JP2020152973A - レーザ積層造形装置及びレーザ積層造形方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 金属粉末の表層にレーザ光を照射して前記金属粉末を焼結又は溶融固化させた金属の層を造形し、前記層を積層して金属造形物を製造するレーザ積層造形装置であって、
チャンバと、
前記チャンバ内に位置し、金属粉末を充填する造形槽を表面に有する造形ステージと、
前記造形槽内の前記金属粉末の表層にレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記チャンバ内に位置し、前記チャンバ内の前記レーザ光の周囲を覆い、前記チャンバ内の雰囲気と前記レーザ光の周囲の雰囲気とを区画するシールドカバーと、
前記シールドカバー内に不活性ガスを供給する、不活性ガス供給部と、を備える、レーザ積層造形装置。
[2] 前記シールドカバーは、両端に前記レーザ光が通過する開口を有する筒状部材を含む、[1]に記載のレーザ積層造形装置。
[3] 前記筒状部材は、前記筒状部材の軸方向と、前記チャンバ内の前記レーザ光の照射方向とが一致するように配置される、[2]に記載のレーザ積層造形装置。
[4] 前記筒状部材が、1以上の不活性ガス排気口を有する、[2]又は[3]に記載のレーザ積層造形装置。
[5] 前記シールドカバー内の不活性ガスの流れを、前記レーザ光の照射方向と同一方向の層流とするガス拡散機構を有する、[1]乃至[4]に記載のレーザ積層造形装置。
[6] 前記シールドカバーの前記造形ステージの表面と対向する側の端部が、前記造形ステージの表面に対して垂直方向に移動する移動機構を有する、[1]乃至[5]に記載のレーザ積層造形装置。
[7] 前記シールドカバーは、内筒部と外筒部とからなる二重管構造を有する第1シールド部材と、
前記外筒部に接続する、両端開口の筒状部材からなる第2シールド部材と、を有する[1]に記載のレーザ積層造形装置。
[8] 前記内筒部の内側をレーザ光が通過し、
前記内筒部と外筒部との間の空間から、前記第2シールド部材内へ前記不活性ガスを供給する、[7]に記載のレーザ積層造形装置。
[9] 前記内筒部と外筒部との間の空間に、ガス拡散機構を配置する、[8]に記載のレーザ積層造形装置。
[10] 前記内筒部の内側に、前記シールドカバー内の雰囲気と前記内筒部内の雰囲気とを区画する保護レンズを配置する、[8]又は[9]に記載のレーザ積層造形装置。
[11] 前記第2シールド部材の前記造形ステージの表面と対向する側の端部が、前記造形ステージの表面に対して垂直方向に移動する移動機構を有する、[7]乃至[10]に記載のレーザ積層造形装置。
[12] チャンバ内の造形ステージが有する造形槽に金属粉末を充填する第1ステップと、
前記造形槽内の前記金属粉末の表層にレーザ光を照射して前記金属粉末を焼結又は溶融固化させた金属の層を造形する第2ステップと、を含み、
前記第1ステップと前記第2ステップとを繰り返し行い、前記層を積層して金属造形物を製造するレーザ積層造形方法であって、
前記第2ステップの際、前記チャンバ内の雰囲気と前記レーザ光の周囲の雰囲気とを区画し、区画された前記レーザ光の周囲に不活性ガスを供給しながら前記レーザ光を照射する、レーザ積層造形方法。
レーザ積層造形装置は、エネルギー線を照射することにより、金属粉末を焼結して又は溶融固化させて、金属の層を造形し、造形された層を積層する。
本明細書において、「金属粉末を焼結等する」と記載した場合、金属粉末を焼結すること又は金属粉末を溶融固化させることを意味する。なお、金属粉末を焼結等して造形される金属の層を単に、「焼結層」とも記すことがある。
本明細書において、金属粉末の「変性」とは、エネルギー線の照射の前後における金属粉末の物理的性質及び化学的性質の変化を意味する。金属粉末の物理的性質及び化学的性質の変化としては、ヒューム及びスパッタ等の不純物が金属粉末に混入していること、金属粉末の金属粒子同士が凝集して凝集物が発生していること、金属粒子の酸化物が生成していること等が例示される。
本明細書において、シールドガスとは、金属粉末を焼結等する際に、金属粉末の周囲の酸素ガス濃度を低減すること等を目的として金属粉末の周囲に供給されるガスを意味する。
供給槽9の底面は、第1昇降台13に支持されている。第1昇降台13は、図1中に示す上方向に移動可能である。これにより、供給槽9の底面は、図1中に示す上方向に移動できる。
造形槽10の底面は、第2昇降台14に支持されている。第2昇降台14は、図1中に示す下方向に移動可能である。これにより、造形槽10の底面は、図1中に示す下方向に移動できる。
リコーター11は、造形ステージ6の上面に沿って、当該上面と水平方向に移動可能である。リコーター11の先端11aは、造形ステージ6の上面と接する。そのため、リコーター11が図1中に示す造形ステージ6の上面上の左方向に移動すると、当該上面にある金属粉末が図1中に示す造形ステージ6の上面上の左方向に搬送され、供給槽9及び造形槽10の上面が造形ステージ6の上面と面一になる。
金属粉末Mの金属粒子の粒径としては、10〜200μm程度とすることができる。
内筒部18及び外筒部19は、筒状の界壁からなる部材であり、内側と外側との雰囲気をそれぞれ区画する。
内筒部18の内側の空間は、基端及び先端(すなわち両端)が開口する。
内筒部18と外筒部19との間の空間は、基端が閉塞し、先端が開口する。
これにより、チャンバ5内のレーザLは、内筒部18の内側の空間を通過する。
また、後述する第1シールドガス供給部8から内筒部18と外筒部19との間の空間に供給したシールドガス(不活性ガス)を、当該空間の先端から下方(第2シールド部材17内)に向けて供給できる。これにより、レーザLが通過する部分の周囲の空間を局所的にシールドガスで覆うことができる。
例えば、図3に示すように、内筒部18及び外筒部19の先端側の開口の形状がいずれも円形であってもよい。
第2シールド部材17は、筒状の界壁からなる部材(筒状部材)であり、内側と外側との雰囲気をそれぞれ区画する。
第2シールド部材17の内側の空間は、基端及び先端(すなわち両端)が開口する。また、第2シールド部材17の断面形状は、外筒部19と相似形(四角形)である。
すなわち、大きな空間であるチャンバ5内から区画された小さな空間であるシールドカバー7内をより少量のシールドガスで効率よくパージすることができる。
また、シールドカバー7の材質は、使用環境に応じて適宜選択してもよい。例えば、耐熱性を有するものや、耐圧性を有するもの、発塵しないものを用いてもよい。
移動機構22は、チャンバ5の外側に位置する。このため、移動機構22は、比較的大型であってもよい。
移動機構22は、第2シールド部材17の基端部(上端部)の一部に固定され、鉛直方向上下に延在する引上げ部材23と、回転ギア24とを有する。
図4に示すように、回転ギア24を回転させると、引上げ部材23が鉛直方向上下に移動する。そして、引上げ部材23に固定された第2シールド部材17全体が外筒部19の軸方向に対して垂直方向上下に摺動する。なお、第2シールド部材17は、垂直方向上方に移動する際、チャンバ5を貫通してチャンバ5の外側に引き出される。これにより、第2シールド部材17の先端を退避することができる。
第1シールドガス供給部8は、チャンバ5内にシールドガスを供給して、チャンバ5内に残留する大気成分(例えば、酸素)を当該シールドガスでパージできる。
第1シールドガス供給部8は、シールドカバー7の内側の空間を選択的にパージできる。これにより、造形槽10の表層に位置する金属粉末Mが酸化しにくくなり、金属粉末Mの変性を防止しやすくなる。そのため、金属造形物Sの機械的物性がさらに向上し、金属造形物Sの形状の劣化を低減できる。
第1シールドガス供給部8の数は、特に限定されるものではなく、シールドカバー7内全体にシールドガスを供給できるように複数設けても良い。
なお、本明細書においての圧力は、すべて「ゲージ圧力」であり、ブルドン管圧力計を用いて、25℃の条件下で測定される値である。
本実施形態のレーザ積層造形方法は、チャンバ5内の造形ステージ6が有する造形槽10に金属粉末Mを充填する第1ステップと、造形槽10内の金属粉末Mの表層にレーザ(レーザ光)Lを照射して金属粉末Mを焼結又は溶融固化させた金属の層を造形する第2ステップと、を含み、上記第1ステップと上記第2ステップとを繰り返し行い、上記金属の層を積層して金属造形物Sを製造するものである。そして、上記第2ステップの際、チャンバ5内の雰囲気とレーザLの周囲の雰囲気とを区画し、区画されたレーザLの周囲にシールドガス(不活性ガス)を供給しながらレーザLを照射して金属の層を造形する。
レーザLの照射により、レーザLが照射された部分の金属粉体Mが焼結され、金属粉体の焼結物がレーザLの描画線に沿って任意の形状に造形される。その結果、金属層が任意の形状に造形される。
2…レーザ発振器(レーザ光源)
3…光学系
4…造形部
5…チャンバ
6…造形ステージ
7,57…シールドカバー
8…第1シールドガス供給部(不活性ガス供給部)
9…供給槽
10…造形槽
11…リコーター
12…凹部
13…第1昇降台
14…第2昇降台
16…第シールド部材
17,27…第2シールド部材
18…内筒部
19…外筒部
20…保護レンズ
21…ガス拡散機構
22,28…移動機構
25…第2シールドガス供給部
26…パージガス排出口
L…レーザ(レーザ光)
M…金属粉末
S…金属造形物
Claims (12)
- 金属粉末の表層にレーザ光を照射して前記金属粉末を焼結又は溶融固化させた金属の層を造形し、前記層を積層して金属造形物を製造するレーザ積層造形装置であって、
チャンバと、
前記チャンバ内に位置し、金属粉末を充填する造形槽を表面に有する造形ステージと、
前記造形槽内の前記金属粉末の表層にレーザ光を照射するレーザ光源と、
前記チャンバ内に位置し、前記チャンバ内の前記レーザ光の周囲を覆い、前記チャンバ内の雰囲気と前記レーザ光の周囲の雰囲気とを区画するシールドカバーと、
前記シールドカバー内に不活性ガスを供給する、不活性ガス供給部と、を備える、レーザ積層造形装置。 - 前記シールドカバーは、両端に前記レーザ光が通過する開口を有する筒状部材を含む、請求項1に記載のレーザ積層造形装置。
- 前記筒状部材は、前記筒状部材の軸方向と、前記チャンバ内の前記レーザ光の照射方向とが一致するように配置される、請求項2に記載のレーザ積層造形装置。
- 前記筒状部材が、1以上の不活性ガス排気口を有する、請求項2又は3に記載のレーザ積層造形装置。
- 前記シールドカバー内の不活性ガスの流れを、前記レーザ光の照射方向と同一方向の層流とするガス拡散機構を有する、請求項1乃至4に記載のレーザ積層造形装置。
- 前記シールドカバーの前記造形ステージの表面と対向する側の端部が、前記造形ステージの表面に対して垂直方向に移動する移動機構を有する、請求項1乃至5に記載のレーザ積層造形装置。
- 前記シールドカバーは、内筒部と外筒部とからなる二重管構造を有する第1シールド部材と、
前記外筒部に接続する、両端開口の筒状部材からなる第2シールド部材と、を有する請求項1に記載のレーザ積層造形装置。 - 前記内筒部の内側をレーザ光が通過し、
前記内筒部と外筒部との間の空間から、前記第2シールド部材内へ前記不活性ガスを供給する、請求項7に記載のレーザ積層造形装置。 - 前記内筒部と外筒部との間の空間に、ガス拡散機構を配置する、請求項8に記載のレーザ積層造形装置。
- 前記内筒部の内側に、前記シールドカバー内の雰囲気と前記内筒部内の雰囲気とを区画する保護レンズを配置する、請求項8又は9に記載のレーザ積層造形装置。
- 前記第2シールド部材の前記造形ステージの表面と対向する側の端部が、前記造形ステージの表面に対して垂直方向に移動する移動機構を有する、請求項7乃至10に記載のレーザ積層造形装置。
- チャンバ内の造形ステージが有する造形槽に金属粉末を充填する第1ステップと、
前記造形槽内の前記金属粉末の表層にレーザ光を照射して前記金属粉末を焼結又は溶融固化させた金属の層を造形する第2ステップと、を含み、
前記第1ステップと前記第2ステップとを繰り返し行い、前記層を積層して金属造形物を製造するレーザ積層造形方法であって、
前記第2ステップの際、前記チャンバ内の雰囲気と前記レーザ光の周囲の雰囲気とを区画し、区画された前記レーザ光の周囲に不活性ガスを供給しながら前記レーザ光を照射する、レーザ積層造形方法。
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