JP2020149819A - リチウム空気電池用空気極、リチウム空気電池、及びリチウム空気電池用空気極の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
正極:2Li+ + O2 + 2e− → Li2O2
負極:2Li → 2Li+ + 2e−
正極:Li2O2 → O2 + 2Li+ + 2e−
負極:2Li+ + 2e− → 2Li
<1> 酸化還元媒介体を含むリチウム空気電池用空気極。
<2> −40〜80℃において前記酸化還元媒介体が固体の状態で存在する、<1>に記載のリチウム空気電池用空気極。
<3> 前記酸化還元媒介体が、亜硝酸塩、臭化物塩、及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも1つを含む、<1>又は<2>に記載のリチウム空気電池用空気極。
<4> 前記酸化還元媒介体が、LiNO2、NaNO2、KNO2、RbNO2、CsNO2、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr、LiI、NaI、KI、RbI、及びCsIからなる群より選択される少なくとも1つを含む、<3>に記載のリチウム空気電池用空気極。
<5> <1>〜<4>のいずれか1項に記載のリチウム空気電池用空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間に存在する電解質と、を備えるリチウム空気電池。
<6> 前記電解質が電解液中に存在し、前記空気極中の前記酸化還元媒介体の含有量が、電解液1Lに対して10mmol以上に相当する量である、<5>に記載のリチウム空気電池。
<7> 前記電解質が電解液中に存在し、前記電解液中の前記酸化還元媒介体の濃度が100mmol/L以下である、<5>又は<6>に記載のリチウム空気電池。
<8> 酸化還元媒介体と、導電性材料と、結着材と、溶媒と、を混合してスラリーを調製することと、前記スラリーを集電体に付与して触媒層を形成することと、を含む、リチウム空気電池用空気極の製造方法。
本開示中に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において各成分は該当する物質を複数種含んでいてもよい。組成物中に各成分に該当する物質が複数種存在する場合、各成分の含有率又は含有量は、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数種の物質の合計の含有率又は含有量を意味する。
本開示のリチウム空気電池用空気極(以下、単に空気極ともいう)は、酸化還元媒介体を含む。空気極は集電体を含んでいてもよく、導電性材料、結着材、酸化還元媒介体以外の触媒等を含んでいてもよい。
以下、空気極に用いられる各部材又は成分について説明する。
本開示の空気極は酸化還元媒介体を含む。酸化還元媒介体は空気極に加えて電解液等の他の部位に含まれていてもよい。
3I− → I3 − + 2e−
I3 − + Li2O2 → 3I− + 2Li+ + O2
空気極は空気極集電体を含んでいてもよい。空気極集電体の材質は導電性を有する限り特に制限されず、ニッケル、アルミニウム等の金属、ステンレス鋼等の合金、カーボン材料などが挙げられる。空気極集電体は1種を単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。
空気極は空気極集電体の他に、導電性材料を含んでいてもよい。導電性材料は、導電助剤としての働きを有するものであってもよく、触媒の担体としての働きを有するものであってもよい。導電性材料としては、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック、天然黒鉛、グラファイト、カーボンナノチューブ(CNT)、グラフェン等が挙げられる。導電性材料は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。導電性材料の形状は、例えば、粒子状、扁平状、繊維状等であってもよい。導電性材料は、多孔質構造を有しても有さなくてもよく、反応場を増やして充放電効率を向上させる観点からは、多孔質構造を有することが好ましい。
空気極は酸化還元媒介体以外の触媒を含んでいてもよい。酸化還元媒介体以外の触媒としては、充放電反応を促進するものであれば特に制限されない。例えば、充電時に過酸化リチウム分解の活性化エネルギーを下げる触媒、反対に、放電時に過酸化リチウムの生成の活性化エネルギーを下げる触媒等が挙げられる。
触媒としては、具体的には、白金、金等の貴金属;マンガン、コバルト、ニッケル、鉄、ルテニウム、イリジウム等の金属やそれらの金属酸化物あるいは金属錯体;導電性材料として前述した材料が挙げられる。これらの触媒は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
酸化還元媒介体以外の触媒の形状は特に制限されず、ナノ粒子、ナノワイヤ、ナノフレーク、ナノロッド、ナノシート、多孔質体等の形状であってもよい。
空気極は結着材をさらに含んでもよい。空気極が結着材を含むことで、酸化還元媒介体及び必要に応じて用いられるその他の成分が空気極に良好に固定され、放充電効率がより向上する傾向にある。結着材の種類は特に制限されず、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素ゴム等のフッ素系樹脂;ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリアクリロニトリル等の熱可塑性樹脂;スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム、ポリイミド樹脂などが挙げられる。結着材は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
酸化還元媒介体を含有するスラリーを調製して集電体に付与することによって空気極を作製する場合、当該スラリーは溶媒を含有してもよい。溶媒としては、スラリーに含まれる各成分を分散又は溶解可能なものであれば特に制限されず、水系溶媒であっても有機系溶媒であってもよい。例えば、溶媒としては、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジメチルホルムアミド、シクロヘキサノン、ジオキソラン、水等が挙げられる。溶媒は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本開示のリチウム空気電池は、上述の本開示の空気極と、負極と、前記空気極及び前記負極の間に存在する電解質と、を備える。リチウム空気電池はさらにセパレーター等のその他の部材を有していてもよい。
図1は充電時のリチウム空気電池の一実施形態を表している。図1において、リチウム空気電池100は、空気極2及び負極4を有し、空気極2及び負極4の間に電解質を含む電解液6が貯留されている。また、空気極2及び負極4の間には両極間の絶縁を担うセパレーター8が設けられている。セパレーター8よりも空気極側に存在する正極電解液とセパレーター8よりも負極側に存在する負極電解液は同じ電解液であっても異なる電解液であってもよい。充電時には、電源10が空気極2と負極4とを電気的に接続している。なお、放電時には、電源10の代わりに負荷(図示せず)が接続される。
本開示のリチウム空気電池に用いられる空気極の詳細は前述の通りである。
リチウム空気電池は負極を含む。負極は、リチウムイオンを挿入及び脱離可能な負極活物質を含む。負極は、負極活物質を含む層が負極集電体上に形成されてなるものであってもよい。
本開示のリチウム空気電池は電解質を含む。電解質は電解質塩が非水溶媒に溶解された電解液の形態で存在してもよく、固体電解質の形態で存在してもよい。電解液及び固体電解質を組み合わせて用いてもよい。
非水溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート類;酢酸メチル、酢酸エチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等のエステル類;イオン性液体、ジメトキシエタン、ジメチルスルホキシド、エチルメチルスルホン、スルホラン等が挙げられる。なかでも、放充電時の分解安定性の観点からは、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテル等のエーテル類からなる群より選択される少なくとも1つが好ましい。電解質の溶媒は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
リチウム空気電池はセパレーターを含んでいてもよい。セパレーターは、リチウムイオンの透過性を有し、空気極と負極の絶縁性を維持できるものであれば特に制限されない。セパレーターの材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系ポリマー、セルロース系ポリマー、フッ素系ポリマー、ガラス、紙等が挙げられる。セパレーターの形状は多孔膜、不織布等であってもよい。
本開示のリチウム空気電池の用途は特に制限されず、電気自動車用駆動電源、次世代送電網(スマートグリッド)のための定置用蓄電池、太陽光や風力等の自然エネルギーによる発電施設における電力平準化又は蓄電用電池、モバイル用大容量電池など、エネルギー産業全般に応用することができる。
[空気極の作製]
LiI(酸化還元媒介体)、ケッチェンブラック(KB:導電性材料)、及びポリフッ化ビニリデン(PVDF:結着材)を、N−メチルピロリドン(NMP:溶媒)中に、質量比で50:50:6の割合で混合して空気極の触媒層スラリーを調製した。調製したスラリーを、カーボンペーパー(空気極集電体)の表面に塗布して乾燥させ、触媒層が形成された空気極を得た。
アルゴングローブボックス中(露点<−90℃)にて、ジエチレングリコールジメチルエーテル(溶媒)にLiTFSI(電解質塩)を溶解して電解液(濃度:0.2mol/L)を調製した。負極として金属リチウム箔(厚み:500μm)を用い、調製した電解液、セパレーター(セルガード2400(厚み:25μm))、さらに電解液、上記で得られた空気極の順で挟み込み、リチウム空気電池を作製した。
LiIをLiBr(酸化還元媒介体)に変更した以外は実施例1と同様にして空気極及びリチウム空気電池を作製した。
LiIをNaNO2(酸化還元媒介体)に変更した以外は実施例1と同様にして空気極及びリチウム空気電池を作製した。
LiIを用いなかった以外は実施例1と同様にして空気極及びリチウム空気電池を作製した。
LiIをLiClに変更した以外は実施例1と同様にして空気極及びリチウム空気電池を作製した。なお、LiClは酸化還元媒介体の機能を有さないリチウム塩である。
リチウム空気電池の作製において、電解液にさらにLiBr(酸化還元媒介体)を濃度が50mmol/Lとなるように添加した以外は比較例1と同様にリチウム空気電池を作製した。
比較例3において電解液に含有させたLiBrと同量のLiBrを、電解液に含有させる代わりに空気極に固体の状態で含有させてリチウム空気電池を作製した。
実施例及び比較例で得られたリチウム空気電池を用いて、純酸素(99.9体積%)雰囲気中、30℃にて、印加電流200mA/g−KB、放充電容量500mAh/g−KB、カットオフ電位2.0V〜4.5Vの条件で定電流放充電サイクル試験を行った。評価結果を図2〜図5に示す。
放電時及び充電時の過電圧とは、それぞれ、以下の反応の理論電位(すなわち2.96V(V vs. Li/Li+))からの電位差であり、小さいほど好ましい。
放電時:2Li+ + O2 + 2e− → Li2O2
充電時:Li2O2 → 2Li+ + O2 + 2e−
図2に示される通り、酸化還元媒介体を空気極に含有させた実施例1〜3のリチウム空気電池では、比較例1、2のリチウム空気電池と比べて過電圧が低減されていることが分かる。
図3に示される通り、実施例1〜3のリチウム空気電池では、比較例1、2のリチウム空気電池と比べて容量維持性が向上している。
4 負極
6 電解液
8 セパレーター
10 電源
100 リチウム空気電池
Claims (8)
- 酸化還元媒介体を含むリチウム空気電池用空気極。
- −40〜80℃において前記酸化還元媒介体が固体の状態で存在する、請求項1に記載のリチウム空気電池用空気極。
- 前記酸化還元媒介体が、亜硝酸塩、臭化物塩、及びヨウ化物塩からなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項1又は請求項2に記載のリチウム空気電池用空気極。
- 前記酸化還元媒介体が、LiNO2、NaNO2、KNO2、RbNO2、CsNO2、LiBr、NaBr、KBr、RbBr、CsBr、LiI、NaI、KI、RbI、及びCsIからなる群より選択される少なくとも1つを含む、請求項3に記載のリチウム空気電池用空気極。
- 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のリチウム空気電池用空気極と、
負極と、
前記空気極及び前記負極の間に存在する電解質と、
を備えるリチウム空気電池。 - 前記電解質が電解液中に存在し、
前記空気極中の前記酸化還元媒介体の含有量が、電解液1Lに対して10mmol以上に相当する量である、請求項5に記載のリチウム空気電池。 - 前記電解質が電解液中に存在し、
前記電解液中の前記酸化還元媒介体の濃度が100mmol/L以下である、請求項5又は請求項6に記載のリチウム空気電池。 - 酸化還元媒介体と、導電性材料と、結着材と、溶媒と、を混合してスラリーを調製することと、
前記スラリーを集電体に付与して触媒層を形成することと、
を含む、リチウム空気電池用空気極の製造方法。
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KR20220057966A (ko) * | 2020-10-30 | 2022-05-09 | 고려대학교 산학협력단 | 확장된 삼상 계면을 가진 다층 구조체를 포함하는 공기전극 및 그 제조방법 |
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