以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態例を詳細に説明する。なお、本実施形態では、本発明を、施工物の一例としてユニットバスを住居に設置する施工を支援する施工支援システムに適用した場合について説明する。
まず、図1及び図2を参照して、本実施形態に係る施工支援システム90の構成を説明する。図1に示すように、本実施形態に係る施工支援システム90は、ネットワーク80に各々アクセス可能とされた、施工支援装置10と、複数の端末20と、情報蓄積装置30と、を含む。なお、施工支援装置10及び情報蓄積装置30の例としては、パーソナルコンピュータ及びサーバコンピュータ等の情報処理装置が挙げられる。また、端末20の例としては、ノートブック型のパーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末等の携帯型の端末が挙げられる。
本実施形態に係る端末20は、施工支援システム90が支援の対象としている施工に従事する施工者(以下、単に「施工者」という。)に各々割り当てられた端末である。端末20は、CPU(Central Processing Unit)21、一時記憶領域としてのメモリ22、不揮発性の記憶部23、タッチパネル等の入力部24、液晶ディスプレイ等の表示部25及び媒体読み書き装置(R/W)26を備えている。また、端末20は、カメラ28、マイク29及び無線通信部27を備えている。更に、端末20は、位置検出部40及びスピーカ41を備えている。CPU21、メモリ22、記憶部23、入力部24、表示部25、媒体読み書き装置26、カメラ28、マイク29、無線通信部27、位置検出部40及びスピーカ41はバスB1を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置26は、記録媒体96に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体96への情報の書き込みを行う。
本実施形態では、位置検出部40として、GPS(Global Positioning Systems)を利用したものを適用しているが、これに限るものではなく、例えば、他の衛星測位システム等を適用する形態としてもよい。
記憶部23は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部23には、ナビゲーションプログラム23A及び支援プログラム23Bが記憶されている。ナビゲーションプログラム23A及び支援プログラム23Bは、ナビゲーションプログラム23A及び支援プログラム23Bが書き込まれた記録媒体96が媒体読み書き装置26にセットされ、媒体読み書き装置26が記録媒体96からのナビゲーションプログラム23A及び支援プログラム23Bの読み出しを行うことで、記憶部23へ記憶される。CPU21は、ナビゲーションプログラム23A及び支援プログラム23Bを記憶部23から読み出してメモリ22に展開し、ナビゲーションプログラム23A及び支援プログラム23Bが有するプロセスを順次実行する。
一方、施工支援装置10は、施工支援システム90において施工の支援を行う中核的な役割を有する装置である。施工支援装置10は、CPU11、一時記憶領域としてのメモリ12、不揮発性の記憶部13、キーボードとマウス等の入力部14、液晶ディスプレイ等の表示部15、媒体読み書き装置16及び通信インタフェース(I/F)部18を備えている。CPU11、メモリ12、記憶部13、入力部14、表示部15、媒体読み書き装置16及び通信I/F部18はバスB2を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置16は、記録媒体17に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体17への情報の書き込みを行う。
記憶部13はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部13には、施工計画作成プログラム13A、施工支援プログラム13B、不具合原因推定プログラム13C、及び不具合原因推定モデル13Dが記憶されている。施工計画作成プログラム13A、施工支援プログラム13B、及び不具合原因推定プログラム13Cは、施工計画作成プログラム13A、施工支援プログラム13B、及び不具合原因推定プログラム13Cが書き込まれた記録媒体17が媒体読み書き装置16にセットされ、媒体読み書き装置16が記録媒体17からの施工計画作成プログラム13A、施工支援プログラム13B、及び不具合原因推定プログラム13Cの読み出しを行うことで、記憶部13へ記憶される。CPU11は、施工計画作成プログラム13A、施工支援プログラム13B、及び不具合原因推定プログラム13Cを記憶部13から読み出してメモリ12に展開し、施工計画作成プログラム13A、施工支援プログラム13B、及び不具合原因推定プログラム13Cが有するプロセスを順次実行する。
一方、情報蓄積装置30は、施工支援システム90で取り扱う各種情報を統括的に保管して管理する装置である。情報蓄積装置30は、CPU31、一時記憶領域としてのメモリ32、不揮発性の記憶部33、キーボードとマウス等の入力部34、液晶ディスプレイ等の表示部35、媒体読み書き装置36及び通信I/F部38を備えている。CPU31、メモリ32、記憶部33、入力部34、表示部35、媒体読み書き装置36及び通信I/F部38はバスB3を介して互いに接続されている。媒体読み書き装置36は、記録媒体37に書き込まれている情報の読み出し及び記録媒体37への情報の書き込みを行う。
記憶部33はHDD、SSD、フラッシュメモリ等によって実現される。記憶媒体としての記憶部33には、要求スキル情報データベース33A、施工者別スキル情報データベース33B、及び施工者別標準作業時間データベース33Cが記憶される。また、記憶部33には、施工予定情報データベース33D、施工計画情報データベース33E、ナビゲーション情報データベース33F、及び検査結果データベース33Gが記憶される。これらの各データベースについては、詳細を後述する。
次に、図2を参照して、本実施形態に係る施工支援装置10、端末20、及び情報蓄積装置30の機能的な構成について説明する。図2に示すように、施工支援装置10は、取得部11A、作成部11B、遅延推定部11C、指示部11D、及び変更部11Eを含む。また、施工支援装置10は、検出部11F、提示部11G、受付部11H、原因推定部11I、判定部11J、及び実行部11Kを含む。施工支援装置10のCPU11が施工計画作成プログラム13Aを実行することで、取得部11A、及び作成部11Bとして機能する。また、施工支援装置10のCPU11が施工支援プログラム13Bを実行することで、遅延推定部11C、指示部11D、変更部11E、検出部11F、及び提示部11Gとして機能する。さらに、施工支援装置10のCPU11が不具合原因推定プログラム13Cを実行することで、受付部11H、原因推定部11I、提示部11G、判定部11J、及び実行部11Kとして機能する。
本実施形態に係る取得部11Aは、複数の施工者の予め定められた種類のスキルの高さを示すスキル情報を取得する。なお、ここでいう「スキル」とは、「訓練や経験等によって身につけた技能」を意味する。
本実施形態では、上記スキルの種類として、慎重度、施工速度、施工技術、及び施工持続力を適用しているが、これに限るものではなく、これらのスキルの1つ、または全てを除く複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。本実施形態では、慎重度、施工速度、施工技術、及び施工持続力の各々のスキル情報を、各施工者間で比較可能な値として、施工者毎に定量的に導出する。即ち、本実施形態では、これらの各スキル情報を、共通の範囲の物理量(本実施形態では、0(零)から100までの数値範囲の値)として、正規化した値を適用している。なお、本実施形態では、各スキルの種類を、集合住宅での施工物の設置能力、及び戸建てでの施工物の設置能力に分類しているが、これに限るものでないことは言うまでもない。
また、本実施形態に係る作成部11Bは、取得部11Aによって取得されたスキル情報を用いて、複数の施工地において必要とされるスキルに応じた施工者を、対応する施工地で施工させる施工計画を作成する。
本実施形態では、各施工地における施工が、複数種類の施工工程が時系列順に順次行われるものとされており、作成部11Bは、複数種類の施工工程に応じて必要とされるスキルに応じた複数の施工者を時系列順に施工させる施工計画を作成し、通信I/F部18を介して、情報蓄積装置30の記憶部33に記憶する。
一方、本実施形態に係る遅延推定部11Cは、作成部11Bによって作成された施工計画にしたがって施工を行っている場合に、当該施工が施工計画で計画されている施工時間より遅延するか否かを推定する。また、本実施形態に係る指示部11Dは、遅延推定部11Cによって施工が上記施工時間より遅延すると推定された場合、当該施工を行っている施工地に、当該施工に必要とされるスキルが所定レベル以上で、かつ他の施工地において施工を行っている施工者を移動させる指示を行う。なお、この形態に限らず、上記他の施工地において施工を行っているか否かにかかわらず、必要とされるスキルが所定レベル以上の施工者に、施工が遅延すると推定された施工地への移動を指示する形態としてもよい。
そして、本実施形態に係る変更部11Eは、施工地における実際の状況に応じて、作成部11Bによって作成された施工計画を変更する。なお、上記施工地における実際の状況には、施工地での実際の施工の遅延状況の他、施工者が施工地に訪れる際の交通状況や、天候、気温等の気象状況等が含まれる。
一方、本実施形態に係る検出部11Fは、施工工程を実行する施工者の当該施工工程を実行している際の作業効率が所定レベル以下であるか否かを検出する。また、本実施形態に係る提示部11Gは、検出部11Fによって作業効率が所定レベル以下であることが検出された場合、対応する施工工程に関する作業効率向上情報を提示する。
即ち、本実施形態に係る情報蓄積装置30の記憶部33には、予め定められた施工工程に対して、作業効率を向上させるための情報である作業効率向上情報(ナビゲーション情報データベース33Fに登録された情報に相当し、詳細は後述する。)が予め記憶されている。そして、提示部11Gは、この作業効率向上情報を用いて、検出部11Fによって作業効率が所定レベル以下であることが検出された場合に、対応する施工工程に関する作業効率向上情報を提示する。
また、本実施形態では、上述したように、施工工程が複数段階に分かれており、提示部11Gは、上記施工工程の各段階が開始されるタイミングで、対応する段階に関する作業効率向上情報をさらに提示する。なお、本実施形態では、検出部11Fが、施工者による施工工程の作業時間が所定時間以上となった場合に、作業効率が所定レベル以下であると検出しているが、これに限るものではない。例えば、施工者による実際の施工が、予め最適化された手順で実行されていない場合に、作業効率が所定レベル以下であると検出する形態等としてもよい。
また、本実施形態に係る提示部11Gは、作業効率向上情報を複数の言語で提示することができるものとされているが、これに限らず、例えば、1カ国の言語のみで提示する形態としてもよい。また、本実施形態に係る提示部11Gは、作業効率向上情報を音声で提示することができるものとされているが、これに限らず、表示部15による表示のみで提示する形態としてもよい。
一方、本実施形態に係る受付部11Hは、施工対象とする建物(本実施形態では、住居)の水回り部位(本実施形態では、ユニットバス)を施工する施工工程に対して、各工程における施工状況の検査結果を示す情報であり、施工対象部位を含む領域を撮影して得られた画像情報を含む検査結果情報を受け付ける。そして、受付部11Hによって受け付けられた検査結果情報は、情報蓄積装置30の記憶部33に記憶される。なお、本実施形態では、上記画像情報に、対応する撮影場所及び撮影時刻の各情報を含む付随情報が関連付けられる。
また、本実施形態に係る原因推定部11Iは、上記施工工程による施工後に施工対象(本実施形態では、ユニットバス)において漏水の不具合が生じた場合に、上記検査結果情報を用いて、不具合の原因を推定する。そして、提示部11Gは、原因推定部11Iによる推定結果を提示する。なお、本実施形態に係る原因推定部11Iは、不具合原因推定モデル13Dを用いて不具合の原因を推定するが、これに限るものではなく、例えば、他の機械学習モデルを用いて不具合の原因を推定する形態としてもよい。
また、本実施形態に係る判定部11Jは、上記画像情報に関連付けられた付随情報に基づいて、当該画像情報が対応する施工工程の実施状況に合致するか否かを判定することにより、当該画像情報が正規の画像情報であるか否かを判定する。そして、本実施形態に係る実行部11Kは、判定部11Jによって画像情報が正規の画像情報でないと判定された場合に、所定の処理を実行する。なお、本実施形態では、上記所定の処理として、画像情報が正規の画像情報でないことを提示する処理を適用しているが、これに限るものではない。例えば、上記所定の処理として、原因推定部11Iによる推定結果が無効であることを提示する処理、上記画像情報に対応する撮影を行った施工者が実際には正規の施工を行っていない可能性があることを提示する処理等を適用する形態としてもよい。
さらに、本実施形態に係る提示部11Gは、施工状況の検査法を画像で提示する。この、検査法の画像の提示については詳細を後述する。
一方、本実施形態に係る端末20は、制御部21Aを含む。端末20のCPU21がナビゲーションプログラム23A及び支援プログラム23Bを実行することで、制御部21Aとして機能する。
さらに、本実施形態に係る情報蓄積装置30は、制御部31Aを含む。情報蓄積装置30のCPU31が、施工支援装置10及び端末20との間で各種情報の授受を行う一方、記憶部33に対するアクセスを制御する不図示のプログラムを実行することで、制御部31Aとして機能する。
次に、図3〜図9を参照して、本実施形態に係る各種データベースについて説明する。まず、図3を参照して、本実施形態に係る要求スキル情報データベース33Aについて説明する。図3に示すように、本実施形態に係る要求スキル情報データベース33Aは、住居種別(本実施形態では、集合住宅及び戸建ての2種類の種別)毎に、施工物(本実施形態では、ユニットバス)の施工を行う各施工工程を実施するうえで最重要とされる要求スキルである最重要要求スキルが記憶される。
なお、図3に示すように、本実施形態では、上記施工工程として、「床」、「浴槽」、「仕上げ」といった施工物の設置に関する工程の他に、施工物の設置前に実施する「おさまり確認」、施工物の設置後に実施する「検査表確認」の2種類の工程を含む。ここで、「おさまり確認」は、施工物の設置予定とする領域(空間)が、実際に問題なく施工物が設置できるか否かを確認する工程である。また、本実施形態では、施工物を実際に設置する際の各工程別に、設置状態の検査を行うものとされている。この各工程別の検査結果を纏めたものが「検査表」であり、本実施形態に係る「検査表確認」は、上記検査表の最終確認を行う工程である。
図3に示す例では、例えば、集合住宅の「床」を設置する工程での最重要要求スキルは「施工速度」であり、集合住宅、戸建て共に「おさまり確認」を行う工程での最重要要求スキルは「慎重度」であることを示している。
次に、図4を参照して、本実施形態に係る施工者別スキル情報データベース33Bについて説明する。図4に示すように、本実施形態に係る施工者別スキル情報データベース33Bは、施工者ID(IDentification)及びスキルの各情報が関連付けられて記憶される。
上記施工者IDは、各施工者を識別するために各施工者に予め割り振られた個別情報である。また、上記スキルは、対応する施工者が有しているスキルの高さを示す情報である。図4に示す例では、例えば、施工者IDが「a」である施工者は、「慎重度」が90であり、「施工速度」が70であり、「施工技術」が70であり、「施工持続力」が95であることを示している。なお、上述したように、本実施形態では、各スキル情報を、各施工者間で比較可能な値として、0から100までの数値範囲に正規化している。従って、図4に示す例では、例えば、「施工速度」については施工者IDが「b」である施工者が最もスキルが高く、「施工持続力」については施工者IDが「a」である施工者が最もスキルが高いことを示している。
次に、図5を参照して、本実施形態に係る施工者別標準作業時間データベース33Cについて説明する。図5に示すように、本実施形態に係る施工者別標準作業時間データベース33Cは、施工者ID、及び施工工程別の標準作業時間の各情報が関連付けられて記憶される。
上記施工者IDは、施工者別スキル情報データベース33Bの施工者IDと同一の情報であり、上記標準作業時間は、対応する施工者が、対応する施工工程を実施した場合の標準的な作業時間を示す情報である。図5に示す例では、例えば、施工者IDが「a」である施工者の「おさまり確認」の標準作業時間は0.5時間(30分間)であり、「浴槽」を設置する施工を行う標準作業時間が1.0時間(60分間)であることを示している。
なお、本実施形態では、上記標準作業時間として、対応する施工者に関する、対応する施工工程の、それまでの全ての実績値の平均値を適用しているが、これに限るものではない。例えば、標準作業時間として、対応する施工者に関する、対応する施工工程の、直近の所定回数(例えば、10回)分の実績値の平均値を適用する形態としてもよいし、以上の2種類の平均値に代えて、中央値や最短値、最長値等を適用する形態としてもよい。
次に、図6を参照して、本実施形態に係る施工予定情報データベース33Dについて説明する。図6に示すように、本実施形態に係る施工予定情報データベース33Dは、施工現場、住所、住居種別、戸数、及び施工予定日程の各情報が関連付けられて記憶される。
上記施工現場は、施工を予定している現場を示す情報であり、上記住所は、対応する施工現場の住所を示す情報であり、上記住居種別は、対応する施工現場での施工対象とする住居の種別(本実施形態では、集合住宅及び戸建ての何れか)を示す情報であり、上記戸数は、対応する住居の戸数を示す情報である。また、上記施工予定日程は、対応する施工現場で施工を行う予定日程を示す情報である。図6に示す例では、例えば、現場Aの住所が「神奈川県X市Y町1−2−3」であり、施工の対象とする住居が集合住宅で戸数が10戸であり、施工予定とする日程が2019年2月28日の9時から17時までであることを示している。
次に、図7を参照して、本実施形態に係る施工計画情報データベース33Eについて説明する。図7に示すように、本実施形態に係る施工計画情報データベース33Eは、施工現場、住居種別、戸数、施工工程、施工者、及び施工日程の各情報が関連付けられて記憶される。
上記施工現場、上記住居種別、及び戸数の各情報は、施工予定情報データベース33Dの同一名称の情報と同一の情報であり、上記施工工程は、対応する住居に対して実施する各施工工程を示す情報である。また、上記施工者は、対応する施工工程を実施する施工者として予め計画された施工者を示す情報であり、上記施工日程は、対応する施工者が、対応する施工工程を実施する時間帯として予め計画された日時を示す情報である。図7に示す例では、例えば、現場Aの集合住宅に対して「おさまり確認」を実行する施工者が施工者a及び施工者bの2名であり、その施工日程が、2019年2月28日の9時から10時までであることを示している。なお、図7では、各施工者を区別するために、「施工者」との文言の末尾に、対応する施工者IDを付して表記している。例えば、施工者IDとして「a」が割り振られた施工者を「施工者a」と表現し、施工者IDとして「b」が割り振られた施工者を「施工者b」と表現している。
次に、図8を参照して、本実施形態に係るナビゲーション情報データベース33Fについて説明する。図8に示すように、本実施形態に係るナビゲーション情報データベース33Fは、施工工程、及びナビゲーション情報の各情報が関連付けられて記憶される。
上記施工工程は、施工物(本実施形態では、ユニットバス)を施工する際の全ての施工工程を示す情報であり、上記ナビゲーション情報は、対応する施工工程を実行する際に、当該施工工程を実施する施工者が所持する端末20に表示する情報である。なお、図8に示すように、本実施形態では、上記ナビゲーション情報として、説明用画像、説明文、説明音声、助言文、及び助言音声の各情報を適用している。
また、図8に示すように、本実施形態では、「おさまり確認」の工程を、施工物を設置する空間(以下、「設置空間」という。)における各部の高さを測定する「高さ測定」、設置空間における窓の位置を測定する「窓測定」、設置空間における躯体の各部の位置を測定する「躯体測定」等に細分化している。
また、本実施形態では、「おさまり確認」を細分化した「高さ測定」、「窓測定」等の各工程をさらに細分化し、細分化された工程毎に、説明用画像、説明文、説明音声、助言文、及び助言音声の各情報がナビゲーション情報として、ナビゲーション情報データベース33Fに記憶される。また、本実施形態では、「床」、「浴槽」、「壁」等の施工物の設置に関する各工程についても細分化しており、細分化された工程毎に、説明用画像、説明文、説明音声、助言文、及び助言音声の各情報がナビゲーション情報として、ナビゲーション情報データベース33Fに記憶される。
上記説明用画像は、対応する工程を施工者が実施する際に、当該施工者が所持する端末20で提示する、当該工程の実施方法を画像で示す画像データであり、上記説明文は、当該実施方法を文章で示すテキストデータであり、上記説明音声は、当該実施方法を音声として再生する音声データである。
また、上記助言文は、対応する工程を施工者が実施している際の作業効率が所定レベル以下である場合に、当該施工者が所持する端末20に作業効率を向上させるための作業効率向上情報として提示する文章を示すテキストデータであり、上記助言音声は、当該作業効率向上情報を音声として再生する音声データである。本実施形態では、対応する工程の実施時間(実作業時間)が、工程毎に決定される、詳細を後述する基準時間以上となった場合に、対応する工程の作業効率が所定レベル以下であると検出する。図8に示す例では、例えば、「おさまり確認」の「高さ測定」の工程における最初の工程の実施時間が上記基準時間以上となった場合に、対応する施工者が所持する端末20にて「助言文JB1」が表示されると共に、「助言音声JS1」が音声として再生される。
以上のナビゲーション情報は、熟練した施工者が、対応する施工を実施した際に得られた、作業効率を向上させるためのノウハウを含む情報であり、上記作業効率向上情報に相当する。
また、本実施形態では、「床」、「浴槽」、「壁」等の施工物の設置に関する各工程をさらに細分化した各工程について、施工者自身による検査を施工の度に実施するものとされており、この検査についても、説明用画像、説明文、説明音声、助言文、及び助言音声の各情報がナビゲーション情報として用意されている。
なお、図8では、錯綜を回避するために、日本語のみによる情報を例示しているが、実際には、予め定められた複数種類の言語による同様の情報がナビゲーション情報データベース33Fに登録されている。
次に、図9を参照して、本実施形態に係る検査結果データベース33Gについて説明する。図9に示すように、本実施形態に係る検査結果データベース33Gは、施工現場、施工工程、検査項目、検査結果、検査日時、及び検査場所の各情報が関連付けられて記憶される。
上記施工現場は、施工予定情報データベース33Dの施工現場と同一の情報であり、施工工程は、対応する施工現場で実施する、施工物の設置に関する各施工工程を示す情報である。また、上記検査項目は、対応する施工工程で実施される検査の項目を示す情報であり、上記検査結果は、対応する検査項目に対する検査結果を示す情報である。図9に示すように、本実施形態では、検査結果として、合格か否かを示す合否情報と、検査対象とする部位を撮影することによって得られた撮影画像を示す画像情報が適用されている。
一方、上記検査日時は、対応する撮影画像を撮影した日時を示す情報であり、上記検査場所は、対応する撮影画像を撮影した場所を示す情報である。なお、本実施形態では、撮影場所を、端末20に備えられた位置検出部40によって検出している。図9に示す例では、現場Aにおける「床」の設置施工に関する検査項目k1については、検査結果が「合格」で、検査対象とする部位を撮影して得られた撮影画像が撮影画像g1であり、撮影画像g1を撮影した日時、即ち検査日時が2019年2月28日の13時46分であり、撮影画像g1を撮影した場所、即ち検査場所が、経度がX1で、緯度がY1の場所であることを示している。なお、検査結果データベース33Gは、さらに、検査を行った施工者を、対応する検査結果に関連付けて記憶する形態としてもよい。
なお、以下では、錯綜を回避するために、要求スキル情報データベース33A、施工者別スキル情報データベース33B、施工者別標準作業時間データベース33C、施工予定情報データベース33D、施工計画情報データベース33E、及びナビゲーション情報データベース33Fの各データベースが構築済みである場合について説明する。
次に、図10を参照して、本実施形態に係る不具合原因推定モデル13Dについて説明する。
図10に示すように、本実施形態に係る不具合原因推定モデル13Dは、入力層、複数の中間層、及び出力層を含むニューラルネットワークとされている。不具合原因推定モデル13Dの入力層には、不具合の原因の推定対象とする部位を撮影した撮影画像が入力される。不具合原因推定モデル13Dの出力層は、入力された撮影画像に対応する部位に生じた不具合の原因の複数の候補を、各候補が原因である確率と共に出力する。不具合原因推定モデル13Dは、過去に得られた、不具合が生じた部位の撮影画像と、その撮影画像に対応する部位の不具合の原因との複数の組み合わせを教師データとして学習させることによって予め得られている。なお、本実施形態では、不具合原因推定モデル13Dから出力される不具合の原因の候補が複数である場合について説明するが、これに限るものではなく、不具合原因推定モデル13Dは不具合の原因の候補を1つのみ出力する形態としてもよい。
次に、図11〜図27を参照して、本実施形態に係る施工支援システム90の作用を説明する。まず、図11〜図13を参照して、施工計画を作成する処理である施工計画作成処理を実行する場合の施工支援装置10の作用を説明する。施工支援装置10に対して施工計画作成処理の実行指示が入力されることに応じて、施工支援装置10のCPU11が施工計画作成プログラム13Aを実行することにより、図11に示す施工計画作成処理が実行される。なお、錯綜を回避するために、ここでは、施工計画の作成対象とする施工現場(以下、「計画対象現場」という。)が予め指定されている場合について説明する。
図11のステップ200で、取得部11Aは、要求スキル情報データベース33Aから全ての情報(以下、「要求スキル情報」という。)を読み出し、施工者別スキル情報データベース33Bから全ての情報(以下、「施工者別スキル情報」という。)を読み出す。また、ステップ200で、取得部11Aは、施工者別標準作業時間データベース33Cから全ての情報(以下、「施工者別標準作業時間情報」という。)を読み出す。
次のステップ202で、取得部11Aは、ナビゲーション情報データベース33Fから施工工程に関する情報(以下、「施工工程情報」という。)を読み出す。次のステップ204で、取得部11Aは、施工予定情報データベース33Dから全ての情報(以下、「施工予定情報」という。)を読み出し、施工計画情報データベース33Eから全ての情報(以下、「施工計画情報」という。)を読み出す。
なお、以下では、施工予定情報における計画対象現場に対応する施工予定日程を「計画対象日程」といい、施工予定情報における計画対象現場に対応する住居種別を「計画対象住居種別」という。また、以下では、施工予定情報における計画対象現場に対応する戸数を「計画対象戸数」といい、施工工程情報により示される施工工程を「計画対象施工工程」という。
次のステップ206で、作成部11Bは、読み出した施工計画情報に含まれる施工日程に計画対象日程と合致する日程が存在するか否かを判定することにより、計画対象日程に計画済みの施工があるか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ210に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ208に移行する。
ステップ208で、作成部11Bは、ステップ206において計画対象日程に合致すると判定された施工日程に施工を行う施工者を施工計画情報から特定し、当該施工者(以下、「設定済み施工者」という。)を今回の施工計画から外す施工者除外処理を行う。本実施形態では、施工者除外処理として、設定済み施工者に対応する施工者IDを記憶部13の所定領域に一時的に記憶する処理を適用しているが、これに限るものではないことは言うまでもない。なお、以下では、設定済み施工者を除く施工者を「設定可能施工者」という。
ステップ210で、作成部11Bは、読み出した施工工程情報から計画対象施工工程を特定し、次のステップ212で、作成部11Bは、計画対象現場における施工物(本実施形態では、ユニットバス)の施工計画を以下に示すように作成する。なお、ここでは、錯綜を回避するために、計画対象施工工程における「おさまり確認」の工程に関しては、「高さ測定」、「窓測定」といった細分化された工程は考慮せずに、「おさまり確認」として纏めた工程として説明する。
まず、作成部11Bは、ステップ210の処理によって特定した計画対象施工工程の各工程別に、要求スキル情報における、計画対象住居種別に対応する最重要要求スキルを特定する。例えば、計画対象住居種別が集合住宅である場合は、最重要要求スキルとして、「おさまり確認」については「慎重度」が特定され、「床」としては「施工速度」が特定される。
次いで、作成部11Bは、特定した計画対象施工工程の各工程に対して、対応する最重要要求スキルに対応するスキルの値が高い設定可能施工者を施工候補者として当て嵌める。なお、この際、同一の施工工程に対しては、異なる設定可能施工者を当て嵌めることを許容し、異なる施工工程に対しては、同一の設定可能施工者を当て嵌めることを許容する。本実施形態では、上記スキルの値が高い設定可能施工者として、施工者別スキル情報により示されるスキルの値が所定値(一例として、70)以上の施工者を適用しているが、これに限るものではない。例えば、設定可能施工者のうち、対応するスキルの値が最も高い施工者から所定人数分の施工者を、上記スキルの値が高い設定可能施工者として適用する形態としてもよい。
また、作成部11Bは、計画対象施工工程の各工程別に、当て嵌めた施工候補者に対応する標準作業時間を施工者別標準作業時間情報から特定し、特定した標準作業時間に、計画対象戸数を対応する工程に当て嵌めた施工候補者の人数で除算して得られた値を乗算することで、各施工候補者の当該工程の実施に要する作業時間を算出する。そして、各施工候補者の作業時間を計画対象施工工程の各工程別に合算することにより、当該各工程に費やされると予想される工程別予想作業時間を算出する。なお、以上の処理によって得られた、計画対象施工工程に対する、各工程別の施工候補者及び工程別予想作業時間を示す情報を「仮計画情報」という。
次のステップ214で、作成部11Bは、ステップ212の処理によって得られた仮計画情報により示される計画対象施工工程の全作業時間が計画対象日程の範囲内に収まっているか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ216に移行する。
ステップ216で、作成部11Bは、以上の処理によって得られた仮計画情報を、計画対象現場に対応する最終的な施工計画を示す情報として施工計画情報データベース33Eに記憶(登録)する。次のステップ218で、作成部11Bは、作成した施工計画を示す情報を各施工者が所有する端末20に、通信I/F部18を介して送信する。次のステップ220で、作成部11Bは、作成した施工計画を用いて、予め定められたフォーマットとされた施工計画表示画面を表示するように表示部15を制御し、その後に本施工計画作成処理を終了する。
図12に示すように、本実施形態では、施工計画表示画面として、各工程に対応する施工候補者及び工程の名称が、紙面左側から右側に向けた時系列順で、かつ、施工時間帯(工程別予想作業時間)が分かるように表示される。従って、施工計画表示画面を参照した施工支援装置10のユーザは、各施工者が実施する工程や実施する時間帯を容易に把握することができる。
また、施工計画を示す情報を受信した端末20においても、一例として図12に示すものと同様の施工計画表示画面が表示部25に表示される。従って、施工計画表示画面を参照した施工者は、自身が実施する工程や実施する時間帯を容易に把握することができる。
一方、ステップ214において否定判定となった場合はステップ222に移行し、作成部11Bは、直前の当て嵌めで適用していない設定可能施工者が残っているか否かを判定することにより、仮計画情報に対する施工者の組み替えの余地があるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ212に戻る。なお、この処理に引き続き実行されるステップ212では、残っている設定可能施工者も含めて、計画対象施工工程の各工程に対する設定可能施工者の当て嵌めを行うようにする。
一方、ステップ222において否定判定となった場合は、現状の人員では、要求される施工計画を作成することができないものとして、ステップ224に移行し、作成部11Bは、予め定められた人員不足表示画面を表示するように表示部15を制御した後、本施工計画作成処理を終了する。
図13に示すように、本実施形態では、人員不足表示画面として、施工現場、住居種別、施工予定日程、人員不足となる施工者に要求されるスキルと人数、及び不足する時間が表示される。従って、人員不足表示画面を参照した施工支援装置10のユーザは、これらの情報を元に、人員の追加や、全体的な計画の見直し等を効率よく行うことができる。
次に、図14〜図23を参照して、施工計画作成処理によって作成した施工計画に沿って各施工者が施工を行う際の作業を支援する処理を実行する場合の施工支援装置10及び端末20の作用を説明する。この場合、施工支援装置10に対して施工支援処理の実行指示が入力されることに応じて、施工支援装置10のCPU11が施工支援プログラム13Bを実行することにより、図14に示す施工支援処理が実行される。また、この場合、端末20に対してナビゲーション処理の実行指示が施工者により入力されることに応じて、端末20のCPU21がナビゲーションプログラム23Aを実行することにより、図15に示すナビゲーション処理が実行される。まず、図14を参照して、施工支援処理を実行する場合の施工支援装置10の作用を説明する。
施工計画作成処理によって作成した施工計画に沿って施工を行う各施工者は、自身が施工を行う施工現場に赴き、後述するように、自身の端末20に対してナビゲーション処理を実行させる。そして、施工者は、このナビゲーション処理において、ナビゲーションサービスの要請を行うナビゲーション要請情報を、施工現場を示す現場情報、自身の施工者ID、及び使用する言語を示す言語情報と共に施工支援装置10に送信するための操作を行う。
そこで、図14のステップ300で、提示部11Gは、何れかの端末20からナビゲーション要請情報を受信するまで待機することにより、何れかの端末20からのナビゲーションサービスの要請が行われるまで待機する。なお、以下では、ここで受信したナビゲーション要請情報の送信元の端末20を「対応対象端末」といい、当該対応対象端末を所有する施工者を「対応対象施工者」という。
次のステップ302で、提示部11Gは、ナビゲーション情報データベース33Fから全ての情報(以下、「ナビゲーション情報」という。)を読み出す。次のステップ304で、提示部11Gは、読み出したナビゲーション情報を用いて、予め定められたフォーマットとされたナビゲーション画面を示す情報(以下、「ナビゲーション画面情報」という。)を作成する。次のステップ306で、提示部11Gは、作成したナビゲーション画面情報を対応対象端末に通信I/F部18を介して送信する。なお、この際、提示部11Gは、ナビゲーション要請情報と共に受信した言語情報により示される言語に対応したナビゲーション画面を示すナビゲーション画面情報を作成する。また、この際、提示部11Gは、読み出したナビゲーション情報が示す各工程別に異なる頁とした、複数の画面を示す情報としてナビゲーション画面情報を作成する。
ナビゲーション画面情報を受信すると、対応対象端末は、受信したナビゲーション画面情報を用いて、自身の表示部25に、後述する図17〜図20に示すナビゲーション画面を工程別に異なる頁として表示するように制御する。対応対象端末にナビゲーション画面が表示されると、対応対象端末は、後述するように、対応対象施工者による操作に応じて、「おさまり確認」の工程において各部の位置の測定結果を示す測定結果情報、施工物(本実施形態では、ユニットバス)の設置に関する工程において実施した施工に対する検査結果を示す検査結果情報、及び個別の工程が終了したことを示す個別工程終了情報を施工支援装置10に送信する。なお、本実施形態では、ナビゲーション画面上で、次の工程の実行開始を指定する指定入力が受け付けられたことをもって、直前の工程が終了したことを示す個別工程終了情報を施工支援装置10に送信しているが、これに限るものではない。例えば、ナビゲーション画面を各工程が終了した時点で当該工程の終了を指定する指定入力を受け付けるものとしておき、当該指定入力が受け付けられた時点で、当該工程が終了したことを示す個別工程終了情報を施工支援装置10に送信する形態としてもよい。
そこで、次のステップ308で、受付部11Hは、対応対象端末から測定結果情報を受信したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ310に移行する。ステップ310で、受付部11Hは、受信した測定結果情報を記憶部13の所定領域に記憶し、その後にステップ316に移行する。
一方、ステップ308において否定判定となった場合はステップ312に移行し、受付部11Hは、対応対象端末から検査結果情報を受信したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ316に移行する一方、肯定判定となった場合はステップ314に移行する。ステップ314で、受付部11Hは、受信した検査結果情報を記憶部13の所定領域に記憶し、その後にステップ316に移行する。
ステップ316で、遅延推定部11Cは、対応対象端末から個別工程終了情報を受信したか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ318に移行する。なお、この際、遅延推定部11Cは、個別工程終了情報に対応する工程に複数の施工者が当て嵌められている場合には、当該工程について最後の個別工程終了情報を受信したか否かを判定する。
ステップ318で、遅延推定部11Cは、受信した個別工程終了情報が示す工程(以下、「終了工程」という。)が予定より所定時間(本実施形態では、10分)以内で終了したか否かを判定する。そして、遅延推定部11Cは、ここで肯定判定となった場合はステップ336に移行する一方、否定判定となった場合は、支援の対象とする施工が施工計画で計画されている施工時間より遅延すると推定し、ステップ320に移行する。なお、本実施形態では、上記終了工程が予定より所定時間以内で終了したか否かの判定を以下のように行う。
即ち、遅延推定部11Cは、施工計画情報データベース33Eの対応する工程の施工日程における終了時刻を参照し、当該終了時刻に対して、個別工程終了情報を受信した時刻が上記所定時間以内となっているか否かを判定することで、上記終了工程が予定より所定時間以内で終了したか否かを判定する。
ステップ320で、指示部11Dは、上記終了工程より後の工程(以下、「残り工程」という。)に対する、当該残り工程に従事しない施工適任者が存在するか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ322に移行する。なお、本実施形態では、上記施工適任者が存在するか否かの判定を以下のように行う。
即ち、指示部11Dは、まず、施工計画情報データベース33Eを参照し、上記残り工程に従事する施工者を除く施工者(以下、「施工適任候補者」という。)を特定する。次いで、指示部11Dは、要求スキル情報データベース33Aを参照して、上記残り工程の最重要要求スキルを特定し、特定した最重要要求スキルに対応するスキルの値が高い施工適任候補者が存在するか否かを判定することで、上記施工適任者が存在するか否かを判定する。なお、本実施形態では、上記スキルの値が高い施工適任候補者として、施工者別スキル情報データベース33Bにより特定される、対応するスキルの値が所定値(一例として、70)以上の施工適任候補者を適用しているが、これに限るものでないことは言うまでもない。
ステップ322で、指示部11Dは、上記残り工程の施工の支援を指示する支援指示情報を、支援内容を示す情報と共に上記施工適任者の端末20に通信I/F部18を介して送信する。上記支援指示情報を受信すると、端末20は、後述する支援処理(図22参照。)を実行し、一例として図23に示す支援要請画面(詳細は後述。)を表示部25に表示する。そして、端末20に支援要請画面が表示された施工者は、当該支援要請画面にて、支援を行うか否かを指定することで、当該支援を行うか否かを示す支援状況情報を施工支援装置10に送信し、支援要請画面に表示されている支援を行う。なお、ここでは、錯綜を回避するために、施工適任者の少なくとも一人は支援を行う場合について説明する。
そこで、次のステップ324で、変更部11Eは、支援指示情報を送信した全ての端末20から支援状況情報を受信するまで待機する。そして、変更部11Eは、受信した支援状況情報を用いて、支援を行う施工適任者が上記残り工程に従事することを反映するように、施工計画情報データベース33Eの対応する施工計画を変更し、その後にステップ328に移行する。
一方、ステップ320において否定判定となった場合はステップ326に移行し、変更部11Eは、上記終了工程の終了時刻を実際の終了時刻に変更すると共に、上記残り工程の施工日程も上記終了工程の実際の終了時刻に応じて順次繰り下げるように、施工計画情報データベース33Eの対応する施工計画を変更し、その後にステップ328に移行する。
ステップ328で、変更部11Eは、変更後の施工計画を示す情報を、対応する施工に従事している施工者の端末20に送信し、その後にステップ336に移行する。変更後の施工計画を示す情報を受信した端末20は、当該変更後の施工計画を示す情報を表示部25に表示する。従って、この表示を参照することで、対応する施工を行っている施工者は、自身が行っている、または行う予定としている施工計画の変更を把握することができる。
一方、ステップ316において否定判定となった場合はステップ330に移行し、検出部11Fは、実施中の施工工程の作業効率が所定レベル以下となっているか否かの判断基準となる基準時間が、当該実施中の工程において経過したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ308に戻る一方、肯定判定となった場合にはステップ332に移行する。なお、本実施形態では、上記基準時間を以下のように決定する。
即ち、検出部11Fは、まず、実施中の施工工程に従事している全ての施工者(以下、「従事施工者」という。)に関する、対応する施工工程の標準作業時間を施工者別標準作業時間データベース33Cから読み出す。次いで、検出部11Fは、読み出した標準作業時間に対して、対応する従事施工者の、対応する施工工程の実施回数を従事施工者毎に乗算する。そして、検出部11Fは、以上の演算によって得られた従事施工者毎の施工時間の最大時間を上記基準時間とする。但し、この形態に限らず、例えば、上記最大時間に所定係数(例えば、1.2)を乗算して得られた時間等を上記基準時間として適用する形態としてもよい。
ステップ332で、提示部11Gは、読み出したナビゲーション情報から、対応する施工工程に対応する助言文及び助言音声を抽出し、抽出した助言文を用いて、予め定められたフォーマットとされた助言画面を示す助言画面情報を作成する。そして、次のステップ334で、提示部11Gは、作成した助言画面情報及び抽出した助言音声を、従事施工者の端末20に通信I/F部18を介して送信し、その後にステップ308に戻る。助言画面情報及び助言音声を受信すると、端末20は、一例として図21に示す助言画面(詳細は後述。)を表示部25に表示すると共に、助言音声を再生する。これに応じて、端末20に助言画面が表示された施工者は、当該助言画面に表示されている助言を実践してみる。上述したように、当該助言が示す情報は、熟練した施工者が、対応する施工を実施した際に得られた、作業効率を向上させるためのノウハウを示す情報である。従って、助言画面に表示されている助言を実践することにより、対応する施工工程に対する作業効率が向上される効果が期待できる。
一方、ステップ336で、提示部11Gは、対応する現場での「検査表確認」の工程を除く施工が全て終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ308に戻る一方、肯定判定となった時点でステップ338に移行する。
ステップ338で、提示部11Gは、以上の処理で記憶部13に記憶された検査結果情報を用いて、全ての検査結果を含むものとして予め定められたフォーマットとされた検査表画面を示す検査表画面情報を作成する。そして、次のステップ340で、提示部11Gは、作成した検査表画面情報を、対応する施工において「検査表確認」の工程を実施する施工者の端末20に通信I/F部18を介して送信し、その後にステップ342に移行する。検査表画面情報を受信すると、端末20は、図示を省略する検査表画面を表示部25に表示する。そして、端末20に検査表画面が表示された施工者は、当該検査表画面に表示されている各工程の検査結果を確認した後、当該確認を行った旨を示す検査結果確認情報を施工支援装置10に送信する。
そこで、ステップ342で、受付部11Hは、検査結果確認情報を受信するまで待機し、次のステップ344で、受付部11Hは、対応する検査結果情報を検査結果データベース33Gに記憶(登録)し、その後に施工支援処理を終了する。
次に、図15を参照して、ナビゲーション処理を実行する場合の端末20の作用を説明する。なお、ここでは、「検査表確認」の工程を実施する施工者が所持する端末20の作用を説明する。
図15のステップ400で、制御部21Aは、予め定められた初期画面を表示するように表示部25を制御し、次のステップ402で、制御部21Aは、ナビゲーションサービスの実行が指示されるまで待機する。図16には、本実施形態に係る初期画面が示されている。図16に示すように、本実施形態に係る初期画面では、ナビゲーション画面で適用する言語を選択するための選択領域25Aが設けられると共に、ナビゲーションサービスの実行を指示する際に指定されるナビゲーションサービス開始ボタン25Bが表示される。図16に示す初期画面が表示されると、施工者は、ナビゲーション画面で適用する言語名が表示されたボタンを指定した後、ナビゲーションサービス開始ボタン25Bを指定する。ナビゲーションサービス開始ボタン25Bが指定されると、ステップ402が肯定判定となってステップ404に移行する。
ステップ404で、制御部21Aは、上述したナビゲーション要請情報を、施工現場を示す現場情報、自身の施工者ID、及び使用する言語を示す言語情報と共に施工支援装置10に無線通信部27を介して送信する。上述したように、施工支援装置10は、ナビゲーション要請情報を受信すると、ナビゲーション画面を示すナビゲーション画面情報を端末20に送信する。
そこで、次のステップ406で、制御部21Aは、ナビゲーション画面情報が受信されるまで待機し、次のステップ408で、制御部21Aは、受信したナビゲーション画面情報を用いて、ナビゲーション画面の1頁目からの表示を開始するように表示部25を制御する。
以上の制御により、端末20の表示部25には、上述したように、図17〜図20に示すナビゲーション画面が順次表示される。なお、図17に示すナビゲーション画面25Cは、「おさまり確認」の工程における「窓測定」の工程の一部の工程である「基礎底面〜額縁下内面」の測定に関するナビゲーション画面の一例である。また、図18に示すナビゲーション画面25Dは、図17に示したナビゲーション画面25Cで表示している工程(「基礎底面〜額縁下内面」の測定の工程)における、測定結果を入力するための入力領域25Eが設けられたナビゲーション画面の一例である。これらのナビゲーション画面を参照した施工者は、参照したナビゲーション画面の表示内容に則って測定を行い、測定結果を入力領域25Eに入力する。
また、図19に示すナビゲーション画面25Fは、「浴槽」を設置する工程を開始する際に表示されるナビゲーション画面の一例である。上述したように、本実施形態では、ナビゲーション画面上で、次の工程の実行開始を指定する指定入力が受け付けられたことをもって、直前の工程が終了したことを示す個別工程終了情報を施工支援装置10に送信している。このため、図19に示すナビゲーション画面25Fでは、浴槽の施工を開始する際に指定する浴槽施工開始ボタン25Gが表示され、施工者は、浴槽の施工を開始する際に、浴槽施工開始ボタン25Gを指定する。
さらに、図20に示すナビゲーション画面25Hは、「防水パン接合部の検査」の工程において表示されるナビゲーション画面の一例である。図20に示すナビゲーション画面25Hでは、検査対象とする部位と同様の部位を実際に撮影して得られた撮影画像を手本写真として表示している。また、ナビゲーション画面25Hでは、端末20のカメラ28による撮影画像が表示される撮影画像領域25I、及び撮影を行う際に指定される撮影ボタン25Jが表示される。従って、施工者は、撮影画像領域25Iに表示されている撮影画像による構図が上記手本写真の構図と概ね一致するように端末20の拡大倍率の設定や位置決め等を行った後、撮影ボタン25Jを指定する。この操作により、施工物に対する検査用画像の撮影を、極めて正確に行うことができる。なお、検査結果の入力を行うためのナビゲーション画面は、一例として図20に示した撮影画像の入力を行うもののみならず、図示は省略するが、検査結果が合格なのか否かを示す情報を入力するナビゲーション画面も用意されていることは言うまでもない。
図17〜図20に示すナビゲーション画面における各画像がナビゲーション情報における「説明用画像」によるものである。また、図17〜図20に示すナビゲーション画面におけるテキスト情報がナビゲーション情報における「説明文」によるものである。
次のステップ410で、制御部21Aは、表示されているナビゲーション画面に対して、測定結果、検査結果、及び次の工程の実行開始を指定する指定入力の何れかの入力が行われたか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ412に移行する。
上述したように、本実施形態に係る施工支援処理では、実施中の工程について、基準時間を経過した場合には、当該工程における作業効率が所定レベル以下となっていると見なして、助言画面情報及び助言音声の各情報が施工支援装置10から送信されてくる。
そこで、ステップ412で、制御部21Aは、施工支援装置10から助言画面情報が受信されたか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ410に戻る一方、肯定判定となった場合はステップ414に移行する。
ステップ414で、制御部21Aは、受信した助言画面情報により示される助言画面を表示するように表示部25を制御すると共に、当該助言画面情報と共に受信した助言音声による音声を発するようにスピーカ41を制御し、その後にステップ410に戻る。図21には、本実施形態に係る助言画面25Kの一例が示されている。図21に示す助言画面25Kでは、助言を示すテキスト情報が表示される。また、本実施形態では、助言画面25Kが表示される場合に、図21で模式的に示しているように、助言の内容を示す音声25Lがスピーカ41によって発せられる。従って、施工者は、これらのテキスト情報及び音声による助言により、より効果的に作業効率を向上させることが可能となる。
なお、本実施形態に係る助言画面25Kでは、一例として図21に示すように、助言画面25Kの表示を終了させる場合に指定される終了ボタン25Mが表示される。従って、施工者は、当該助言画面の表示を終了させる場合には、終了ボタン25Mを指定する。これに応じて端末20の表示部25には、助言画面が表示される直前まで表示されていたナビゲーション画面が表示される。
一方、ステップ410において肯定判定となった場合はステップ416に移行し、制御部21Aは、表示されているナビゲーション画面に対して測定結果が入力されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ418に移行する。
ステップ418で、制御部21Aは、ナビゲーション画面上で入力された測定結果を示す測定結果情報を施工支援装置10に無線通信部27を介して送信し、その後にステップ420に移行する。なお、ステップ416において否定判定となった場合は、ステップ418の処理を実行することなく、ステップ420に移行する。測定結果情報を受信すると、施工支援装置10は、上述したように、受信した測定結果情報を記憶部13の所定領域に記憶する。
ステップ420で、制御部21Aは、表示されているナビゲーション画面に対して検査結果が入力されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ422に移行する。
ステップ422で、制御部21Aは、ナビゲーション画面上で入力された検査結果を示す検査結果情報を施工支援装置10に無線通信部27を介して送信し、その後にステップ424に移行する。ここで、制御部21Aは、検査対象とする部位の撮影画像を送信する場合は、撮影時刻を上記検査日時とし、撮影を行った時点で位置検出部40によって検出された撮影位置を上記検査場所として、これらの情報を撮影画像の付随情報として施工支援装置10に送信する。なお、ステップ420において否定判定となった場合は、ステップ422の処理を実行することなく、ステップ424に移行する。検査結果情報を受信すると、施工支援装置10は、上述したように、受信した検査結果情報を記憶部13の所定領域に記憶する。
ステップ424で、制御部21Aは、表示されているナビゲーション画面に対して、次の工程の施工の開始の指示(一例として、浴槽施工開始ボタン25Gの指定による指示)が入力されたか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ426に移行する。
ステップ426で、制御部21Aは、ナビゲーション画面上で施工の開始が指示された工程の直前に実施された工程が終了したことを示す個別工程終了情報を施工支援装置10に無線通信部27を介して送信する。次のステップ428で、制御部21Aは、表示部25に表示されているナビゲーション画面を、施工の開始が指示された工程に関する最初の頁に切り替える制御を行い、その後にステップ430に移行する。なお、ステップ424において否定判定となった場合は、ステップ426及びステップ428の処理を実行することなく、ステップ430に移行する。
ステップ430で、制御部21Aは、対応する現場での「検査表確認」の工程を除く施工が全て終了したか否かを判定し、否定判定となった場合はステップ410に戻る一方、肯定判定となった時点でステップ432に移行する。
上述したように、対応する現場での「検査表確認」の工程を除く施工が全て終了すると、施工支援装置10は、全ての検査結果を含むものとして予め定められたフォーマットとされた検査表画面を示す検査表画面情報を「検査表確認」の工程を実施する施工者の端末20に送信する。
そこで、ステップ432で、制御部21Aは、施工支援装置10から検査表画面情報を受信するまで待機し、次のステップ434で、制御部21Aは、検査表画面情報により示される検査表を表示部25に表示する制御を行う。
上述したように、端末20に検査表画面が表示された施工者は、当該検査表画面に表示されている各工程の検査結果を確認し、検査表画面上で確認した旨を入力する。これに応じて、次のステップ436で、制御部21Aは、当該確認を行った旨を示す検査結果確認情報を施工支援装置10に無線通信部27を介して送信し、その後に本ナビゲーション処理を終了する。
ところで、上述したように、施工支援処理(図14参照。)のステップ322の処理による支援指示情報を受信すると、端末20は支援処理を実行する。
次に、図22及び図23を参照して、支援処理を実行する場合の端末20の作用を説明する。この場合、支援指示情報が受信されたことに応じて、端末20のCPU21が支援プログラム23Bを実行することにより、図22に示す支援処理が実行される。
図22のステップ500で、制御部21Aは、支援指示情報と共に受信した、支援内容を示す情報を用いて、予め定められたフォーマットとされた支援要請画面を表示するように表示部25を制御し、次のステップ502で、制御部21Aは、所定情報が入力されるまで待機する。
図23には、本実施形態に係る支援要請画面25Oの一例が示されている。図23に示すように、本実施形態に係る支援要請画面25Oでは、支援を促すメッセージと共に、対象となる施工現場、住居種別、施工工程、施工予定日程、及び要求されるスキルが表示される。図23に示される支援要請画面25Oが表示されると、施工者は、表示されている施工の支援を行う場合は支援ボタン25Pを指定し、当該支援を行わない場合は非支援ボタン25Qを指定する。支援ボタン25P又は非支援ボタン25Qが指定されると、ステップ502が肯定判定となってステップ504に移行する。
ステップ504で、制御部21Aは、施工者による指定結果に応じて、支援を行うか否かを示す支援状況情報を施工支援装置10に無線通信部27を介して送信し、その後に本支援処理を終了する。
ところで、本実施形態に係る施工支援装置10では、上述したように、施工工程による施工後に施工対象(本実施形態では、ユニットバス)において漏水の不具合が生じた場合に、検査結果情報を用いて、不具合の原因を推定する不具合原因推定機能を有する。
次に、図24〜図27を参照して、不具合原因推定機能を実行する場合の施工支援装置10の作用を説明する。この場合、不具合原因推定処理の実行指示が入力されたことに応じて、施工支援装置10のCPU11が不具合原因推定プログラム13Cを実行することにより、図24に示す不具合原因推定処理が実行される。
図24のステップ600で、原因推定部11Iは、予め定められた不具合対象入力画面を表示するように表示部15を制御し、次のステップ602で、原因推定部11Iは、所定情報が入力されるまで待機する。
図25には、本実施形態に係る不具合対象入力画面の一例が示されている。図25に示すように、本実施形態に係る不具合対象入力画面では、不具合の原因の推定対象の入力を促すメッセージと共に、対象となる施工現場、住居種別、及び施工工程の各情報を入力するための入力領域が表示される。図25に示される不具合対象入力画面が表示されると、施工支援装置10のユーザは、上記各情報を対応する入力領域に入力した後、入力終了ボタン15Bを指定する。入力終了ボタン15Bが指定されると、ステップ602が肯定判定となってステップ604に移行する。
ステップ604で、判定部11Jは、不具合対象入力画面で入力された各情報に対応する検査結果、検査日時、及び検査場所の各情報を検査結果データベース33Gから読み出す。次のステップ606で、判定部11Jは、入力された施工現場に対応する住所を施工予定情報データベース33Dから読み出すと共に、入力された施工現場及び施工工程に対応する施工日程を施工計画情報データベース33Eから読み出す。
次のステップ608で、判定部11Jは、読み出した検査結果に含まれる撮影画像(以下、「原因推定用画像」という。)が正規のものであるか否かを判定し、肯定判定となった場合はステップ610に移行する。なお、本実施形態では、原因推定用画像が正規のものであるか否かの判定を以下のように行う。
即ち、判定部11Jは、読み出した検査日時が、読み出した施工日程に含まれ、かつ、読み出した検査場所が、読み出した住所から所定距離(例えば、5m)以内である場合に、原因推定用画像は正規のものであると判定し、他の場合に原因推定用画像は非正規のものであると判定する。
ステップ610で、原因推定部11Iは、原因推定用画像を不具合原因推定モデル13Dに入力し、これに応じて不具合原因推定モデル13Dから出力された不具合の原因の複数の候補を取得することにより、不具合の原因を推定する。
次のステップ612で、提示部11Gは、以上の処理によって取得された不具合の原因の推定結果を用いて、予め定められたフォーマットとされた推定結果画面を作成し、次のステップ614で、提示部11Gは、作成した推定結果画面を表示するように表示部15を制御し、その後に本不具合原因推定処理を終了する。
図26には、本実施形態に係る推定結果画面の一例が示されている。図26に示すように、本実施形態に係る推定結果画面では、不具合の原因の候補が確率の高い順に表示される。従って、施工支援装置10のユーザは、推定結果画面を参照することで、不具合の原因の候補を、その確率が高いものから順に把握することができる。
一方、ステップ608において否定判定となった場合、即ち、原因推定用画像が正規のものではないと判定された場合はステップ616に移行し、実行部11Kは、所定の処理を実行した後、本不具合原因推定処理を終了する。
なお、本実施形態では、上記所定の処理として、一例として図27に示す、不具合の原因の推定に用いる原因推定用画像が正規のものではないため、不具合の原因の推定ができない旨を示す撮影画像不正画面を表示する処理を適用しているが、これに限るものではないことは言うまでもない。
以上説明したように、本実施形態によれば、複数の施工者の予め定められた種類のスキルの高さを示すスキル情報を取得する取得部11Aと、取得部11Aによって取得されたスキル情報を用いて、複数の施工地において必要とされるスキルに応じた施工者を、対応する施工地で施工させる施工計画を作成する作成部11Bと、を備えている。従って、施工稼働率の高い施工計画を作成することができる。
また、本実施形態によれば、上記スキルの種類として、慎重度、施工速度、施工技術、及び施工持続力の組み合わせとしている。従って、これらのスキルに応じた、より高い施工稼働率の施工計画を作成することができる。
また、本実施形態によれば、複数種類の施工工程に応じて必要とされるスキルに応じた複数の施工者を時系列順に施工させる施工計画を作成している。従って、より効果的に施工稼働率の高い施工計画を作成することができる。
また、本実施形態によれば、施工が計画されている施工時間より遅延すると推定された場合、当該施工を行っている施工地に、当該施工に必要とされるスキルが所定レベル以上で、かつ他の施工地において施工を行っている施工者を移動させる指示を行っている。従って、作成した施工計画による実際の施工を効果的に支援することができる。
また、本実施形態によれば、施工地における実際の状況に応じて施工計画を変更としている。従って、作成した施工計画による実際の施工を、さらに効果的に支援することができる。
また、本実施形態によれば、スキルの種類を、集合住宅での施工物の設置能力、及び戸建てでの施工物の設置能力に分類されるものとしている。従って、集合住宅及び戸建ての各々別に最適な施工計画を作成することができる。
また、本実施形態によれば、予め定められた施工工程に対して、作業効率を向上させるための情報である作業効率向上情報(本実施形態では、ナビゲーション情報)を予め記憶した記憶部33と、施工工程を実行する施工者の当該施工工程を実行している際の作業効率が所定レベル以下であるか否かを検出する検出部11Fと、検出部11Fによって作業効率が所定レベル以下であることが検出された場合、対応する施工工程に関する作業効率向上情報を提示する提示部11Gと、を備えている。従って、効果的に作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、施工工程の各段階が開始されるタイミングで、対応する段階に関する作業効率向上情報をさらに提示している。従って、より効果的に作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、施工者による施工工程の作業時間が所定時間以上となった場合に、作業効率が所定レベル以下であると検出している。従って、より簡易に作業効率の低下を検出することができる。なお、本実施形態では、一連の施工工程における各工程別に作業効率が所定レベル以下であるか否かを検出する場合について説明したが、この形態に限定されない。例えば、一連の施工工程のうち、複数の工程の合計施工時間が、対応する各工程の上記基準時間の合計時間に達した場合に、作業効率が所定レベル以下であるものと検出する形態としてもよい。
また、本実施形態によれば、作業効率向上情報を複数の言語で提示可能としている。従って、施工者にとって理解し易い言語で作業効率向上情報を提示することで、より効果的に作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、作業効率向上情報(本実施形態では、助言を示す情報)を音声で提示している。従って、より効果的に作業効率を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、建物の水回り部位を施工する施工工程に対して、各工程における施工状況の検査結果を示す情報であり、施工対象部位を含む領域を撮影して得られた画像情報を含む検査結果情報を受け付ける受付部11Hと、受付部11Hによって受け付けられた検査結果情報を記憶する記憶部33と、施工工程による施工後に施工対象において漏水の不具合が生じた場合に、上記検査結果情報を用いて、不具合の原因を推定する原因推定部11Iと、原因推定部11Iによる推定結果を提示する提示部11Gと、を備えている。従って、不具合の原因を効果的に特定することができる。なお、本実施形態では、原因の推定対象とする不具合として漏水の不具合を適用した場合について説明したが、この形態に限定されない。例えば、施工物のガタつき、部品同士の擦れによる音鳴り等を、原因の推定対象とする不具合として適用する形態としてもよい。
また、本実施形態によれば、不具合の原因の推定に用いる画像情報が正規の画像情報であるか否かの判定を、当該画像情報に関連付けられた撮影場所及び撮影時刻の各付随情報を用いて行っている。従って、より的確に画像情報の正否を判定することができる。
また、本実施形態によれば、不具合の原因の推定に用いる画像情報が正規の画像情報でない場合は、その旨を提示する処理を行っている。従って、当該画像情報に不備があることを容易に把握することができる。
また、本実施形態によれば、施工状況の検査法を画像で提示している。従って、より確実に検査を行うことができる。
なお、上記実施形態では、各スキル情報を共通の範囲の値に正規化して適用する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、各スキル情報を正規化することなく、適用する形態としてもよい。この場合、各スキル別に、適用する閾値等を用意する必要がある一方、よりきめ細かくスキル情報を活用することができる。
また、上記実施形態では、不具合原因推定モデル13Dの入力層に入力する情報として、不具合の原因の推定対象とする部位を撮影した撮影画像のみを適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、当該撮影画像に加えて、対応する施工に費やされた時間、対応する施工者の、対応する施工工程に対するスキルの値の1つ、又は複数の組み合わせを適用する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、施工物の一例としてユニットバスを適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、施工物として、キッチン、洗面台等の他の物を適用する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、各データベースを、施工支援装置10とは別体として構成された情報蓄積装置30に登録する場合について説明したが、これに限定されない。例えば、各データベースを施工支援装置10に登録する形態としてもよい。この場合、情報蓄積装置30は不要となる。
また、上記実施形態では、施工計画を変更する状況として、施工地での実際の施工の遅延状況を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、施工者が施工地に訪れる際の交通状況や、天候、気温等の気象状況等を、施工計画を変更する状況として適用する形態としてもよい。
また、上記実施形態では、撮影画像の付随情報として撮影場所及び撮影時刻の双方を適用した場合について説明したが、これに限定されない。例えば、撮影場所及び撮影時刻の何れか一方のみを撮影画像の付随情報として適用する形態としてもよい。
その他、上記実施形態において、例えば、取得部11A、作成部11B、遅延推定部11C、指示部11D、変更部11E、検出部11F、提示部11G、受付部11H、原因推定部11I、判定部11J、実行部11K、制御部21A、制御部31Aの各処理を実行する処理部(processing unit)のハードウェア的な構造としては、次に示す各種のプロセッサ(processor)を用いることができる。上記各種のプロセッサには、前述したように、ソフトウェア(プログラム)を実行して処理部として機能する汎用的なプロセッサであるCPUに加えて、FPGA(Field-Programmable Gate Array)等の製造後に回路構成を変更可能なプロセッサであるプログラマブルロジックデバイス(Programmable Logic Device:PLD)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路等が含まれる。
処理部は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種又は異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせや、CPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、処理部を1つのプロセッサで構成してもよい。
処理部を1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、クライアント及びサーバ等のコンピュータに代表されるように、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが処理部として機能する形態がある。第2に、システムオンチップ(System On Chip:SoC)等に代表されるように、処理部を含むシステム全体の機能を1つのIC(Integrated Circuit)チップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、処理部は、ハードウェア的な構造として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて構成される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路(circuitry)を用いることができる。