JP2023122214A - 蓄電素子 - Google Patents

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Yoshihiro Yamamoto
尚樹 岡田
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Abstract

【課題】簡易な構成で安全性が向上された蓄電素子を提供すること。【解決手段】蓄電素子10は、電極体600と、容器100と、電極体600に電気的に接続された集電体500と、集電体500及び容器100の蓋板120に挟まれて配置された第一絶縁部材400と、容器100に収容された、第一絶縁部材400とは別体の第二絶縁部材700と、を備える。電極体600は、電極体本体601と、電極体本体601のZ軸方向の端部から突出し、かつ、電極体600のZ軸方向に配置された集電体500と接合されたタブ部602と、を有する。第二絶縁部材700は、第一挿入部701と絶縁壁部710とを有する。第一挿入部701は、集電体500と蓋板120との間に挿入され、かつ、Z軸方向で第一絶縁部材400の周縁部402と重ねて配置されている。絶縁壁部710は、第一方向と直交するY軸方向において、タブ部602に対向する位置に配置されている。【選択図】図6

Description

本発明は、電極体を備える蓄電素子に関する。
特許文献1には、正極電極のタブ側縁部から突出した正極タブが積層された正極タブ群を有する電極組立体と、電極組立体を収容するケースとを備える二次電池が開示されている。この二次電池は、正極タブ群の基端側屈曲部とケース本体とを絶縁する第1絶縁部と、正極タブ群の先端側屈曲部とケース本体とを絶縁する第2絶縁部とを有する絶縁カバーを備える。
特開2018-206758号公報
上記従来の二次電池のように、電極組立体(電極体)における極板の積層方向において、タブ群(タブ部)に対向する位置に、絶縁カバーの絶縁部を配置することで、タブ部と、ケース本体(容器本体)との電気的な絶縁が図られる。しかしながら、この場合、絶縁部が例えば上下方向にずれることで、当該内面に対してタブ部が露出する状態となり、その結果、タブ部と容器との絶縁性が低下する場合がある。電極体に巻かれる絶縁シートの一部を利用してタブ部と容器とを絶縁することも考えられるが、この場合は、例えば絶縁シートの配置の際における、絶縁シートの、タブ部の近くの端縁の位置制御が困難という別の問題が生じる。
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目することによってなされたものであり、簡易な構成で安全性が向上された蓄電素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電素子は、電極体と、前記電極体を収容する容器とを備える蓄電素子であって、前記容器に収容された、前記電極体に電気的に接続された集電体と、前記集電体及び前記容器の壁部に挟まれて配置された第一絶縁部材と、前記容器に収容された、前記第一絶縁部材とは別体の第二絶縁部材と、を備え、前記電極体は、電極体本体と、前記電極体本体の第一方向の端部から突出し、かつ、前記電極体の前記第一方向に配置された前記集電体と接合されたタブ部と、を有し、前記第二絶縁部材は、前記集電体と前記壁部との間に挿入され、かつ、前記第一方向で前記第一絶縁部材の周縁部と重ねて配置された第一挿入部、及び、前記第一方向と直交する第二方向において、前記タブ部に対向する位置に配置された絶縁壁部を有する。
本発明によれば、簡易な構成で安全性が向上された蓄電素子を提供することができる。
実施の形態に係る蓄電素子の外観を示す斜視図である。 実施の形態に係る蓄電素子の分解斜視図である。 実施の形態に係る電極体の構成を示す分解斜視図である。 実施の形態に係る第一絶縁部材と第二絶縁部材との構造上の関係を示す分解斜視図である。 実施の形態に係る第一絶縁部材及びその周辺の構成を示す第1の部分断面図である。 実施の形態に係る第一絶縁部材及びその周辺の構成を示す第2の部分断面図である。 実施の形態に係る第一絶縁部材と第二絶縁部材との構造上の関係を示す部分断面図である。 実施の形態の変形例1に係る第一絶縁部材と第二絶縁部材との構造上の関係を示す部分断面図である。 実施の形態の変形例2に係る第一絶縁部材と第二絶縁部材との構造上の関係を示す部分断面図である。
本発明の一態様に係る蓄電素子は、電極体と、前記電極体を収容する容器とを備える蓄電素子であって、前記容器に収容された、前記電極体に電気的に接続された集電体と、前記集電体及び前記容器の壁部に挟まれて配置された第一絶縁部材と、前記容器に収容された、前記第一絶縁部材とは別体の第二絶縁部材と、を備え、前記電極体は、電極体本体と、前記電極体本体の第一方向の端部から突出し、かつ、前記電極体の前記第一方向に配置された前記集電体と接合されたタブ部と、を有し、前記第二絶縁部材は、前記集電体と前記壁部との間に挿入され、かつ、前記第一方向で前記第一絶縁部材の周縁部と重ねて配置された第一挿入部、及び、前記第一方向と直交する第二方向において、前記タブ部に対向する位置に配置された絶縁壁部を有する。
この構成によれば、第二方向におけるタブ部と容器の内面との間に、絶縁壁部が配置されるため、タブ部と容器の内面との接触(導通)が抑制される。絶縁壁部は、第二絶縁部材の一部であり、第二絶縁部材は、集電体と容器の壁部との間において、第一方向で第一絶縁部材の周縁部と重ねて配置された第一挿入部を有している。その結果、絶縁壁部の位置が安定し、かつ、集電体と容器の壁部との間の絶縁距離が増加する。このように、本態様に係る蓄電素子によれば、簡易な構成で安全性を向上させることができる。
前記第一挿入部は、前記第一絶縁部材の前記周縁部と前記壁部との間に挿入されている、としてもよい。
この構成によれば、第二絶縁部材の第一挿入部が、第一絶縁部材の周縁部と容器の壁部との間に挿入されているため、少なくとも第一方向についての移動が制限される。これにより、例えば蓄電素子に振動または衝撃が与えられた場合であっても、第二絶縁部材が有する絶縁壁部の位置がずれ難い。その結果、タブ部と容器の内面との導通がより確実に抑制される。
前記集電体は、前記第一方向から見た場合に、前記第二方向において前記第一絶縁部材からはみ出した部分である突出部を有し、前記第二絶縁部材はさらに、前記第二方向において前記第一挿入部と並ぶ位置に配置され、前記突出部と前記壁部との間に挿入される第二挿入部を有する、としてもよい。
この構成によれば、第二絶縁部材は、容器の壁部と、第一絶縁部材及び集電体のそれぞれとの間に配置される部分(第一挿入部及び第二挿入部)を有することになり、これにより、絶縁壁部がより安定して配置される。さらに、第二挿入部が、集電体と壁部との絶縁の役目を担うため、例えば、集電体を比較的に大きいサイズに形成することができる。
前記第二絶縁部材において、前記第一挿入部及び前記第二挿入部は、前記第一挿入部が前記第二挿入部よりも前記第一方向の厚みが小さいことで、段差部を形成し、前記第一絶縁部材の前記周縁部は、他の部分よりも前記第一方向の厚みが小さく形成されている、としてもよい。
この構成によれば、第二絶縁部材の周縁に形成された段差部の一段目(第一挿入部)が、第一絶縁部材の、厚みが小さい周縁部と壁部との間に挿入される。そのため、第一挿入部と第一絶縁部材の周縁部とが第一方向で重ねられた部分の厚みを小さくすることができる。従って、当該重ねられた部分は、集電体と第一絶縁部材との並び方向(第一方向)においてコンパクトな状態に維持される。すなわち、第二絶縁部材を、第一絶縁部材と容器の壁部との間に挿入することによる、第二絶縁部材及び第一絶縁部材による、容器の内部容積の消費量が抑制される。
前記第二絶縁部材はさらに、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向において、前記第一絶縁部材及び前記集電体の少なくとも一方に接触する接触部を有する、としてもよい。
この構成によれば、第二絶縁部材は、接触部を有することで、第三方向についても移動が制限される。これにより、第二絶縁部材の位置の安定性がさらに向上し、その結果、タブ部と容器との絶縁の確実性がより向上する。
前記第二絶縁部材は、前記電極体本体の、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向の側面に沿って配置されたスペーサ部を有する、としてもよい。
この構成によれば、電極体本体と容器の内面との間の電気的な絶縁の役目を担うスペーサ部は、第二絶縁部材の一部として配置される。従って、電極体本体と容器の内面との絶縁、及び、タブ部と容器の内面との絶縁を、1つの部材で担うことができる。これにより、電極体の全体と容器との絶縁のために配置される部品点数の増加が抑制される。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係る蓄電素子について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
以下の説明及び図面中において、蓄電素子が有する一対(正極及び負極、以下同様)の電極端子の並び方向、一対の集電体の並び方向、または、容器の短側面の対向方向をX軸方向と定義する。容器の長側面の対向方向、容器の短側面の短手方向、折り畳まれる前のタブ部における複数のタブの積層方向(後述する図2参照)、または、容器の厚さ方向をY軸方向と定義する。蓄電素子の容器本体と蓋板との並び方向、容器の短側面の長手方向をZ軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。単に「X軸方向」という場合は、X軸に平行な双方向またはいずれか一方の方向を意味する。Y軸及びZ軸に関する用語についても同様である。
さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。以下の説明において、「絶縁」と表現する場合、「電気的な絶縁」を意味する。
(実施の形態)
[1.蓄電素子の全般的な説明]
まず、図1~図3を用いて本実施の形態における蓄電素子10の全般的な説明を行う。図1は、実施の形態に係る蓄電素子10の外観を示す斜視図である。図2は、実施の形態に係る蓄電素子10の分解斜視図である。図3は、実施の形態に係る電極体600の構成を示す分解斜視図である。
蓄電素子10は、電気を充電し、電気を放電することのできる二次電池であり、具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子10は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)、及び、化石燃料(ガソリン、軽油、液化天然ガス等)自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール、リニアモーターカー、並びに、ディーゼル機関及び電気モーターの両方を備えるハイブリッド電車が例示される。蓄電素子10は、家庭用または事業用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
蓄電素子10は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子10は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。本実施の形態では、直方体形状(角形)の蓄電素子10を図示しているが、蓄電素子10の形状は、直方体形状には限定されず、直方体形状以外の多角柱形状、長円柱形状等であってもよい。
図1に示すように、蓄電素子10は、容器100と、一対(正極び負極、以下同じ)の電極端子200と、一対の上部ガスケット300とを備えている。図2に示すように、容器100の内方には、一対の第一絶縁部材400と、一対の集電体500と、電極体600と、電極体600のX軸方向の両側に配置された第二絶縁部材700とが収容されている。容器100の内部には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略されている。当該電解液としては、蓄電素子10の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。上記の構成要素の他、電極体600の上方に配置されるスペーサ、または、電極体600等を包み込む絶縁シート等が配置されていてもよい。
容器100は、開口110aが形成された容器本体110と、容器本体110の開口110aを閉塞する蓋板120とを有する直方体形状(角形)の容器である。容器本体110は、容器100の本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材である。容器本体110は、Y軸方向の両側に形成された長側面111、及び、X軸方向の両側に形成された短側面112を有している。蓋板120は、容器100の蓋部を構成する、X軸方向に長尺かつ矩形状の板状部材であり、容器本体110の開口110aを塞ぐ位置に配置されている。蓋板120には、容器100の内圧が過度に上昇した場合に容器100内部のガスを排出するガス排出弁122が配置されている。このような構成により、容器100は、電極体600等を容器本体110の内部に収容後、容器本体110と蓋板120とが溶接等されることにより、内部を密封することができる構造となっている。容器本体110及び蓋板120は、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金など溶接可能な金属によって形成されているが、樹脂を用いることもできる。
電極体600は、電気を蓄えることができる蓄電要素(発電要素)である。電極体600は、図2に示すように、蓄電及び発電を行う電極体本体601と、電極体本体601の端部に配置され、かつ、導電部材である集電体500に接続されるタブ部602とを有する。具体的には、電極体600は、図3に示すように、正極板630と負極板640とが、セパレータ650を挟みながら交互に積層されて形成されている。正極板630は、正極基材上に正極活物質を含む合材層が形成された部分である合材層形成部(ドットが付された部分)と、正極基材における合材層が形成されていない合材層非形成部である正極タブ631とを有する。正極タブ631は、図3に示すように、矩形状の合材層形成部から突出して設けられている。負極板640は、負極基材上に負極活物質を含む合材層が形成された部分である合材層形成部(ドットが付された部分)と、負極基材における合材層が形成されていない合材層非形成部である負極タブ641とを有する。負極タブ641は、図3に示すように、矩形状の合材層形成部から突出して設けられている。
このように構成された複数の正極板630と複数の負極板640とが、セパレータ650を介して交互に積層されることにより、複数の正極タブ631が積層され、かつ、複数の負極タブ641が積層される。その結果、図2に示すように、電極体600には、2つのタブ部602が形成される。具体的には、当該2つのタブ部602として、複数の正極タブ631からなる正極のタブ部602aと、複数の負極タブ641からなる負極のタブ部602bとが形成される。これらタブ部602a及び602bは、正極及び負極の集電体500と溶接等により接合されて、正極及び負極の電極端子200と電気的に接続される。以下で説明されるタブ部602の特徴等については、正極のタブ部602a及び負極のタブ部602bに共通して適用される。
電極体600において、正極板630の合材層形成部及び負極板640の合材層形成部が、セパレータ650を介して交互に積層されることで、電極体本体601(図2参照)が形成されている。タブ部602は、電極体本体601のZ軸方向の端部から突出して設けられている。Z軸方向は第一方向の一例である。より具体的には、本実施の形態では、タブ部602は、電極体本体601のZ軸プラス方向の端部から突出して設けられている。電極体600において、極板(正極板630及び負極板640のそれぞれ)は、Z軸方向に直交するY軸方向に積層されている。Y軸方向は、第一方向と直交する第二方向の一例である。
このように、本実施の形態では、例えば積層型(スタック型)等と呼ばれる電極体600が蓄電要素(発電要素)として採用されている。しかし、蓄電素子10が備える電極体600は、積層型(スタック型)の電極体である必要はなく、長尺帯状の極板が巻回されることで形成された巻回型の電極体、または、長尺帯状の極板を山折りと谷折りとの繰り返しによって積層した蛇腹状の構造を有する電極体が、蓄電素子10が備える蓄電要素(発電要素)として採用されてもよい。
電極端子200は、集電体500を介して、電極体600に電気的に接続される導電部材である。電極端子200は、かしめ等によって、集電体500に接続され、かつ、蓋板120に取り付けられている。具体的には、電極端子200は、下方(Z軸マイナス方向)に延びる軸部201(リベット部)を有する。そして、軸部201が、上部ガスケット300の貫通孔301と、蓋板120の貫通孔121と、第一絶縁部材400の貫通孔401と、集電体500の貫通孔501とに挿入されてかしめられる。軸部201の先端には軸部201よりも外径が大きなかしめ部201a(後述する図5参照)が形成される。これにより、電極端子200は、上部ガスケット300、第一絶縁部材400及び集電体500とともに、蓋板120に固定される。なお、電極端子200は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等の金属で形成されている。
集電体500は、電極体600と電極端子200とを電気的に接続する板状の導電部材である。集電体500は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等の金属で形成されている。集電体500と電極端子200とを接続(接合)する手法は、かしめ接合には限定されず、超音波接合、レーザ溶接、もしくは、抵抗溶接、または、ねじ締結等のかしめ以外の機械的接合が用いられてもよい。集電体500とタブ部602とは、例えば、超音波接合によって接合される。集電体500とタブ部602とを接合する他の手法としては、レーザ溶接、抵抗溶接、またはかしめ等が例示される。
上部ガスケット300は、容器100の蓋板120と電極端子200との間に配置された、平板状かつ電気的な絶縁性を有する封止部材である。第一絶縁部材400は、蓋板120と集電体500との間に配置された、平板状かつ電気的な絶縁性を有する部材である。本実施の形態では、上部ガスケット300が、蓋板120における貫通孔121周りの気密性を確保する封止部材として機能しているが、上部ガスケット300に換えてまたは加えて第一絶縁部材400が封止部材として機能してもよい。この場合、第一絶縁部材400は、例えば「下部ガスケット」と称することもできる。また、ここでいう平板状とは、完全に平らな板でなくてもよく、突起または段差形状等を有していてもよい。
本実施の形態では、上部ガスケット300及び第一絶縁部材400は、電気的な絶縁性を有する樹脂材料によって形成されている。この樹脂材料としては、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリ・エーテル・サルフォン(PES)、ポリアミド(PA)、または、ABS樹脂が例示される。
第二絶縁部材700は、電極体600のタブ部602と、容器100のY軸方向の内面とを絶縁するための絶縁壁部710(図2参照)を有する絶縁部材である。第二絶縁部材700は、絶縁壁部710の位置ずれ抑制等のために第一絶縁部材400を利用する構造を有している。本実施の形態では、第二絶縁部材700はさらに、電極体600の電極体本体601と、容器100のX軸方向の内面とを絶縁するスペーサ部730(図2参照)も有している。以下、さらに図4~図7を参照しながら、本実施の形態に係る絶縁部材(第一絶縁部材400及び第二絶縁部材700)及びその周辺の構成について説明する。
[2.絶縁部材及びその周辺の構成]
図4は、実施の形態に係る第一絶縁部材400と第二絶縁部材700との構造上の関係を示す分解斜視図である。図4では、第二絶縁部材700を第一絶縁部材400からX軸方向に分離し、かつ、Z軸方向でこれら絶縁部材を挟む位置にある集電体500及び蓋板120をZ軸方向で分離して図示している。X軸方向は、第一方向及び第二方向に直交する第三方向の一例である。
図5は、実施の形態に係る第一絶縁部材400及びその周辺の構成を示す第1の部分断面図である。図5では、図4のV-V線を通るXZ平面における蓄電素子10の断面の一部が簡易的に図示されている。図6は、実施の形態に係る第一絶縁部材400及びその周辺の構成を示す第2の部分断面図である。図6では、図4のIV-IV線を通るYZ平面における蓄電素子10の断面の一部が簡易的に図示されている。
図7は、実施の形態に係る第一絶縁部材400と第二絶縁部材700との構造上の関係を示す部分断面図である。図7では、図6の断面におけるY軸プラス方向の端部が拡大されて図示されている。図5~図7では、電極体600については、大まかな形状または配置範囲が側面図で表されており、かつ、図6では、正極タブ631は模式的に図示されている。このことは、後述する図8にも適用される。図4~図7では、蓄電素子10の正極に対応する第一絶縁部材400等が図示されているが、以下の説明内容は、蓄電素子10の負極に対応する第一絶縁部材400等についても適用される。
図4~図7に示すように、本実施の形態に係る第一絶縁部材400は、集電体500と、容器100の壁部である蓋板120に挟まれて配置される部材である。第一絶縁部材400は、主として集電体500と容器100の蓋板120との絶縁のために配置される。第二絶縁部材700は、Y軸方向でタブ部602と対向する位置に配置された絶縁壁部710を有している。本実施の形態では、電極体600のタブ部602は、図6に示すように、集電体500に接合され、かつ、折り畳まれた状態で、電極体本体601と容器100の蓋板120との間に配置されている。タブ部602は、合材層が形成されていない金属箔(図6では、正極タブ631)が積層された部分であるため柔軟性が比較的に高い。そのため、図6に示すようにタブ部602が折り畳まれた場合、Y軸プラス方向の端部の折り曲げ部分が外側(Y軸プラス方向)に突出しやすい。つまり、容器100の容器本体110の内面にタブ部602の一部が近づきやすい状態が生じる。さらに、タブ部602の先端部(図6におけるY軸マイナス方向の端部)は、その位置に、複数の蓄電素子10ごとの違いが生じやすく、従って、当該先端部が容器100の容器本体110の内面の近くに位置する可能性もある。
このようなタブ部602に対し、本実施の形態に係る第二絶縁部材700は、Y軸方向で対向する位置に一対の絶縁壁部710を有している。電極体600が有するタブ部602は、図6に示すように、Y軸方向において一対の絶縁壁部710の間に位置している。従って、タブ部602と、Y軸方向においてタブ部602の両側に位置する、容器100(容器本体110)の内面との間には、絶縁壁部710が配置され、これにより、タブ部602と容器100の内面との接触(導通)が抑制される。さらに、第二絶縁部材700は、絶縁壁部710の移動(特にZ軸方向の移動)を抑制するための構成を有している。具体的には、図4、図6及び図7に示すように、第二絶縁部材700は、Z軸方向に並ぶ集電体500と容器100の蓋板120との間に挿入される第一挿入部701を有している。より具体的には、第一挿入部701は、集電体500と蓋板120との間において、Z軸方向で第一絶縁部材400と重ねられて配置されている。これにより、第一挿入部701は、Z軸方向の両側において移動が制限され、その結果、絶縁壁部710の位置が安定化される。
このように、本実施の形態に係る蓄電素子10は、電極体600と、電極体600を収容する容器100とを備える。蓄電素子10はさらに、電極体600に電気的に接続された集電体500と、集電体500及び容器100の壁部(蓋板120)に挟まれて配置された第一絶縁部材400と、容器100に収容された、第一絶縁部材400とは別体の第二絶縁部材700と、を備える。電極体600は、電極体本体601と、電極体本体601のZ軸方向の端部から突出し、かつ、電極体600のZ軸方向に配置された集電体500と接合されたタブ部602と、を有する。第二絶縁部材700は、第一挿入部701と絶縁壁部710とを有する。第一挿入部701は、集電体500と蓋板120との間に挿入され、かつ、Z軸方向で第一絶縁部材400の周縁部402と重ねて配置されている。絶縁壁部710は、第一方向と直交するY軸方向において、タブ部602に対向する位置に配置されている。本実施の形態において、周縁部402は、第一絶縁部材400の一部であって、Z軸方向から見た場合における第一絶縁部材400の端縁を含む部分である。
この構成によれば、Y軸方向におけるタブ部602と容器100の内面との間に絶縁壁部710が配置されるため、タブ部602と容器100の内面との接触(導通)が抑制される。絶縁壁部710は、第二絶縁部材700の一部であり、第二絶縁部材700は、集電体500と容器100の蓋板120との間において、第一方向で第一絶縁部材400の周縁部402と重ねて配置された第一挿入部701を有している。その結果、絶縁壁部710の位置が安定化し、かつ、集電体500と容器100の蓋板120との間の絶縁距離が増加する。このように、本態様に係る蓄電素子によれば、簡易な構成で安全性を向上させることができる。
例えば、電極体本体601のX軸方向の両側の側面及びY軸方向の両側の側面を覆うように、絶縁シートを電極体本体601に巻く場合、その絶縁シートの一部を利用してタブ部602と容器100の内面とを絶縁することも考えられる。しかし、この場合、絶縁シートの上端縁(タブ部602に近い端縁)が、蓋板120と開口110aとの間に挟まれやすいという問題が生じる。この問題を生じさせず、かつ、タブ部602と容器100の内面とを良好に絶縁するためには、絶縁シートの配置の際に、上端縁の位置を精度よく制御する必要があるが、現実的にはこのような位置制御は困難である。この点に関し、本実施の形態に係る蓄電素子10では、第一挿入部701の位置が、第一絶縁部材400の周縁部402と蓋板120との間で位置決めされ、これにより第二絶縁部材700が位置決めされる。その結果、絶縁壁部710が、タブ部602に対向し、適切にタブ部602と容器100の内面とを絶縁する位置に配置される。つまり、絶縁壁部710の適切な位置への配置が容易である。さらに、蓋板120と容器本体110との接合時において、絶縁壁部710の一部が蓋板120と開口110aとの間に噛み込むような事態が発生し難い。
上記構成を有する蓄電素子10の製造工程(組み立て手順)に特に限定はない。例えば、電極端子200の軸部201をかしめることで、第一絶縁部材400及び集電体500を蓋板120に固定した後に、第二絶縁部材700を、X軸方向にスライドさせることで、第一絶縁部材400及び集電体500に対して取り付けてもよい。この場合、第二絶縁部材700が、軸部201に対するかしめ工程の邪魔になることが抑制される。第一絶縁部材400及び集電体500に対して第一挿入部701を重ね合わせた状態で、電極端子200の軸部201をかしめてもよい。この場合、例えば、蓋板120と、第一絶縁部材400及び集電体500の少なくとも一方とによって、第一挿入部701を、強固に保持させることができる。
本実施の形態に係る第一挿入部701は、より具体的には、図6及び図7に示すように、第一絶縁部材400の周縁部402と蓋板120との間に挿入されている。
このように、本実施の形態では、第二絶縁部材700の第一挿入部701が、第一絶縁部材400の周縁部402と容器100の蓋板120との間に挿入されているため、少なくともZ軸方向についての移動が制限される。これにより、例えば蓄電素子10に振動または衝撃が与えられた場合であっても、第二絶縁部材700が有する絶縁壁部710の位置がずれ難い。その結果、タブ部602と容器100の内面との導通がより確実に抑制される。
本実施の形態では、集電体500は、Z軸方向から見た場合に、Y軸方向において第一絶縁部材400からはみ出した部分である突出部510を有する(図6及び図7参照)。第二絶縁部材700はさらに、Y軸方向において第一挿入部701と並ぶ位置に配置され、突出部510と蓋板120との間に挿入される第二挿入部702を有する。
このように、第二絶縁部材700は、第一絶縁部材400を介さずに、集電体500と蓋板120とで挟まれる部分(第二挿入部702)を有している。つまり、本実施の形態では、第二絶縁部材700は、容器100の蓋板120と、第一絶縁部材400及び集電体500のそれぞれとの間に配置される部分(第一挿入部701及び第二挿入部702)を有している。これにより、より安定した状態で絶縁壁部710が配置される。さらに、第二挿入部702が、集電体500と蓋板120との絶縁の役目を担うため、例えば、集電体500のY軸方向のサイズ(図6参照)を比較的に大きいサイズに形成することができる。これにより、例えば、タブ部602と集電体500との接合面積を比較的に大きくすることができる。その結果、タブ部602と集電体500との接合強度の向上、または、タブ部602と集電体500との接合部分における抵抗の抑制等の効果が得られる。このことは、蓄電素子10の安全性の向上に寄与する。
本実施の形態では、第二絶縁部材700が有する第一挿入部701及び第二挿入部702は、互いに厚み(Z軸方向の幅)が異なるように形成されている。具体的には、第二絶縁部材700において、第一挿入部701及び第二挿入部702は、第一挿入部701が第二挿入部702よりも第一方向の厚みが小さいことで、段差部703(図6及び図7参照)。を形成する。第一絶縁部材400の周縁部402は、他の部分よりもZ軸方向の厚みが小さく形成されている。
このように、本実施の形態では、第二絶縁部材700の周縁に形成された段差部703の一段目(第一挿入部701)が、第一絶縁部材400の、厚みが小さい周縁部402と蓋板120との間に挿入される。つまり、第二絶縁部材700及び第一絶縁部材400のそれぞれの厚みの小さい(薄い)部分がZ軸方向で重ねられる。そのため、図6及び図7に示すように、第一挿入部701と第一絶縁部材400の周縁部402とが第一方向で重ねられた部分の厚みは、第一絶縁部材400及び第二絶縁部材700それぞれの厚みと同程度にすることができる。従って、当該重ねられた部分は、集電体500と第一絶縁部材400との並び方向(Z軸方向)においてコンパクトな状態に維持される。すなわち、第二絶縁部材700を、第一絶縁部材400と蓋板120との間に挿入することによる、第二絶縁部材700及び第一絶縁部材400による、容器100の内部容積の消費量が抑制される。その結果、例えば、蓄電素子10の安全性の向上と、エネルギー密度の向上との両立が図られる。
本実施の形態に係る第二絶縁部材700はさらに、第二絶縁部材700のX軸方向への移動(位置ずれ)を抑制するための構成を有している。具体的には、第二絶縁部材700は、図4及び図5に示すように、Z軸方向及びY軸方向に直交するX軸方向において、第一絶縁部材400及び集電体500の少なくとも一方に接触する接触部720を有する。
この構成によれば、第二絶縁部材700は、接触部720を有することで、X軸方向についても移動が制限される。これにより、第二絶縁部材700の位置の安定性がさらに向上し、その結果、タブ部602と容器100との絶縁の確実性がより向上する。
本実施の形態では、図4及び図5に示すように、第一絶縁部材400の後端周縁部403が、第二絶縁部材700の接触部720に接触する。第一絶縁部材400は、電極端子200の軸部201が貫通した状態で蓋板120に固定されており、第二絶縁部材700が、例えば軸部201に近づく向き(図5のX軸プラス方向)に移動しようとした場合、第二絶縁部材700に逆向きの反力を与える。これにより、第二絶縁部材700のX軸方向の位置ずれが抑制され、すなわち、絶縁壁部710(図5参照)のX軸方向の位置ずれも抑制される。
集電体500の、軸部201よりもX軸マイナス方向に延びる部分が比較的に長い場合などにおいて、第二絶縁部材700の接触部720は、第一絶縁部材400に換えてまたは加えて集電体500に接触してもよい。この場合であっても、第二絶縁部材700(絶縁壁部710)のX軸方向の位置ずれ抑制効果は得られる。
本実施の形態に係る第二絶縁部材700はさらに、電極体本体601に対向する位置に配置されるスペーサ部730を有している。具体的には、第二絶縁部材700は、電極体本体601の、X軸方向の側面に沿って配置されたスペーサ部730を有する。
この構成によれば、電極体本体601と容器100の内面との絶縁の役目を担うスペーサ部730は、第二絶縁部材700の一部として配置される。従って、電極体本体601と容器100の内面との絶縁、及び、タブ部602と容器100の内面との絶縁を、1つの部材で担うことができる。これにより、電極体600の全体と容器100との絶縁のために配置される部品点数の増加が抑制される。さらに、上述のように、第一挿入部701が集電体500と蓋板120との間で位置決めされるため、Z軸方向に延びるスペーサ部730も、X軸方向において電極体本体601に対向し、電極体本体601と容器100の内面とを適切に絶縁する位置に位置決めされる。第二絶縁部材700の接触部720が、第一絶縁部材400及び集電体500の少なくとも一方に接触することで、スペーサ部730のX軸方向の位置ずれも抑制される。そのため、例えば振動または衝撃に起因して、スペーサ部730が、X軸方向でスペーサ部730と対向する電極体本体601の端面(図2参照)に、力学的な負荷をかける可能性が低減される。
以上、実施の形態に係る蓄電素子10について説明したが、蓄電素子10は、例えば、図2~図7に示す構成とは異なる構成を有する絶縁部材を備えてもよい。そこで、以下に、蓄電素子10を備える絶縁部材についての変形例を、上記実施の形態との差分を中心に説明する。
[3-1.変形例1]
図8は、実施の形態の変形例1に係る第一絶縁部材400aと第二絶縁部材700aとの構造上の関係を示す部分断面図である。図8に示す断面の位置は、図7に示す断面の位置に準ずる。図8に示す第一絶縁部材400a及び第二絶縁部材700aは、蓄電素子10が、上記実施の形態に係る第一絶縁部材400及び第二絶縁部材700に換えて備え得る絶縁部材である。
図8に示す構造において、第二絶縁部材700aは、第一挿入部701aと絶縁壁部710とを有する。第一挿入部701aは、集電体500と蓋板120との間に挿入され、かつ、Z軸方向で第一絶縁部材400aの周縁部402aと重ねて配置されている。絶縁壁部710は、Z軸方向と直交するY軸方向において、タブ部602に対向する位置に配置されている。これらの構成は、図6等に示す実施の形態に係る第一絶縁部材400及び第二絶縁部材700と共通する。従って、上記実施の形態と同じく、絶縁壁部710の位置の安定化、及び、集電体500と容器100の蓋板120との間の絶縁距離の増加等の効果が得られる。
本変形例では、第二絶縁部材700aが有する第一挿入部701aが、第一絶縁部材400aの周縁部402aと、集電体500との間に挿入されている点で、実施の形態に係る第一絶縁部材400及び第二絶縁部材700とは異なる。つまり、本変形例では、第一挿入部701aは、直接的には第一絶縁部材400aの周縁部402aと集電体500とに挟まれている。この場合であっても、第二絶縁部材700aは、少なくともZ軸方向についての移動が制限される。これにより、例えば蓄電素子10に振動または衝撃が与えられた場合であっても、第二絶縁部材700aが有する絶縁壁部710の位置がずれ難い。その結果、タブ部602と容器100の内面との導通がより確実に抑制される。
[3-2.変形例2]
図9は、実施の形態の変形例2に係る第一絶縁部材400bと第二絶縁部材700bとの構造上の関係を示す部分断面図である。図9に示す断面の位置は、図7に示す断面の位置に準ずる。図9に示す第一絶縁部材400b及び第二絶縁部材700bは、蓄電素子10が、上記実施の形態に係る第一絶縁部材400及び第二絶縁部材700に換えて備え得る絶縁部材である。
図9に示す構造において、第二絶縁部材700bは、第一挿入部701bと絶縁壁部710とを有する。第一挿入部701bは、集電体500と蓋板120との間に挿入され、かつ、Z軸方向で第一絶縁部材400bの周縁部402bと重ねて配置されている。絶縁壁部710は、Z軸方向と直交するY軸方向において、タブ部602に対向する位置に配置されている。これらの構成は、図6等に示す実施の形態に係る第一絶縁部材400及び第二絶縁部材700と共通する。従って、上記実施の形態と同じく、絶縁壁部710の位置の安定化、及び、集電体500と容器100の蓋板120との間の絶縁距離の増加等の効果が得られる。
本変形例では、第二絶縁部材700bが有する第一挿入部701b及び第二挿入部702が、実施の形態に係る段差部703(図6参照)のような段差部を形成していない点で、実施の形態に係る第二絶縁部材700とは異なる。具体的には、本変形例では、第一挿入部701bは、集電体500に近づくほど、外側(図9のY軸プラス方向)に向かう傾斜面を形成する部分として第二絶縁部材700bに設けられている。第一絶縁部材400bの周縁部402bは、第一挿入部701bの傾斜面に平行でかつ対向する傾斜面を形成している。つまり、周縁部402bは、集電体500に近づくほど、外側(図9のY軸プラス方向)に向かう傾斜面を形成する部分として第一絶縁部材400bに設けられている。その結果、X軸方向から見た場合の第一挿入部701bと周縁部402bとの境界線は、図9に示すように、Z軸マイナス方向に向かうほど外側に向かう直線状に形成される。
この場合であっても、本変形例に係る第一挿入部701bは、実施の形態に係る第一挿入部701と同様に、第一絶縁部材400bの周縁部402bと蓋板120との間に挿入されている。従って、第二絶縁部材700bの、少なくともZ軸方向についての移動が制限され、これにより、第二絶縁部材700bが有する絶縁壁部710の位置がずれ難くなる。その結果、タブ部602と容器100の内面との導通がより確実に抑制される。
第一挿入部701bと周縁部402bとのZ軸方向の位置関係は逆でもよい。つまり、第一挿入部701bが、周縁部402bと集電体500との間に位置していてもよい。この場合、第一挿入部701b及び周縁部402bのそれぞれは、集電体500に近づくほど、内側(図9のY軸マイナス方向)に向かう傾斜面を形成する。その結果、X軸方向から見た場合の第一挿入部701bと周縁部402bとの境界線は、Z軸マイナス方向に向かうほど内側に向かう直線状に形成される。この場合であっても、第一挿入部701bは、変形例1における第一挿入部701aと同様に、第一絶縁部材400の周縁部402bと集電体500との間に挿入される。従って、第二絶縁部材700bの、少なくともZ軸方向についての移動が制限され、これにより、第二絶縁部材700bが有する絶縁壁部710の位置がずれ難くなる。その結果、タブ部602と容器100の内面との導通がより確実に抑制される。
X軸方向から見た場合の第一挿入部701bと周縁部402bとの境界線は、図9に示すような直線状である必要はない。当該境界線は、少なくとも一部に湾曲または屈曲した形状を有してもよく、その他の形状であってもよい。
[4.他の変形例]
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電素子について説明したが、本発明は、この実施の形態及び変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及び変形例のそれぞれは、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
例えば、電極体600のX軸方向の両側のうちの一方にのみ第二絶縁部材700が配置されてもよい。蓄電素子10が、例えば電極体600の正極と容器100とを導通させる構造を採用している場合、電極体600の負極のタブ部602bに対応する位置にのみ第二絶縁部材700が配置されてもよい。
第一絶縁部材400と第二絶縁部材700とのZ軸方向で重ね合われた部分の構造は、図6及び図7に示される、平面と平面との突き合わせ構造には限定されない。例えば、第二絶縁部材700の第一挿入部701及び、第一絶縁部材400の周縁部402の一方が、他方に向けて突出する凸部を有し、第一挿入部701及び周縁部402の他方が、凸部が挿入される凹部を有してもよい。例えば図7に示す第一挿入部701及び周縁部402が、上記の凸部及び凹部を有する場合、凸部が凹部に挿入されることで、第一挿入部701が周縁部402に対してY軸プラス方向に移動し難くなる。従って、例えば第一挿入部701のY軸方向の長さが比較的に短い場合等において、第一挿入部701の、周縁部402からのY軸プラス方向への抜け出しが抑制される。このことは、絶縁壁部710の位置ずれ抑制、または、蓄電素子10の製造効率の向上に有利である。凸部及び凹部のそれぞれは、X軸方向に延びる形状を有してもよい。例えば、凸部は、Z軸プラス方向またはマイナス方向に突出し、かつX軸方向に延びるリブであってもよい。この場合、凹部は、凸部の突出方向に凹み、かつX軸方向に延びる溝であってもよい。これにより、第一挿入部701の、周縁部402からのY軸プラス方向への抜け出しが、より確実に抑制される。
第二絶縁部材700は、スペーサ部730を有しなくてもよい。例えば、電極体本体601のX軸方向及びY軸方向の側面が1枚以上の絶縁シートで覆われている場合を想定する。この場合、第二絶縁部材700が、スペーサ部730を備えない場合であっても、容器100の、X軸方向で電極体本体601と対向する内面と、電極体本体601との間は、当該1枚以上の絶縁シートによって絶縁される。
集電体500は、Z軸方向から見た場合に、第一絶縁部材400からY軸方向に突出する突出部510を有することは必須ではない。集電体500は、例えば、Z軸方向から見た場合に、第一絶縁部材400から突出する部分を有しないサイズに形成されてもよい。この場合であっても、第一挿入部701が、集電体500と蓋板120との間に挿入されていることで、第一挿入部701のZ軸方向の移動が制限され、その結果、絶縁壁部710の位置が安定化される。
タブ部602の突出方向でタブ部602と対向する位置にある容器100の壁部は、蓋板120とは異なる壁部であってもよい。例えば、容器本体110の開口110aとは反対側に位置する底壁部に電極端子200が配置された場合、電極体600は、タブ部602が、容器100の底壁部に向けて突出する姿勢で容器100に収容されてもよい。この場合、第二絶縁部材700の第一挿入部701は、集電体500と容器100の底壁部との間に挿入され、かつ、Z軸方向で第一絶縁部材400の周縁部402と重ねて配置されてもよい。これにより、第二絶縁部材700の絶縁壁部710の位置の安定化等の効果が得られる。
第二絶縁部材700は、突出部510と蓋板120との間に挿入される第二挿入部702を有さなくてもよい、例えば、第二絶縁部材700において、絶縁壁部710と第一挿入部701との間に、Z軸方向に貫通する貫通孔またはスリットが配置されていてもよい。この場合であっても、例えば、集電体500が突出部510を有さない場合であれば、Z軸方向における集電体500と蓋板120との間には必ず絶縁部材400が配置された状態となる。つまり、集電体500と蓋板120とを絶縁部材400によって絶縁することができる。
第二絶縁部材700が有する第二挿入部702は、蓋板120及び突出部510に挟まれていなくてもよい。第二挿入部702と、蓋板120及び突出部510の少なくとも一方との間に隙間があってもよい。この場合であっても、第二挿入部702は、少なくとも、集電体500の突出部510と蓋板120との間に位置することで、突出部510と蓋体120との絶縁の役目を担うことができる。
第二絶縁部材700は、第一絶縁部材400及び集電体500の少なくとも一方に接触する接触部720を有さなくてもよい。例えば図5において、第二絶縁部材700と第一絶縁部材400との間にX軸方向の隙間が存在してもよい。この場合であっても、少なくとも第二絶縁部材700の第一挿入部701が、第一絶縁部材400と蓋板120との間に配置される(図6参照)。そのため、第二絶縁部材700のZ軸方向の移動は制限される。さらに、第一挿入部701と、第一絶縁部材400及び蓋板120の少なくとも一方との間の摩擦力によって、第二絶縁部材700のX軸方向の移動を制限することも可能である。
上記の、実施の形態に係る第一絶縁部材400及び第二絶縁部材700に関する各種の補足事項のそれぞれは、変形例に係る第一絶縁部材400a及び第二絶縁部材700aに適用されてもよい。実施の形態及び変形例を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子等に適用できる。
10 蓄電素子
100 容器
120 蓋板
400、400a 第一絶縁部材
402、402a 周縁部
403 後端周縁部
500 集電体
510 突出部
600 電極体
601 電極体本体
602、602a、602b タブ部
631 正極タブ
641 負極タブ
700、700a 第二絶縁部材
701、701a 第一挿入部
702 第二挿入部
703 段差部
710 絶縁壁部
720 接触部
730 スペーサ部

Claims (6)

  1. 電極体と、前記電極体を収容する容器とを備える蓄電素子であって、
    前記容器に収容された、前記電極体に電気的に接続された集電体と、
    前記集電体及び前記容器の壁部に挟まれて配置された第一絶縁部材と、
    前記容器に収容された、前記第一絶縁部材とは別体の第二絶縁部材と、を備え、
    前記電極体は、電極体本体と、前記電極体本体の第一方向の端部から突出し、かつ、前記電極体の前記第一方向に配置された前記集電体と接合されたタブ部と、を有し、
    前記第二絶縁部材は、前記集電体と前記壁部との間に挿入され、かつ、前記第一方向で前記第一絶縁部材の周縁部と重ねて配置された第一挿入部、及び、前記第一方向と直交する第二方向において、前記タブ部に対向する位置に配置された絶縁壁部を有する、
    蓄電素子。
  2. 前記第一挿入部は、前記第一絶縁部材の前記周縁部と前記壁部との間に挿入されている、
    請求項1記載の蓄電素子。
  3. 前記集電体は、前記第一方向から見た場合に、前記第二方向において前記第一絶縁部材からはみ出した部分である突出部を有し、
    前記第二絶縁部材はさらに、前記第二方向において前記第一挿入部と並ぶ位置に配置され、前記突出部と前記壁部との間に挿入される第二挿入部を有する、
    請求項1または2記載の蓄電素子。
  4. 前記第二絶縁部材において、前記第一挿入部及び前記第二挿入部は、前記第一挿入部が前記第二挿入部よりも前記第一方向の厚みが小さいことで、段差部を形成し、
    前記第一絶縁部材の前記周縁部は、他の部分よりも前記第一方向の厚みが小さく形成されている、
    請求項3記載の蓄電素子。
  5. 前記第二絶縁部材はさらに、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向において、前記第一絶縁部材及び前記集電体の少なくとも一方に接触する接触部を有する、
    請求項1~4のいずれか一項に記載の蓄電素子。
  6. 前記第二絶縁部材は、前記電極体本体の、前記第一方向及び前記第二方向に直交する第三方向の側面に沿って配置されたスペーサ部を有する、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の蓄電素子。
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