JP2020149899A - 蓄電素子及び蓄電装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】容器と他の導電部材との短絡を抑制することができる蓄電素子を提供する。【解決手段】電極端子200と、電極端子200が配置される容器100と、電極端子200及び容器100の間に配置される絶縁部材(上部ガスケット)とを備える蓄電素子10であって、当該絶縁部材は、電極端子200から容器100に形成されたガス排出弁121に向く方向である第一方向に向けて電極端子200よりもガス排出弁121に近い位置まで延設される第一延設部303、及び、容器100から電極端子200に向く方向である第二方向に向けて電極端子200の第二方向側の端子面200aよりも第二方向側の位置まで延設される第二延設部303cの少なくとも一方を有する。【選択図】図4
Description
本発明は、電極端子と容器と電極端子及び容器の間に配置される絶縁部材とを備える蓄電素子、並びに、蓄電装置に関する。
従来、電極端子と、容器と、電極端子及び容器の間に配置される絶縁部材と、を備える蓄電素子が広く知られている。例えば、特許文献1には、外装缶及び封口板(容器)と、封口板から外方に突出した外部電極端子(電極端子)と、外部電極端子及び封口板の間に配置されるガスケット(絶縁部材)と、を備える非水電解質二次電池(蓄電素子)が開示されている。
しかしながら、上記従来の構成では、蓄電素子が外部からの衝撃等を受けて容器が変形した場合に、容器が他の導電部材と接触して短絡を起こしてしまうおそれがある。例えば、蓄電素子が外部からの衝撃等を受けて容器の蓋部分が変形した場合、当該蓋部分が電極端子と接触したり、電極端子に接続されたバスバーと接触したりして、短絡を起こしてしまうおそれがある。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、容器と他の導電部材との短絡を抑制することができる蓄電素子及び蓄電装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、電極端子と、前記電極端子が配置される容器と、前記電極端子及び前記容器の間に配置される絶縁部材とを備える蓄電素子であって、前記絶縁部材は、前記電極端子から前記容器に形成されたガス排出弁に向く方向である第一方向に向けて前記電極端子よりも前記ガス排出弁に近い位置まで延設される第一延設部、及び、前記容器から前記電極端子に向く方向である第二方向に向けて前記電極端子の前記第二方向側の面よりも前記第二方向側の位置まで延設される第二延設部の少なくとも一方を有する。
これによれば、蓄電素子において、電極端子及び容器の間に配置される絶縁部材は、第一延設部及び第二延設部の少なくとも一方を有している。第一延設部は、電極端子からガス排出弁に向く第一方向に向けて、電極端子よりもガス排出弁に近い位置まで延設される部位である。第二延設部は、容器から電極端子に向く第二方向に向けて、電極端子の第二方向側の面よりも第二方向側の位置まで延設される部位である。このように、絶縁部材に、第一延設部及び第二延設部の少なくとも一方を配置することで、蓄電素子が外部からの衝撃等を受けて容器が変形した場合に、容器と他の導電部材(電極端子、バスバー等)との間に、第一延設部及び第二延設部の少なくとも一方が配置され得る。これにより、蓄電素子の容器が変形した場合でも、容器が他の導電部材と接触するのを抑制することができるため、容器と他の導電部材との短絡を抑制することができる。
また、前記絶縁部材は、前記第一延設部を少なくとも有し、前記第一延設部は、シート状の部材であることにしてもよい。
これによれば、絶縁部材が有する第一延設部は、シート状の部材であるため、折れ曲がりやすい。このため、容器が変形した場合に、第一延設部が容器の変形に追従しやすく、容器と他の導電部材との間に第一延設部が配置されやすい。これにより、容器が他の導電部材と接触するのをより確実に抑制することができるため、容器と他の導電部材との短絡をより確実に抑制することができる。
また、前記絶縁部材は、前記第一延設部を少なくとも有し、前記第一延設部は、前記第一方向及び前記第二方向に交差する第三方向に延びる凹部を有することにしてもよい。
これによれば、絶縁部材が有する第一延設部は、第一方向及び第二方向に交差する第三方向に延びる凹部(溝)を有しているため、折れ曲がりやすい。このため、容器が変形した場合に、第一延設部が容器の変形に追従しやすく、容器と他の導電部材との間に第一延設部が配置されやすい。これにより、容器が他の導電部材と接触するのをより確実に抑制することができるため、容器と他の導電部材との短絡をより確実に抑制することができる。
また、前記第一延設部及び前記第二延設部の少なくとも一方は、前記第一方向及び前記第二方向に交差する第三方向における前記容器の端部にまで延設されて配置されることにしてもよい。
これによれば、絶縁部材が有する第一延設部及び第二延設部の少なくとも一方は、第三方向における容器の端部にまで延設されて配置されている。このように、絶縁部材の延設部を容器の端部にまで延設することで、容器が変形した場合でも、容器が他の導電部材と接触するのをより確実に抑制することができるため、容器と他の導電部材との短絡をより確実に抑制することができる。
また、本発明の一態様に係る蓄電装置は、電極端子と、前記電極端子が配置される容器と、前記電極端子及び前記容器の間に配置される絶縁部材と、を有する蓄電素子と、前記電極端子に接続されるバスバーと、を備え、前記絶縁部材は、前記電極端子から前記容器に形成されたガス排出弁に向く方向である第一方向に向けて前記電極端子よりも前記ガス排出弁に近い位置まで延設される第一延設部、及び、前記容器から前記電極端子に向く方向である第二方向に向けて前記バスバーよりも前記第二方向側の位置まで延設される第二延設部の少なくとも一方を有する。
これによれば、蓄電装置において、蓄電素子の電極端子及び容器の間に配置される絶縁部材は、第一延設部及び第二延設部の少なくとも一方を有している。第一延設部は、電極端子からガス排出弁に向く第一方向に向けて、電極端子よりもガス排出弁に近い位置まで延設される部位である。第二延設部は、容器から電極端子に向く第二方向に向けて、電極端子に接続されるバスバーよりも第二方向側の位置まで延設される部位である。このように、絶縁部材に、第一延設部及び第二延設部の少なくとも一方を配置することで、蓄電装置が外部からの衝撃等を受けて蓄電素子の容器が変形した場合に、容器と他の導電部材(電極端子、バスバー等)との間に、第一延設部及び第二延設部の少なくとも一方が配置され得る。これにより、蓄電素子の容器が変形した場合でも、容器が他の導電部材と接触するのを抑制することができるため、容器と他の導電部材との短絡を抑制することができる。
なお、本発明は、このような蓄電素子及び蓄電装置として実現することができるだけでなく、それらが備える上記の絶縁部材としても実現することができる。
本発明における蓄電素子等によれば、容器と他の導電部材との短絡を抑制することができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(及びその変形例)に係る蓄電素子及び蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、模式図であり、寸法等は必ずしも厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
また、以下の説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対(正極側及び負極側)の電極端子の並び方向、一対の上部ガスケットの並び方向、または、容器の短側面の対向方向をX軸方向と定義する。複数の蓄電素子の並び方向、蓄電素子が有する容器の長側面の対向方向、容器の短側面の短手方向、または、容器の厚さ方向をY軸方向と定義する。蓄電素子とバスバーとの並び方向、蓄電素子の容器と電極端子との並び方向、容器の容器本体と蓋体との並び方向、容器の短側面の長手方向、または、上下方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、以下では、X軸プラス方向(またはX軸マイナス方向)を第一方向と呼び、Z軸プラス方向を第二方向と呼び、Y軸方向を第三方向と呼ぶ場合がある。
(実施の形態)
[1 蓄電装置1の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置1の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。なお、図1は、外装体30を透視して外装体30内方を示した図となっており、外装体30(及び2つの外部端子31)は破線で示している。
[1 蓄電装置1の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置1の全般的な説明を行う。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。なお、図1は、外装体30を透視して外装体30内方を示した図となっており、外装体30(及び2つの外部端子31)は破線で示している。
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途や電源用途などに使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置1は、例えば、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)若しくはプラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)等の自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電車、モノレール若しくはリニアモーターカー等の電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用若しくはエンジン始動用、または、家庭用若しくは発電機用に使用される定置用のバッテリ等として用いられる。
図1に示すように、蓄電装置1は、複数の蓄電素子10と、複数のバスバー20と、これら蓄電素子10及びバスバー20を収容する外装体30と、を備えている。なお、蓄電装置1は、蓄電素子10間に配置されるスペーサ、蓄電素子10を拘束するエンドプレートやサイドプレート、バスバー20の位置決めを行うバスバーフレーム、蓄電素子10の充電状態や放電状態を監視するための回路基板やリレー等の電気機器なども備えていてもよいが、これらの図示は省略し、詳細な説明も省略する。
蓄電素子10は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池などの非水電解質二次電池である。蓄電素子10は、扁平な直方体形状(角形)の形状を有している。本実施の形態では、6個の蓄電素子10が、Y軸方向に配列されて、直列に接続されて配置されている。この蓄電素子10の構成の詳細な説明については、後述する。
なお、蓄電素子10の個数は、特に限定されず、6個以外の複数個であってもよいし、1個であってもよい。また、蓄電素子10の形状は、特に限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円形柱形状等、どのような形状であってもよいし、ラミネート型の蓄電素子とすることもできる。また、蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子10は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子10は、固体電解質を用いた電池であってもよい。
バスバー20は、複数の蓄電素子10上に配置され、複数の蓄電素子10の電極端子同士を電気的に接続する導電性の矩形状かつ平板状の部材である。本実施の形態では、バスバー20は、隣り合う蓄電素子10の正極端子と負極端子とを順に接続することで、複数の蓄電素子10を直列に接続している。例えば、バスバー20は、両端が、隣り合う蓄電素子10の正極端子と負極端子とに溶接等により接合されることで、当該隣り合う蓄電素子10の正極端子と負極端子とを電気的に接続する。また、図1では、バスバー20の外部端子31との接続部分は省略して図示しているが、端部に配置されるバスバー20には、正極側及び負極側の外部端子31が接続されている。例えば、当該端部に配置されるバスバー20は、外部端子31にボルト締結等により接合されることで、端部に配置される蓄電素子10と外部端子31とを電気的に接続する。バスバー20は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属製の導電部材で形成されている。
なお、バスバー20の材質は特に限定されず、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼等の金属、または、金属以外の導電性の部材で形成されていてもよい。また、バスバー20の形状も、特に限定されない。また、バスバー20は、複数の蓄電素子10を並列に接続するように配置されていてもかまわない。
外装体30は、蓄電装置1の外装体を構成する略直方体形状(箱形)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体30は、蓄電素子10及びバスバー20の外方に配置され、これら蓄電素子10及びバスバー20を所定の位置に配置し、衝撃などから保護する。外装体30は、例えば、後述の上部ガスケット300や下部ガスケット400と同様の材質の絶縁材料により構成されている。外装体30は、これにより、蓄電素子10及びバスバー20が外部の金属部材などに接触することを回避する。なお、外装体30の形状及び材質は、上記には限定されない。また、外装体30には、2つの外部端子31が設けられている。この2つの外部端子31は、蓄電装置1の外部からの電気を充電し、また蓄電装置1の外部へ電気を放電するための正極側及び負極側の外部接続端子であり、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、鉄、鋼、ステンレス等の金属製の導電部材で形成されている。
[2 蓄電素子10の構成の説明]
次に、蓄電素子10の構成について、詳細に説明する。なお、図1に示された複数の蓄電素子10は、全て同様の構成を有するため、以下では、1つの蓄電素子10について、その構成を説明する。図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る蓄電素子10を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
次に、蓄電素子10の構成について、詳細に説明する。なお、図1に示された複数の蓄電素子10は、全て同様の構成を有するため、以下では、1つの蓄電素子10について、その構成を説明する。図2は、本実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。図3は、本実施の形態に係る蓄電素子10を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
図2に示すように、蓄電素子10は、容器100と、一対(正極側及び負極側)の電極端子200(電極端子210及び220)と、一対(正極側及び負極側)の上部ガスケット300(上部ガスケット310及び320)と、を備えている。また、図3に示すように、容器100の内方には、一対(正極側及び負極側)の下部ガスケット400と、一対(正極側及び負極側)の集電体500と、電極体600とが収容されている。また、容器100の内部には、電解液(非水電解質)が封入されているが、省略して図示している。当該電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。また、上記の構成要素の他、電極体600の側方や上方に配置されるスペーサ、または、電極体600等を包み込む絶縁フィルム等が配置されていてもよい。
容器100は、容器本体110と蓋体120とを有する直方体形状(箱形)のケースである。容器本体110は、容器100の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Z軸プラス方向側に開口が形成されている。つまり、容器本体110は、X軸方向両側に短側面部を有し、Y軸方向両側に長側面部を有し、Z軸マイナス方向側に底面部を有している。蓋体120は、容器100の蓋部を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体110の開口を閉塞するように、容器本体110のZ軸プラス方向側にX軸方向に延設されて配置されている。このような構成により、容器100は、電極体600等を容器本体110の内部に収容後、容器本体110と蓋体120とが溶接等されることにより、内部が密封される構造となっている。なお、容器本体110及び蓋体120の材質は特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属であるのが好ましい。
また、蓋体120には、容器100の内圧が上昇したときに容器100内部のガスを排出するガス排出弁121が配置されている。具体的には、ガス排出弁121は、蓋体120のX軸方向及びY軸方向の中央部(一対の電極端子200の間、かつ、一対の上部ガスケット300の間)に配置された、矩形状の安全弁である。さらに、蓋体120には、容器100内部に電解液を注入するための円形状の貫通孔である注液口122が形成され、蓋体120の注液口122の位置には、注液口122を塞ぐ注液栓130が配置されている。具体的には、注液口122及び注液栓130は、ガス排出弁121と一方の電極端子200(本実施の形態では電極端子210)との間、かつ、ガス排出弁121と一方の上部ガスケット300(本実施の形態では上部ガスケット310)との間に配置されている。
電極体600は、正極板と負極板とセパレータとを備え、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる長尺帯状の集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる長尺帯状の集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。そして、電極体600は、正極板と負極板との間にセパレータが挟み込まれるように層状に配置され巻回されて形成されている。これにより、正極板の複数のタブが積層され、かつ、負極板の複数のタブが積層されて、正極側及び負極側のタブ部610が形成されている。なお、本実施の形態では、電極体600の断面形状として長円形状を図示しているが、楕円形状などでもよい。
電極端子200は、集電体500を介して、電極体600に電気的に接続される電極端子である。つまり、電極端子200は、電極体600に蓄えられている電気を蓄電素子10の外部空間に導出し、また、電極体600に電気を蓄えるために蓄電素子10の内部空間に電気を導入するための金属製の電極端子である。電極端子200は、かしめ等によって、集電体500に接続され、かつ、蓋体120に取り付けられている。具体的には、電極端子200は、下方(Z軸マイナス方向)に延びる軸部201(リベット部)を有している。そして、軸部201が、上部ガスケット300の貫通孔301と、蓋体120の貫通孔123と、下部ガスケット400の貫通孔401と、集電体500の貫通孔501とに挿入されて、かしめられる。これにより、電極端子200は、上部ガスケット300、下部ガスケット400及び集電体500とともに、蓋体120に固定される。
ここで、電極端子200のうち、電極端子210は例えば正極端子であり、電極端子220は例えば負極端子である。つまり、電極端子210は、電極体600の正極板に電気的に接続され、電極端子220は、電極体600の負極板に電気的に接続される。また、電極端子210の材質は特に限定されないが、例えば、電極端子210は、電極体600の正極基材層と同様、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属で形成されている。また、電極端子220の材質についても特に限定されないが、例えば、電極端子220の軸部は、電極体600の負極基材層と同様、銅または銅合金等の金属で形成され、軸部以外の部分は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属で形成されている。
集電体500は、電極体600と電極端子200とを電気的に接続する矩形状かつ平板状の部材である。具体的には、正極側の集電体500は、電極体600の正極側のタブ部610と溶接等により接続(接合)されるとともに、上述の通り、電極端子210とかしめ等により接合される。負極側についても同様である。正極側の集電体500は、例えば、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属で形成され、負極側の集電体500は、例えば、銅または銅合金等の金属で形成されている。なお、集電体500と電極端子200とを接続(接合)する手法は、かしめ接合には限定されず、超音波接合、レーザ溶接、抵抗溶接等の溶接、または、ねじ締結等のかしめ以外の機械的接合等が用いられてもよい。また、集電体500とタブ部610とを接続(接合)する手法は、超音波接合、レーザ溶接、抵抗溶接等、どのような溶接が用いられてもよいし、かしめ接合やねじ締結等の機械的接合等が用いられてもよい。
上部ガスケット300は、容器100の蓋体120と電極端子200との間に配置され、蓋体120と電極端子200との間を電気的に絶縁し、かつ、封止する平板状の絶縁性の封止部材である。下部ガスケット400は、蓋体120と集電体500との間に配置され、蓋体120と集電体500との間を電気的に絶縁し、かつ、封止する平板状の絶縁性の封止部材である。なお、上部ガスケット300及び下部ガスケット400は、例えば、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、及び、それらの複合材料等の樹脂等によって形成されている。
ここで、上部ガスケット300のうち、上部ガスケット310は、蓋体120と電極端子210との間に配置された、例えば正極側の上部ガスケットであり、上部ガスケット320は、蓋体120と電極端子220との間に配置された、例えば負極側の上部ガスケットである。なお、上部ガスケット300(上部ガスケット310及び320)は、絶縁部材の一例である。この上部ガスケット300(上部ガスケット310及び320)の構成について、以下に詳細に説明する。
[3 上部ガスケット300の構成の説明]
図4は、本実施の形態に係る上部ガスケット300(上部ガスケット310及び320)の構成を示す上面図及び側面図である。具体的には、図4の(a)は、図2に示された蓄電素子10をZ軸プラス方向側から見た上面図であり、図4の(b)は、当該蓄電素子10のZ軸プラス方向側の部位をY軸マイナス方向側から見た側面図である。
図4は、本実施の形態に係る上部ガスケット300(上部ガスケット310及び320)の構成を示す上面図及び側面図である。具体的には、図4の(a)は、図2に示された蓄電素子10をZ軸プラス方向側から見た上面図であり、図4の(b)は、当該蓄電素子10のZ軸プラス方向側の部位をY軸マイナス方向側から見た側面図である。
図4に示すように、上部ガスケット300は、上述の貫通孔301が形成された上部ガスケット本体302と、上部ガスケット本体302からX軸方向に延設される第一延設部303と、を有している。具体的には、上部ガスケット310は、上部ガスケット本体312と第一延設部313とを有し、上部ガスケット320は、上部ガスケット本体322と第一延設部323とを有している。なお、上部ガスケット310と上部ガスケット320とは、別体で構成されており、第一延設部313と第一延設部323とは一体化されていない。
上部ガスケット本体302(312、322)は、上部ガスケット300の本体部を構成する矩形状かつ平板状の部位であり、電極端子200(210、220)と容器100の蓋体120との間に配置されている。具体的には、上部ガスケット本体302(312、322)には、Z軸方向から見て矩形状のZ軸マイナス方向に凹んだ凹部であるガスケット本体凹部302a(312a、322a)が形成されている。そして、このガスケット本体凹部302a(312a、322a)内に電極端子200(210、220)が配置されることで、上部ガスケット本体302が、電極端子200のZ軸マイナス方向側、X軸方向両側及びY軸方向両側を覆う構成となっている。
なお、電極端子200(210、220)は、Z軸プラス方向側の端部が、上部ガスケット本体302(312、322)から突出して配置されている。これにより、電極端子200のZ軸プラス方向側の端子面200a(210a、220a)に、バスバー20が接続(接合)される。
第一延設部303は、電極端子200からガス排出弁121に向く方向である第一方向に向けて、電極端子200よりもガス排出弁121に近い位置まで延設される、矩形状かつ平板状の部位である。ここで、第一延設部303が第一延設部313の場合には、第一方向はX軸プラス方向であり、第一延設部303が第一延設部323の場合には、第一方向はX軸マイナス方向である。
つまり、第一延設部313は、電極端子210からガス排出弁121に向く方向(X軸プラス方向)に向けて、電極端子210よりもガス排出弁121に近い位置まで延設されている。具体的には、第一延設部313は、第一延設部323のX軸マイナス方向側、詳細には、ガス排出弁121を超えない位置、さらに詳細には、ガス排出弁121のX軸マイナス方向側まで延設されている。
言い換えると、第一延設部313は、X軸プラス方向側の端縁が、電極端子210とガス排出弁121との間の領域の中心位置よりもX軸プラス方向側に位置するように、配置されている。具体的には、第一延設部313は、電極端子210のX軸プラス方向側の端縁と第一延設部313のX軸プラス方向側の端縁との距離Aが、第一延設部313の当該端縁とガス排出弁121のX軸マイナス方向側の端縁との距離Bよりも、大きくなるように形成されている。第一延設部323についても同様である。なお、本実施の形態では、ガス排出弁121のX軸マイナス方向側に注液栓130が配置されているため、第一延設部313は、注液栓130のX軸マイナス方向側まで延設されている。
[4 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10(蓄電装置1)によれば、電極端子200及び容器100の間に配置される上部ガスケット300(絶縁部材)は、第一延設部303を有している。第一延設部303は、電極端子200からガス排出弁121に向く第一方向に向けて、電極端子200よりもガス排出弁121に近い位置まで延設される部位である。このように、上部ガスケット300に第一延設部303を配置することで、蓄電素子10(蓄電装置1)が外部からの衝撃等を受けて容器100が変形した場合に、容器100と他の導電部材(電極端子200、バスバー20等)との間に、第一延設部303が配置され得る。例えば、蓄電素子10が容器100の短側面側からの荷重を受けて圧壊された場合には、容器100の蓋体120の中央部分が上方に突出変形するおそれがあるが、この場合、蓋体120の突出部分と他の導電部材との間に、第一延設部303が配置され得る。これにより、蓄電素子10の容器100(蓋体120)が変形した場合でも、容器100(蓋体120)が当該他の導電部材と接触するのを抑制することができるため、容器100(蓋体120)と当該他の導電部材との短絡を抑制することができる。
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電素子10(蓄電装置1)によれば、電極端子200及び容器100の間に配置される上部ガスケット300(絶縁部材)は、第一延設部303を有している。第一延設部303は、電極端子200からガス排出弁121に向く第一方向に向けて、電極端子200よりもガス排出弁121に近い位置まで延設される部位である。このように、上部ガスケット300に第一延設部303を配置することで、蓄電素子10(蓄電装置1)が外部からの衝撃等を受けて容器100が変形した場合に、容器100と他の導電部材(電極端子200、バスバー20等)との間に、第一延設部303が配置され得る。例えば、蓄電素子10が容器100の短側面側からの荷重を受けて圧壊された場合には、容器100の蓋体120の中央部分が上方に突出変形するおそれがあるが、この場合、蓋体120の突出部分と他の導電部材との間に、第一延設部303が配置され得る。これにより、蓄電素子10の容器100(蓋体120)が変形した場合でも、容器100(蓋体120)が当該他の導電部材と接触するのを抑制することができるため、容器100(蓋体120)と当該他の導電部材との短絡を抑制することができる。
また、上部ガスケット300は、上部ガスケット310と上部ガスケット320とが一体に形成(第一延設部313と第一延設部323とが一体に形成)されていると、蓋体120が変形した際に、意図しない位置で割れるおそれがある。この場合、第一延設部303が蓋体120と他の導電部材との間に配置されずに、蓋体120が当該他の導電部材と接触するおそれがある。このため、上部ガスケット300は、上部ガスケット310と上部ガスケット320とが別体で構成(第一延設部313と第一延設部323とが別体で構成)されている。これにより、上部ガスケット300は、第一延設部303によって蓋体120の変形を抑制することができるとともに、蓋体120が変形した場合に蓋体120の変形に追従しやすい。このことも、容器100が他の導電部材と接触して短絡してしまうのを抑制することに寄与する。
[5 変形例の説明]
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。図5は、本実施の形態の変形例1に係る上部ガスケット300a(上部ガスケット310a)の構成を示す上面図及び側面図である。具体的には、図5の(a)及び(b)は、図4の(a)及び(b)のX軸マイナス方向側の部分に対応する部分を拡大して示す図である。なお、本変形例において、X軸プラス方向側とX軸マイナス方向側とは同様の構成を有するため、X軸プラス方向側の部分の図示及びその説明は省略する。
(変形例1)
次に、上記実施の形態の変形例1について、説明する。図5は、本実施の形態の変形例1に係る上部ガスケット300a(上部ガスケット310a)の構成を示す上面図及び側面図である。具体的には、図5の(a)及び(b)は、図4の(a)及び(b)のX軸マイナス方向側の部分に対応する部分を拡大して示す図である。なお、本変形例において、X軸プラス方向側とX軸マイナス方向側とは同様の構成を有するため、X軸プラス方向側の部分の図示及びその説明は省略する。
図5に示すように、本変形例における蓄電素子10aは、上記実施の形態における蓄電素子10の上部ガスケット300(310)に代えて、上部ガスケット300a(310a)を備えている。上部ガスケット300a(310a)は、上記実施の形態の第一延設部303(313)に代えて、第一延設部303a(313a)を有している。その他の構成については、上記実施の形態と同様である。
第一延設部303aは、第三方向(Y軸方向)に延びる凹部である延設部凹部304(延設部凹部304a及び304b)を有している。延設部凹部304aは、第一延設部303aのZ軸プラス方向側の面がZ軸マイナス方向に凹んで形成された、第一延設部303aのY軸方向の一端から他端まで延びる溝部である。延設部凹部304bは、第一延設部303aのZ軸マイナス方向側の面がZ軸プラス方向に凹んで形成された、第一延設部303aのY軸方向の一端から他端まで延びる溝部である。本変形例では、断面が半円形状のY軸方向に平行な2本の延設部凹部304aがX軸方向に並んで配置され、当該2本の延設部凹部304aと対向する位置に、断面が半円形状のY軸方向に平行な2本の延設部凹部304bが配置されている。
なお、延設部凹部304(304a、304b)の数、形状、配置位置等は、上記には限定されない。例えば、延設部凹部304は、第一延設部303aのY軸方向の一端から他端まで延設されるのではなく、Y軸方向の長さが短くてもよいし、Y軸方向に連続的に形成されるのではなく、断続的に形成されていてもよい。また、延設部凹部304は、XZ断面での断面形状が矩形状、三角形状等であってもよいし、Z軸方向から見た場合の形状が、Y軸方向から傾斜した直線状や曲線状等であってもよい。また、延設部凹部304aと延設部凹部304bとは対向しておらず、Z軸方向から見てX軸方向に交互に位置するように配置されていてもよいし、交互に配置されていなくてもよい。さらに、延設部凹部304aの数と延設部凹部304bの数とが異なっていてもよいし、延設部凹部304a及び延設部凹部304bのいずれかが形成されていないことにしてもよい。
以上のように、本変形例に係る蓄電素子10aによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、第一延設部303aは、第三方向(Y軸方向)に延びる延設部凹部304を有しているため、折れ曲がりやすい。このため、容器100が変形した場合に、第一延設部303aが容器100の変形に追従しやすく、容器100と他の導電部材との間に第一延設部303aが配置されやすい。これにより、容器100が他の導電部材と接触するのをより確実に抑制することができるため、容器100と他の導電部材との短絡をより確実に抑制することができる。
(変形例2)
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。図6は、本実施の形態の変形例2に係る上部ガスケット300b(上部ガスケット310b及び320b)の構成を示す上面図及び側面図である。具体的には、図6の(a)及び(b)は、図4の(a)及び(b)に対応する図である。
次に、上記実施の形態の変形例2について、説明する。図6は、本実施の形態の変形例2に係る上部ガスケット300b(上部ガスケット310b及び320b)の構成を示す上面図及び側面図である。具体的には、図6の(a)及び(b)は、図4の(a)及び(b)に対応する図である。
図6に示すように、本変形例における蓄電素子10bは、上記実施の形態における蓄電素子10の上部ガスケット300(310、320)に代えて、上部ガスケット300b(310b、320b)を備えている。上部ガスケット300b(310b、320b)は、上記実施の形態の第一延設部303(313、323)に代えて、第一延設部303b(313b、323b)を有している。その他の構成については、上記実施の形態と同様である。
第一延設部303b(313b、323b)は、上部ガスケット本体302(312、322)から第一方向(電極端子200からガス排出弁121に向く方向)に向けて、電極端子200よりもガス排出弁121に近い位置まで延設されたシート状の部材である。本変形例では、第一延設部303bは、例えば、絶縁テープであり、蓋体120に貼り付けられて配置されている。これにより、第一延設部303bは、上記実施の形態よりも形状の自由度が高くなるため、本変形例では、第一延設部303bは、上記実施の形態における第一延設部303よりも広い範囲に配置されている。
つまり、第一延設部303b(313b、323b)は、ガス排出弁121の近傍まで延設され、かつ、第三方向(Y軸方向)における容器100の蓋体120の端部にまで延設されて配置されている。なお、本変形例では、第一延設部303bは、Y軸方向における蓋体120の両端部にまで延設されているが、当該両端部のうちの一方の端部にまでしか延設されていない構成でもよい。また、ガス排出弁121のX軸マイナス方向側に注液栓130が配置されているため、第一延設部313bは、X軸プラス方向側の端部に注液栓130が配置される凹部が形成されている。
以上のように、本変形例に係る蓄電素子10bによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、第一延設部303bは、シート状の部材であるため、折れ曲がりやすい。このため、容器100が変形した場合に、第一延設部303bが容器100の変形に追従しやすく、容器100と他の導電部材との間に第一延設部303bが配置されやすい。これにより、容器100が他の導電部材と接触するのをより確実に抑制することができるため、容器100と他の導電部材との短絡をより確実に抑制することができる。また、第一延設部303bを絶縁テープで形成すれば、第一延設部303bを容易に形成し、かつ、容器100に容易に配置することができる。
また、第一延設部303bは、第三方向(Y軸方向)における容器100の端部にまで延設されて配置されている。このように、第一延設部303bを容器100の端部にまで延設することで、容器100が変形した場合でも、容器100が他の導電部材と接触するのをより確実に抑制することができるため、容器100と他の導電部材との短絡をより確実に抑制することができる。
なお、第一延設部303bは、絶縁テープには限定されず、粘着性を有さない絶縁シート等であってもよい。また、第一延設部303bの形状は、上記には限定されず、種々の形状を取り得る。また、本変形例における第一延設部303bと同様に、上記実施の形態においても、第一延設部303が、第三方向(Y軸方向)における容器100の蓋体120の端部にまで延設されて配置されていてもよい。
(変形例3)
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。図7は、本実施の形態の変形例3に係る上部ガスケット300c(上部ガスケット310c及び320c)の構成を示す上面図及び側面図である。具体的には、図7の(a)及び(b)は、図4の(a)及び(b)に対応する図であるが、図7では、電極端子200上にバスバー20を配置した図を示している。
次に、上記実施の形態の変形例3について、説明する。図7は、本実施の形態の変形例3に係る上部ガスケット300c(上部ガスケット310c及び320c)の構成を示す上面図及び側面図である。具体的には、図7の(a)及び(b)は、図4の(a)及び(b)に対応する図であるが、図7では、電極端子200上にバスバー20を配置した図を示している。
図7に示すように、本変形例における蓄電素子10cは、上記実施の形態における蓄電素子10の上部ガスケット300(310、320)に代えて、上部ガスケット300c(310c、320c)を備えている。上部ガスケット300c(310c、320c)は、上記実施の形態の第一延設部303(313、323)に代えて、第二延設部303c(313c、323c)を有している。その他の構成については、上記実施の形態と同様である。
第二延設部303c(313c、323c)は、容器100から電極端子200に向く方向である第二方向(Z軸プラス方向)に向けて、電極端子200の第二方向側の面よりも第二方向側の位置まで延設される、矩形状かつ平板状の部位である。つまり、第二延設部303c(313c、323c)は、上部ガスケット本体302(312、322)からZ軸プラス方向に向けて、電極端子200の端子面200a(210a、220a)よりもZ軸プラス方向側の位置まで延設されている。言い換えると、第二延設部303cは、X軸方向から見て、Z軸プラス方向側の端縁が、端子面200aよりもZ軸プラス方向側に配置されている。
ここで、端子面200aは、電極端子200のZ軸プラス方向側のXY平面に平行な面であり、バスバー20が接続(接合)される面であるため、端子面200aは、バスバー20との接続(接合)面とも称することができる。バスバー20と電極端子200とを接続(接合)する手法は、抵抗溶接、レーザ溶接、超音波接合等、どのような溶接が用いられてもよいし、ねじ締結やかしめ接合等の機械的接合等が用いられてもよい。なお、端子面200aがXY平面に平行な面ではない場合(Z軸方向の高さが異なる部位を有する場合)には、第二延設部303cは、端子面200aの最もZ軸マイナス方向側の部位よりもZ軸プラス方向側の位置まで延設されていればよい。ただし、第二延設部303cの機能を効果的に発揮させるために、第二延設部303cは、端子面200aの最もZ軸プラス方向側の部位よりもZ軸プラス方向側の位置まで延設されているのが好ましい。
本変形例では、第二延設部303cは、第二方向(Z軸プラス方向)に向けて、バスバー20よりも第二方向側の位置まで延設されている。言い換えると、第二延設部303cは、X軸方向から見て、Z軸プラス方向側の端縁が、バスバー20のZ軸プラス方向側の面よりもZ軸プラス方向側に配置されている。なお、バスバー20のZ軸プラス方向側の面がXY平面に平行な面ではない場合(Z軸方向の高さが異なる部位を有する場合)には、第二延設部303cは、バスバー20の当該面の最もZ軸マイナス方向側の部位よりもZ軸プラス方向側の位置まで延設されていればよい。ただし、第二延設部303cの機能を効果的に発揮させるために、第二延設部303cは、バスバー20の当該面の最もZ軸プラス方向側の部位よりもZ軸プラス方向側の位置まで延設されているのが好ましい。
また、第二延設部303c(313c、323c)は、上部ガスケット本体302(312、322)のX軸方向における内側(ガス排出弁121側、または、蓋体120の中央部側)の端部から、Z軸プラス方向に延設されている。なお、第二延設部303cは、ガス排出弁121側に代えて、または、ガス排出弁121側に加えて、ガス排出弁121と反対側にも設けられていてもよい。特に、電極端子200及び上部ガスケット300cが蓋体120の中央部寄りに配置されるような場合には、上部ガスケット300cのX軸方向両側に第二延設部303cが配置されるのが好ましい。
さらに、第二延設部303c(313c、323c)は、第三方向(Y軸方向)における容器100の端部にまで延設されて配置されている。本変形例では、電極端子210に接続されるバスバー20は、電極端子210からY軸プラス方向に延設されるため、第二延設部313cは、蓋体120のY軸プラス方向側の端部にまで延設されて配置されている。また、電極端子220に接続されるバスバー20は、電極端子220からY軸マイナス方向に延設されるため、第二延設部323cは、蓋体120のY軸マイナス方向側の端部にまで延設されて配置されている。なお、第二延設部303cのY軸方向における延設方向は上記には限定されず、第二延設部303cは、上記とは逆方向またはY軸方向両側に延設されていてもよい。
以上のように、本変形例に係る蓄電素子10cによれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、第二延設部303cは、容器100から電極端子200に向く第二方向(Z軸方向)に向けて、電極端子200の端子面200aよりも第二方向側の位置まで延設される部位である。具体的には、第二延設部303cは、第二方向に向けて、電極端子200に接続されるバスバー20よりも第二方向側の位置まで延設される部位である。このように、上部ガスケット300cに第二延設部303cを配置することで、蓄電素子10c(蓄電装置)が外部からの衝撃等を受けて容器100が変形した場合に、容器100と他の導電部材(電極端子200、バスバー20等)との間に、第二延設部303cが配置され得る。これにより、蓄電素子10cの容器100が変形した場合でも、容器100が他の導電部材と接触するのを抑制することができるため、容器100と他の導電部材との短絡を抑制することができる。
また、第二延設部303cは、第三方向(Y軸方向)における容器100の端部にまで延設されて配置されている。このように、第二延設部303cを容器100の端部にまで延設することで、容器100が変形した場合でも、容器100が他の導電部材と接触するのをより確実に抑制することができるため、容器100と他の導電部材との短絡をより確実に抑制することができる。
(その他の変形例)
以上、本実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子及び蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例には限定されない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
以上、本実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子及び蓄電装置について説明したが、本発明は、上記実施の形態及びその変形例には限定されない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
例えば、上記実施の形態及びその変形例では、上部ガスケット(絶縁部材)は、第一延設部及び第二延設部のいずれか一方を有していることとした。しかし、上部ガスケットは、第一延設部及び第二延設部の少なくとも一方を有していればよく、第一延設部及び第二延設部の双方を有していてもよい。
また、上記実施の形態及び変形例1、3では、上部ガスケット(絶縁部材)は、1つの部材で構成された一体物であることとした。しかし、上部ガスケットは、複数の部材で構成されていてもよい。例えば、容器100の蓋体120を貫通する部分と、延設部(第一延設部または第二延設部)を有する部分とが別体で構成されていてもよいし、延設部がさらに複数の部材で構成されていてもよいし、その他どのように分割された構成を有していてもよい。また、上記変形例2においては、上部ガスケットは、1つの部材で構成された一体物であることにしてもよいし、さらに複数の部材に分割された構成を有していてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、上部ガスケットは、絶縁性の封止部材であることとした。しかし、上部ガスケットは、絶縁部材であればよく、封止の機能を有していなくてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、ガス排出弁121は、蓋体120の中央部に配置されていることとした。しかし、ガス排出弁121は、蓋体120の中央部から少しずれた位置に配置されていてもよいし、蓋体120の端部に配置されていてもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、電極体600は、Z軸方向の巻回軸を有し、極板が巻回されて形成された、いわゆる横巻きの巻回型電極体であることとした。しかし、電極体600は、例えば、X軸方向の巻回軸を有するいわゆる縦巻きの巻回型電極体であってもよいし、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体、または、複数枚の平板状極板を積層したスタック型の電極体であってもよい。
また、上記実施の形態及びその変形例では、正極側及び負極側の上部ガスケットの両方が、上記構成を有していることとした。しかし、正極側または負極側の上部ガスケットが上記構成を有していないことにしてもよい。また、蓄電素子は、例えば容器100に一方の極性の電位を落とす構成を有する場合等においては、正極側または負極側のいずれかの上部ガスケットを備えていないことにしてもよい。
また、上記実施の形態及び上記変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。例えば、上記変形例3の第二延設部323cに上記変形例1のような凹部を形成してもよいし、上記変形例3の第二延設部323cを上記変形例2のようなシート状の部材で形成してもよい等、種々の形態が本発明の範囲内に含まれる。
また、本発明は、このような蓄電素子及び蓄電装置として実現することができるだけでなく、それらが備える絶縁部材(上部ガスケット)としても実現することができる。
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子等に適用できる。
1 蓄電装置
10、10a、10b、10c 蓄電素子
20 バスバー
100 容器
120 蓋体
121 ガス排出弁
130 注液栓
200、210、220 電極端子
200a、210a、220a 端子面
300、300a、300b、300c、310、310a、310b、310c、320、320b、320c 上部ガスケット
302、312、322 上部ガスケット本体
302a、312a、322a ガスケット本体凹部
303、303a、303b、313、313a、313b、323、323b 第一延設部
303c、313c、323c 第二延設部
304、304a、304b 延設部凹部
10、10a、10b、10c 蓄電素子
20 バスバー
100 容器
120 蓋体
121 ガス排出弁
130 注液栓
200、210、220 電極端子
200a、210a、220a 端子面
300、300a、300b、300c、310、310a、310b、310c、320、320b、320c 上部ガスケット
302、312、322 上部ガスケット本体
302a、312a、322a ガスケット本体凹部
303、303a、303b、313、313a、313b、323、323b 第一延設部
303c、313c、323c 第二延設部
304、304a、304b 延設部凹部
Claims (5)
- 電極端子と、前記電極端子が配置される容器と、前記電極端子及び前記容器の間に配置される絶縁部材とを備える蓄電素子であって、
前記絶縁部材は、前記電極端子から前記容器に形成されたガス排出弁に向く方向である第一方向に向けて前記電極端子よりも前記ガス排出弁に近い位置まで延設される第一延設部、及び、前記容器から前記電極端子に向く方向である第二方向に向けて前記電極端子の前記第二方向側の面よりも前記第二方向側の位置まで延設される第二延設部の少なくとも一方を有する
蓄電素子。 - 前記絶縁部材は、前記第一延設部を少なくとも有し、
前記第一延設部は、シート状の部材である
請求項1に記載の蓄電素子。 - 前記絶縁部材は、前記第一延設部を少なくとも有し、
前記第一延設部は、前記第一方向及び前記第二方向に交差する第三方向に延びる凹部を有する
請求項1または2に記載の蓄電素子。 - 前記第一延設部及び前記第二延設部の少なくとも一方は、前記第一方向及び前記第二方向に交差する第三方向における前記容器の端部にまで延設されて配置される
請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電素子。 - 電極端子と、前記電極端子が配置される容器と、前記電極端子及び前記容器の間に配置される絶縁部材と、を有する蓄電素子と、
前記電極端子に接続されるバスバーと、を備え、
前記絶縁部材は、前記電極端子から前記容器に形成されたガス排出弁に向く方向である第一方向に向けて前記電極端子よりも前記ガス排出弁に近い位置まで延設される第一延設部、及び、前記容器から前記電極端子に向く方向である第二方向に向けて前記バスバーよりも前記第二方向側の位置まで延設される第二延設部の少なくとも一方を有する
蓄電装置。
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