JP2020147994A - 多重止水壁 - Google Patents

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Abstract

【課題】止水壁を多重に設け、止水壁間に浸透した水をポンプなどの排水手段で排水する構成とすることで、簡易な構造で内側への水の浸透を抑えることができる多重止水壁を提供する。【解決手段】複数の止水壁A、B、C、Dを壁厚さ方向に間隔をおいて多重に配置する。止水壁A、B、C、D間に浸透した水を外部に排出するための排水手段として排水ポンプa、b、cを設ける。水害時に多重止水壁の外側の水位が高くなり、止水壁Aと止水壁Bとの間に浸透してきた水は排水ポンプaで多重止水壁の外部に排出する。必要に応じ、3重目の止水壁C、4重目の止水壁Dというように止水壁を多重配置し、それぞれの間に浸透してくる水を排水ポンプb、cで排出する。内側寄りほど浸透水の水位が低くなり、多重止水壁で保護される内側の建物などが受ける水害の被害を防止することができる。【選択図】図1

Description

本発明は、壁厚さ方向に間隔をおいて2重または3重以上に配置された止水壁と、止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段を備えた多重止水壁に関するものであり、例えば戸建住居、集合住宅、ホテル、オフィスビル、病院建築物その他の一般構造物の入口、構造物の周囲、構造物の周囲に配置された遮水塀の開口部などに設置される。
近年の異常気象により想定された頻度をはるかに超える洪水、高潮などの被害が発生している。このような洪水、高潮などの水害に対し、建物等への浸水を防ぐ技術として、例えば特許文献1〜4に開示された技術がある。
特許文献1には、所定面積の止水板と、該止水板が収納あるいは載置される箱体と、下方ロック部材と、上方ロック部材とからなり、止水板が箱体に収納された状態で地面下に設置されるとその表面が地表面と略同じ高さとなり、手動的に立ち上げて下ロック部材および上ロック部材によりロックすると、雨水、河川水、海水等の氾濫水の進入を防止できるようにした止水装置が開示されている。
特許文献2には、平素は建物等構築物の出入りに支障がないよう台板と台板の中のU字溝を保護する為の蓋板を地中に埋めておき、洪水に際しては蓋板を取外しU字溝に堰板を差し込み、堰板を補強材を介して台板に連結・固定して防水擁壁ユニットを組み立てるようにし、防水擁壁ユニットを繋いでユニット同士の隙間を目地板で塞ぎ、構築物の周囲に塀をたてるように擁壁を巡らせることにより、その内側への浸水を防ぐようにした非常用防水擁壁が開示されている。
特許文献3には、大雨や洪水等の非常時に建物の出入口等の通路に迅速に組み立てることができ、建物内への浸水防止機能を発揮する浸水防止装置として、建物の通路の両側壁面に設けられた支柱材と、両側端部を全長に亘ってこれらの支柱材に圧着させて建物の通路を閉鎖する止水パネルと、支柱材の下端間の通路の床面上に設置されて止水パネルの下端を受止するパネル受止桁部材と、止水パネルの下端をこのパネル受止桁部材上に圧着させる第一圧着手段と、パネル受止桁部材を通路の上記床面上に圧着させる第二圧着手段とを備えてなる建物内への浸水防止装置が開示されている。
また、特許文献4には、建築物等の入り口等に設置して、非常時に外部の水が建物内に浸水するのを防ぐための水密性を備えた防水シャッターが開示されている。
特許第4435512号公報 実用新案登録第3113333号公報 特開2018−096114号公報 特開2016−138372号公報
特許文献1記載の発明は、常時は地面下で目立たないように設置された止水装置の止水板を、非常時に手動的に立ち上げ、止水ロックして氾濫水の進入を防止するようにしたものであるが、設置に大きなスペースを必要とし、また止水性が完全とは言えず、保守点検が十分でない場合、止水性が低下する恐れがある。
特許文献2記載の発明も、特許文献1記載の発明と同様、平常時はその構成部材を地中に埋めておき、洪水に際して防水擁壁ユニットを組み立てて構築物の周囲に塀を立てるように擁壁を巡らせるというものであり、常時の収納スペースの問題や、高さ、面積が限られるという問題がある。また、非常時に構築物の全周を巡るように立てるには手間と時間を要し、平断面の大きい建物には適用が困難である。
特許文献3記載の発明は、大雨や洪水等の非常時に建物の出入口等を閉塞して建物内への浸水を防止するものであるが、止水パネルの周囲における止水性を高めるためには機構が複雑となり、また水位が高くなると止水性が低下し、完全な止水は図れない。
特許文献4記載の発明は、建築物等の入り口等に、非常時に外部の水が流れ込み浸水するのを防ぐための防水シャッターを設けるものであるが、特許文献3記載の発明と同様の問題がある。
本発明は、上述のような従来技術における課題の解決を図ったものであり、止水壁を多重に設け、止水壁間に浸透した水をポンプなどの排水手段で排水する構成とすることで、簡易な構造で内側への水の浸透を抑えることができる多重止水壁を提供することを目的としたものである。
本発明の多重止水壁は、壁厚さ方向に間隔をおいて2重または3重以上に配置された複数の止水壁と、前記止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段を備えていることを特徴とするものである。
なお、本発明の多重止水壁は、主として集中豪雨、洪水、津波、高潮等の水害対策に用いられ、水害の発生の恐れがあるときに組み立てるなどして使用する場合を想定しているが、そのような場合に限らず、常時、止水壁として機能するものや、開閉式の止水壁にも適用可能である。
本発明の多重止水壁は、例えば金属製パネル、プラスチック製パネル、あるいはセメント系パネルなどで形成されるものを利用することができる。
金属製パネルはパネル表面における水密性は問題がないが、プラスチック製パネルと比べると一般的に重量が大きくなり、コストも高くつく。
プラスチック製パネルも表面における水密性は問題がなく、金属製パネルに比べると一般的に軽量であり、運搬や取扱いの面で有利であるが、浸水時の水深が高くなると水圧に対する抵抗性が問題となることが考えられる。ただし、強化プラスチックやポリカーボネートなどの強度の高い素材を用いれば強度的なデメリットもない。また、透明なプラスチック製パネルの場合、浸水時でも外部が見えるという利点がある。
セメント系パネルの場合、重量が重くなり、運搬や組立ての面で不利となるが、パネルのコストを抑えることができる。また、水密性の面では水密コンクリート製のパネルを用いれば水密性を高めることができる。
多重止水壁の具体的な形態の一つとしては、壁面方向に間隔をおいて設置され、壁厚さ方向に間隔をおいて2条または3条以上の上下方向のガイド溝を有する支柱と、両端が前記ガイド溝に嵌合する上下方向複数枚の止水パネルとを備えるものが考えられる。
多重止水壁の高さが低い場合、例えば1m〜1.5m程度であれば、止水パネルを支柱のガイド溝に上方から比較的容易に嵌めることができるが、例えば3〜6m以上の高さとなる場合、止水パネルを支柱のガイド溝に上方から嵌めることは容易ではないため、支柱の下部または中間の高さに止水パネルの挿入部を設け、上方の止水パネルを、順次、上方へ押し上げながら止水パネルを積み上げるようにしてもよい。
上下の止水パネル間および止水パネルと支柱のガイド溝との間には止水材などを介在させ、必要に応じて押圧手段を利用して押し付けて水密性を確保する。押圧手段は機械的な押圧手段の他、空気その他の流体圧を利用したものなどの利用考えられる。
止水材は、ガイド溝と止水パネルの間の他、上下の止水パネル間や下端の止水パネルの下部などにも介在させることで、排水手段がなくても得られる止水パネル自体の止水性を高めることができる。
多重止水壁の別の形態としては、止水壁を構成する止水パネルをガイド部材、例えばガイド溝あるいはガイドレールに沿って水平方向または上下方向に開閉可能とする構成が考えられる。
その他、止水パネルの重量がそれほど大きくない場合は、常時は止水パネルを別の場所に保管しておき、洪水などによる浸水が予想されるときに、あらかじめ設置してある支柱間に止水パネルの両端を固定する構成としてもよい。
多重に配した止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段としては、排水ポンプが一般的であるが、洪水時などには泥水が流れ込むことがあり、また津波や海岸に近い場所での洪水などでは海水が流れ込むことが考えられるため、設置個所の条件に応じて泥水や海水にも対応できる排水ポンプを用いる必要がある。
排水ポンプなどの排水手段の設置位置は特に限定されず、操作のしやすい位置に設置すればよい。水中ポンプを多重の止水壁間に設置する場合、一定以上の水位に達したら自動的に始動する自動運転のポンプを利用することもできる。
本発明の多重止水壁の用途あるいは設置位置としては、例えば構造物の入口、構造物の周囲、または構造物の周囲に配置された遮水塀の開口部などが考えられる。ここでいう構造物は、主に戸建住居、集合住宅、ホテル、オフィスビル、病院建築物その他の一般構造物を想定しているが、その他、地下街の入口、地下鉄の入口、工場、無人の設備など、水害による浸水を防止する必要がある全ての構造物が対象となる。
特に、集合住宅、ホテル、オフィスビル、病院建築物などにおける水害対策としては、建物の周囲に、建物と間隔をおいて、常時の出入口としての開口部を除く建物のほぼ全周を取り巻く形で水密性を有する耐洪水塀を構築し、耐洪水塀として想定浸水深以上の高さを有し、想定浸水深以上の水圧に抵抗可能な耐力を有する塀を設け、その開口部に浸水時に開口部を閉塞する開口部閉塞手段として、本発明の多重止水壁を設ける構造が考えられる。
昨今の台風などにより高潮の被害が問題となっているが、例えば東京をとってみても江東区、葛飾区、江戸川区、足立区、荒川区、隅田区などは3〜5mの浸水が予想される地域があり、電気、ガス、上下水道のサービスを再開するのに、10日〜2週間程度かかる可能性があると言われている。
その場合、従来は同じ建物の中で上層階に避難する垂直避難は避け、事前に域外に避難する水平避難を奨励していた。しかし、それに対して垂直避難なしでは避難が難しいであろうという意見も多い。
例えば、国土交通省は2013年3月に、「洪水ハザードマップ作成の手引き」の改定を行い、従来のハザードマップでは浸水の目安に応じて5段階としていた浸水深ランクを3.0m以上(2階浸水)、0.5m〜3.0m未満(1階床上浸水)、0.5m未満(1階床下浸水)の3段階に簡素化して表示し、浸水深0.5m〜3.0mの区域では「避難が遅れた場合は、無理をせず自宅2階等に待避」などとしている。
耐洪水塀の外側が想定浸水深あるいはそれに近い水位に達し、外部との往来が困難となった場合でも、耐洪水塀の内側が平穏な状態に保たれることで、建物自体の機能に関する影響は小さく、耐洪水塀の外側が想定浸水深あるいはそれに近い水位に達し、外部との往来が困難となった場合でも、耐洪水塀の内側が平穏な状態に保たれることで、建物自体の機能に関する影響は小さく、周辺の浸水継続時間が例えば1週間以上の長期にわたる場合でも、建物自体の安全性が保たれる
本発明の多重止水壁は、止水壁を多重に設け、多重の止水壁間に浸透した水をポンプなどの排水手段で排水する構成であるため、簡易な構造で多重止水壁の内側への水の浸透を抑えることができる。
すなわち、1重目の止水壁については、洪水時などの水圧である程度の漏水を許容し、2重目あるいは3重目以降の止水壁との間に漏水してきた水を排水手段で早期に排水することで、2重目あるいは3重目以降の止水壁の負担が小さくなり、多重止水壁の内側への水の浸透を抑えることができる。
したがって、1重の止水壁でできるだけ止水性を高めようとする従来の止水壁に比べ、多重に配置された個々の止水壁や止水材、押圧手段などの負担が小さいため、簡易な構造とすることができる。
本発明の多重止水壁の原理図である。 本発明の多重止水壁の一実施形態を示す水平断面図である。 図2の実施形態に対応する鉛直断面図である。 本発明の多重止水壁の他の実施形態を示す水平断面図である。 図4の実施形態に対応する鉛直断面図である。 耐洪水塀に適用する場合の耐洪水塀の概要図である。
以下、本発明を添付した図面に基づいて説明する。
図1は本発明の多重止水壁を原理的に示した図であり、壁厚さ方向に間隔をおいて多重に配置された複数の止水壁(止水壁A、B、C、D)と、止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段(排水ポンプa、b、c)とで、多重止水壁が構成されている。
水害時に多重止水壁の外側の水位が高くなったとき、一番外側に位置する止水壁Aの止水性が完全であれば、内側への浸透はないが、実際には完全な止水性を得ることは難しく、またコストがかかるため、完全な止水性は得られないことを前提として、各止水壁A、B、C、Dを設計する。
止水壁Aと止水壁Bの間には浸透する水を排水するための排水ポンプaを設置し、浸透してきた水を多重止水壁の外部に排出すれば、止水壁Aと止水壁Bの間の水位は、止水壁Aの外側(外部)の水位に比べ低い水位に保つことができる。
2重の止水壁では十分でない場合には、図1に示すように、3重目の止水壁C、4重目の止水壁Dというように多重配置される止水壁の数を増し、それぞれの間に浸透してくる水を排水ポンプb、cで排出することで、内側寄りほど浸透水の水位が低くなり、多重止水壁の内側への水の浸透を抑え、多重止水壁で保護される内側の建物などが受ける水害の被害を防止することができる。
図2は本発明の多重止水壁の一実施形態を示す水平断面図であり、図3は対応する鉛直断面図である。
本実施形態は間隔をおいて設置された2本の支柱11間に止水パネル2による2重の止水壁1A、1Bを形成した場合である。図は耐洪水塀21などの開口部に設置した場合を想定しているが、設置位置や大きさは特に限定されない。
この例では、支柱11に上下方向に延びる2条のガイド溝12a、12bを設け、常時は保管場所に保管されている強化プラスチックあるいは金属板などからなる止水パネル2の両端を対向する支柱11のガイド溝12a、12bに上から嵌め込む形で、止水パネル2をそれぞれ上下方向3段に設けている。ガイド溝12a、12b部分や止水パネル2間には一般的な止水材を配置して隙間からの漏水を最小限に抑えられるようにする。
ただし、本発明では多重に配される個々の止水壁1A、1Bでの完全な止水を期待するものではなく、外からの水が浸透してくることを前提として、浸透してきた水を排水ポンプ4などの排水手段で外部に排水することで、2重の止水壁1A、1B間の水位が外部の水位より低くなるようにする。
2重に配した止水壁1A、1B間の水位が低く抑えられることで、内側の止水壁1Bにかかる水圧は相対的に小さくなるため、2重目の止水壁1Bの内側に浸透する水量は低く抑えることができる。原理的には、図1に示されるように2重の止水壁の内側にさらに3重目、4重目の止水壁を設けることで、多重止水壁の内側への浸透をさらに抑えることができるが、通常は2重または3重の止水壁で十分であると考えられる。
図4は本発明の多重止水壁の他の実施形態を示す水平断面図であり、図5は対応する鉛直断面図である。
本実施形態は間隔をおいて設置された2本の支柱11a、11b間に止水パネル2a、2bによる開閉式の2重の止水壁1A、1Bを形成した場合である。図は耐洪水塀21などの開口部に設置した場合を想定しているが、設置位置や大きさは特に限定されない。
この例では、一方の支柱11bの側面に止水パネル2a、2bを収納する戸袋状の収納部5を設け、水害の発生が予想されるときに、収納部5に収納された止水パネル2a、2bを他方の支柱11aに向けて摺動させて開口部を閉塞できるようにしたものである。
2重止水壁あるいは多重止水壁と排水ポンプなどの排水手段による止水の原理は図2、図3の実施形態の場合と同様である。
図6は本発明の多重止水壁を耐洪水塀の開口部に適用する場合の耐洪水塀の概要図である。図6の実施形態は建物31として既存の集合住宅を想定しており、水害に対するリノベーション工法において、建物31の周囲の敷地内に、建物31のほぼ全周を取り囲む形で、後から耐洪水塀21を構築する場合である。
構造的には、建物31の周囲の敷地内に、建物31のほぼ全周を取り囲む形で耐洪水塀21を構築し、図には示されていないが、玄関につながる部分、駐車場につながる部分、生活ゴミその他の廃棄物などを搬出する部分など常時の出入口となる部分にはその開口部を水密に閉塞する開口部閉塞手段として多重止水壁を設け、洪水や高潮による浸水の恐れが生じたときには、多重止水壁(例えば、前述した図2〜図5の多重止水壁)により開口部を閉塞することで耐洪水塀2の内側に隔離された平穏な空間3を形成できるようにしたものである。
耐洪水塀21の高さは建物1が立地している区域の想定浸水深以上の高さとし、例えば想定浸水深が2mであれば2m以上3m程度、想定浸水深が4mであれば4m以上5m程度、想定浸水深が5mであれば、5m以上6m程度というように、想定浸水深以上で万一の安全性を考慮して任意に設定することができる。
耐洪水塀21は水密性を有することが必要であり、例えば水密コンクリートのL形ブロックを並べ、L形ブロックどうしの間に、パッキンなどの止水材を介在させて構成することができる。あるいは耐洪水塀21を現場打ちコンクリート製とすることもできる。
耐洪水塀21は当然ながら洪水や高潮が発生した際の動水圧、静水圧に十分に抵抗できる構造、耐力とする必要があり、必要に応じ、控え壁やステイを付加する。
また、浸水深が高い場合、伏流が生じたり、下水管などの逆流の問題があり、それに対処可能な構造とする。具体的には耐洪水塀21の根入れ深さを深くしたり、必要に応じ耐洪水塀21の基礎部分の地盤改良などを行う。また外部と通じる管路には逆止弁を設けるなどする。
この耐洪水塀21による水害対策は無理なく安全な垂直避難を可能にするものであるが、周囲が高い浸水深で浸水した場合は、基本的に陸路での外部との往来が遮断されるため、周辺の浸水継続時間が例えば1週間以上の長期にわたる場合にも対処できるようにする必要がある。
そのため、本実施形態では、建物31の屋上に常時の受水槽とは別に非常用の受水槽34と非常用発電機35を設置し、また敷地内の地下に非常用の汚水槽36を設置し、1週間以上1カ月程度の長期の生活環境が保証される構成としている。また、激しい降雨で降水量が非常に多かった場合には、敷地内の地下に設置した雨水槽37により、耐洪水塀21の内側の降雨による水位を抑えるようにしている。耐洪水塀21で囲まれた部分の雨水は、雨水槽37で貯留し、必要に応じ排水用ポンプで耐洪水塀21の外部に排水することができる。
また、建物31の周囲を高い耐洪水塀21で取り囲む形態であるため、耐洪水塀21が太陽光などの採光の妨げとなり日影が生じたり、建物の1〜2階の居住者が閉塞感を感じたりするという問題が考えられるが、耐洪水塀21に大型の透明な窓38を設けるなどすることで採光や閉塞感の問題を緩和することができる。
窓38については強度、耐久性の面で、例えばポリカーボネート製の窓材などを用いることが考えられる。また、耐洪水塀21への窓38設置部分の損壊を防止するため、窓38設置部分にスチール製などの強度の高い窓枠を組み込んで窓材を取り付けることも考えられる。
さらに、外部からの景観も考慮して耐洪水塀21に各種装飾を施すことで地域のシンボルスポット的なものとし、建物31の財産価値を高めることもできる。
1A、1B…止水壁、2、2a、2b…止水パネル、4…ポンプ、5…収納部、
11、11a、11b…支柱、12a、12b…ガイド溝、
21…耐洪水塀
31…建物、33…空間、34…受水槽、35…非常用発電機、36…汚水槽、37…雨水槽、38…窓

Claims (8)

  1. 壁厚さ方向に間隔をおいて2重または3重以上に配置された複数の止水壁と、前記止水壁間に浸透した水を外部に排出するための排水手段を備えていることを特徴とする多重止水壁。
  2. 請求項1記載の多重止水壁において、前記止水壁は金属製パネル、プラスチック製パネル、またはセメント系パネルによって形成されていることを特徴とする多重止水壁。
  3. 請求項2記載の多重止水壁において、前記多重止水壁は、壁面方向に間隔をおいて設置され、壁厚さ方向に間隔をおいて2条または3条以上の上下方向のガイド溝を有する支柱と、両端が前記ガイド溝に嵌合する上下方向複数枚の止水パネルとを備えるものであることを特徴とする多重止水壁。
  4. 請求項3記載の多重止水壁において、前記ガイド溝と前記止水パネルの間および上下の止水パネル間には止水材を介在させてあることを特徴とする多重止水壁。
  5. 請求項2記載の多重止水壁において、前記止水壁を形成する止水パネルはガイド部材に沿って、水平方向または上下方向に開閉可能となっていることを特徴とする多重止水壁。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の多重止水壁において、前記排水手段は排水用ポンプであることを特徴とする多重止水壁。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の多重止水壁において、前記多重止水壁は、構造物の入口、構造物の周囲、または構造物の周囲に配置された遮水塀の開口部に設置される止水壁であることを特徴とする多重止水壁。
  8. 建物の周囲に、該建物と間隔をおいて、常時の出入口としての開口部を除く建物のほぼ全周を取り巻く形で水密性を有する耐洪水塀が構築されており、前記耐洪水塀は想定浸水深以上の高さを有し、想定浸水深以上の水圧に抵抗可能な耐力を有する塀であり、前記開口部には浸水時に該開口部を閉塞する開口部閉塞手段として、請求項1〜7の何れかに記載の多重止水壁が設けられていることを特徴とする耐洪水塀を備えた耐水害建物。
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