JP2020148877A - レンズアレイ、レンズアレイの製造方法、光書込装置、および画像形成装置 - Google Patents

レンズアレイ、レンズアレイの製造方法、光書込装置、および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】環境温度の変化によらずに性能の向上が図られたレンズアレイを提供する。【解決手段】複数のレンズを二次元に配列したレンズアレイであって、ガラス基板1001と、複数の光線通過開口1002aを有し前記ガラス基板の一方の主面側に設けられた遮光層1002と、前記遮光層を備えた前記ガラス基板の一主面上に設けられ、前記各光線通過開口に対応して配置されたレンズ部を有する樹脂レンズ層1003と、前記ガラス基板の他方の主面上に設けられた裏面樹脂層1004とを備える。【選択図】図2

Description

本発明は、レンズアレイ、レンズアレイの製造方法、光書込装置、および画像形成装置
に関する。
電子写真方式の画像形成装置に用いられる発光配列方式の光書込装置は、円筒状の感光体の軸方向(以下、「主走査方向」という)に沿って発光点群と結像光学系とを配列した構成のものである。このような光書込装置には、複数のレンズを備えたレンズアレイが設置されている。
このようなレンズアレイに関する技術として、レンズ連結部に遮光板を埋設した構成のものが開示され、このような構成により、位置精度が高いことはもちろん、レンズと遮光板の界面に空気層が無いことから空気による外乱光を排除できるとしている(下記特許文献1参照)。
特開平4−96042号公報
ところでレンズアレイは、加工上の自由度と製造コストの観点から一体成型による樹脂レンズが用いられることが多い。しかしながら、樹脂はガラスに比べて線膨張係数が大きく、環境温度が変わると変形が起こり、光源やレンズ間の相対位置関係にずれが生じ易い。またレンズアレイは、隣り合うレンズの光路が近いため迷光が発生し易い。そしてこれらの相対位置関係のズレや迷光の発生は、レンズの性能劣化を引き起こす要因となっている。
そこで本発明は、環境温度の変化によらずに性能の向上が図られたレンズアレイを提供することを目的とする。また本発明はこのレンズアレイの製造方法、このレンズアレイを用いた光書込装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するための本発明は、複数のレンズを二次元に配列したレンズアレイであって、ガラス基板と、複数の光線通過開口を有し前記ガラス基板の一方の主面側に設けられた遮光層と、前記遮光層を備えた前記ガラス基板の一主面上に設けられ、前記各光線通過開口に対応して配置されたレンズ部を有する樹脂レンズ層と、前記ガラス基板の他方の主面上に設けられた裏面樹脂層とを備えたレンズアレイである。また本発明は、このレンズアレイの製造方法、このレンズアレイを用いた光書込装置および画像形成装置である。
本発明によれば、環境温度の変化によらずに性能の向上が図られたレンズアレイを提供することが可能である。また本発明によれば、このレンズアレイを製造すること、およびこのレンズアレイを用いた光書込装置および画像形成装置を提供することが可能である。
第1実施形態のレンズアレイの平面図である。 第1実施形態のレンズアレイの断面図である。 第1実施形態のレンズアレイの製造方法を示す断面工程図である。 レンズアレイを備えた画像形成装置の全体構成を説明するための図である。 レンズアレイを備えた光書込装置を示す模式的な断面図である。 光書込装置に設けた発光点群の平面図である。 レンズアレイを備えた光書込装置を感光体側から見た模式的な平面図である。 第2実施形態のレンズアレイの断面図である。 第3実施形態のレンズアレイの断面図である。 第4実施形態のレンズアレイの断面図である。 第5実施形態のレンズアレイの平面図である。 第6実施形態のレンズアレイの平面図である。 レンズアレイを備えた光書込装置の他の例を示す模式的な断面図である。
≪第1実施形態≫
以下本発明に係る第1実施形態を、レンズアレイの構成、レンズアレイの製造方法、レンズアレイを備えた画像形成装置、およびレンズアレイを備えた光書込装置の順に説明する。なお、レンズアレイを備えた画像形成装置は、レンズアレイを備えた光書込装置を有する画像形成装置である。
<レンズアレイ>
図1は、第1実施形態のレンズアレイの平面図である。また図2は、第1実施形態のレンズアレイの断面図であり、図1のA−A断面図に相当する。これらの図に示すレンズアレイ1は、二次元配列された複数のレンズ201を有するものである。このようなレンズアレイ1は、ガラス基板1001、ガラス基板1001の一方の主面側に設けられた遮光層1002、および樹脂レンズ層1003を備えている。また、レンズアレイ1は、ガラス基板1001の他方の主面側に設けられた裏面樹脂層1004を備えている。これらは、次のように構成されている。
[ガラス基板1001]
ガラス基板1001は、光の透過性が良好なガラス材料からなるものである。特にこのガラス基板1001は、レンズアレイ1に照射される特定波長の光に対して、後述する樹脂レンズ層1003および裏面樹脂層1004を構成する樹脂材料との屈折率差が小さい材料を用いて構成されていることが重要である。
このようにガラス基板1001と樹脂レンズ層1003および裏面樹脂層1004との屈折率差を小さくすることで、ガラス基板1001と樹脂レンズ層1003および裏面樹脂層1004との界面においての光の反射が抑えられる。このため、レンズアレイ1から反射光が放出されることを防止できる。
ガラス基板1001と樹脂レンズ層1003および裏面樹脂層1004との屈折率差の好ましい例は、0.1以下である。屈折率差を0.1以下とすることで、ガラス基板1001と樹脂レンズ層1003および裏面樹脂層1004との界面での反射率を0.01%以下に抑えることができる。この場合、後述する画像形成装置の光書込装置に、このレンズアレイ1を設置したとしても、ガラス基板1001と樹脂レンズ層1003との界面での反射光が、光書込装置の感光体に影響を及ぼすことを防止できる。
以上のように、樹脂レンズ層1003および裏面樹脂層1004を構成する樹脂材料との屈折率差を小さく抑えることができるガラス材料としては、例えば無アルカリガラス(屈折率:1.5145、特定波長650nm)を例示することができる。
[遮光層1002]
遮光層1002は、ガラス基板1001の一方の主面上に設けられた層であって、このレンズアレイ1に照射される特定波長の光に対する遮光性が高い材料(黒色材料)によって構成される。この遮光層1002は、レンズアレイ1が有する各レンズ201に対応する複数の光線通過開口1002aを備えたものである。
各光線通過開口1002aは、次に説明する樹脂レンズ層1003のレンズ部1003aにおける有効レンズ領域1003bと一致した形状であることが好ましい。このような各光線通過開口1002aは、例えば平面視的な形状が円形であってよい。また遮光層1002は、レンズアレイ1の全体の厚みを抑えるために、遮光性が損なわれない範囲で薄膜であることが好ましい。
[樹脂レンズ層1003]
樹脂レンズ層1003は、遮光層1002を介してガラス基板1001の一方の主面上に設けられた樹脂材料からなる層であって、レンズ201を構成する複数のレンズ部1003aを有する。各レンズ部1003aは、例えば凸レンズ形状であることとする。
また、各レンズ部1003aの中央を占める有効レンズ領域1003bは、遮光層1002の光線通過開口1002aと同程度の平面形状であって、光線通過開口1002aと平面視的に重なる様に配置されていることとする。これにより、各レンズ部1003aの周端縁は有効レンズ領域1003bの外側の領域となり、この外側の領域は遮光層1002の光線通過開口1002aの外周縁に対して積層された積層部[d]となる。このような積層部[d]を設けることにより、レンズ201を通過する光線を、レンズ部1003aの有効レンズ領域1003bを通過した光線のみとすることができる。そして、樹脂によって構成されたレンズ部1003aの周端縁、すなわち有効レンズ領域1003bよりも外側の領域部分の面形状が、設計値から乖離した場合であっても、その周面形状が各レンズ201の光学性能に影響を及ぼすことを防止できる。
この樹脂レンズ層1003は、このレンズアレイ1に照射される特定波長の光に対して、前述したガラス基板1001との屈折率差が小さい材料からなるものが用いられる。このような樹脂レンズ層1003は、ガラス基板1001が無アルカリガラスからなるものである場合、例えばシクロオレフィンポリマーからなる。シクロオレフィンポリマーは、例えばZEONEX E48R(日本ゼオン社製商品名:屈折率:1.5285、特定波長650nm)によって構成されることが好ましい。この場合、ガラス基板1001と樹脂レンズ層1003との屈折率差は0.014となり、ガラス基板1001と樹脂レンズ層1003との好ましい屈折率差である0.1以下となる。
各レンズ部1003aの曲率は、各レンズ201のレンズ設計によって決められた大きさであり、各レンズ部1003a間において同一であってもよいが、同一である必要はない。
また樹脂レンズ層1003におけるレンズ部1003aとレンズ部1003aとの間の平坦部分の膜厚[t]は、薄い方が好ましい。樹脂レンズ層1003において、屈折力を持たない平坦部の膜厚[t]が大きくなると、レンズアレイ1に照射された光線が、レンズ部1003aとレンズ部1003aとの間の樹脂レンズ層1003の平坦部分をすり抜けて隣接するレンズ部1003aに到達するリスクが高くなる。このため、樹脂レンズ層1003における平坦部分の膜厚[t]は、0.3mm以下とすることが好ましく、これにより先のリスクを低減することが可能となる。
[裏面樹脂層1004]
裏面樹脂層1004は、ガラス基板1001の他方の主面側に設けられた樹脂材料からなる層である。この裏面樹脂層1004は、ガラス基板1001の一方の主面側に樹脂材料からなる樹脂レンズ層1003を設けたことによるガラス基板1001の反りを防止するための層である。このような裏面樹脂層1004は、樹脂レンズ層1003と同様に、レンズアレイ1に照射される特定波長の光に対して、前述したガラス基板1001との屈折率差が小さい材料からなるものが用いられる。
裏面樹脂層1004を構成する樹脂材料は、樹脂レンズ層1003を構成する樹脂材料と同一である必要はないが、同一であることが好ましい。同一であることにより、ガラス基板1001の両側面に設けた樹脂材料の線膨張係数が同一となるため、環境温度の変化によるガラス基板1001の反りを防止できる効果が高い。
また裏面樹脂層1004は、樹脂レンズ層1003が有するレンズ部1003aと共に、レンズ201を構成する複数のレンズ部1004aを有していてもよい。このような各レンズ部1004aは、遮光層1002が有する光線通過開口1002a、樹脂レンズ層1003が有するレンズ部1003aと1:1:1で対応し、光線通過開口1002aの中心とレンズ部1004aの中心とがほぼ一致していることとする。
この場合、各レンズ部1004aは、例えば凸レンズ形状であることとする。これにより、樹脂レンズ層1003が有するレンズ部1003aと、裏面樹脂層1004が有するレンズ部1004aとで構成されるレンズ201は、両面凸レンズとなる。レンズ201が両側凸レンズであることにより、このレンズアレイ1は、レンズ201の屈折力を両面に割り振ることができ、収差の発生が抑制されるとともに、加工上の難易度も低減された構成となっている。また、ガラス基板1001の両側面に、形状が揃った裏面樹脂層1004と樹脂レンズ層1003とを配置することできるため、環境温度の変化によるガラス基板1001の反りを防止できる効果が高い。
各レンズ部1004aの曲率は、各レンズ201のレンズ設計によって決められた大きさであり、各レンズ部1004a間において同一であってもよいが、同一である必要はない。
<第1実施形態のレンズアレイ1の製造方法>
図3は、第1実施形態のレンズアレイの製造方法を示す断面工程図であって、図1および図2を用いて説明したレンズアレイ1の製造方法の一例を示す図である。以下、図3に示す順に、レンズアレイ1の製造方法を説明する。
先ず図3(A)に示すように、ガラス基板1001を用意し、このガラス基板1001の一方の主面上に、複数の光線通過開口1002aを備えた遮光層1002を形成する。この際、例えば黒色材料の塗布やセラミック印刷によって、複数の光線通過開口1002aを備えた遮光層1002を形成する。また遮光層1002の形成は、例えばガラス基板1001の一方の主面上に遮光層材料の膜を成膜し、その後、エッチングによって遮光層材料の膜に光線通過開口1002aを形成する手順であってもよい。
次に図3(B)に示すように、遮光層1002が形成されたガラス基板1001を2つの主面側から金型2000で挟持する。金型2000は、レンズ形状のキャビティ2001を有することとする。次いで、図3(C)に示すように、金型2000のキャビティ2001内に樹脂2002を注入し、注入した樹脂2002を硬化させる。樹脂2002としては、例えば光硬化性樹脂や熱可塑性樹脂が用いられ、それぞれに適する方法で硬化させる。これにより、ガラス基板1001の一方の主面上には、遮光層1002を覆う状態で樹脂2002を硬化させた樹脂レンズ層1003が形成される。また、ガラス基板1001の他方の主面上には、樹脂2002を硬化させた裏面樹脂層1004が形成される。
樹脂2002を硬化させた後は、ガラス基板1001から金型2000を取り外す。その後、例えば光硬化性樹脂であれば、光照射によって樹脂2002をさらに硬化させる。これにより、図1および図2を用いて説明したレンズアレイ1を得ることができる。
<第1実施形態のレンズアレイの効果>
以上説明した構成のレンズアレイ1は、ガラス基板1001の一方の主面上に樹脂レンズ層1003を設け、他方の主面上に裏面樹脂層1004を設けた構成である。これにより、樹脂を用いて設計自由度の高いレンズ部1003aを備えながらも、環境変化によるレンズ部1003a,1004aの位置ズレをガラス基板1001によって抑えることでガラスレンズと同程度にする可能である。しかも、樹脂レンズ層1003とガラス基板1001との間に、レンズ部1003aと一致する光線通過開口1002aを備えた遮光層1002を設けた構成である。このため環境変化によってレンズ部1003aと光線通過開口1002aとの位置ズレが生じることもなく、かつレンズ部1003aのレンズ面と近い位置において、各レンズ部1003aによって構成されるレンズ201を透過する光を確実に制限することが可能である。これより、隣り合うレンズ201間で迷光が発生することを防止できる。この結果、本構成により、環境変化に対するレンズアレイ1の光学的な信頼性の向上を図ることが可能になる。
<画像形成装置の構成>
次に、上述したレンズアレイ1を備えた画像形成装置の構成を説明する。図4は、先に説明した第1実施形態のレンズアレイを備えた画像形成装置の全体構成を説明するための図であって、画像形成装置10を前面(正面)から見た構成図である。この図に示す画像形成装置10は、第1各実施形態に係るレンズアレイを備えた光書込装置を有している。このような画像形成装置10は、筐体11を有し、その内部に、画像形成部20、転写部30、定着部40、用紙供給部50、および用紙搬送部60を備えている。これらの各要素の構成は次のようである。
[画像形成部20]
画像形成部20は、例えばイエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のトナー像を形成するための4つの画像形成ユニット20y,20m,20c,20kを有する。各画像形成ユニット20y,20m,20c,20kは、それぞれが感光体21と、感光体21の周囲に配置された帯電装置22、光書込装置23、および現像装置24を備えている。
このうち各感光体21は、円筒状のものであって、駆動モーターによって円筒状の回転軸21φを中心として回転するものであり、円筒状の側周表面を像担持面21aとしている。このような感光体21は、次に説明する転写部30の中間転写ベルト31に当接して配置されている。なお、帯電装置22、光書込装置23、および現像装置24は、感光体21と転写部30との当接位置から感光体21の回転方向下流側に向かって、帯電装置22、光書込装置23、および現像装置24の順に配置されている。
帯電装置22は、感光体21の像担持面21aをコロナ放電により帯電させるためのものである。
光書込装置23は、先に説明した第1実施形態のレンズアレイを備えたものであって、画像データに基づいて、感光体21の像担持面21aにレーザー光を照射して静電潜像を形成する書込部である。画像データは、画像形成装置10に備えられた画像読取部(図示省略)で生成されるデータや、画像形成装置10に接続されたパーソナルコンピュータや他の画像形成装置などの外部装置から受信したデータであることとする。このような光書込装置23の詳細な構成は、以降において説明する。
現像装置24は、攪拌して帯電させたトナーを、感光体21の像担持面21aに付着させるためのものである。なお、感光体21と転写部30との当接位置と、帯電装置22の配置箇所との間には、感光体21の像担持面に当接する状態で、ここでの図示を省略したクリーナーが配置され、感光体21の像担持面21aに残留したトナーを除去する構成となっている。
[転写部30]
転写部30は、画像形成部20と並列して配置されている。この転写部30は、中間転写ベルト31、一次転写ローラー32、および一対の二次転写ローラー33を備えている。
このうち中間転写ベルト31は、回転する無端ベルトとして構成され、その外周面が像担持面31aとなっている。この中間転写ベルト31は、各感光体21の回転とは逆方向に回転し、感光体21の全てに、像担持面31aを順次接触させる状態で配置されている。
一次転写ローラー32は、トナーと反対の極性の電圧が印加され、各感光体21との間に中間転写ベルト31を挟持する状態で配置されている。これにより、感光体21の像担持面21a上に付着したトナーは、中間転写ベルト31の像担持面31aに転写され、中間転写ベルト31の像担持面31a上に各色のトナー像が重なり合ったカラー画像が形成される。
一対の二次転写ローラー33は、中間転写ベルト31を挟持する状態で配置され、中間転写ベルト31の像担持面31a上に形成されたトナー画像を、以降に説明する用紙供給部50から搬送されたシート状の記録媒体Sに転写する。
[定着部40]
定着部40は、加熱部41と、この加熱部41に対向配置された圧着ローラー42とを備え、二次転写ローラー33から搬送された記録媒体Sをニップし、記録媒体Sに転写されたトナー像を記録媒体Sに定着させる。
[用紙供給部50]
用紙供給部50は、記録媒体Sを収納するカセット51と、カセット51に収納された記録媒体Sを1枚ずつカセット51から送り出す送り出しローラー52を備え、記録媒体Sをカセット51から用紙搬送部60に供給する。
[用紙搬送部60]
用紙搬送部60は、用紙供給部50から供給された記録媒体Sを、所定のルートに沿って搬送するものであって、複数のローラー対61によって構成されている。このような用紙搬送部60は、用紙供給部50から供給された記録媒体Sを、二次転写ローラー33、定着部40、および筐体11の外のトレー(図示省略)の順に搬送する。これにより、二次転写ローラー33においてトナー像が形成された記録媒体Sを、定着部40に搬送してトナー像を記録媒体Sに定着させ、トナー像が定着した記録媒体Sを筐体の外のトレーに搬送する。
<光書込装置23の構成>
図5は、レンズアレイを備えた光書込装置を示す模式的な断面図である。図5、および先の図4に示す光書込装置23は、発光配列方式のものであって、先に説明した第1実施形態のレンズアレイ1を備え、円筒状の感光体21の側周面によって構成された像担持面21aに対向して配置されたものである。
以下、この光書込装置23の構成を説明するにあたり、感光体21の像担持面21aに対して光書込装置23が対向配置された位置において、像担持面21aの法線方向であって、感光体21の回転軸21φに向かう方向を光の入射方向xとする。また、入射方向xと垂直をなす方向で、感光体21の回転軸21φに沿った方向を主走査方向yとする。光書込装置23は、主走査方向yに沿って配置されている。さらに、入射方向xおよび主走査方向yに対して垂直をなす方向で、感光体21の回転方向に沿った方向を、副走査方向zとする。
この光書込装置23は、光の入射方向xに沿って、像担持面21aから遠い側から順に、発光素子基板100、遮光体150、第1レンズアレイ200、絞り基板300、および第2レンズアレイ400が配置されている。また第2レンズアレイ400と、像担持面21aとの間には、汚れ防止用のウインドウ基板500が配置された構成となっている。そそいて、第1レンズアレイ200および第2レンズアレイ400のうちの少なくとも一方として、先に説明した第1実施形態のレンズアレイ1が用いられている。ここでは一例として、第1レンズアレイ200としてレンズアレイ1を用いた場合を説明する。
これらの発光素子基板100、遮光体150、第1レンズアレイ200、絞り基板300、第2レンズアレイ400、およびウインドウ基板500は、像担持面21aに対向して配置され、入射方向xに対して垂直であり、主走査方向yおよび副走査方向zに対して平行である。
このうち、発光素子基板100は、その基板面に沿って複数の発光点群101が設けられたものである。また遮光体150は、その基板面に沿って複数の遮光開口151が設けられたものである。また第1レンズアレイ200は、その基板面に沿って複数の第1レンズ201が設けられたものである。さらに絞り基板300は、その基板面に沿って複数の絞り開口301が設けられたものである。また第2レンズアレイ400は、その基板面に沿って複数の第2レンズ401が設けられたものである。
そして、1つの発光点群101の中央から入射方向xに沿って延設された光軸[xφ]を中心として、第1レンズ201と、遮光開口151と、絞り開口301と、第2レンズ401とが、1:1:1:1で順に配置され、これらによって1つの書込光学系23aが構成されている。さらに、各書込光学系23aのうち、第1レンズ201と、絞り開口301と、第2レンズ401とで、1つの結像光学系23bが構成される。
以下、光書込装置23を構成する発光素子基板100、遮光体150、第1レンズアレイ200、絞り基板300、および第2レンズアレイ400の詳細を説明する。
[発光素子基板100]
発光素子基板100は、その基板面に沿って複数の発光点群101が設けられたものである。各発光点群101は、発光素子基板100の基板面に沿って二次元に設けられた発光素子である。
図6は、光書込装置に設けた発光点群101の平面図である。この図に示すように、各発光点群101は、例えば主走査方向yに長く、副走査方向zに短い矩形形状の領域に複数の発光点102を配置した構成となっている。各発光点102は、例えばLED(light emitting diode)やOLED(Organic Light Emitting Diode)によって構成されている。
図5に戻り、発光素子基板100において、各発光点群101は、例えば酸化シリコン基板などの透明な基板材料によって覆われたボトムエミッション型のOLEDである。これにより、各発光点群101の発光面101aは、発光素子基板100の表面であって光射出面100aよりも深い位置にとなる。ただし、全て発光点群101の中心点は略同一平面上に存在する。そして、発光点群101の中心点が存在する平面と、発光点群101から放出される光の光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面とのなす角度は0度である。
[遮光体150]
遮光体150は、例えば板状の部材に、複数の遮光開口151を穿設したものである。この遮光体150は、発光素子基板100の各発光点群101から放出された光が、各発光点群101と1:1で対応する第1レンズ201の広い面に到達し、それ以外の第1レンズ201には照射されることのないように構成されている。このような遮光体150は、例えば発光素子基板100と第1レンズアレイ200との間を埋める程度に十分な入射方向xの高さを有し、第1レンズ201間を遮光する。
[第1レンズアレイ200]
第1レンズアレイ200は、第1実施形態のレンズアレイ1である。このレンズアレイ1は、遮光層1002が設けられた面を絞り基板300側に向けた状態で配置されている。また、レンズアレイ1に設けられた各レンズ201は、光書込装置23における第1レンズ201である。各第1レンズ201は、発光素子基板100の各発光点群101と1:1で対応し、発光点群101の中心点とレンズ201の中心は、光軸[xφ]上に配置されていることとする。
また各第1レンズ201は、中心部の膜厚である芯厚が同一であることが好ましく、芯厚の中心が同一平面上に配置されていて、その中心が配置された平面と、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面とのなす角度は0度である。また、各第1レンズ201において、発光点群101の発光面101aと、発光点群101からの光の入射面202との距離[d1]は同一である。
[絞り基板300]
絞り基板300は、その基板面に沿って複数の絞り開口301が設けられたものである。各絞り開口301は、遮光膜に設けた開口部である。なお、遮光膜は、ガラスなどの透明基板の一主面上に成膜されたものであってもよい。絞り基板300に設けられた各絞り開口301は、全て同一の開口形状である。
また各絞り開口301の中心点は略同一平面上に存在し、絞り開口301の中心点が存在する平面と、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面とのなす角度は0度である。
このような絞り開口301は、第1レンズ201と第2レンズ401との間で、各結像光学系23bが両側テレセントリックに構成される位置に配置されている。各結像光学系23bを両側テレセントリックに構成したことにより、感光体21の像担持面21aの位置と発光面101aの何れか一方あるいは両方が光軸方向に変化しても、像担持面21aにおける光の結像位置は変わらず、結像位置精度を確保することが可能である。
[第2レンズアレイ400]
第2レンズアレイ400は、透明基板4001の基板面に沿って第2レンズ401が二次元に設けられたものである。これらの各第2レンズ401は、両側凸レンズである。このような各第2レンズ401は、例えばガラス材料からなる透明基板4001の両側面に、樹脂製の凸状レンズ部を形成したものとなっている。第2レンズ401を両側凸レンズとすることにより、第2レンズ401の屈折力を、光入射面402と光射出面403の両面に割り振ることができ、収差の発生が抑制されるとともに、加工上の難易度も低減された構成となっている。このような第2レンズアレイ400の層構成は、第1レンズアレイ200であるレンズアレイ1から遮光層1002を除いた構成であってよい。
また各第2レンズ401は、芯厚が同一であることが好ましく、芯厚の中心が同一平面上に配置されていて、その中心が配置された平面と、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面とのなす角度は0度である。
なお、第2レンズアレイ400として第1実施形態のレンズアレイ1を用いる場合、このレンズアレイ1は、遮光層1002が設けられた面を絞り基板300側に向けた状態で配置されることとする。
<第1実施形態の光書込装置および画像形成装置の効果>
以上説明した光書込装置23は、第1レンズアレイ200として、隣り合うレンズ201間での迷光の発生が防止された第1実施形態のレンズアレイ1を用いた構成である。これにより、光の照射位置ズレによるスジむらや、ゴースト光線による濃度むらの少ない光書込が可能な光書込装置23を得ることができる。またこのような光書込装置23を備えた画像形成装置10によれば、画像の形成精度の向上を図ることが可能である。
<書込光学系23a>
次に、光書込装置23を構成する書込光学系23aの好ましい構成を説明する。書込光学系23aは、1つの発光点群101と、第1レンズ201と、絞り開口301と、第2レンズ401とで構成されている。全ての書込光学系23aは、光軸[xφ]が平行である。
また各書込光学系23aのうち、第1レンズ201と、絞り開口301と、第2レンズ401とで、1つの結像光学系23bが構成される。これらの結像光学系23bは、対応して配置された発光点群101からの光を、感光体21の像担持面21aに結像させるためのものであり、感光体21の像担持面21aの異なる各位置に発光点群101からの光を結像させる。このような各結像光学系23bは、両側テレセントリックに構成されていて、かつ結像倍率が等しくなるように構成されている。
また各結像光学系23bの結像倍率は[−1]倍であり、絞り開口301に対して第2レンズ401と第1レンズ201とは、以降に説明するように対称な形状を有していてもよい。これにより、第1レンズ201、第2レンズ401の光学設計を共通化することが可能となる。
図7は、レンズアレイを備えた光書込装置を感光体側から見た模式的な平面図である。この図に示すように、光書込装置23は、主走査方向yに沿って複数の書込光学系23aを配列した複数の書込列[L]を有する。ここでは一例として、複数の書込光学系23aを主走査方向yに沿って所定間隔で配列した3列の書込列[L]を有することとする。なお、図5は、図7におけるA−A’断面に相当している。
各書込列[L]に配置された書込光学系23aは、別の書き込み列[L]に配置された書込光学系23aに対して、主走査方向yに重なりを持って所定ピッチでずらして配置されている。これにより、各書込列[L]の書込光学系23aによって感光体21の像担持面21aに書き込まれる静電潜像の解像度を確保が確保される構成となっている。
図5および図7に示すように、これらの書込列[L]のうちの1つは、感光体21の像担持面21aに対する法線と、書込光学系23aの光軸[xφ]とが一致している中央列[Lφ]である。また書込列[L]のうちの、残りの2つは、中央列[Lφ]よりも像担持面21aの回転方向であって副走査方向zの上流側に位置する上流側列[L−]と、中央列[Lφ]よりも像担持面21aの回転方向であって副走査方向zの下流側に位置する下流側列[L+]とである。これらの上流側列[L−]および下流側列[L+]は、中央列[Lφ]に対して等間隔で配置されている。
円筒状の感光体21における像担持面21aに対して、このように配列された各書込光学系23aにおいては、像担持面21a上の像点[Pφ],[P−],[P+]の光軸[xφ]方向の高さが異なる。つまり、中央列[Lφ]の書込光学系23aφにおける像担持面21a上の像点[Pφ]と、上流側列[L−]の書込光学系23a−における像担持面21a上の像点[P−]および下流側列[L+]の書込光学系23a+における像担持面21a上の像点[P+]とは、同一平面上に存在しない。
3つの像点[Pφ],[P−],[P+]のうち、感光体21の像担持面21aに対する法線と、書込光学系23aの光軸[xφ]とが一致している中央列[Lφ]の書込光学系23aφの像点[Pφ]は、他の2つの像点[P−],[P+]よりも、発光素子基板100側に近接して配置される。
また、各第2レンズ401の中心は、入射方向xに対して垂直な同一平面上に配置されている。このため、中央列[Lφ]の書込光学系23aφの共役長は、上流側列[L−]の書込光学系23a−および下流側列[L+]の書込光学系23a+の共役長よりも短い。
そしてこのように配列された書込光学系23aのうち、中央列[Lφ]に配置された書込光学系23aφと、上流側列[L−]に配置された書込光学系23a−および下流側列[L+]に配置された書込光学系23a+とは、次に説明するように、第1レンズ201および第2レンズ401の形状が異なる構成であることが好ましい。
第1レンズ201は、例えば書込列[L]毎に、光の入射面202と射出面203の曲率比が異なる構成であってもよい。ここでは、第1レンズ201における射出面203の曲率に対する入射面202の曲率を、第1曲率比[R1]と定義する。
この場合、中央列[Lφ]を構成する第1レンズ201φの第1曲率比[R1φ]は、上流側列[L−]を構成する第1レンズ201−の第1曲率比[R1−]および下流側列[L+]を構成する第1レンズ201+の第1曲率比[R1+]と異なる。具体的には、結像光学系23bの光軸[xφ]方向における像担持面21aの位置が、発光素子基板100側に近いほど、第1レンズ201の第1曲率比[R1]が小さく、第1曲率比[R1φ]<第1曲率比[R1−],[R1+]である。
すなわち、像点[Pφ]が発光点群101に近く共役長が短い中央列[Lφ]の第1レンズ201φの第1曲率比[R1φ]は、共役長が長い上流側列[L−]の第1レンズ201−の第1曲率比[R1−]および下流側列[L+]の第1レンズ201+の第1曲率比[R1+]よりも小さい。また、上流側列[L−]の第1レンズ201−の第1曲率比[R1−]と、下流側列[L+]の第1レンズ201+の第1曲率比[R1+]とは等しい。
そして、以上のような各第1レンズ201は、中央列[Lφ]の第1レンズ201φを通過した光[hφ]が平行光または収束光となり、かつ上流側列[L−]および下流側列[L+]の第1レンズ201−,201+を通過した光[h−],[h+]が発散光となるように配置されていることとする。ただし、中央列[Lφ]の第1レンズ201φを通過した光[hφ]が収束光となり、かつ上流側列[L−]および下流側列[L+]の第1レンズ201−,201+を通過した光[h−],[h+]が平行光または発散光となるように配置されていてもよい。
また各第2レンズ401は、射出面403と、像担持面21a上の像点[Pφ],[P−],[P+]との距離[d2φ],[d2−],[d2+]が異なるものである。すなわち、中央列[Lφ]の第2レンズ401φにおける射出面403と像点[Pφ]との距離[d2φ]は、上流側列[L−]の第2レンズ401−における射出面403と像点[P−]との距離[d2−]、および下流側列[L+]の第2レンズ401+における射出面403と像点[P+]との距離[d2+]よりも小さい。また、上流側列[L−]の距離[d2−]と、下流側列[L+]の距離[d2+]とは等しい。
そして、中央列[Lφ]における書込光学系23aφにおいては、距離[d2φ]≦距離[d1]に設定されている。この場合、距離[d2φ]<距離[d1]であれば、第1レンズ201φを通過した光[hφ]は収束光となる。これにより、第2レンズ401φを通過した光の結像位置は、第2レンズ401φに近づく方向に動き、共役長が短くなり、より近い位置にある像担持面21a上に像点[Pφ]を結像させることができる構成となっている。なお、像担持面21a上に像点[Pφ]を結像させることができれば、距離[d2φ]=距離[d1]としてもよく、この場合、第1レンズ201φを通過した光[hφ]は平行光となる。
また上流側列[L−]の書込光学系23a−および下流側列[L+]の書込光学系23a+においては、距離[d2−],[d2+]>距離[d1]に設定されている。この場合、第1レンズ201−,201+を通過した光[h−],[h+]は、発散光となる。これにより、第2レンズ401−、401+を通過した光の結像位置は、第2レンズ401−、401+から遠ざかる方向に動き、共役長が伸び、より遠い位置にある像担持面21a上に像点[P−][P]を結像させることができる構成となっている。
以上のような第2レンズ401は、各結像光学系23bにおいて、絞り開口301に対して第1レンズ201とは対称に配置され、かつ対称な形状を有しており、書込列[L]毎に、入射面402および射出面403の曲率比が異なるところが特徴的である。ここでは、第1レンズ201の定義とは逆に、第2レンズ401における入射面402の曲率に対する射出面403の曲率を、第2曲率比[R2]と定義する。
この場合、中央列[Lφ]を構成する第2レンズ401φの第2曲率比[R2φ]は、上流側列[L−]を構成する第2レンズ401−の第2曲率比[R2−]および下流側列[L+]を構成する第2レンズ401+の第2曲率比[R2+]と異なる。具体的には、結像光学系23bの光軸[xφ]方向における像担持面21aの位置が、発光素子基板100側に近いほど、第2レンズ401の第2曲率比[R2]が小さく、第2曲率比[R2φ]<第1曲率比[R2−],[R2+]である。
すなわち、共役長が短く、像点[Pφ]が発光点群101側に近い中央列[Lφ]の第2レンズ401φの第2曲率比[R2φ]は、共役長が長い上流側列[L−]の第2レンズ401−の第2曲率比[R2−]および下流側列[L+]の第2レンズ401+の第2曲率比[R2+]よりも小さい。また、上流側列[L−]の第2レンズ401−の第2曲率比[R2−]と、下流側列[L+]の第2レンズ401+の第2曲率比[R2+]とは等しい。
また、このような中央列[Lφ]においては第2曲率比[R2φ]=第1曲率比[R1φ]である。また、上流側列[L−]と下流側列[L+]においては、第2曲率比[R2−],[R2+]=第1曲率比[R1−],[R1+]である。
[光書込装置23の具体例]
次に、上述した光書込装置23の具体例を示す。下記表1は、第1実施形の光書込装置23における書込光学系23aのうち、中央列[Lφ]の書込光学系23aφの座標データである。また下記表2は、第1実施形の光書込装置23における書込光学系23aのうち、上流側列[L−]の書込光学系23a−の座標データである。なお、下流側列[L+]の座標データは、上流側列[L−]の座標データに対し、入射方向xが同一、主走査方向yおよび副走査方向zは符号を逆にすればよいため省略した。
下記表1および表2において示す座標データは、中央列[Lφ]に設けられた発光点群101の発光面101aの中心位置[O]を、入射方向x=0、主走査方向y=0、副走査方向z=0とした座標データである。第1レンズ201の入射面202および射出面203、絞り開口301、および第2レンズ401の入射面402および射出面403については、それぞれの中心の値を示している。また、それぞれの基板については、中央列[Lφ]の書込光学系23aφについての中心座標を共通で用いた。さらに感光体21の座標データは、感光体21の像担持面21aにおける像点[Pφ],[P−]においての座標データである。この感光体21は、半径22mmの円筒形のものである。
Figure 2020148877
Figure 2020148877
表1においては、第1レンズ201φの入射面202および射出面203、絞り開口301、第2レンズ401φの入射面402および射出面403の主走査方向yおよび副走査方向zの値が同一であり、これらが入射方向xに沿って一直線上に配置されていることがわかる。
また表2においては、第1レンズ201−の入射面202および射出面203、絞り開口301、第2レンズ401−の入射面402および射出面403の主走査方向yおよび副走査方向zの値が同一であり、これらが入射方向xに沿って一直線上に配置されていることがわかる。
また、第1レンズ201、絞り開口301、第2レンズ401、およびこれらを設けた基板の、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面とのなす角度は0度である。また感光体21は、円筒状である。このため、表1と表2を比較し、像担持面21aの入射方向xは、中央列[Lφ]の書込光学系23aφの方が、上流側列[L−]の書込光学系23a−よりも小さくなっている。また像担持面21aの角度は、中央列[Lφ]の書込光学系23aφでは0度であり、流側列[L−]の書込光学系23a−では斜めになっている。
下記表3(1)〜(4)には、中央列[Lφ]の書込光学系23aφを構成する第1レンズ201φと第2レンズ401φの非球面係数を示す。また下記表4(1)〜(4)には、上流側列[L−]の書込光学系23a−を構成する第1レンズ201−と第2レンズ401−の非球面係数を示す。なお、下流側列[L+]の書込光学系23a+のデータは、共通であるため省略した。
ここで示した第1レンズ201と第2レンズ401の面形状は軸対称非球面であり、球面項はなく、形状式は下記式(1)の通りである。
Figure 2020148877
また、この場合の曲率は、近軸曲率である。軸対称非球面において、近軸曲率=2×[2次の非球面係数]で表現される。表3および表4において、2次の非球面係数は[i=2]の非球面係数である。なお、第1レンズ201および第2レンズ401は、屈折率1.5145のガラス基板の両側主面上に、屈折率1.5285の樹脂からなる凸状レンズ部を設けた構成である。また、これらの第1レンズ201および第2レンズ401用いて構成された各書込光学系23aの結像倍率は、何れも[−1]倍である。
Figure 2020148877
Figure 2020148877
下記表5には、上記表3で示された中央列[Lφ]の第1レンズ201φに関する第1曲率比[R1φ]および第2レンズ401φに関する第2曲率比[R2φ]を示す。また、上記表4で示された上流側列[L−]の第1レンズ201−に関する第1曲率比[R1−]および第2レンズ401−に関する第2曲率比[R2−]を示す。なお、これらの第1曲率比[R1]および第2曲率比[R2]は、絶対値として示している。また、下流側列[L+]の第1レンズ201+に関する第1曲率比[R1+]および第2レンズ401+に関する第2曲率比[R2+]は、上流側列[L−]の値と同様であるため省略した。
Figure 2020148877
表5に示すように、像点[Pφ]が発光点群101に近く共役長が短い中央列[Lφ]の第1曲率比[R1φ]は、共役長が長い上流側列[L−]の第1曲率比[R1−]よりも小さい。また同様に、中央列[Lφ]の第2曲率比[R2φ]は、上流側列[L−]の第2曲率比[R2−]よりも小さい。
さらに表1の座標データに示されるように、中央列[Lφ]においては、発光面101aと第1レンズ201φの入射面202との距離[d1]は、[d1]=3.882である。また第2レンズ401φの射出面403と、像担持面21a上の像点[Pφ]との距離[d2φ]は、[d2φ]=19.747−16.118=3.629である。したがって、中央列[Lφ]においては、距離[d1]>距離[d2φ]であり、第1レンズ201φを通過した光[hφ]は収束光となっている。
また表2の座標データに示されるように、上流側列[L−]においては、発光面101aと第1レンズ201−の入射面202との距離[d1]は、[d1]=3.882である。また第2レンズ401−の射出面403と、像担持面21a上の像点[P−]との距離[d2−]は、[d2−]=20.253−16.118=4.135である。したがって、上流側列[L−]においては、距離[d1]<距離[d2−]であり、第1レンズ201−を通過した光[h−]は発散光となっている。
さらに各書込光学系23aの結像倍率は[−1]倍なので、これらの表1〜表5のコンストラクションデータの座標および非球面係数からわかるように、中央列[Lφ]および上流側列[L−]の第1レンズ201および第2レンズ401は、絞り開口301に対して対称に配置されており、面形状も対称であり、第1実施形態で示した構成のものとなっている。
このような具体例に示す書込光学系23aでは、各結像光学系23bが両側テレセントリックであることにより、像担持面21aにおける結像位置精度が確保された構成となっている。しかも、各書込光学系23aは、光軸[xφ]方向における像担持面21aの高さ位置に応じて、第1レンズ201と第2レンズ401の曲率比[R1],[R2]を補正することによって共役長を調整し、これにより像担持面21a上に像点[Pφ],[P−],[P−]を結像させる構成としている。したがって、円筒状の感光体21の像担持面21a上の各位置における露光量のばらつきを抑えることが可能である。さらに、第1レンズ201および第2レンズ401の両方の曲率比[R1],[R2]を補正することにより、各結像光学系23bの倍率を均一に保つことが可能である。
≪第2実施形態≫
図8は、第2実施形態のレンズアレイの断面図である。この図に示す第2実施形態のレンズアレイ2が、第1実施形態のレンズアレイと異なるところは、樹脂レンズ層1003’および裏面樹脂層1004’の形状にあり、他の構成は同様である。
すなわち樹脂レンズ層1003’は、各レンズ部1003aが島状に独立して設けられた構成のものであってもよい。このような樹脂レンズ層1003’を形成する場合には、例えば各レンズ部1003aに未硬化の樹脂を滴下し、これを硬化させることによって形成する。各レンズ部1003aの形状は、未硬化の樹脂の粘度や滴下量によって調整する。
また同様に、裏面樹脂層1004’は、各レンズ部1004aが島状に独立して設けられた構成のものであってもよい。このような裏面樹脂層1004’を形成する場合には、例えば各レンズ部1004aに未硬化の樹脂を滴下し、これを硬化させることによって形成する。各レンズ部1004aの形状は、未硬化の樹脂の粘度や滴下量によって調整する。
このような構成のレンズアレイ2は、第1実施形態で説明したレンズアレイと同様に、光書込装置および画像形成装置に設置して用いることができる。
以上のような第2実施形態のレンズアレイ2によれば、ガラス基板1001上に独立した島状に設けられたレンズ部1003a,1004aからなる各レンズ201の位置精度は、ガラス基板1001の膨張係数のみに依存することになる。したがって第2実施形態のレンズアレイ2は、第1実施形態のレンズアレイ1と比較して、さらに環境変化によるレンズ部1003aの位置ズレを抑える効果が高いものとなる。
なお、本第2実施形態では、樹脂レンズ層1003’および裏面樹脂層1004’の両方を島状の構成としたが、樹脂レンズ層1003’および裏面樹脂層1004’の一方のみを島状の構成としてもよい。
≪第3実施形態≫
図9は、第3実施形態のレンズアレイの断面図である。この図に示す第3実施形態のレンズアレイ3が、第1実施形態のレンズアレイと異なるところは、遮光層1002’の構成にあり、他の構成は同様である。
すなわち遮光層1002’は、ガラス基板1001の一方の主面側の表面層内に形成されたものであってもよい。このような遮光層1002’は、例えばガラス基板1001の表面層を変質させ、また染色することによって形成され、ガラス基板1001の表面層において変質または染色していない部分が光線通過開口1002aとなる。このような遮光層1002’は、例えばレーザーマーキング加工、ステイン法、X線や紫外線等の光照射による着色によって形成される。
このような構成のレンズアレイ3は、第1実施形態で説明したレンズアレイと同様に、光書込装置および画像形成装置に設置して用いることができる。
以上のような第3実施形態のレンズアレイ3であっても、第1実施形態のレンズアレイと同様の効果を得ることができる。なお、本第3実施形態は、先の第2実施形態と組み合わせることが可能であり、組み合わせることによって第2実施形態の効果を得ることもできる。
≪第4実施形態≫
図10は、第4実施形態のレンズアレイの断面図である。この図に示す第4実施形態のレンズアレイ4が、第1実施形態のレンズアレイと異なるところは、裏面樹脂層1004”を平坦膜としたところにあり、他の構成は同様である。この場合、レンズアレイ4に設けられる各レンズ201’は、樹脂レンズ層1003が有する各レンズ部1003aのみからなる片面凸レンズとなる。
以上のような第4実施形態のレンズアレイ4であっても、第1実施形態のレンズアレイと同様の効果を得ることができる。なお、本第4実施形態は、他の実施形態と組み合わせることが可能であり、組み合わせることによって他の実施形態の効果を得ることもできる。
≪第5実施形態≫
図11は、第5実施形態のレンズアレイの平面図である。この図に示す第5実施形態のレンズアレイ5が、第1実施形態のレンズアレイと異なるところは、遮光層1002に設けた光線通過開口1002a’の形状にあり、他の構成は同様である。
すなわち、遮光層1002に設けた光線通過開口1002a’は、平面視的な形状が円形ではなく、一方向に長い長円形となっている。例えば、このレンズアレイ5が、図5〜図7を用いて説明した光書込装置23の第1レンズアレイ200または第2レンズアレイ400として設けられるものである場合を想定する。この場合、発光素子基板100に設けた各発光点群101は、例えば主走査方向yに長く、副走査方向zに短い矩形形状の領域に複数の発光点102を配置した構成となっている。そこで、図11に示すように、レンズアレイ5を光書込装置23に設置した場合に、光線通過開口1002a’の開口形状が主走査方向yに長くなる長円形とする。
これにより、このレンズアレイ5を第1レンズアレイ200または第2レンズアレイ400として用いた光書込装置23においては、光線通過開口1002a’の開口径が、[主走査方向yの大きさ]≧[副走査方向zの大きさ]となる。
このような第5実施形態のレンズアレイ5は、レンズアレイ5を設ける光書込装置23の発光点群101の平面形状に、遮光層1002に設けた光線通過開口1002a’の平面形状を合わせた構成である。これにより、光線通過開口1002a’に対して、対応する発光点群101から発生させた光を無駄なく通過させつつ、光線通過開口1002a’を最小限の大きさに制限して有害光がレンズ201を通過することを防止できる。なお、本第5実施形態は、他の実施形態と組み合わせることができ、組み合わせることによって他の実施形態の効果を得ることもできる。
≪第6実施形態≫
図12は、第6実施形態のレンズアレイの平面図である。この図に示す第6実施形態のレンズアレイ6は、第5実施形態のレンズアレイの変形例であり、図5〜図7を用いて説明した光書込装置23の第1レンズアレイ200または第2レンズアレイ400として設けられる場合を想定したものである。このレンズアレイ6は、樹脂レンズ層1003のレンズ部1003a’および裏面樹脂層1004のレンズ部1004a’の平面視的な形状が、発光素子基板100に設けた各発光点群101および光線通過開口1002a’の形状に合わせて一方向に長い長円形状となっている。
レンズ部1003a’およびレンズ部1004a’のレンズ面は、軸対称非球面で平面視的な形容を長円形状とした場合であっても、レンズ面を自由曲面(すなわち回転対称軸を持たないYZ多項式面)としてよい。
またレンズアレイ6は、例えば光書込装置23に設けた場合に、副走査方向zにおけるレンズ201”間の間隔が十分に広ければ、遮光層1002”が主走査方向yとなる方向に長い島状に分離されていてもよい。この場合、分離された遮光層1002”間は、光線通過領域となるが、この部分を通過した光線は、光軸[xφ](図5参照)に対して、かなり角度を持った光線に限定され、感光体21に到達することはない。
このような第6実施形態であっても、第5実施形態と同様の効果を得ることができる。また、遮光層1002”を分離した構成であれば、遮光層1002”における遮光材料部分の面積が狭くなるため、遮光層1002”の形成方法によってはその形成時間を短縮することができ、また低コスト化を図ることが可能である。
≪光書込装置の他の例≫
図13は、レンズアレイを備えた光書込装置の他の例を示す模式的な断面図であって、第7実施形態を説明する図である。この図に示す光書込装置23’が、第1実施形態で説明した光書込装置23と異なるところは、発光素子基板100’、遮光体150’、第1レンズアレイ200、絞り基板300、および第2レンズアレイ400の配置状態にある。そして、それぞれに設けられた発光点群101、第1レンズ201、絞り開口301、および第2レンズ401および他の光学的な構成は、第1実施形態で説明した構成と同様である。例えば、各光書込装置23’においての、発光点群101、第1レンズ201、絞り開口301、および第2レンズ401の関係は、第1実施形態で示した関係と同様である。
すなわち、光書込装置23’は、発光素子基板100’、遮光体150’、第1レンズアレイ200、絞り基板300、および第2レンズアレイ400のそれぞれと、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面とのなす角度が0度ではなく、以下のような傾きを有する。
[発光素子基板100’]
発光素子基板100’は、発光素子基板100’の基板面に沿って複数の発光点群101を二次元に設けたものであり、各発光点群101は、像担持面21aに対向し、入射方向xに対して垂直であり、主走査方向yおよび副走査方向zに対して平行な面に設けられている。
また全ての発光点群101の中心点は略同一平面上に存在する。発光点群101の中心点が存在する平面107と、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面108とのなす角度[θ1]は、0度ではなく傾きを有している。
このような発光点群101が配置された発光素子基板100’は、中央列[Lφ]、上流側列[L−]、および下流側列[L+]のそれぞれについて発光点群101が設けられた基板を備え、これらの基板を光軸[xφ](入射方向x)方向に重ねた構成のものとなっている。
[遮光体150’]
遮光体150’は、発光素子基板100’の各発光点群101から放出された光が、各発光点群101と1:1で対応する第1レンズ201の広い面に到達し、それ以外の第1レンズ201には照射されることのないように構成されている。このような遮光体150’は、例えば発光素子基板100’の感光体21に向かう面に設けられ、発光素子基板100’と第1レンズアレイ200との間を埋める十分な入射方向xの高さを有し、第1レンズ201間を遮光する。
[第1レンズアレイ200]
第1レンズアレイ200は、例えば第1実施形態のレンズアレイ1であって、遮光層1002を絞り基板300側に向けた状態で配置されている。このレンズアレイ1は、その基板面に沿って複数の第1レンズ201が、二次元に設けられたものである。これらの各第1レンズ201は、それぞれの芯厚が入射方向xに平行であって、同一の大きさを有する。
また全ての第1レンズ201の芯厚の中心が同一平面上に配置されている。芯厚の中心が配置された平面207と、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面208とのなす角度[θ2]は、角度[θ2]<[θ1]の範囲で傾きを有する。なお、この場合であっても、結像光学系23bの光軸[xφ]方向における像担持面21aの位置が、発光素子基板100’側により近い中央列[Lφ]を構成する第1レンズ201φの第1曲率比[R1φ]は、上流側列[L−]を構成する第1レンズ201−の第1曲率比[R1−]および下流側列[L+]を構成する第1レンズ201+の第1曲率比[R1+]よりも小さいことは第1実施形態と同様であってよい。
また第2レンズアレイ400として第1実施形態のレンズアレイ1を用いる場合、このレンズアレイ1は、遮光層1002が設けられた面を絞り基板300側に向けた状態で配置されることも第1実施形態と同様である。
[絞り基板300]
絞り基板300は、その基板面に沿って複数の絞り開口301が二次元に設けられたものである。これらの絞り開口301は、その中心点が略同一平面上に存在する。絞り開口301の中心点が存在する平面307と、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面308とのなす角度[θ3]は、角度[θ3]<[θ2]の範囲で傾きを有する。
[第2レンズアレイ400]
第2レンズアレイ400は、その基板面に沿って第2レンズ401が二次元に設けられたものである。これらの各第2レンズ401は、それぞれの芯厚が入射方向xに平行であって、同一の大きさを有する。
また全ての第2レンズ401の芯厚の中心が同一平面上に配置されている。芯厚[t2]の中心が配置された平面407と、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面408とのなす角度[θ4]は、角度[θ4]<[θ3]の範囲で傾きを有する。なお、この場合であっても、結像光学系23bの光軸[xφ]方向における像担持面21aの位置が、発光素子基板100’側により近い中央列[Lφ]を構成する第2レンズ401φの第2曲率比[R2φ]は、上流側列[L−]を構成する第2レンズ401−の第2曲率比[R2−]および下流側列[L+]を構成する第2レンズ401+の第2曲率比[R2+]よりも小さいことは第1実施形態と同様である。
<光書込装置23’の具体例>
次に、上述した光書込装置23’の具体例を示す。下記表6は、第2実施形の光書込装置23’における中央列[Lφ]の書込光学系23aφの座標データである。また下記表7は、第2実施形の光書込装置23’における上流側列[L−]の書込光学系23a−の座標データである。さらに下記表8は、第2実施形の光書込装置23’における下流側列[L+]の書込光学系23a+の座標データである。
下記表6〜表8において示す座標データは、中央列[Lφ]に設けられた発光点群101の発光面101aの中心位置[O]を、入射方向x=0、主走査方向y=0、副走査方向z=0とした座標データである。第1レンズ201の入射面202および射出面203、絞り301、および第2レンズ401の入射面402および射出面403については、それぞれの中心の値を示している。また、第1レンズアレイ200および第2レンズアレイ400の基板材料については、中央列[Lφ]の書込光学系23aφにおける入射面側の中心座標を共通で用いた。第1レンズアレイ200および第2レンズアレイ400の基板材料の射出面の座標は、入射面側の中心座標においての入射面に対する法線方向の座標を示した。発光素子基板100’は、中央列[Lφ]、上流側列[L−]、および下流側列[L+]のそれぞれについて発光点群101が設けられた基板を重ねた構成であるため、座標もそれぞれ示している
さらに感光体21の座標データは、感光体21の像担持面21aにおける像点[Pφ],[P−],[P+]においての座標データである。この感光体21は、半径22mmの円筒形(円筒状)のものである。
Figure 2020148877
Figure 2020148877
Figure 2020148877
表6〜表8に示されるように書込光学系23aφ,23a−,23a+のいずれも、第1レンズ201の入射面202および射出面203、絞り301、第2レンズ401の入射面402および射出面403の主走査方向yおよび副走査方向zの値が同一であり、これらが入射方向xに沿って一直線上に配置されていることがわかる。
また、第1レンズ201、絞り301、第2レンズ401、およびこれらを設けた基板の、光軸[xφ](入射方向x)に垂直な平面とのなす角度は0度ではなく傾きを有している。また感光体21は、円筒状である。このため、表6〜表8の像担持面21aの座標を比較すると、入射方向xについては、中央列[Lφ]の書込光学系23aφの方が、上流側列[L−]の書込光学系23a−および下流側列[L+]の書込光学系23a+よりも小さくなっている。また像担持面21aの角度は、中央列[Lφ]の書込光学系23aφでは0度であり、流側列[L−]の書込光学系23a−および下流側列[L+]の書込光学系23a+では斜めになっている。
下記表9(1)〜(4)には、中央列[Lφ]の書込光学系23aφを構成する第1レンズ201φと第2レンズ401φの非球面係数を示す。また下記表10(1)〜(4)には、上流側列[L−]の書込光学系23a−を構成する第1レンズ201−と第2レンズ401−の非球面係数を示す。さらに下記表11(1)〜(4)には、下流側列[L+]の書込光学系23a+を構成する第1レンズ201+と第2レンズ401+の非球面係数を示す。
ここで示した第1レンズ201と第2レンズ401の面形状は、第1実施形態で示したものと同様の軸対称非球面であり、曲率は近軸曲率である。軸対称非球面において、近軸曲率=2×[2次の非球面係数]で表現される。表9〜表11において、2次の非球面係数はi=2の非球面係数である。なお、第1レンズ201および第2レンズ401は、屈折率1.5145のガラス基板の両側主面上に、屈折率1.5285の樹脂からなる凸状レンズ部を設けた構成である。また、これらの第1レンズ201および第2レンズ401用いて構成された各書込光学系23aの結像倍率は、何れも[−1]倍である。
Figure 2020148877
Figure 2020148877
Figure 2020148877
下記表12には、上記表9〜表11で示された各第1レンズ201に関する第1曲率比[R1]および第2レンズ401に関する第2曲率比[R2]を示す。なお、これらの第1曲率比[R1]および第2曲率比[R2]は、絶対値として示している。
Figure 2020148877
表12に示すように、像点[Pφ]が発光素子基板100’に近く共役長が短い中央列[Lφ]の第1曲率比[R1φ]は、共役長が長い上流側列[L−]の第1曲率比[R1−]および下流側列[L+]の第1曲率比[R1+]よりも小さい。また同様に、中央列[Lφ]の第2曲率比[R2φ]は、上流側列[L−]の第2曲率比[R2−]および下流側列[L+]の第2曲率比[R2+]よりも小さい。
さらに表6の座標データに示されるように、中央列[Lφ]においては、発光面101aと第1レンズ201φの入射面202との距離[d1φ]は、[d1φ]=4.257である。また第2レンズ401φの射出面403と、像担持面21a上の像点[Pφ]との距離[d2φ]は、[d2φ]=21.247−17.243=4.004である。したがって、中央列[Lφ]においては、距離[d1φ]>距離[d2φ]であり、第1レンズ201φを通過した光[hφ]は収束光となっている。
また表7の座標データに示されるように、上流側列[L−]においては、発光面101aと第1レンズ201−の入射面202との距離[d1−]は、[d1−]=5.381−1.500=3.881である。また第2レンズ401−の射出面403と、像担持面21a上の像点[P−]との距離[d2−]は、[d2−]=21.753−17.619=4.134である。したがって、上流側列[L−]においては、距離[d1−]<距離[d2−]であり、第1レンズ201−を通過した光[h−]は発散光となっている。
また表8の座標データに示されるように、下流側列[L+]においては、発光面101aと第1レンズ201+の入射面202との距離[d1+]は、[d1+]=3.132−(−1.500)=4.632である。また第2レンズ401+の射出面403と、像担持面21a上の像点[P+]との距離[d2+]は、[d2+]=21.753−16.868=4.885である。したがって、下流側列[L+]においては、距離[d1+]<距離[d2+]であり、第1レンズ201+を通過した光[h−]は発散光となっている。
さらに各書込光学系23aの結像倍率は[−1]倍なので、これらの表6〜表12のコンストラクションデータの座標および非球面係数からわかるように、中央列[Lφ]、上流側列[L−]、および下流側列[L+]の第1レンズ201および第2レンズ401は、絞り301に対して対称に配置されており、面形状も対称であり、第2実施形態で示した構成のものとなっている。
<第7実施形態の効果>
このような構成の光書込装置23’であっても、第1レンズアレイ200さらには第2レンズアレイ400として第1実施形態のレンズアレイ1を用いたことにより、第1実施形態の光書込装置23と同様の効果を奏することが可能である。また第1レンズアレイ200さらには第2レンズアレイ400としては、第2実施形態〜第6実施形態のうちの何れかのレンズアレイを用いることも可能であり、それぞれのレンズアレイを用いたことによる効果を得ることができる。
またこの光書込装置23’は、発光点群101、第1レンズ201、絞り301、および第2レンズ401の関係は、第1実施形態の光書込装置におけるこれらの関係と同様である。このため、第1実施形態で説明した光書込装置23と同様に、像担持面21aにおける結像位置精度が確保され、円筒状の感光体21の像担持面21a上の各位置における露光量のばらつきを抑えることが可能であり、かつ各結像光学系23bの倍率を均一に保つことが可能な構成のものとなっている。またこの光書込装置23’を備えた画像形成装置10によれば、画像の形成精度の向上を図ることが可能なものとなっている。
1,2,3,4,5,6…レンズアレイ
10…画像形成装置
21…感光体
21a…像担持面
23,23’…光書込装置
23b…結像光学系
100,100’…発光素子基板
101…発光点群
102…発光点
200…第1レンズアレイ
300…絞り基板
301…絞り開口
400…第2レンズアレイ
1001…ガラス基板
1002…遮光層
1002a,1002a’…光線通過開口
1003…樹脂レンズ層
1003a,1003a’…レンズ部(樹脂レンズ層)
1004…裏面樹脂層
1004a,1004a’…レンズ部(裏面樹脂層)

Claims (17)

  1. 複数のレンズを二次元に配列したレンズアレイであって、
    ガラス基板と、
    複数の光線通過開口を有し前記ガラス基板の一方の主面側に設けられた遮光層と、
    前記遮光層を備えた前記ガラス基板の一主面上に設けられ、前記各光線通過開口に対応して配置されたレンズ部を有する樹脂レンズ層と、
    前記ガラス基板の他方の主面上に設けられた裏面樹脂層とを備えた
    レンズアレイ。
  2. 前記遮光層は、前記ガラス基板の一方の主面上に設けられた層である
    請求項1に記載のレンズアレイ。
  3. 前記遮光層は、前記ガラス基板の一方の主面側の表面層に設けられた層である
    請求項1に記載のレンズアレイ。
  4. 前記各レンズ部の周端縁は、前記光線通過開口の外側に配置され、前記遮光層と前記レンズ部の周端縁とが平面視的な重なりを有する
    請求項1〜3のうちの何れか1項に記載のレンズアレイ。
  5. 前記各光線通過開口は、一方向に長い開口径を有する
    請求項1〜4のうちの何れか1項に記載のレンズアレイ。
  6. 前記レンズ部は、平面視的な形状が前記光線通過開口と同一方向に長い楕円形状を有する
    請求項5に記載のレンズアレイ。
  7. 前記レンズ部は、凸レンズ形状のものである
    請求項1〜6のうちの何れか1項に記載のレンズアレイ。
  8. 前記裏面樹脂層は、前記複数の光線通過開口のそれぞれに対応する位置に設けられたレンズ部を有する
    請求項1〜7のうちの何れか1項に記載のレンズアレイ。
  9. 前記ガラス基板と、前記樹脂レンズ層および前記裏面樹脂層との屈折率差が、それぞれ0.1以下である
    請求項1〜8のうちの何れか1項に記載のレンズアレイ。
  10. 前記樹脂レンズ層は、前記複数のレンズ部の間に設けられた平坦部を有し、前記平坦部の膜厚が0.3mm以下である
    請求項1〜9のうちの何れか1項に記載のレンズアレイ。
  11. 前記レンズ層は、前記レンズ部が独立した島状に形成されている
    請求項1〜9のうちの何れか1項に記載のレンズアレイ。
  12. 請求項1〜11のうちの何れか1項に記載のレンズアレイの製造方法であって、
    ガラス基板の一方の主面側に、複数の光線通過開口を有する遮光層を形成する工程と、
    前記遮光層が形成された前記ガラス基板の一方の主面上に、前記各光線通過開口に対応して配置されたレンズ部を有する樹脂レンズ層を形成する工程と、
    前記ガラス基板の他方の主面上に裏面樹脂層を形成する工程とを備えた
    レンズアレイの製造方法。
  13. 円筒状の感光体の側周面からなる像担持面に対向して設けられ、前記像担持面に光書き込みを行うための光書込装置であって、
    二次元に配列された発光点群を有する発光素子基板と、
    前記各発光点群からの光を前記像担持面上の異なる各位置に結像させる結像光学系とを備え、
    前記結像光学系は、請求項1〜11のうちの何れか1項に記載のレンズアレイを有する
    光書込装置。
  14. 前記結像光学系は、前記発光素子基板側から順に配置された、第1レンズアレイと、絞り開口が設けられた絞り基板と、第2レンズアレイとを有し、
    前記レンズアレイは、前記第1レンズアレイおよび前記第2レンズアレイの少なくとも一方として設けられている
    請求項13に記載の光書込装置。
  15. 前記レンズアレイは、前記絞り基板側に前記遮光層を向けて配置されている
    請求項14に記載の光書込装置。
  16. 前記発光素子基板の各発光点群は、前記感光体の軸方向に沿った長尺状に発光点を二次元に配置してなり、
    前記遮光層の各光線通過開口は、前記感光体の軸方向に沿った向に長い開口径を有し、前記発光点群に対応して設けられている
    請求項14または15に記載の光書込装置。
  17. 側周面を像担持面とした円筒状の感光体と、
    前記像担持面に対向して設けられたもので前記像担持面に光書き込みを行うための光書込装置とを備え、
    前記光書込装置は、請求項13〜16のうちの何れか1項に記載の光書込装置である
    画像形成装置。
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