JP2020148392A - 冷蔵庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍冷却器の除霜終了後に省エネを図りつつ冷凍室を通常時の冷凍温度に戻すことができる冷蔵庫を提供する。【解決手段】冷凍室22を冷却する冷凍冷却器54及び能力可変型の圧縮機64を有する冷凍サイクル70と、冷凍冷却器54に付着した霜を除去する除霜運転を実行する除霜手段58と、冷凍サイクル70及び除霜手段58を制御する制御部68と、を備えた冷蔵庫において、制御部68は、除霜運転の終了後に冷凍冷却器54に冷媒を流す冷凍冷却運転を開始し、該冷凍冷却運転の開始から所定時間は圧縮機64の回転周波数の上限を当該圧縮機64の最大回転周波数よりも低い所定の回転周波数に制限して圧縮機64を運転させる。【選択図】図4
Description
本発明の実施形態は、冷蔵庫に関するものである。
冷凍庫や冷凍冷蔵庫などの冷凍室を持つ冷蔵庫では、冷凍サイクルを構成している冷凍冷却器の外面に霜が付着する。そのため、一定周期で冷凍冷却器に付着した霜を除去すること、即ち冷却器の除霜が必要である(特許文献1〜3参照)。冷却器の除霜は電気ヒータや電気ガラス管等のヒータによって行うものが多く、そのため、除霜終了後、冷凍冷却器の温度は冷凍室の温度よりも高く、例えば10℃前後に達することがあり、また、冷凍室の温度も通常時の温度よりも高く、例えば通常時よりも5℃〜10℃程度高いことがある。
上記の点から、冷凍冷却器の除霜終了後には、冷凍室の温度を通常時の冷凍温度に迅速に戻すことが求められるが、その際、無駄な電力消費を抑えて省エネを図ることが望まれる。そこで、本実施形態は、冷凍冷却器の除霜終了後に無駄な電力消費を抑えて省エネを図りつつ冷凍室を通常時の冷凍温度に戻すことができる冷蔵庫を提供することを目的とする。
一実施形態の冷蔵庫は、冷凍室を内部に有する冷蔵庫本体と、能力可変型の圧縮機と、前記圧縮機から吐出される冷媒が供給され前記冷凍室を冷却するための冷凍冷却器と、を有する冷凍サイクルと、前記冷凍冷却器に付着した霜を除去する除霜運転を実行する除霜手段と、前記冷凍サイクル及び前記除霜手段を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記除霜手段による除霜運転の終了後に前記冷凍冷却器に冷媒を流す冷凍冷却運転を開始し、前記冷凍冷却運転の開始から所定時間は前記圧縮機の回転周波数の上限を当該圧縮機の最大回転周波数よりも低い所定の回転周波数に制限して前記圧縮機を運転させる、冷蔵庫である。
以下、本発明の一実施形態の冷蔵庫10について図面に基づき説明する。
(1)冷蔵庫10の構成
図1に示すように、冷蔵庫10は、前面に開口する断熱箱体からなる冷蔵庫本体12を備える。冷蔵庫本体12は鋼板製の外箱12Aと真空成形により設けられる合成樹脂製の内箱12Bとの間隙に真空断熱パネルやウレタンフォームなどの断熱材12Cを配置し、前面を開口し内部を貯蔵空間とした縦長の断熱箱体からなる。冷蔵庫本体12の内部に形成された貯蔵空間は、断熱仕切壁によって上方の冷蔵空間と下方の冷凍空間に断熱区画されている。
図1に示すように、冷蔵庫10は、前面に開口する断熱箱体からなる冷蔵庫本体12を備える。冷蔵庫本体12は鋼板製の外箱12Aと真空成形により設けられる合成樹脂製の内箱12Bとの間隙に真空断熱パネルやウレタンフォームなどの断熱材12Cを配置し、前面を開口し内部を貯蔵空間とした縦長の断熱箱体からなる。冷蔵庫本体12の内部に形成された貯蔵空間は、断熱仕切壁によって上方の冷蔵空間と下方の冷凍空間に断熱区画されている。
冷蔵空間には、複数の載置棚を設けた冷蔵室14と貯蔵容器を備えた野菜室16とが隣接状態で上下に区分配置されている。冷蔵室14及び野菜室16は、冷蔵温度帯(一般に10℃以下、例えば0〜4℃)に冷却される貯蔵室である。冷蔵室14の背面には、冷蔵室14内の温度を検出するための冷蔵室温度センサ18が設けられている。
冷凍空間は、冷凍温度帯(通常−15℃以下、例えば−18℃〜−20℃)に冷却保持される空間であり、断熱仕切壁を介して野菜室16の下方に設けられた自動製氷装置及び貯氷箱を有する製氷室20と、製氷室20の下方に配置された貯蔵容器を有する冷凍室22とを備える。冷凍室22の背面には、冷凍室22内の温度を検出するための冷凍室温度センサ24が設けられている。
これら各貯蔵室の前面開口部は各々独立した断熱扉で閉塞されており、冷蔵室14の前面開口部は左右両側の上下部に設けたヒンジにより観音開き式の左右一対の冷蔵室扉26が回動自在に支持されている。野菜室16、製氷室20及び冷凍室22は、それぞれ貯蔵容器を引き出し式の扉28、30及び32に連結保持し、貯蔵室内に設けたレール機構により引き出し式で閉塞されている。
冷蔵室扉26の前面には、使用者から冷蔵庫10の設定等を受け付けたり、冷蔵庫10の設定状況等を表示したりするための操作表示部34と、冷蔵庫10の周囲の外気温を検出する外気温センサ36が設けられている。
冷蔵室14と野菜室16に跨る冷蔵空間の背部には、冷気ダクト38と蒸発器カバー40と送風機カバー42によって冷蔵室14及び野菜室16と区画された冷蔵冷却器空間44が設けられている。冷蔵冷却器空間44には、冷蔵冷却器46と冷蔵冷却ファン48が配設されている。冷蔵冷却ファン48は、冷蔵冷却器46で冷却した冷蔵冷却器空間44内の空気を冷気ダクト38を介して冷蔵室14及び野菜室16に供給することで、冷蔵室14及び野菜室16を冷却する。
製氷室20と冷凍室22に跨がる冷凍空間の背部には、冷気ダクトを形成するカバー体50によって製氷室20及び冷凍室22と区画された冷凍冷却器空間52が設けられている。冷凍冷却器空間52の内部には、製氷室20及び冷凍室22を冷却するための冷凍冷却器54と冷凍冷却ファン56が設けられている。冷凍冷却器空間52に設けられた冷凍冷却ファン56は、冷凍冷却器54で冷却された冷凍冷却器空間52内の空気をダクトを介して製氷室20及び冷凍室22に供給することで、製氷室20及び冷凍室22を冷却する。
冷凍冷却器空間52には、冷凍冷却器54の下方に除霜ヒータ58と除霜水を受ける排水樋(不図示)が配設される。除霜ヒータ58は、冷凍冷却器54に付着した霜を除去する除霜運転を実行する除霜手段である。冷凍冷却器54の除霜は、除霜ヒータ58による輻射熱で冷凍冷却器54を加熱することで行う。この時、融解した除霜水は排水樋により、外部に排出される。
冷凍冷却器54には、冷凍冷却器54の温度を検出する冷却器温度センサ60が設けられている。
冷蔵庫本体12の背面下部の外側には内方に凹陥する機械室62が設けられている。機械室62には、冷凍サイクルを構成する圧縮機64や凝縮器66(図2参照)及びこれらを冷却するための冷却ファン(不図示)が配設されている。
冷蔵庫本体12の外側、例えば、冷蔵庫本体12の天井壁の上面後部には、冷蔵庫10を制御するマイコン等を実装した制御基板からなる制御部68が設けられている。
(2)冷凍サイクル70
冷蔵庫10の冷凍サイクル70について図2を参照して説明する。冷凍サイクル70は、高温高圧の冷媒ガスを吐出する圧縮機64と、該圧縮機64から吐出される冷媒ガスを受けて放熱液化する凝縮器66と、該凝縮器66の出口側に接続されたドライヤ72と、該ドライヤ72に接続され冷媒流路を切り替える切替弁74と、冷蔵冷却器46及び冷凍冷却器54と、これらの冷却器46,54にそれぞれ設けられた冷蔵減圧装置76及び冷凍減圧装置78とを備え、これらを配管で接続して構成されている。
冷蔵庫10の冷凍サイクル70について図2を参照して説明する。冷凍サイクル70は、高温高圧の冷媒ガスを吐出する圧縮機64と、該圧縮機64から吐出される冷媒ガスを受けて放熱液化する凝縮器66と、該凝縮器66の出口側に接続されたドライヤ72と、該ドライヤ72に接続され冷媒流路を切り替える切替弁74と、冷蔵冷却器46及び冷凍冷却器54と、これらの冷却器46,54にそれぞれ設けられた冷蔵減圧装置76及び冷凍減圧装置78とを備え、これらを配管で接続して構成されている。
詳細には、圧縮機64は、インバータ制御によって回転周波数(1秒間当りの回転数)を変えることにより単位時間当たりに吐出する冷媒量を変更できる能力可変型の圧縮機であり、高温、高圧の気体状の冷媒を送り出す。
圧縮機64の吐出側には、凝縮器66とドライヤ72と切替弁74の入口側が直列に接続されている。切替弁74の一方の出口には、冷蔵減圧装置76と冷蔵冷却器46とを直列に連結した冷蔵冷媒流路が接続されている。切替弁74の他方の出口には、冷凍減圧装置78と冷凍冷却器54とを直列に連結した冷凍冷媒流路が冷蔵冷媒流路と並列に接続されている。そして、冷蔵冷却器46の出口側に接続された配管と冷凍冷却器54の出口側に接続された配管とが合流し、圧縮機64の吸込側に接続され冷媒回路が構成されている。冷蔵減圧装置76及び冷凍減圧装置78としては、例えばキャピラリーチューブが用いられる。
このような冷凍サイクル70では、封入された冷媒が、圧縮機64で圧縮されて高温高圧の気体状の冷媒に変化し、放熱しながら凝縮器66を流れて液体状となり、該液体状の冷媒は、機械室62に位置する切替弁74に導かれ、制御部68の指令に基づき、切替弁74によって冷蔵減圧装置76又は冷凍減圧装置78に切り替えて供給され、各減圧装置76、78で気化し易いように減圧される。減圧装置76、78を通過することで減圧された冷媒は、冷蔵冷却器46又は冷凍冷却器54で気化し、周囲から熱を奪うことにより冷蔵冷却器46及び冷凍冷却器54を低温化し、冷気を生成して貯蔵空間を冷却する。冷却器46,54を通過したガス冷媒は、サクションパイプ等の配管を通って再び圧縮機64に吸入され、一連の冷凍サイクルが繰り返される。
(3)冷蔵庫10の電気的構成
冷蔵庫本体12の上部に設けられた制御部68には、図3に示すように、操作表示部34、外気温センサ36、冷蔵冷却ファン48、冷凍冷却ファン56、除霜ヒータ58、圧縮機64、切替弁74、冷蔵室温度センサ18、冷凍室温度センサ24、冷却器温度センサ60等の冷蔵庫本体12の内側又は外側に設けられた電気部品が電気接続されている。
冷蔵庫本体12の上部に設けられた制御部68には、図3に示すように、操作表示部34、外気温センサ36、冷蔵冷却ファン48、冷凍冷却ファン56、除霜ヒータ58、圧縮機64、切替弁74、冷蔵室温度センサ18、冷凍室温度センサ24、冷却器温度センサ60等の冷蔵庫本体12の内側又は外側に設けられた電気部品が電気接続されている。
制御部68は、各種センサから入力される信号や、使用者の操作によって操作表示部34から入力される信号などが入力されると、予めメモリに記憶された制御プログラムに基づいて、冷蔵冷却ファン48、冷凍冷却ファン56、除霜ヒータ58、圧縮機64及び切替弁74の動作を制御することで、圧縮機64や冷蔵冷却ファン48及び冷凍冷却ファン56の運転、除霜ヒータ58の電源のオンオフや、切替弁74による冷蔵冷却器46と冷凍冷却器54への冷媒切換え、操作表示部34の表示など、冷蔵庫10の動作全般を制御する。
(4)冷蔵庫10の冷却運転
冷蔵庫10では、冷蔵室温度センサ18及び冷凍室温度センサ24によって検出された冷蔵室14の温度及び冷凍室22の温度に基づいて、冷蔵温度帯の冷蔵室14及び野菜室16を冷却する冷蔵冷却運転と、冷凍温度帯の製氷室20及び冷凍室22を冷却する冷凍冷却運転とを切り替えて実行する。
冷蔵庫10では、冷蔵室温度センサ18及び冷凍室温度センサ24によって検出された冷蔵室14の温度及び冷凍室22の温度に基づいて、冷蔵温度帯の冷蔵室14及び野菜室16を冷却する冷蔵冷却運転と、冷凍温度帯の製氷室20及び冷凍室22を冷却する冷凍冷却運転とを切り替えて実行する。
詳細には、制御部68は、冷蔵冷却開始条件を満たすと、圧縮機64を所定周波数で駆動しつつ切替弁74の冷蔵冷媒流路側の出口を開放して冷蔵冷却器46に冷媒を流し、さらに冷蔵冷却ファン48を回転させて冷蔵冷却運転を開始する。冷蔵冷却開始条件の一例を挙げると、例えば、冷蔵室温度センサ18の検出温度が冷蔵空間に対して設定されているON温度(例えば5℃)以上になる場合が挙げられる。そして、冷蔵冷却運転の実行中に冷蔵冷却終了条件が満たされると、制御部68は、冷蔵冷却運転を終了する。冷蔵冷却終了条件の一例を挙げると、例えば、冷蔵室温度センサ18の検出温度が冷蔵空間に対して設定されているOFF温度(例えば2℃)に達した時が挙げられる。
冷蔵冷却運転を終了すると、制御部68は、圧縮機64を所定周波数で駆動しつつ切替弁74の冷凍冷媒流路側の出口を開放して冷凍冷却器54に冷媒を流し、さらに冷凍冷却ファン56を回転させて冷凍冷却運転を開始する。そして、冷凍冷却運転の実行中に冷凍冷却終了条件が満たされると、制御部68は、冷凍冷却運転を終了する。冷凍冷却終了条件の一例を挙げると、例えば、冷凍室温度センサ24の検出温度が冷凍空間に対して設定されているOFF温度(例えば−21℃)に達した時が挙げられる。
(5)除霜運転
冷蔵庫10では、冷蔵冷却運転と冷凍冷却運転を切り替えて順次実行する中で、冷凍冷却器54について所定の除霜開始条件を満たすと、冷凍冷却器54の除霜運転を実行する。この除霜運転は、冷凍冷却器54に付着した霜を融解により除去する運転である。具体的には、制御部68が、切替弁74の冷凍冷媒流路側の出口を閉塞したり、圧縮機64を停止したりすることで、冷凍冷却器54への冷媒供給を停止しつつ、冷凍冷却ファン56を停止し、除霜ヒータ58を通電状態とする。これにより、除霜ヒータ58による輻射熱で冷凍冷却器54が加熱され、冷凍冷却器54に付着した霜を融解する。
冷蔵庫10では、冷蔵冷却運転と冷凍冷却運転を切り替えて順次実行する中で、冷凍冷却器54について所定の除霜開始条件を満たすと、冷凍冷却器54の除霜運転を実行する。この除霜運転は、冷凍冷却器54に付着した霜を融解により除去する運転である。具体的には、制御部68が、切替弁74の冷凍冷媒流路側の出口を閉塞したり、圧縮機64を停止したりすることで、冷凍冷却器54への冷媒供給を停止しつつ、冷凍冷却ファン56を停止し、除霜ヒータ58を通電状態とする。これにより、除霜ヒータ58による輻射熱で冷凍冷却器54が加熱され、冷凍冷却器54に付着した霜を融解する。
除霜開始条件としては、例えば、(1)冷蔵冷却運転及び冷凍冷却運転を実行した時間の積算値が所定時間(例えば8時間)に達した時、(2)前回の除霜運転を実行してからの経過時間が所定時間(例えば24時間)に達した時、のいずれかの場合が挙げられる。
制御部68は、所定の除霜終了条件を満たすと、除霜ヒータ58への通電を停止して冷凍冷却器54の除霜運転を終了する。除霜終了条件としては、冷却器温度センサ60で検出される冷凍冷却器54の温度が所定温度(例えば10℃)に達した時などが挙げられる。
なお、冷蔵冷却器46についての除霜運転については特に限定されず、公知の除霜運転を実行させることができる。
(6)除霜運転終了後の制御
制御部68は、冷凍冷却器54に対する除霜運転の終了後に冷凍冷却器54に冷媒を流す冷凍冷却運転を開始する。すなわち、圧縮機64が停止しているときには始動させ、また既に動作しているときには動作させたまま、切替弁74の冷凍冷媒流路側の出口を開放して冷凍冷却器54に冷媒を流す。
制御部68は、冷凍冷却器54に対する除霜運転の終了後に冷凍冷却器54に冷媒を流す冷凍冷却運転を開始する。すなわち、圧縮機64が停止しているときには始動させ、また既に動作しているときには動作させたまま、切替弁74の冷凍冷媒流路側の出口を開放して冷凍冷却器54に冷媒を流す。
その際、本実施形態では、除霜運転終了後の冷凍冷却運転の開始から所定時間(t1)は、圧縮機64の回転周波数の上限を当該圧縮機64の最大回転周波数よりも低い所定の回転周波数に制限して、圧縮機64を運転させる。
ここで、所定時間(t1)とは、予め定められた時間のことであり、例えば、30分以上4時間以内の範囲で設定してもよく、当該範囲の下限は1時間以上でもよく、90分以上でもよく、2時間以上でもよく、当該範囲の上限は3時間以下でもよく、2時間以下でもよい。最大回転周波数とは、圧縮機64が動作可能な最大の回転周波数(フル回転)であり、例えば72Hzでもよい。所定の回転周波数とは、最大回転周波数よりも低い周波数として予め定められた回転周波数のことであり、例えば、50Hz以下の範囲で設定してもよく、40Hz以下の範囲で設定してもよい。一実施形態として、除霜運転終了後の冷凍冷却運転の開始から少なくとも1時間は、圧縮機64の回転周波数の上限を50Hzに制限して、圧縮機64を運転させてもよい。
除霜運転終了後の冷凍冷却運転における圧縮機64の回転周波数の上限は、いずれか1つの回転周波数としてもよいが、外気温によって異なる複数の回転周波数を上限に設定してもよい。すなわち、除霜運転終了後の冷凍冷却運転における上記所定の回転周波数は、外気温センサ36が検出する外気温が高いほど高い回転周波数に設定されてもよい。
例えば、外気温が30℃以上の場合に回転周波数の上限を40Hz以上50Hz以下の範囲で設定し、外気温が15℃以上30℃未満の場合に回転周波数の上限を30Hz以上40Hz未満の範囲で設定し、外気温が15℃未満の場合に回転周波数の上限を15Hz以上30Hz未満の範囲で設定してもよい。
図4は、除霜運転終了後の冷凍冷却運転における圧縮機64の回転周波数(制御項目a)と外気温(To)との関係を示す制御パターンの一例である。この例では、回転周波数の上限を、外気温(To)が40℃以上の場合は50Hz、35℃以上40℃未満の場合は46Hz、30℃以上35℃未満の場合は40Hz、25℃以上30℃未満の場合は38Hz、20℃以上25℃未満の場合は34Hz、15℃以上20℃未満の場合は30Hz、10℃以上15℃未満の場合は24Hz、10℃未満の場合は18Hzとしている。
除霜運転終了後の冷凍冷却ファン56の始動タイミングについては、除霜運転直後は冷凍冷却器54の温度が冷凍室22よりも高いので、冷凍冷却運転の開始時には冷凍冷却ファン56は動作させず、遅らせて始動させることが好ましい。すなわち、(ア)冷却器温度センサ60の検出温度(Te)が冷凍室温度センサ24の検出温度(Tf)よりも低いときのみ(Te<Tf)、冷凍冷却ファン56を動作させるように制御することが好ましい。また、この条件(ア)に、条件(イ)として遅延タイマーを加えて、冷凍冷却ファン56を始動させることがより好ましい。
詳細には、一実施形態によれば、制御部68は、除霜運転終了後の冷凍冷却運転において、冷却器温度センサ60の検出温度(Te)が冷凍室温度センサ24の検出温度(Tf)よりも低く(Te<Tf)、かつ、低くなってから所定時間(t2)が経過した後に、冷凍冷却ファン56を始動させるように制御する。
ここで、所定時間(t2)とは、遅延タイマーとして予め定められた時間のことであり、例えば2分以上10分以下の範囲で設定してもよく、2分以上7分以下の範囲で設定してもよい。なお、この遅延タイマーとしての所定時間(t2)は、上述した回転周波数の上限を制限して圧縮機64を運転させる所定時間(t1)よりも短い。
上記条件(イ)としての所定時間(t2)は、一定時間としてもよいが、外気温によって異なる複数の時間に設定してもよい。すなわち、冷却器温度センサ60の検出温度が冷凍室温度センサ24の検出温度よりも低くなってから冷凍冷却ファン56を始動させるまでの上記所定時間(t2)は、外気温センサ36が検出する外気温が高いほど短く設定されてもよい。
例えば、外気温が30℃以上の場合に遅延タイマーとしての所定時間(t2)を2分以上3分以下の範囲で設定し、外気温が15℃以上30℃未満の場合に該所定時間(t2)を3分超5分以下の範囲で設定し、外気温が15℃未満の場合に該所定時間(t2)を5分超7分以下の範囲で設定してもよい。
図4は、除霜運転終了後の冷凍冷却運転における冷凍冷却ファン56の始動タイミングとしての遅延タイマー量(制御項目b)と外気温(To)との関係を示す制御パターンの一例である。この例では、遅延タイマー量を、外気温(To)が40℃以上の場合は2分、35℃以上40℃未満の場合は2.5分、30℃以上35℃未満の場合は3分、25℃以上30℃未満の場合は3.5分、20℃以上25℃未満の場合は4分、15℃以上20℃未満の場合は5分、10℃以上15℃未満の場合は6分、10℃未満の場合は7分としている。
なお、除霜運転終了後の冷凍冷却運転は、上記のように、圧縮機64の回転周波数の上限を制限し、また冷凍冷却ファン56の始動タイミングを遅延させることを除けば、通常の冷凍冷却運転と同様の制御(例えば、外気や冷凍室の検出温度に基づく制御)で行ってもよい。
かかる冷蔵庫10の除霜運転終了後の制御例は図5に示すとおりであり、除霜終了条件を満たして除霜運転を終了すると(ステップS1)、制御部68は冷凍冷却器54に冷媒を流す冷凍冷却運転を開始させる(ステップS2)。その際、冷凍冷却ファン56は停止させたままで、圧縮機64の回転周波数の上限を、好ましくは外気温に応じて設定された上記所定の回転周波数に制限しながら、圧縮機64を運転させる。
冷凍冷却運転の開始後、上記条件(ア)、即ち冷却器温度センサ60の検出温度(Te)が冷凍室温度センサ24の検出温度(Tf)よりも低いか(Te<Tf)否かを判定し(ステップS3)、条件(ア)を満たすまで冷凍冷却ファン56は停止したまま冷凍冷却運転を行う。そして、条件(ア)を満たしていると、ステップS4に進んで遅延タイマーをONにし、上記条件(イ)、即ち条件(ア)を満たしてから所定時間(t2)が経過したか否かを判定し(ステップS5)、条件(イ)を満たすまで冷凍冷却ファン56は停止したまま冷凍冷却運転を行う。そして、条件(イ)を満たしていると、ステップS6に進んで制御部68は冷凍冷却ファン56を始動させる。
冷凍冷却ファン56の始動後、制御部68は冷凍冷却運転の開始から所定時間(t1)が経過したか否かを判定し(ステップS7)、所定時間(t1)が経過するまで圧縮機64の回転周波数の上限を上記所定の回転周波数に制限しながら圧縮機64を運転させる。そして、所定時間(t1)が経過すると、ステップS8に進んで圧縮機64の回転周波数の上限を制限する制御を終了する。その際、当該制御の終了とともに冷凍冷却運転を終了して冷蔵冷却運転に切り替えてもよく、あるいはまた、当該制御を終了して通常の冷凍冷却運転を実行してもよい。
一実施形態において、制御部68は、通常の冷凍冷却運転時であれば上記所定の回転周波数を超える高回転周波数で圧縮機64を運転する制御を行う条件となっても、除霜運転終了後の冷凍冷却運転では、圧縮機64の回転周波数の上限を上記所定の回転周波数に制限して圧縮機64を運転させるように制御してもよい。ここで、通常の冷凍冷却運転とは、除霜運転終了後の冷凍冷却運転を除く一般的な状態での冷凍冷却運転であり、センサ異常等のエラー信号を発するような冷蔵庫10の異常状態も除かれる。かかる通常の冷凍冷却運転において、例えば外気温や冷凍室22の温度が異常に高くなった場合、圧縮機64の回転周波数をより高く、例えば最大回転周波数として運転させるなど、高回転周波数での運転の制御がなされることがある。一実施形態に係る冷蔵庫10では、このような高回転周波数運転の制御がなされる条件となっても、除霜運転終了後の冷凍冷却運転では、圧縮機64の回転周波数の上限を上記所定の回転周波数に制限する。
また、一実施形態において、制御部68は、除霜運転終了後の冷凍冷却運転では、冷蔵庫10の周囲の外気及び冷凍室22の検出温度によらず、即ち外気温及び/又は冷凍室温度が所定温度以上となっても、圧縮機64の回転周波数の上限を上記所定の回転周波数に制限して圧縮機64を運転させてもよい。このように仮に外気温や冷凍室22の温度が異常に高くなっても、除霜運転終了後の冷凍冷却運転では、それらの温度によらず、回転周波数の上限を上記所定の回転周波数に制限するように制御してもよい。
(7)効果
以上のような本実施形態の冷蔵庫10では、除霜運転終了後の冷凍冷却運転の開始から所定時間(t1)は圧縮機64の回転周波数の上限をその最大回転周波数よりも低い所定の回転周波数に制限して圧縮機64を運転させるようにしたので、省エネを図りつつ冷凍室22を通常時の冷凍温度に戻すことができる。
以上のような本実施形態の冷蔵庫10では、除霜運転終了後の冷凍冷却運転の開始から所定時間(t1)は圧縮機64の回転周波数の上限をその最大回転周波数よりも低い所定の回転周波数に制限して圧縮機64を運転させるようにしたので、省エネを図りつつ冷凍室22を通常時の冷凍温度に戻すことができる。
詳細には、除霜後は冷凍冷却器54の温度が高く、圧縮機64を停止状態から一気に最大回転周波数で回転させると、冷媒の流速が速すぎるために十分な熱交換ができないうちに冷媒が圧縮機64に戻ることになり、無駄な電力が生じる。これを防ぐために、本実施形態では除霜運転終了後の冷凍冷却運転における圧縮機64の回転周波数を制限しており、そのため、冷媒の流速が早すぎないように循環させながら十分に熱交換させることができ、冷凍冷却器54を冷やすことができる。また、圧縮機64の回転周波数が最大回転周波数よりも小さいので、無駄な電力を抑えることができる。よって省エネを図りつつ冷凍室22を通常時の冷凍温度に戻すことができる。
また、除霜運転終了後の冷凍冷却運転における上記所定の回転周波数を、外気温が高いほど高い回転周波数に設定したので、節電効果を配慮しながら、より効率的に冷凍室22を冷却して、冷凍室22を通常時の冷凍温度に迅速に戻すことができる。
また、除霜運転終了後の冷凍冷却運転において、条件(ア):冷却器温度センサ60の検出温度が冷凍室温度センサ24の検出温度よりも低く、かつ、条件(イ):低くなってから所定時間(t2)経過した後に、冷凍冷却ファン56を始動させるので、冷凍室22の一時的な温度上昇を防ぎ、省エネ効果を高めることができる。
詳細には、除霜後は冷凍冷却器54の温度が冷凍室22の温度よりも高いので、除霜運転終了後にすぐ冷凍冷却ファン56を始動すると、冷凍室22の温度が一瞬上昇する。この温度上昇を防ぐため、条件(ア)として冷却器温度センサ60の検知温度が冷凍室温度センサ24の検知温度より低いときのみ、冷凍冷却ファン56を回すように制御をする。但し、冷凍冷却ファン56の始動時は、冷却器温度センサ60の検知温度が実際の冷凍冷却器54の温度よりも低い場合があるので、条件(ア)だけでは不十分である。そこで、冷凍冷却ファン56の始動時のみ、条件(ア)に条件(イ)として遅延タイマーを加えて、冷凍冷却ファン56を始動させる。そのため、より精度よく冷凍冷却ファン56を始動させることができ、省エネ効果を高めることができる。
また、外気温が高ければ高いほど、冷凍室22の温度上昇が早いので、冷凍冷却ファン56は早く始動することが望まれる。本実施形態によれば、上記条件(イ)における遅延タイマーとしての所定時間(t2)を外気温が高いほど短く設定したことにより、節電効果を配慮しながら、より効率的に冷凍室22を冷却することができる。
一実施形態に係る冷蔵庫であると、通常の冷凍冷却運転時において高回転周波数の制御がなされる条件となっても、除霜運転終了後の冷凍冷却運転では、回転周波数の上限を上記所定の回転周波数に制限するので、より確実に省エネを実現することができる。また、一実施形態において、除霜運転終了後の冷凍冷却運転においては外気温や冷凍室22の温度によらず、圧縮機64の回転周波数の上限を所定の回転周波数に制限して圧縮機64を運転させるので、より確実に省エネを実現することができる。詳細には、除霜運転終了後は上記のように冷凍冷却器54の温度が高く、最大回転周波数まで回転周波数を上げても十分な熱交換ができず電力が無駄になるだけであるため、通常の冷凍冷却運転における高回転周波数運転を行わないように制御することで、省エネ効果を高めることができる。
なお、例えば、除霜運転終了後の冷凍冷却運転において、ユーザーが操作表示部34を用いて急速冷凍などの指示を行ったときには、圧縮機64の回転周波数の上限を所定の回転数に制限する上記制御を終了するように設定してもよい。あるいはまた、かかるユーザーによる指示が行われたときでも、圧縮機64の回転周波数の上限を所定の回転数に制限する上記制御をそのまま継続するようにしてもよい。
(その他の変更例)
上記実施形態では、冷凍室温度センサ24を製氷室20の下方に位置する冷凍室22に設けたが、冷凍室温度センサ24は製氷室20の温度を検出するために製氷室20に設けてもよい。すなわち、製氷室20は冷凍温度帯の貯蔵室であるため広義の冷凍室であるといえ、本発明における冷凍室は、食品を冷凍保存する冷凍室だけでなく、製氷室も包含する概念である。
上記実施形態では、冷凍室温度センサ24を製氷室20の下方に位置する冷凍室22に設けたが、冷凍室温度センサ24は製氷室20の温度を検出するために製氷室20に設けてもよい。すなわち、製氷室20は冷凍温度帯の貯蔵室であるため広義の冷凍室であるといえ、本発明における冷凍室は、食品を冷凍保存する冷凍室だけでなく、製氷室も包含する概念である。
上記実施形態では、冷凍室とともに冷蔵室も有する冷凍冷蔵庫について説明したが、本発明に係る冷蔵庫は、広義の冷蔵庫であり、即ち冷蔵室を持たない冷凍庫も包含する概念である。
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10…冷蔵庫、12…冷蔵庫本体、20…製氷室、22…冷凍室、24…冷凍室温度センサ、36…外気温センサ、54…冷凍冷却器、56…冷凍冷却ファン、58…除霜ヒータ、60…冷却器温度センサ、64…圧縮機、68…制御部、70…冷凍サイクル
Claims (6)
- 冷凍室を内部に有する冷蔵庫本体と、
能力可変型の圧縮機と、前記圧縮機から吐出される冷媒が供給され前記冷凍室を冷却するための冷凍冷却器と、を有する冷凍サイクルと、
前記冷凍冷却器に付着した霜を除去する除霜運転を実行する除霜手段と、
前記冷凍サイクル及び前記除霜手段を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記除霜手段による除霜運転の終了後に前記冷凍冷却器に冷媒を流す冷凍冷却運転を開始し、前記冷凍冷却運転の開始から所定時間は前記圧縮機の回転周波数の上限を当該圧縮機の最大回転周波数よりも低い所定の回転周波数に制限して前記圧縮機を運転させる、冷蔵庫。 - 冷蔵庫の周囲の外気温を検出する外気温センサを備え、
前記除霜運転終了後の前記冷凍冷却運転における前記所定の回転周波数が、前記外気温センサが検出する外気温が高いほど高い回転周波数に設定された、請求項1に記載の冷蔵庫。 - 前記冷凍冷却器で冷却された空気を前記冷凍室へ送風する冷凍冷却ファンと、
前記冷凍室の温度を検出する冷凍室温度センサと、
前記冷凍冷却器の温度を検出する冷却器温度センサと、を備え、
前記制御部は、前記除霜運転終了後の前記冷凍冷却運転において、前記冷却器温度センサの検出温度が前記冷凍室温度センサの検出温度よりも低く、かつ低くなってから所定時間経過した後に前記冷凍冷却ファンを始動させる、請求項1又は2に記載の冷蔵庫。 - 冷蔵庫の周囲の外気温を検出する外気温センサを備え、
前記冷却器温度センサの検出温度が前記冷凍室温度センサの検出温度よりも低くなってから前記冷凍冷却ファンを始動させるまでの前記所定時間が、前記外気温センサが検出する外気温が高いほど短く設定された、請求項3に記載の冷蔵庫。 - 前記制御部は、通常の冷凍冷却運転時であれば前記所定の回転周波数を超える高回転周波数で前記圧縮機を運転する制御を行う条件となっても、前記除霜運転終了後の前記冷凍冷却運転では、前記圧縮機の回転周波数の上限を前記所定の回転周波数に制限して前記圧縮機を運転させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
- 前記制御部は、前記除霜運転終了後の前記冷凍冷却運転では、冷蔵庫の周囲の外気及び前記冷凍室の検出温度によらず、前記圧縮機の回転周波数の上限を前記所定の回転周波数に制限して前記圧縮機を運転させる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
Priority Applications (1)
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JP2019046120A JP2020148392A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 冷蔵庫 |
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JP2020148392A true JP2020148392A (ja) | 2020-09-17 |
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JP2019046120A Pending JP2020148392A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 冷蔵庫 |
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JP (1) | JP2020148392A (ja) |
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2019
- 2019-03-13 JP JP2019046120A patent/JP2020148392A/ja active Pending
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