JP2020152762A - 半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 - Google Patents

半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびその成形体 Download PDF

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Abstract

【課題】熱伝導性および機械的強度がより高められた成形体を製造できるポリアミド樹脂組成物、および当該ポリアミド樹脂組成物から製造された成形体を提供すること。【解決手段】示差走査型熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が290〜330℃である半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、ケイ酸アルミニウム化合物(B)と、を含み、上記ケイ酸アルミニウム化合物(B)の含有量が、半芳香族ポリアミド組成物の全質量を100質量%としたとき、20質量%以上80質量%以下である半芳香族ポリアミド樹脂組成物、および当該ポリアミド樹脂組成物から製造された成形体。【選択図】なし

Description

本発明は、半芳香族ポリアミド樹脂組成物およびその成形体に関する。
熱可塑性樹脂であるポリアミド樹脂から製造される成形体は、電導性が低く、かつ耐熱性および機械的特性に優れるため、自動車用部品、各種電気製品、および配線基板などの各種用途に使用されている。
しかし、樹脂は一般に熱伝導性が低いため、たとえば自動車のエンジンルーム内のような比較的高温となる環境で長時間にわたって使用するときは、上記熱を十分に消散できずに、熱による劣化が上記成形体に生じることがある。これに対し、ポリアミド樹脂組成物に黒鉛などの熱伝導性の添加剤を含ませることで、上記ポリアミド樹脂組成物から製造される成形体の熱伝導性を高め得ることが知られている。
しかし、黒鉛は、上記成形体の熱伝導性を高めるものの、同時に、当該成形体の電導性をも高めてしまう。これに対し、特許文献1には、ポリアミド樹脂(好ましくはナイロン6)に卓面ケイ酸アルミニウムおよび熱安定剤を混合して得られるポリアミド樹脂組成物から製造される成形体は、電気絶縁性であり、かつ熱伝導性および機械的強度にも優れると記載されている。
特開2015−078368号公報
特許文献1には、卓面ケイ酸アルミニウムを含ませたポリアミド樹脂組成物から製造される成形体は、熱伝導性が高く、かつ機械的強度にも優れると記載されている。しかし、ポリアミド組成物から製造される成形体の使用が期待される各種用途には、より高温での使用が求められたり、あるいは、より機械的強度に優れた成形体であることが求められたりする。特に、エンジンルーム内のように大量の熱が生成し続ける環境で上記成形体を使用するときは、温度の上昇による成形体の劣化を抑制させるためには、上記成形体の熱伝導性を高めて、上記生成する熱を十分に消散させることが求められる。
しかし、本発明者らの知見によると、特許文献1に記載のポリアミド樹脂組成物から製造される成形体でも、当該要求に十分に応えられるだけの熱伝導性および機械的強度が達成されているとはいえなかった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、熱伝導性および機械的強度がより高められた成形体を製造できるポリアミド樹脂組成物、および当該ポリアミド樹脂組成物から製造された成形体を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物および成形体は、以下の[1]〜[7]に関する。
[1]示差走査型熱量計(DSC)により測定される融点が290〜330℃である半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、ケイ酸アルミニウム化合物(B)と、を含み、前記ケイ酸アルミニウム化合物(B)の含有量は、半芳香族ポリアミド組成物の全質量を100質量%としたとき、20質量%以上80質量%以下である、半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
[2]前記ケイ酸アルミニウム化合物(B)は、ケイ酸アルミニウムアミノシランである、[1]に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
[3]前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、20〜100モル%の、テレフタル酸成分単位(a−1)と、0〜80モル%の、テレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位(a−2)または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)と、を含むジカルボン酸成分単位[a](ただし、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に含まれるジカルボン酸成分単位の総モル数を100モル%とする。)と、ジアミン成分単位[b]と、からなる繰り返し単位を有する、[1]または[2]に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
[4]前記ジカルボン酸成分単位[a]は、20〜100モル%の、テレフタル酸成分単位(a−1)と、0〜80モル%の、テレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位(a−2)と、を含む(ただし、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に含まれるジカルボン酸成分単位の総モル数を100モル%とする。)、[3]に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
[5]前記ジカルボン酸成分単位[a]は、45〜100モル%の、テレフタル酸成分単位(a−1)と、0〜80モル%の、炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)と、を含む(ただし、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に含まれるジカルボン酸成分単位の総モル数を100モル%とする。)、[3]に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
[6][1]〜[5]のいずれかに記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物から得られる、成形体。
本発明によれば、熱伝導性および機械的強度がより高められた成形体を製造できるポリアミド樹脂組成物、および当該ポリアミド樹脂組成物から製造された成形体が提供される。
本発明者らは、鋭意検討した結果、示差走査型熱量計(DSC)により測定される融点が290〜330℃である半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、ケイ酸アルミニウム化合物(B)と、を含み、上記ケイ酸アルミニウム化合物(B)の含有量が、半芳香族ポリアミド組成物の全質量を100質量%としたとき、20質量%以上80質量%以下である半芳香族ポリアミド組成物は、当該半芳香族ポリアミド組成物から製造された成形体(以下、単に「成形体」ともいう。)の熱伝導性および機械的強度が顕著に高いことを見出し、さらに検討を重ねて、本発明を完成させた。
この理由は明らかではないが、半芳香族ポリアミド樹脂(A)が有する芳香族によって樹脂の剛直性が上がり、ケイ酸アルミニウム化合物(B)が配向しやすくなるため熱伝導が上がると推察される。
1.半芳香族ポリアミド樹脂組成物
本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、ケイ酸アルミニウム化合物(B)と、を少なくとも含む。
1−1.半芳香族ポリアミド樹脂(A)
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、その示差走査型熱量計(DSC)により測定される融点(Tm)が290〜330℃である。上記融点(Tm)は、290〜305℃であることが好ましい。
上記融点(Tm)は、JIS K7121に準じて測定した値とすることができる。具体的には、公知の示差走査熱量系を用いて、10℃/分の速度で昇温してDSCの吸熱曲線を求め、当該吸熱曲線の最大ピーク位置の温度を融点(Tm)とすればよい。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、上記融点(Tm)が290〜330℃であれば特に限定されない。半芳香族ポリアミド樹脂は、通常はその融点(Tm)が多くの場合330℃を超えない。一方で、半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、その融点(Tm)を290℃以上とする観点から、その主たる構成単位が、下記の特定のジカルボン酸成分単位[a]と特定のジアミン成分単位[b]とからなる繰り返し単位で構成されている半芳香族ポリアミド樹脂であることが好ましい。
ジカルボン酸成分単位[a]は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に含まれるジカルボン酸成分単位の総モル数を100モル%としたとき、テレフタル酸成分単位(a−1)を20〜100モル%、好ましくは45〜100モル%、より好ましくは50〜90モル%、さらに好ましくは60〜80モル%の量で含有している。また、ジカルボン酸成分単位[a]は、テレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位(a−2)または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)を合計で0〜80モル%、好ましくは0〜55モル%、より好ましくは10〜50モル%、さらに好ましくは20〜40モル%の量で含有している。テレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位(a−2)および炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)は、両方が含有されていてもよいし、いずれか一方のみが含有されていてもよい。たとえば、ジカルボン酸成分単位[a]が少量の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)を含有することにより、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の成形性がさらに向上しうる。なお、テレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位(a−2)および炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)を合計した含有率が55モル%以下とすると、必然的にテレフタル酸成分単位の含有率が45モル%を上回ることになり、得られる半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、融点が290℃以上となりやすい。
より具体的には、ジカルボン酸成分単位[a]は、ジカルボン酸成分単位[a]の総モル数を100モル%としたとき、テレフタル酸成分単位(a−1)を20〜100モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a−2)を0〜80モル%含むことが好ましく、テレフタル酸成分単位(a−1)を55〜80モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a−2)を20〜45モル%含むことがより好ましく、テレフタル酸成分単位(a−1)を60〜85モル%、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a−2)を15〜40モル%含むことがさらに好ましい。ジカルボン酸成分単位[a]がテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a−2)を含むと、半芳香族ポリアミド組成物から得られる成形体の熱伝導率がより高まりやすい。
あるいは、ジカルボン酸成分単位[a]は、ジカルボン酸成分単位[a]の総モル数を100モル%としたとき、テレフタル酸成分単位(a−1)を40〜80モル%、炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)を20〜60モル%含むことが好ましい。ジカルボン酸成分単位[a]が脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)を含むと、半芳香族ポリアミド組成物から得られる成形体の熱伝導率および耐熱性が高まりやすい。
テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a−2)の例には、イソフタル酸、2−メチルテレフタル酸およびナフタレンジカルボン酸成分単位などが含まれる。これらの中でも、イソフタル酸成分単位が好ましい。
脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)は、炭素原子数4〜20、好ましくは6〜12のアルキレン基を有する脂肪族ジカルボン酸から誘導される。このような脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)の例には、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸成分単位などが含まれる。これらの中でも、アジピン酸成分単位およびセバシン酸成分単位が好ましい。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、上述したテレフタル酸成分単位(a1)、テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分単位(a−2)、および脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)の外に、少量のトリメリット酸またはピロメリット酸のような三塩基性以上の多価カルボン酸成分単位をさらに含有していてもよい。このような多価カルボン酸成分単位は、ジカルボン酸成分単位[a]の合計100モル%対して、0〜5モル%の量で含有されうる。
ジアミン成分単位[b]は、炭素原子数4〜18の直鎖状アルキレンジアミン成分単位(b−1)を含むことが好ましく、側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b−2)や、炭素原子数4〜20の脂環族ジアミン成分単位(b−3)をさらに含んでもよい。
ジアミン成分単位[b]は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に含まれるジアミン成分単位の総モル数を100モル%としたとき、炭素原子数4〜18の直鎖状アルキレンジアミン成分単位(b−1)を55〜100モル%、好ましくは55〜99モル%、より好ましくは70〜98モル%、さらに好ましくは80〜95モル%、特に好ましくは85〜93モル%の量で含有している。また、ジアミン成分単位[b]は、側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b−2)または炭素原子数4〜20の脂環族ジアミン成分単位(b−3)を、0〜45モル%、好ましくは1〜45モル%、より好ましくは2〜30モル%、さらに好ましくは5〜20モル%、特に好ましくは7〜15モル%の量で含有している。なお、ジアミン成分単位[b]が、二種類の特定のアルキレンジアミン成分単位を上記のような量で含有すると、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の融点を、成形時に半芳香族ポリアミド樹脂組成物がガス焼けを引き起こさない程度にまで低下させうる。
炭素原子数4〜18の直鎖状アルキレンジアミン成分単位(b−1)の例には、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,11−ジアミノウンデカンおよび1,12−ジアミノドデカンなどから誘導される成分単位が含まれる。これらの中でも、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカンおよび1,12−ジアミノドデカンから誘導される成分単位が好ましく、1,6−ジアミノヘキサン成分単位がより好ましい。これらの成分単位は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)中に複数種類含有されていてもよい。
側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b−2)の例には、1−ブチル−1,2−ジアミノ−エタン、1,1−ジメチル−1,4−ジアミノ−ブタン、1−エチル−1,4−ジアミノ−ブタン、1,2−ジメチル−1,4−ジアミノ−ブタン、1,3−ジメチル−1,4−ジアミノ−ブタン、1,4−ジメチル−1,4−ジアミノ−ブタン、2,3−ジメチル−1,4−ジアミノ−ブタン、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン、2,5−ジメチル−1,6−ジアミノ−ヘキサン、2,4−ジメチル−1,6−ジアミノ−ヘキサン、3,3−ジメチル−1,6−ジアミノ−ヘキサン、2,2−ジメチル−1,6−ジアミノ−ヘキサン、2,2,4−トリメチル−1,6−ジアミノ−ヘキサン、2,4,4−トリメチル−1,6−ジアミノ−ヘキサン、2,4−ジエチル−1,6−ジアミノ−ヘキサン、2,3−ジメチル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、2,4−ジメチル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、2,5−ジメチル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、2,2−ジメチル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、2−メチル−4−エチル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、2−エチル−4−メチル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、2,2,5,5−テトラメチル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、3−イソプロピル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、3−イソオクチル−1,7−ジアミノ−ヘプタン、1,3−ジメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、1,4−ジメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、2,4−ジメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、3,4−ジメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、4,5−ジメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、2,2−ジメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、3,3−ジメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、4,4−ジメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、3,3,5−トリメチル−1,8−ジアミノ−オクタン、2,4−ジエチル−1,8−ジアミノ−オクタン、および5−メチル−1,9−ジアミノ−ノナンから誘導される成分単位が含まれる。これらの中でも、炭素原子数1〜2の側鎖アルキル基を1〜2個有すると共に、主鎖の炭素原子数が4〜10である側鎖アルキルジアミンから誘導される成分単位が好ましく、2−メチル−1,5−ジアミノペンタン成分単位がより好ましい。これらの成分単位は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)中に複数種類含有されていてもよい。
炭素原子数4〜20の脂環族ジアミン成分単位(b−3)の例には、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(4-アミノシクロヘキシル)プロパン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルプロパン、4,4'−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチル-5,5'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチル−5,5'−ジメチルジシクロヘキシルプロパン、α,α'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−p−ジイソプロピルベンゼン、α,α'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−m−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,4−シクロヘキサン、α,α'−ビス(4−アミノシクロヘキシル)−1,3−シクロヘキサンから誘導される成分単位が含まれる。これらの中でも、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、および4,4'−ジアミノ−3,3'−ジメチルジシクロヘキシルメタンから誘導される成分単位が好ましく、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1,3−ビス(アミノシクロヘキシル)メタン、および1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンから誘導される成分単位がより好ましい。
なお、本明細書において、側鎖アルキル基を有するアルキレンジアミン成分単位における炭素原子数は、特に限定しない限り、主鎖アルキレン基の炭素原子数と側鎖アルキル基の炭素原子数との合計である。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、上述した炭素原子数4〜18の直鎖状アルキレンジアミン成分単位(b−1)、側鎖アルキル基を有する炭素原子数4〜18のアルキレンジアミン成分単位(b−2)、および炭素原子数4〜20の脂環族ジアミン成分単位(b−3)の外に、少量のメタキシリレンジアミン成分単位などの他のジアミン成分単位を含んでもよい。このような他のジアミンに由来する成分単位の含有量は、ジアミン成分単位[b]の合計量に対して50モル%以下であり、好ましくは40モル%以下でありうる。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)の、濃硫酸中30℃の温度で測定した極限粘度[η]は、通常は0.5〜3.0dl/g、好ましくは0.5〜2.8dl/g、より好ましくは0.6〜2.5dl/gの範囲にある。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、異なる極限粘度を有する半芳香族ポリアミド樹脂を2以上組み合わせたものであってもよい。例えば、半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、極限粘度[η]が0.9dl/g以上である半芳香族ポリアミド樹脂(A1)と、極限粘度[η]が0.7dl/g以上0.9dl/g未満である半芳香族ポリアミド樹脂(A2)との混合物であってもよい。そのような混合物は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の総量100質量部に対し、半芳香族ポリアミド樹脂(A1)を35〜100質量部、半芳香族ポリアミド樹脂(A2)を0〜65質量部含みうる。半芳香族ポリアミド樹脂(A1)と半芳香族ポリアミド樹脂(A2)の含有比率が上記範囲内であると、機械的強度を損なうことなく、半芳香族ポリアミド樹脂組成物の溶融流動性を高めうるので、金型汚染をより高度に抑制しやすい。半芳香族ポリアミド樹脂(A)の極限粘度[η]は、主に分子量によって調整されうる。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)の極限粘度[η]は以下のようにして測定することができる。半芳香族ポリアミド樹脂(A)0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解させて、試料溶液とする。得られた溶液の、25℃±0.05℃の条件下での流下秒数を、ウベローデ粘度計を使用して測定し、下記式に基づき算出する。
[η]=ηSP/(C*(1+0.205ηSP))
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
ηSP=(t−t)/t
また、半芳香族ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)は、80℃以上とすることができ、90〜150℃であることが好ましい。半芳香族ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)が90〜150℃であると、成形体の熱伝導率および耐熱性がより高まりやすい。
半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸成分とジアミン成分との重縮合により製造することができる。具体的には、半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、テレフタル酸と、(任意の)テレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸または脂肪族ジカルボン酸と、直鎖状ジアルキレンジアミンおよび側鎖アルキル基を有するアルキレンジアミンとを、上述の量で水性媒体中に配合し、次亜リン酸ナトリウムなどの触媒の存在下に、加圧しながら加熱してポリアミド前駆体を製造し、次いでこのポリアミド前駆体を溶融混練することにより製造することができる。なお、ポリアミド前駆体を製造する際には、安息香酸のような分子量調整剤を配合することもできる。
また、半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、ジカルボン酸成分単位[a]およびジアミン成分単位[b]が上記範囲内になるように、組成の異なる少なくとも2種類のポリアミドの配合量を調整して、これを溶融混練することにより製造することもできる。
1−2.ケイ酸アルミニウム化合物(B)
ケイ酸アルミニウム化合物(B)は、半芳香族ポリアミド樹脂組成物の熱電動性および機械的特性を高めることができる。一方で、ケイ酸アルミニウム化合物(B)は、半芳香族ポリアミド樹脂組成物の電導性への影響が少ない。
ケイ酸アルミニウム化合物(B)は、ムライト、カオリナイト、イライト、カヤナイト、長石、霞石、曹長石およびゼオライトなどの天然鉱石でもよいし、アルミノケイ酸ナトリウム(オルトケイ酸アルミニウムナトリウムなど)、アルミノケイ酸カルシウム(ジアルミノオルトケイ酸カルシウムおよびジアルミノメタケイ酸カルシウムなどを含む)、アルミノケイ酸ナトリウムカルシウム、アルミノケイ酸マグネシウム、およびこれらの変性物などを含む合成物であってもよい。
これらのケイ酸アルミニウム化合物(B)のうち、半芳香族ポリアミド樹脂(A)との相溶性をより高める観点からは、シランカップリング剤などでアミノ基を付与された変性物であることが好ましく、ケイ酸アルミニウムアミノシランであることがより好ましい。
なお、電導性が低く、かつ熱伝導性が高いフィラーとしては、酸化マグネシウムなども知られている。しかし、酸化マグネシウムは活性がより高く、半芳香族ポリアミド樹脂(A)を分解などさせて劣化させることがある。これに対し、ケイ酸アルミニウム化合物(B)は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)の劣化などを生じさせにくいため好ましい。
ケイ酸アルミニウム化合物(B)の形状は特に限定されず、繊維状、粉末状、粒状、板状、針状、クロス状、およびマット状などの任意の形状であってもよい。粉末状であるとき、ケイ酸アルミニウム化合物(B)のASTM D1921 89(試験方法A)に準じて測定される中央粒度D50は、0.1〜250μmであり、0.5〜150μmであることが好ましく、0.5〜70μmであることがより好ましい。また、ケイ酸アルミニウム化合物(B)のアスペクト比は、たとえば、1〜10とすることができる。
ケイ酸アルミニウム化合物(B)の含有量は、半芳香族ポリアミド組成物の全質量を100質量%としたとき、20質量%以上80質量%以下であり、30質量%以上質量75%以下であることがより好ましく、45質量%以上75質量%以下であることがさらに好ましく、55質量%以上75質量%以下であることが特に好ましい。上記含有量が20質量%以上であると、おそらくは十分な量の配向したケイ酸アルミニウム化合物(B)が配列し、熱の排出経路を形成することができるため、成形体の熱伝導性をより高め、上記成形体の耐熱性をより高めることができる。上記含有量が80質量%以下であると、成形体の機械的強度をより高めることができる。
1−3.その他の添加物
上記の半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、前述の成分以外の他の成分をさらに含んでいてもよい。他の成分の例には、半芳香族ポリアミド樹脂(A)以外の他の耐熱性樹脂、無機充填材、有機充填剤、有機難燃剤、酸化防止剤(耐熱安定剤)、熱安定剤、耐候性安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、天然油、合成油、ワックスおよび脂肪酸金属塩などの添加剤が含まれる。
上記他の耐熱性樹脂の例には、半芳香族ポリアミド樹脂(A)以外のポリアミド、PPS(ポリフェニレンスルフィド)、PPE(ポリフェニルエーテル)、PES(ポリエーテルスルフォン)、PEI(ポリエーテルイミド)、LCP(液晶ポリマー)およびこれらの樹脂の変性物などが含まれる。
上記無機充填材の例には、繊維状、粉状、粒状、板状、針状、クロス状、およびマット状などの形状を有する無機充填材が含まれる。
上記繊維状の無機充填材の例には、ガラス繊維、炭素繊維、アスベスト繊維およびホウ素繊維が含まれる。これらの中でも、ガラス繊維が特に好ましい。ガラス繊維を使用することにより、成形性が向上すると共に、無機質強化材を含有する成形体の引張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率などの機械的特性および熱変形温度などの耐熱特性がより向上する。
上記繊維状の無機充填材の平均長さは、通常は、0.1〜20mm、好ましくは0.3〜6mmの範囲にあり、アスペクト比が、通常は10〜2000、好ましくは30〜600の範囲にある。平均長さおよびアスペクト比がこのような範囲内にある繊維状の無機充填材を使用することが好ましい。
上記粉末状、粒状、板状、針状、クロス状、およびマット状などの形状を有する無機充填材の例には、シリカ、シリカアルミナ、アルミナ、炭酸カルシウム、二酸化チタン、タルク、ワラストナイト、ケイソウ土、クレー、カオリン、球状ガラス、マイカ、セッコウ、ベンガラ、および酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛などの粉状または板状の無機化合物、ならびにチタン酸カリウムなどの針状の無機化合物が含まれる。これらの無機充填材は、2種以上混合して使用することもできる。
上記他の無機充填材の平均粒径は、通常0.1〜200μm、好ましくは1〜100μmの範囲内にある。
上記繊維状の無機充填材や他の形状を有する無機充填材は、シランカップリング剤またはチタンカップリング剤などで処理して使用することもできる。
上記無機充填材の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、通常、1〜200質量部、好ましくは1〜100質量部、より好ましくは1〜50質量部としうる。
上記有機充填材の例には、ポリパラフェニレンテレフタルアミド、ポリメタフェニレンテレフタルアミド、ポリパラフェニレンイソフタルアミド、ポリメタフェニレンイソフタルアミド、ジアミノジフェニルエーテルとテレフタル酸(イソフタル酸)との縮合物およびパラ(メタ)アミノ安息香酸の縮合物などの全芳香族ポリアミド;ジアミノジフェニルエーテルと無水トリメリット酸または無水ピロメリット酸との縮合物などの全芳香族ポリアミドイミド;全芳香族ポリエステル;全芳香族ポリイミド;ポリベンツイミダゾールおよびポリイミダゾフェナントロリンなどの複素環含有化合物;ならびに、ポリテトラフルオロエチレンなどから形成されている粉状、板状、繊維状またはクロス状物などの二次加工品などが含まれる。
上記有機難燃剤の例には、ポリ臭素化スチレン、ポリエチレンエーテルの臭素化物、ポリスチレンの臭素化物などが含まれる。
上記ポリ臭素化スチレンは、二臭素化スチレン単位を60重量%以上含有しているものが好ましく、70重量%以上含有しているものが特に好ましい。上記ポリ臭素化スチレンは、二臭素化スチレン以外に一臭素化スチレンまたは三臭素化スチレンを40重量%以下、好ましくは30重量%以下共重合したポリ臭素化スチレンであってもよい。
上記有機難燃剤の含有量は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0〜60質量部、好ましくは1〜20質量部、より好ましくは2〜15質量部である。また、難燃性をより十分出すためには40〜60質量部程度入れてもよい。
上記有機難燃剤に加えて、酸化アンチモン、アンチモン酸ソーダ、酸化スズ、酸化鉄、酸化亜鉛、および硝酸亜鉛などの難燃助剤を使用することもできる。これらのうち、アンチモン酸ソーダ、とりわけ550℃以上の高温で熱処理した実質的に無水のアンチモン酸ソーダが好ましい。上記難燃助剤の含有量は、半芳香族ポリアミド樹脂(A)100質量部に対して、0〜10質量部、好ましくは2〜8質量部としうる。
上記酸化防止剤の例には、リン系酸化防止剤、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、および硫黄系酸化防止剤などが含まれる。
上記リン系酸化防止剤の例には、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナントレン−10−オキシド、トリフェニルホスファイト、2−エチルヘキシル酸ホスフェート、ジラウリルホスファイト、トリ−iso−オクチルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリラウリル−ジ−チオホスファイト、トリラウリル−トリ−チオホスファイト、トリスノニルフェニルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリオクタデシルホスファイト、1,1,3−トリス(2−メチル−ジ−トリデシルホスファイト−5−tert−ブチルフェニル)ブタン、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチル)トリデシルホスファイト、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチル−ジ−トリデシル)ホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4′−ビスフェニレンジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、トリデシルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2′−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ソルビット−トリス−ホスファイト−ジステアリル−モノ−C30−ジオールエステルおよびビス(2,4,6−トリ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが含まれる。これらの中でもビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトおよびビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイトなどのペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト系のリン系酸化防止剤、ならびに、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)4,4′−ビスフェニレンジホスファイトなどが含まれる。
上記フェノール系酸化防止剤の例には、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニル]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール、2,4,6−トリ−tert−ブチルフェノール、n−オクタデシル−3−(4′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−tert−ブチルフェノール)プロピオネート、スチレン化フェノール、4−ヒドロキシ−メチル−2,6−ジ−tert−ブチルフェノール、2,5−ジ−tert−ブチル−ハイドロキノン、シクロヘキシルフェノール、ブチルヒドロキシアニゾール、2,2′−メチレン−ビス−(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−メチレン−ビス−(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−イソ−プロピリデンビスフェノール、4,4′−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、1,1−ビス−(4−ヒドロオキシ−フェニル)シクロヘキサン、4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,6−ビス(2′−ヒドロオキシ−3′−tert−ブチル−5′−メチルメチルベンジル)4−メチル−フェノール、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロオキシ−5−tert−ブチル−フェニル)ブタン、1,3,5−トリス−メチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロオキシ−ベンジル)ベンゼン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロオキシフェニル)イソシアヌレート、トリス[β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニル−オキシエチル]イソシアネート、4,4′−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2′−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4′−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、およびN,N′−ヘキサメチレンビス(3,5−ジ−tert−ブチルフェノール−4−ヒドロキシシンナムアミド)などが含まれる。
上記アミン系酸化防止剤の例には、4,4′−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン、N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン、N,N′−ジ−β−ナフチル−p−フェニレンジアミン、N−シクロヘキシル−N′−フェニル−p−フェニレンジアミン、N−フェニル−N′−イソプロピル−p−フェニレンジアミン、アルドール−α−ナフチルアミン、2,2,4−トリメチル−1,2−ジハイドロキノンのポリマーおよび6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,2−ジヒドロキノリンなどが含まれる。
上記硫黄系酸化防止剤の例には、チオビス(β−ナフトール)、チオビス(N−フェニル−β−ナフチルアミン)、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、ドデシルメルカプタン、テトラメチルチウラムモノサルファイド、テトラメチルチウラムジサルファイド、ニッケルジブチルジチオカルバメート、ニッケルイソプロピルキサンテート、ジラウリルチオジプロピオネートおよびジステアリルチオジプロピオネートなどが含まれる。
上記酸化防止剤の含有量は、樹脂成分100質量部に対して、0.05〜2質量部、好ましくは0.1〜1.5質量部、より好ましくは0.2〜1.0質量部としうる。
上記ワックス成分の例には、ヘテロ原子を含む官能基構造を有する変性オレフィン重合体または無変性のオレフィン重合体が含まれる。
上記ヘテロ原子を含む官能基構造の例には、カルボン酸基(無水カルボン酸基を含む)、エステル基、エーテル基、アルデヒド基およびケトン基などが含まれる。中でも、カルボン酸基(無水カルボン酸基)が好ましく、無水マレイン酸基がより好ましい。
上記オレフィン重合体は、エチレン・α−オレフィン共重合体であることが好ましい。上記エチレン・α−オレフィン共重合体を構成するα−オレフィンの例には、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセンなどが含まれる。これらの中でも、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテンが好ましい。これらのα−オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、上記エチレン・α−オレフィン共重合体における、α−オレフィンから導かれる構造単位の含有率は、0.5〜30モル%、好ましくは2〜20モル%である。
上記変性オレフィン重合体は、変性オレフィン重合体100質量部に対して、ヘテロ原子を含む官能基構造単位を0.1〜1.5質量部、好ましくは0.1〜3質量部含む。
上記変性または無変性のオレフィン重合体の含有量は、樹脂成分の全質量を100質量%としたとき、1〜40質量%であることが好ましい。
上記脂肪酸金属塩は、樹脂組成物の成形時の流動性を高め、かつ得られる成形品の外観を良好にすることができる。上記脂肪酸金属塩の例には、オキシカルボン酸金属塩および高級脂肪酸金属塩などが含まれる。
上記オキシカルボン酸金属塩は、炭素原子数10〜30の脂肪族化合物のオキシカルボン酸またはサリチル酸、m−オキシ安息香酸、p−オキシ安息香酸、没食子酸、マンデル酸、およびトロバ酸などを含む芳香族化合物のオキシカルボン酸と、リチウムなどを含むアルカリ金属、ならびにマグネシウムおよびカルシウムなどを含むアルカリ土類金属と、の塩とすることができる。
上記高級脂肪酸金属塩は、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘニン酸、ベヘン酸、およびモンタン酸などの炭素数15〜30の脂肪族カルボン酸と、カルシウム、マグネシウム、リチウム、アルミニウム、亜鉛、ナトリウム、およびカリウムなどの金属と、の塩とすることができる。
上記脂肪酸金属塩の含有量は、樹脂成分の全質量を100質量%としたとき、0.01〜1.5質量%であることが好ましい。
2.半芳香族ポリアミド樹脂組成物の製造方法
上記半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、上記の比率の半芳香族ポリアミド樹脂(A)およびケイ酸アルミニウム化合物(B)、ならびに必要に応じてその他の成分を、公知の方法、例えばヘンシェルミキサー、Vブレンダー、リボンブレンダー若しくはタンブラーブレンダーなどで混合する方法、および混合後さらに一軸押出機、多軸押出機、ニーダー若しくはバンバリーミキサーなどで溶融混練し、その後、造粒若しくは粉砕する方法などにより製造することができる。
3.半芳香族ポリアミド樹脂組成物の成形体
上記のようにして調製した半芳香族ポリアミド樹脂組成物を用いて、通常の溶融成形法、例えば圧縮成形法、射出成形法および押し出し成形法などを利用することにより、所望の形状の成形体を製造することができる。
例えば、本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物を、シリンダ温度が350〜300℃程度に調整された射出成形機に投入して溶融状態にして、所定の形状の金型内に導入することにより成形体を製造することができる。
上記成形体の形状は、特に制限はなく、用途に応じて種々の形状をとりうる。
上記成形体は、自動車産業、電気、エレクトロニクス、電気通信、太陽光、および情報産業などの各種用途に使用することができるが、電導性が低く、かつ熱伝導率および機械的特性に優れるため、これらの特性が要求される自動車用の部品として好適に使用することができる。
上記成形体の具体的な用途の例には、半導体素子および抵抗などの封止材料、コネクター、ソケット、リレー部品、コイルボビン、光ピックアップ、発振子、およびコンピュータ関連部品などの電気・電子部品、VTR、テレビ、アイロン、エアコン、ステレオ、掃除機、冷蔵庫、炊飯器、および照明器具などの家庭電気製品部品、放熱シート、ヒートシンク、およびファンなどの電子部品からの熱を外部に逃すための放熱部材、ランプソケット、ランプリフレクター、およびランプハウジングなどの照明器具部品、コンパクトディスク、レザーディスク(登録商標)、スピーカーなどの音響製品部品、光ケーブル用フェルール、携帯電話機、固定電話機、ファクシミリ、およびモデムなどの通信機器部品、分離爪、およびヒータホルダーなどの複写機、印刷機関連部品、インペラーファン歯車、ギヤ、軸受け、モーター部品およびケースなどの機械部品、自動車用機構部品、エンジン部品、エンジンルーム内部品、電装部品、および内装部品などの自動車部品、マイクロ波調理用鍋、および耐熱食器などの調理用器具、航空機、宇宙機、宇宙機器用部品、ならびにセンサー類部品などが含まれる。また、上記成形体は、電気絶縁性にも優れるため配線基板などに応用することもできる。
以下、実施例を参照して本発明を更に具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例の記載に限定されない。
1.半芳香族ポリアミド樹脂(A)の調製
1−1.半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)の調製
1,6−ジアミノヘキサン2800g(24.1モル)、テレフタル酸1787g(10.8モル)、アジピン酸1921g(13.1モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物5.7gおよび蒸留水554gを内容量13.6Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。190℃から攪拌を開始し、3時間かけて内部温度を250℃まで昇温した。このとき、オートクレーブの内圧を3.01MPaまで昇圧した。このまま1時間反応を続けた後、オートクレーブ下部に設置したスプレーノズルから大気放出して低次縮合物を抜き出した。抜き出した低次縮合物を室温まで冷却し、その後、粉砕機で1.5mm以下の粒径まで粉砕し、110℃で24時間乾燥した。得られた低次縮合物の水分量は3600ppm、極限粘度[η]は0.14dl/gであった。
次に、この低次縮合物を棚段式固相重合装置にいれ、窒素置換後、約1時間30分かけて220℃まで昇温した。その後、1時間反応し、室温まで降温させた。得られた化合物の極限粘度[η]は0.48dl/gであった。その後、スクリュー径30mm、L/D=36の二軸押出機にて、バレル設定温度330℃、スクリュー回転数200rpm、6Kg/hの樹脂供給速度で溶融重合して、半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)を調製した。
半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)の極限粘度[η]は1.0dl/g、融点(Tm)は310℃、ガラス転移温度(Tg)は85℃であった。
1−2.半芳香族ポリアミド樹脂(A−2)の調製
1,6−ジアミノヘキサン2800g(24.3モル)、テレフタル酸2774g(16.7モル)、イソフタル酸1196g(7.2モル)、安息香酸36.6g(0.3モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物5.7gおよび蒸留水545gを内容量13.6Lのオートクレーブに入れ、窒素置換した。190℃から攪拌を開始し、3時間かけて内部温度を250℃まで昇温させた。このとき、オートクレーブの内圧を3.03MPaまで昇圧させた。このまま1時間反応を続けた後、オートクレーブ下部に設置したスプレーノズルから大気放出して低次縮合物を抜き出した。抜き出した低次縮合物を室温まで冷却し、その後、低次縮合物を粉砕機で1.5mm以下の粒径まで粉砕し、110℃で24時間乾燥させた。得られた低次縮合物の水分量は4100ppm、極限粘度[η]は0.15dl/gであった。
次に、この低次縮合物を棚段式固相重合装置にいれ、窒素置換後、約1時間30分かけて180℃まで昇温した。その後、1時間30分反応し、室温まで降温させた。得られた化合物の極限粘度[η]は0.20dl/gであった。
その後、上記で得た化合物をスクリュー径30mm、L/D=36の二軸押出機にて、バレル設定温度を330℃、スクリュー回転数200rpm、6Kg/hの樹脂供給速度で溶融重合して、半芳香族ポリアミド樹脂(A−2)を調製した。
ポリアミド樹脂(A−2)の極限粘度[η]は1.0dl/g、融点(Tm)は330℃、ガラス転移温度(Tg)は125℃であった。
なお、半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)および(A−2)の極限粘度[η]、融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)は、それぞれ以下の方法で測定した。
[極限粘度[η]]
得られた半芳香族ポリアミド樹脂0.5gを96.5%硫酸溶液50mlに溶解させた。得られた溶液の、25℃±0.05℃の条件下での流下秒数を、ウベローデ粘度計を使用して測定し、「数式:[η]=ηSP/(C(1+0.205ηSP))」に基づき算出した。
[η]:極限粘度(dl/g)
ηSP:比粘度
C:試料濃度(g/dl)
t:試料溶液の流下秒数(秒)
:ブランク硫酸の流下秒数(秒)
ηSP=(t−t)/t
[融点(Tm)、ガラス転移温度(Tg)]
半芳香族ポリアミド樹脂の融点(Tm)およびガラス転移温度(Tg)は、JIS K7121に準じて測定した。具体的には、PerkinElemer社製DSC7を用いて、約5mgの半芳香族ポリアミド樹脂を測定用アルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/minで340℃まで加熱した。半芳香族ポリアミド樹脂を完全融解させるために、340℃で5分間保持し、次いで、10℃/minで30℃まで冷却した。30℃で5分間置いた後、10℃/minで340℃まで2度目の加熱を行なった。この2度目の加熱でのピーク温度(℃)をポリアミド樹脂(A)の融点(Tm)とし、ガラス転移に相当する変位点をガラス転移温度(Tg)とした。
3.その他の材料
充填剤として、ケイ酸アルミニウムアミノシラン(Quarzwerke GmbH社製、SILATHERM 1360−400 AST(「SILATHERM」は同社の登録商標))、または酸化マグネシウム(宇部マテリアルズ社製、RF−50−AC, RF−10−AC)を用いた。
4.ポリアミド樹脂組成物の調製
4−1.ポリアミド樹脂組成物1の調製
34質量部の半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)と、65質量部のケイ酸アルミニウムアミノシランと、充填材としての0.7質量部のタルクおよび滑剤としての0.7質量部のモンタン酸カルシウム(日東化成工業社製、CS−8CP)をタンブラーブレンダーにて混合し、30mmφのベント式二軸スクリュー押出機を用いて300〜335℃のシリンダー温度条件で溶融混練した。その後、混練物をストランド状に押出し、水槽で冷却させた。その後、ペレタイザーでストランドを引き取り、カットすることでペレット状のポリアミド樹脂組成物を得た。
4−2.ポリアミド樹脂組成物2の調製
半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)を半芳香族ポリアミド樹脂(A−2)とした以外はポリアミド樹脂組成物1の調製と同様にして、ポリアミド樹脂組成物2を得た。
4−3.ポリアミド樹脂組成物3の調製
ケイ酸アルミニウムアミノシランを酸化マグネシウムとした以外はポリアミド樹脂組成物1の調製と同様にして、ポリアミド樹脂組成物3を得た。
4−4.ポリアミド樹脂組成物4の調製
半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)を、脂肪族ポリアミド樹脂(東レ社製、アミランCM3001−N(66ナイロン、融点(Tm):265℃)とした以外はポリアミド樹脂組成物1の調製と同様にして、ポリアミド樹脂組成物4を得た。
4−5.ポリアミド樹脂組成物5の調製
半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)の配合量を89質量部とし、ケイ酸アルミニウムアミノシランの配合量を10質量部とした以外はポリアミド樹脂組成物1の調製と同様にして、ポリアミド樹脂組成物5を得た。
4−6.ポリアミド樹脂組成物6の調製
半芳香族ポリアミド樹脂(A−1)を、脂肪族ポリアミド樹脂(東レ社製、アミランCM3001−N)とした以外はポリアミド樹脂組成物5の調製と同様にして、ポリアミド樹脂組成物6を得た。
ポリアミド樹脂組成物1〜ポリアミド樹脂組成物6の材料および配合量(単位は質量部)を、表1に示す。なお、表1において、充填材および滑剤はあわせて「その他添加剤」と表記する。
Figure 2020152762
5.評価
得られた半芳香族ポリアミド樹脂組成物の、熱伝導率、引張強度、曲げ強度、曲げ弾性率、および荷重たわみ温度(HDT)を、以下の方法で評価した。
5−1.熱伝導率
面方向の熱伝導率λ(単位:W/mK)は、熱拡散率α、密度ρおよび比熱Cpを下記方法により求め、その積として次式で算出した。
λ=α・ρ・Cp
λ:熱伝導率(W/(m・K))
α:熱拡散率(m/sec)
ρ:密度(g/m
Cp:比熱(J/g・K)
なお、熱拡散率αは、実施例、比較例で得られた評価用成形片の樹脂の流れ方向について、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置(アドバンス理工株式会社製 LaserPit)を用いて測定した。密度ρは自動比重計(アルファーミラージュ株式会社製 D−H100)を用いて測定した。比熱Cpは示差走査熱量計(パーキンエルマー社製 Diamond DSC)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
厚み方向の熱伝導率(単位:W/mK)は、ASTM E1530に準じて、アドバンス理工株式会社製、GH−1を用いて定常法熱流計法で測定を行った。
5−2.引張強度
得られたポリアミド樹脂組成物を、下記の射出成形機を用いて、下記成形条件で成形して、厚み3.2mmの(A)STMダンベル型試験片Type Iを得た。
(成形条件)
成形機:住友重機械工業社製 SG50M3
成形機シリンダー温度:ポリアミド樹脂組成物の融点(Tm)+10℃
金型温度:120℃
射出設定速度:60mm/sec
得られた試験片を、温度23℃、窒素雰囲気下で24時間放置した。次いで、ASTMD638に準拠して、温度23℃、相対湿度50%の雰囲気下で引張試験を行い、引張強度(単位:MPa)を測定した。
5−3.荷重たわみ温度(HDT)
下記の射出成形機を用い、下記の成形条件で作製した厚さ3.2mmの試験片を、スパンを100mmに固定して、35℃から昇温速度120℃/hrで1.8MPaの圧力をかけた。たわみ量が0.254mmになった際の温度を荷重たわみ温度(単位:℃)とした。
成形機:株式会社ソディック プラスティック製、ツパールTR40S3A
成形機シリンダー温度:ポリアミド樹脂(A)の融点(Tm)+15℃
金型温度:ポリアミド樹脂(A)のガラス転移温度(Tg)+20℃
ポリアミド樹脂組成物1〜ポリアミド樹脂組成物6の評価結果を表2に示す。
Figure 2020152762
表2の結果から明らかなように、融点が290〜330℃である半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、ケイ酸アルミニウム化合物(B)と、を含み、上記ケイ酸アルミニウム化合物(B)の含有量が、半芳香族ポリアミド組成物の全質量を100質量%としたとき、20質量%以上80質量%以下である半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、成形体の熱伝導性および機械的強度がより高められていた。
これに対し、半芳香族ポリアミド樹脂(A)とケイ酸アルミニウム化合物(B)以外の充填材とを含む半芳香族ポリアミド樹脂組成物や、半芳香族ポリアミド樹脂(A)以外のポリアミド樹脂とケイ酸アルミニウム化合物(B)とを含む半芳香族ポリアミド樹脂組成物や、ケイ酸アルミニウム化合物(B)の含有量が、半芳香族ポリアミド組成物の全質量を100質量%としたとき、20質量%未満である半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、成形体の熱伝導性および機械的強度のいずれか一方が高まっていなかった。
本発明の半芳香族ポリアミド樹脂組成物は、電導性が低く、かつ熱伝導率および機械的特性に優れる成形体を製造することができるため、上記成形体は、自動車産業、電気、エレクトロニクス、電気通信、太陽光、および情報産業などの各種用途に使用することができる。

Claims (6)

  1. 示差走査型熱量計(DSC)により測定される融点が290〜330℃である半芳香族ポリアミド樹脂(A)と、
    ケイ酸アルミニウム化合物(B)と、
    を含み、
    前記ケイ酸アルミニウム化合物(B)の含有量は、半芳香族ポリアミド組成物の全質量を100質量%としたとき、20質量%以上80質量%以下である、
    半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
  2. 前記ケイ酸アルミニウム化合物(B)は、ケイ酸アルミニウムアミノシランである、請求項1に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
  3. 前記半芳香族ポリアミド樹脂(A)は、
    20〜100モル%の、テレフタル酸成分単位(a−1)と、
    0〜80モル%の、テレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位(a−2)または炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)と、
    を含むジカルボン酸成分単位[a](ただし、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に含まれるジカルボン酸成分単位の総モル数を100モル%とする。)と、
    ジアミン成分単位[b]と、からなる繰り返し単位を有する、
    請求項1または2に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
  4. 前記ジカルボン酸成分単位[a]は、
    20〜100モル%の、テレフタル酸成分単位(a−1)と、
    0〜80モル%の、テレフタル酸以外の芳香族カルボン酸成分単位(a−2)と、
    を含む(ただし、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に含まれるジカルボン酸成分単位の総モル数を100モル%とする。)、
    請求項3に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
  5. 前記ジカルボン酸成分単位[a]は、
    45〜100モル%の、テレフタル酸成分単位(a−1)と、
    0〜80モル%の、炭素原子数4〜20の脂肪族ジカルボン酸成分単位(a−3)と、
    を含む(ただし、半芳香族ポリアミド樹脂(A)に含まれるジカルボン酸成分単位の総モル数を100モル%とする。)、
    請求項3に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の半芳香族ポリアミド樹脂組成物から得られる、成形体。
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