JP2020148689A - 検出装置及びスペクトル生成装置 - Google Patents

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【課題】スペクトルに現れるサムピークによる誤検出を低減する。【解決手段】エネルギー線を検出して検出信号を出力する検出部10と、検出信号の立ち上がりを示すファスト系信号を生成するファスト系信号処理と、ファスト系信号処理よりもフィルタ時定数が長く、検出信号の信号強度を示すスロー系信号を生成するスロー系信号処理とを行い、ファスト系信号及びスロー系信号を用いて、信号強度とカウント数とを対応づけたスペクトルを生成する信号処理部20とを備え、信号処理部20は、フィルタ時定数が互いに異なる複数のファスト系信号処理を行うものであり、複数のファスト系信号処理により得られた複数のファスト系信号とスロー系信号とを用いて、複数のファスト系信号処理それぞれのフィルタ時定数に対応した複数のスペクトルを生成する。【選択図】図1

Description

本発明は、例えば放射線や光等のエネルギー線を検出する検出装置及び当該検出装置に用いられるスペクトル生成装置に関するものである。
従来の放射線検出装置としては、特許文献1に示すように、シリコンドリフト検出器(SDD(Silicon Drift Detector))等の放射線検出器から出力される電荷の積算量を、CSA(Charge Sensitive Amplifier)等の変換部によりその積算量に応じた積算信号(例えば電圧信号)に変換して、DPP(Digital Pulse Processor)等のパルスプロセッサに入力する構成とされている。このパルスプロセッサは、フィルタを用いて、階段状波形からなる積算信号をパルス信号に整形する。このパルス信号の波高値は、放射線のエネルギーに対応している。そして、このパルス信号をMCA(Multi Channel Analyzer)等のカウンタで波高別にカウントすることによって、放射線スペクトルを得ることができる。
この放射線検出装置の課題として、放射線スペクトルにおいて、複数のピークが重なることによるサムピークがある。サムピークは、ほぼ同時に発生した放射線を同時に捉えてしまうことで、大きなエネルギーの別の元素として、スペクトル上にピークを形成してしまい、含有元素の誤検出の要因となる。
サムピーク対策として、検出信号の立ち上がりを検出するためのフィルタ時定数の短いファスト系信号処理と、検出信号の信号強度を検出するためのフィルタ時定数の長いスロー系信号処理とを行うことが行われている。ファスト系信号処理により、放射線検出器に入射した放射線をより小さな時間分解能で分別でき、分別した放射線のエネルギーはスロー系信号処理により高精度に検出することができる。そして、ファスト系信号処理のフィルタ時定数を最大限短くすることによって、サムピークを低減する試みがなされていた。
しかしながら、放射線検出装置において、放射線の入射がランダムであることから、如何にファスト系信号処理のフィルタ時定数を短くしても、サムピークをゼロにすることは物理的に不可能である。
特開2014−219362号公報
そこで本発明は、上記問題点を一挙に解決すべくなされたものであり、スペクトルに現れるサムピークによる誤検出を低減することをその主たる課題とするものである。
すなわち本発明に係る検出装置は、エネルギー線を検出して検出信号を出力する検出部と、前記検出信号の立ち上がりを示すファスト系信号を生成するファスト系信号処理と、前記ファスト系信号処理よりもフィルタ時定数が長く、前記検出信号の信号強度を示すスロー系信号を生成するスロー系信号処理とを行い、前記ファスト系信号及び前記スロー系信号を用いて、前記信号強度とカウント数とを対応づけたスペクトルを生成する信号処理部とを備え、前記信号処理部は、フィルタ時定数が互いに異なる複数のファスト系信号処理を行うものであり、当該複数のファスト系信号処理により得られた複数のファスト系信号と前記スロー系信号とを用いて、前記複数のファスト系信号処理それぞれのフィルタ時定数に対応した複数の前記スペクトルを生成することを特徴とする。
この検出装置によれば、ファスト系信号処理それぞれのフィルタ時定数に対応した複数のスペクトルを生成しているので、それら複数のスペクトルを比較することによって、2つ以上のピークが重なって生じるサムピークを視覚的に又は自動的に見極めることができる。その結果、サムピークによる誤検出を低減することができる。
また、検出装置は、前記信号処理部により得られた複数の前記スペクトルを用いて、前記ファスト系信号処理のフィルタ時定数をゼロとした場合に推定されるスペクトルを算出する推定スペクトル算出部をさらに備えることが望ましい。
この構成であれば、自動的にサムピークが除去されたスペクトルを得ることができるので、装置の使い勝手を良くすることができるとともに、視覚的に判断することに比べてサムピークの除去を確実に行うことができる。
その他、検出装置は、前記信号処理部により得られた複数の前記スペクトルを用いて、前記ファスト系信号処理のフィルタ時定数とは異なるフィルタ時定数を用いた場合に推定されるスペクトルを算出する推定スペクトル算出部をさらに備えることが望ましい。
ユーザがサムピークを判別する場合に、その作業を容易にするためには、検出装置は、前記信号処理部により得られた複数の前記スペクトルを同一画面上に出力するスペクトル出力部をさらに備えることが望ましい。
本発明の検出装置は、放射線検出装置として用いることが考えられる。この場合、前記検出部は、前記放射線が入射することにより発生した電荷を出力する放射線検出器と、前記発生した電荷をアナログ信号に変換するプリアンプと、前記プリアンプからのアナログ信号をデジタル信号である検出信号に変換するA/D変換部とを備える。
また、本発明に係るスペクトル生成装置は、検出信号の立ち上がりを示すファスト系信号を生成するファスト系信号処理と、前記ファスト系信号処理よりもフィルタ時定数が長く、前記検出信号の信号強度を示すスロー系信号を生成するスロー系信号処理とを行い、前記ファスト系信号及び前記スロー系信号を用いて、前記信号強度とカウント数とを対応づけたスペクトルを生成するスペクトル生成装置であって、フィルタ時定数が互いに異なる複数のファスト系信号処理を行い、当該複数のファスト系信号処理により得られた複数のファスト系信号と前記スロー系信号とを用いて、前記複数のファスト系信号処理それぞれのフィルタ時定数に対応した複数の前記スペクトルを生成することが望ましい。
このように構成した本発明によれば、スペクトルに現れるサムピークによる誤検出を低減することができる。
本実施形態の検出装置(X線検出装置)の構成を示す模式図である。 ファスト系信号処理におけるフィルタ時定数を変化させた場合のスペクトルs1(i)〜s5(i)、s´(i)を示す図である。 各チャンネルにおける多項近似式の例を示す模式図である。 別の信号処理部におけるサムピークの除去方法を示す模式図である。
以下に本発明に係る検出装置の一態様であるX線検出装置について図面を参照して説明する。
本実施形態のX線検出装置100は、図1に示すように、X線を検出して検出信号を出力する検出部10と、当該検出部10からの検出信号を処理してスペクトルを生成する信号処理部20とを備えている。
検出部10は、X線が入射することにより発生した電荷を出力するX線検出器2と、X線検出器2から出力される電荷の積算量をその積算量に応じたアナログ積算信号である電圧信号に変換する電圧信号に変換するプリアンプ3と、プリアンプ3からのアナログ電圧信号をデジタル電圧信号に変換するA/D変換部4とを備えている。
X線検出器2は、シリコンドリフト検出器(SDD(Silicon Drift Detector))である。なお、シリコンドリフト検出器は、同心状の電極構造により中心部の収集電極に集めるものである。そして、このシリコンドリフト検出器では、入射したX線を空乏層で吸収し、当該空乏層において入射したX線のエネルギーに比例した数の電子−正孔対が生成される。生成された電子は、シリコンドリフト検出器内の電位勾配に従って、発生した電子は収集電極(アノード)に流れる。これにより、シリコンドリフト検出器は、入射したX線のエネルギーに比例した電荷を出力する。
プリアンプ3は、電荷増幅器(CSA(Charge Sensitive Amplifier))であり、X線検出器2から出力された電荷をオペアンプ31及びコンデンサ32により積分・増幅して、X線のエネルギーに比例した電圧信号(アナログ信号)に変換するものである。プリアンプ3は、オペアンプ31と、オペアンプ31の入力端子(反転入力端子)及び出力端子の間に接続されたコンデンサ32と、コンデンサ32の電荷をリセット(放電)させる半導体スイッチ(例えばFET)等のスイッチ33とを有する。
信号処理部20は、デジタルパルスプロセッサにより構成されており、A/D変換部4からのデジタル電圧信号からノイズを除去するノイズ除去フィルタ5と、ノイズ除去フィルタ5を通過したデジタル電圧信号からパルス信号を生成する波形整形部6と、波形整形部6からのパルス信号等を用いてX線のエネルギー(信号強度に対応)を算出するエネルギー算出部7と、エネルギー算出部7により得られたX線のエネルギーを、エネルギー別にカウントするカウント部8とを備えている。なお、ノイズ除去フィルタ5は、必須の構成ではなく、A/D変換部4からのデジタル信号をそのまま波形整形部6に入力しても良い。また、信号処理部20は、パルス信号の信号強度を、信号強度別にカウントするものであっても良い。
ノイズ除去フィルタ5は、A/D変換部4によりからのデジタル電圧信号に含まれるホワイトノイズを除去するものである。具体的にノイズ除去フィルタ5は、A/D変換部4からのデジタル電圧信号の値を、所定の基準値からの差に応じた重み付け係数を用いて、加重移動平均することによってノイズを除去する。より詳細には、ノイズ除去フィルタ5は、時刻t=tにおける基準値v(t)に応じて、時刻t−nΔt≦t<t+nΔtにおける電圧値v(t)=v(t−nΔt)〜v(t+nΔt)に、v(t)−v(t)に応じた重み付け係数w(t)を用いて電圧値v(t)を加重移動平均する。ここで、ノイズ除去フィルタ5は、FPGA、ASIC又はDSP等のデジタル信号処理デバイス(デジタル回路)で構成されており、リアルタイムにパイプライン処理を行うという条件においてロジックリソースや処理速度の制約により、電圧方向に矩形状をなす重み付け係数(0/1の重み付け)を用いている。
波形整形部6は、A/D変換部4からのデジタル電圧信号から例えば台形波形のパルス信号を生成する。
ここで、本実施形態の波形整形部6は、スロー系波形出力部61とファスト系波形出力部62とを備えている。
スロー系波形出力部61は、X線のエネルギーに対して高分解能を有するものであり、大きいフィルタ時定数を用いて、A/D変換部4からのデジタル電圧信号をフィルタ処理することにより、時間幅の大きい台形波形のパルス信号を生成するものである。なお、このスロー系波形出力部61により得られた時間幅の大きいパルス信号は、エネルギー算出部7に出力されてX線情報に生成に用いられる。
なお、スロー系波形出力部61は、十分なエネルギー分解能を得るには、通常0.5〜4μsのフィルタ時定数が最適(この値はX線計数率、ノイズ、測定対象元素などに依存)である。また、信号の立ち上がりによる整形波形の鈍りを考慮し、パルス波形の頂上が平坦な台形となるよう、ホールディングタイムHTを数10〜数100ns設ける(この値はSDDやCSA、プリアンプの特性や付加容量に依存)。このようにスロー系波形出力部61の台形フィルタのフィルタ時定数は、最大波高を与える時間であるピーキングタイムPTとホールディングタイムHTとに基づいて、2PT+HT(+DT)となる。なお、DTは、PTやHTをゼロとしたときのパルス幅、つまり波形のなまり時間を意味する。これにより、平坦部の平均値(或いはピーク(極大値))と立ち上がり前の値(ベースライン)の平均値の差を取ることで、入射X線のエネルギーに比例したパルス波高値が得られ、ファスト系波形出力部のパルス信号を用いるより正確なエネルギー値が得られるが、全体のプロセス時間(2PT+HT)はファスト系波形出力部62より長くなり、その期間に複数のX線が入射すると、台形波が重なってしまい、個々の台形波の波高値が正確に取得できなくなってしまう。
また、ファスト系波形出力部62は、X線の入射検出に対して高分解能を有するものであり、スロー系波形出力部61よりも小さい時定数を用いて、A/D変換部4からのデジタル電圧信号をフィルタ処理することにより、時間幅の小さいパルス信号(タイミングパルス)を生成するものである。このファスト系波形出力部62のフィルタ時定数も、ピーキングタイムPTとホールディングタイムHTとに基づいて、2PT+HT(+DT)となる。なお、このファスト系波形出力部62により得られた時間幅の小さいパルス信号は、パイルアップの検出等に用いられる。
また、エネルギー算出部7は、波形整形部6のスロー系波形出力部61からのパルス信号のうち、ファスト系波形出力部62によりパイルアップ検出されたものを除いたものからX線のエネルギーを算出する。
カウント部8は、マルチチャンネルアナライザ(MCA)である。このカウント部8は、エネルギー別に、エネルギー算出部7により算出されたエネルギーEが入力された回数をカウントして、X線情報であるX線スペクトルを生成する。
そして、本実施形態のX線検出装置は、ファスト系波形出力部62が、フィルタ時定数(w=2PT)が互いに異なる複数のファスト系信号処理を行うものであり、当該複数のファスト系信号処理により複数のファスト系信号を生成する。なお、ファスト系波形出力部62が、フィルタ時定数(w=HT)が互いに異なる複数のファスト系信号処理を行うものであっても良い。
また、エネルギー算出部7及びカウント部8は、複数のファスト系信号とスロー系信号とを用いて、複数のファスト系信号処理それぞれのフィルタ時定数に対応した複数のスペクトルを生成する。
例えば、ファスト系波形出力部62が5つのフィルタ時定数w1〜w5のファスト系信号処理を行う場合、それらにより得られた複数のスペクトルs1〜s5は図2に示すようになる。なお、図2の下図は、1700eV付近を拡大した図である。このようにファスト系信号処理のフィルタ時定数の異なるスペクトルを例えばディスプレイ上に重ねて出力することによって、1700eV付近のピークが大きく変化していることがわかり、このピークがサムピークであることを判別することができる。
さらに、本実施形態のX線検出装置100は、ファスト系信号処理のフィルタ時定数が異なる複数のスペクトルを用いて、ファスト系信号処理のフィルタ時定数をゼロとした場合に推定されるスペクトルを算出する推定スペクトル算出部9をさらに備えている。
以下では、推定スペクトル算出部9の機能を図2、図3を参照して説明する。また、スペクトルの横軸をチャンネルと呼び、各値をs1(i)、s2(i)等と呼ぶ(iはチャンネル番号である。)。
推定スペクトル算出部9は、すべてのチャンネルiに対して、w1〜w5におけるs1(i)を関数フィッティングして、各チャンネルi毎に多項近似式f(w)を求める。
そして、推定スペクトル算出部9は、各チャンネルi毎の多項近似式f(w)の定数項(w=0)の列s´(i)から、w=0のスペクトル、つまり、サムピークの無いスペクトルs´(i)を生成する。
なお、多項近似式としては、2次近似することが考えられる。各wに対するサムピークの発生確率は、wが小さい区域では線形ないし2次近似が可能だからである。この性質は、パイルアップがいくつかのパルスから形成されていたとしても維持されるため、パイルアップを形成するパルス数が様々であったとしても、その和もまた1次又は2次近似が可能である。
したがって、本実施形態では、いくつのパルスから形成されるピークに対しても効果を有し、サムピークによって減ぜられるメインピークの変動もその通りに修正され復元することができる。
また、上記の多項式近似によって得られる関数パラメータは、スペクトルの統計変動が大きく乗っている可能性があるため、誤差が大きいことがある。このため、所定のエネルギー幅によりエネルギー方向に平準化しても良い。なぜならば、サムピークの近傍ではほぼ同じ係数でサムピークが起こっていることが多いからである。
s´(i)はiの方向に平準化されているため、もはや得たいスペクトルとはならないが、s´(i)はさらなるサムピーク量の推定に用いることができる。例えば、再度w間の2点の線形近似をして定数項を得ることでスペクトルを得るために用いることができる。s´(i)とのフィッティングには本来のs1(i)〜s5(i)ではなく、それらを同じエネルギー幅で平準化したスペクトルを用いると良い。これらの処理は、サムピークがその近傍で同じ比率で発生している点を考慮して、統計変動を圧縮していることに相当する。
<本実施形態の効果>
このように構成した本実施形態のX線検出装置100によれば、ファスト系信号処理それぞれのフィルタ時定数に対応した複数のスペクトルを生成しているので、それら複数のスペクトルを比較することによって、2つ以上のピークが重なって生じるサムピークを視覚的に又は自動的に見極めることができる。その結果、サムピークによる誤検出を低減することができる。
特に本実施形態では、推定スペクトル算出部9がファスト系信号処理のフィルタ時定数をゼロとした場合に推定されるスペクトルを算出するので、自動的にサムピークが除去されたスペクトルを得ることができ、装置の使い勝手を良くすることができるとともに、視覚的に判断することに比べてサムピークの除去を確実に行うことができる。
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
例えば、推定スペクトル算出部9は、フィルタ時定数をゼロとした場合に推定されるスペクトルを算出するものの他、ファスト系信号処理のフィルタ時定数とは異なるフィルタ時定数を用いた場合に推定されるスペクトルを算出するものであっても良い。この場合においても、前記実施形態と同様に、多項近似式を用いることが考えられる。
また、検出装置100の信号処理部20は、所定のフィルタ時定数を用いてファスト系信号処理及びスロー系信号処理により1つのスペクトル(以下、実測スペクトルという。)を生成するものであり、以下のように、その1つの実測スペクトルからサムピークを取り除くように構成しても良い。
つまり、信号処理部20は、図4に示すように、実測スペクトルの各チャンネルの信号の組み合わせと、その組み合わせが発生する統計的確率とから、サムピークを予測した第1予測スペクトルを生成する。そして、実測スペクトルから第1予測スペクトルを差し引くことによって、実測スペクトルからサムピークを除去して第1差分スペクトルを生成する。この除去処理によって、サムピークが十分に除去されない場合には、第1差分スペクトルの各チャンネルの信号の組み合わせと、その組み合わせが発生する統計的確率とから、サムピークを予測した第2予測スペクトルを生成する。そして、第1差分スペクトルから第2予測スペクトルを差し引くことによって、第1差分スペクトルからサムピークを除去して第2差分スペクトルを生成する。なお、この処理は、サムピークが除去されたと考えられる所定の条件を満たすまで例えば数回繰り返される。
さらに、X線検出器としては、Si(Li)型検出器等のその他の半導体検出器を用いることができるし、比例計数管や光電子増倍管など半導体以外でも良い。その他、X線検出の他、γ線など、その他の放射線検出に適用することもできる。また、放射線検出器は、シンチレータ等で光に変換したものを光検出器で検出する方式であっても良い。
その上、本発明は、パルス計測式のスペクトル分析装置であればよく、放射線以外にも流路を流れる流体に光を照射し、流体に含まれる測定対象成分に光が当たることにより生じる二次光をエネルギー線として検出するものであっても良い。
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
100・・・X線検出装置
10 ・・・検出部
20 ・・・信号処理部
2 ・・・X線検出器
3 ・・・プリアンプ
4 ・・・A/D変換部
5 ・・・ノイズ除去フィルタ
6 ・・・波形整形部
61 ・・・スロー系波形出力部
62 ・・・ファスト系波形出力部
7 ・・・エネルギー算出部
8 ・・・カウント部

Claims (6)

  1. エネルギー線を検出して検出信号を出力する検出部と、
    前記検出信号の立ち上がりを示すファスト系信号を生成するファスト系信号処理と、前記ファスト系信号処理よりもフィルタ時定数が長く、前記検出信号の信号強度を示すスロー系信号を生成するスロー系信号処理とを行い、前記ファスト系信号及び前記スロー系信号を用いて、前記信号強度とカウント数とを対応づけたスペクトルを生成する信号処理部とを備え、
    前記信号処理部は、フィルタ時定数が互いに異なる複数のファスト系信号処理を行うものであり、当該複数のファスト系信号処理により得られた複数のファスト系信号と前記スロー系信号とを用いて、前記複数のファスト系信号処理それぞれのフィルタ時定数に対応した複数の前記スペクトルを生成する、検出装置。
  2. 前記信号処理部により得られた複数の前記スペクトルを用いて、前記ファスト系信号処理のフィルタ時定数をゼロとした場合に推定されるスペクトルを算出する推定スペクトル算出部をさらに備える、請求項1記載の検出装置。
  3. 前記信号処理部により得られた複数の前記スペクトルを用いて、前記ファスト系信号処理のフィルタ時定数とは異なるフィルタ時定数を用いた場合に推定されるスペクトルを算出する推定スペクトル算出部をさらに備える、請求項1又は2記載の検出装置。
  4. 前記信号処理部により得られた複数の前記スペクトルを同一画面上に出力するスペクトル出力部をさらに備える、請求項1乃至3の何れか一項に記載の検出装置。
  5. 前記エネルギー線は、放射線であり、
    前記検出部は、
    前記放射線が入射することにより発生した電荷を出力する放射線検出器と、
    前記発生した電荷をアナログ信号に変換するプリアンプと、
    前記プリアンプからのアナログ信号をデジタル信号である検出信号に変換するA/D変換部とを備える、請求項1乃至4の何れか一項に記載の検出装置。
  6. 検出信号の立ち上がりを示すファスト系信号を生成するファスト系信号処理と、前記ファスト系信号処理よりもフィルタ時定数が長く、前記検出信号の信号強度を示すスロー系信号を生成するスロー系信号処理とを行い、前記ファスト系信号及び前記スロー系信号を用いて、前記信号強度とカウント数とを対応づけたスペクトルを生成するスペクトル生成装置であって、
    フィルタ時定数が互いに異なる複数のファスト系信号処理を行い、当該複数のファスト系信号処理により得られた複数のファスト系信号と前記スロー系信号とを用いて、前記複数のファスト系信号処理それぞれのフィルタ時定数に対応した複数の前記スペクトルを生成する、スペクトル生成装置。
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