JP2011203969A - ライセンス締結システムおよびライセンス締結プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】権利者に対してライセンス希望者が簡易な処理で匿名性を保持したまま安価にライセンスの許諾を受けることを可能とするライセンス締結システムを提供する。
【解決手段】特許情報12と、特許権者2がライセンスの許諾を許容する特許について許諾情報を保持するライセンス情報13と、特許情報12から特許を検索し、ライセンス情報13に許諾情報が登録されているかの情報とあわせて提示する特許検索部40と、実施者3がライセンス締結を希望する特許について、許諾情報をライセンス情報13から取得して提示し、実施者3から匿名でのライセンスの申し込みを受けた場合に、決済の完了に基づいて、特許権者2に対して実施者3の情報を通知することなく、ライセンスが締結されたものとしてライセンス管理情報14に記録するライセンス締結部50と、実施者3からライセンス料金を徴収し、特許権者2に入金する決済指示を出力する決済部80とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】特許情報12と、特許権者2がライセンスの許諾を許容する特許について許諾情報を保持するライセンス情報13と、特許情報12から特許を検索し、ライセンス情報13に許諾情報が登録されているかの情報とあわせて提示する特許検索部40と、実施者3がライセンス締結を希望する特許について、許諾情報をライセンス情報13から取得して提示し、実施者3から匿名でのライセンスの申し込みを受けた場合に、決済の完了に基づいて、特許権者2に対して実施者3の情報を通知することなく、ライセンスが締結されたものとしてライセンス管理情報14に記録するライセンス締結部50と、実施者3からライセンス料金を徴収し、特許権者2に入金する決済指示を出力する決済部80とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、知的財産権のライセンス締結を促進する技術に関し、特に、ライセンスの希望者が簡易な処理によって容易にライセンスを締結するためのライセンス締結システムおよびライセンス締結プログラムに適用して有効な技術に関するものである。
特許権を始めとする知的財産権のライセンスにおいては、例えば、権利者が侵害(被疑)者等に対して、もしくはこれから事業を行う実施者等が権利者に対して申し入れ、個別に交渉を行ってライセンス契約を締結することが一般的である。しかし、個別交渉は双方の当事者にとって負担が大きく、条件や金額の決定方法も不透明であり、ライセンス締結がなかなか促進されない要因の一つともなっている。
特許権等の知的財産権のライセンス契約の締結を促進するための技術として、例えば、特開2002−366797号公報(特許文献1)には、ライセンス契約の締結に際して市場原理(競争原理)を導入し、実施力量のある被許諾者を好適に選定するとともに、契約した被許諾者に対して適度な責任を負わせることにより、特許等が適切に実施される可能性をできるだけ大きくするような契約方法が記載されている。
特許文献1に記載された技術を含む従来技術は、主に特許権等の権利者が、保有する権利についていかに効率的・効果的にライセンスを許諾して特許権等を有効活用するかという、権利者の視点からの技術であり、例えば、これから事業を行う実施者等が、簡易な条件や処理で安価にライセンスの許諾を受けられるようにするというような、実施者からの視点の技術ではない。また、実施者にとっては、例えば競合他社からライセンスを受ける必要が生じた場合など、権利者と個別に交渉することが難しい場合もある。
ここで、実施者が個別の交渉等を要さず簡易な処理で匿名性を保持したまま安価にライセンスの許諾を受けることが可能な仕組みがあれば、実施者は自身の実施が侵害となるリスクを回避するため、詳細な調査や個別交渉にコストをかけずに、権利者に対してライセンス契約の締結を申し入れて安心して事業を行うということが多くなるものと考えられる。このような状況では、権利者にとってもいわゆる休眠特許を含む特許権等を容易に有効活用することができ、メリットが大きい。
そこで本発明の目的は、特許権等の知的財産権の権利者に対して、ライセンス希望者(実施者)が簡易な処理で匿名性を保持したまま安価にライセンスの許諾を受けることを可能とするライセンス締結システムおよびライセンス締結プログラムを提供することにある。本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態によるライセンス締結システムは、出願中のものも含む知的財産権についての権利者と実施者との間でのライセンスの締結を支援するライセンス締結システムであって、以下の特徴を有するものである。
すなわち、ライセンス締結システムは、複数の前記知的財産権についての情報を蓄積した知的財産権情報記録手段と、前記権利者がライセンスの許諾を許容する前記知的財産権について、許諾の条件に係る情報を含む許諾情報を保持するライセンス情報記録手段と、前記知的財産権情報記録手段から前記権利者もしくは前記実施者によって指定された条件に該当する前記知的財産権を検索し、検索された前記各知的財産権について、前記ライセンス情報記録手段に対応する前記許諾情報が登録されているか否かの情報とあわせて提示する知的財産権情報検索部を有する。
さらに、前記知的財産権情報検索部が提示した前記知的財産権のうち、前記実施者がライセンスの締結を希望する前記知的財産権について、対応する前記許諾情報を前記ライセンス情報記録手段から取得して前記実施者に提示し、前記実施者から匿名でのライセンスの申し込みを受けた場合に、ライセンスの締結に係る情報をライセンス管理情報記録手段に記録し、さらに、前記権利者と前記実施者との間での決済の完了に基づいて、前記権利者に対して前記実施者の情報を通知することなく、前記権利者と前記実施者との間でライセンスが締結されたものとして前記ライセンス管理情報記録手段に記録するライセンス締結部を有する。
また、前記権利者と前記実施者との間での決済を行う際に、前記ライセンス管理情報記録手段に記録されたライセンスの締結に係る情報に基づいて、前記実施者から当該ライセンス締結システムの運営者がライセンス料金を徴収し、当該ライセンス締結システムの運営者から前記権利者に前記ライセンス料金を入金することを内容とする決済指示に係る情報を出力する決済部を有することを特徴とするものである。
また、本発明は、コンピュータを上記のようなライセンス締結システムとして機能させるプログラムにも適用することができる。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
本発明の代表的な実施の形態によれば、実施者が権利者との個別の交渉等を要さず簡易な処理で匿名性を保持したまま安価にライセンスの許諾を受けることができるため、ライセンス契約の締結を促進することができる。またこれにより、実施者が安心して事業を行い易くなるとともに、権利者も自身が保有する特許権等を有効活用することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
本発明の一実施の形態であるライセンス締結システムは、権利者が簡易な条件および安価な料金でライセンスを許諾してもよいと考える特許権等の知的財産権(出願中のものも含む)を対象として、そのライセンス条件および料金を公開し、実施者が権利者との個別の交渉等を要さず簡易な処理で匿名性を保持したまま安価にライセンスの許諾を受けることを可能とするシステムである。なお、以下では説明の便宜上、対象とする知的財産権を特許権としているが、他の知的財産権であってもよいことは当然である。
<システム構成>
以下では、本発明の一実施の形態であるライセンス締結システムのシステム構成について説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるライセンス締結システムの構成例の概要を示した図である。ライセンス締結システム1は、例えば、コンピュータからなるサーバ機器によって構成され、インターネット等のネットワーク4を介して、ライセンス締結システム1が提供するサービスの会員である1以上の特許権者2や実施者3がクライアント端末を利用して接続可能な構成となっている。
以下では、本発明の一実施の形態であるライセンス締結システムのシステム構成について説明する。図1は、本発明の一実施の形態であるライセンス締結システムの構成例の概要を示した図である。ライセンス締結システム1は、例えば、コンピュータからなるサーバ機器によって構成され、インターネット等のネットワーク4を介して、ライセンス締結システム1が提供するサービスの会員である1以上の特許権者2や実施者3がクライアント端末を利用して接続可能な構成となっている。
ライセンス締結システム1は、例えば、ソフトウェアプログラムによって実装されるインタフェース部20、認証部30、特許検索部40、ライセンス締結部50、管理部60、ライセンス情報登録部70、および決済部80の各部と、データベースやファイルテーブルによって構成される会員情報11、特許情報12、ライセンス情報13、およびライセンス管理情報14の各テーブル、さらにライセンス証書15および付加情報16の各データを有する。
インタフェース部20は、クライアント端末を介した特許権者2や実施者3からのアクセスを受け付け、ユーザインタフェースを提供する処理を行う。例えば、図示しないWebサーバプログラムを有し、クライアント端末上の図示しないWebブラウザ上にライセンス締結システム1が提供する各種画面を表示させる。認証部30は、会員である特許権者2や実施者3からのアクセスに対して、会員情報11の情報に基づいて、会員であることを確認するためのユーザ認証を行う。
特許検索部40は、特許権者2や実施者3からの要求に基づいて、特許出願および登録された特許(以下では単に「特許」と記載する場合がある)についての各種情報を蓄積して保持する特許情報12を参照して、種々の条件によって検索を行い結果を出力する処理を行う。検索機能としては、例えば、特許電子図書館や他の商用の特許データベースサービスなどが有するようなキーワード検索や各種条件による検索機能を有するのが望ましい。
検索結果の出力に際して、各特許についてのライセンスの許諾情報を保持するライセンス情報13を参照して、検索結果の各特許についてのライセンスの許諾情報についても合わせて出力する。これにより、実施者3は、例えば、自身が行う事業の内容と関連する特許についての検索や調査とシームレスに、各特許についてそれぞれの特許権者2がライセンスの締結を許容しているか否か(ライセンスを受けることができるか否か)、およびそのときの条件を把握することができる。
ライセンス締結部50は、例えば、特許検索部40による検索結果を参照した実施者3からの要求に基づいて、指定された特許についてライセンス情報13に登録された許諾情報を提示し、実施者3によるライセンス締結の申し込み内容および許諾情報の内容に従ってライセンスを締結(予備締結)する処理を行う。このとき、後述する決済部80での決済処理の完了をもってライセンスが締結(本締結)されたものと取り扱うものとする。ライセンスが締結されると、ライセンス締結部50は、実施者3に対して対象の特許についてのライセンス証書15をダウンロードさせる等により発行する。ライセンス証書15は、例えば、各特許について予め登録された電子証明書としたり、ライセンス締結システム1の運用者等もしくは各特許権者2の電子証明書によって電子署名された証書データとしたりすることができる。
さらに、ライセンスの条件に応じて適宜マニュアルや技術情報などの有用な付加情報16をダウンロードさせることで、実施者3によるライセンスの締結に対するインセンティブとすることができる。
また、ライセンスの締結の申し込みを受け付けると、ライセンスの締結内容に係る情報をライセンス管理情報14に記録する。この情報を利用して、例えば、インタフェース部20等により、特許毎や特許権者2毎などでライセンスの締結数を集計し、カテゴリ毎にランキングとして表示するようなサービスを提供することも可能である。また、後述するように、ある特許についてライセンスを共同購入するような場合に、ライセンス管理情報14の情報に基づいて現在の仮締結済みライセンス数(購入希望ライセンス数)を算出することも可能である。
管理部60は、ライセンス締結システム1の運用者等からの指示に基づいて、会員情報11や特許情報12に保持する情報の追加・削除・更新等のメンテナンス処理を行う。会員情報11については、インタフェース部20を介して特許権者2や実施者3が直接メンテナンスを行うことができるようにしてもよい。また、特許情報12については、例えば、ネットワーク4を介して特許電子図書館や他の商用の特許データベースなどからオンラインでデータを取得するようにしてもよい。
ライセンス情報登録部70は、特許権者2もしくは特許権者2からの申し出を受けたライセンス締結システム1の運用者等からの要求に基づいて、特許情報12に登録された特許についてライセンスの許諾情報をライセンス情報13に登録し、さらに対応するライセンス証書15のデータを登録する処理を行う。指定されたライセンスの許諾情報に基づいてライセンス証書15を生成する処理を行ってもよい。また、特許権者2が指定する場合には、付加情報16のデータを登録する処理も行う。
決済部80は、ライセンス締結部50での処理によってライセンス管理情報14に登録されたライセンスの締結に係る情報に基づいて、ライセンスの料金に係る決済処理を行う。本実施の形態では、後述するように実施者3が特許権者2に対して匿名でライセンスの許諾を受けることを可能としている。このため、決済についてもライセンスを締結した実施者3が特許権者2に特定されずに行えるよう、間にライセンス締結システム1の運用者等を介する形とする。
本実施の形態では、例えば、ライセンスの料金について、ライセンス締結システム1の運用者等が実施者3(ライセンシー)から口座引き落としやクレジットカード決済等により徴収するとともに、運用者等が特許権者2(ライセンサー)に入金する形態とする。実施者3が運用者等の口座にライセンス料金として充当する金額を予め供託するような形態としてもよい。
なお、特許権者2や実施者3の口座情報等は、会員情報11から取得するようにしてもよい。また、実際の決済に際しては、決済部80が外部の金融機関のシステムに接続して直接決済指示を送信してもよいし、運用者等が決済を行うために必要となる情報をデータ等で出力して、この情報に基づいて運用者等が個別に金融機関に対して決済処理を行うようにしてもよい。決済の完了の確認については、決済部80が外部の金融機関のシステムからの決済処理の応答結果に基づいて判断してもよいし、金融機関のシステムに別途問い合わせを行い、その応答結果に基づいて判断してもよい。また、運用者等が決済部80を介して決済の完了を登録する形態であってもよい。
<データ構成>
以下では、本実施の形態のライセンス締結システム1における各テーブルのデータ構成について説明する。図2は、会員情報11のデータ構成および具体的なデータの例について示した図である。会員情報11は、ライセンス締結システム1が提供するサービスの会員である特許権者2や実施者3についての情報を保持するテーブルであり、例えば、会員ID、会員名、メールアドレス、口座情報などの各項目を有する。
以下では、本実施の形態のライセンス締結システム1における各テーブルのデータ構成について説明する。図2は、会員情報11のデータ構成および具体的なデータの例について示した図である。会員情報11は、ライセンス締結システム1が提供するサービスの会員である特許権者2や実施者3についての情報を保持するテーブルであり、例えば、会員ID、会員名、メールアドレス、口座情報などの各項目を有する。
会員IDおよび会員名の項目は、会員である特許権者2や実施者3を一意に識別するIDとして管理部60等によって採番された会員ID、および当該会員の氏名や名称の項目をそれぞれ保持する。メールアドレスの項目は、ライセンス締結システム1もしくは運営者等から当該会員に対して電子メールによって通知等を行う際のアドレスである。なお、通知の手段は電子メールに限らず、電話や郵送等でもよいため、適宜電話番号や住所等の情報を保持するようにしてもよい。
口座情報の項目は、当該会員がライセンス締結システム1の運営者等を介して決済を行う際の金融機関の決済口座の情報を保持する。なお、決済口座(特に支払用の口座)は銀行口座に限らず、例えば、小額のライセンス料の場合は、クレジットカードや電子マネーなどを利用して支払うことができるようにしてもよい。
図3は、特許情報12のデータ構成および具体的なデータの例について示した図である。特許情報(知的財産権情報)12は、出願もしくは登録されている特許(知的財産権)についての各種情報を蓄積して保持するテーブルであり、例えば、出願番号、出願日、登録番号、登録日、発明の名称、出願人、ステータス、および公報などの各項目を有する。出願番号、出願日、登録番号、登録日、発明の名称、出願人などの各項目は、当該特許についての書誌的事項の情報をそれぞれ保持する。他の書誌的事項の情報を保持していてもよい。
ステータスの項目は、当該特許の現在のステータスの情報を保持する。公報の項目は、公開特許公報や特許公報のデータもしくはこれらのデータへのリンクの情報を保持する。なお、特許情報12の各データは、上述したように、特許電子図書館や他の商用の特許データベースなどからオンラインでデータを取得するようにしてもよい。
図4は、ライセンス情報13のデータ構成および具体的なデータの例について示した図である。ライセンス情報13は、特許権者2がライセンスの締結を許容している特許について、特許権者2によるライセンスの許諾情報を保持するテーブルであり、例えば、出願番号、ライセンサー会員、ライセンス料、ライセンス範囲、匿名取引、技術支援、関連製品、および共同購入などの各項目を有する。
出願番号の項目は、当該特許を特定するための出願番号の情報を保持する。ライセンサー会員の項目は、当該特許についてライセンスが締結された場合のライセンサーとなる会員(特許権者2)の情報を保持する。ライセンス料およびライセンス範囲の項目は、ライセンスの単位料金および単位ライセンスによりカバーされるユーザもしくは利用対象の範囲の情報をそれぞれ保持する。
匿名取引の項目は、当該特許についてのライセンスの締結にあたり、ライセンシーとなる実施者3が匿名で締結することを許容するか否かの情報を保持する。図4の例に示すように条件付で許容するような指定も可能とする。技術支援の項目は、マニュアルや技術支援情報などを付加情報16として提供するか否かの情報を保持する。図4の例に示すように条件付で提供するような指定とすることも可能とする。
関連製品の項目は、当該特許に係る発明を利用している関連製品についての情報を、例えば参照先のWebサイトに対するリンク等の形式で保持する。関連製品となるものについては、例えば、当該特許に係る発明を実施するためのものとして当該特許の特許権者2が販売している製品や、当該特許のライセンスの許諾を受けて他社が製造販売している製品などが挙げられる。実施者2としては、自身の事業内容等に応じて、当該特許についてライセンスの許諾を受ける代わりに、例えばこれらの製品を購入して使用することで、当該特許についての侵害のリスクを容易に回避することが可能となる。
共同購入の項目は、当該特許についてのライセンスの締結にあたり、いわゆる共同購入を許容するか否か、および許容する場合の割引条件の情報を保持する。共同購入の割引条件としては、少なくとも例えば、共同購入の期限と割引となる購入ライセンス数、および割引となる場合のライセンス料の情報を指定する。この情報に基づいて、例えば、期限までに1以上の実施者3によって全体で割引条件のライセンス数以上購入することになる場合は、購入した各実施者3に対して割引されたライセンス料を適用するといったサービスが可能となる。これにより、ライセンシーとなる実施者3は割安なライセンス料でライセンスの許諾を受けることができ、特許権者2にとってはライセンシーとなる実施者3を増やしてライセンス料収入を増やすことができる。
図5は、ライセンス管理情報14のデータ構成および具体的なデータの例について示した図である。ライセンス管理情報14は、特許権者2と実施者3との間で締結された(匿名取引も含む)ライセンスの内容に係る情報を保持するテーブルであり、例えば、No.、締結日付、出願番号、ライセンシー会員、個数、金額、および共同購入などの各項目を有する。
No.の項目は、締結されたライセンス契約に対してライセンス締結部50によって採番された番号の情報を保持する。締結日付はライセンスを締結した日付の情報を保持する。出願番号の項目は、ライセンスの対象である特許を特定するための出願番号の情報を保持する。ライセンシー会員の項目は、当該ライセンス契約におけるライセンシーの会員(実施者3)の情報を保持する。個数および金額の項目は、締結されたライセンスにおけるライセンス数および合計金額の情報を保持する。
共同購入の項目は、締結されたライセンスが共同購入の対象であるか否か、すなわち、当該ライセンスが仮締結の状態であるか否かの情報を保持する。この情報を利用して、例えば、共同購入の対象となっており、出願番号が同じ特許を対象としているライセンスの数を集計することにより、現在の仮締結済みライセンス数(購入希望ライセンス数)を算出する。この数が共同購入における割引となる購入数の条件を満足しているか否かを判定することで、共同購入による割引料金を適用するか否かを判定することが可能である。
<処理内容>
以下では、本実施の形態のライセンス締結システム1におけるライセンスの締結処理の内容を画面イメージを使用して説明する。なお、会員情報11および特許情報12については管理部60により予め登録され、また、特許権者2がライセンスの許諾を許容する特許については、既にライセンス情報登録部70によってライセンス情報13への許諾情報の登録およびライセンス証書15、必要な付加情報16の登録が行われているものとする。
以下では、本実施の形態のライセンス締結システム1におけるライセンスの締結処理の内容を画面イメージを使用して説明する。なお、会員情報11および特許情報12については管理部60により予め登録され、また、特許権者2がライセンスの許諾を許容する特許については、既にライセンス情報登録部70によってライセンス情報13への許諾情報の登録およびライセンス証書15、必要な付加情報16の登録が行われているものとする。
例えば、これから事業を行う予定である実施者3は、クライアント端末を利用してインタフェース部20を介してライセンス締結システム1にアクセスし、認証部30においてユーザID/パスワード等によりユーザ認証を行う。その後、特許検索部40を利用して、自身の事業内容に関連する特許の有無等を検索する。
図6は、特許検索部40による特許の検索結果を表示する画面の例を示した図である。画面では、検索条件に該当する特許の書誌情報を一覧表示する。このとき、例えば右端の“ライセンス情報”欄に示すように、特許権者2がライセンスを許諾することを許容している特許(ライセンス情報13に許諾情報が登録されている特許)については、その旨と、ライセンスの許諾情報を参照するためのボタンやリンクなどを表示する。図6の例では、“ライセンス情報”ボタンが押下されると、対象の特許のライセンスの許諾情報を表示する画面を出力する。
図7は、特許権者2によるライセンスの許諾情報を表示する画面の例を示した図である。画面では、選択された特許についてのライセンス情報13の内容(例えば、図4のライセンス情報13の例における1行目の情報)を表示する。この情報に基づいて、実施者3は、ライセンスの条件を確認し、ライセンスの締結を行うか否かを判断する。なお、“関連製品情報”欄に、ライセンス情報13における関連製品の項目に登録された情報をリンクとして表示する。これにより、実施者3は、上述したように、関連製品のWebサイトを参照することで、当該特許についてライセンスの許諾を受ける代わりに関連製品を購入して使用するという判断を行うことも可能となる。
実施者3が、ライセンスの許諾情報を参照し、ライセンスの許諾を受けると判断した場合は、例えば、画面下部のボタンを押下することによりライセンスの締結および決済処理とライセンス証書15のダウンロードを行うことができる。なお、図7の例では、対象の特許が“匿名安心”取引を許可している(ライセンス情報13の匿名取引の項目が可である)ため、匿名取引を行うためのボタンのみを表示している。また、“技術支援情報”が提供されない(ライセンス情報13の技術支援の項目に値が設定されていない)ため、マニュアル等の技術支援情報をダウンロードすることはできない。
実施者3が画面下部のライセンスを締結するボタンを押下すると、ライセンス締結部50がライセンスの締結内容をライセンス管理情報14に記録する。さらに、決済部80が特許権者2と実施者3との間で決済処理を行い、決済が完了するとライセンス証書15を実施者3にダウンロードさせる。なお、決済の完了までにタイムラグを有する場合は、例えば、この時点でのライセンスの締結を予備締結としておき、決済の完了の確認をもって本締結とするなどの手段をとることができる。また、例えば、上記のような予備締結の段階で未発効状態のライセンス証書15を実施者3にダウンロードさせておき、決済の完了後に実施者3からの要求に基づいて有効化(アクティベート)するような手段をとることもできる。
ライセンスの締結時において、ライセンシーである実施者3の情報はライセンサーである特許権者2には通知しない。一方、決済部80が金融機関に対して決済指示を行う等により、ライセンス料の決済が行われるが、上述したように、特許権者2に対するライセンス料の支払は、実施者3に代わってライセンス締結システム1の運営者等が行うため、特許権者2はどの会員(実施者3)がライセンスを締結したのかを知ることはできない。従って、実施者3は、特許権者2に素性を知られることなく匿名でライセンスの許諾を受けることができる。
図8は、特許権者2によるライセンスの許諾情報を表示する画面の別の例を示した図である。画面では、同様に選択された特許についてのライセンス情報13の内容(例えば、図4のライセンス情報13の例における2行目の情報)を表示する。図8の例では、対象の特許が条件付で“匿名安心取引”を許可している(ライセンス情報13の匿名取引の項目に条件が設定されている)ため、匿名取引を行うボタン(図8の例で画面下部の左のボタン)と、個別に特許権者2に対してライセンス契約の交渉を申し込むボタン(図8の例で画面下部の右のボタン)の両者を表示している。
ここで、個別にライセンスを申し込むボタンを押下すると、例えば、特許権者2に対してメール等により通知を行うことで、その後特許権者2と実施者3との間で個別に交渉させるようにすることができる。
また、図8の例では、“ライセンスの範囲”が1ユーザあたりとなっている(ライセンス情報13のライセンス範囲の項目が“1ユーザ”になっている)ため、実施者3がライセンスを購入する個数を指定することができる欄を表示している。さらに、当該特許についてはライセンスの共同購入が可能となっている(ライセンス情報13の共同購入の項目に条件が設定されている)ため、画面下部に示すように、その旨と現状での購入数や共同購入の条件などの情報を表示してライセンスの締結を促している。
このとき、実施者3が画面下部のライセンスを締結するボタンを押下することでライセンスの締結を申し込むと、ライセンス締結部50がその旨の情報をライセンス管理情報14に仮締結として登録する。上述したように、ライセンスが仮締結であるか否か(共同購入であるか否か)は、ライセンス管理情報14の共同購入の項目によって判定することができる。ライセンス締結部50は、対象の特許についての仮締結のライセンスの数が共同購入の期限までに割引となる条件の数に達したか否かを確認し、達した場合は、該当するライセンスの料金(ライセンス管理情報14の金額の項目)を共同購入の割引料金によって更新して本締結させる(ライセンス管理情報14の共同購入の項目をOFF等にする)。
以上に説明したように、本発明の一実施の形態であるライセンス締結システム1は、特許権者2が簡易な条件および安価な料金でライセンスを許諾してもよいと考える特許を対象として、そのライセンス条件および料金を登録して公開するとともに、実施者3が、自身が行う事業の内容と関連する特許について行う検索や調査とシームレスに、各特許についてそれぞれの特許権者2がライセンスの許諾を許容しているか否かおよびその条件等を把握することを可能とし、ライセンスの許諾を受けるべき特許を容易に特定することを可能とする。また、実施者3が特許権者2との個別の交渉等を要さず簡易な処理で匿名性を保持したまま安価にライセンスの許諾を受けることを可能とする。
すなわち、実施者3にとっては、例えば競合他社からライセンスを受ける場合も含め、容易に安価にライセンスを受けるべき特許を特定してライセンスを受けることができるため、自身の事業が他社の特許の侵害となるリスクを回避するため、詳細な調査や個別交渉にコストをかけずに、ライセンス締結システム1を利用して簡易にライセンスを受け、安心して事業を行うことが多くなるものと考えられる。これにより、特許権者2にとっても休眠特許などを含む特許を簡易な処理で容易に有効活用することができるため、ライセンス料を安価に設定することができ、さらにライセンスの締結が促進され好循環となる。
なお、特許権者2にとっては、実施者2の匿名性を保持したままライセンスの許諾を行うことから、自身の特許権に対する侵害が疑われる実施者を発見した場合に、ライセンスの許諾を受けているか否かを確認する必要がある。このとき、例えば特許権者2は、インタフェース部20等を介してライセンス締結システム1にアクセスし、実施者の名称(法人名等)を指定して検索を行う。その際、例えばライセンス締結部50は、ライセンス管理情報14を参照し、当該実施者が対象の特許権に対する本締結されたライセンスを有しているか否かを確認して応答する。これにより、特許権者2は、侵害が疑われる実施者がライセンスを有しているか否かを容易に確認することができる。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、ライセンスの希望者が簡易な処理によって容易にライセンスを締結するためのライセンス締結システムに利用可能である。
1…ライセンス締結システム、2…特許権者、3…実施者、4…ネットワーク、
11…会員情報、12…特許情報、13…ライセンス情報、14…ライセンス管理情報、15…ライセンス証書、16…付加情報、
20…インタフェース部、30…認証部、40…特許検索部、50…ライセンス締結部、60…管理部、70…ライセンス情報登録部、80…決済部。
11…会員情報、12…特許情報、13…ライセンス情報、14…ライセンス管理情報、15…ライセンス証書、16…付加情報、
20…インタフェース部、30…認証部、40…特許検索部、50…ライセンス締結部、60…管理部、70…ライセンス情報登録部、80…決済部。
Claims (7)
- 出願中のものも含む知的財産権についての権利者と実施者との間でのライセンスの締結を支援するライセンス締結システムであって、
複数の前記知的財産権についての情報を蓄積した知的財産権情報記録手段と、
前記権利者がライセンスの許諾を許容する前記知的財産権について、許諾の条件に係る情報を含む許諾情報を保持するライセンス情報記録手段と、
前記知的財産権情報記録手段から前記権利者もしくは前記実施者によって指定された条件に該当する前記知的財産権を検索し、検索された前記各知的財産権について、前記ライセンス情報記録手段に対応する前記許諾情報が登録されているか否かの情報とあわせて提示する知的財産権情報検索部と、
前記知的財産権情報検索部が提示した前記知的財産権のうち、前記実施者がライセンスの締結を希望する前記知的財産権について、対応する前記許諾情報を前記ライセンス情報記録手段から取得して前記実施者に提示し、前記実施者から匿名でのライセンスの申し込みを受けた場合に、ライセンスの締結に係る情報をライセンス管理情報記録手段に記録し、さらに、前記権利者と前記実施者との間での決済の完了に基づいて、前記権利者に対して前記実施者の情報を通知することなく、前記権利者と前記実施者との間でライセンスが締結されたものとして前記ライセンス管理情報記録手段に記録するライセンス締結部と、
前記権利者と前記実施者との間での決済を行う際に、前記ライセンス管理情報記録手段に記録されたライセンスの締結に係る情報に基づいて、前記実施者から当該ライセンス締結システムの運営者がライセンス料金を徴収し、当該ライセンス締結システムの運営者から前記権利者に前記ライセンス料金を入金することを内容とする決済指示に係る情報を出力する決済部とを有することを特徴とするライセンス締結システム。 - 請求項1に記載のライセンス締結システムにおいて、
前記ライセンス締結部は、前記権利者と前記実施者との間でライセンスが締結されたものとする場合に、前記権利者もしくは当該ライセンス締結システムによって予め登録されたライセンス証書のデータを、前記実施者にダウンロードさせて発行することを特徴とするライセンス締結システム。 - 請求項1または2に記載のライセンス締結システムにおいて、
前記ライセンス締結部は、前記権利者と前記実施者との間でライセンスが締結されたものとする場合に、対象の前記知的財産権について、前記権利者によって予め登録された付加情報があり、かつ当該ライセンスの内容が、対応する前記許諾情報において前記付加情報を提供する条件に該当する場合は、前記付加情報を前記実施者にダウンロードさせることを特徴とするライセンス締結システム。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のライセンス締結システムにおいて、
前記ライセンス締結部は、前記実施者がライセンスの締結を希望する前記知的財産権について、対応する前記許諾情報を前記ライセンス情報記録手段から取得して前記実施者に提示する際に、対象の前記知的財産権に関連する製品に係る情報をあわせて提示することを特徴とするライセンス締結システム。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載のライセンス締結システムにおいて、
前記ライセンス締結部は、対象の前記知的財産権についてライセンスの締結を希望している前記実施者の数が、対応する前記許諾情報に設定された共同購入の条件を満たす場合に、前記許諾情報に設定された割引されたライセンス料金によって、対象の前記知的財産権の前記権利者と前記各実施者との間でのライセンス締結されたものとすることを特徴とするライセンス締結システム。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のライセンス締結システムにおいて、
前記ライセンス管理情報記録手段に記録されたライセンスの締結に係る情報に基づいて、前記知的財産権もしくは前記権利者毎のライセンスの締結数を集計してランキングとして提示することを特徴とするライセンス締結システム。 - 出願中のものも含む知的財産権についての権利者と実施者との間でのライセンスの締結を支援するライセンス締結システムとしてコンピュータを機能させるライセンス締結プログラムであって、
複数の前記知的財産権についての情報を蓄積した知的財産権情報記録手段から、前記権利者もしくは前記実施者によって指定された条件に該当する前記知的財産権を検索し、検索された前記各知的財産権について、前記権利者がライセンスの許諾を許容する前記知的財産権について許諾の条件に係る情報を含む許諾情報を保持するライセンス情報記録手段に、対応する前記許諾情報が登録されているか否かの情報とあわせて提示する知的財産権情報検索処理と、
前記知的財産権情報検索処理によって提示した前記知的財産権のうち、前記実施者がライセンスの締結を希望する前記知的財産権について、対応する前記許諾情報を前記ライセンス情報記録手段から取得して前記実施者に提示し、前記実施者から匿名でのライセンスの申し込みを受けた場合に、ライセンスの締結に係る情報をライセンス管理情報記録手段に記録し、さらに、前記権利者と前記実施者との間での決済の完了に基づいて、前記権利者に対して前記実施者の情報を通知することなく、前記権利者と前記実施者との間でライセンスが締結されたものとして前記ライセンス管理情報記録手段に記録するライセンス締結処理と、
前記権利者と前記実施者との間での決済を行う際に、前記ライセンス管理情報記録手段に記録されたライセンスの締結に係る情報に基づいて、前記実施者から当該ライセンス締結システムの運営者がライセンス料金を徴収し、当該ライセンス締結システムの運営者から前記権利者に前記ライセンス料金を入金することを内容とする決済指示に係る情報を出力する決済処理とを実行することを特徴とするライセンス締結プログラム。
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JP2010070155A JP2011203969A (ja) | 2010-03-25 | 2010-03-25 | ライセンス締結システムおよびライセンス締結プログラム |
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