JP7162298B2 - 付加製造方法及び付加製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、金属造形物を形成する方法及び装置であって、特に、多孔性領域を含む金属造形物を形成する方法及び装置に関する。
多孔性領域を含む金属造形物は、重量、絶縁性、接合性等の観点から優れた性能を発揮する。このような多孔性領域を含む金属造形物の製造方法として、金属粉末と揮発性有機溶剤等からなる発泡剤とを含有する発泡性スラリーを板状に成形し、発泡させた後に焼結して、金属多孔質材からなる板状の造形物を形成する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平2010-90416号公報
特許文献1に記載の形成方法では、ドクターブレードで発泡性スラリーを成型するので、板状の造形物しか形成できない。また、発泡性スラリーを成型後、乾燥炉で乾燥、発泡させ、焼結炉で焼結して造形物を形成するので、様々な製造設備、多くの製造工程及び多くの製造時間を要する。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、多孔性領域を含む様々な形状の金属造形物を少ない工程で効率的に形成可能な付加製造方法及び付加製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の1つの実施態様に係る加製造方法は、
レーザ光を照射領域に照射する照射部及び前記照射領域にキャリアガスとともに金属粉末を供給する供給部を有するヘッド部と、前記ヘッド部及び造形領域を相対的に移動させる移動機構と、を備えた付加製造装置を用いた造形物の製造方法であって、
前記金属粉末に金属水素化物の粉末を含ませることにより、前記造形領域に多孔性領域を含む造形物を形成する。
上記課題を解決するために、本発明の1つの実施態様に係る付加製造装置は、
レーザ光を照射領域に照射する照射部及び前記照射領域にキャリアガスとともに金属粉末を供給する供給部を有するヘッド部と、前記ヘッド部及び造形領域を相対的に移動させる移動機構と、を備え、
前記金属粉末に金属水素化物の粉末を含ませることにより、前記造形領域に多孔性領域を含む造形物を形成する。
上記態様によれば、多孔性領域を含む様々な形状の金属造形物を少ない工程で効率的に形成可能な付加製造方法及び付加製造装置を提供することができる。
本発明の1つの実施形態に係る付加製造装置の構成を模式的に示す図である。 本発明のその他の実施形態に係る付加製造装置の構成を模式的に示す図である。 外側の領域及び内側の領域で気孔率が異なる造形物の一例を示す模式図である。 本発明に係る付加製造方法の一例を模式的に示す図であって、造形物の外側の領域を形成する工程を示す模式図である。 本発明に係る付加製造方法の一例を模式的に示す図であって、造形物の内側の領域を形成する工程を示す模式図である。 本発明に係る付加製造方法の一例を模式的に示す図であって、形成された造形物を示す模式図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための実施形態を説明する。なお、以下に説明する実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのものであって、特定的な記載がない限り、本発明を以下のものに限定しない。
各図面中、同一の機能を有する部材には、同一符号を付している場合がある。要点の説明または理解の容易性を考慮して、便宜上実施形態を分けて示す場合があるが、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換または組み合わせは可能である。後述の実施形態では前述の実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については、実施形態ごとには逐次言及しないものとする。各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため、誇張して示している場合もある。
(1つの実施形態に係る付加製造装置)
はじめに、図1を参照しながら、本発明の1つの実施形態に係る付加製造装置の説明を行う。図1は、本発明の1つの実施形態に係る付加製造装置の構成を模式的に示す図である。図1(a)は、付加製造装置2の吹出ノズル22部分を断面で示した模式的な側面図であり、図1(b)は、図1(a)の矢視A-A図である。
本実施形態に係る付加製造装置2は、レーザ光L(一点鎖線の矢印参照)を照射領域Sに照射する照射部10及び照射領域Sにキャリアガスとともに金属粉末P(破線の矢印参照)を供給する供給部20を有するヘッド部30を備える。照射領域Sに供給される金属粉末には、金属水素化物の粉末が含まれている。
付加製造装置2は、更に、ヘッド部30及び造形領域60を相対的に移動させる移動機構40を備える。ここで、造形領域60とは、造形物を形成する領域であって、仮に、造形領域60が被加工物(ワーク)の場合には、被加工物(ワーク)の表面に造形物を形成することになる。仮に、造形領域60が造形用のテーブル面であれば、テーブルの上面に単体の造形物を形成することになる。本実施形態に係る付加製造装置2では、制御部により、照射部10、供給部20及び移動機構40が制御され、これにより、造形領域60上に造形物を形成することができる。
本実施形態では、造形領域60は移動せず、移動機構40によりヘッド部30が移動するようになっている。ただしこれに限られるものではなく、ヘッド部30は移動せず、造形領域60が移動する場合もあり得るし、ヘッド部30及び造形領域60の両方が移動する場合もあり得る。
<照射部10>
照射部10について更に詳細に述べれば、照射部10は、レーザ光源装置12と、レーザ光源装置12の出射側に光学的に接続された光ファイバ14と、光ファイバ14の出射側に光学的に接続された光学系16とを備える。本実施形態に係るレーザ光源装置12は、波長1060nmのレーザ光を出射するが、これに限られるものではなく、例えば、800~1080nm程度の近赤外波長のレーザ光であれば、任意の波長のレーザ光を用いることができる。レーザ光源装置12の出力としては、2kW~10kWを例示できるが、これに限られるものではない。レーザ光源装置12のタイプも、近赤外線領域のレーザ光を出射するレーザ光源であれば、YAGレーザをはじめとするその他の任意のシングルモードまたはマルチモードレーザ装置を用いることができる。
レーザ光源装置12は、ヘッド部30の筐体内に配置されて、移動機構40により筐体とともに移動する場合もあり得るし、筐体の外に配置されて移動しない場合もあり得る。レーザ光源装置12が移動しない場合には、光ファイバ14により、レーザ光源装置12及びヘッド部30の間の相対的な位置変化を吸収するようになっている。
レーザ光源装置12から出射されたレーザ光は、光ファイバ14を介して、光学系16へ入射する。光学系16は、例えば、光ファイバ14からの出射光を平行光にするコリメートレンズ、コリメートレンズからのレーザ光を照射領域Sに集光する集光レンズ等を備える。これにより、レーザ光源装置12から出射されたレーザ光は、光学系16の集光レンズにより、照射領域Sに集光され、略円形スポットが形成される(Lで示す一点破線の矢印参照)。略円形スポットLの大きさとして、略φ3mmを例示することができる。
<供給部20>
供給部20ついて更に詳細に述べれば、供給部20は、吹出ノズル22と、貯蔵領域24と、吹出ノズル22及び貯蔵領域24の間を繋ぐ供給管26とを備える。貯蔵領域24には、所定の比率で金属水素化物の粉末が含まれた金属粉が貯蔵されている。この金属粉末が、キャリアガスとともに供給管24内を流れて、供給部20の吹出ノズル22に流入する。吹出ノズル22には、供給管26と繋がったヘッダ22Bと、ヘッダ22Bに繋がった複数の流路22Aを備える。図1(a)の矢視A-A図である図1(b)に示すように、本実施形態では、略円形断面の8個の流路22Aが同心円状に配置されている。その内側の領域から、レーザ光が照射される。ただし、流路22Aの数は8に限られるものではなく、その他の任意の数の流路22Aを設けることができる。
更に、吹出ノズルとして、流路が円周状に繋がったテーパ状ノズルを用いることもできる。
キャリアガスとともに供給管24からヘッダ22Bに流入した金属粉末は、各流路22A内を流れて、流路22Aの出射口から照射領域Sに供給される(Pで示す破線の矢印参照)。キャリアガスとともに各流路22Aの出射口から流出した金属粉末が、照射領域Sに到達するように、流路22Aは同心円の中心側に向けて傾斜して配置されている。これにより、供給管26からヘッダ22Bに流入した金属粉末Pは、各流路22A内を流れて、流路22Aの出射口から照射領域Sに供給される。そして、照射領域Sに供給された金属粉末Pはレーザ光の照射により溶融して、金属の溶融池(メルトプール)が形成される。
貯蔵領域24は、ヘッド部30の筐体内に配置されて、筐体とともに移動機構40により移動する場合も、筐体の外に配置されて移動しない場合もあり得る。貯蔵領域24移動しない場合には、供給管26の一部がホース等の移動、変形が可能な部材で構成され、貯蔵領域24及びヘッド部30の筐体の間の相対的な位置変化を吸収するようになっている。
<移動機構40>
移動機構40について更に詳細に述べれば、図1に示すように、造形領域60は移動しない状態で、移動機構40のアクチュエータ42により、ヘッド部30を図面水平方向(白抜き矢印参照)に移動させることができる。これにより、レーザ光Lと粉末Pを供給しながら造形領域60に対して走査してレーザ積層を行うことができる。
本実施形態に係る付加製造装置2は、単独の付加製造装置として存在する場合だけでなく、例えば、工作機械に組み込まれる場合もあり得る。工作機械に組み込まれる場合には、移動機構40として工作機械の移動機構を用いることもできる。
<キャリアガス>
キャリアガスとして、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性ガスを用いることが好ましい。更に、粉末材料を含むキャリアガスの外側に、不活性ガスからなるシールドガスを供給することもできる。これにより、レーザ積層における材料の酸化等を抑制することができる。また、レーザ光源装置12側に粉末等が流入することを防ぐため、同心円状に配置された流路22Aの内側の領域から、シールドガスを吹き出すようにすることもできる。
<金属粉末>
本実施形態では、金属粉末として、ステンレス鋼の粉末が用いられている。ただし、これに限られるものではなく、アルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル基合金(インコネル(登録商標))、タングステンカーバイド複合材料、銅合金、真鍮、コバルトクロムモリブデン合金、ステライトをはじめとする任意の金属材料を用いることができる。金属粉末の粒径としては、50~150μmを例示できるが、これに限られるものではない。
<金属水素化物の粉末>
本実施形態では、金属水素化物の粉末として水素化チタン(TiH)の粉末が用いられている。ただし、これに限られるものではなく、例えば、水素化ジルコニウム(TiZr)をはじめとするその他の任意の金属水素化物を用いることもできる。金属水素化物の粉末の粒径としては、20~250μmを例示できるが、これに限られるものではない。
(多孔性領域を含む造形物の形成)
以上のように、本実施形態に係る付加製造装置2は、
[1} (i)レーザ光を照射領域Sに照射する照射部10、及び
(ii)照射領域Sにキャリアガスとともに、金属水素化物の粉末を含む金属粉末Pを供給する供給部20を
有するヘッド部30と、
[2] ヘッド部30及び造形領域60を相対的に移動させる移動機構40と
を備える。
このとき、金属粉末に金属水素化物の粉末が含まれているので、造形領域60に多孔性領域を含む造形物50を形成することができる。
更に詳細に述べれば、レーザ光による照射領域Sに、金属水素化物の粉末を含む金属粉末Pをキャリアガスとともに噴射することにより、照射領域Sに供給された金属水素化物を含む金属粉末Pは、レーザ光の照射により溶融し、その後速やかに冷却される。よって、溶融時に生じた水素の気泡が溶融金属内に取り込まれ、多数の微孔が効率的に形成される。これにより、付加製造装置を用いて、容易にかつ効率的に多孔性領域を含む造形物を形成することができる。
本実施形態は、レーザ光を照射しながら金属粉末を供給する付加製造方法を採用しているので、複数の形成工程を必要とせず、様々な形状の金属造形物を効率的に形成することができる。これにより、多孔性領域を含む様々な形状の金属造形物を少ない工程で効率的に形成可能な付加製造方法及び付加製造装置を提供することができる。
なお、本実施形態では、多孔性領域を含む金属造形物を様々な形状に形成できるので、製造した金属造形物を、軽量性が求められる構造部材、断熱部材、防音部材、電磁遮蔽部材をはじめとする様々な技術分野に適用することができる。
なお、多孔性領域を含む造形物は、全ての領域が多孔性を有する場合も、一部の領域が多孔性を有する場合もあり得る。後述するように、領域に応じて金属粉末に含まれる金属水素化物の粉末の割合を変化させることも可能であり、金属水素化物の粉末を含まない金属粉末を供給する領域を設けることもできる。
様々な試験の結果、金属水素化物として、特に水素化チタンを用いることにより、多孔性領域を含む造形物を確実に形成することが知見された。
<金属粉末の中の母材金属及び金属水素化物の比率>
金属粉末の中の母材金属及び金属水素化物の比率について、水素化チタンを用いた様々な試験の結果、下記の知見を得た。
金属水素化物の母材金属に対する比率(重量比)を、ゼロから徐々に上げていくにつれて造形物における気泡率が上昇した。しかし、金属水素化物の母材金属に対する比率(重量比)が5~7%に達すると気泡率はあまり上昇しなくなり、比率(重量比)が10%を超えると気泡率の上昇は、ほとんど見られなくなった。よって、必要とされる気泡率に応じて、金属水素化物の母材金属に対する比率(重量比)を、0~10%の範囲に収めるのが好ましく、2~6%の範囲に収めるのがより好ましいことを知見した。
<母材金属の粒径及び金属水素化物の粉末の粒径>
様々な試験の結果、金属粉末の中の母材金属の粒径及び金属水素化物の粉末の粒径について、金属水素化物の粉末の粒径が母材金属の粉末の粒径の50%から150%の範囲内にあることが好ましいことを知見した。
金属粉末Pはレーザ光の照射により溶融してできた金属の溶融池(メルトプール)において、
粒子径によって流体から受ける力が異なるので、流動性が異なる。様々な試験の結果、金属水素化物の粉末の粒径を、母材金属の粉末の粒径に対してプラスマイナス50%の範囲内に収める場合に、各粒子の流動をより良好に制御することができ、微孔が均一に分布した多孔性領域を形成することができることを知見した。
<レーザ光の照射出力>
様々な試験の結果、複数の層を積層する場合において、上側の層を積層するときのレーザ光の照射出力を、下側の層を積層するときのレーザ光の照射出力より小さくすることが好ましいことを知見した。
多孔性領域に設けられた多数の微孔により、造形物の熱伝導率が低下する傾向にある。よって、上側の層を積層するときには、放熱性の低下に合わせて、レーザ光の照射出力を落とすことにより、適正に積層することができることを知見した。
(更なる供給粉末)
様々な検討及び試験の結果、金属水素化物を含む金属粉末とともに、増粘材の粉末や界面活性剤の粉末を加えることにより、更に効果的に多孔性領域を含む造形物を形成できることを知見した。以下にその詳細を説明する。
<増粘材の粉末>
様々な試験の結果、金属粉末とともに、照射領域Sに増粘材の粉末を供給することが好ましいことを知見した。増粘材を付加することにより、溶融した金属の粘度を高めることができる。溶融金属の粘度が高いほど、金属水素化物により発生した気泡が溶融した金属から放出されにくくなるので、多孔性領域を含む造形物を効果的に形成することができる。
様々な試験の結果、特に、増粘材が、酸化カルシムまたは酸化マグネシウムであることが好ましいことを知見した。酸化カルシムや酸化マグネシウムは酸素親和性が高いので、酸化物が生成されて粘性が上昇すると考えられる。溶融金属の粘性が上がるので、金属水素化物による気泡を溶融金属内に効果的に保持して、多孔性領域を含む造形物を確実に形成することができる。
<界面活性剤の粉末>
様々な試験の結果、金属粉末とともに、照射領域Sに界面活性剤の粉末を供給することが好ましいことを知見した。照射領域Sに界面活性剤の粉末を供給することにより、溶融した金属の表面張力を低くすることができる。溶融金属の表面張力が低いほど、発生した気泡が小さいまま溶融した金属内に保持され易くなる。よって、微細な孔を有する多孔性領域を効果的に形成できる。
様々な試験の結果、特に、界面活性剤が、テルル、セレンまたは硫黄であることが好ましいことを知見した。テルル、セレンまたは硫黄は、溶融金属の表面張力を低下させると考えられる。これにより、気泡が小さいまま溶融金属内に保持して、微細な孔を有する多孔性領域を確実に形成することができる。
(その他の実施形態に係る付加製造装置)
ヘッド部30の造形領域60に対する位置に応じて、金属粉末に含まれる金属水素化物の粉末の割合を変化させることも考えられる。ヘッド部30の位置に応じて金属粉末に含まれる金属水素化物の粉末の割合を変化させることにより、領域に応じて気孔率の異なる多孔性領域を効率的に形成することができる。
次に、図2を参照しながら、本発明のその他の実施形態に係る付加製造装置の説明を行う。図2は、本発明のその他の実施形態に係る付加製造装置の構成を模式的に示す図である。
本実施形態に係る付加製造装置2’では、金属粉末の貯蔵領域24として、母材金属の粉末の貯蔵領域24Aと、金属水素化物の粉末の貯蔵領域24Bとを有する。更に、母材金属及び金属水素化物の粉末の割合を調整する流量調整弁28を備える。
母材金属の粉末の貯蔵領域24A及び流量調整弁28の一方の入側ポートaの間が母材用供給管26Aで繋がれている。同様に、金属水素化物の粉末の貯蔵領域24B及び流量調整弁28の他方の入側ポートbの間が金属水素化物用供給管26Bで繋がれている。そして、流量調整弁28の出側ポートc及び吹出ノズル22(ヘッダ22B)の入側ポートdの間が共通供給管26Cで繋がれている。
流量調整弁28に備えられたアクチエータが、制御部により駆動制御され、母材金属の粉末の流量及び金属水素化物の流量が変更される。これにより、ヘッド部30及び造形領域60の相対的移動に応じて、照射領域Sに供給する母材金属の粉末及び金属水素化物の粉末の割合を変化させることができる。
このような機構により、母材金属及び金属水素化物の割合を変化させながら造形物を形成できるので、各領域で所望の気孔率を有する造形物を得ることができる。
特に、気孔率が連続的に変わる造形物を形成することもできるし、気孔率がステップ状に変わる造形物を形成することもできる。
本実施形態に係る付加製造装置2’のその他の構成については、上記の1つの実施形態に係る付加製造装置2の構成と同様なので、更なる説明は省略する。
<外側の領域及び内側の領域で気孔率が異なる造形物>
図2に示す付加製造装置2’を用いることにより、外側の領域及び内側の領域で気孔率が異なる造形物50を容易に形成することができる。図3は、外側の領域及び内側の領域で気孔率が異なる造形物の一例を示す模式図である。
図3に示すように、造形物50の外側の領域52において、金属粉末に含まれる金属水素化物の粉末の割合が低く、造形物50の内側の領域54において、金属粉末に含まれる金属水素化物の粉末の割合が高くすることができる。これにより、造形物50の外側の領域52において気孔率が低く、造形物50の内側の領域54において気孔率が高い造形物50を得ることができる。
外側の領域で金属水素化物の粉末の割合が低く、内側の領域で金属水素化物の粉末の割合を高くすることにより、外側で高い強度を有し、内側で多数の微孔を有する軽量な造形物50を形成することができる。
なお、造形物50の外側の領域52において、金属粉末に金属水素化物の粉末が含まれない場合もあり得る。この場合、基本的に、外側の領域52には気孔を有さないことになる。
この場合、造形物50の外側の領域52の造形におけるレーザ光の照射出力が、造形物50の内側の領域54の造形におけるレーザ光の照射出力より大きいことが好ましい。
金属粉末に含まれる金属水素化物の粉末の割合が低い外側の領域52は、母材金属の量が多いので、十分に溶解させるため、より多くのエネルギを投入することが好ましい。このとき、気孔が少ない外側の領域52の熱伝導率は比較的高いので、冷却が不十分になって温度が上昇する可能性は低い。
一方、内側の領域54では、母材金属の量が少ないので、より少ないエネルギの投入であっても十分な母材の溶解が期待できる。内側の領域54では、気孔を多く有するので熱伝導率は比較的低くなり、冷却性を考慮して、より少ないエネルギを投入することが好ましい。
以上のように、金属水素化物の粉末の割合に応じてレーザ光の照射出力を適性に調整することにより、確実に、外側で高い強度を有し、内側で多数の微孔を有する軽量な造形物50を形成することができる。
<外側の領域を造形した後、内側の領域を造形>
次に、図4Aから図4Cを参照しながら、上記のような外側の領域及び内側の領域で気孔率が異なる造形物を得るための、付加製造方法の一例を説明する。図4Aは、本発明に係る付加製造方法の一例を模式的に示す図であって、造形物の外側の領域を形成する工程を示す模式図である。
図4Bは、本発明に係る付加製造方法の一例を模式的に示す図であって、造形物の内側の領域を形成する工程を示す模式図である。図4Cは、本発明に係る付加製造方法の一例を模式的に示す図であって、形成された造形物を示す模式図である。
図4Aに示すように、まず、造形物の外側の領域52を形成する工程を行う。次に、図4Bに示すように、外側の領域52で囲まれた造形物の内側の領域54を形成する工程を行う。これにより、図4Cに示すように、外側の領域52及び内側の領域54で気孔率が異なる造形物50を形成することができる。
図2に示す付加製造装置2’を用いる場合には、ヘッド部30が外側の領域52及び内側の領域54に対応する位置に応じて、金属粉末に含まれる金属水素化物の粉末の割合を変化させ、レーザ光の照射出力を変化させることにより、外側の領域52及び内側の領域54を連続的に形成することも可能である。
しかし、上記のように、造形物の外側の領域52を造形した後、造形物の内側の領域54を造形することにより、金属水素化物の粉末の割合の変更、及びレーザ光の照射出力の変更の頻度を最小限に抑えることができるので、高品質な造形物を効率的に形成することができる。
更に、上記の第1の実施形態のように、1つの貯蔵領域24のみを備える場合であっても、外側及び内側の領域52、54で気孔率が異なる造形物を容易に形成することができる。造形物50の外側の領域52を造形した後、貯蔵領域24に貯蔵する金属粉末を、金属水素化物の割合が異なるものに入れ替えることにより実現できる。
本発明の実施の形態、実施の態様を説明したが、開示内容は構成の細部において変化してもよく、実施の形態、実施の態様における要素の組合せや順序の変化等は請求された本発明の範囲および思想を逸脱することなく実現し得るものである。
2、2’ 付加製造装置
10 照射部
12 レーザ光源装置
14 光ファイバ
16 光学系
20 供給部
22 吹出ノズル
22A 流路
22B ヘッダ
24 貯蔵領域
24A 母材金属の粉末の貯蔵領域
24B 金属水素化物の粉末の貯蔵領域
26 供給管
26A 母材用供給管
26B 金属水素化物用供給管
26C 共通供給管
28 流量調整弁
30 ヘッド部
40 移動機構
42 アクチュエータ
50 造形物
52 外側の領域
54 内側の領域
60 造形領域
S 照射領域
L レーザ光
P 金属粉末

Claims (13)

  1. レーザ光を照射領域に照射する照射部及び前記レーザ光の周囲から前記照射領域にキャリアガスとともに金属粉末を供給する供給部を有するヘッド部と、前記ヘッド部及び造形領域を相対的に移動させる移動機構と、を備えた付加製造装置を用いる方法であって、
    前記金属粉末に金属水素化物の粉末を含ませることにより、前記造形領域に多孔性領域を含む造形物を形成し、
    前記金属粉末とともに、前記照射領域に増粘材の粉末及び界面活性剤の粉末を供給することを特徴とする付加製造方法。
  2. 前記金属水素化物のが、水素化チタンであることを特徴とする請求項1に記載の付加製造方法。
  3. 前記増粘材が、酸化カルシムまたは酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の付加製造方法。
  4. 前記界面活性剤が、テルル、セレンまたは硫黄であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の付加製造方法。
  5. 前記金属粉末のうち、前記金属水素化物の粉末の粒径が母材金属の粉末の粒径の50%から150%の範囲内にあることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の付加製造方法。
  6. 複数の層を積層する場合において、上側の層を積層するときのレーザ光の照射出力を、下側の層を積層するときのレーザ光の照射出力より小さくすることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の付加製造方法。
  7. 前記ヘッド部の前記造形領域に対する位置に応じて、前記金属粉末に含まれる前記金属水素化物の粉末の割合を変化させることを特徴とする請求項1からの何れか1項に記載の付加製造方法。
  8. 前記造形物の外側の領域において、前記金属粉末に含まれる前記金属水素化物の粉末の割合が低く、前記造形物の内側の領域において、前記金属粉末に含まれる前記金属水素化物の粉末の割合が高いことを特徴とする請求項に記載の付加製造方法。
  9. 前記造形物の外側の領域の造形におけるレーザ光の照射出力が、前記造形物の内側の領域の造形におけるレーザ光の照射出力より大きいことを特徴とする請求項に記載の付加製造方法。
  10. 前記造形物の外側の領域を造形した後、前記造形物の内側の領域を造形することを特徴とする請求項またはに記載の付加製造方法。
  11. レーザ光を照射領域に照射する照射部及び前記レーザ光の周囲から前記照射領域にキャリアガスとともに金属粉末を供給する供給部を有するヘッド部と、前記ヘッド部及び造形領域を相対的に移動させる移動機構と、を備え、
    前記金属粉末に金属水素化物の粉末を含ませることにより、前記造形領域に多孔性領域を含む造形物を形成し、
    前記金属粉末とともに、前記照射領域に増粘材の粉末及び界面活性剤の粉末を供給することを特徴とする付加製造装置。
  12. 前記金属粉末の貯蔵領域として、母材金属の粉末の貯蔵領域と、前記金属水素化物の粉末の貯蔵領域を有し、
    前記ヘッド部及び被加工物の相対的移動に応じて、前記照射領域に供給する前記母材金属の粉末及び前記金属水素化物の粉末の割合を変化させる機構を備えることを特徴とする請求項11に記載の付加製造装置。
  13. レーザ光を照射領域に照射する照射部及び前記照射領域にキャリアガスとともに金属粉末を供給する供給部を有するヘッド部と、前記ヘッド部及び造形領域を相対的に移動させる移動機構と、を備えた付加製造装置を用いる方法であって、
    前記金属粉末に金属水素化物の粉末を含ませることにより、前記造形領域に多孔性領域を含む造形物を形成し、
    複数の層を積層する場合において、上側の層を積層するときのレーザ光の照射出力を、下側の層を積層するときのレーザ光の照射出力より小さくすることを特徴とする付加製造方法。
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