結果を出力部110が出力するまでの処理を行うまでの工程である。
次に、図6に示すフローチャートを参照しながら、第一例の表面性状推定装置により実行される表面性状推定工程を説明する。表面性状推定工程は、砥石車44による工作物Wの加工が終了し、主軸台20による工作物Wの回転を停止させた状態から、推定部100による推定結果を出力部110が出力するまでの処理を行うまでの工程である。
図6に示すように、第一例の表面性状推定装置は、表面性状推定工程で実行される最初の処理として、クーラント供給装置50によるクーラントCの供給を停止する(S1)。次に、制御装置80は、移動力付与装置60及び液体状態取得部70の移動を開始し、移動力付与装置60及び液体状態取得部70を工作物Wに接近させる(S2)。このように、制御装置80は、工作物Wの回転を停止し、且つ、クーラントCの供給を停止した状態で、移動力付与装置60及び液体状態取得部70の接近を開始させるので、切粉やクーラント等の飛散物が移動力付与装置60及び液体状態取得部70に付着することを抑制できる。
S2の工程後、制御装置80は、工作物Wを所定量回転させる(S3)。これにより、加工装置1は、加工面に付着したクーラントCの一部を加工面から離脱させることができるので、加工面に付着したクーラントCの膜厚を全体的に薄くすることができる。
ここで、S3の工程は、S2の工程後、移動力付与装置60及び液体状態取得部70の移動が終了するまでの間に行うことが望ましい。これにより、第一例の表面性状推定装置は、S3の処理をS2の工程と並行して行うことができるので、サイクルタイムの短縮を図ることができる。さらに、第一例の表面性状推定装置は、S2の工程後、すぐにS3の処理を実行することが望ましい。つまり、第一例の表面性状推定装置は、移動力付与装置60及び液体状態取得部70が工作物Wから離れた位置にあるときに、S2の工程を行うことにより、加工面から離脱したクーラントCが移動力付与装置60及び液体状態取得部70に付着することを防止できる。なお、第一例の表面性状推定装置は、S3の工程を、S2の工程の前に実行することも可能である。
そして、移動力付与装置60及び液体状態取得部70の移動が終了すると、液体状態取得部70は、検出部71による加工面のセンシングを行い、計測対象部位を選択する(S4)。具体的に、液体状態取得部70は、工作物Wの加工面をセンシングし、クーラントCが付着する複数の部位を検出する。そして、液体状態取得部70は、クーラントCが付着する複数の部位の中から、相対的に膜厚の薄いクーラントCが付着する部位を選択し、その部位をクーラントCの移動速度の計測対象部位とする。
S4の工程後、第一例の表面形状推定装置は、計測対象部位におけるクーラントCに対し、移動力を付与しつつ、計測対象部位のセンシングを行う(S5)。S5の工程において、移動力付与装置60は、計測対象部位におけるクーラントCにエアを供給し、当該クーラントCを強制的に移動させるための移動力を付与する。そして、検出部71は、計測対象部位におけるクーラントCに移動力が付与された状態で、移動するクーラントCのセンシングを行う。
S5の工程後、演算部72は、検出部71によるセンシング結果に基づいて、液体であるクーラントCの移動速度を演算により求める(S6)。その後、推定部100は、演算部72が求めたクーラントCの移動速度と、推定用データ記憶部90に記憶された推定用データとに基づき、加工面の表面性状を推定する(S7)。そして、出力部110は、推定部100による推定結果を出力し(S8)、本工程を終了する。
このように、液体状態取得部70は、工作物Wの加工終了後、工作物Wの加工面にクーラントCが付着し、且つ、工作物支持装置(主軸台20及び心押台30)に工作物Wが支持された状態で、加工面におけるクーラントCの状態を取得する。よって、加工装置1は、サイクルタイムを向上させることができる。また、加工装置1は、加工面の表面性状が良好でない場合に、加工条件の変更や、砥石車44のドレッシング及びツルーイング等の対応を早期に行うことができる。
(5.第二例の表面性状推定装置の概要)
次に、第二例の表面性状推定装置の概要を説明する。第一例の表面性状推定装置において、推定部100は、液体の移動速度に基づいて加工面の表面性状を推定した、これに対し、第二例の表面性状推定装置における推定部300は、移動力を付与する前に加工面に付着していた液体の状態と、移動力を付与した後に加工面に付着していた液体の状態とに基づき、加工面の表面性状を推定する。
次に、第二例の表面性状推定装置の概要を説明する。第一例の表面性状推定装置において、推定部100は、液体の移動速度に基づいて加工面の表面性状を推定した、これに対し、第二例の表面性状推定装置における推定部300は、移動力を付与する前に加工面に付着していた液体の状態と、移動力を付与した後に加工面に付着していた液体の状態とに基づき、加工面の表面性状を推定する。
(6.第二例の表面性状推定装置の構成)
まず、図7を参照して、第二例の表面性状推定装置の構成を説明する。図7に示すように、第二例の表面性状推定装置は、移動力付与装置60と、液体状態取得部270と、制御装置80と、推定用データ記憶部290と、推定部300と、出力部110とを主に備える。
まず、図7を参照して、第二例の表面性状推定装置の構成を説明する。図7に示すように、第二例の表面性状推定装置は、移動力付与装置60と、液体状態取得部270と、制御装置80と、推定用データ記憶部290と、推定部300と、出力部110とを主に備える。
そして、液体状態取得部270は、検出部271と、前状態取得部272と、後状態取得部273と、演算部274とを主に備える。検出部271は、加工面に設定された所定の評価対象領域において、移動力を付与する前に加工面に付着していた液体の状態(以下「液体の前状態」と称する)と、移動力を付与した後に加工面に付着していた液体の状態(以下「液体の後状態」と称す)とを検出する。なお、所定の評価対象領域とは、例えば、検出部271が加工面をセンシングする際の投影面である。
図8Aに示すように、前状態取得部272は、評価対象領域において検出部271が検出した液体の前状態を取得する。図8Bに示すように、後状態取得部273は、評価対象領域において検出部271が検出した液体の後状態を取得する。
演算部274は、液体の前状態と液体の後状態とを比較し、液体の状態の差異を示す比較結果を求める。例えば、演算部274は、液体の前状態における評価対象領域全体の中で液体が占有する占有割合と、液体の後状態における評価対象領域全体の中で液体が占有する占有割合との差や、占有割合の増減率等を、比較結果として求める。また、演算部274は、液体の前状態における評価対象領域全体の中で液体が占有する投影面積と、液体の後状態における評価対象領域全体の中で液体が占有する投影面積との差や、投影面積の増減率等を、比較結果として求めることも可能である。
推定用データ記憶部290は、推定部300が液体の状態に基づいて表面性状を推測する際に用いる推定用データを記憶する。推定用データ記憶部290には、各種表面性状(例えば、びびり模様の有無)と演算部274が求めた演算結果(例えば、液体の前状態と液体の後状態との占有割合の減少率等)との関係を示すデータが記憶されている。
ここで、液体状態取得部270は、クーラントCが付着する加工面のうち、膜厚の薄いクーラントが多く付着する領域を評価対象領域とすることが望ましい。この場合、第二例の表面性状推定装置は、演算部274が求めた演算結果と加工面の
表面性状との相関性を高めることができるので、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
表面性状との相関性を高めることができるので、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
そして、推定部300は、液体状態取得部270が取得した液体の状態である演算部274の比較結果と、推定用データ記憶部290に記憶された推定用データとに基づき、加工面の表面性状を推定する。即ち、推定部300は、液体の前状態と液体の後状態との比較結果を、表面性状の代用特性として利用し、液体の前状態と液体の後状態との比較結果に基づき、工作物Wの表面性状を推定する。これにより、第二例の表面形状推定装置は、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
(7.第三例の表面性状推定装置の概要)
次に、第三例の表面性状推定装置の概要を説明する。第一例及び第二例の表面性状推定装置において、推定部100,300は、推定用データ記憶部90,290に予め記憶された推定用データに基づき、加工面の表面性状を推定した。これに対し、第三例の表面性状推定装置における推定部500は、液体状態取得部70が取得した液体の状態を学習データとする機械学習により生成された学習モデルに基づいて、加工面の表面性状を推定する。
次に、第三例の表面性状推定装置の概要を説明する。第一例及び第二例の表面性状推定装置において、推定部100,300は、推定用データ記憶部90,290に予め記憶された推定用データに基づき、加工面の表面性状を推定した。これに対し、第三例の表面性状推定装置における推定部500は、液体状態取得部70が取得した液体の状態を学習データとする機械学習により生成された学習モデルに基づいて、加工面の表面性状を推定する。
(8.表面性状推定装置の構成)
まず、図9及び図10を参照して、第三例の表面性状推定装置の構成を説明する。図9及び図10に示すように、第三例の表面性状推定装置は、移動力付与装置60と、液体状態取得部70と、制御装置80と、学習モデル記憶部490と、推定部100と、出力部110と、学習装置550とを備える。
まず、図9及び図10を参照して、第三例の表面性状推定装置の構成を説明する。図9及び図10に示すように、第三例の表面性状推定装置は、移動力付与装置60と、液体状態取得部70と、制御装置80と、学習モデル記憶部490と、推定部100と、出力部110と、学習装置550とを備える。
学習装置550は、いわゆる機械学習装置であり、液体状態取得部70と通信可能に設けられる。なお、本実施形態において、機械学習は、教師あり学習である場合を例に挙げて説明するが、他の機械学習アルゴリズムを適用することもできる。
学習装置550は、液体状態取得部70が取得した液体の状態と、外部装置である表面性状計測装置402が計測した表面性状の実測値データとに基づき、紐付けされた液体の状態と実測値データとを学習データとする機械学習を行うことにより、液体の状態と実測値データとに関する学習モデルを生成する。そして、第三例の表面性状推定装置は、学習装置550が生成した学習モデルを学習モデル記憶部490に記憶する。
図9に示すように、学習装置550は、演算結果取得部551と、実測値データ取得部552と、学習モデル生成部553とを備える。演算結果取得部551は、演算部72による演算結果である液体の状態を取得する。実測値データ取得部552は、外部装置である表面性状計測装置402による計測結果である表面性状の実測値データを取得する。学習モデル生成部553は、演算結果取得部551が取得した液体の状態、及び、実測値データ取得部552が取得した実測値データを学習データとする機械学習により、学習モデルを生成する。
そして、図10に示すように、第三例の表面性状推定装置は、加工装置1において新たに工作物の加工が行われた場合に、学習モデルを用いて加工面の表面性状を推定する。即ち、新たな工作物Wに対する加工が終了すると、液体状態取得部70は、工作物Wの加工面に付着した液体の状態を取得する。そして、推定部500は、液体状態取得部70が新たに取得した液体の状態と、学習モデル記憶部490に記憶された学習モデルとに基づいて、新たに加工した工作物Wの加工面の表面状態を推定する。これにより、第三例の表面性状推定装置は、加工面の表面性状を高精度に推定することができる。
(9.その他)
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
1:加工装置、 50:クーラント供給装置、 60:移動力付与装置、 70,270:液体状態取得部、 100,300,500:推定部、 272:前状態取得部、 273:後状態取得部、 490:学習モデル記憶部、 W:工作物
Claims (14)
- 工作物の加工面に液体が付着した状態で前記加工面における前記液体の状態を取得する液体状態取得部と、
前記加工面における前記液体の前記状態に基づき、前記加工面の表面性状を推定する推定部と、
を備えた、表面性状推定装置。 - 前記表面性状推定装置は、さらに、前記加工面に付着した前記液体を強制的に移動させるための移動力を前記液体に付与する移動力付与装置を備え、
前記液体状態取得部は、前記移動力付与装置が前記液体に前記移動力を付与したときの前記液体の前記状態を取得する、請求項1に記載の表面性状推定装置。 - 前記液体状態取得部は、前記加工面に膜厚が異なる前記液体が付着した複数の部位のうち、前記膜厚が薄い部位における前記液体の前記状態を取得する、請求項2に記載の表面性状推定装置。
- 前記液体状態取得部は、前記加工面に付着した前記液体に前記移動力が付与されたときの前記液体の移動速度を、前記液体の前記状態として取得する、請求項2又は3に記載の表面性状推定装置。
- 前記液体状態取得部は、
前記加工面に設定された所定の評価対象領域において、前記移動力を付与する前に前記加工面に付着していた前記液体の前記状態を取得する前状態取得部と、
前記評価対象領域において、前記移動力を付与した後に前記加工面に付着していた前記液体の前記状態を取得する後状態取得部と、
を備え、
前記推定部は、前記前状態取得部により取得された前記液体の前記状態と前記後状態取得部により取得された前記液体の前記状態とに基づき、前記加工面の前記表面性状を推定する、請求項2又は3に記載の表面性状推定装置。 - 前記前状態取得部及び前記後状態取得部は、前記評価対象領域において前記液体の投影面積又は前記液体の占有割合を、前記液体の前記状態として取得する、請求項5に記載の表面性状推定装置。
- 前記工作物は、回転体であり、
前記移動力付与装置は、前記工作物の軸線方向への移動力を前記液体に付与する、請求項2−6の何れか一項に記載の表面性状推定装置。 - 前記工作物は、回転体であり、
前記移動力付与装置は、前記工作物の周方向への移動力を前記液体に付与する、請求項2−6の何れか一項に記載の表面性状推定装置。 - 前記液体状態取得部は、前記工作物の前記加工面に前記液体が付着した状態、かつ、前記工作物が加工装置に支持された状態で、前記加工面における前記液体の前記状態を取得する、請求項1−8の何れか一項に記載の表面性状推定装置。
- 前記表面性状推定装置は、前記液体状態取得部が取得した前記液体の前記状態を学習データとする機械学習により生成された学習モデルであって、前記学習データと前記工作物の表面性状の実測値データとに関する前記学習モデルを記憶する学習モデル記憶部を備え、
前記推定部は、新たな前記液体の前記状態と前記学習モデルとに基づいて、新たに加工した前記加工面の表面性状を推測する、請求項1−9の何れか一項に記載の表面性状推定装置。 - 請求項1−10の何れか一項に記載の表面性状推定装置を備える、加工装置。
- 前記加工装置は、加工中の前記工作物にクーラントを供給するクーラント供給装置を備え、
前記液体状態取得部は、前記液体としての前記クーラントを強制的に移動させるための移動力を付与したときの前記液体の前記状態を取得する、請求項11に記載の加工装置。 - 前記工作物を回転可能に支持する工作物支持装置を備える、請求項11又は12に記載の加工装置。
- 請求項12に記載の加工装置を用いた表面性状の推定方法であって、
前記加工装置は、
前記クーラント供給装置による前記クーラントの供給を行いつつ、前記工作物を回転させながら、前記工作物に対する加工を行い、
前記工作物の加工が終了した後、前記工作物の回転を停止し、且つ、前記クーラント供給装置による前記クーラントの供給を停止した状態で、前記工作物を所定量回転させる、表面性状推定方法。
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JP2019055279A JP2020153941A (ja) | 2019-03-22 | 2019-03-22 | 表面性状推定装置、加工装置、及び、表面性状推定方法 |
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