JP2020153330A - 可変容量形ポンプ - Google Patents
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Abstract
【課題】効率の悪化を抑制可能な可変容量形ポンプを提供する。【解決手段】内燃機関の可変容量形ポンプにおいて、内部にポンプ収容部1sが形成されたハウジング1と、ポンプ収容部1sに収容され、回転駆動されることによって、複数のポンプ室19の容積が変化して、吸入部から導かれたオイルを吐出部12へ吐出するポンプ構成体と、内部に複数のポンプ室19が配置され、内燃機関の状態に応じて移動可能となっている、ポンプ構成体の一部を構成する制御リング5であって、軸方向両端を連通するように設けられ、複数のポンプ室19から吐出されたオイルが流通する孔部25と、孔部を複数の孔に分割する分割部材37と、を有し、移動することによって吐出部から吐出されるオイルの量を変化させる前記制御リング5と、を備える。【選択図】 図7
Description
本発明は、例えば、可変容量形ポンプに関する。
例えば、自動車用の内燃機関に適用される可変容量形ポンプとしては、特許文献1に記載されたような技術が知られる。
特許文献1においては、可変容量形ポンプのポンプ構成体から吐出されるオイルが、ポンプ構成体の一部を構成する制御リングに設けられた孔を介して、可変容量形ポンプの外部へ吐出されていた。
しかしながら、特許文献1に記載の技術においては、可変容量形ポンプの運転中において、ポンプ構成体によって加圧されるオイルの圧力によって、制御リングが変形してしまう。この制御リングの変形により、ポンプ構成体における可動部位の摺動抵抗が増大し、効率が悪化してしまう恐れがあった。
本発明の目的は、かかる技術的課題に鑑みて案出されたものであって、効率の悪化を抑制可能な可変容量形ポンプを提供することにある。
本発明によれば、その1つの態様において、内部にポンプ収容部が形成されたハウジングと、前記ポンプ収容部に収容され、回転駆動されることによって、複数のポンプ室の容積が変化して、吸入部から導かれたオイルを吐出部へ吐出するポンプ構成体と、内部に前記複数のポンプ室が配置され、前記内燃機関の状態に応じて移動可能となっている、前記ポンプ構成体の一部を構成する制御リングであって、軸方向両端を連通するように設けられ、前記複数のポンプ室から吐出されたオイルが流通する孔部と、前記孔部を複数の孔に分割する分割部材と、を有し、移動することによって前記吐出部から吐出されるオイルの量を変化させる前記制御リングと、を備えたものである。
本発明によれば、効率の悪化を抑制可能な可変容量形ポンプを提供することができる。
以下、本発明に係る可変容量形ポンプの実施形態を図面に基づいて詳述する。なお、本実施例は、自動車用内燃機関の摺動部にオイル(潤滑油)を供給すると共に、機関弁のバルブタイミングを可変にする可変動弁機構の作動源としての油圧を供給する可変容量形ポンプに適用したものを示している。
本実施例における可変容量形ポンプは、ベーンタイプに適用したものであって、内燃機関のシリンダブロックの前端部などに設けられる。
図1は本発明の実施例に係る内燃機関に可変容量形ポンプを組み込んだ外観斜視図、図2は本発明の実施例に係る回転軸であるクランクシャフトの軸方向に沿って切断した断面図である。図1及び図2において、内燃機関110のシリンダブロック111の端部には可変容量形ポンプ120が取り付けられている。シリンダブロック111の内部には、内燃機関110に配置されたピストンの上下運動を、コンロッドを介して回転運動に変換するクランクシャフト3が備えられている。可変容量形ポンプ120には後述するロータ4が備えられている。ロータ4の中央部には貫通した開口部4bが形成されており、この開口部4bにクランクシャフト3が挿入されて固定される。これにより、クランクシャフト3の回転力がロータ4に伝達される。
次に図3〜図10を用いて可変容量形ポンプの構成について説明する。図3は本発明の実施例に係る制御ハウジング側から見た可変容量形ポンプの分解斜視図、図4は本発明の実施例に係るポンプハウジング側から見た可変容量形ポンプの分解斜視図、図5は本発明の実施例に係る制御ハウジング側から見た可変容量形ポンプの側面図である。図6は図5におけるVI-VI線断面図、図7は本発明の実施例に係る可変容量形ポンプのシステム構成図、図8は図7におけるVIII-VIII線断面図である。図9は、本発明の実施例に係る可変容量形ポンプを透視した側面図、図10は本発明の実施例に係る制御ハウジングにポンプカバーを取り付けた状態を示す可変容量形ポンプの側面図である。
図3乃至図6に示すように、可変容量形ポンプは一端開口がポンプカバー2、及びによって閉塞された有底円筒状のポンプハウジング1と、ポンプハウジング1の内部に回転自在に収容され、中央の開口部4bにクランクシャフト3が挿入され結合されたロータ4と、ロータ4の外周側に揺動可能に配置され、クランクシャフト3が挿入された可動部材である制御リング5と、ポンプカバー2の外側面に配置固定された制御ハウジング6に設けられ、制御リング5を揺動させるために、油圧供給切り換えを制御する制御機構であるパイロット弁7から主として構成されている。クランクシャフト3はポンプハウジング1のほぼ中心部を貫通している。また、可変容量形ポンプには後述する切換機構であるソレノイドバルブ100が接続されている。
ポンプハウジング1とポンプカバー2及び制御ハウジング6は、図3及び図5に示すように、複数のボルト9によって一体的に結合されており、この各ボルト9は、ポンプハウジング1と制御ハウジング6及びポンプカバー2にそれぞれ形成されたボルト挿通孔に挿通して、これらを締結するようになっている。
ポンプハウジング1は、アルミニウム合金等、アルミニウム含む材料によって一体に形成され、凹状のポンプ収容部1sの底面は制御リング5の軸方向の一側面が摺動することから、平面度や表面粗さなどの精度が高く加工され、摺動範囲が機械加工によって形成されている。本実施例では、ポンプハウジング1とポンプカバー2及び制御ハウジング6によって可変容量形ポンプの筐体となるハウジングを構成し、このハウジングの内部にポンプ収容部が形成されている。
また、ポンプハウジング1は、図3、図4、図6に示すように、作動室であるポンプ収容部1sの底面ほぼ中央位置にクランクシャフト3の一端部を軸受する軸受孔1dが貫通形成されていると共に、内周面の所定位置には、制御リング5の枢支点となる枢支ピンであるピボットピン10(軸部材)が挿入される有底状のピン孔1cが穿設されている。
また、ポンプ収容部1sの垂直方向上方の位置の内周側には、円弧凹状に形成された第1シール面1aが形成されている。一方、ポンプ収容部1sの垂直方向下方の位置の内周側には、円弧凹状の第2シール面1bが形成されている。
第1シール面1aは、後述する第1制御油室16を、制御リング5に形成された後述する第1シール溝5bに嵌着された第1シール部材13が常時摺接してシールするようになっている。第1シール面1aと第1シール部材13とによって第1シール機構が構成されている。
第2シール面1bは、制御リング5に形成された第2シール溝5cに嵌着された後述する第2シール部材14が常時摺接して後述する第2制御油室17をシールするようになっている。第2シール面1bと第2シール部材14とによって第2シール機構が構成されている。
また、第1シール面1aと第2シール面1bは、図7に示すように、ピボットピン10を中心とした所定長さの円弧面状に形成されており、制御リング5が偏心揺動する範囲において第1シール部材13,第2シール部材14が常時摺接可能な長さに設定されている。
また、ポンプカバー2には、図3及び図4に示すように、ほぼ三日月切欠き状の吸入部である吸入ポート11(吸入部)が形成されていると共に、この吸入ポート11に径方向の反対側の位置に、ほぼ三日月切欠き状の吐出部である吐出ポート12(吐出部)がそれぞれほぼ対向して形成されている。なお、この吸入ポート11と吐出ポート12の具体的構成については後述する。
ポンプカバー2は、図3及び図4に示すように、アルミニウム合金材によってほぼプレート状に形成され、ほぼ中央位置にクランクシャフト3の他端部を回転可能に支持する軸受孔2aが貫通形成されていると共に、外周部に前記ボルト挿通孔を形成する複数のボス部が一体に形成されている。また、このポンプカバー2は、図外の複数の位置決めピンを介してポンプハウジング1に円周方向の位置決めされつつ複数のボルト9によってポンプハウジング1に結合されている。
クランクシャフト3から伝達された回転力はロータ4に伝達され、ロータ4を図7中、矢印方向(時計方向)に回転するようになっており、クランクシャフト3を中心とした図中左側の半分が吸入領域となり、右側の半分が吐出領域となる。
ロータ4は、図3及び図4に示すように、内部中心側から外方へ放射状に形成された9つのスリット4a内にそれぞれ9枚のベーン15が進退可能(出没可能)に摺動保持されていると共に、各スリット4aの基端部に吐出ポート12に吐出された吐出油圧を導入する断面ほぼ円形状の背圧室24がそれぞれ形成されている。この各背圧室24内の圧力とロータ4の回転に伴う遠心力とによってベーン15を外方へ押し出すようになっている。
各ベーン15は、内側の各基端縁が前後一対のベーンリング18、18の外周面に摺接している共に、各先端縁が制御リング5の内周面5aに摺接自在になっている。また、隣接する各ベーン15間と制御リング5の内周面5a及びロータ4の内周面、ポンプ収容部1s、ポンプカバー2の内側面との間に複数の作動油室である複数のポンプ室19が液密的に隔成されている。各ベーンリング18は、回転に伴って各ベーン15を放射外方へ押し出すようになっており、機関回転数が低く、また、遠心力や背圧室24の圧力が小さい場合でも、各ベーン15の各先端部がそれぞれ制御リング5の内周面と摺接して各ポンプ室19が液密に隔成されるようになっている。
このため、クランクシャフト3から伝達された回転力がロータ4に伝達されると、ポンプ室19は、容積が最も小さい状態から容積が拡大し、最大容積となった後、容積が縮小する。このようにポンプ室19の容積が拡大する領域が吸入領域となり、容積が縮小する領域が吐出領域となる。
尚、本実施形態の場合、ポンプ収容部1sに収容されて、ポンプ室19を構成する、ベーン15、制御リング5、ロータ4及び制御リング5がポンプ構成体を構成する。
ポンプ構成体の一部を構成する制御リング5は、加工容易な鉄系材料の焼結金属によってほぼ円筒状に一体に形成され、図3、図4及び図7に示すように、外周面のピボットピン10の位置にピボット凹部5dが形成されており、このピボット凹部5dに挿入位置決めされたピボットピン10が嵌挿して偏心揺動支点となっている。
また、制御リング5のピボット凹部5dの下方側の位置には、吐出ポート12と連通する孔部25(孔25a,25b)が貫通形成されていると共に、第2シール溝5cを介して第2シール部材14を保持するほぼ三角形状の第2突起部5gが設けられている。孔部25は、複数のポンプ室19の容積がポンプ構成体の回転駆動に伴って減少する区間において、複数のポンプ室19のうち最も容積が小さくなるポンプ室19に近い側に設けられる。すなわち、孔部25は、ポンプ室の容積がポンプ構成体の回転駆動に伴って周方向に減少する区間の中間位置と、最も容積が小さくなるポンプ室に近い吐出ポート12の終端部との間に設けられている。
さらに、制御リング5の上方側の位置には、第1シール溝5bを介して第1シール部材13を保持するほぼ三角形状の前記第1突起部5hが設けられている。孔部25は、矩形であってポンプ構成体の一部であるロータ4の回転軸線に沿って設けられており、吐出ポート12と連通してポンプ構成体から吐出されたオイルが流れる。孔部25は、分割部材37(仕切部材)によって複数の孔25a,25bに分割されている。分割部材37は、ポンプ構成体の一部であるロータ4の回転軸線に対する径方向において孔部25を二つの孔25a,25bに分割している。孔部25の構成については後述する。なお、分割部材37は、孔部25を二つ以上の複数の孔に分割するものであっても良い。
図8の矢印で示すように、オイルは吐出ポート12から吐出されると共に、シリンダブロック111への取付側(図8の下方側)のある一部のオイルが複数の孔25a,25bを通り、吐出通路61へと導かれる。
ポンプ構成体は、ポンプ収容部の内部に収容され、回転駆動されることにより吸入ポート11(吸入部)から導かれたオイルを吐出ポート12(吐出部)から吐出するものである。また、ロータ4、ベーン15、ベーンリング18、制御リング5は、鉄系材料で形成されている。
制御リング5の第1突起部5h、第2突起部5g側の外周面とポンプハウジング1の間には、制御リング5を中心とした上方側に前記第1制御油室16が形成されていると共に、下方側には第2制御油室17がそれぞれ形成されている。
第1制御油室16は、内部に供給された油圧によって制御リング5を後述するコイルばね28のばね力に抗して偏心量が変化する方向の1つである減少する方向(ポンプ構成体から吐出されるオイルの量が減少する方向)へ押圧するようになっている。すなわち、第1制御油室16は減少側制御室となっている。
第1制御油室16には、排出孔12a、メインオイルギャラリー31,第2オイルギャラリー33, 第1制御溝35を介して、吐出ポート部から吐出されたオイルが導かれ、オイルの吐出量が減少する方向へ制御リングが移動したときにポンプ室の容積が増加するように構成されている。また、この第1制御油室16は、パイロット弁7を介して吐出ポート12に連通あるいは連通が遮断されるようになっていると共に、制御リング5の揺動時においても前記第1シール機構によって常時液密的にシールされるようになっている。
第2制御油室17は、内部に供給された油圧によって制御リング5を後述するコイルばね28のばね力とアシストして偏心量が増加する方向へ付勢するようになっており、ソレノイドバルブ100やパイロット弁7を介して油圧が供給あるいは排出されるようになっている。すなわち、第2制御油室17は増大側制御室となっている。
また、偏心揺動支点から第2シール部材14までの距離が、第1シール部材13までの距離よりも大きく設定されていることから、制御リング5の第2制御油室17側の外側面である第2受圧面20の面積が、第1制御油室16側の外側面である第1受圧面21の面積よりも大きくなっている。
したがって、第2制御油室17内の油圧による制御リング5に対する押圧力が、第1制御油室16内の反対の油圧によって僅かに相殺されて、結果として吐出油圧力により制御リング5を、ピボットピン10を支点として反時計方向へ揺動させて偏心量を減少させようとする力は小さくなり、これに対向して制御リング5を時計方向へ付勢する後述のコイルばね28のばね力を小さく設定できる。
第1シール部材13,第2シール部材14は、例えば低摩耗性の合成樹脂材によって制御リング5の軸方向に沿って細長く形成されていると共に、制御リング5の第1突起部5h,第2突起部5gの外周面に形成された第1シール溝5b、第2シール溝5c内に保持されている。さらに第1シール部材13,第2シール部材14は、第1シール溝5b、第2シール溝5cの底部側に固定されたゴム製の弾性部材13a、14aの弾性力によって前方へ、つまり各シール面1a、1bに押し付けられるようになっている。これにより、第1制御油室16、第2制御油室17の常時良好な液密性を確保するようになっている。
吸入ポート11は、図7及び図9に示すように、各ポンプ室19の容積が拡大する領域に開口していると共に、ポンプ構成体によるポンプ作用に伴って発生する負圧によって、ほぼ中央に形成された吸入口11aを介してオイルパン55内のオイルが導入されるようになっている。
ポンプハウジング1には、コイルばね28を収容するばね収容室27が形成されており、吸入口11aと連通している。この吸入口11aは、ばね収容室27と共に低圧室22と連通していると共に、ポンプ構成体のポンプ作用によって発生する負圧によって、オイルパン55から吸入通路を介して吸い上げられたオイルを吸入ポート11に供給して、容積が拡大された各ポンプ室19に供給するようになっている。したがって、吸入ポート11と吸入口11a、ばね収容室27及び低圧室22の全体が低圧部として構成されている。
一方、吐出ポート12は、ポンプ構成体によるポンプ作用に伴って各ポンプ室19の容積が縮小する領域に開口していると共に、ポンプハウジング1に形成された排出孔12aからメインオイルギャラリー31を介して機関の各摺動部および可変動弁装置である例えばバルブタイミング制御装置に連通している。メインオイルギャラリー31の途中には、オイルの不純物を除去するフィルタ34が取り付けられている。
制御リング5は、図7に示すように筒状本体の外周面のピボット凹部5dと反対側の位置に径方向外側に突出した延出部であるアーム26が一体に設けられている。このアーム26は、コイルばね28により付勢されており、制御リング5を揺動させる。
また、ポンプハウジング1のアーム26の下方位置には、ばね収容室27が形成されている。
ばね収容室27は、ポンプハウジング1の軸方向に沿って延びたほぼ平面矩形状に形成され、内部には、アーム26を介して制御リング5を図7中、時計方向へ付勢する、つまりロータ4の回転中心と前記制御リング5の内周面の中心との偏心量が変化する方向の1つである大きくなる方向(ポンプ構成体から吐出されるオイルの量が増加する方向)へ制御リング5を付勢する付勢部材であるコイルばね28が収容配置されている。なお、ばね収容室27は吸入ポート11を介して低圧室22に連通している。
コイルばね28(付勢部材)は、下端縁がばね収容室27の底面に弾接している一方、上端縁がアーム26に弾接しており、ばね収容室27内において所定のばね荷重Wが付与されていて、上端縁がアーム26に常時当接しつつ制御リング5におけるロータ4の回転中心と制御リング5の内周面の中心との偏心量が大きくなる方向へ付勢している。
つまり、コイルばね28は、ばね荷重Wが付与された状態で常にアーム26を介して制御リング5を上方へ偏心させる方向、つまり各ポンプ室19の容積が大きくなる方向に付勢している。ばね荷重Wは、油圧がバルブタイミング制御装置の必要油圧P1のときに第1制御油室16のみに導入されて制御リング5が動き出す荷重である。
また、ポンプハウジング1のばね収容室27と軸方向から対向する位置に、アーム26の上面が当接してアーム26の時計方向の最大回動位置を規制する規制部29が形成されている。
そして、ポンプハウジング1には、図7に示すように、吐出圧導入孔30が形成されている共に、第1制御油室16,第2制御油室17と連通する第1制御溝35と第2制御溝36がそれぞれ形成されている。
吐出圧導入孔30は、パイロット弁7の後述する油圧導入ポート45に連通している。
第1制御溝35は、一端が同じくポンプカバー2に開口した制御溝35b(図9,図10)を介して、第2オイルギャラリー33に接続されている。
一方、第2制御溝36は、第1制御溝35から分岐し、第2制御油室17に連通している。
ポンプカバー2に形成された吐出ポート12から吐出したオイルは、制御ハウジング6に形成された吐出開口60から吐出通路61に導かれ、排出孔12aに向かって流れる。吐出ポート12と吐出通路61とは接続されている。吐出通路61の構成については、後述する。
パイロット弁7は、図3、図4及び図7に示すように、制御ハウジング6の外面一側部に一体に上下方向に設けられ、上部が閉塞された円筒状のバルブボディ40と、バルブボディ40の内部に形成されたバルブ収容部41内に上下方向へ摺動自在なスプール弁42と、バルブ収容部41の下端開口を閉塞するプラグ43と、スプール弁42とプラグ43との間に弾装されてスプール弁42を上方へ付勢するバルブスプリング44と、を備えている。スプール弁42は、1対の大径部である第1ランド部42a,第2ランド部42bをもって第2制御油室17に対しての油圧の給排制御を行う。
バルブボディ40には、ソレノイドバルブ100と接続される導入通路開口部である導入ポート46が開口形成されている。さらに、バルブ収容部41の周壁には、その軸方向中間位置に、一端側が第2制御油室17に接続されると共に他端側が後述する中継室47と常時接続されることで第2制御油室17に対する油圧の給排に供する制御油室開口部である油圧導入ポート45が開口形成されると共に、その軸方向他端側の位置に、一端側が外部へ直接開口又は吸入側に接続され、後述する中継室47との接続を切り替えることによって当該中継室47を介して第2制御油室17内の油圧の排出に供する制御ドレン開口部である第1ドレンポート48が開口形成されている。なお、バルブボディ40の一端側周壁であって径方向に後述する背圧室52と重なり合う軸方向位置にも、第1ドレンポート48と同様に、外部へ直接開口又は吸入側に接続される第2ドレンポート49が開口形成されている。第1ドレンポート48及び第2ドレンポート49はオイルパン55に連通しており、第1ドレンポート48及び第2ドレンポート49から排出されたオイルは、オイルパン55に貯留される。
また、バルブボディ40の周壁部には、スプール弁42が図7中の上端側の位置にある状態で導入ポート46と後述する中継室47を連通する連通油路50が構成されるようになっている。
スプール弁42は、その軸方向の両端部に、第1ランド部42a,第2ランド部42bが設けられると共に、第1ランド部42a,第2ランド部42b間に、小径部である軸部42cが設けられている。そして、かかるスプール弁42がバルブ収容部41内に収容されることによって、バルブボディ40内には、第1ランド部42aの軸方向外側においてバルブボディ40の一端部との間に設けられ、導入ポート46から吐出圧が導かれる圧力室51と、第1ランド部42a,第2ランド部42b間に設けられ、当該スプール弁42の軸方向位置によって油圧導入ポート45と導入ポート46(連通油路50)又は第1ドレンポート48とを中継する中継室47と、第2ランド部42bの軸方向外側においてプラグ43との間に設けられ、第2ランド部42bの外周側(微小隙間)を通じて中継室47より漏出したオイルの排出に供する背圧室52と、がそれぞれ隔成されることとなる。
このような構成から、パイロット弁7は、導入ポート46より圧力室51に導かれる吐出圧が所定圧以下の状態では、バルブスプリング44の付勢力をもって、スプール弁42がバルブ収容部41の上端側の所定領域である第1領域に位置することとなる(図7参照)。すなわち、スプール弁42が第1領域に位置することにより、連通油路50を介して導入ポート46と中継室47が接続される一方、第2ランド部42bによって第1ドレンポート48と中継室47の接続が遮断されて、油圧導入ポート45を介して第2制御油室17と中継室47が接続される結果、導入ポート46から連通油路50を通じて導かれる油圧が中継室47を介して第2制御油室17へと供給されることとなる。
そして、圧力室51へと導かれる吐出圧が所定圧を超えると、バルブスプリング44の付勢力に抗してスプール弁42が第1領域からバルブ収容部41の下端側へと移動し、当該バルブ収容部41の下端側の所定領域である第2領域に位置することとなる(図示せず)。すなわち、スプール弁42が第2領域に位置することによって、油圧導入ポート45を介して第2制御油室17は中継室47との接続が維持される一方、第1ランド部42aによって連通油路50と中継室47の接続が遮断されて、第1ドレンポート48を介して中継室47とオイルパン55が接続される結果、第2制御油室17内のオイルが中継室47を通じ第1ドレンポート48を介してオイルパン55へと排出されることとなる。
また、パイロット弁7は、ソレノイド56によって動作し、ソレノイド56はコネクタ部57を介して車載のECU(図示外)から励磁電流が通電される。
ソレノイドバルブ100は、図7に示すように、第1オイルギャラリー32の途中に介在しており、内部軸方向に沿って油通路102が貫通形成されてなるほぼ円筒状のバルブボディ101と、このバルブボディ101の一端部(同図中の左側端部)において油通路102を拡径形成してなる弁体収容部103の外端部に圧入固定され、その中央部に第1オイルギャラリー32の上流側の通路(以下、単に「上流側通路」という。)32aと接続される上流側開口部である導入ポート104を有するシート部材105と、該シート部材105の内端部開口縁に形成されるバルブシート105aに対して離着座可能に設けられ、導入ポート104の開閉に供するボール弁体106と、バルブボディ101の他端部(同図中の右側端部)に設けられたソレノイド107と、から主として構成されている。
バルブボディ101は、その一端側内周部に、ボール弁体106を収容する弁体収容部103が油通路102に対し段差拡径状に設けられている。バルブボディ101の周壁のうち、その一端側となる弁体収容部103の外周部に、下流側通路32bと接続されてパイロット弁7に対する油圧の給排に供する下流側開口部である給排ポート108が径方向に沿って貫通形成されると共に、その他端側となる油通路102の外周部に、オイルパン55へと接続される切替ドレン開口部であるドレンポート109が径方向に沿って貫通形成されている。
ソレノイド107は、ケーシング107a内部に収容されるコイル(図示外)に通電されることにより発生する電磁力をもって、当該コイルの内周側に配置されるアーマチュア(図示外)及びこれに固定されるロッド107bが図5中の左方向へと進出移動する構成となっている。なお、このソレノイド107には、内燃機関の油温や水温、機関回転数など所定のパラメータによって検出ないし算出された機関運転状態に基づいて車載のECU(図示外)から励磁電流が通電されることとなる。
このような構成から、前記ソレノイド107への通電時には、ロッド107bが進出移動することによって当該ロッド107bの先端部に配置されるボール弁体106がシート部材105側のバルブシート105aへと押し付けられ、導入ポート104と給排ポート108の連通が遮断され、油通路102を通じ給排ポート108とドレンポート109が連通することとなる。一方、当該ソレノイド107の非通電時には、導入ポート104より導かれる吐出圧に基づいてボール弁体106が後退移動することにより当該ボール弁体106がバルブボディ101側へと押し付けられ、導入ポート104と油圧導入ポート45が連通状態となると共に、油圧導入ポート45とドレンポート109の連通が遮断されることとなる。
さて、前述したように、本実施例では、ポンプカバー2に形成された吐出ポート12から吐出したオイルは、制御ハウジング6に形成された吐出開口60から吐出通路61に導かれ、排出孔12aに向かって流れる。排出孔12aは制御リング支持部65から離れた位置にあって吐出通路61に形成されている。吐出通路61の構成について、図9及び図10を用いて説明する。
図9及び図10に示すように、吐出通路61には、制御リング5のピボットピン10を支持する制御リング支持部65が備えられている。制御リング支持部65は、ポンプ構成体の一部であるロータ4の回転軸の方向から見たときにポンプ構成体の一部であるロータ4の回転軸から離れる方向に向かって徐々に細く形成されている。換言すると、制御リング支持部65は、涙滴型に形成されている。
吐出開口60から吐出通路61に吐出されるオイルは、制御リング支持部65によって2つの流路に分かれ、吐出通路61にて合流した後、排出孔12aに導かれる。吐出通路61は、ポンプ構成体の一部であるロータ4の回転方向において制御リング支持部65の周壁と吐出通路61の周壁との間に形成された第1吐出通路61aと、ポンプ構成体の一部であるロータ4の回転方向とは反対方向において制御リング支持部65の周壁と吐出通路61の周壁との間に形成された第2吐出通路61bとを備えている。第1吐出通路61aを形成する制御リング支持部65の周壁と吐出通路61の周壁とはオイルの流れ方向に沿ってほぼ平行に形成されている。これにより、オイルをスムーズに下流側に流すことができる。
本実施例の制御リング支持部65は、上述したようにポンプ構成体の一部であるロータ4の回転軸の方向から見たときにポンプ構成体の一部であるロータ4の回転軸から離れる方向に向かって徐々に細く形成した、所謂涙滴型としていることを特徴としている。
一般的に物体に流れが衝突すると、衝突した部位では圧力が高くなる。一方、衝突した部位の下流側では急激に圧力が低下し、剥離が発生する(渦が発生する)。剥離が発生した部分では、流れが乱れ、その乱れが圧力損失となり、ポンプの効率が低下する。例えば、制御リング支持部65を円柱状に形成した場合、オイルは制御リング支持部65に上流端65aに衝突し、第1吐出通路61aと第2吐出通路61bとが合流した下流端65bでは剥離が発生し、圧力損失となる。流れの剥離を抑制するためには、剥離の位置を下流側に移動させ、圧力が急激に低下する部分を小さくすることが有効である。そこで本実施例では、制御リング支持部65の下流端65bを下流側に伸ばした位置としている。すなわち、ピボットピン10の中心と上流端65aを結ぶ距離よりも、ピボットピン10の中心と下流端65b結ぶ距離の方を長くしている。そして、制御リング支持部65に上流端65aに衝突したオイルは、第1吐出通路61aと第2吐出通路61bとに分流し、下流端65bを通過した位置で合流する。本実施例では、制御リング支持部65は涙滴型とし、制御リング支持部65の周壁を流れるオイルをスムーズに下流側に流すようにしている。
本実施例によれば、制御リング支持部65は、ポンプ機構の回転軸の方向から見たときにポンプ機構の回転軸から離れる方向に向かって徐々に細く形成した、所謂涙滴型としているので、オイルの流れをスムーズにし、ポンプの圧力損失を低減することができる。
さて、本実施例の可変容量形ポンプは、第2制御油室17及び第1制御油室16が形成され、制御リング5の第2制御油室17側の外側面である第2受圧面20、及び第1制御油室16側の外側面である第1受圧面21で高い圧力を受ける。圧力は制御リング5の内周側に向かって働くので、制御リング5は押し潰さる方向に変形する。制御リング5には、吐出ポート12と連通する貫通した孔部が形成され、この孔部によって制御リング5の剛性が低下する。このため、制御リング5は、圧力により変形し易くなる。制御リング5が変形すると、制御リング5の内側が真円状態から楕円状態へと変化し、制御リング5の内側に配置されるポンプ構成における可動部位の回転が阻害され、負荷が増大する可能性がある。この課題を解決するための構成について、図7から図9、図11から図16を用いて説明する。
図11は、本発明の実施例に係る可変容量形ポンプの要部拡大斜視図、図12は、本発明の実施例に係る可変容量形ポンプの要部拡大図、図13は、図12におけるXIII-XIII線断面図、図14は、本発明の実施例に係る可変容量形ポンプから制御リングを除いた状態を示す部分拡大図、図15は、本発明の実施例に係る可変容量形ポンプの制御リングの偏心量が最大の状態を示す部分拡大図、図16は、本発明の実施例に係る可変容量形ポンプの制御リングの偏心量が最小の状態を示す部分拡大図である。
図11及び図12に示すように、本実施例の孔部25は、分割部材37によって複数に分割されている。換言すると、孔25a,25bの間には分割部材37が配置されている。分割部材37は、制御リング5の剛性を確保し、制御リング5に圧力が加わった際に、孔部25が変形するのを抑制する補強部材となる支柱としての役割を担っている。
この分割部材37は、吐出圧力の作用する制御リング5の内周から外周に向けて径方向に延びるように形成すると効果的であるが、制御リング5の形状や吐出領域の場所によっては、制御リング5の径方向に対して、傾斜して設けてもよい。
本実施例において、孔部25は、図7に示すように、ポンプ構成体の一部であるロータ4の回転軸線に対する径方向において、制御リング5がコイルばね28(付勢部材)と当接する部分と、ピポットピン10(軸部材)とを結んだ制御リング5の基準線BLに対して、コイルばね28(付勢部材)が配置された側(図7において下側)に設けられている。換言すると、孔部25は、加圧され吐出されるオイルの圧力が高くなる側に設けられている。このように構成することにより、吐出するオイルの圧力を高めることができる。
また、上記とは逆に、孔部25は、ポンプ構成体の回転軸線に対する径方向において、制御リング5の基準線BLに対して、コイルばね28(付勢部材)が配置された側とは反対側(図7において上側)に設けるようにしても良い。つまり、孔部25は、複数のポンプ室19の容積がポンプ構成体の回転駆動に伴って減少する区間において、複数のポンプ室19のうち最も容積が大きくなるポンプ室19に近い側に設けられていてもよい。このような実施形態の場合、孔部25は、ポンプ室の容積がポンプ構成体の回転駆動に伴って周方向に減少する区間の中間位置と、最も容積が大きくなるポンプ室に近い吐出ポート12の始端部との間に設けられることになる。この場合、加圧したオイルを素早く吐出することができるといった効果が期待できる。
本実施例において、分割部材37は制御リング5と一体に形成されている。このように構成することにより、孔25a、25bを容易に制御リング5に形成することができる。これとは別に、分割部材37は制御リング5と別体に形成するようにしても良い。例えば、分割部材37を制御リング5と別体に形成した場合は、分割部材37を制御リング5よりも硬い材料で構成する。この場合、分割部材37の剛性を確保した上で分割部材37を細く形成することができるので、孔25a、25bを通過するオイルの流量を確保することができる。
分割部材37は、ポンプ構成体の回転軸線に対する径方向において、孔部25の周方向中央に設けられている。このように構成することにより、孔25a、25bの大きさをほぼ均等に構成することができ、孔25a、25bを通過するオイルの流量をバランス良く確保することができる。
図11に示すように、制御リング5には、ポンプ構成体の一部であるロータ4の回転軸線に沿った方向において凹み、回転軸線に対する径方向において孔部25と分割部材37を跨がって設けられた溝部5eを備えている。本実施例では溝部5eを介して、一のポンプ室19と隣り合う他のポンプ室19から一のポンプ室19へ向かってオイルを流入し易くなり、流路抵抗を低減することができる。
また、溝部5eは孔部25に近づくほど、回転軸線に対する径方向の大きさ(幅)が大きく形成されている。換言すると、溝部5eは上流側(図11の上方)より下流側(孔部25がある位置)の方が、回転軸線に対する径方向の大きさ(幅)が大きく形成されている。
さらに溝部5eは、回転軸線の周方向において孔部25の一部と重なるように径方向外側の途中位置5e1,5e2まで延びて形成されている。同様に、溝部5eは、分割部材37において回転軸線の径方向外側の途中位置となる低位置部37aまで延びて形成されている。低位置部37aの径方向外側には回転軸方向に沿った方向において低位置部37aより高さが高い高位置部37bが形成されている。換言すると、分割部材37には、回転軸線に沿った方向において高さが異なる段差部が形成されている。
上記のように本実施例の溝部5eは、回転軸線に対する径方向において、孔部25と分割部材37の途中まで設けられている。
また、本実施例の溝部5eは、孔部25に近づくほど、回転軸線に対する径方向の大きさが大きく形成されている。
図11及び図12において、溝部5eはシリンダブロック111の取付側と反対側に形成されている例で説明したが、本実施例の溝部5eはシリンダブロック111の取付側にも同様に形成されている。そして、図13に示すように、溝部5eによって制御リング5には、シリンダブロック111の取付側と反対側、及びシリンダブロック111の取付側には、それぞれ油通路70、71が形成される。また、ポンプハウジング1には、図13及び図14に示すように、回転軸線の方向において、ポンプ収容部1sと、ポンプ構成体が内部に収容された制御リング5との間に、油通路となる凹部1eが形成されている。
次に図14から図16を用いて、凹部1eと制御リング5との関係について説明する。
凹部1eは、回転軸線の方向において、シリンダブロック111側に向かって凹んだ形状を成している。ポンプ収容部1sに制御リング5が配置された状態において、制御リング5と凹部1eは回転軸線の方向から見て重なり合っている。
図15は制御リング5の偏心量が最大(100%)の状態である。このとき、制御リング5の形成した孔部25(孔25a,25b)は、凹部1eと全体が重なり合っている。孔部25(孔25a,25b)は、凹部1eと全体が重なっているので、孔部25(孔25a,25b)から吐出したオイルは、阻害されることなくスムーズに流れる。
一方、図16は制御リング5の偏心量が最小(0%)の状態である。このとき、制御リング5の形成した孔部25(孔25a,25b)は、凹部1eとの一部と重なり合っている。さらに制御リング5の溝部5eは、図16中の点線で囲ったように、ポンプハウジング1の凹部1eの縁と重なり合っている。これにより、孔部25(孔25a,25b)から吐出するオイル量を絞り込むように調整する。
以上説明したように、本実施例によれば、ポンプ室19の内圧による制御リングの変形が抑制されると共に、ポンプ構成体における制御リングと回転駆動されることにより可動する可動部位との間のフリクションの増加が抑制されて、可変容量形ポンプの効率の悪化を抑制できる。
なお、本発明は、上述した実施例に限定するものではなく、様々な変形例が含まれる。上述した実施例は本発明を分かり易く説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定するものではない。
また、本発明は、制御リング5がピボットピン10を基準に揺動する実施例を中心に説明したが、制御リング5が真っ直ぐスライドすることによって、制御リング5の内周面の中心とロータ4の回転中心との偏心量が変化する可変容量形ポンプにも適用できる。
さらに、本発明は、ポンプ構成体がロータ4、ベーン15およびベーンリング18、制御リング5を有したベーンポンプである実施例を中心に説明したが、インナーロータとアウターロータを収容した内接ギアポンプにも適用できる。このとき、制御リング5をアウターロータの外周に配置させて、アウターロータの回転中心をインナーロータの回転中心に対して公転移動させることによってポンプ構成体から吐出されるオイルの量を変化させることができる。
1…ポンプハウジング、1c…ピン孔、1e…凹部、1s…ポンプ収容部、2…ポンプカバー、3…クランクシャフト、4…ロータ、4b…開口部、5…制御リング、5e…溝部、6…制御ハウジング、7…パイロット弁、10…ピボットピン、11…吸入ポート、12…吐出ポート、12a…排出孔、13…第1シール部材、14…第2シール部材、15…ベーン、16…第1制御油室、17…第2制御油室、18…ベーンリング、19…ポンプ室、25…孔部、25a,25b…孔、30…吐出圧導入孔、31…メインオイルギャラリー、32…第1オイルギャラリー、32a…上流側通路、32b…下流側通路、33…第2オイルギャラリー、35…第1制御溝、36…第2制御溝、37…分割部材、60…吐出開口、61…吐出通路、61a…第1吐出通路、61b…第2吐出通路、65…制御リング支持部、65a…上流端、65b…下流端、70,71…油通路、110…内燃機関、111…シリンダブロック、120…可変容量形ポンプ
Claims (14)
- 内燃機関の可変容量形ポンプにおいて、
内部にポンプ収容部が形成されたハウジングと、
前記ポンプ収容部に収容され、回転駆動されることによって、複数のポンプ室の容積が変化して、吸入部から導かれたオイルを吐出部へ吐出するポンプ構成体と、
内部に前記複数のポンプ室が配置され、前記内燃機関の状態に応じて移動可能となっている、前記ポンプ構成体の一部を構成する制御リングであって、軸方向両端を連通するように設けられ、前記複数のポンプ室から吐出されたオイルが流通する孔部と、前記孔部を複数の孔に分割する分割部材と、を有し、移動することによって前記吐出部から吐出されるオイルの量を変化させる前記制御リングと、
を備えることを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項1の可変容量形ポンプであって、
前記孔部は、前記複数のポンプ室の容積が前記ポンプ構成体の回転駆動に伴って減少する区間において、前記複数のポンプ室のうち最も容積が小さくなるポンプ室に近い側に設けられていることを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項1の可変容量形ポンプであって、
前記分割部材は、前記制御リングと一体に形成されたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項1の可変容量形ポンプであって、
前記分割部材は、前記制御リングの径方向において、前記孔部の周方向中央に設けられたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項2の可変容量形ポンプであって、
前記制御リングは、軸方向において凹み、径方向において前記孔部と前記分割部材を跨がって設けられた溝部を備えたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項5の可変容量形ポンプであって、
前記溝部は、前記孔部に近づくほど、前記制御リングの径方向の大きさが大きく形成されたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項5の可変容量形ポンプであって、
前記溝部は、前記制御リングの径方向において、前記孔部と前記分割部材の途中まで設けられたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項7の可変容量形ポンプであって、
前記分割部材には、前記制御リングの軸方向において高さが異なる段差部が形成されていることを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項5の可変容量形ポンプであって、
前記ハウジングには、前記ポンプ収容部と、前記制御リングとの間に、凹部を有し、
前記孔部は、オイルの吐出量が最大のときに、前記凹部と全体が重なり合い、
前記溝部は、オイルの吐出量が最小のときに、前記凹部の縁と重なり合う
可変容量形ポンプ。 - 請求項1の可変容量形ポンプであって、
前記孔部は、矩形であることを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項1の可変容量形ポンプであって、
前記ポンプ構成体及び前記制御リングは、鉄系材料で形成されたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項11の可変容量形ポンプであって、
前記制御リングは、焼結金属で形成されたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項1の可変容量形ポンプであって、
前記ハウジングは、アルミニウムを含む材料で形成されたことを特徴とする可変容量形ポンプ。 - 請求項1の可変容量形ポンプであって、
前記ポンプ構成体は、前記内燃機関に設けられたクランクシャフトが挿入され、前記クランクシャフトにより回転駆動されることを特徴とする可変容量形ポンプ。
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