JP2020145961A - 凍結保存用治具 - Google Patents
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Abstract
【課題】凍結操作時に載置部上の限られた一部分に細胞または組織を載置する操作を必要とせず、融解操作時に細胞または組織を容易に見つけることが可能な凍結保存用治具を提供する。【解決手段】細胞または組織を載置する載置部が、光透過性基材上に複数のグリッド線から構成されるグリッド画像を有する。【選択図】図7
Description
本発明は、細胞または組織を凍結保存する凍結保存用治具に関する。
細胞または組織の優れた保存技術は、様々な産業分野で求められている。例えば、牛の胚移植技術においては、胚を凍結保存し、受胚牛の発情周期に合わせて胚を融解し、移植することが行われている。また、ヒトの不妊治療においては、母体から卵子または卵巣を採取後、移植に適したタイミングに合わせるために凍結保存しておき、移植時に融解して用いる手技がなされている。
一般に、生体内から採取された細胞または組織は、たとえ培養液の中であっても、次第に活性が失われていくことから、生体外での長期間の培養は好ましくない。そのため、生体活性を失わせずに長期間保存するための技術が重要になる。優れた保存技術により、採取された細胞または組織を、より正確に分析することが可能になる。また、優れた保存技術により、より高い生体活性を保ったまま、細胞または組織を移植に用いることが可能となり、移植後の生着率の向上が望める。さらには、生体外で培養した培養皮膚、生体外で構築した、いわゆる細胞シートのような移植のための人工の組織を、順次生産、保存しておき、必要な時に使用することも可能となり、医療、産業の両面において大きなメリットが期待できる。
細胞または組織の保存方法として、例えば緩慢凍結法が知られている。この方法では、例えば、リン酸緩衝生理食塩水などの生理的溶液に耐凍剤を含有させることで得られた保存液に、細胞または組織を浸漬する。該耐凍剤としては、グリセロール、エチレングリコールなどの化合物が用いられる。該保存液に、細胞または組織を浸漬後、比較的遅い冷却速度(例えば0.3〜0.5℃/分の速度)で、−30〜−35℃まで冷却すると、細胞内外または組織内外の保存液が十分に冷却され、粘性が高くなる。このような状態で、該保存液中の細胞または組織を、さらに液体窒素の温度(−196℃)まで冷却すると、細胞内または組織内とその外の周囲の微少溶液が、いずれも非結晶のまま固体となるガラス化が起こる。ガラス化により、細胞内外または組織内外が固化すると、実質的に分子の動きがなくなるので、ガラス化された細胞または組織を液体窒素中に保存することで、半永久的に保存できると考えられる。
例えば、特許文献1には緩慢凍結法によってブタ胚を凍結保存することが記載され、特許文献2にはウシ胚を緩慢凍結法によって保存することが記載されている。
しかしながら緩慢凍結法は、比較的遅い冷却速度で細胞または組織を冷却することから、凍結保存のための操作に時間を要する。また冷却速度を制御するための装置、または治具を必要とする問題がある。加えて細胞外または組織外の保存液中に氷晶が形成されるので、細胞または組織が該氷晶により物理的に損害を受けるおそれがある。
一方、上記した緩慢凍結法における問題点を解消する保存方法として、ガラス化凍結法が知られている。ガラス化凍結法とは、グリセロール、エチレングリコール、DMSO(ジメチルスルホキシド)などの耐凍剤を多量に含む保存液の凝固点降下により、氷点下であっても氷晶ができにくくなる原理を用いたものである。この保存液を、急速に液体窒素中で冷却させると、氷晶を生じさせないまま固体化させることができる。このように固体化することをガラス化凍結という。ガラス化凍結に用いられる耐凍剤を多量に含む保存液は、ガラス化液と呼称される。
ガラス化凍結法では、ガラス化液に細胞または組織を浸漬させ、その後、液体窒素の温度(−196℃)で急速に冷却する。ガラス化凍結法は、このような簡便かつ迅速な工程であるために、凍結保存のための操作に長い時間を必要としないほか、温度制御をするための装置または治具を必要としないという利点がある。
ガラス化凍結法を用いた細胞または組織の凍結保存については、様々な方法で、様々な種類の細胞または組織を用いた例が示されている。例えば、特許文献3では、動物、ヒトの生殖細胞または体細胞へのガラス化凍結法の適用が、極めて有用であることが示されている。非特許文献1では、ショウジョウバエの胚の保存に、ガラス化凍結法が有効であることが示されている。さらに特許文献4では、植物培養細胞や組織の保存において、ガラス化凍結法が有効であることが示されている。
しかしながら、ガラス化液に含まれる高濃度の耐凍剤には化学的毒性がある。このため細胞または組織の凍結保存時には、細胞または組織の周囲に存在するガラス化液は少ない方が望ましく、さらに細胞が保存液に暴露される時間、つまり凍結までの時間が短時間であることが望ましい。さらには、解凍後ただちに保存液を希釈する必要がある。
ガラス化凍結法に用いる凍結保存用治具として、例えば、特許文献5、特許文献6には、短冊状の可撓性かつ無色透明なフィルムを卵付着保持用ストリップとして有する凍結保存用治具の例が記載されている。
特許文献7には、短冊状の可撓性かつ無色透明なフィルムを卵付着保持用ストリップとして有し、さらに該フィルム上の一部に吸水部(吸収体)に取り囲まれた欠損部が設けられることにより、過剰なガラス化液の除去操作が不要な凍結保存用治具の例が記載されている。
Steponkus et al.,Nature 345:170−172(1990)
上記した特許文献5〜7に記載される凍結保存治具を用いた凍結方法では、凍結保存用治具の載置部上に細胞または組織を載置して凍結保存される。一方、凍結保存後の細胞または組織を融解し、回収するためには、融解液中で、凍結保存用治具の載置部上に存在する細胞または組織を顕微鏡観察下で見つけ出す必要がある。しかしながら、該操作では、載置部上の全領域から細胞または組織を探さなければならず、特に操作者が初心者の場合や凍結操作者と融解操作者が異なる場合において、非常に煩雑であった。かかる問題は、特許文献7に記載されるような欠損部(吸収体で取り囲むことで、細胞や組織が載置される領域を限定するもの)を設けることによってある程度軽減されるものの、載置部上の限られた特定の領域に細胞または組織を載置する操作自体を難しいと感じる操作者もいた。
しかるに本発明は、凍結操作時に細胞または組織に特別な操作、具体的には、載置部の限られた一部分に細胞または組織を載置する操作を必要とせず、融解操作時に細胞または組織を容易に見つけることが可能な凍結保存用治具を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、以下の構成を有する凍結保存用治具によって、上記課題を解決できることを見出した。
細胞または組織を凍結保存するための凍結保存用治具であって、細胞または組織を載置する載置部が、光透過性基材上に複数のグリッド線から構成されるグリッド画像を有することを特徴とする凍結保存用治具。
上記の発明によれば、凍結操作時に載置部の限られた一部分に細胞または組織を載置する操作を必要とせず、融解操作時に細胞または組織を容易に見つけることが可能な凍結保存用治具を提供することができる。
以下に、本発明の凍結保存用治具を詳細に説明する。
本発明の凍結保存用治具は、細胞または組織を凍結保存する際に用いられるものである。かかる凍結保存のプロトコルとしては、前記した緩慢凍結法や、ガラス化凍結法を挙げることができるが、本発明は特にガラス化凍結法において好適である。
本願明細書中で、細胞とは、単一の細胞のみならず、複数の細胞からなる生物の細胞集団を含むものである。複数の細胞からなる細胞集団とは、単一の種類の細胞から構成される細胞集団でも良いし、複数の種類の細胞から構成される細胞集団でも良い。また、本願明細書中で、組織とは、単一の種類の細胞から構成される組織でも良いし、複数の種類の細胞から構成される組織でも良く、細胞以外に細胞外マトリックスのような非細胞性の物質を含むものでも良い。
本発明の凍結保存用治具を用いて凍結保存することができる細胞として、例えば、哺乳類(例えば、人(ヒト)、牛、豚、馬、ウサギ、ラット、マウスなど)の卵子、胚、精子などの生殖細胞;人工多能性幹細胞(iPS細胞)、胚性幹細胞(ES細胞)などの多能性幹細胞が挙げられる。また、初代培養細胞、継代培養細胞、及び細胞株細胞などの培養細胞が挙げられる。また細胞は、一または複数の実施形態において、線維芽細胞、膵ガン・肝ガン細胞などのガン由来細胞、上皮細胞、血管内皮細胞、リンパ管内皮細胞、神経細胞、軟骨細胞、組織幹細胞、及び免疫細胞などの接着性細胞が挙げられる。さらに、凍結保存することができる組織として、同種または異種の細胞からなる組織、例えば、卵巣、皮膚、角膜上皮、歯根膜、心筋などの組織が挙げられる。本発明の凍結保存用治具は、特にシート状構造を有する組織(例えば、細胞シート、皮膚組織など)の凍結保存に好適である。本発明の凍結保存用治具は、直接生体から採取した組織だけでなく、例えば、生体外で培養し増殖させた培養皮膚、生体外で構築したいわゆる細胞シート、特開2012−205516号公報で提案されている三次元構造を有する組織モデルのような、人工の組織の凍結保存についても好適に用いることができる。本発明は、上記のような細胞または組織の凍結保存方法において好適に用いられる。
本発明の凍結保存用治具は、細胞または組織を載置する載置部を有する。本発明における細胞または組織を載置する載置部とは、細胞または組織が保存液と共に載置される部分に相当する箇所であり、本発明では該載置部が、光透過性基材上に複数のグリッド線から構成されるグリッド画像を有することを特徴とする。
本発明における光透過性基材とは、全光線透過率が70%以上となる性質の基材を指す。光透過性基材としては、各種樹脂フィルム、ガラス、ゴム等が例示され、本発明の効果を損なわない限り、表面がコーティングや他の加工により修飾された基材や、2種以上を組み合わせた複合基材を用いてもよい。上記した中でも、樹脂フィルムは、取扱いがしやすく、好適に用いられる。樹脂フィルムの具体的な例としては、ポリエチレンテレフタレートやポリエチレンナフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート−スチレン共重合体、メチルメタクリレート−ポリカーボネート共重合体などのアクリル樹脂、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、超高分子量ポリエチレンなどの各種ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリテトラフルオロエチレンやポリビニルジフロライドなどのフッ素樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ジアセテート樹脂、トリアセテート樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂などが例示される。なお、全光線透過率は、JIS−K−7361−1:1997に準拠して、例えば、日本電色工業(株)の分光ヘーズメーターSH7000により測定することができる。該光透過性基材の厚みは、10μm〜5mmであることが好ましく、より好ましくは20μm〜2.5mmである。
また、光透過性基材は、細胞または組織の良好な視認性を得る観点から、ヘーズ値が50%以下であることが好ましい。なお、該ヘーズ値は、JIS−K−7136:2000に準拠して、例えば、日本電色工業(株)の分光ヘーズメーターSH7000により測定することができる。
本発明の凍結保存用治具は、光透過性基材上に複数のグリッド線から構成されるグリッド画像を有する。該グリッド画像は、光透過性基材の細胞または組織を載置する面、またはその反対側の面のいずれであっても良く、光透過性基材の両面であっても良い。
本発明において、グリッド画像とは、載置部上に載置した細胞または組織の位置情報を座標として付与できる画像を意味し、該グリッド画像を構成するグリッド線は、実線でもよく、点線、破線、一点鎖線、二点鎖線などでもよい。グリッド線は、立体形状(凹凸)を有していてもよい。グリッド線は、微細線印刷により印刷されたグリッド線、線分パターンを有する金型形状を基材に転写することで生じた凹凸により形成されるグリッド線などが例示される。また、グリッド形状形成部材(例えば、糸状繊維、金属線、樹脂線など)を光透過性基材に貼合してグリッド線として扱うことも可能である。また、載置した細胞または組織の位置情報を座標として付与するにあたり、グリッド画像はグリッド線から構成される単位画像の集合体であることが好ましい。該単位画像としては、正方形、正六角形などの平面を最密充填できる多角形が例示される。また、該単位画像は完全に囲われた形状でも良いし、囲い形状の一部が開放された形状であっても良い。
グリッド線の線幅は特に限定されないが、顕微鏡観察下において少なくともグリッド線の一部が視認可能であることが好ましく、2〜100μmであることが好ましく、より好ましくは10〜50μmである。グリッド線の線幅が1μm以下の場合には、顕微鏡観察下でグリッド線自体の視認が難しい場合があり、好ましくない。また、該線幅のグリッド線を形成することが、技術的にも難しいという問題がある。
グリッド線が立体形状(凹凸)を有する場合、その深さや高さ、及び幅は特に限定されないが、グリッド線が細胞または組織を載置する側の載置面に存在し、かつ凹形状の場合(特に凹部の幅が細胞または組織の大きさよりも大きい場合)には、凍結操作の際、載置された細胞または組織がグリッド線の溝内に入り込み、凍結融解操作を行う際の操作性に悪影響を与える可能性がある。このような場合、該立体形状は細胞または組織が載置される面とは反対側の面に位置することが好ましい。
前記したグリッド形状形成部材を光透過性基材に固定し、グリッド線とする場合、固定方法の例としては、接着剤による固定、光透過性基材内へのインサート成型による固定などが例示される。グリッド形状形成部材を接着剤により光透過性基材上に固定する場合、接着剤の塗布位置は、細胞または組織を載置する箇所以外の場所にあることが好ましく、また、細胞または組織が載置される面とは反対側の面に位置することが好ましい。
グリッド形状形成部材を接着剤により固定する場合、接着剤は、湿気硬化性の接着物質に代表されるような瞬間接着組成物、ホットメルト接着組成物、光硬化性接着組成物などを含有することが可能であり、例えばポリビニルアルコール、ヒドロキシセルロース、ポリビニルピロリドン、澱粉糊などの水溶性高分子化合物や、酢酸ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ウレタン系樹脂、エラストマー系樹脂、シアノアクリレート系樹脂、フッ素系樹脂、シリコン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、ニトリルゴム系樹脂、スチレン−ブタジエン系樹脂、ユリア系樹脂、スチレン系樹脂、フェノール系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、オレフィン系樹脂、EVA系樹脂などの非水溶性樹脂を含有する組成物を使用することができる。接着剤は、一種類の化合物や樹脂を含有してもよいし、複数種類の化合物や樹脂を含有してもよい。ただ、接着剤が細胞または組織の載置箇所に存在すると、凍結融解操作時の視認性が低下してしまう可能性や、硬化した接着剤の表面特性(ざらつき)が細胞または組織を物理的に損傷させてしまう可能性があるため、接着剤は細胞または組織の載置箇所以外に存在することが好ましい。
上記したグリッド画像が有する単位画像の好適な大きさは、載置される細胞または組織の大きさに依存する。例えば、載置部上に、直径100μm程度の動物胚を載置する場合には、グリッド単位画像内において、最長となる対角線の長さが、25〜500μmであることが好ましい。
本発明では、グリッド画像として、グリッド形状部材(例えば、金属や樹脂製のメッシュなど)を利用することができる。グリッド形状部材を光透過性基材に固定し、グリッド画像とする場合、該固定方法の例としては、前述したグリッド形状形成部材の固定方法と同様、接着剤による固定、光透過性基材内へのインサート成型による固定などが例示される。グリッド形状部材を接着剤により光透過性基材上に固定する場合にも、接着剤の塗布位置は、細胞または組織を載置する箇所以外の場所にあることが好ましく、また、細胞または組織が載置される面とは反対側の面に位置することが好ましい。
本発明においてグリッド画像の近傍には、数字や英字記号によるナンバリングがなされることも本発明の好ましい一例である。ナンバリングがなされると、凍結操作時に載置した細胞または組織の位置情報が、座標情報としてより明確になり、融解操作時に細胞または組織を見つけることがより容易となる。ナンバリングは、特に凍結操作者と融解操作者が異なる場合に、細胞または組織の位置情報を伝達する上で有効である。
本発明において、グリッド画像を有する光透過性支持体の好ましい面積は、載置対象物である細胞または組織の大きさに応じて適宜設定すればよく、特に限定されない。
次に、本発明の凍結保存用治具におけるグリッド画像を有する載置部について、詳細に説明する。
図1は、本発明の凍結保存用治具におけるグリッド画像を有する載置部の一例であり、グリッド線(実線)1から構成される正方形を単位画像とし、該単位画像を最密充填したグリッド画像を有する載置部3aの概略図を示した。グリッド画像の近傍には、ナンバリングされた記号4を設けている。かかる形態のグリッド画像を得るための方法としては、光透過性基材にグリッドパターンを有する金型を載置し、プレス加工することにより、グリッド線(実線)1を形成する方法や、光透過性基材上に、顔料または染料インクを用いた印刷方式、インクジェット方式、レーザープリント方式などの方法で微細線印刷し、グリッド線(実線)1を形成する方法が例示される。
図2は、本発明の凍結保存用治具におけるグリッド画像を有する載置部の別の一例であり、グリッド線(実線)1から構成される正六角形を単位画像とし、該単位画像を最密充填したグリッド画像を有する載置部3bの概略図を示した。かかる形態のグリッド画像も、上述した図1の説明で例示したものと同様の方法で得ることができる。
図3は、本発明の凍結保存用治具におけるグリッド画像を有する載置部のまた別の一例であり、円形の点を規則的に配置(正方形の各頂点に円形の点を配置)したグリッド線(点線)5aにより形成したグリッド画像を有する載置部3cの概略図を示した。グリッド画像の近傍には、ナンバリングされた記号4を設けている。かかる形態のグリッド画像を得るための方法としては、光透過性基材にドットパターンが規則的に配置された金型を載置し、プレス加工することにより、グリッド線(点線)5aを形成する方法や、光透過性基材上に、顔料または染料インクを用いた印刷方式、インクジェット方式、レーザープリント方式などの方法でグリッド線(点線)5aを印刷する方法が例示される。
図4は、本発明の凍結保存用治具におけるグリッド画像を有する載置部のまた別の一例であり、正方形の点を規則的に配置(正方形の各頂点に正方形の点を配置)したグリッド線(点線)5bにより形成したグリッド画像を有する載置部3dの概略図を示した。かかる形態のグリッド画像も、上述した図3同様の方法で得ることができる。
図5は、本発明の凍結保存用治具におけるグリッド画像を有する載置部のまた別の一例であり、グリッド形状形成部材6を網目形状に配置し、かつ交点にはグリッド形状形成部材6が存在しない形状に配置することにより形成したグリッド画像を有する載置部3eの概略図を示した。かかる形態のグリッド画像を得るための方法としては、糸状繊維、金属線、樹脂線などのグリッド形状形成部材6をインサートワークとし、光透過性基材の内部にインサート成型する方法を例示することができる。
図6は、グリッド形状部材の貼合例の一例であり、光透過性基材2上に、金属や樹脂製のメッシュなどにより形成されたグリッド形状部材8を、載置部3f外に設けた接着層7を介して光透過性基材2上に貼り合わせた概略図示した。かかる形態の載置部を得るための方法としては、光透過性基材2上の一部にマスキングテープでマスキングを施した状態で、溶融させたホットメルト樹脂接着剤をコーター塗布することで接着層7を形成し、マスキングテープを剥離した後にグリッド形状部材8を貼り合わせる方法を例示することができる。
本発明の凍結保存用治具は、前記したグリッド画像を有する載置部と共に把持部を有していても良い。把持部を有すると、凍結保存作業時及び融解作業時の作業性が良好になるため好ましい。
本発明の凍結保存用治具を用いて細胞または組織を長期凍結保存する場合、細胞または組織を外界と遮断するために凍結保存用治具にキャップを被せる、または、該凍結保存用治具を任意の形状の容器に入れて密閉することが可能である。液体窒素が滅菌されておらず、細胞または組織を直接液体窒素に接触させて凍結させる場合は、凍結保存用治具が滅菌されていても滅菌状態を保証できない場合がある。よって、凍結前に細胞または組織を付着させた載置部にキャップをする、または凍結保存用治具を容器中に密閉することにより、細胞または組織を直接液体窒素に接触させずに凍結させることがある。上記理由から、キャップ及び容器は耐液体窒素性のある素材である各種金属、各種樹脂、ガラス、セラミックなどで作製することが好ましい。形状としては特に限定されず、例えば、キャップは、鉛筆用のキャップのような半紡錘状またはドーム状などのキャップ、円柱状のストローキャップなど、凍結保存用治具の載置部と接触せず、細胞または組織を外界と遮断できるような形状ならどのような形状でもよい。容器は、載置された細胞または組織に接触せずに、凍結保存用治具を被包または収納して密閉できるものであればよく、その形状は特に限定されない。
本発明の凍結保存用治具は、本発明の効果を損なわない限り、凍結保存用治具を上記したようなキャップ、容器と組み合わせて使用することができる。また、このような、キャップまたは容器と組み合わせて使用される形態の凍結保存用治具も、本発明に包含される。
図7は、本発明の凍結保存用治具の一例を示す全体図である。図7において凍結保存用治具10は把持部9を有し、該把持部9には、光透過性基材2が接続されており、該光透過性基材2上に、複数のグリッド線から構成されるグリッド画像を有する載置部3を有する。
把持部9は、耐液体窒素素材であることが好ましい。このような素材としては、例えばアルミ、鉄、銅、ステンレス合金などの各種金属、ABS樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、フッ素系樹脂や各種エンジニアリングプラスチック、更にはガラスなどを好適に用いることができる。図7中、把持部9は円柱形であるが、その形状は任意である。また、前記したように、細胞または組織を直接液体窒素に接触させないことを目的に、凍結前に細胞または組織を付着させた載置部3にキャップを被せることがあるが、この場合、把持部9を、載置部3を有さない側から、載置部3を有する側に向かって、円柱の径が連続的に小さくなる形状(テーパー状)とすることで、キャップを被せる際の作業性を向上させることも可能である。載置部3の形状は、ハンドリング上、短冊状であることが好ましい。また、載置部3は光透過性基材2上の任意の位置に設けることができるが、取扱い性の観点から光透過性基材2の先端部近傍とすることが好ましい。
次に、把持部9と光透過性基材2の接続方法について説明する。把持部9が樹脂の場合、例えば、成形加工する時にインサート成形により光透過性基材2を把持部9に接続することができる。更に、把持部9に図示しない構造体挿入部を作製し、接着剤にて光透過性基材2を接続することができる。接着剤としては様々なものが使用できるが、低温に強いシリコン系やフッ素系の接着剤を好適に用いることができる。
本発明の凍結保存用治具は、例えば、クライオトップ(登録商標)法において好適に用いられるものである。また、従来のクライオトップ法は、通常、単一の細胞または10個未満の少数の細胞の保存に用いられるが、本発明は、より多くの細胞の保存(例えば、10〜1000000個の細胞の保存)においても好適に用いることができる。
本発明の凍結保存用治具を用いて細胞または組織を凍結保存する手順は特に限定されない。例を以下に示す。まず、保存液に浸漬した細胞または組織を、保存液と共に載置部上に滴下する(この時、載置部上に載置した位置の座標を記録しておく)。次いで、前記細胞または組織を載置部に保持させたまま液体窒素などの中に浸漬することにより、細胞または組織を凍結する。この時、前記した載置部上の細胞または組織を外界と遮断することができるキャップを載置部に装着し、または凍結保存用治具を前術した容器に密閉して、液体窒素などの中に浸漬することもできる。保存液は、通常卵子、胚などの細胞の凍結のために使用されるものを使用することができ、例えば、リン酸緩衝生理食塩水などの生理的溶液に耐凍剤(グリセロール、エチレングリコールなど)を含有させることで得られた保存液や、グリセロールやエチレングリコール、DMSO(ジメチルスルホキシド)などの各種耐凍剤を多量に(少なくとも保存液の全質量に対して耐凍剤を10質量%以上、より好ましくは耐凍剤を20質量%以上)含む保存液を使用できる。融解作業の際は、液体窒素などの冷却溶媒中から、該凍結保存用治具を取り出し、凍結された細胞または組織を載せた載置部を融解液中に浸漬させ、また載置部を融解液中で揺するなどして細胞または組織を回収する。この時、前記した座標に基づき、顕微鏡観察下で細胞または組織を見つければ良いので、本発明によれば細胞または組織の回収作業が容易となる。
以下に、本発明を実施例によりさらに詳細に示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、光透過性基材の厚みは、(株)ニコン製のデジタルマイクロメーターDIGIMICRO MFC−101Aで測定した。また、光透過性基材の全光線透過率及びヘーズ値は、JIS−K−7361−1:1997及びJIS−K−7136:2000に準拠して、日本電色工業(株)の分光ヘーズメーターSH7000により測定した。
(実施例1)
光透過性基材として、東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルムである、ルミラー(登録商標)T60(厚み188μm、全光線透過率88.9%、ヘーズ値2.3%)を準備した。該光透過性基材を短辺1.5mm×長辺25.0mmの長方形に裁断し、該光透過性基材の一方の先端部に、一辺の長さが200μm、高さ100μmの四角錐形状の凹部が格子状に連続して形成された雌金型を押し当て、サイトウエンヂニアーズ(株)製のロール式エンボス加工機、EMBOSTAR(商標登録)を用いてプレス加工することにより、縦横のパターンピッチが200μm、線幅が10μmの正方形が最密充填された、図1の形態のグリッド画像を形成した。なお、該正方形の対角線の長さは、283μmである。その後、該グリッド画像が形成されていない側のポリエチレンテレフタレートフィルムの一端を、ABS樹脂製の把持部と接合させ、実施例1の凍結保存用治具を得た。なお、本実施例においてグリッド画像は、細胞または組織を載置する側の面に設けられている。
光透過性基材として、東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルムである、ルミラー(登録商標)T60(厚み188μm、全光線透過率88.9%、ヘーズ値2.3%)を準備した。該光透過性基材を短辺1.5mm×長辺25.0mmの長方形に裁断し、該光透過性基材の一方の先端部に、一辺の長さが200μm、高さ100μmの四角錐形状の凹部が格子状に連続して形成された雌金型を押し当て、サイトウエンヂニアーズ(株)製のロール式エンボス加工機、EMBOSTAR(商標登録)を用いてプレス加工することにより、縦横のパターンピッチが200μm、線幅が10μmの正方形が最密充填された、図1の形態のグリッド画像を形成した。なお、該正方形の対角線の長さは、283μmである。その後、該グリッド画像が形成されていない側のポリエチレンテレフタレートフィルムの一端を、ABS樹脂製の把持部と接合させ、実施例1の凍結保存用治具を得た。なお、本実施例においてグリッド画像は、細胞または組織を載置する側の面に設けられている。
(実施例2)
実施例1の凍結保存用治具の作製において、光透過性基材のグリッド画像を有さない側の面を載置部とした以外は同様にして、実施例2の凍結保存用治具を得た。
実施例1の凍結保存用治具の作製において、光透過性基材のグリッド画像を有さない側の面を載置部とした以外は同様にして、実施例2の凍結保存用治具を得た。
(実施例3)
実施例1の凍結保存用治具の作製において、光透過性基材であるルミラーT60に代えて、(株)きもと製のセミマットコーティングが施されたポリエチレンテレフタレートフィルムである、KBフィルム N30(厚み190μm、全光線透過率90.0%、ヘーズ値32.2%)を光透過性基材として使用し、該光透過性基材のセミマットコーティング面にグリッド画像を形成した以外は実施例1と同様にして、実施例3の凍結保存用治具を得た。なお、本実施例においてグリッド画像は、細胞または組織を載置する側の面に設けられている。
実施例1の凍結保存用治具の作製において、光透過性基材であるルミラーT60に代えて、(株)きもと製のセミマットコーティングが施されたポリエチレンテレフタレートフィルムである、KBフィルム N30(厚み190μm、全光線透過率90.0%、ヘーズ値32.2%)を光透過性基材として使用し、該光透過性基材のセミマットコーティング面にグリッド画像を形成した以外は実施例1と同様にして、実施例3の凍結保存用治具を得た。なお、本実施例においてグリッド画像は、細胞または組織を載置する側の面に設けられている。
(実施例4)
実施例1の凍結保存用治具の作製において、金型として直径が30μm、高さが30μmの円柱が、縦及び横方向に、該円柱の中心間距離が200μmのピッチで規則的に配置された雄金型を用いて、光透過性基材上に図3に示す形態のグリッド画像を形成した以外は実施例1と同様にして、実施例4の凍結保存用治具を作製した。なお、該グリッド画像の対角線の長さは、282μmである。また、本実施例においてグリッド画像は、細胞または組織を載置する側の面に設けられている。
実施例1の凍結保存用治具の作製において、金型として直径が30μm、高さが30μmの円柱が、縦及び横方向に、該円柱の中心間距離が200μmのピッチで規則的に配置された雄金型を用いて、光透過性基材上に図3に示す形態のグリッド画像を形成した以外は実施例1と同様にして、実施例4の凍結保存用治具を作製した。なお、該グリッド画像の対角線の長さは、282μmである。また、本実施例においてグリッド画像は、細胞または組織を載置する側の面に設けられている。
(実施例5)
光透過性基材として、東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルムである、ルミラーT60を準備し、該光透過性基材を短辺1.5mm×長辺25.0mmの長方形に裁断した。次に、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の端部を、前述した図6の形態、すなわち載置部3fの両端部に接着層7がそれぞれ形成できるよう、(株)寺岡製作所製のマスキングテープ(厚み55μm)を用いてマスキングを施し、該マスキング後のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、接着層として、ヘンケルジャパン(株)製のホットメルトウレタン樹脂Purmelt(登録商標)QR 170−7141Pを、乾燥時の固形分量が30g/m2となるように塗布した。接着層塗布後、マスキングテープを剥離し、接着剤が流動性を有するうちに、(株)くればぁが取り扱うニッケル材質の超高精度ナノメッシュ(目開き231μm、線径23μm)を貼合し、光透過性基材上に図6に示す形態のグリッド画像を形成した。その後、該グリッド画像が形成されていない側のポリエチレンテレフタレートフィルムの一端を、ABS樹脂製の把持部と接合させ、実施例5の凍結保存用治具を得た。なお、該メッシュの対角線の長さは、327μmである。また、本実施例においてグリッド画像は、細胞または組織を載置する側の反対側の面に設けられている。
光透過性基材として、東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルムである、ルミラーT60を準備し、該光透過性基材を短辺1.5mm×長辺25.0mmの長方形に裁断した。次に、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の端部を、前述した図6の形態、すなわち載置部3fの両端部に接着層7がそれぞれ形成できるよう、(株)寺岡製作所製のマスキングテープ(厚み55μm)を用いてマスキングを施し、該マスキング後のポリエチレンテレフタレートフィルム上に、接着層として、ヘンケルジャパン(株)製のホットメルトウレタン樹脂Purmelt(登録商標)QR 170−7141Pを、乾燥時の固形分量が30g/m2となるように塗布した。接着層塗布後、マスキングテープを剥離し、接着剤が流動性を有するうちに、(株)くればぁが取り扱うニッケル材質の超高精度ナノメッシュ(目開き231μm、線径23μm)を貼合し、光透過性基材上に図6に示す形態のグリッド画像を形成した。その後、該グリッド画像が形成されていない側のポリエチレンテレフタレートフィルムの一端を、ABS樹脂製の把持部と接合させ、実施例5の凍結保存用治具を得た。なお、該メッシュの対角線の長さは、327μmである。また、本実施例においてグリッド画像は、細胞または組織を載置する側の反対側の面に設けられている。
(実施例6)
実施例5において、光透過性基材に、(株)くればぁが取り扱うニッケル材質の超高精度ナノメッシュ(目開き50μm、線径26μm)を貼り合わせる以外は、実施例5と同様にして、実施例6の凍結保存用治具を得た。なお、該メッシュの対角線の長さは、71μmである。
実施例5において、光透過性基材に、(株)くればぁが取り扱うニッケル材質の超高精度ナノメッシュ(目開き50μm、線径26μm)を貼り合わせる以外は、実施例5と同様にして、実施例6の凍結保存用治具を得た。なお、該メッシュの対角線の長さは、71μmである。
(比較例1)
東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルムである、ルミラーT60を短辺1.5mm×長辺25.0mmの長方形に裁断した。次に、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の端部をABS樹脂製の把持部と接合させ、比較例1の凍結保存用治具を得た。
東レ(株)製のポリエチレンテレフタレートフィルムである、ルミラーT60を短辺1.5mm×長辺25.0mmの長方形に裁断した。次に、該ポリエチレンテレフタレートフィルムの一方の端部をABS樹脂製の把持部と接合させ、比較例1の凍結保存用治具を得た。
(比較例2)
実施例4において、金型として、直径30μm、高さ30μmの円柱が、不規則な配置(円柱を線で結んでも単位格子が集合した格子状のグリッド画像にならない配置)で形成された雄金型を用いてドット画像を形成した以外は実施例4と同様にして、比較例2の凍結保存用治具を得た。
実施例4において、金型として、直径30μm、高さ30μmの円柱が、不規則な配置(円柱を線で結んでも単位格子が集合した格子状のグリッド画像にならない配置)で形成された雄金型を用いてドット画像を形成した以外は実施例4と同様にして、比較例2の凍結保存用治具を得た。
<融解操作時のマウス卵子の見つけやすさの評価>
実施例1〜6及び比較例1〜2の凍結保存用治具の各々について、保存液として、細胞または組織のガラス化保存のために一般的に用いられている、Irvine Scientific社製Vit Kitガラス化液を使用し、実体顕微鏡観察下で、載置部上に上記したガラス化液0.2μLと、直径約100μmのマウス卵子をマイクロピペットにより滴下し、グリッド画像によりマウス卵子付着位置の位置情報を読み取った。その後、凍結保存用治具を液体窒素に浸漬してガラス化させた。ガラス化後の凍結保存用治具を液体窒素中から取り出し、速やかに、温度37℃のIrvine Scientific社製Vit Kit融解液に浸漬させた。融解液浸漬直後、凍結保存用治具の載置部上におけるマウス卵子の見つけやすさを、以下の基準により評価した。
実施例1〜6及び比較例1〜2の凍結保存用治具の各々について、保存液として、細胞または組織のガラス化保存のために一般的に用いられている、Irvine Scientific社製Vit Kitガラス化液を使用し、実体顕微鏡観察下で、載置部上に上記したガラス化液0.2μLと、直径約100μmのマウス卵子をマイクロピペットにより滴下し、グリッド画像によりマウス卵子付着位置の位置情報を読み取った。その後、凍結保存用治具を液体窒素に浸漬してガラス化させた。ガラス化後の凍結保存用治具を液体窒素中から取り出し、速やかに、温度37℃のIrvine Scientific社製Vit Kit融解液に浸漬させた。融解液浸漬直後、凍結保存用治具の載置部上におけるマウス卵子の見つけやすさを、以下の基準により評価した。
<融解操作時のマウス卵子の見つけやすさの評価基準>
○:凍結保存治具上のマウス卵子を、グリッド画像により付与された位置情報により、5秒以内に見つけることができた。
×:マウス卵子を5秒以内に見つけることができない場合があった。
○:凍結保存治具上のマウス卵子を、グリッド画像により付与された位置情報により、5秒以内に見つけることができた。
×:マウス卵子を5秒以内に見つけることができない場合があった。
表1の結果から、本発明の凍結保存用治具は、凍結操作時に載置部上の限られた一部分に細胞または組織を載置する操作を必要とせず、融解操作時に細胞または組織を容易に見つけることが可能な凍結保存用治具であることがわかる。
本発明は、牛などの家畜や動物の胚移植や人工授精、人への人工授精などのほか、iPS細胞、ES細胞、一般に用いられている培養細胞、生体から採取した検査用または移植用の細胞または組織、生体外で培養した細胞または組織などの凍結保存に用いることができる。
1 グリッド線(実線)
2 光透過性基材
3、3a〜3f 載置部
4 ナンバリングされた記号
5a、5b グリッド線(点線)
6 グリッド形状形成部材
7 接着層
8 グリッド形状部材
9 把持部
10 凍結保存用治具
2 光透過性基材
3、3a〜3f 載置部
4 ナンバリングされた記号
5a、5b グリッド線(点線)
6 グリッド形状形成部材
7 接着層
8 グリッド形状部材
9 把持部
10 凍結保存用治具
Claims (1)
- 細胞または組織を凍結保存するための凍結保存用治具であって、細胞または組織を載置する載置部が、光透過性基材上に複数のグリッド線から構成されるグリッド画像を有することを特徴とする凍結保存用治具。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019045984A JP2020145961A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 凍結保存用治具 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019045984A JP2020145961A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 凍結保存用治具 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020145961A true JP2020145961A (ja) | 2020-09-17 |
Family
ID=72429029
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019045984A Pending JP2020145961A (ja) | 2019-03-13 | 2019-03-13 | 凍結保存用治具 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2020145961A (ja) |
-
2019
- 2019-03-13 JP JP2019045984A patent/JP2020145961A/ja active Pending
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