以下に、本開示の情報処理方法、プログラム及び情報処理装置について、その実施形態を示す図面に基づいて詳述する。
(実施形態1)
特許権や特許出願に係る特許を受ける権利の売買取引を仲介(支援)する仲介システムについて説明する。図1は仲介システムの構成例を示すブロック図である。本実施形態の仲介システムでは、販売対象の特許権や特許を受ける権利の登録、販売対象に対する売買取引の申込受付等をインターネット等のネットワークNを介して行うことができる。なお、本実施形態の仲介システムが仲介する売買取引の対象は、設定登録された特許及び特許出願に係る特許を受ける権利だけでなく、特許出願前の発明に係る特許を受ける権利を含んでもよく、以下ではこれらをまとめて特許権又は特許ということもある。
仲介システムは、特許権の売買取引に係る情報を管理するサーバ(情報処理装置)10と、販売したい特許権を所有する販売者の販売者端末20と、特許権を購買したい購買者の購買者端末30とを含む。サーバ10、販売者端末20及び購買者端末30はネットワークNに接続可能に構成されている。図1では、サーバ10は有線接続によってネットワークNに接続してあるが、無線接続によって接続されてもよい。また、販売者端末20及び購買者端末30は無線通信によってネットワークNに接続してあるが、有線接続によって接続されてもよい。
サーバ10は、サーバコンピュータ又はパーソナルコンピュータ等であり、複数台設けられてもよいし、1台のサーバ内に設けられた複数の仮想マシンによって実現されてもよいし、クラウドサーバを用いて実現されてもよい。販売者端末20及び購買者端末30はスマートフォン、タブレット端末、パーソナルコンピュータ等であり、それぞれ複数台設けられている。
サーバ10は、制御部11、記憶部12、通信部13、表示部14、入力部15、読み取り部16等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部11は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを適宜実行することにより、本開示の情報処理装置が行うべき種々の情報処理、制御処理をサーバ10に行わせる。
記憶部12は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等を含む。記憶部12は、制御部11が実行する制御プログラム12P及び制御プログラム12Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部12は、制御部11が制御プログラム12Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。更に記憶部12は、後述する特許DB(データベース)12a、発明DB12b、購買者DB12cを記憶する。なお、サーバ10はウェブサーバとしての機能を有しており、記憶部12は、販売対象の特許権の登録を受け付けるためのウェブページや、販売対象の特許権に対する購買申込を受け付けるためのウェブページ等を含むウェブサイト12wを記憶する。特許DB12a、発明DB12b及び購買者DB12cは、サーバ10に接続された外部の記憶装置に記憶されてもよく、ネットワークNを介してサーバ10と通信可能な記憶装置に記憶されてもよい。
通信部13は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して外部装置との間で情報の送受信を行う。表示部14は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部11からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部15は、マウス及びキーボード等を含み、ユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部11へ送出する。なお、表示部14及び入力部15は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
読み取り部16は、CD(Compact Disc)−ROM、DVD(Digital Versatile Disc)−ROM又はUSB(Universal Serial Bus)メモリを含む可搬型記憶媒体1aに記憶された情報を読み取る。記憶部12に予め記憶される制御プログラム及びデータは、制御部11が読み取り部16を介して可搬型記憶媒体1aから読み取って記憶部12に記憶してもよい。また、記憶部12に予め記憶される制御プログラム及びデータは、制御部11が通信部13を介してネットワークN経由で外部装置からダウンロードして記憶部12に記憶してもよい。更に、半導体メモリ1bから、制御部11が制御プログラム及びデータを読み出して記憶部12に記憶してもよい。
図2及び図3は、サーバ10に記憶されるDB12a〜12cの構成例を示す模式図である。図2Aは特許DB12aを、図2Bは発明DB12bを、図3は購買者DB12cをそれぞれ示す。特許DB12aは、販売対象として登録された特許権に関する情報を記憶する。図2Aに示す特許DB12aは、特許ID列、特許番号列、権利内容列、価値情報列、評価情報列、1株の持分比率列、販売単価列、販売対象株数列、購買希望情報列、販売可能株数列等を含む。特許ID列は各特許に予め割り当てられた識別情報を記憶し、特許番号列は各特許の特許番号(特許が登録された際に付与される番号)を記憶する。権利内容列は各特許の内容、具体的には特許請求の範囲に記載された内容(権利範囲)を記憶する。価値情報列は、各特許に対して判定された価値を示す情報を記憶し、評価情報列は、各特許に対して判定されたビジネスとしての評価を示す情報を記憶する。1株の持分比率列、販売単価列及び販売対象株数列はそれぞれ、販売者によって設定された販売情報を記憶する。具体的には、1株の持分比率列は1株に対する特許権の持分の割合を記憶し、販売単価列は1株の販売価格を記憶し、販売対象株数列は販売対象の株数を記憶する。例えば、販売者が1つの特許権に対して20株を設定した場合、1株に対する特許権の持分の割合は5%に設定される。また、1つの特許権に対して20株が設定された場合、販売対象株数は1〜20の数値が設定可能となる。購買希望情報列は、購買者(購買希望者)が購買を申し込んだ特許権に関する購買情報を記憶する。購買希望情報列は購買者ID列及び株数列を含み、購買者ID列は特許権の購買を申し込んだ購買者に予め割り当てられた識別情報を記憶し、株数列は購買者が購買を申し込んだ株数を記憶する。販売可能株数列は、販売者が設定した販売対象の株数から購買者が申し込んだ株数を差し引いた残りの株数を記憶する。
特許DB12aに記憶される特許IDは、制御部11が新たな販売対象の特許権の情報を特許DB12aに記憶(登録)する際に、制御部11によって発行されて記憶される。特許DB12aに記憶される特許番号、1株の持分比率、販売単価及び販売対象株数は、通信部13又は入力部15を介して追加又は変更の指示を取得する都度、制御部11によって追加又は変更される。特許DB12aに記憶される権利内容、価値情報及び評価情報は、制御部11が、販売情報が登録された特許に対して権利内容の取得処理、価値情報の取得処理、評価情報の取得処理を行った場合に、制御部11によって記憶される。なお、権利内容は、制御部11が通信部13又は入力部15を介して取得して特許DB12aに記憶する構成でもよい。特許DB12aに記憶される購買希望情報は、通信部13又は入力部15を介して追加又は変更の指示を取得する都度、制御部11によって追加又は変更される。特許DB12aに記憶される販売可能株数は、購買希望情報が特許DB12aに記憶された後に、制御部11が、その時点の販売可能株数から、記憶した購買希望情報の株数を差し引いて残りの販売可能株数を算出した場合に、制御部11によって記憶される。特許DB12aの記憶内容は図2Aに示す例に限定されず、販売対象の特許権に関する各種の情報を記憶することができる。例えば、特許番号の代わりに、出願番号(特許出願が特許庁に受理されると付与される番号)や公開番号(公開特許公報に掲載される際に付与される番号)が特許DB12aに記憶されてもよい。また、特許DB12aに、出願日、公開日、登録日、特許料の納付履歴、発明者の情報、特許権の所有者及び各所有者の持分比率(所有株数)、特許権の販売履歴等を記憶してもよい。
発明DB12bは、販売対象として登録された発明に関する情報を記憶する。なお、発明DB12bに記憶される販売対象は、特許出願に係る発明だけでなく特許出願前の発明も含む。図2Bに示す発明DB12bは、発明ID列、出願番号列、公開番号列、発明内容列、特許取得可能性列、評価情報列、1株の持分比率列、販売単価列、販売対象株数列、購買希望情報列、販売可能株数列等を含む。発明ID列は各発明に予め割り当てられた識別情報を記憶し、出願番号列及び公開番号列はそれぞれ各特許の出願番号及び公開番号を記憶する。なお、特許出願されていない場合や出願公開されていない場合は、出願番号列及び/又は公開番号列に出願番号及び公開番号が記憶されなくてよい。発明内容列は各発明の内容、例えば特許出願における特許請求の範囲に記載された内容(権利範囲)、論文等に記載された内容等を記憶する。特許取得可能性列は、各発明に対して判定された特許権の取得可能性を示す情報を記憶し、評価情報列は、各発明に対して判定されたビジネスとしての評価を示す情報を記憶する。1株の持分比率列、販売単価列、販売対象株数列、購買希望情報列、販売可能株数列は、特許DB12aの1株の持分比率列、販売単価列、販売対象株数列、購買希望情報列、販売可能株数列と同じである。
発明DB12bに記憶される発明IDは、制御部11が新たな販売対象の発明の販売情報を発明DB12bに記憶(登録)する際に、制御部11によって発行されて記憶される。発明DB12bに記憶される出願番号、公開番号、1株の持分比率、販売単価及び販売対象株数は、通信部13又は入力部15を介して追加又は変更の指示を取得する都度、制御部11によって追加又は変更される。発明DB12bに記憶される発明内容、特許取得可能性及び評価情報は、制御部11が、販売情報が登録された特許に対して発明内容の取得処理、特許取得可能性の取得処理、評価情報の取得処理を行った場合に、制御部11によって記憶される。なお、発明内容は、制御部11が通信部13又は入力部15を介して取得して発明DB12bに記憶する構成でもよい。発明DB12bに記憶される購買希望情報は、通信部13又は入力部15を介して追加又は変更の指示を取得する都度、制御部11によって追加又は変更される。発明DB12bに記憶される販売可能株数は、購買希望情報が発明DB12bに記憶された後に、制御部11が、その時点の販売可能株数から、記憶した購買希望情報の株数を差し引いて残りの販売可能株数を算出した場合に、制御部11によって記憶される。発明DB12bの記憶内容は図2Bに示す例に限定されず、販売対象の発明に関する各種の情報を記憶することができる。例えば、発明DB12bに、発明者の情報、特許を受ける権利の所有者及び各所有者の持分比率(所有株数)、特許権の販売履歴等を記憶してもよいし、特許出願された発明について、出願日、公開日等を記憶してもよい。
購買者DB12cは、特許権を購買したことがあるユーザや特許権の購買を検討しているユーザ等の購買者の情報を記憶する。図3に示す購買者DB12cは、購買者ID列、氏名列、住所列、電話番号列、電子メールアドレス列、購買履歴列、注文履歴列等を含む。購買者ID列は、各購買者に予め割り当てられた識別情報を記憶する。氏名列、住所列、電話番号列、電子メールアドレス列はそれぞれ、購買者によって登録された購買者の氏名、住所、電話番号、電子メールアドレスを記憶する。購買履歴列は、購買者が過去に購買した特許権又は発明に関する購買情報を記憶し、特許ID/発明ID列、株数列、1株の持分比率列、販売単価列を含む。特許ID/発明ID列、株数列、1株の持分比率列、販売単価列はそれぞれ、購買者が過去に購買した特許権又は発明のID、株数、1株の持分比率、販売単価を記憶する。注文履歴列は、購買者が購買を申し込んだ(注文した)特許権又は発明に関する購買情報(注文情報)を記憶し、特許ID/発明ID列、株数列を含む。特許ID/発明ID列及び株数列はそれぞれ、購買者が注文した特許権又は発明のID及び株数を記憶する。購買者DB12cに記憶される購買者IDは、制御部11が新たな購買者の情報を購買者DB12cに記憶(登録)する際に、制御部11によって発行されて記憶される。購買者DB12cに記憶される氏名、住所、電話番号及び電子メールアドレスは、通信部13又は入力部15を介して追加又は変更の指示を取得する都度、制御部11によって追加又は変更される。購買者DB12cに記憶される購買履歴は、購買者が申し込んだ購買取引が成立した場合に、制御部11によって追加される。購買者DB12cに記憶される注文履歴は、通信部13又は入力部15を介して購買情報(注文情報)の追加又は変更の指示を取得する都度、制御部11によって追加又は変更される。購買者DB12cの記憶内容は図3に示す例に限定されず、購買者に関する各種の情報を記憶することができる。例えば、注文履歴に注文日等を含めてもよく、購買履歴に注文日や購買取引が成立した購買日等を含めてもよい。
本実施形態において、サーバ10の記憶部12は、上述したDB12a〜12cのほかに、例えば特許権を販売したいユーザ(販売者)の情報が登録された販売者DBを記憶してもよい。また、上述した構成の特許DB12a及び発明DB12bを1つのDBにまとめて販売対象DBとして記憶してもよい。
図4は販売者端末20及び購買者端末30の構成例を示すブロック図である。販売者端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24、入力部25等を含み、これらの各部はバスを介して相互に接続されている。制御部21は、CPU、MPU又はGPU等の1又は複数のプロセッサを含む。制御部21は、記憶部22に記憶してある制御プログラム22Pを適宜実行することにより、販売者端末20が行うべき種々の情報処理、制御処理を行う。
記憶部22は、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク、SSD等を含む。記憶部22は、制御部21が実行する制御プログラム22P及び制御プログラム22Pの実行に必要な各種のデータ等を予め記憶している。また記憶部22は、制御部21が制御プログラム22Pを実行する際に発生するデータ等を一時的に記憶する。更に記憶部22は、ウェブサイトを閲覧するためのウェブブラウザ22Bを記憶する。記憶部22に記憶される制御プログラム及びデータは、例えば通信部23を介して外部装置から取得されて記憶部22に記憶される。販売者端末20が可搬型記憶媒体に記憶された情報を読み取る読取部等を備える場合、記憶部22に記憶される制御プログラム及びデータは、可搬型記憶媒体から読み出されて記憶部22に記憶されてもよい。
通信部23は、有線通信又は無線通信によってネットワークNに接続するためのインタフェースであり、ネットワークNを介して外部装置との間で情報の送受信を行う。表示部24は、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイ等であり、制御部21からの指示に従って各種の情報を表示する。入力部25は、ユーザによる操作入力を受け付け、操作内容に対応した制御信号を制御部21へ送出する。表示部24及び入力部25は一体として構成されたタッチパネルであってもよい。
上述した構成の販売者端末20において、制御部21は、サーバ10から図5Aに示すようなウェブページを取得して表示部24に表示し、表示画面を介して販売対象に登録すべき特許権の情報を受け付け、販売対象の登録要求をサーバ10へ送信する。サーバ10は、販売者端末20から販売対象の登録要求を受信した場合、販売対象の特許又は発明に関する情報(販売情報)を特許DB12a又は発明DB12bに記憶(登録)する。購買者端末30は販売者端末20と同様の構成を有するので、構成についての詳細な説明は省略する。購買者端末30において、制御部31は、サーバ10から図5Bに示すようなウェブページを取得して表示部34に表示し、表示画面を介して購買希望の特許権の情報を受け付け、購買取引の申込要求をサーバ10へ送信する。サーバ10は、購買者端末30から購買取引の申込要求を受信した場合、購買対象の特許又は発明に関する情報(購買希望情報)を特許DB12a又は発明DB12bに記憶(登録)する。なお、サーバ10は、特許DB12a又は発明DB12bに購買希望情報を登録した後、この購買者が購買を希望する特許又は発明のIDと購買希望株数とを、この購買者の購買者IDに対応する注文履歴として購買者DB12cに記憶する。
図5は、サーバ10が提供するウェブサイト12wの画面例を示す模式図である。図5Aは、販売希望者(販売者)による販売対象の特許権の登録要求を受け付けるための登録画面例を示し、図5Bは、購買希望者(購買者)による特許権の購買申込を受け付けるための受付画面(注文画面)例を示す。図5Aに示す登録画面は、販売者が販売対象として登録したい特許権、特許出願、特許出願していない発明に関する情報を入力するための入力欄を有する。具体的には登録画面は、販売対象の種別として、特許権(登録特許)、出願公開済みの特許出願、出願公開前の特許出願、特許出願していない発明(未出願)のいずれかを選択するためのラジオボタンを有する。また登録画面は、販売対象の特許権又は特許出願における登録番号(特許登録番号)、出願番号(特許出願番号)及び公開番号(特許公開番号)をそれぞれ入力するための入力欄を有する。更に登録画面は、販売者が希望する販売条件として、設定株数、販売単価及び販売対象株数をそれぞれ入力するための入力欄を有する。設定株数は、販売者が販売対象の特許権に対して設定したい株数であり、設定株数に応じて1株に対する特許権の持分比率が変更される。よって、設定株数の入力欄に株数が入力されると、入力された株数に応じた1株当たりの持分比率が算出されて表示される。販売単価は、販売者が希望する1株当たりの販売価格であり、販売対象株数は、設定株数に対して販売者が販売を希望する株数である。なお、設定株数から、販売者が販売を希望しない株数、即ち、販売者が自身で所有したい株数を差し引いた株数が販売対象株数となる。
登録画面に含まれる各入力欄は、図5Aに示す構成に限定されない。販売対象の情報及び販売者が希望する販売条件は他のデータを含んでもよい。例えば販売対象の情報として権利内容又は発明内容を入力するための入力欄が設けられてもよく、販売条件として購買希望の受付期間を指定するための入力欄が設けられてもよい。また、販売対象の情報として、権利内容又は発明内容が記載されたテキストデータ、或いは、権利内容又は発明内容が記載された用紙を読み取った画像データ等を入力(添付)するための入力欄が設けられていてもよい。登録画面は、入力欄に入力された情報に基づいて販売対象の登録を指示するためのOKボタンと、登録処理を中止するキャンセルボタンとを有する。販売者端末20において、制御部21は、サーバ10から取得したウェブページに基づく登録画面に対して入力部25を介して各入力欄に対する入力情報を受け付け、受け付けた入力情報をそれぞれ対応する入力欄に表示する。また制御部21は、入力部25を介してOKボタンが操作された場合、各入力欄に入力された入力情報を含む販売対象の登録要求をサーバ10へ送信し、販売対象の登録を要求する。サーバ10の制御部11は、販売者端末20から販売対象の登録要求を受信した場合、販売対象が特許権であるか否かに応じて特許ID又は発明IDを発行し、特許ID又は発明IDに対応付けて、登録要求に含まれる販売対象の情報及び販売条件を特許DB12a又は発明DB12bに登録する。これにより販売対象の登録が行われる。
図5Bに示す受付画面は、購買者が購買したい特許権、特許出願、特許出願していない発明に関する情報(図5Bでは特許番号、1株当たりの持分比率、販売単価、販売可能株数)を表示しており、販売対象に対して購買を希望する株数の入力欄を有する。なお、サーバ10は、販売対象の特許権、特許出願及び発明の情報(例えば特許番号、出願番号、発明の名称等)を一覧表示するウェブページを公開しており、購買者は、このウェブページを介して購買を希望する購買対象を選択する。図5Bに示す受付画面は、購買者が選択した特許権に対する注文を受け付けるための画面例である。なお、受付画面は、図5Bに示す構成に限定されず、例えば購買者が購買したい特許権、特許出願又は発明を特定できる情報の入力欄を有する構成でもよい。
受付画面は、入力欄に入力された購買希望株数での購買の申込を指示するためのOKボタンと、購買の申込処理を中止するキャンセルボタンとを有する。購買者端末30において、制御部31は、サーバ10から取得したウェブページに基づく受付画面に対して入力部35を介して購買希望株数の入力を受け付け、受け付けた購買希望株数を入力欄に表示する。また制御部31は、入力部35を介してOKボタンが操作された場合、入力された購買希望株数と、表示されていた販売対象の情報(例えば特許番号、特許ID又は発明ID)と、購買者端末30の購買者の購買者IDとを含む購買取引の申込要求をサーバ10へ送信し、購買の申込を要求する。サーバ10の制御部11は、購買者端末30から購買取引の申込要求を受信した場合、購買対象が特許権であるか否かに応じて特許DB12a又は発明DB12bに、申込要求に含まれる特許ID又は発明IDに対応付けて、申込要求に含まれる購買者ID及び購買希望株数を登録する。これにより購買取引の申込が受け付けられる。なお、サーバ10の制御部11は、受信した申込要求に基づいて購買者DB12cに、購買者IDに対応付けて注文履歴を記憶しておく。
次に、サーバ10の制御部11が制御プログラム12Pを実行することによって実現される機能について説明する。図6は、サーバ10の制御部11によって実現される機能を示すブロック図である。サーバ10の制御部11は、記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pを実行した場合、販売対象取得部101、内容取得部102、価値取得部103、評価取得部104、公開部105、購買受付部106の各機能を実現する。本実施形態では、これらの各機能を制御部11が制御プログラム12Pを実行することにより実現するが、これらの一部又は全部を専用のハードウェア回路で実現してもよい。
販売対象取得部101は、販売者端末20において図5Aに示す登録画面を介して入力された販売対象に関する情報に基づく販売対象の登録要求をネットワークN経由で取得する。販売対象の登録要求は、販売対象の種別、登録番号、出願番号、公開番号等の販売対象に関する情報と、設定株数、販売対象、販売対象株数等の販売条件とを含む。よって、販売対象取得部101は、販売対象の特許及び発明に対して設定された販売対象の株数を取得する販売株数取得部として機能する。販売対象の種別が特許(登録特許)である場合、販売対象取得部101は、特許IDを発行し、特許IDに対応付けて販売対象に関する情報及び販売条件を特許DB12aに記憶する。販売対象の種別が登録特許以外である場合、販売対象取得部101は、発明IDを発行し、発明IDに対応付けて販売対象に関する情報及び販売条件を発明DB12bに記憶する。
内容取得部102は、特許DB12aに登録された特許の内容(権利内容)、又は発明DB12bに登録された発明の内容を取得する。権利内容又は発明内容は例えば図5Aに示す登録画面を介して販売者によって入力されてもよく、この場合、販売対象の登録要求に含まれて販売者端末20からサーバ10へ送信される。従って、内容取得部102は、販売者端末20から受信した販売対象の登録要求に含まれる権利内容又は発明内容を抽出し、特許ID又は発明IDに対応付けて特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。また例えば図5Aに示す登録画面に特許公報、特許公開公報、論文等のファイルを添付できるように構成してもよい。この場合、内容取得部102は、販売者端末20から受信した販売対象の登録要求に含まれるファイルから、権利内容又は発明内容を抽出し、特許ID又は発明IDに対応付けて特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。例えば内容取得部102は、販売対象の登録要求に特許公報が含まれる場合、特許公報から特許請求の範囲を抽出し、特許DB12aに記憶してもよい。また、内容取得部102は、特許DB12a又は発明DB12bに記憶された特許番号、出願番号又は公開番号に基づいて、特許庁等がウェブ上で公開している特許公報又は特許公開公報をネットワークN経由でダウンロードし、得られた特許公報又は特許公開公報から特許請求の範囲を抽出して特許DB12a又は発明DB12bに記憶してもよい。また、特許DB12a又は発明DB12bに登録された販売対象に関する情報に、権利内容又は発明内容が記載されたテキストデータが含まれる場合、内容取得部102は、テキストデータから権利内容又は発明内容を抽出し、特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。更に、特許DB12a又は発明DB12bに登録された販売対象に関する情報に、権利内容又は発明内容が記載された用紙を読み取った画像データが含まれる場合、内容取得部102は、例えばOCR(Optical Character Recognition)を用いて画像データからテキストデータを生成し、生成したテキストデータから権利内容又は発明内容を抽出して特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。
価値取得部(価値情報取得部)103は、特許DB12aに登録された特許に対する価値を示す価値情報を、例えば100点満点のスコアで取得(算出)する。価値取得部103は、例えば特許DB12aに登録された特許が、他の特許出願の拒絶理由通知書において新規性欠如又は進歩性欠如の判断に用いられた引用文献として利用された回数が多いほど高い価値(高スコア)を算出し、メインの引用文献として利用された回数が多いほど高い価値(高スコア)を算出する。また価値取得部103は、例えば特許DB12aに登録された特許が、特許無効審判において特許を維持する旨の審決(棄却審決)が出された回数が多いほど高い価値(高スコア)を算出する。なお、他の特許出願に対する引用文献として利用された回数、メインの引用文献として利用された回数、特許無効審判における棄却審決の回数のそれぞれと、それぞれの回数に対して例えば専門家が設定したスコアとを対応付けて登録したテーブルを記憶部12に記憶しておき、テーブルの内容に基づいてそれぞれの特許に対するスコアを算出してもよい。また価値取得部103は、各特許について、出願日、出願公開日、特許登録日、特許査定となるまでの拒絶理由通知書の発行回数及び拒絶理由の内容、補正の回数及び補正の内容、請求項の数、特許権侵害訴訟の経過及び結果、実施権のライセンス契約状況等を考慮して価値情報(スコア)を算出してもよい。例えば、上述したような特許に関する情報と各情報に対して例えば専門家が設定したスコアとを対応付けて登録したテーブルを記憶部12に記憶しておき、テーブルの内容に基づいてそれぞれの特許に対するスコアを算出してもよい。なお、価値取得部103は、判別対象の特許に関する上述したような各情報に対応するスコアをテーブルから読み出して合計を算出することにより、特許の価値情報を取得してもよいし、各情報に対応するスコアに各情報に応じた重み付けを行って加算した合計値を特許の価値情報として取得してもよい。価値取得部103は、取得した価値情報を、この特許の特許IDに対応付けて特許DB12aに記憶する。
なお、価値取得部103は、例えば機械学習処理によって構築されたニューラルネットワークである学習済みモデルを用いて、各特許の価値情報を取得してもよい。学習済みモデルは、例えば他の特許出願の拒絶理由通知書で挙げられた回数、メインの引用文献として挙げられた回数、特許無効審判における棄却審決の回数、出願日、出願公開日、特許登録日、特許査定となるまでの拒絶理由通知書の発行回数及び拒絶理由の内容、補正の回数及び補正の内容、請求項の数等の特許に関する情報と、これらの情報が示す特許に対して例えば専門家が適切に判断して設定した価値(スコア)を示す情報とを含む教師データを用いて、特許に関する情報が入力された場合に、この特許に対して適切な価値(スコア)を出力するように学習したモデルである。なお、学習済みモデルは、入力値に対して所定の演算を行い、演算結果を出力するものであり、この演算を規定する関数の係数や閾値等のデータが学習済みモデルとして記憶部12に記憶される。
学習済みモデルを用いる場合、価値取得部103は、各特許について、上述したような特許に関する情報の一部又は全部を取得し、取得した情報を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルからの出力値を取得する。学習済みモデルの出力値は、例えば予め設定された複数のスコアのそれぞれに対する判別確率であり、それぞれのスコアが、判別対象の特許に対してどの程度適切であるかを表す度合を示す。例えば、学習済みモデルの出力ノードは、予め設定されたスコアの数だけ設けられており、各出力ノードから、各出力ノードに対応するスコアに対する判別確率が出力される。各出力ノードの出力値は例えば0〜1.0の値であり、全ての出力ノードから出力された確率の合計が1.0(100%)となる。価値取得部103は、学習済みモデルからの出力値が最大である出力ノードに対応するスコアを特定し、特定したスコアを判別対象の特許に対するスコアに決定してもよい。なお、学習済みモデルは、上述したような特許に関する情報が入力された場合に、入力された情報が示す特許に対するスコアを出力するように構成されてもよい。
なお、学習済みモデルは、特許に関する情報と、それぞれの特許に対して例えば専門家が設定したスコア(正解ラベル)とを1セットとした教師データを用いて学習する。学習済みモデルは、教師データに含まれる特許に関する情報を入力した場合に、教師データに含まれる正解ラベルが示すスコアに対応する出力ノードからの出力値が1.0に近づき、その他の出力ノードからの出力値が0に近づくように学習する。なお、学習済みモデルは、入力値に対して行う所定の演算を規定する関数の係数や閾値等のデータを最適化する。これにより、特許に関する情報に基づいて、この特許に対して最適なスコアの情報を出力するように学習済みのモデルが得られる。学習済みモデルは、サーバ10において学習が行われてもよいし、異なる学習装置において学習された後にサーバ10の記憶部12に記憶されてもよい。
また、価値取得部103は、発明DB12bに登録された発明に対する価値情報として特許権の取得可能性を、例えば100点満点のスコアで取得(算出)する。価値取得部103は、例えば発明DB12bに登録された発明内容に基づいて特許権の取得可能性を取得する。例えば価値取得部103は、発明内容から、発明を特定するための事項(発明の構成要件)を示すキーワードを抽出し、抽出したキーワードを含む特許公報、特許公開公報、論文等を、ウェブ上で公開されている特許公報、特許公開公報、論文等から検索する。そして価値取得部103は、検索結果の文献中から、発明内容から抽出したキーワードに類似するキーワードを抽出し、抽出したキーワードとの類似度合を算出し、類似度合が低いほど高い可能性(高スコア)を算出する。なお、検索された文献の数、類似するキーワードの数、各キーワードの類似度合のそれぞれと、それぞれに対して例えば専門家が適切に判断して設定したスコアとを対応付けて登録したテーブルを記憶部12に記憶しておき、テーブルの内容に基づいてそれぞれの発明に対する特許権の取得可能性(スコア)を算出してもよい。また、キーワードだけでなく所定文字数以下の文章に基づいて類似する文献の検索処理を行ってもよい。価値取得部103は、判別対象の発明について検索された文献の数、類似するキーワードの数、各キーワードの類似度合等のそれぞれの情報に対応するスコアをテーブルから読み出して合計を算出することにより、特許取得可能性を取得してもよいし、各情報に対応するスコアに各情報に応じた重み付けを行って加算した合計値を特許取得可能性として取得してもよい。価値取得部103は、取得した特許権の取得可能性を、この発明の発明IDに対応付けて発明DB12bに記憶する。
なお、価値取得部103は、各発明の特許取得可能性についても、例えば機械学習処理によって構築されたニューラルネットワークである学習済みモデルを用いて取得してもよい。ここでの学習済みモデルは、例えば発明内容から抽出したキーワードに基づく検索によって得られた文献の数、検索結果の文献中の類似するキーワードの数及び類似度合等の比較情報と、これらの情報が示す発明に対して例えば専門家が適切に判断して設定した特許取得可能性(スコア)とを含む教師データを用いて、比較情報が入力された場合に、この発明に対して適切な特許取得可能性(スコア)を出力するように学習したモデルである。ここでも、学習済みモデルを用いる場合、価値取得部103は、各発明許について、上述したような比較情報の一部又は全部を取得し、取得した比較情報を学習済みモデルに入力し、学習済みモデルからの出力値を取得する。ここでの学習済みモデルの出力ノードは、予め設定されたスコアの数だけ設けられており、各出力ノードから、各出力ノードに対応するスコアに対する判別確率(0〜1.0の値)が出力される。なお、全ての出力ノードから出力された確率の合計が1.0(100%)となる。価値取得部103は、学習済みモデルからの出力値が最大である出力ノードに対応するスコアを特定し、特定したスコアを判別対象の発明に対するスコア(特許取得可能性)に決定してもよい。また、ここでの学習済みモデルは、比較情報と、それぞれの発明に対して適切に判断されたスコア(正解ラベル)とを1セットとした教師データを用いて学習する。なお、学習処理は、発明の価値情報を判別する学習済みモデルと同様の処理であり、サーバ10において学習が行われてもよいし、異なる学習装置において学習された後にサーバ10の記憶部12に記憶されてもよい。更に価値取得部103は、学習済みモデルを用いて取得した各発明の特許取得可能性に対して、専門家の意見(専門家が判断する特許取得可能性)を付加して発明DB12bに記憶してもよい。なお、学習済みモデルを用いて判断された特許取得可能性に対する専門家の意見は、この学習済みモデルを再学習させる教師データに用いることができる。具体的には、特許取得可能性の判断に用いた比較情報と、特許取得可能性に対する専門家の意見(専門家が判断する特許取得可能性)とを含む教師データを用いて、学習済みモデルを再学習させることができる。
評価取得部104は、特許権、特許出願又は特許出願していない発明に対するビジネスとしての評価を示す評価情報を取得する。ビジネス評価は例えば、特許又は発明の技術分野における専門家が、サーバ10が提供する評価登録画面を介して入力し、評価取得部104は、通信部13又は入力部15を介して取得する。評価取得部104は、取得した評価情報を、特許ID又は発明IDに対応付けて特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。なお、ビジネスとしての評価情報は、例えば100点満点のスコアで表されてもよいし、予想される経済効果やライセンス契約料等の金額で表されてもよい。また、評価情報は、特許又は発明を実施した商品やサービスに対する評価を示す情報や、商品やサービスの販売状況に対する評価を示す情報を含んでもよい。また、評価情報は、関連する特許又は特許出願の数が多いほど高評価としてもよく、関連する特許や特許出願に対する寄与度又は関連度が高いほど高評価としてもよい。更に、評価情報は、特許権者又は特許出願人に係る事業者に対する成長性や将来性等の企業評価や、特許又は発明に係る業種(業界)に対する成長性や将来性等の業界評価が高いほど高評価としてもよい。
販売対象取得部101、内容取得部102、価値取得部103及び評価取得部104が上述した処理を行うことにより、販売対象の特許又は発明に関する情報が特許DB12a又は発明DB12bに登録される。なお、上述したように価値取得部103が取得する特許の価値情報や、特許の取得可能性は、例えば10点刻みのスコアであってもよいし、3段階(高、中、低)のスコアであってもよい。
公開部105は、販売対象として特許DB12aに登録された特許及び発明DB12bに登録された発明の情報をネットワークN経由で公開する。例えば公開部105は、特許DB12aから各特許の特許番号、権利内容、価値情報、評価情報、1株の持分比率、販売単価、販売可能株数を読み出し、これらを含む販売情報をウェブサイト12wにて公開する。また、公開部105は、発明DB12bから各発明の出願番号、公開番号、発明の内容、特許取得可能性、評価情報、1株の持分比率、販売単価、販売可能株数を読み出し、これらを含む販売情報をウェブサイト12wにて公開する。なお、公開部105は、販売可能株数が0でない(1以上である)特許及び発明のみを販売対象として公開する。また公開部105は、例えば各特許の価値情報又は評価情報や、各発明の特許取得可能性又は評価情報が所定レベル以上であるか否かを判断し、所定レベル以上の特許及び発明のみを販売対象として公開するようにしてもよい。
購買受付部(受付部)106は、サーバ10によって公開されるウェブサイト12wを介して選択された販売対象の情報(例えば特許ID又は発明ID)と、図5Bに示す受付画面を介して入力された購買希望株数と、この購買者の購買者IDとを含む購買取引の申込要求(購買情報)をネットワークN経由で購買者端末30から取得する。販売対象(購買対象)が特許(登録特許)である場合、購買受付部106は、購買対象の特許IDに対応する購買希望情報として、購買者ID及び購買希望株数を特許DB12aに記憶する。販売対象(購買対象)が登録特許以外である場合、購買受付部106は、購買対象の発明IDに対応する購買希望情報として、購買者ID及び購買希望株数を発明DB12bに記憶する。なお、購買受付部106は、特許DB12a又は発明DB12bに購買希望情報を記憶した後、この時点での販売可能株数を算出し、特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。具体的には、購買受付部106は、特許DB12a又は発明DB12bに記憶してある販売可能株数から、特許DB12a又は発明DB12bに記憶した購買希望株数を差し引いて残りの販売可能株数を算出して記憶する。また、購買受付部106は、購買者IDに対応する注文履歴として、特許ID又は発明IDと購買希望株数とを購買者DB12cに記憶する。
以下に、本実施形態の仲介システムにおける販売対象の特許又は発明の登録処理についてフローチャートを参照しながら説明する。図7は販売対象の登録処理の手順を示すフローチャートである。図7には左側に販売者端末20が行う処理を、右側にサーバ10が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理は、サーバ10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行され、販売者端末20の記憶部22に記憶してある制御プログラム22P及びブラウザ22Bに従って制御部21によって実行される。
販売者端末20の制御部21は、サーバ10のウェブサイト12wから所定のウェブページを受信し、例えば図5Aに示す登録画面を表示部24に表示する(S11)。制御部21は、登録画面を介して販売対象として登録すべき特許又は発明に関する情報と販売条件とを含む販売情報の入力を入力部25にて受け付ける(S12)。制御部21は、登録画面においてOKボタンが操作された場合、入力された販売情報による販売対象の登録要求を受け付ける。制御部21は、販売対象の登録が要求されたか否かを判断しており(S13)、要求されていないと判断した場合(S13:NO)、ステップS12の処理に戻る。販売対象の登録が要求されたと判断した場合(S13:YES)、制御部21は、登録画面を介して入力された販売情報による販売対象の登録要求をネットワークN経由でサーバ10へ送信する(S14)。
サーバ10の制御部11は、販売者端末20から販売対象の登録要求を受信した場合、登録要求に含まれる販売対象に関する情報及び販売条件(販売情報)を特許DB12a又は発明DB12bに記憶し(S15)、販売対象の登録を行う。制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bに登録した販売対象の特許又は発明の内容を取得し(S16)、取得した内容を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。なお、特許又は発明の内容は、販売者端末20から取得してもよいし、ウェブ上で公開さている特許公報又は特許公開公報等から抽出して取得してもよい。
次に制御部11は、登録した販売対象の特許又は発明の価値情報を取得し(S17)、取得した価値情報を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。なお、価値情報は、販売対象が特許の場合、例えば特許権としての価値を示すスコアで表現され、販売対象が発明の場合(即ち、特許ではない場合)、例えば特許権の取得可能性を示すスコアで表現される。また制御部11は、登録した販売対象の特許又は発明に対するビジネスとしての評価情報を取得し(S18)、取得した評価情報を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。なお、評価情報は、各技術分野における専門家が入力部15を介して入力してもよく、専門家が自身の端末を用いて入力した情報をネットワークN経由で取得してもよい。
特許又は発明の内容、価値情報及び評価情報は、販売者端末20からの販売対象の登録要求に基づいて販売対象が特許DB12a又は発明DB12bに登録された際に特許DB12a又は発明DB12bに記憶してもよいし、登録後の適宜タイミングで記憶してもよい。例えば、定期的に又は所定数の販売対象が登録された後に、複数の販売対象について特許又は発明の内容、価値情報及び評価情報が取得されて記憶されてもよい。制御部11は、この時点での販売可能株数を算出し(S19)、特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。なお、販売者端末20から販売対象の登録要求を受信した時点での販売可能株数は、販売者によって設定された販売対象株数である。よって制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bに登録した特許又は発明の販売対象株数を販売可能株数として特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。上述した処理により、販売者端末20を介して要求された販売対象の登録処理が行われ、販売対象の特許又は発明がDB12a,12bに登録される。
次に、本実施形態の仲介システムにおける購買の申込処理についてフローチャートを参照しながら説明する。図8は販売対象に対する購買の申込処理の手順を示すフローチャートである。図8には左側に購買者端末30が行う処理を、右側にサーバ10が行う処理をそれぞれ示す。以下の処理は、サーバ10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行され、購買者端末30の記憶部32に記憶してある制御プログラム32P及びブラウザ32Bに従って制御部31によって実行される。
サーバ10の制御部11は、購買者端末30からの要求に応じて、販売対象として登録された特許又は発明に関する情報を公開するウェブページを購買者端末30へ送信する。また制御部11は、購買者端末30からの要求に応じて、購買者が選択した特許又は発明に対する購買申込を受け付けるためのウェブページを購買者端末30へ送信する。購買者端末30の制御部31は、サーバ10から受信したウェブページに基づいて、例えば図5Bに示す受付画面を表示部34に表示する(S21)。制御部31は、受付画面を介して購入を希望する株数の入力を入力部35にて受け付ける(S22)。制御部31は、受付画面においてOKボタンが操作された場合、入力された株数での購買の申込要求を受け付ける。制御部31は、購買申込が要求されたか否かを判断しており(S23)、要求されていないと判断した場合(S23:NO)、ステップS22の処理に戻る。購買申込が要求されたと判断した場合(S23:YES)、制御部31は、選択された購買対象の情報(例えば特許ID又は発明ID)と、受付画面を介して入力された購買希望株数と、この購買者の購買者IDとを含む購買情報による購買の申込要求をネットワークN経由でサーバ10へ送信する(S24)。
サーバ10の制御部11は、購買者端末30から購買の申込要求を受信した場合、申込要求に含まれる特許ID又は発明IDに対応付けて、購買者ID及び購買希望株数を購買希望情報として特許DB12a又は発明DB12bに記憶する(S25)。これにより、購買希望者からの購買希望情報が登録される。制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bに記憶した購買希望株数を、この時点の販売可能株数から差し引いて残りの販売可能株数を算出し、特許DB12a又は発明DB12bの販売可能株数を更新する(S26)。制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bに登録した購買希望情報に基づいて、特許ID又は発明IDと購買希望株数とを注文履歴として購買者DB12cに記憶する(S27)。
上述した処理により、購買者端末30を介して要求された購買の申込処理が行われ、購買希望者が購買を希望する特許又は発明の株数がDB12a,12bに登録される。仲介システムでは、例えばそれぞれの販売対象について販売可能株数が0になった時点で購買申込の受付を終了し、この時点で登録されている購買希望者を、販売先に決定する。また、それぞれの販売対象について購買申込の受付期間を設定しておき、受付期間が終了した時点で購買申込の受付を終了してもよい。この場合、購買申込の受付期間中は、残りの販売可能株数にかかわらず購買情報を受け付け、受付期間終了後に、例えば販売者によって販売先の購買希望者が決定されるように構成してもよい。販売先の購買希望者が決定した後は、販売者と購買希望者との間で権利の譲渡契約が結ばれ、特許権については特許庁に対して移転登録申請書を提出し、特許出願については特許庁に対して出願人名義変更届を提出することによって、特許権又は特許を受ける権利の譲渡手続きが行われる。
よって、販売先の購買希望者が決定した場合、サーバ10は、譲渡契約に必要な書類、特許権の移転登録申請書、出願人名義変更届、権利の持分譲渡証書等の書類を作成してもよい。具体的には、サーバ10は、権利の譲渡手続きに必要な各種の書類の電子データを記憶部12に記憶しておき、販売先の購買希望者が決定した場合、制御部11は、販売対象が特許権であるか特許を受ける権利であるかに応じて必要な書類の電子データを記憶部12から読み出す。そして制御部11は、読み出した電子データに対して、購買希望者の情報(氏名、住所等)を購買者DB12cから読み出して追加し、書類を作成する。なお、販売者の情報(氏名、住所等)を記憶部12に記憶している場合、制御部11は、販売者の情報も記憶部12から読み出して、書類の電子データに追加し、書類を作成する。またサーバ10は、例えば販売者の情報や購買希望者の情報を入力するための入力フォームを販売者端末20及び購買者端末30へ送信し、販売者端末20及び購買者端末30にて入力フォームを介して入力された販売者の情報及び購買希望者の情報を取得する構成でもよい。この場合、サーバ10は、入力フォームを予め記憶部12に記憶しておき、入力フォームを介して取得した販売者の情報及び購買希望者の情報を書類の電子データに追加し、書類を作成する。サーバ10は、販売者の情報や購買希望者の情報が追加して作成された書類の電子データをネットワークN経由で販売者端末20及び購買者端末30に送信する。これにより、権利の譲渡手続きに必要な書類の電子データが販売者及び購買希望者宛に送信される。販売者及び購買希望者は、販売者端末20及び購買者端末30によってサーバ10から受信した書類の電子データをプリンタで印刷することにより、特許庁に提出すべき書類を作成できる。また販売者及び購買希望者は、作成した書類を特許庁に郵送するか特許庁の窓口に提出することにより各種の手続を行う。なお、ネットワークN経由で各種の手続が可能である場合、販売者及び購買希望者は、手続に必要な書類の電子データをネットワークN経由で特許庁のサーバに送信して手続を行ってもよい。また、サーバ10が、販売者及び購買希望者の代わりに、手続に必要な書類の電子データをネットワークN経由で特許庁のサーバに送信する構成としてもよい。
本実施形態では、特許権や特許を受ける権利の売買を仲介するので、有効な権利を有する権利者と、有効な権利に対して金銭的な支援を行いたい支援者との間を仲介できる。よって、支援者からの支援によって権利のより有効活用を図ることが可能となる。また本実施形態では、各権利に対して価値情報や評価情報を付与して公開するので、技術分野や業界の動向に詳しくない人であっても各権利の価値を容易に把握できる。このように特許権や特許を受ける権利を売買するための市場を開設することにより、これまで相対取引によって閉鎖的に行われていたビジネスマッチングから、市場への多くの参加者間での開放的なビジネスマッチングを実現するための有効な手段となり得る。よって、ビジネスマッチングの活性化及び促進が期待できる。
本実施形態において、サーバ10は、販売対象の情報をウェブ上で公開する際に、例えば特許出願に係る発明に対する特許取得可能性が所定レベル未満であった場合に、特許取得可能性を高めるためのアドバイスも含めて公開してもよい。例えば、特許出願の出願日から1年が経過していない場合、発明内容を補充して優先権主張出願を行うことができることを示すアドバイスを含めて公開してもよい。具体的には、サーバ10の制御部11(公開部105)は、発明DB12bから発明の情報を読み出した場合に、読み出した特許取得可能性が所定レベル未満であれば、読み出した各情報とアドバイスの情報とを含む販売情報を公開するウェブページを生成して公開する。これにより、特許出願に対する購買を検討している購買者は、特許出願に係る発明の特許取得可能性だけでなく、特許取得可能性を高めるためのアドバイスも考慮して発明の購買を検討できる。
本実施形態において、サーバ10は、出願公開前の特許出願についても販売対象として発明内容を公開している。よって、出願公開前の特許出願や特許出願前の発明については、予めユーザ登録したユーザのみに発明内容を公開するようにサーバ10を構成することが望ましい。例えばサーバ10は、購買者として個人情報が購買者DB12cに登録されたユーザに対してのみ、販売対象の特許権の情報だけでなく、出願公開前の特許出願及び特許出願前の発明の情報も含むウェブページを公開するようにしてもよい。また、サーバ10は、例えば守秘義務に関する契約を結んだユーザに対してのみ、出願公開前の特許出願や特許出願前の発明の発明内容を公開するように構成されてもよい。この場合、例えば守秘義務に関する契約を結んだユーザに関する情報(個人情報等)を購買者DB12cとは別のDBに登録しておき、このDBに登録されたユーザに対してのみ、出願公開前の特許出願及び特許出願前の発明の情報も含むウェブページを公開するようにしてもよい。
(実施形態2)
特許権や特許出願に係る特許を受ける権利の売買取引だけでなく、実施権や仮実施権のライセンス契約も仲介する仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムの各装置は、実施形態1の各装置と同様の構成を有するので、同様の構成については詳細な説明を省略する。
図9は、実施形態2のサーバ10が提供するウェブサイト12wの画面例を示す模式図である。図9Aは販売対象の特許権の登録要求を受け付けるための登録画面例を示し、図9Bは、特許権の購買申込を受け付けるための受付画面例を示す。図9Aに示す登録画面は、図5Aに示す登録画面と同様の構成を有し、更に、特許権に係る発明を実施するための実施権と、特許出願に係る発明を実施するための仮実施権とについても販売対象として登録するか否かを入力する入力欄を有する。具体的には、登録画面は、実施権及び仮実施権を販売対象として登録するか否かを選択するためのラジオボタンと、販売対象として登録する場合に、販売者が希望するライセンス契約料を入力するための入力欄とを有する。このような登録画面によって、販売対象の特許又は発明の情報と、販売条件と、ライセンス契約料とが入力され、これらの情報を含む販売対象の登録要求が販売者端末20からサーバ10へ送信される。なお、本実施形態では、特許DB12a及び発明DB12bは、ライセンス契約料が記憶されるライセンス契約料列を有する。サーバ10の制御部11は、販売者端末20から受信した販売対象の登録要求にライセンス契約料が含まれる場合、ライセンス契約料も特許DB12a又は発明DB12bに登録する。なお、販売者が権利を販売したくない場合は、実施権又は仮実施権の登録のみを行えばよい。
図9Bに示す受付画面は、図5Bに示す受付画面と同様の構成を有し、更に、販売者によって設定されたライセンス契約料が表示され、希望する取引として権利購買及び/又はライセンス契約を選択するためのチェックボックスを有する。このような受付画面によって、希望取引が権利の購買及び/又はライセンス契約であるかを示す情報と、権利の購買を希望する場合の購買希望株数とが入力され、これらの情報と、販売対象の情報(例えば特許番号、特許ID又は発明ID)と、購買者の購買者IDとを含む取引の申込要求が購買者端末30からサーバ10へ送信される。なお、本実施形態では、特許DB12a及び発明DB12bの購買希望情報列は、ライセンス契約の希望の有無を示すライセンス契約列を有する。よって、サーバ10の制御部11は、購買者端末30から受信した取引の申込要求に、希望取引としてライセンス契約が含まれる場合、特許DB12a又は発明DB12bのライセンス契約列に「有」を記憶する。
本実施形態のサーバ10において、制御部11は、図6に示す各機能と同様の機能を実現する。なお、本実施形態の販売対象取得部101は、販売者端末20において図9Aに示す登録画面を介して入力された販売対象に関する情報及び販売条件と、実施権又は仮実施権を販売対象とする場合のライセンス契約料とを含む販売対象の登録要求をネットワークN経由で取得する。よって、登録要求にライセンス契約料が含まれる場合、販売対象の種別が特許(登録特許)であれば、販売対象取得部101は、特許IDに対応付けて販売対象に関する情報及び販売条件と共にライセンス契約料を特許DB12aに記憶する。また、販売対象の種別が登録特許以外であれば、販売対象取得部101は、発明IDに対応付けて販売対象に関する情報及び販売条件と共にライセンス契約料を発明DB12bに記憶する。
また、本実施形態の購買受付部106は、購買者端末30において図9Bに示す受付画面を介して入力された希望取引の情報及び購買希望株数と、購買者によって選択された販売対象の情報及び購買者IDとを含む購買取引の申込要求をネットワークN経由で取得する。そして、申込要求に希望取引としてライセンス契約が含まれる場合、販売対象が特許(登録特許)であれば、購買受付部106は、購買希望情報として、購買者ID及び購買希望株数に加えて、ライセンス契約「有」を特許DB12aに記憶する。また、販売対象が登録特許以外であれば、購買受付部106は、購買希望情報として、購買者ID及び購買希望株数に加えて、ライセンス契約「有」を発明DB12bに記憶する。
また、本実施形態の仲介システムは、図7及び図8に示す処理と同様の処理を行う。なお、図7中のステップS12で、販売者端末20の制御部21は、登録画面を介して販売対象として登録すべき特許又は発明の情報及び販売条件と、ライセンス契約料とを含む販売情報の入力を受け付ける。またステップS14で、制御部21は、受け付けた販売対象の情報及び販売条件とライセンス契約料とを含む販売情報(販売対象の登録要求)をサーバ10へ送信する。そしてステップS15で、サーバ10の制御部11は、販売者端末20から受信した販売対象の情報及び販売条件とライセンス契約料とを特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。
また、図8中のステップS22で、購買者端末30の制御部31は、受付画面を介して希望取引の情報と購入希望株数との入力を受け付ける。またステップS24で、制御部31は、受け付けた希望取引の情報及び購入希望株数と、購買対象の情報及び購買者IDとを含む購買情報(購買の申込要求)をサーバ10へ送信する。そしてステップS25で、サーバ10の制御部11は、購買者端末30から受信した購買対象の情報(特許ID又は発明ID)に対応付けて、購買者ID及び購買希望株数とライセンス契約「有」とを特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、特許権や特許を受ける権利に対する売買取引だけでなく、実施権や仮実施権のライセンス契約も仲介できる。よって、有効な権利を有する権利者と、有効な権利を実施したい実施者との間を仲介でき、権利のより有効活用を図ることが可能となる。
(実施形態3)
販売対象の特許及び発明に対する販売価格を、特許及び発明に対する価値情報及び評価情報に基づいて自動的に決定する仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムの各装置は、実施形態1,2の各装置と同様の構成を有するので、同様の構成については詳細な説明を省略する。
本実施形態のサーバ10において、制御部11は、図6に示す各機能と同様の機能を実現し、更に、価値取得部103及び評価取得部104が特許DB12a又は発明DB12bに登録(記憶)した価値情報及び評価情報に基づいて、それぞれの販売対象に対する販売単価及び販売対象株数を決定する機能を実現する。例えば価値情報が示す価値スコア及び評価情報が示す評価スコアと、各スコアの値に対応する販売単価及び販売対象株数とを対応付けてテーブルに記憶しておき、制御部11は、それぞれの販売対象に対する価値スコア及び評価スコアに対応する販売単価及び販売対象株数をテーブルから特定してもよい。
本実施形態では、上述した実施形態1,2と同様の効果が得られる。また本実施形態では、それぞれの販売対象に対する販売単価及び販売対象株数を自動的に設定できるので、販売者が販売対象を登録する際の負担を軽減できる。また、販売対象に対する価値スコア及び評価スコアに対応して標準的な販売単価及び販売対象株数を設定できるので、妥当な販売単価及び販売対象株数の設定が可能となる。本実施形態では、販売単価及び販売対象株数を、販売者が設定してもよいし、自動で設定してもよいし、いずれの方法で設定するかは販売者が選択できるように構成してもよい。
(実施形態4)
販売者が、販売対象の特許及び発明を販売する人数(購買者の数)を指定でき、また購買者を1つの業種について1人に制限できる仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムの各装置は、実施形態1の各装置と同様の構成を有するので、同様の構成については詳細な説明を省略する。
図10は、実施形態4のサーバ10が提供するウェブサイト12wの画面例を示す模式図である。図10Aは販売対象の登録要求を受け付けるための登録画面例を示し、図10Bは購買申込を受け付けるための受付画面例を示す。図10Aに示す登録画面は、図5Aに示す登録画面と同様の構成を有し、更に、販売者が販売対象の販売を希望する人数を入力するための入力欄を有する。このような登録画面によって、販売対象の特許又は発明の情報と、販売人数を含む販売条件とが入力され、これらの情報を含む販売対象の登録要求が販売者端末20からサーバ10へ送信される。なお、本実施形態では、特許DB12a及び発明DB12bは、販売者によって設定された販売人数が記憶される販売人数列を有する。なお、販売者が販売人数の設定を希望しない場合は、登録画面において販売人数を入力する必要はない。
図10Bに示す受付画面は、図5Bに示す受付画面と同様の構成を有するが、販売可能株数の代わりに、販売者によって設定された販売対象株数と、現在注文されている注文株数とが表示される。また図10Bに示す受付画面は、購買者が購買を希望する株数だけでなく、購買を希望する単価を入力するための入力欄と、購買者の業種を所定の業種の中から選択可能なプルダウンメニューとを有する。このような受付画面によって、購買者が希望する単価(購買希望単価)及び株数(購買希望株数)と、購買者の業種とが入力され、これらの情報と、販売対象の情報(例えば特許番号、特許ID又は発明ID)と、購買者の購買者IDとを含む取引の申込要求が購買者端末30からサーバ10へ送信される。なお、本実施形態では、特許DB12a及び発明DB12bの購買希望情報列は、購買者によって設定された購買希望単価が記憶される購買希望単価列と、購買者によって選択された購買者の業種が記憶される業種列とを有する。
本実施形態のサーバ10において、制御部11は、図6に示す各機能と同様の機能を実現する。なお、本実施形態の販売対象取得部101は、販売者端末20において図10Aに示す登録画面を介して入力された販売人数も販売条件としてネットワークN経由で取得し、特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。また、本実施形態の購買受付部106は、購買者端末30において図10Bに示す受付画面を介して入力された購買希望単価及び購買者の業種も購買条件として含む購買取引の申込要求をネットワークN経由で取得し、特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。
本実施形態の仲介システムにおける販売対象の登録処理は、図7と同様の処理によって行うことができる。なお、図7中のステップS12で、販売者端末20の制御部21は、登録画面を介して販売対象として登録すべき特許又は発明の情報と、設定株数、販売単価、販売対象株数及び販売人数を含む販売条件とを含む販売情報の入力を受け付ける。そしてステップS14で、制御部21は、受け付けた販売対象の情報及び販売条件を含む販売情報(販売対象の登録要求)をサーバ10へ送信する。そしてステップS15で、サーバ10の制御部11は、販売者端末20から受信した販売対象の情報及び販売条件を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。
図11は、サーバ10が販売対象の情報を公開する処理の手順を示すフローチャートである。図11に示す処理は、サーバ10の記憶部12に記憶してある制御プログラム12Pに従って制御部11によって実行される。以下の処理では、販売者が販売対象の登録を行ってから所定期間を注文受付期間とし、注文受付期間が経過した場合や、販売者によって設定された販売人数からの注文を受け付けた場合に、以降の注文の受付を終了するものとする。
サーバ10の制御部11は、特許DB12aに記憶してある販売対象の特許に関する情報又は発明DB12bに記憶してある販売対象の発明に関する情報を読み出し(S31)、読み出した販売対象に対する注文受付期間が経過したか否かを判断する(S32)。例えば特許DB12a又は発明DB12bにそれぞれの販売対象がDB12a又は12bに登録された登録日を記憶しておき、制御部11は、読み出した情報(登録日)に基づいて、登録日から所定期間(注文受付期間)が経過したか否かを判断する。注文受付期間が経過していないと判断した場合(S32:NO)、制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bから読み出した情報に基づいて、販売者が設定した販売人数の注文があるか否かを判断する(S33)。例えば制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bから読み出した購買希望情報に含まれる購買者IDの数が、販売人数以上であった場合、販売人数の注文があると判断する。
販売者が設定した販売人数の注文がないと判断した場合(S33:NO)、ステップS31で読み出した販売対象を公開対象に追加する(S34)。注文受付期間が経過したと判断した場合(S32:YES)、又は販売人数の注文があると判断した場合(S33:YES)、制御部11はステップS35に処理を移行する。そして制御部11は、特許DB12a及び発明DB12bから販売対象に関する情報を全て読み出したか否かを判断し(S35)、読み出していないと判断した場合(S35:NO)、ステップS31の処理に戻る。そして制御部11は、未処理の販売対象に関する情報を読み出し(S31)、読み出した情報についてステップS32〜S34の処理を行う。
特許DB12a及び発明DB12bから販売対象に関する情報を全て読み出したと判断した場合(S35:YES)、制御部11は、公開対象に追加した販売対象に関する情報に基づいて、公開すべき販売対象を公開するための公開画面を生成する(S36)。なお、制御部11は、公開すべき販売対象の特許権、特許出願及び発明の情報(例えば特許番号、出願番号、発明の名称等)を一覧表示する公開画面を生成する。そして、制御部11は、生成した公開画面に基づいて販売対象を公開する(S37)。例えば制御部11は、ネットワークN経由で販売対象を公開するウェブページを要求された場合に、生成した公開画面に係るウェブページを要求元の端末へ送信する。上述した処理により、所定の注文受付期間が経過した販売対象、販売者が設定した販売人数からの注文の受付が完了した販売対象については、販売対象に関する情報が公開されないので、注文の受付を打ち切ることができる。
公開画面によって公開された任意の販売対象が購買者によって購買対象として選択された場合、サーバ10は、図10Bに示すような受付画面をウェブページにて購買者端末30へ提供する。これにより、購買者は、受付画面を介して購買希望の特許又は発明に対する購買申込を行うことができる。なお、サーバ10の制御部11は、図10Bに示す受付画面を生成する際に、購買者の業種を選択するためのプルダウンメニューを、既に注文を受け付けた購買者の業種を選択できないように構成してもよい。このような構成とした場合、注文を受け付ける時点で、既に注文を受け付けた購買者の業種と同じ業種の他の購買者からの注文の受付を禁止できる。よって、購買者を1つの業種について1人に制限することができる。
本実施形態の仲介システムにおける購買の申込処理は、図8と同様の処理によって行うことができる。なお、図8中のステップS22で、購買者端末30の制御部31は、受付画面を介して購買を希望する株数だけでなく、購買を希望する単価及び購買者の業種の入力を受け付ける。そしてステップS24で、制御部31は、受付画面を介して入力された購買希望株数、購買希望単価及び購買者の業種を含む購買希望情報と、購買対象の情報及び購買者IDとを含む購買情報(購買の申込要求)をサーバ10へ送信する。そしてステップS25で、サーバ10の制御部11は、購買者端末30から受信した購買対象の情報(特許ID又は発明ID)に対応付けて、購買者IDと、購買希望株数、購買希望単価及び購買者の業種を含む購買希望情報を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、販売者が、販売対象の特許及び発明を販売する人数(購買者の数)を指定できる。よって、販売者が指定した人数からの注文を受け付けた時点で、注文の受付を締め切ることができる。また本実施形態では、購買者を1つの業種について1人に制限することにより、同じ業種の購買者が特許権者となった場合のリスクを回避できる。
本実施形態の仲介システムにおいて、所定の注文受付期間に複数の購買者からの注文を受け付け、注文受付期間の終了後に販売者が、それぞれの購買者の購買希望情報(希望単価、希望株数、業種)に基づいて、販売対象を販売する購買者を決定する構成とすることもできる。この場合、サーバ10は、購買者端末30から送信されてくる購買情報(購買の申込要求)を特許DB12a又は発明DB12bに蓄積しておき、注文受付期間が経過した後に、複数の購買者からの購買希望情報を販売者端末20に公開する。そして、販売者が、複数の購買者からの購買希望情報に基づいて、販売先の購買希望者を決定することができる。このように構成した場合、オークション形式での売買が可能となる。また、このような構成とする場合、例えば注文受付期間中に、受け付けた購買申込に係る購買希望単価及び購買希望株数を公開することにより、他の購買希望者の購買希望単価及び購買希望株数を知ることができる。よって、購買希望者間での駆け引きにより、より高額での売買が期待できる。
(実施形態5)
特許出願日から1年を経過していない特許出願について特許の取得可能性を高めるために専門家のアドバイスを受けることができる仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムは、実施形態1の仲介システムと同様の装置を含み、更に専門家が使用する専門家端末(図示せず)を含む。専門家端末は販売者端末20及び購買者端末30と同様の構成を有するので説明を省略する。また実施形態1と同様の構成については詳細な説明を省略する。本実施形態の構成は、実施形態1〜4のいずれにも適用できる。
本実施形態の仲介システムにおける各装置10,20,30は、図7及び図8に示す処理を行いつつ、所定のタイミングで以下の処理を行う。所定のタイミングは、例えば1日に1回、1週間に1回等の定期的なタイミングであってもよいし、販売対象の特許出願に係る発明に関する情報が発明DB12bに記憶された後の任意のタイミングであってもよい。図12は、サーバ10による販売対象に対するアドバイスの提供処理の手順を示すフローチャートである。
サーバ10の制御部11は、発明DB12bに記憶してある販売対象の発明に関する情報を読み出し(S41)、読み出した情報に基づいて、この発明が特許出願に係る発明であり、出願日から1年が経過していない特許出願であるか否かを判断する(S42)。なお、発明DB12bは、特許出願に係る発明について出願日を記憶しているものとする。出願日から1年が経過していない特許出願(即ち、出願日から1年以内の特許出願)であると判断した場合(S42:YES)、制御部11は、発明DB12bから読み出した特許取得可能性が所定値未満であるか否かを判断する(S43)。ここでの所定値は例えば50%としてもよい。
特許取得可能性が所定値未満であると判断した場合(S43:YES)、制御部11は、所定の専門家端末に対して、この特許出願の特許取得可能性を高めるためのアドバイスを依頼する(S44)。具体的には、制御部11は、ステップS41で読み出した発明内容に関する情報や特許出願に係る明細書等を専門家端末へ送信し、専門家端末のユーザ(専門家)にアドバイスを求める。なお、専門家端末の宛先情報は予め記憶部12に記憶されているものとし、特許出願に係る明細書等は予め記憶部12に記憶されていてもよいし、この時点で販売者(販売者端末20)から取得する構成でもよい。また専門家は、例えば提携している弁理士や弁護士等であってもよい。制御部11は、専門家に対してアドバイスを依頼する構成に限らず、専門家に対してミーティングの設定を依頼する構成でもよい。
専門家は、アドバイスを依頼された特許出願について特許取得可能性を高めるためにすべきことを検討し、検討結果をアドバイス情報として専門家端末を用いてサーバ10へ送信する。制御部11は、依頼したアドバイスを専門家(専門家端末)から取得した場合(S45)、取得したアドバイスを、この特許出願の販売者(特許権者等)に提供すべく、この販売者の販売者端末20へ出力(送信)する(S46)。これにより、サーバ10によって特許取得可能性が所定値未満であると判断された特許出願について、特許取得可能性を高めるためのアドバイスを販売者に提供できる。
制御部11は、ステップS42で出願日から1年が経過した特許出願であると判断した場合(S42:NO)、又はステップS43で特許取得可能性が所定値以上であると判断した場合(S43:NO)、ステップS44〜S46の処理をスキップする。制御部11は、発明DB12bに記憶してある全ての販売対象(発明)に対して上述した処理を終了したか否かを判断しており(S47)、終了していないと判断した場合(S47:NO)、ステップS41の処理に戻る。制御部11は、発明DB12bから未処理の販売対象の発明に関する情報を読み出し(S41)、読み出した情報に基づいて、ステップS42〜S46の処理を行う。全ての販売対象(発明)に対する処理を終了したと判断した場合(S47:YES)、制御部11は処理を終了する。
上述した処理において、専門家は、特許出願に係る明細書に発明内容を追加(補充)し、この特許出願を基礎として優先権主張出願を行うことをアドバイスする場合が多い。よって、このようなアドバイスを受けた販売者(特許権者等)は、自身で優先権主張出願を行うか、弁理士に依頼して優先権主張出願を行う。そして販売者は、優先権主張出願を行った後、販売対象の発明の内容として、優先権主張出願において追加した内容をサーバ10に追加登録する。
図13は、発明内容の追加登録処理の手順を示すフローチャートである。図13には左側に販売者端末20が行う処理を、右側にサーバ10が行う処理をそれぞれ示す。販売者端末20の制御部21は、サーバ10のウェブサイト12wから所定のウェブページを受信し、優先権主張出願において追加した内容を追加登録するための追加登録画面を表示部24に表示する(S51)。追加登録画面は、特許出願番号の入力欄と、優先権主張出願における特許請求の範囲の内容や基礎の特許出願からの追加内容等を入力するための入力欄等を有する。制御部21は、追加登録画面を介して販売対象として登録してある発明(特許出願)について、発明の追加内容の入力を入力部25にて受け付ける(S52)。
また追加登録画面はOKボタンを有しており、制御部21は、追加登録画面においてOKボタンが操作された場合、入力された発明の追加内容の登録要求を受け付ける。制御部21は、発明の追加内容の登録が要求されたか否かを判断しており(S53)、要求されていないと判断した場合(S53:NO)、ステップS52の処理に戻る。発明の追加内容の登録が要求されたと判断した場合(S53:YES)、制御部21は、追加登録画面を介して入力された発明の追加内容の登録要求をネットワークN経由でサーバ10へ送信する(S54)。
サーバ10の制御部11は、販売者端末20から発明の追加内容の登録要求を受信した場合、登録要求に含まれる発明の追加内容を、発明DB12bに記憶してある発明内容に追加して記憶し(S55)、発明の追加内容の登録を行う。制御部11は、発明DB12bに追加登録した発明の追加内容に基づいて、この特許出願に係る発明の価値情報(ここでは特許の取得可能性)を再度取得し、発明DB12bに記憶してある価値情報を、取得した価値情報に更新する(S56)。これにより、発明内容を追加して優先権主張出願が行われた特許出願については、販売対象として登録される発明内容が更新され、更に更新された発明内容に基づいて発明の価値情報(特許取得可能性)も更新される。よって、このように更新された発明に関する情報が販売対象の情報として公開される。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、特許出願日から1年を経過していない特許出願であって、特許取得可能性が所定レベル未満の特許出願については、専門家のアドバイスを受けることができ、またアドバイスに従って優先権主張出願を行った場合には特許取得可能性を高めることができる。よって、特許出願に係る発明の販売価値を上昇させることができる。
(実施形態6)
特許出願日から1年を経過していない特許出願について特許の取得可能性を高めるためにアドバイスを自動で生成して提供する仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムの各装置は、実施形態1の各装置と同様の構成を有するので、同様の構成については詳細な説明を省略する。なお、本実施形態の構成は、実施形態1〜4のいずれにも適用できる。上述した実施形態5は、専門家から取得したアドバイスを提供する構成であるが、本実施形態はアドバイス情報を自動で生成して提供する構成を有する。
本実施形態のサーバ10は、記憶部12に処理蓄積DBを記憶している。図14は処理蓄積DBの構成例を示す模式図である。処理蓄積DBは、例えば特許文献や論文等に記載されている各種の処理に関する情報を記憶する。処理蓄積DBには、例えば専門家が特許文献や論文等に記載されている各種の処理に関して、入力対象のデータに関する情報、処理内容に関する情報、及び出力対象のデータに関する情報をそれぞれ抽出し、抽出された各情報が記憶される。また処理蓄積DBには、例えば入力に関するキーワード、処理に関するキーワード、出力に関するキーワードに基づく検索処理を特許文献や論文等に対して行い、検索されたそれぞれのキーワードに基づいて、入力対象のデータに関する情報、処理内容に関する情報、及び出力対象のデータに関する情報をそれぞれ抽出して記憶されてもよい。なお、入力に関するキーワードは例えば入力、取得、受信、受付等を含み、処理に関するキーワードは例えば処理、演算、判定、算出、解析、検索等を含み、出力に関するキーワードは例えば出力、送信、表示、音声出力等を含む。このようなキーワードを用いて検索を行うことにより、検索結果に基づいて、入力対象のデータに関する情報、処理内容に関する情報、及び出力対象のデータに関する情報を抽出できる。例えば「○○データが入力され」の「入力」が検索された場合、「○○データ」が入力対象のデータに関する情報として抽出される。また「○○処理を行う」の「処理」が検索された場合、「○○処理」が処理内容に関する情報として抽出され、「○○データが出力され」の「出力」が検索された場合、「○○データ」が出力対象のデータに関する情報として抽出される。
図14に示す処理蓄積DBは、処理ID列、入力対象列、処理内容列、出力対象列等を含む。処理ID列は各処理に予め割り当てられた識別情報を記憶し、入力対象列、処理内容列及び出力対象列はそれぞれ、各処理における入力対象のデータに関する情報、処理内容に関する情報及び出力対象のデータに関する情報を記憶する。処理蓄積DBに記憶される各情報は、制御部11が通信部13又は入力部15を介して新たな処理に関する情報を取得する都度、制御部11によって追加される。また処理蓄積DBに記憶される各情報は、制御部11が、特許文献や論文等から新たな処理に関する情報を抽出(検索)する都度、制御部11によって追加されてもよい。処理蓄積DBの記憶内容は図14に示す例に限定されない。
本実施形態の仲介システムにおける各装置10,20,30は、図7及び図8に示す処理を行う。また、本実施形態のサーバ10は、所定のタイミングで以下のように、処理蓄積DBの蓄積内容に基づいて、発明DB12bに記憶してある販売対象の発明に対するアドバイス情報を生成して提供する処理を行う。所定のタイミングは、例えば1日に1回、1週間に1回等の定期的なタイミングであってもよいし、販売対象の特許出願に係る発明に関する情報が発明DB12bに記憶された後の任意のタイミングであってもよい。図15は、サーバ10による販売対象に対するアドバイスの提供処理の手順を示すフローチャートである。
サーバ10の制御部11は、実施形態5のサーバ10が行う図12に示すステップS41〜S43と同様の処理を行う。具体的には、制御部11は、発明DB12bに記憶してある販売対象の発明に関する情報を読み出し(S61)、読み出した情報に基づいて、この発明が、出願日から1年が経過していない特許出願に係る発明であるか否かを判断する(S62)。出願日から1年が経過していない特許出願に係る発明であると判断した場合(S62:YES)、制御部11は、発明DB12bから読み出した特許取得可能性が所定値未満であるか否かを判断する(S63)。
特許取得可能性が所定値未満であると判断した場合(S63:YES)、制御部11は、ステップS61で読み出した発明に関する情報から、この発明に係る処理に関する情報(処理情報)を抽出する(S64)。具体的には、制御部11は、発明に係る処理において、どのようなデータが入力データであるかを示す入力対象のデータに関する情報、どのような処理を行うかを示す処理内容に関する情報、及びどのようなデータが出力データであるかを示す出力対象のデータに関する情報をそれぞれ抽出する。次に制御部11は、抽出した処理情報に基づいて、処理における入力対象、処理内容、出力対象のうちで改良すべき項目を特定する(S65)。ここでは、例えば専門家が改良すべき項目を特定し、制御部11は、入力部15又は通信部13を介して改良項目に関する情報を取得してもよい。また制御部11は、処理情報に係る処理における入力対象、処理内容、出力対象と、処理蓄積DBに記憶してある各処理の入力対象、処理内容、出力対象とをそれぞれ比較することにより、入力対象、処理内容、出力対象のうちのいずれを改良すべきであるかを特定してもよい。
制御部11は、改良すべきであると特定した項目(処理における入力対象、処理内容、出力対象のいずれか)に対して改良できるようなアドバイス情報を、処理蓄積DBに記憶してある処理情報に基づいて生成する(S66)。例えば制御部11は、入力対象を改良項目に特定した場合、ここでの入力対象とは異なる入力対象を、処理蓄積DBに記憶してある入力対象のうちからランダムに1つを選択し、選択した入力対象を入力データに用いることを提案するアドバイス情報を生成する。具体的には、改良すべき入力対象が音楽データである場合、制御部11は、検索用語、画像データ、計測データ等のうちのいずれかを選択し、選択した入力対象を入力データに用いることを提案するアドバイス情報を生成する。また制御部11は、処理内容を改良項目に特定した場合、ここでの処理内容とは異なる処理内容を、処理蓄積DBに記憶してある処理内容のうちからランダムに1つを選択し、選択した処理内容を用いることを提案するアドバイス情報を生成する。更に制御部11は、出力対象を改良項目に特定した場合、ここでの出力対象とは異なる出力対象を、処理蓄積DBに記憶してある出力対象のうちからランダムに1つを選択し、選択した出力対象を出力データに用いることを提案するアドバイス情報を生成する。これにより、例えば販売対象の発明に係る入力対象が音楽データで、処理内容が検索で、出力対象が類似音楽データであった場合に、制御部11は、改良すべき出力対象として、広告データ、類似画像データ、予測データ等を出力データに用いることを提案するアドバイス情報を生成できる。
また、例えば制御部11は、入力対象を改良項目に特定した場合、ここでの処理内容及び/又は出力対象に一致する処理情報を、処理蓄積DBに記憶してある処理情報のうちからランダムに1つを選択し、選択した処理情報における入力対象を入力データに用いることを提案するアドバイス情報を生成してもよい。また制御部11は、処理内容を改良項目に特定した場合、ここでの入力対象及び/又は出力対象に一致する処理情報を、処理蓄積DBに記憶してある処理情報のうちからランダムに1つを選択し、選択した処理情報における処理内容を用いることを提案するアドバイス情報を生成してもよい。更に制御部11は、出力対象を改良項目に特定した場合、ここでの入力対象及び/又は処理内容に一致する処理情報を、処理蓄積DBに記憶してある処理情報のうちからランダムに1つを選択し、選択した処理情報における出力対象を出力データに用いることを提案するアドバイス情報を生成してもよい。なお、ステップS65で改良すべき項目として2つの項目(入力対象、処理内容、出力対象のうちの2つ)を特定した場合、制御部11は、改良項目に特定されていない項目(入力対象、処理内容又は出力対象のいずれか)に一致する処理情報を、処理蓄積DBに記憶してある処理情報のうちからランダムに1つを選択し、選択した処理情報における前記2つの項目を用いることを提案するアドバイス情報を生成してもよい。
制御部11は、生成したアドバイス情報に基づくアドバイスを、この特許出願の販売者(特許権者等)に提供すべく、この販売者の販売者端末20へ出力(送信)する(S67)。これにより、サーバ10によって特許取得可能性が所定値未満であると判断された特許出願について、特許取得可能性を高めるためのアドバイスを販売者に提供できる。なお、制御部11は、生成したアドバイス情報を、発明DB12bに記憶してある発明に関する情報に対応付けて、発明DB12bに記憶してもよい。
制御部11は、出願日から1年が経過した特許出願であると判断した場合(S62:NO)、又は特許取得可能性が所定値以上であると判断した場合(S63:NO)、ステップS64〜S67の処理をスキップする。制御部11は、発明DB12bに記憶してある全ての販売対象(発明)に対して上述した処理を終了したか否かを判断しており(S68)、終了していないと判断した場合(S68:NO)、ステップS61の処理に戻る。制御部11は、発明DB12bから未処理の販売対象の発明に関する情報を読み出し(S61)、読み出した情報に基づいて、ステップS62〜S67の処理を行う。全ての販売対象(発明)に対する処理を終了したと判断した場合(S68:YES)、制御部11は処理を終了する。
上述した処理において、特許文献や論文等から抽出された各種の処理に関する情報に基づいて、販売対象の発明を改良して特許取得可能性を高めることができるようなアドバイスを販売者等に提供できる。なお、本実施形態においても、サーバ10からのアドバイスを受けた販売者(特許権者等)は、優先権主張出願を行った場合、優先権主張出願において追加した内容をサーバ10に追加登録しておく。具体的には、本実施形態の販売者端末20及びサーバ10は、図13に示す処理を行うことにより、発明内容を追加して優先権主張出願が行われた特許出願については、販売対象として登録される発明内容が更新され、更に更新された発明内容に基づいて発明の価値情報(特許取得可能性)も更新される。よって、このように更新された発明に関する情報が販売対象の情報として公開される。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、特許出願日から1年を経過していない特許出願であって、特許取得可能性が所定レベル未満の特許出願については、自動的に生成されたアドバイスを受けることができ、またアドバイスに従って優先権主張出願を行った場合には特許取得可能性を高めることができる。よって、特許出願に係る発明の販売価値を上昇させることができる。
本実施形態において、特許出願に対する特許取得可能性を高めるための改良項目を、例えば機械学習処理によって構築されたニューラルネットワークである学習済みモデルを用いて特定してもよい。ここでの学習済みモデルは、例えば特許出願に係る書類(特許請求の範囲、明細書及び図面)の記載事項と、この記載事項に対して例えば審査官又は専門家が判断した記載要件違反に関する情報(例えば発明特定事項の構成を示す図面の不足、各処理を示すフローチャートの不足等)とを含む教師データを用いて、特許出願に係る書類の記載事項が入力された場合に、この特許出願に対して判断される可能性の高い記載要件違反に関する情報を出力するように学習されたモデルである。なお、特許出願に係る図面の記載事項は、例えば図面が印刷された用紙を読み取った画像データから、例えばOCRを用いてテキストデータを生成し、生成したテキストデータによって取得することができる。このようにAI(学習済みモデル)を用いて特許出願に係る書類に対する記載要件違反の有無を判断した場合、記載要件違反を解消して特許取得可能性を高めることができるようなアドバイスを生成でき、販売者等に提供できる。また、例えば特許請求の範囲に記載された発明の構成要素(発明特定事項)と、例えばOCRを用いて図面から読み取った構成要素とを比較し、特許請求の範囲に記載された発明特定事項が図面に記載されていない場合に、記載要件違反(発明特定事項を示す図面の不足)であると判断してもよい。このように特許出願に係る書類に対する記載要件違反の有無を判断した場合にも、記載要件違反を解消して特許取得可能性を高めることができるようなアドバイスを販売者等に提供できる。
(実施形態7)
販売対象の特許及び発明に対する価値情報及び評価情報の変動に伴って、販売対象の特許及び発明に対する販売価格が変動する仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムの各装置は、実施形態1の各装置と同様の構成を有するので、同様の構成については詳細な説明を省略する。本実施形態のサーバ10において制御部11は、実施形態3と同様の機能を実現する。即ち、本実施形態のサーバ10の制御部11は、図6に示す各機能と、特許DB12a又は発明DB12bに記憶した価値情報及び評価情報に基づいて、それぞれの販売対象に対する販売単価を決定する機能とを実現する。なお、本実施形態では、特許DB12aは、特許IDに対応付けて各特許の権利者(特許権者)の情報を記憶しており、発明DB12bは、発明IDに対応付けて各発明の権利者(特許を受ける権利の所有者)の情報を記憶している。
本実施形態の仲介システムにおける各装置10,20,30は、図7及び図8に示す処理を行いつつ、以下の処理を行う。図16は、サーバ10による販売対象に対する販売単価の蓄積処理の手順を示すフローチャートである。サーバ10の制御部11は、例えば通信部13を介して、特許DB12aに登録されている各特許に関する情報、又は発明DB12bに登録されている各発明に関する情報に対する追加内容又は変更内容を受け付けたか否かを判断している(S71)。例えば、販売者は、自身の特許出願を基に優先権主張出願を行った場合、優先権主張出願において追加した内容を発明内容に対する追加内容として販売者端末20を用いてサーバ10へ送信する。また、例えば購買者が、購買申込していた特許又は発明を購買できた場合に、特許権又は特許を受ける権利の譲渡手続きが行われた後、自身の情報を権利者の情報に対する変更内容として購買者端末30を用いてサーバ10へ送信する。なお、販売者は、追加内容又は変更内容として、追加内容又は変更内容が記載されたテキストデータ、或いは、追加内容又は変更内容が記載された用紙を読み取った画像データを、販売者端末20を用いてサーバ10へ送信してもよい。
制御部11は、特許に関する情報又は発明に関する情報に対する追加内容又は変更内容を受け付けていないと判断した場合(S71:NO)、受け付けるまで待機する。制御部11は、特許に関する情報又は発明に関する情報に対する追加内容又は変更内容を受け付けたと判断した場合(S71:YES)、受け付けた追加内容又は変更内容に基づいて特許DB12a又は発明DB12bを更新する(S72)。例えば制御部11は、発明内容に対する追加内容を受け付けた場合、発明DB12bに記憶してある発明内容に、受け付けた追加内容を追加する。また制御部11は、権利者の情報に対する変更内容を受け付けた場合、特許DB12a又は発明DB12bに記憶してある権利者の情報を、受け付けた変更内容に従って変更する。
制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bの更新内容に基づいて、更新した特許又は発明の価値情報(発明については特許の取得可能性)と、特許又は発明に対する評価情報とを取得し、取得した価値情報又は評価情報を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する(S73)。ステップS73において制御部11は、各特許について、更新後の権利者の資金力、技術力、マーケティング力、コンサルティング力等の能力を考慮して、特許の価値情報及び評価情報を算出してもよい。また制御部11は、各発明についても、更新後の権利者の能力を考慮して発明の評価情報を算出してもよい。例えば権利者がベンチャーキャピタルである場合、権利者の能力が高い場合には特許又は発明がより有効活用される可能性が高くなるので、特許又は発明の価値情報及び評価情報に高いスコアを算出してもよい。また制御部11は、特許出願が特許となった場合、発明DB12bに記憶していた発明に関する情報を特許DB12aに移動させる(コピーする)が、このとき、評価情報を示すスコアに所定スコアを加算してもよい。これにより、登録内容が更新された特許又は発明について、特許DB12a又は発明DB12bの登録内容が更新され、更新された内容に基づいて特許又は発明の価値情報又は評価情報も更新される。なお、価値情報又は評価情報は、更新日時と共に特許DB12a又は発明DB12bに記憶されてもよく、この場合、価値情報又は評価情報を時系列データとして蓄積できる。
次に制御部11は、特許の価値情報又は発明の特許取得可能性と、特許又は発明の評価情報とに基づいて、更新された特許又は発明の販売単価を算出し、算出した販売単価を特許DB12a又は発明DB12bに記憶し(S74)、処理を終了する。ステップS74において制御部11は、例えば特許の価値情報が示す価値スコア及び評価情報が示す評価スコアと、各スコアの値に対応する販売単価とを対応付けて登録してあるテーブルを用いて、特許の販売単価を特定してもよい。また制御部11は、例えば発明の特許取得可能性及び評価情報が示す評価スコアと、各スコアの値に対応する販売単価とを対応付けて登録してあるテーブルを用いて、発明の販売単価を特定してもよい。また制御部11は、特許又は発明の販売単価を、例えば機械学習処理によって構築されたニューラルネットワークである学習済みモデルを用いて特定してもよい。ここでの学習済みモデルは、例えば特許の価値情報(価値スコア)又は発明の特許取得可能性と、特許又は発明の評価情報(評価スコア)とを入力データとし、入力データが入力された場合に、この特許又は発明の販売単価を出力するように学習したモデルを用いることができる。このような学習済みモデルは、特許の価値情報又は発明の特許取得可能性、並びに特許又は発明の評価情報と、これらの情報に対して例えば専門家が適切に設定した販売単価とを教師データに用いた学習によって生成される。
制御部11は、特許DB12aに登録されている各特許に関する情報、又は発明DB12bに登録されている各発明に関する情報に対する追加内容又は変更内容を受け付ける都度、ステップS72〜S74の処理を行う。これにより、特許又は発明に関する情報が追加又は変更されることによって変動する特許又は発明の価値情報及び評価情報に応じて、特許又は発明の販売単価を設定することができる。なお、制御部11は、算出した販売単価を算出日時と共に特許DB12a又は発明DB12bに記憶しており、これにより、販売単価を時系列データとして蓄積できる。
次に、上述したように特許又は発明に関する情報に基づいて逐次算出される販売単価の変動を通知する処理について説明する。図17は、販売単価の変動通知処理の手順を示すフローチャート、図18は、サーバ10が提供する単価変動画面例を示す模式図である。図17には左側に購買者端末30が行う処理を、右側にサーバ10が行う処理をそれぞれ示す。なお、以下では、購買者端末30からの要求に応じてサーバ10が特許又は発明の販売単価の変動を通知する処理について説明するが、販売者端末20からの要求に応じても同様の処理が可能である。
購買者端末30の制御部31は、サーバ10のウェブサイト12wから所定のウェブページを受信し、例えば販売対象の特許及び発明の情報を公開する公開画面を表示部34に表示する(S81)。制御部31は、公開画面を介して任意の特許又は発明の販売単価の変動情報(単価情報)の要求を受け付けたか否かを判断しており(S82)、受け付けていないと判断した場合(S82:NO)、ステップS81の処理を継続する。販売単価の変動情報の要求を受け付けたと判断した場合(S82:YES)、制御部31は、選択された特許又は発明の販売単価の変動情報の要求信号をネットワークN経由でサーバ10へ送信し、販売単価の変動情報を要求する(S83)。
サーバ10の制御部11は、いずれかの特許又は発明の販売単価の変動情報の要求信号を購買者端末30から受信した場合、要求された特許又は発明の販売単価の情報を、特許DB12a又は発明DB12bから読み出す(S84)。そして制御部11は、読み出した販売単価の情報に基づいて、図18に示すように、要求された特許又は発明の販売単価の変動を示す単価変動画面を生成する(S85)。単価変動画面は、選択された特許又は発明(具体的には特許権、特許出願、特許出願していない発明)に関する情報(図18では特許番号、1株当たりの持分比率、現在の販売単価)と、選択された特許又は発明の時系列での販売単価の変動を示すグラフとを表示している。制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bから読み出した特許又は発明の販売単価の情報(時系列データ)に基づいて、販売単価の変動を示すグラフを生成し、図18に示すような単価変動画面を生成する。
制御部11は、生成した単価変動画面をネットワークN経由で購買者端末30へ送信し(S86)、購買者端末30の制御部31は、サーバ10から単価変動画面を受信した場合、受信した単価変動画面を表示部34に表示し(S87)、処理を終了する。これにより、特許又は発明の価値情報及び評価情報が変化することによって変動する特許又は発明の販売単価の変動状況を単価変動画面によって購買者に公開することができる。なお、図18に示す単価変動画面は、表示された特許又は発明に対する購買要求を受け付けるように構成されていてもよく、購買者端末30は、単価変動画面を介して購買要求が入力された場合に、図5Bに示すような受付画面に係るウェブページをサーバ10から取得して表示するように構成されていてもよい。この場合、購買者は、単価変動画面を介して特許又は発明の販売単価の変動を確認した後に、受付画面を介して購買希望の特許又は発明に対する購買申込を行うことができる。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、それぞれの販売対象に関する情報(例えば権利内容又は発明内容、権利者の情報等)の変更に伴って変化する販売対象に対する価値情報及び評価情報に応じて販売対象の販売単価を変動させることができる。また、それぞれの販売対象の販売単価の変動状況を公開することができるので、購買希望者は、販売単価の変動も考慮して販売対象の購買を検討できる。
本実施形態において、単価変動画面において、販売単価の変動だけでなく、販売対象の特許に対する価値情報又は評価情報、発明に対する特許取得可能性又は評価情報のいずれかの変動を示すグラフを表示してもよい。この場合、それぞれの販売対象の価値情報又は評価情報の変動状況が公開されるので、購買希望者は、販売対象の価値情報又は評価情報の変動も考慮して販売対象の購買を検討できる。本実施形態の構成は、実施形態1〜6のいずれにも適用できる。
(実施形態8)
過去に売買取引が行われた特許又は発明が新たに販売対象として売り出される際に、最初の権利者(特許権者又は特許出願人)に通知し、最初の権利者からの購買希望を優先的に受け付ける仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムの各装置は、実施形態1の各装置と同様の構成を有するので、同様の構成については詳細な説明を省略する。本実施形態のサーバ10において制御部11は、図6に示した実施形態1の機能と同様の機能を実現する。なお、本実施形態では、特許DB12aに登録された各特許及び発明DB12bに登録された各発明について、最初の権利者の情報を、例えば特許DB12a又は発明DB12b、或いは記憶部12の別のDBに記憶している。最初の権利者とは、例えば特許出願を行った出願人、特許権の設定登録手続きを行った特許権者、仲介システムに対して販売対象として最初に登録した権利者(特許権者又は特許出願人)等を含み、現在の権利者とは異なる権利者である。なお、過去に売買取引が行われた特許又は発明についてのみ、最初の権利者の情報を記憶しておく構成でもよい。
図19は、実施形態8における販売対象の登録処理の手順を示すフローチャート、図20は、サーバ10が提供する優先情報の画面例を示す模式図である。図19に示す処理は、図7に示す処理において、ステップS19の後にステップS91〜S92の処理を追加したものである。図7と同様のステップについては説明を省略する。本実施形態の仲介システムにおいて、販売者端末20の制御部21及びサーバ10の制御部11は、実施形態1と同様にステップS11〜S19の処理を行う。これにより、販売者端末20を介して要求された販売対象の登録処理が行われ、販売対象の特許又は発明の情報が特許DB12a又は発明DB12bに登録される。
その後、サーバ10の制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bに登録した販売対象の特許又は発明の最初の権利者を特定する(S91)。なお、特許又は発明の最初の権利者の情報は、特許DB12a又は発明DB12bに特許ID又は発明IDに対応付けて記憶してあり、或いは記憶部12の別のDBに特許ID又は発明IDに対応付けて記憶してあるものとする。また、各権利者の端末(図示せず)にネットワークN経由で情報を送信するための宛先情報も、特許DB12a又は発明DB12b等に記憶してあるものとする。制御部11は、販売対象に登録した特許又は発明の最初の権利者を特定した場合に、特定した権利者の宛先情報に基づいて権利者宛に、例えば図20に示すような優先情報を送信し(S92)、処理を終了する。なお、最初の権利者の情報は全ての販売対象に対して登録(記憶)されていないので、販売対象の特許又は発明の最初の権利者を特定できない場合、制御部11は、ステップS91〜S92の処理を行わない。
優先情報は、図20に示すように、優先情報の受取人が過去に所有していた特許権、特許出願又は特許出願していない発明が現在販売対象となっており、優先的に購買できることを通知する通知情報である。優先情報は、優先的に購買できる特許又は発明(具体的には特許権、特許出願、特許出願していない発明)に関する情報(図20では特許番号、1株当たりの持分比率、販売単価、販売可能株数)、優先販売期間等を表示している。優先販売期間は、例えば販売対象として登録されてからの期間であり、販売期間に対して予め設定された所定の期間であってもよく、販売者によって設定された期間であってもよい。また、図20に示す優先情報は、表示中の販売対象に対する購買手続の開始を指示するための購買ボタンと、購買手続を行わないことを指示するためのキャンセルボタンとを有する。このような優先情報がサーバ10から最初の権利者に通知されることにより、最初の権利者に優先販売を案内することができ、最初の権利者は、自身が以前に所有していた特許又は発明の購買を検討できる。優先情報の受取人の端末(図示せず)は、表示中の優先情報における購買ボタンが操作された場合、例えば図5Bに示すような受付画面に係るウェブページをサーバ10から取得して表示する。そして、受取人(最初の権利者)は、自身の端末に表示された受付画面を介して、販売対象に対する購買申込を行うことができる。
図21は、実施形態8における販売対象に対する購買の申込処理の手順を示すフローチャートである。図21に示す処理は、図8に示す処理において、ステップS25の前にステップS101〜S102の処理を追加したものである。図8と同様のステップについては説明を省略する。なお、本実施形態では、優先情報の受取人の端末も購買者端末30に含まれる。本実施形態の仲介システムにおいて、サーバ10の制御部11は、購買者端末30から購買の申込要求を受信した場合、受信した申込要求が、優先情報の受取人からの申込要求であるか否かを判断する(S101)。例えば、優先情報を介してサーバ10から取得した購買申込の受付画面は、優先情報を介した購買申込であることを示す情報を含んでおり、優先情報の受取人の端末は、受付画面を介して購買申込を受け付けた場合、優先情報の受取人からの購買申込であることを示す情報を含む申込要求をサーバ10へ送信する。よって、サーバ10の制御部11は、受信した申込要求に優先情報の受取人からの購買申込であることを示す情報が含まれるか否かに応じて、優先情報の受取人からの購買申込であるか否かを判断できる。
制御部11は、優先情報の受取人からの申込要求であると判断した場合(S101:YES)、ステップS25以降の処理を行う。即ち、制御部11は、優先情報の受取人からの購買希望情報(具体的には、特許ID又は発明ID、購買者ID及び購買希望株数)を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する(S25)。これにより、優先情報の受取人からの申込要求については、購買申込として受け付ける。一方、優先情報の受取人からの申込要求でないと判断した場合(S101:NO)、制御部11は、申込要求の受信日時が優先販売期間内であるか否かを判断する(S102)。受信日時が優先販売期間内であると判断した場合(S102:YES)、制御部11は、何も行わずに処理を終了する。これにより、優先販売期間内に優先情報の受取人以外の購買者からの申込要求を受信した場合、購買申込として受け付けず、購買希望情報の記憶を行わない。
受信日時が優先販売期間内ではないと判断した場合(S102:NO)、即ち受信日時が優先販売期間の経過後である場合、制御部11は、ステップS25以降の処理を行う。即ち、制御部11は、受信した申込要求に基づいて購買希望情報を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する(S25)。これにより、優先販売期間の経過後は、全ての購買者からの申込要求を購買申込として受け付ける。上述した処理により、本実施形態のサーバ10は、販売対象に設定された優先販売期間においては優先情報の受取人の端末からの申込要求のみを受け付け、優先販売期間の経過後は全ての購買者の購買者端末30からの申込要求を受け付ける。なお、優先販売期間が設定されていない販売対象に対する購買申込を受信した場合、制御部11は、ステップS102において、受信日時が優先販売期間内ではないと判断し(S102:NO)、ステップS25以降の処理を行う。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、過去に売買取引されたことのある特許又は発明が販売対象として登録された場合に、最初の権利者に優先的に購買できる機会があることを通知し、優先的に購買できる機会が与えられる。よって、最初の権利者は、自身が以前に所有していた権利について購買を検討でき、優先的に購買することができるので、権利者の希望に応じて買い戻しが可能となる。なお、本実施形態において、優先的に購買できる購買者を最初の権利者に限定せず、例えば過去に購買経験を有する購買者も含めてもよい。本実施形態の構成は、実施形態1〜7のいずれにも適用できる。
上述した各実施形態において、販売者及び購買者が仲介システムを利用するために必要な手数料の金額を、特許権や特許を受ける権利の売買取引に係る販売希望金額や販売希望株数、又は成立した売買取引に係る購買金額や購買株数等の売買内容に応じて設定できるように構成してもよい。なお、仲介システムを利用するために必要な手数料は、例えば入会金、利用料(参加料)、保証金、特許出願する際に必要となる各種の手数料等を含む。また、販売者又は購買者からの要望に応じて、特許権や特許を受ける権利に対する価値評価、特許の取得可能生に関する評価及びビジネス評価を行うように仲介システムを構成してもよく、この場合、各種の評価を行うために必要な料金(手数料)を、販売者又は購買者の過去の売買内容に応じて設定するように構成してもよい。また、成立した売買取引で売買された特許権や特許を受ける権利、或いは実施権や仮実施権に基づく商品やサービスの提供等によって購買者が得た売上の一部を仲介システムの利用手数料としてもよい。
(実施形態9)
販売対象を登録する際に、又は登録済みの販売対象に対して、ライセンス契約の締結状況を登録しておき、購買申込の受付画面において、販売対象に対するライセンス契約状況を購買者に提供する仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムの各装置は、実施形態1の各装置と同様の構成を有するので、同様の構成については詳細な説明を省略する。また、本実施形態のサーバ10において制御部11は、実施形態7と同様の機能を実現する。
図22及び図23は、実施形態9のサーバ10が提供するウェブサイト12wの画面例を示す模式図である。図22は販売対象の登録要求を受け付けるための登録画面例を示し、図23は販売対象の販売単価の変動を表示する単価変動画面例を示す。図22に示す登録画面は、図5Aに示す登録画面と同様の構成を有し、更に、販売対象の特許又は発明に対するライセンス契約の締結状況を入力するための入力欄を有する。なお、図22に示す例では、ライセンス契約の締結相手(契約相手)の情報及びライセンス料をそれぞれ入力するための入力欄を有する。このような登録画面によって、販売対象の特許又は発明の情報と、販売条件と、ライセンス契約状況の情報とが入力され、これらの情報を含む販売対象の登録要求が販売者端末20からサーバ10へ送信される。なお、本実施形態では、特許DB12a及び発明DB12bは、登録画面を介して入力されたライセンス契約状況の情報が記憶されるライセンス状況列を有する。なお、ライセンス契約が締結されていない場合は、登録画面においてライセンス契約状況を入力する必要はない。
また、ライセンス契約状況に加えて、販売対象の特許又は発明が実施されているか否かを示す実施調査報告、具体的には、特許又は発明を実用化した製品が製造又は販売されているか否かを示す実施調査報告を登録してもよい。実施調査報告は、例えば販売対象の特許又は発明を実施している実施者の情報及び実施内容の情報を含む。なお、実施者は、特許権又は特許を受ける権利を有する権利者であってもよく、権利者との間でライセンス契約を締結している第三者であってもよい。また、実施内容の情報は、例えば特許又は発明を実施した製品の写真、製造状況又は販売状況に関する情報等を含み。また、実施内容の情報は、販売対象の特許又は発明を実施したサービスを提供するためのウェブサイトのURL(Uniform Resource Locator)、ウェブサイトの初期画面の画像等を含んでもよい。実施調査報告を登録する場合も、登録画面を介して実施調査報告が入力され、入力された実施調査報告が特許DB12a及び発明DB12bに記憶される。
図23に示す単価変動画面は、図18に示す単価変動画面と同様の構成を有し、更に、販売対象に対するライセンス契約状況が特許実施証拠(Evidence of Use )として表示される。このような単価変動画面では、販売対象の特許又は発明における時系列での販売単価の変動に加え、特許実施証拠を把握できる。なお、例えば実施形態1において、図5Bに示す購買申込の受付画面に、販売対象に対するライセンス契約状況が特許実施証拠として表示されてもよい。この場合にも、購買希望者に対して、販売対象の特許又は発明における特許実施証拠を提供できる。なお、販売対象の特許又は発明に対する実施調査報告が登録されている場合、実施調査報告も特許実施証拠に加えて提供してもよい。
本実施形態のサーバ10において、制御部11は、図6に示す各機能と同様の機能を実現する。なお、本実施形態の販売対象取得部101は、販売者端末20において図22に示す登録画面を介して入力されたライセンス契約状況の情報もネットワークN経由で取得し、特許DB12a又は発明DB12bに記憶する。また、本実施形態のサーバ10は、実施形態7のサーバ10と同様に、販売対象に対する販売単価の蓄積処理、販売対象に対する販売単価の変動通知処理等を行う。なお、本実施形態のサーバ10の制御部11は、販売対象の特許又は発明の販売単価を算出する際に、特許又は発明の価値情報(特許取得可能性)及び評価情報に加えて、ライセンス契約状況も考慮する。例えば、実施権の設定数(ライセンス数)が多い場合又はライセンス料が高額である場合には、販売対象の特許又は発明の価値は高いと判断できるので、高い販売単価を設定(算出)してもよい。また、本実施形態のサーバ10の制御部11は、いずれかの特許又は発明の販売単価の変動情報の要求信号を購買者端末30から受信した場合、図23に示すように販売対象に対するライセンス契約状況を含む単価変動画面を生成して購買者端末30へ送信する。これにより、購買者端末30では、販売対象に対する販売単価の変動だけでなく、販売対象に対するライセンス契約の締結状況を把握できる。なお、販売対象の特許又は発明に対する実施調査報告が登録されている場合、実施調査報告の内容も考慮して、販売対象の販売単価を算出してもよい。例えば、販売対象を実施した製品が製造又は販売されている場合には、販売対象の特許又は発明の価値は高いと判断できるので、高い販売単価を設定(算出)してもよい。また、販売対象に対する実施調査報告を販売対象に対する販売単価の変動と共に提供してもよい。
本実施形態において、販売対象の特許又は発明に対するライセンス契約の締結状況及び実施調査報告の登録は、販売者が販売対象を登録する際に行うほかに、販売対象の登録後に行われてもよい。この場合、例えば登録済みの販売対象に対してライセンス契約を締結した権利者及び販売者だけでなく、販売対象に対するライセンス契約の締結状況及び実施状況を調査する調査会社等、ライセンス契約の締結状況及び実施状況を把握している人が、ライセンス契約の締結状況及び実施状況を登録してもよい。なお、その際、サーバ10は、販売対象に対するライセンス契約の締結状況及び実施状況の登録画面を登録者に提供し、登録者は、登録画面を介してライセンス契約の締結状況及び実施状況を登録する。
本実施形態では、上述した実施形態1,7と同様の効果が得られる。また本実施形態では、販売対象の特許又は発明に対してライセンス契約が締結されている場合に、契約内容を公開できる。また、販売対象の特許又は発明が実施されている場合には、実施内容及び実施状況を公開できる。よって、購買希望者は、ライセンス契約の内容及び実施状況の内容も考慮して販売対象を購買すべきか否かを判断できるので、より価値の高い販売対象を見つけることができる。また、本実施形態では、契約内容及び実施状況を考慮して各販売対象の販売単価を決定できる。本実施形態の構成は、実施形態2〜6のいずれにも適用できる。
(実施形態10)
販売対象の特許権及び特許出願に係る特許を受ける権利を購買する際に、購買希望者の企業が発行する新株予約権での支払いが可能な仲介システムについて説明する。本実施形態の仲介システムの各装置は、実施形態1の各装置と同様の構成を有するので、同様の構成については詳細な説明を省略する。
図24は、実施形態10のサーバ10が提供するウェブサイト12wの画面例を示す模式図であり、特許権の購買申込を受け付けるための受付画面例を示す。図24に示す受付画面は、図5Bに示す受付画面と同様の構成を有し、更に、販売対象を購買する際に新株予約権での支払い希望を選択するためのチェックボックスを有する。このような受付画面によって、購買希望株数と、新株予約権での支払いを希望するか否かを示す情報とが入力され、これらの情報と、販売対象の情報(例えば特許番号、特許ID又は発明ID)と、購買者の購買者IDとを含む取引の申込要求が購買者端末30からサーバ10へ送信される。なお、図24に示す受付画面に、販売者が予約権を発行する株数の入力欄を設けてもよい。
図25は、実施形態10のサーバ10に記憶されるDB12a〜12bの構成例を示す模式図である。図25Aは特許DB12aを、図25Bは発明DB12bをそれぞれ示す。本実施形態の特許DB12aは、図2Aに示す構成において、購買希望情報列が、販売対象の購買に新株予約権を用いるか否かを示す新株予約権の発行列を有する。また、本実施形態の発明DB12bは、図2Bに示す構成において、購買希望情報列が新株予約権の発行列を有する。よって、サーバ10の制御部11は、購買者端末30から受信した取引の申込要求に含まれる情報に基づいて、新株予約権での支払いを希望するか否かを判断し、希望する場合、特許DB12a又は発明DB12bの新株予約権の発行列に予約権の発行株数を記憶する。なお、新株予約権での支払いを希望しない場合、制御部11は、特許DB12a又は発明DB12bの新株予約権の発行列に「無」を記憶する。
本実施形態のサーバ10において、制御部11は、図6に示す各機能と同様の機能を実現する。なお、本実施形態の購買受付部106は、購買者端末30において図24に示す受付画面を介して入力された購買希望情報(購買希望株数、新株予約権での支払いの有無)と、販売対象の情報及び購買者IDとを含む購買取引の申込要求をネットワークN経由で取得する。そして購買受付部106は、申込要求に新株予約権での支払い希望が含まれる場合、販売対象が特許であれば、購買希望情報として、購買者ID及び購買希望株数に加えて予約権の発行株数を特許DB12aに記憶し、販売対象が発明(登録特許以外)であれば、購買希望情報として、購買者ID及び購買希望株数に加えて予約権の発行株数を発明DB12bに記憶する。なお、申込要求に新株予約権での支払い希望が含まれない場合、購買受付部106は、特許DB12a又は発明DB12bにおける購買希望情報として、購買者ID及び購買希望株数に加えて新株予約権の発行「無」を記憶する。
本実施形態の仲介システムにおいて販売者端末20及びサーバ10は、図7に示す販売対象の登録処理と同様の処理を行うので、登録処理については説明を省略する。図26は、実施形態10における販売対象に対する購買の申込処理の手順を示すフローチャートである。図26に示す処理は、図8に示す処理において、ステップS22及びステップS23の間にステップS111の処理を追加し、ステップS25の前にステップS112〜S115の処理を追加したものである。図8と同様のステップについては説明を省略する。本実施形態の仲介システムにおいて、購買者端末30の制御部31は、例えば図24に示す受付画面を介して購入希望株数だけでなく、新株予約権での支払いを希望するか否かの入力を入力部35にて受け付ける(S111)。そして制御部31は、購買申込が要求されたと判断した場合(S23:YES)、選択された購買対象の情報(例えば特許ID又は発明ID)と、受付画面を介して入力された購買希望株数及び新株予約権での支払希望の有無と、この購買者の購買者IDとを含む購買情報による購買の申込要求をサーバ10へ送信する(S24)。
サーバ10の制御部11は、購買者端末30から購買の申込要求を受信した場合、受信した申込要求に、新株予約権での支払希望が含まれるか否かを判断し(S112)、含まれると判断した場合(S112:YES)、新株予約権での支払いが可能であるか否かを判断する(S113)。例えば、それぞれの販売対象に対して販売者が新株予約権での支払いの可否を設定登録しており、制御部11は、登録内容に基づいて、申込要求に係る販売対象に対して、新株予約権での支払い可能が登録されているか否かを判断する。新株予約権での支払いが可能でないと判断した場合(S113:NO)、制御部11は、新株予約権での支払いができないので購買できない旨のメッセージ(購買不可)を購買者端末30へ送信する(S114)。購買者端末30の制御部31は、サーバ10から購買不可を受信した場合、受信した購買不可のメッセージを例えば表示部34に出力し(S115)、購買希望者に、新株予約権での購買ができない旨を通知する。
申込要求に新株予約権での支払希望が含まれないと判断した場合(S112:NO)、又は新株予約権での支払いが可能であると判断した場合(S113:YES)、制御部11は、ステップS25以降の処理を行う。即ち、制御部11は、購買者端末30から受信した購買希望情報(具体的には、特許ID又は発明ID、購買者ID、購買希望株数及び新株予約権での支払希望の有無)を特許DB12a又は発明DB12bに記憶する(S25)。上述した処理により、例えばベンチャー企業に属する従業員等が購買希望者である場合に、販売対象の特許又は発明を購入又はライセンス契約を行うための現金がない場合であっても、購買希望者が属するベンチャー企業が発行する新株予約権での支払いが可能であり、販売対象の販売先をより広げることができる。また、予算がないベンチャー企業であっても所望の販売対象の購買が可能となり、販売対象の特許権又は特許を受ける権利を購買することによって事業化を進めることができる。
本実施形態では、上述した実施形態1と同様の効果が得られる。また本実施形態では、ベンチャー企業等の予算に乏しい購買希望者であっても、購買希望者の企業が株式上場した場合に新株を購入できる新株予約権での支払いが可能となり、販売対象を広げることができる。なお、新株予約権での購買取引が成立した場合、購買取引における購買株数(購買希望株数)と、新株予約権に関する情報(例えば新株の株数及び新株の購買金額等)とを対応付けて、例えば記憶部12に記憶しておく。そして後日、購買者(購買希望者)が属する企業が株式市場に上場した場合に、販売者が新株予約権を行使することにより、販売者は、購買者の企業の株を、購買取引の際に設定していた株数取得することができる。本実施形態の構成は、実施形態1〜7のいずれにも適用できる。
上述した各実施形態の仲介システムにおいて、サーバ10が、特許権又は特許出願に係る特許を受ける権利に関する各種契約の仲介又は代理、特許権取得に係る各種申請手続の仲介又は代理、知的財産に関する研究及び開発の支援、知的財産の実用化のための各種のアドバイス、権利者と企業とのビジネスマッチングの提案等、各種のコンサルタント業務を提供できるように構成してもよい。具体的には、サーバ10は、各種のコンサルタント業務に対応可能な専門家を登録しておき、販売者又は購買者等からの要望に応じて、要望されたコンサルタント業務の提供が可能な専門家を選択し、販売者又は購買者等に紹介する。また、サーバ10は、よくある質問に対するアドバイスを複数登録しておき、販売者又は購買者等からの質問に対して適切なアドバイスを販売者又は購買者等に行ってもよい。これにより、特許権又は特許出願に係る特許を受ける権利の売買だけでなく、権利者等に対して各種のアドバイスが可能となる。販売者又は購買者等は、権利の売買だけでなく、権利に関する様々なアドバイスを受けることができる。
また、上述した各実施形態において、発明の開発を、例えば機械学習処理によって構築されたニューラルネットワークである学習済みモデルを用いて行ってもよい。ここでの学習済みモデルは、例えば発明における目的、効果、アイデア、キーワード、概略図等の発明に関する情報と、この発明の情報に対して例えば専門家が判断した、特許出願すべき発明内容とを含む教師データを用いて、発明の情報が入力された場合に、この発明の情報に対して特許出願すべき発明内容を出力するように学習したモデルである。この場合、既知の特許発明における発明の情報と特許出願すべき発明内容とに基づいて、学習モデルを学習させることにより、新しい発明の情報を入力した場合に、この発明の情報から特許出願すべき発明内容を出力する学習済みモデルを生成できる。よって、例えば発明をしようとする者が、自身の端末を介して発明に関する情報を入力してサーバ10へ送信した場合に、サーバ10は、受信した発明に関する情報に対応する、特許出願すべき発明内容を学習済みモデルにて特定して、発明をしようとする者に提供できる。また、このような学習済みモデルを用いて取得した、特許出願すべき発明内容に対して、専門家の意見を付加して、発明をしようとする者に提供してもよい。このような特許出願すべき発明内容のアドバイスを受けることにより、発明をしようとする者による発明の開発速度を向上させることができ、効率よく発明を進化させることができる。また、学習済みモデルを用いて、販売対象の特許又は発明に対して、特許権の取得のためのアドバイス又は特許出願すべき発明内容に関するアドバイスを取得してもよく、このようなアドバイスを販売対象に対応付けて特許DB12a又は発明DB12bに記憶してもよい。また、このようなアドバイスを専門家から受け付けてもよく、学習済みモデルを用いて取得したアドバイスに対して専門家の意見を受け付けてもよく、専門家によるアドバイス及び意見を特許DB12a又は発明DB12bに記憶してもよい。このような場合、販売対象に対して特許権の取得又は特許出願に関するアドバイスを付加して公開及び販売することができる。
更に、学習済みモデルを用いて特定した発明内容に対する専門家の意見は、この学習済みモデルを再学習させるための教師データに用いてもよい。具体的には、特許出願すべき発明内容の特定に用いた発明に関する情報と、特許出願すべき発明内容に対する専門家の意見とを含む教師データを用いて、学習済みモデルを再学習させることができる。このように、学習済みモデルを用いて特定された発明内容に対する専門家の意見を学習済みモデルの再学習に用いることにより、発明内容に関するより適切なアドバイスを特定できる学習モデルを生成できる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものでは無いと考えられるべきである。本開示の範囲は、上記した意味では無く、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。