JP2018135567A - 三次元造形物の製造装置及び三次元造形物の製造方法 - Google Patents

三次元造形物の製造装置及び三次元造形物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】高品質の構成材料で三次元造形物を製造する。
【解決手段】三次元造形物Oの構成材料を供給する供給部7と、供給部7により供給された構成材料を加工する加工部22と、加工部22とは別に設けられ、少なくとも加工部22による加工領域26を取り巻く領域27の気体を活性化した気体Aにする活性化部6と、を備えることを特徴とする三次元造形物Oの製造装置1。このような三次元造形物Oの製造装置1とすることにより、高品質の構成材料で三次元造形物Oを製造することが可能になる。
【選択図】図1

Description

本発明は、三次元造形物の製造装置及び三次元造形物の製造方法に関する。
従来から、様々な構成の三次元造形物の製造装置が使用されている。このうち、三次元造形物の構成材料を作業領域に供給し、供給された構成材料を加熱するなどして加工する三次元造形物の製造装置が使用されている。
例えば、特許文献1には、反応性ガスが供給されたチャンバー内において三次元造形物の構成材料である粉状材料に電子ビームを照射して、粉状材料を加工するとともに、反応性ガスが粉状材料を反応できるようにする三次元造形物の製造装置が開示されている。
特開2011−506761号公報
特許文献1の三次元造形物の製造装置は、反応性ガスが粉状材料を反応できるようにすることで、高品質の構成材料で三次元造形物を製造することを目的としている。しかしながら、特許文献1の三次元造形物の製造装置は、三次元造形物の構成材料である粉状材料を加工する手段と、反応性ガスが粉状材料と反応できるようにする手段とが、共通(1の電子銃)である。このような構成の場合、粉状材料を加工する制御と、反応性ガスを粉状材料と反応できるようにする制御との、個別制御ができない。このため、十分には、高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができなかった。
そこで、本発明の目的は、高品質の構成材料で三次元造形物を製造することである。
上記課題を解決するための本発明の第1の態様の三次元造形物の製造装置は、三次元造形物の構成材料を供給する供給部と、前記供給部により供給された前記構成材料を加工する加工部と、前記加工部とは別に設けられ、少なくとも前記加工部による加工領域を取り巻く領域の気体を活性化した気体にする活性化部と、を備えることを特徴とする。
本態様によれば、少なくとも加工部による加工領域を取り巻く領域の気体を活性化した気体にする活性化部を、加工部とは別に備える。このため、構成材料を加工する制御と、反応性ガスを構成材料と反応できるようにする制御との、個別制御ができ、高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
本発明の第2の態様の三次元造形物の製造装置は、前記第1の態様において、前記加工部は、前記構成材料にレーザー光を照射して、前記構成材料を加工する構成であることを特徴とする。
本態様によれば、構成材料にレーザー光を照射して構成材料を加工することができる。このような構成とすることで、例えば、構成材料に電子ビームを照射して構成材料を加工する構成などとは異なり、加工領域を取り巻く領域などを高真空にする必要が無く、装置構成を簡単にできる。
本発明の第3の態様の三次元造形物の製造装置は、前記第1又は第2の態様において、前記活性化部は、局所的に、前記加工領域を取り巻く領域の気体を活性化することを特徴とする。
本態様によれば、活性化部は局所的に加工領域を取り巻く領域の気体を活性化するので、気体の活性化が効率的になり、効率的に高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
本発明の第4の態様の三次元造形物の製造装置は、前記第3の態様において、前記活性化部は、リモートプラズマを使用して活性化した気体を、前記加工領域を取り巻く領域に供給する構成であることを特徴とする。
本態様によれば、活性化部は、リモートプラズマを使用して活性化した気体を、加工領域を取り巻く領域に供給する。リモートプラズマを使用することで、例えばライフタイムの長いラジカルを生成できるなど、効果的に気体を活性化することができ、効果的に高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
本発明の第5の態様の三次元造形物の製造装置は、前記第3の態様において、前記活性化部は、前記加工領域を取り巻く領域に電磁波を照射して、前記加工領域を取り巻く領域の気体を活性化することを特徴とする。
本態様によれば、活性化部は、加工領域を取り巻く領域に電磁波を照射して、加工領域を取り巻く領域の気体を活性化する。電磁波の照射装置は構成が簡単であるため、簡単な装置構成で高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
本発明の第6の態様の三次元造形物の製造装置は、前記第1から第5のいずれか1つの態様において、前記活性化部により活性化される気体は、水素、窒素、酸素、アンモニア、炭化水素及び有機化合物の少なくとも1つを含有する1又は複数の成分で構成されていることを特徴とする。
本態様によれば、活性化部により活性化される気体は、水素、窒素、酸素、アンモニア、炭化水素及び有機化合物の少なくとも1つを含有する1又は複数の成分で構成されている。これらの気体は簡単に入手できるので、簡単に高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
本発明の第7の態様の三次元造形物の製造装置は、前記第1から第6のいずれか1つの態様において、前記活性化部により活性化された気体を回収する回収部を備えることを特徴とする。
本態様によれば、活性化部により活性化された気体を回収する回収部を備えるので、三次元造形物の製造が終了した場合などにおいて、不要となった活性化された気体を簡単に回収することができる。
本発明の第8の態様の三次元造形物の製造方法は、三次元造形物の構成材料を供給する供給工程と、前記供給工程で供給された前記構成材料を加工部により加工する加工工程と、前記加工工程の実行中に行われ、前記加工部とは別に設けられる活性化部により、少なくとも前記加工部による加工領域を取り巻く領域の気体を活性化した気体にする活性化工程と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、少なくとも加工部による加工領域を取り巻く領域の気体を活性化した気体にする活性化部を、加工部とは別に備える。このため、構成材料を加工する加工工程における制御と、反応性ガスを構成材料と反応できるようにする活性化工程における制御との、個別制御ができ、高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
本発明の実施例1に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図。 本発明の実施例1に係る三次元造形物の製造装置を用いて行う三次元造形物の製造方法のフローチャート。 本発明の実施例2に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図。 本発明の実施例3に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図。 本発明の実施例4に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図。 本発明の実施例5に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図。 本発明の実施例6に係る三次元造形物の製造装置の構成を示す概略構成図。 本発明の実施例7に係る三次元造形物の製造装置の要部の構成を示す概略断面図。 本発明の実施例8に係る三次元造形物の製造装置の要部の構成を示す概略断面図。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。
[実施例1](図1及び図2)
最初に、本発明の実施例1に係る三次元造形物Oの製造装置1について説明する。
図1は、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の構成を示す概略構成図である。
本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、制御部3と、三次元造形物Oの構成材料を含む流動体Iをステージ10上に吐出可能な吐出部7と、吐出部7から吐出された流動体Iにレーザー光Lを照射可能なレーザー発生部4及びガルバノミラー部5からなるガルバノレーザーユニット22と、レーザー光Lの照射領域に活性化した気体Aを供給可能な活性化部としてのリモートプラズマユニット6と、を備えている。
ここで、制御部3は、三次元造形物Oのデータの供給元であるPC2のほか、吐出部7、ガルバノレーザーユニット22、リモートプラズマユニット6及びステージ10の駆動部11などと電気的に接続されており、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の全体の制御を行う。本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、制御部3の制御により、駆動部11を制御してステージ10を所望の高さ(鉛直方向である図中の方向Zに沿う方向の位置)に調整する。そして、制御部3の制御により、ガイドレール8に沿って吐出部7を水平方向である図中の方向Xに沿う方向に往復移動させながら、さらに場合によっては方向Xと交差する水平方向である図中の方向Yに沿う方向に吐出部7或いはステージ10を移動させて、流動体Iをステージ10上に吐出させる。なお、ステージ10は壁部12で囲まれており、ステージ10の高さの調整はステージ10上に形成される三次元造形物Oの高さに応じて随時行われる。
また、図中の三次元造形物Oにおけるオーバーハング部及び空洞部には、吐出部7から供給されレーザー光Lを照射しないことにより構成される支持層で三次元造形物Oを形成する。
また、本実施例の流動体Iは三次元造形物Oの構成材料としての金属粒子(金属粉末)を含んでいる。そして、ガルバノレーザーユニット22から照射されるレーザー光Lは、該金属粒子を溶融又は焼結させる(構成材料を加工する)ことが可能に構成されている。このため、ステージ10上に吐出された流動体Iは、レーザー光Lが照射されることにより、固化する。
また、上記のように、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、レーザー光Lの照射領域(加工領域26)に活性化した気体Aを照射可能なリモートプラズマユニット6を備えている。図1においては、活性化させる気体としての窒素を収容したボンベ15がリモートプラズマユニット6にガス管9を介して接続されており、流量は1L/min〜20L/min程度を導入する。リモートプラズマユニット6は、吐出部7及びレーザー光Lの光路上に干渉することなく配置される。また、リモートプラズマユニット6は、三次元造形物Oの近辺に配置されることが望ましい。このような構成としていることで、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、ステージ10上に吐出された流動体Iにレーザー光Lが照射されている際に、活性化した窒素をレーザー光Lの照射領域に供給することが可能になっている。
金属材料に窒素を含有させることで金属材料の剛性や耐食性などを高めることが可能である。ただし、ただ窒素雰囲気下で金属を溶融又は焼結させても、窒素の含有量を高めることは困難である。金属材料を窒化するためには、大きなエネルギーが必要になるためである。一方、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、上記のように、リモートプラズマユニット6において窒素を活性化させ、活性化した状態の窒素をレーザー光Lの照射領域に供給させながら、ステージ10上に吐出された流動体Iにレーザー光Lを照射(すなわち金属材料を溶融又は焼結)させることができる。このため、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、効果的に窒素を三次元造形物Oの構成材料に含有させることができ、金属材料の剛性や耐食性などを高めることが可能である。なお、本実施例における窒素の活性化は、窒素をラジカル化させることを意味している。
なお、本実施例の金属材料はSUS316L(炭素0.03%、ケイ素0.4%、マンガン0.2%、ニッケル11%、クロム19%、モリブデン2.3%)を使用し、さらに流動体IにB(ボロン)を0.05〜5重量%程度含有させた。このような構成材料を使用することで、三次元造形物Oを、BN(ボロンナイトライド)を分散させた剛性及び耐食性の高い材質とすることができる。ただし、構成材料の種類や組成などに特に限定はない。
なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、使用するボンベ15を交換する(使用するボンベ15の種類を変える)ことで、簡単にレーザー光Lの照射領域に照射する反応性ガス(活性化した気体A)の種類を変えることができる。例えば、窒素のほか、水素、酸素、アンモニア、一酸化炭素などの炭化水素、その他、様々な有機化合物を単独或いは組み合わせて使用することができる。
このうち、活性化部(リモートプラズマユニット6)により活性化される気体は、水素、窒素、酸素、アンモニア、炭化水素及び有機化合物の少なくとも1つを含有する1又は複数の成分で構成されていることが好ましい。これらの気体は簡単に入手できるので、簡単に高品質の構成材料で三次元造形物Oを製造することができるためである。
なお、例えば窒素は三次元造形物Oの剛性や耐食性などを高めることなどに使用できるが、酸素は例えば表層にアルミナを形成するなど酸化被膜を形成する(金属などを酸化させる)ことなどに使用でき、水素やアンモニアや一酸化炭素などの炭化水素や有機化合物は三次元造形物Oの構成材料を還元することなどに使用できる。これらの反応性ガスは、使用する構成材料の種類や構成材料に求められる特性に応じて使い分けることが好ましい。
また、図1で表されるように、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、筐体部13により、吐出部7、ガルバノレーザーユニット22、リモートプラズマユニット6などがカバーされており、効率的にこれらの作業領域をカバーしている。このような構成としていることで、流動体I、レーザー光L、活性化した気体Aなどが装置の外に漏れることを抑制している。
また、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、筐体部13に、リモートプラズマユニット6により活性化された気体A(窒素)を回収する回収部としての排気口14を備えている。このため、三次元造形物Oの製造が終了した場合などにおいて、不要となった活性化した気体Aを簡単に回収することができる構成になっている。
ここで一旦まとめると、上記のように、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、三次元造形物Oの構成材料(流動体I)を供給する供給部としての吐出部7と、吐出部7により供給された構成材料をレーザー光Lにより加工する加工部としてのガルバノレーザーユニット22と、ガルバノレーザーユニット22とは別に設けられ、少なくともガルバノレーザーユニット22による加工領域26を取り巻く領域27の気体を活性化した気体Aにする活性化部としてのリモートプラズマユニット6と、を備えている。
このように、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は活性化部(リモートプラズマユニット6)を加工部(ガルバノレーザーユニット22)とは別に備える構成であるため、制御部3は構成材料を加工する制御と反応性ガスを構成材料と反応できるようにする制御との個別制御ができ、高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
なお、「加工」とは、例えば、本実施例のように、構成材料(金属など)を溶融又は焼結することなどが挙げられる。
また、「加工領域26を取り巻く領域27の気体を活性化した気体Aにする」とは、詳細には、加工領域26を取り巻く領域27の少なくとも一部の気体を活性化した気体Aにすることを意味する。
また、本実施例の加工部としてのガルバノレーザーユニット22は、構成材料である流動体Iにレーザー光Lを照射(光子を照射)して、構成材料を加工する構成である。そして、このような構成としていることで、例えば、構成材料に電子ビームを照射(電子を照射)して構成材料を加工する構成などとは異なり、加工領域26を取り巻く領域27などを高真空にする必要が無く、装置構成を簡単にできている。
なお、レーザー光Lを用いて鉄系金属粒子を加工する場合、レーザー光Lの波長は1μm程度の波長であることが好ましい。このような波長とすることで金属の光吸収による加工が容易になるためである。そして、このような波長である場合、金属粒子を瞬間的に高温化するが瞬間的に低温化するが、レーザー光L単独によっては気体の光吸収による活性化は起きない。
また、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、リモートプラズマユニット6により、局所的に、ガルバノレーザーユニット22による構成材料の加工領域26を取り巻く領域27の気体を活性化する構成である。このような構成であるため、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、気体の活性化が効率的(構成材料の加工領域26を取り巻く領域27の窒素ラジカルの密度を高くできる)になり、効率的に高品質の構成材料で三次元造形物Oを製造することができる。一方、従来の一般的な方法では例えば0.15%程度までしか窒素を含有させることができず、0.5%程度まで窒素を含有させることが可能な加圧ESR法や加圧誘導妖怪鋳造法などを用いると大型で複雑な装置が必要となる。
ただし、本実施例の三次元造形物Oのような構成に限定されない。活性化部としてリモートプラズマユニット6の代わりにUV照射ユニット18を備える後述の実施例4及び実施例5の三次元造形物Oの製造装置1のような構成(図5及び図6参照)でもよい。さらには、リモートプラズマユニット6を備える代わりに、筐体部13の内部を高圧化することで該内部の気体全体を活性化させる高圧化装置を備えていてもよい。
なお、「局所的に、…活性化する」とは、筐体部13の内部の気体全体ではなく、筐体部13の内部の気体のうちの加工領域26を取り巻く領域27の気体のみを活性化するという意味である。ただし、加工領域26を取り巻く領域27の範囲は柔軟に判断可能である。
また、上記のように、本実施例の活性化部としてのリモートプラズマユニット6は、リモートプラズマを使用して活性化した気体Aを、ガルバノレーザーユニット22による構成材料の加工領域26を取り巻く領域27に供給する構成である。すなわち、本実施例の活性化部は、リモートプラズマを使用して活性化した気体Aを、加工領域26を取り巻く領域27に供給する。リモートプラズマを使用することで、例えばライフタイムの長いラジカルを生成できるなど、効果的に気体を活性化することができ、効果的に高品質の構成材料で三次元造形物Oを製造することができる。
上記のような構成により、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、吐出部7による構成材料の供給と、ガルバノレーザーユニット22による加工(溶融又は焼結)及びリモートプラズマユニット6による加工領域26を取り巻く領域27の気体の活性化と、からなる層形成を繰り返して、該層を積層することにより、三次元造形物Oを製造可能である。
次に、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1を用いて行う三次元造形物の製造方法を説明する。
図2は、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1を用いて行う三次元造形物の製造方法のフローチャートである。
本実施例の三次元造形物Oの製造方法においては、最初に、ステップS110で、三次元造形物OのデータをPC2から入力する。
次に、ステップS120で、吐出部7から流動体Iを吐出することによって、ステージ10上に、1層分の三次元造形物Oの構成材料を供給する。
次に、ステップS130で、吐出部7により供給された構成材料をガルバノレーザーユニット22からレーザー光Lを照射することにより加工するとともに、ガルバノレーザーユニット22とは別に設けられるリモートプラズマユニット6により、少なくともガルバノレーザーユニット22による加工領域26を取り巻く領域27に窒素ラジカルを供給する。
次に、ステップS140で、ステップS110で入力したデータに基づいて全層分の層形成が終了したか否かを判断し、終了していないと判断した場合はステップS120に戻り、終了したと判断した場合は本実施例の三次元造形物Oの製造方法を終了する。
このように、本実施例の三次元造形物Oの製造方法は、三次元造形物Oの構成材料を供給する供給工程(ステップS120)と、供給工程で供給された構成材料を加工部により加工する加工工程(ステップS130)と、加工工程の実行中に行われ、加工部とは別に設けられる活性化部により、少なくとも加工部による加工領域26を取り巻く領域27を取り巻く領域の気体を活性化した気体Aにする活性化工程(ステップS130)と、を有する。
本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、少なくとも加工部による加工領域26を取り巻く領域27を取り巻く領域の気体を活性化した気体Aにする活性化部を、加工部とは別に備える。このため、本実施例の三次元造形物Oの製造方法は、構成材料を加工する加工工程における制御と、反応性ガスを構成材料と反応できるようにする活性化工程における制御との、個別制御ができ、高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
[実施例2](図3)
次に、実施例2の三次元造形物Oの製造装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図3は本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の概略図であり、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1の図1に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、三次元造形物の構成材料を供給する供給部の構成以外は、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1と同様の構成である。このため、供給部の構成以外の説明は省略する。
図3で表されるように、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1における供給部は、構成材料としてのパウダー状の粉末材料Mを収容可能であり該粉末材料Mを付与することで層Rをステージ10上に形成可能な層形成部16と、該層Rの表面を均すことが可能なスキージー17と、で構成されている。また、層形成部16及びスキージー17は、制御部3と電気的に接続されており、制御部3の制御により駆動する。
ステージ10は、壁部12により水平方向(図中の方向X及び方向Y)に囲われているとともに、制御部3の制御により鉛直方向(図中の方向Z)に沿って移動可能な構成になっている。本実施形態の三次元造形物Oの製造装置1は、層Rを方向Zに沿って積層して三次元造形物Oを製造する装置であるが、層Rを形成する際、ステージ10の位置を層Rの厚さ(所望の厚さ)に対応させる。具体的には、ステージ10の上面の位置から壁部12の上面の位置までの距離が、形成する層Rの所望の厚さと等しくなるようにステージ10を配置させる。そして、層Rを積層する(次の層を形成する)ことに伴い、1層形成する毎に、形成する層Rの厚さ分ずつステージ10を下げていく。
層形成部16は、水平方向(図中の方向X及び方向Y)に移動可能な構成になっており、制御部3の制御により、水平方向に移動しつつステージ10上に粉末材料Mを付与(拡散)することで、ステージ10の上面に万遍なく粉末材料Mを付与可能な構成になっている。ただし、層形成部16により形成された層Rは表面上が凸凹になっている。
スキージー17は、方向Yに沿って延びる板状の部材であり、方向Xに沿って延びるガイドレール23に沿ってX方向に移動可能な構成になっている。本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、このような構成のスキージー17を制御部3の制御により移動させることで、層形成部16により形成された層Rの表面を滑らかに均すことが可能な構成になっている。なお、スキージー17は、壁部12の上面と接触しつつX方向に移動する。このため、スキージー17の移動後にステージ10に形成される層Rは、所望の厚さとなっている。
[実施例3](図4)
次に、実施例3の三次元造形物Oの製造装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図4は本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の概略図であり、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1の図1に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、ボンベ15の接続部24の構成以外は、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1と同様の構成である。このため、ボンベ15の接続部24の構成以外の説明は省略する。
図4で表されるように、本実施例のボンベ15の接続部24は、複数のボンベ15を接続可能になっている。このため、複数種類の気体(反応性ガス)を切り替えながら、或いは、複数種類の気体を混ぜて使用することが可能な構成になっている。なお、本実施例においては、ボンベ15のうちのボンベ15aを窒素、ボンベ15のうちのボンベ15bを水素としているが、このような例に限定されない。
[実施例4](図5)
次に、実施例4の三次元造形物Oの製造装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図5は本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の概略図であり、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1の図1に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、活性化部の構成以外は、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1と同様の構成である。このため、活性化部の構成以外の説明は省略する。
図5で表されるように、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、リモートプラズマユニット6の代わりに、活性化部として、加工領域26を取り巻く領域27に電磁波である紫外線(UV)を照射して、加工領域26を取り巻く領域27の気体Uを活性化するUV照射ユニット18を備えている。
このように、本実施例の活性化部は、加工領域26を取り巻く領域27に電磁波であるUVを照射して、加工領域26を取り巻く領域27の気体を活性化する構成である。電磁波の照射装置は構成が簡単であるため、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、簡単な装置構成で高品質の構成材料で三次元造形物を製造することができる。
なお、詳細には、本実施例のUV照射ユニット18は、100nm以上400nm以下の波長域の紫外線を照射する構成である。UV照射ユニット18としては、例えば、高輝度真空紫外(VYV)光源ユニットL10366シリーズ(浜松ホトニクス株式会社製)などを好ましく用いることができる。
また、図5で表されるように、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、ボンベ15により筐体部13の内部に窒素を充満させ、加工領域26を取り巻く領域27の気体UをUVにより活性化する構成である。
[実施例5](図6)
図6は本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の概略図であり、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1の図1に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、実施例2の三次元造形物Oの製造装置1の供給部と、実施例4の三次元造形物Oの製造装置1の活性化部とを備え、それ以外は実施例1の三次元造形物Oの製造装置1と同様の構成である。このため、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の詳細な説明は省略する。
[実施例6](図7)
次に、実施例6の三次元造形物Oの製造装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図7は本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の概略図であり、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1の図1に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、三次元造形物の構成材料を供給する供給部の構成以外は、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1と同様の構成である。このため、供給部の構成以外の説明は省略する。
図1で表されるように、実施例1の供給部としての吐出部7は、三次元造形物Oの構成材料である流動体Iを液滴状に吐出する構成であった。
一方、本実施例の供給部28は、図7で表されるように、三次元造形物Oの構成材料である流動体Iを連続状態で供給する構成である。なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、供給部28から流動体Iを連続状態で供給すること以外は、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1と同様の構成である。
[実施例7](図8)
次に、実施例7の三次元造形物Oの製造装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図8は本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の要部である供給部29の概略断面図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、三次元造形物の構成材料を供給する供給部29が構成材料の加工部を兼ねる構成であり、供給部及び加工部の構成以外は、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1と同様の構成である。このため、供給部29の構成以外の説明は省略する。
本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の供給部29は、構成材料としてのパウダー状の粉末材料Mの通路19と、該通路19の先端部である排出口21にレーザー光Lを照射可能なレーザー照射部20と、を有している。そして、通路19を方向Fに移動し排出口21から排出された粉末材料Mにレーザー光Lを照射することによって該粉末材料Mを溶融させることによりステージ10上に三次元造形物Oを製造可能な構成になっている。なお、図8は、供給部29を方向Xに沿って図中の右方向に移動させながら層形成を行っている状態を表している。
[実施例8](図9)
次に、実施例8の三次元造形物Oの製造装置1について、添付図面を参照して詳細に説明する。
図9は本実施例の三次元造形物Oの製造装置1の概略図であり、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1の図1に対応する図である。なお、上記実施例1と共通する構成部材は同じ符号で示しており、詳細な説明は省略する。
なお、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、加工部及び活性化部の構成以外は、実施例1の三次元造形物Oの製造装置1と同様の構成である。このため、活性化部の構成以外の説明は省略する。
図9で表されるように、本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、ガルバノミラー部5及びリモートプラズマユニット6の代わりに、加工部及び活性化部の役割を兼ねる、加工及び活性化ユニット30を備えている。
加工及び活性化ユニット30は、絶縁部31を有し、レーザー光Lを通過させる貫通孔を有する中央電極部33に高周波電源32が接続されている。なお、図9では省略されて表されているが、高周波電源32及び加工及び活性化ユニット30の外周ガス導入ハウジング部34は、共に接地されており、中央電極部33と外周ガス導入ハウジング部34の間にプラズマを形成することができ、導入するガスを効率良く活性化させることができる。また加工及び活性化ユニット30は、三次元造形物Oの加工部に近接すればするほど、ガスの反応を高めることができる。また、本形態においては、レーザー光Lの光路とプラズマ活性化領域が同軸上に形成されるため、粉状材料の溶融と反応性ガスの供給が最も効率よく行うことができる。さらには、プラズマにより高温化された反応ガスは、溶融部を冷却することなく、溶融部から発生するヒュームを外周に除去するため、レーザー光Lの通過する光学窓へのヒュームの付着を防止することができる。
なお、加工及び活性化ユニット30は、リモートプラズマユニット6にレーザー光Lを透過させるための光学窓を備えた物であっても構わない。
本実施例の三次元造形物Oの製造装置1は、加工及び活性化ユニット30においてボンベ15から供給された反応性ガス(窒素)NをプラズマPで活性化し、プラズマPで活性化された反応性ガスNを加工領域26を取り巻く領域27に付与するとともにレーザー発生部4から照射されたレーザー光Lを加工領域26を取り巻く領域27に付与することが可能な構成になっている。
本発明は、上述の実施例に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の構成で実現することができる。例えば、発明の概要の欄に記載した各形態中の技術的特徴に対応する実施例中の技術的特徴は、上述の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、上述の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
1…三次元造形物Oの製造装置、2…PC、3…制御部、4…レーザー発生部、
5…ガルバノミラー部、6…リモートプラズマユニット(活性化部)、
7…吐出部(供給部)、8…ガイドレール、9…ガス管、10…ステージ、
11…ステージ10の駆動部、12…壁部、13…筐体部、14…排気口(回収部)、
15…ボンベ、15a…ボンベ、15b…ボンベ、16…層形成部(供給部)、
17…スキージー(供給部)、18…UV照射ユニット(活性化部)、
19…粉末材料Mの通路、20…レーザー照射部、21…排出口、
22…ガルバノレーザーユニット(加工部)、23…ガイドレール、
24…ボンベ15の接続部、26…加工領域、27…加工領域26を取り巻く領域、
28…供給部、29…供給部(加工部)、
30…加工及び活性化ユニット(加工部及び活性化部)、31…絶縁部、
32…高周波電源、I…三次元造形物Oの構成材料である流動体、
33…中央電極部、34…外周ガス導入ハウジング部、L…レーザー光、
M…三次元造形物Oの構成材料であるパウダー状の粉末材料、N…反応性ガス、
O…三次元造形物、P…プラズマ、R…層

Claims (8)

  1. 三次元造形物の構成材料を供給する供給部と、
    前記供給部により供給された前記構成材料を加工する加工部と、
    前記加工部とは別に設けられ、少なくとも前記加工部による加工領域を取り巻く領域の気体を活性化した気体にする活性化部と、
    を備えることを特徴とする三次元造形物の製造装置。
  2. 請求項1に記載された三次元造形物の製造装置において、
    前記加工部は、前記構成材料にレーザー光を照射して、前記構成材料を加工する構成であることを特徴とする三次元造形物の製造装置。
  3. 請求項1又は2に記載された三次元造形物の製造装置において、
    前記活性化部は、局所的に、前記加工領域を取り巻く領域の気体を活性化することを特徴とする三次元造形物の製造装置。
  4. 請求項3に記載された三次元造形物の製造装置において、
    前記活性化部は、リモートプラズマを使用して活性化した気体を、前記加工領域を取り巻く領域に供給する構成であることを特徴とする三次元造形物の製造装置。
  5. 請求項3に記載された三次元造形物の製造装置において、
    前記活性化部は、前記加工領域を取り巻く領域に電磁波を照射して、前記加工領域を取り巻く領域の気体を活性化することを特徴とする三次元造形物の製造装置。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載された三次元造形物の製造装置において、
    前記活性化部により活性化される気体は、水素、窒素、酸素、アンモニア、炭化水素及び有機化合物の少なくとも1つを含有する1又は複数の成分で構成されていることを特徴とする三次元造形物の製造装置。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載された三次元造形物の製造装置において、
    前記活性化部により活性化された気体を回収する回収部を備えることを特徴とする三次元造形物の製造装置。
  8. 三次元造形物の構成材料を供給する供給工程と、
    前記供給工程で供給された前記構成材料を加工部により加工する加工工程と、
    前記加工工程の実行中に行われ、前記加工部とは別に設けられる活性化部により、少なくとも前記加工部による加工領域を取り巻く領域の気体を活性化した気体にする活性化工程と、
    を有することを特徴とする三次元造形物の製造方法。
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