JP2020147724A - 流動接触分解装置用原料油組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
流動接触分解装置によれば、環境負荷等の関係からそのままでは使用し難い重質油からガソリン留分等を製造し得るため、石油精製分野では非常に重要な装置であると同時に、限りある資源を有効に活用できる、環境にやさしい処理装置である。
(1)ハンセン溶解度パラメータを三次元空間にプロットすることにより規定されるハンセン溶解度パラメータ空間において、
流動接触分解装置用原料油組成物の予熱用熱交換器に付着する汚れ分とのハンセン溶解度パラメータ距離Raが7.0以下である原料油基材を含み、
当該原料油基材の含有割合が合計で1〜13質量%である
ことを特徴とする流動接触分解装置用原料油組成物、
(2)前記原料油基材の
ハンセン溶解度パラメータの分散項δdmが17.6〜20.0であり、
ハンセン溶解度パラメータの極性項δpmが2.7〜3.8であり、
ハンセン溶解度パラメータの水素結合項δhmが0.9〜1.6である
ことを特徴とする前記(1)に記載の流動接触分解装置用原料油組成物、
(3)前記原料油基材が、接触分解軽油、潤滑油製造工程から得られるエキストラクトおよび流動接触分解装置の精留塔ボトム油であるスラリーオイルから選ばれる一種以上を含むことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の流動接触分解装置用原料油組成物、
を提供するものである。
本出願書類において、HSPのロンドン分散力に対応する成分を分散項δdm、HSPの双極子間力に対応する成分を極性項δpm、HSPの水素結合力に対応する成分を水素結合項δhmと各々表記する。
本出願書類において、ハンセン溶解度パラメータ値(HSP値)は、(δdm、δpm、δhm)で表される。
また、データベースにHSP値が登録されていない物質であっても、当業者であればHSP値を算出することができる。
HSP値(δdm、δpm、δhm)を三次元空間にプロットすることにより特定されるハンセン溶解度パラメータ空間において、既知のHPS値を有する複数の純物質をプロットするとともに、上記純物質に対する評価試料の溶解性の有無によってハンセン球を特定し、当該ハンセン球の中心値を求めることで評価試料のHSP値を算出することが出来る。
先ず、図1に例示する(分散項δdm、極性項δpmおよび水素結合項δhmを座標軸とする)三次元空間に既知のHSP値を有する16個の純物質のHSP値をプロットする。
このとき、図1に示すように、例えば、評価試料に溶解性を示す純物質を○印、評価試料に溶解性を示さない純物質を×印で表記する。
次いで、プロットされた評価試料の溶解性に基づき、溶解性を示した純物質(図1で○印で示す)を包含し、溶解性を示さなかった純物質(図1に×印で示す)を包含しない仮想球のうち、最小半径を有するものを(図1に円状に示す)ハンセン球Sとして求める。
上記ハンセン球Sを成す半径(上記最少半径)が図中に○印で示す純物質を溶解し相溶性を示す相互作用半径R0となり、また、得られたハンセン球Sの中心値(δdm、δpm、δhm)が評価試料のHSP値となる。
なお、上記評価試料の純物質に対する相溶性は、25℃の温度条件下、評価対象となる評価試料10mgに対して既知のHSP値を有する純物質1mLを溶解して10分間攪拌混合したときに、沈殿物が残存しないものを「溶解性あり(図1に示す○評価)」、沈殿物が残存するものを「溶解性なし(図1に示す×評価)」として判断したときの結果を示す。
上記ハンセン溶解度パラメータ距離Raが上記範囲にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を十分に抑制し得る流動接触分解装置用原料油組成物を提供できる。
図2は、(分散項δd、極性項δpおよび水素結合項δhを座標軸とする)ハンセン溶解度パラメータ空間において、上記予熱用熱交換器に付着する汚れ分のHSP値、原料油基材のHSP値およびハンセン溶解度パラメータ距離Raの関係を示す概念図である。
予熱用熱交換器に付着した汚れ分のHSP値は、例えば予め使用する予熱交換器の内壁等に付着した汚れ分をサンプリングして算出すればよく、また、評価対象となる原料油基材のHSP値は、流動接触分解装置用原料油組成物の構成基材として予定しているものの中から適宜選択した上で算出すればよい。
得られた各HSP値をハンセン溶解度パラメータ空間にプロットした場合、両者間の距離に相当するハンセン溶解度パラメータ距離Raとの関係は、下記式
Ra2 = 4×(δdx−δdm)2+(δpx-δpm)2+(δhx−δhm)2
(式中、Raは、ハンセン溶解度パラメータ空間における、予熱用熱交換器に付着する汚れ分のHSP値と評価対象となる原料油基材のHSP値との距離(ハンセン溶解度パラメータ距離)であり、
δdxは、上記汚れ分のハンセン溶解度パラメータの分散項であり、
δpxは、上記汚れ分のハンセン溶解度パラメータの極性項であり、
δhxは、上記汚れ分のハンセン溶解度パラメータの水素結合項であり、
δdmは、評価対象となる原料油基材のハンセン溶解度パラメータの分散項であり、
δpmは、評価対象となる原料油基材のハンセン溶解度パラメータの極性項であり、
δhmは、評価対象となる原料油基材のハンセン溶解度パラメータの水素結合項である)
により表記することができ、上式中に予熱用熱交換器に付着する汚れ分のHSP値であるδdx、δpy、δhzおよび評価対象となる原料油基材のHSP値であるδdm、δpm、δhmを各々代入することにより、ハンセン溶解度パラメータ距離Raを算出することができる。
流動接触分解装置用原料油組成物の予熱用熱交換器に付着する汚れ分とのハンセン溶解度パラメータ距離Raが7.0以下である原料油基材を上記割合で含むことにより、流動接触分解装置用原料油組成物中の実在セジメント量や硫黄分を所望範囲に容易に抑制しつつ、予熱系熱交換器への汚れの付着を効果的に抑制することができる。
接触分解軽油の密度が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として十分な体積あたりの発熱量を容易に発揮することができ、工業炉やボイラーなどで使用した際に、燃焼の不均一性や失火などを抑制することができる。
なお、本出願書類において、15℃における密度は、JIS K2249に準じて測定される値を意味する。
接触分解軽油の引火点が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として容易に取り扱うことができる。
なお、本出願書類において、引火点は、JIS K2265に準じて測定される値を意味する。
接触分解軽油中の硫黄分含有割合が上記範囲内にあることにより、本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を効率的、経済的に製造することができ、また、流動接触分解装置原料配管内の硫化腐食の発生を抑制することができ、効率的に熱交換器の汚れを低減することができる。
なお、本出願書類において、硫黄分含有割合は、JIS K2541に準じて測定される値を意味する。
接触分解軽油の芳香族分上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として溶解力が向上し、より効果的に熱交換器の汚れを低減することができる。
なお、本出願書類において、芳香族分含有量は、JPI−5S−49−97により測定される値を意味する。
接触分解軽油の灰分が上記範囲内にあることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
なお、本出願書類において、灰分は、JIS K2272に準じて測定される値を意味する。
接触分解軽油の窒素分含有割合が上記範囲内にあることにより、重質油留分の分解効率を向上することができる。
なお、本出願書類において、窒素分含有割合は、JIS K2609に準じて測定される値を意味する。
接触分解軽油の50℃における動粘度が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器や流動接触分解装置などへ本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を安定して供給することができる。
なお、本出願書類において、接触分解軽油の50℃における動粘度は、JIS K2283に準じて測定される値を意味する
接触分解軽油の流動点が上記範囲内にあることにより、冬季における流動接触分解装置用原料油組成物の流動性を容易に確保し、流動接触分解装置用の原料油組成物を安定的に供給することができる。
なお、本出願書類において、流動点は、JIS K2269に準じて測定される値を意味する。
接触分解軽油のアスファルテンの含有割合が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を効果的に抑制することができる。
なお、本出願書類において、アスファルテンの含有割合は、JPI−5S−22−83に準じて測定される値を意味する。
上記フルフラール等で抽出した残分は、ラフィネートと称される潤滑油基油として使用されることから、エキストラクトは工業的には潤滑油製造工程で得られるものである。
エキストラクトの15℃における密度が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として十分な体積あたりの発熱量を容易に発揮することができ,工業炉やボイラーなどで使用した際に、燃焼の不均一性や失火などを抑制することができる。
エキストラクトの引火点が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として容易に取り扱うことができる。
エキストラクトの硫黄分含有割合が上記範囲内にあることにより、本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を効率的、経済的に製造することができ、また、流動接触分解装置原料配管内の硫化腐食の発生を抑制することができ、効率的に熱交換器の汚れを低減することができる。
エキストラクトの芳香族分含有割合が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として溶解力が向上し、より効果的に熱交換器の汚れを低減することができる。
エキストラクトの残留炭素分が上記範囲内にあることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
エキストラクトの灰分が上記範囲内にあることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
エキストラクトの窒素分含有割合が上記範囲内にあることにより、重質油留分の分解効率を向上することができる。
エキストラクトの50℃における動粘度が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器や流動接触分解装置などへ本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を安定して供給することができる。
エキストラクトのアスファルテンの含有割合が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を効果的に抑制することができる。
スラリーオイルの密度が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として十分な体積あたりの発熱量を容易に発揮することができ、工業炉やボイラーなどで使用した際に、燃焼の不均一性や失火などを抑制することができる。
スラリーオイルの引火点が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として容易に取り扱うことができる。
スラリーオイル中の硫黄分含有割合が上記範囲内にあることにより、本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を効率的、経済的に製造することができ、また、流動接触分解装置原料配管内の硫化腐食の発生を抑制することができ、効率的に熱交換器の汚れを低減することができる。
スラリーオイルの芳香族分上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として溶解力が向上し、より効果的に熱交換器の汚れを低減することができる。
スラリーオイルの残留炭素分が上記範囲内にあることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
スラリーオイルの灰分が上記範囲内にあることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
スラリーオイルの窒素分含有割合が上記範囲内にあることにより、重質油留分の分解効率を向上することができる。
スラリーオイルの50℃における動粘度が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器や流動接触分解装置などへ本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を安定して供給することができる。
スラリーオイルの流動点が上記範囲内にあることにより、冬季における流動接触分解装置用原料油組成物の流動性を容易に確保し、本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を安定的に供給することができる。
スラリーオイルのアスファルテンの含有割合が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を効果的に抑制することができる。
脱硫減圧軽油の密度が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として十分な体積あたりの発熱量を容易に発揮することができ、工業炉やボイラーなどで使用した際に、燃焼の不均一性や失火などを抑制することができる。
脱硫減圧軽油の引火点が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として容易に取り扱うことができる。
脱硫減圧軽油中の硫黄分含有割合が上記範囲内にあることにより、本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を効率的、経済的に製造することができ、 また、流動接触分解装置原料配管内の硫化腐食の発生を抑制することができ、効率的に熱交換器の汚れを低減することができる。
脱硫減圧軽油の芳香族分の含有割合が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として溶解力が向上し、より効果的に熱交換器の汚れを低減することができる。
脱硫減圧軽油の残留炭素分が上記範囲内であることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
脱硫減圧軽油の灰分が上記範囲内にあることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
脱硫減圧軽油の窒素分含有割合が上記範囲内にあることにより、重質油留分の分解効率を向上することができる。
脱硫減圧軽油の50℃における動粘度が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器や流動接触分解装置などへ本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を安定して供給することができる。
脱硫減圧軽油の流動点が上記範囲内にあることにより、冬季における流動接触分解装置用原料油組成物の流動性を容易に確保し、本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を安定的に供給することができる。
脱硫減圧軽油のアスファルテンの含有割合が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を効果的に抑制することができる。
脱硫減圧軽油の配合割合が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物中の実在セジメント量や硫黄分を所望範囲に容易に抑制することができる。
脱硫減圧軽油の上記ハンセン溶解度パラメータ距離Raが上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を十分に抑制し得る流動接触分解装置用原料油組成物を提供できる。
直接脱硫重油の密度が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として十分な体積あたりの発熱量を容易に発揮することができ、工業炉やボイラーなどで使用した際に、燃焼の不均一性や失火などを抑制することができる。
脱硫減圧軽油の引火点が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として容易に取り扱うことができる。
直接脱硫重油の硫黄分含有割合が上記範囲内にあることにより、本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を効率的、経済的に製造することができ、また、流動接触分解装置減量配管内の硫化腐食の発生を抑制することができ、効率的に熱交換器の汚れを低減することができる。
直接脱硫重油の芳香族分含有割合が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物としての溶解力が向上し、より効果的に熱交換器の汚れを低減することができる。
直接脱硫重油の残留炭素分が上記範囲内であることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
脱硫減圧軽油の灰分が上記範囲内にあることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができる。
直接脱硫重油の窒素分含有割合が上記範囲内にあることにより、重質油留分の分解効率を向上することができる。
直接脱硫重油の50℃における動粘度が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器や流動接触分解装置などへ本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物を安定して供給することができる。
直接脱硫軽油の流動点が上記範囲内にあることにより、冬季における流動接触分解装置用原料油組成物の流動性を容易に確保し、流動接触分解装置用の原料油組成物を安定的に供給することができる。
直接脱硫重油のアスファルテンの含有割合が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を効果的に抑制することができる。
直接脱硫重油の配合割合が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物中の実在セジメント量や硫黄分を所望範囲に容易に抑制することができる。
直接脱硫重油の上記ハンセン溶解度パラメータ距離Raが上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を十分に抑制し得る流動接触分解装置用原料油組成物を提供できる。
本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物の10容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、熱交換器の汚れ原因と考えられる重質なワックス留分の含有量が抑制され、効果的に汚れを低減することができる。
本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物の90容量%留出温度が上記範囲内にあることにより、熱交換器の汚れ原因と考えられる重質なワックス留分の含有量が抑制され、効果的に汚れを低減することができる。
本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物の密度が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物として十分な体積あたりの発熱量を容易に発揮することができ、工業炉やボイラーなどで使用した際に、燃焼の不均一性や失火などを抑制することができる。
本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物の硫黄分含有割合が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置原料配管内の硫化腐食の発生を抑制することができ、効率的に熱交換器の汚れを低減することができる。
本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物の芳香族分含有割合が上記範囲内にあることにより、流動接触分解装置用原料油組成物の溶解力が向上し、含有されるアスファルテン析出を抑制し、効果的に汚れを低減することができる。
本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物の残留炭素分が上記範囲内にあることにより、分解処理工程において流動接触分解触媒へのコーク生成を低減することができ、また、工業炉やボイラーなどで燃焼した際に排出される煤煙量を容易に低減することができる。
本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物のアスファルテンの含有割合が上記範囲内にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を効果的に抑制することができる。
上記ハンセン溶解度パラメータ距離Raが上記範囲にあることにより、予熱系熱交換器への汚れの付着を十分に抑制し得る流動接触分解装置用原料油組成物を提供することができる。
図3に概略断面図で示すように、原料油タンクTに貯蔵されホットプレートHPにより70℃に加温された1.2Lの原料油を、同じく(図示しない)リボンヒーターにより流路全体が70℃に維持された流通配管c(直6.5mm)内に毎分10mLで送液しつつ、上記原料油の流通配管内に各々ヒーターロッドR(ステンレス鋼製、長さ200mm、直径6mm)を配置した加熱ヒーターHT1および加熱ヒーターHT2でそれぞれ設定温度T1(170℃)、T2(300℃)で順次加熱して上記原料油タンクTに返送する操作を700分間継続した後、上記加熱ヒーターHT1および加熱ヒーターHT2の原料油出口に各々配置された原料油温度計測手段TM1outおよびTM2outで原料油のヒーター出口温度T3を測定したときに、加熱ヒーターHT2において、「(設定温度T2)−(ヒーター出口温度T3)」により算出される温度差を3回測定したときの算術平均値を温度差δTとする。
本発明に係る流動接触分解装置用原料油組成物によれば、原料油による流通配管や加熱ヒーターへの汚れの付着を十分に抑制することができるために、上記温度差δTを好適な範囲に維持することができる。
(1)原料基材
流動接触分解装置用原料油組成物を構成する基材A〜基材Eとして、各々表1に示す物性を有する、脱硫減圧軽油(T−VGO)、直接脱硫重油(DDS−P)、接触分解軽油(LCO)および潤滑油製造工程から得られるエキストラクト(EXTRACT)および流動接触分解装置の精留塔ボトム油であるスラリーオイル(SLO)を用意した。
上記基材A〜基材Eを表2に示す割合になるように配合することにより、それぞれ、実施例1〜実施例3に係る原料組成物および比較例1〜比較例2に係る原料組成物を得た。
得られた実施例1〜実施例3および比較例1〜比較例2に係る原料組成物の特性を表2に示す。
Claims (3)
- ハンセン溶解度パラメータを三次元空間にプロットすることにより規定されるハンセン溶解度パラメータ空間において、
流動接触分解装置用原料油組成物の予熱用熱交換器に付着する汚れ分とのハンセン溶解度パラメータ距離Raが7.0以下である原料油基材を含み、
当該原料油基材の含有割合が合計で1〜13質量%である
ことを特徴とする流動接触分解装置用原料油組成物。 - 前記原料油基材として、
ハンセン溶解度パラメータの分散項δdmが17.6〜20.0であり、
ハンセン溶解度パラメータの極性項δpmが2.7〜3.8であり、
ハンセン溶解度パラメータの水素結合項δhmが0.9〜1.6である
ものを含む請求項1に記載の流動接触分解装置用原料油組成物。 - 前記原料油基材として、接触分解軽油、潤滑油製造工程から得られるエキストラクトおよび流動接触分解装置の精留塔ボトム油であるスラリーオイルから選ばれる一種以上を含む請求項1または請求項2に記載の流動接触分解装置用原料油組成物。
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