JP2020145079A - 端子及び該端子を有する電気コネクタ - Google Patents

端子及び該端子を有する電気コネクタ Download PDF

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Abstract

【課題】めっき材料の使用量を必要最低限に留めることを可能とする端子及び該端子が設けられた電気コネクタを提供する。【解決手段】端子30は、圧延金属板製であり、上記2つの腕部31,32のうち一方の腕部31は、前後方向で他方の腕部32と重複する範囲内に、該他方の腕部32側に位置する圧延面で相手接続体と接触可能な接触部31Aが形成されており、上記他方の腕部32は、端子幅方向に見たときに前後方向で上記一方の腕部31の上記接触部31Aと重複する位置に、上記接触部31Aと接触した相手接続体を上記一方の腕部31側に位置する圧延面で支持する支持部32Cが形成されており、上記他方の腕部32の支持部32Cは、該支持部32Cの板厚方向に見たときに上記接触部31Aの少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲をもって形成されている。【選択図】図5

Description

本発明は、相手接続体が接続される電気コネクタに設けられる端子及び該端子を有する電気コネクタに関する。
かかる電気コネクタは、例えば、特許文献1に開示されている。特許文献1の電気コネクタは、回路基板の実装面に実装されるとともに該実装面に平行な前後方向で相手接続体としての平型導体(FPC)が挿抜される。該電気コネクタは、コネクタ幅方向(前後方向に対して直角な方向であり、平型導体の幅方向と同じ方向)に配列された複数の端子と、該複数の端子を保持するハウジングとを有している。
複数の端子は2種設けられて、この2種の端子(第一端子及び第二端子)は互いに異なる形状をなしコネクタ幅方向で交互に配列されている。いずれの種の端子も帯状の金属板部材を板厚方向に屈曲して作られており、コネクタ幅方向(端子配列方向)を端子幅方向としている。第一端子は、回路基板の実装面に対して直角な上下方向(コネクタ厚さ方向)で対向するとともに互いに並行して後方へ延びる上腕部及び下腕部と、両腕部の前端同士を連結する連結部とを有しており、後方に開口する両腕部(上腕部及び下腕部)間への平型導体の進入を許容している。
上記上腕部は、下腕部よりも短く、該上腕部の後端部には平型導体との接触のための接触部が下腕部の方へ向け下方へ突出して形成されている。該接触部は、下腕部に対面する圧延面(下面)を接触面としていて、該接触面で平型導体に上方から弾性をもって接触する。上記下腕部は、前後方向で接触部と対応する位置に、上記接触部と接触した平型導体を下方から支持する支持部が形成されている。該支持部は、上下方向に見たときに、前後方向及び端子幅方向で上腕部の接触部全体と重複する範囲に設けられている。
一方、第二端子は、全体形状が前後方向に延びるクランク状をなしており、平型導体に上方から接触する腕部を有しているが、該平型導体を下方から支持する腕部は有していない。
特許第6272660号
端子には、良好な電気的導通状態を得るために、導電性の高いめっき材料で端子の接触部の接触面にめっき処理が施されることが多い。このとき、めっき処理には、例えば金などの高価な材料が使用されることが多い。したがって、端子ひいては電気コネクタの製造コストを抑制するためには、端子にめっきが施される範囲を端子の接触部の接触面のみとして、接触面以外にめっきが及ぶのを回避してめっき材料の使用量を最小限に留めることが望ましい。
仮に、特許文献1において、第一端子の上腕部に形成された接触部の接触面(下面)にめっきを施そうとしたとき、上述したように、該第一端子の下腕部の支持部が上下方向に見たときに前後方向及び端子幅方向で上腕部の接触部全体と重複しているので、下腕部が障害となって、下方から接触部の接触面にめっきを吹き付けたりして塗布することは極めて困難である。したがって、該第一端子の接触部の接触面にめっきを施すためには、通常、第一端子全体をめっき槽に浸漬させる必要がある。このようにして第一端子全体にめっきを施すと、本来めっきが必要ない部分、すなわち接触面以外の部分にもめっき材料が使用されることとなり、その分、端子ひいては電気コネクタの製造コストが嵩んでしまう。
本発明は、かかる事情に鑑み、互いに並行する2つの腕部を有する端子にめっき処理をする際、該端子の一方の腕部に形成された接触部が、両腕部の長手方向で他方の腕部の範囲内に位置している場合であっても、該他方の腕部が障害となることなく、上記接触部のみにめっきを施して、めっき材料の使用量を必要最低限に留めることを可能とする端子及び該端子が設けられた電気コネクタを提供することを課題とする。
本発明によれば、上述の課題は、次の第一発明に係る端子及び第二発明に係る電気コネクタにより解決される。
<第一発明>
第一発明に係る端子は、相手接続体が電気コネクタへ向け前方へ挿入されて接続される電気コネクタに設けられる。
かかる端子において、第一発明では、上記端子は、圧延金属板製であり、前後方向に対して直角な相手接続体の幅方向を端子幅方向とする帯状金属板部材がその板厚方向に屈曲した形状をなしていて、互いに並行して後方へ向けて延びる2つの腕部と、該2つの腕部の前端を連結する連結部とを有し、両腕部間への後方からの相手接続体の進入を許容しており、上記2つの腕部のうち一方の腕部は、前後方向で他方の腕部と重複する範囲内に、該他方の腕部側に位置する圧延面で相手接続体と接触可能な接触部が形成されており、上記他方の腕部は、上記端子幅方向に見たときに前後方向で上記一方の腕部の上記接触部と重複する位置に、上記接触部と接触した相手接続体を上記一方の腕部側に位置する圧延面で支持する支持部が形成されており、上記他方の腕部の支持部は、該支持部の板厚方向に見たときに上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲をもって形成されていることを特徴としている。
第一発明に係る端子では、他方の腕部の支持部が、該支持部の板厚方向、すなわち、該両腕部同士の対向方向に見たときに、接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲をもって形成されている。このような構成とすることにより、上記板厚方向で他方の腕部側から一方の腕部の接触部の接触面へ向けて、例えば、めっき材料を吹き付けたりすることにより、該めっき材料が塗布される範囲を接触部の接触面及びその近傍に留めることができる。この結果、めっき材料の使用量を必要最低限に留めることができる。
第一発明において、上記他方の腕部の支持部は、該他方の腕部における他部よりも端子幅が大きく形成されていてもよい。このように上記支持部を幅広に形成することにより、支持部自体の強度が向上する。したがって、上記支持部が上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲をもって形成されていても、該支持部は、その全体で相手接続体が一方の腕部の接触部から受ける力、すなわち他方の腕部側へ向けた力に十分に対抗して相手接続体を支持することができる。
第一発明において、上記他方の腕部の支持部は、該支持部の前後方向に延びる側縁部に切欠部が形成されていて、該切欠部の範囲により、上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲を形成していることとしてもよい。また、上記他方の腕部の支持部は、該支持部の板厚方向に貫通する孔部が形成されていて、該孔部の範囲により、上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲を形成していることとしてもよい。また、上記他方の腕部の支持部は、端子幅方向で該他方の腕部における他部からずれた位置に形成されることにより、上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲を形成していることとしてもよい。
<第二発明>
第二発明に係る電気コネクタは、第一発明に係る端子を有することを特徴としている。このように第一発明に係る端子を電気コネクタに設けることにより、該電気コネクタにおいて、端子にめっき処理が施される範囲を接触部の接触面及びその近傍に留めることができる。この結果、めっき材料の使用量を必要最低限に留めることができる。
本発明において、「相手接続体」とは、電気コネクタに対して電気的に接続される接続体をいい、例えば、上記電気コネクタに挿入されるFPC等の平型導体や、上記電気コネクタに嵌合接続される相手電気コネクタ等が挙げられる。
本発明では、以上のように、端子において、他方の腕部の支持部が、該支持部の板厚方向に見たときに接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲をもって形成されているので、この重複しない範囲を通して、上記板厚方向で他方の腕部側から一方の腕部の接触部にめっき材料を塗布することにより、めっき処理が施される範囲を接触部の接触面及びその近傍に留めることができる。めっき材料の使用量を必要最低限に留めることにより、端子ひいては電気コネクタの製造コストを抑制することができる。
本発明の実施形態に係る平型導体用電気コネクタの斜視図である。 図1の平型導体用電気コネクタを前方側から見た斜視図であり、1本の第一端子、1本の第二端子、可動部材、1本の金具、を分離した状態で示している。 可動部材が閉位置にあるときの平型導体用電気コネクタの縦断面図であり、(A)は第一端子の位置での断面、(B)は第二端子の位置での断面、(C)は可動部材の係止部の位置での断面を示している。 可動部材が開位置にあるときの平型導体用電気コネクタの縦断面図であり、(A)は第一端子の位置での断面、(B)は第二端子の位置での断面、(C)は可動部材の係止部の位置での断面を示している。 (A)は可動部材が開位置にあるときの平型導体用電気コネクタの平面図であり、(B)は(A)の平型導体用電気コネクタの底面図である。 可動部材が閉位置にあるときの平型導体用電気コネクタの縦断面図であり、(A)は可動部材の第一軸部の位置での断面、(B)は可動部材の第二軸部の位置での断面、(C)は可動部材の第三軸部の位置での断面を示している。 可動部材が開位置にあるときの平型導体用電気コネクタの縦断面図であり、(A)は可動部材の第一軸部の位置での断面、(B)は可動部材の第二軸部の位置での断面、(C)は可動部材の第三軸部の位置での断面を示している。 一体モールド成形時における平型導体用電気コネクタの縦断面図であり、(A)は可動部材の第一軸部の位置での断面を、(B)は可動部材の第三軸部の位置での断面を、金型が配置された状態で示している。 (A)は可動部材が開位置にあるときの平型導体用電気コネクタの一部を拡大して斜め上前方から見た斜視図であり、(B)は可動部材が閉位置にあるときの平型導体用電気コネクタの横断面を下方から見た断面図であり一部を拡大して示している。 平型導体の挿入が完了した状態での回路基板用電気コネクタの縦断面図であり、(A)は第一端子の位置での断面、(B)は第二端子の位置での断面、(C)は可動部材の係止部の位置での断面を示している。 (A)は変形例における第二端子の斜視図、(B)は(A)の第二端子の底面図、(C)は他の変形例における第二端子の斜視図、(D)は(C)の第二端子の底面図である。
以下、添付図面にもとづき、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る平型導体用電気コネクタ1(以下「コネクタ1」という)の斜視図である。コネクタ1は、回路基板(図示せず)の実装面上に実装され、該実装面に対して平行な前後方向(X軸方向)を挿抜方向として、相手接続体としての平型導体Fが挿抜可能に接続されるようになっている。該コネクタ1は、平型導体Fが接続されることにより、回路基板と平型導体Fとを電気的に導通させる。本実施形態では、X軸方向(前後方向)にて、X1方向を前方、X2方向を後方とする。また、回路基板の実装面に平行な面内(XY平面内)で前後方向(X軸方向)に対して直角をなすY軸方向をコネクタ幅方向とし、回路基板の実装面に対して直角なZ軸方向(上下方向)をコネクタ厚さ方向とする。
平型導体Fは、前後方向(X軸方向)に延びコネクタ幅方向(Y軸方向)を幅方向とする帯状をなし、前後方向に延びる複数の回路部(図示せず)がコネクタ幅方向に配列され形成されている。該回路部は、平型導体Fの絶縁層内で埋設されて前後方向に延びており、平型導体Fの前端位置まで達している。また、上記回路部は、その前端側部分だけが平型導体Fの上面に露呈した接続回路部F1を有しており、後述するコネクタ1の第一端子20そして第二端子30と接触可能となっている。上記接続回路部F1は、第一端子20と接触する第一接続回路部F1Aと、第二端子30と接触する第二接続回路部F1Bとを有し、両者が前後方向にずれてコネクタ幅方向で交互に位置している。
また、平型導体Fは、上記前端側部分の両側縁に切欠部F2が形成されており、該切欠部F2の前方に位置する前方耳部F3の後端縁は、コネクタ1の後述する係止部45Aと係止する被係止部F3Aとして機能する(図10(C)参照)。また、平型導体Fは、切欠部F2よりも後方位置で両側縁からコネクタ幅方向での外方へ向けて略三角形状に突出した後方耳部F4が形成されている。該後方耳部F4の前端縁はコネクタ幅方向で外方へ向かうにつれて後方へ傾斜するように延びており、後述のハウジング10の位置決め面16C−2に対して上記前端縁が後方から当接することより、平型導体Fが前後方向で正規の挿入位置に位置決めされるようになっている。
コネクタ1は、電気絶縁材製のハウジング10と、該ハウジング10に一体モールド成形により配列保持される複数の金属製の第一端子20及び第二端子30(図2参照)と、後述する閉位置と開位置との間でハウジング10に対して回動可能な電気絶縁材製の可動部材40と、ハウジング10に一体モールド成形により保持される金具50とを備えており、平型導体Fが後方から挿入接続されるようになっている。以下、第一端子20と第二端子30とを区別する必要がない場合には、両端子を「端子20,30」と総称する。
コネクタ1の詳細な構成の説明に先立って、まず、コネクタ1に対する平型導体Fの挿入及び抜出の動作の概要について説明しておく。コネクタ1の可動部材40は、平型導体Fの抜出を阻止する第一位置としての閉位置と上記平型導体Fの抜出を許容する第二位置としての開位置との間で回動することにより移動可能となっている。コネクタ1への平型導体Fの挿入前においては、図1に示されているように、コネクタ1の可動部材40は、回路基板の実装面(図示せず)及びハウジング10に対して平行な姿勢をなす第一位置としての閉位置で平型導体Fの挿入を許容する。平型導体Fは、その前端縁で端子20,30と当接して該端子20,30の当接部分を弾性変位せしめて、所定位置(正規の挿入位置)までの挿入を可能とする。
平型導体Fが挿入接続された後においても、コネクタ1の使用状態では、可動部材40は閉位置に維持されており、後述するように、可動部材40の係止部45Aと平型導体Fの被係止部F3Aとが係止可能に位置することにより、平型導体Fの後方(X2方向)への移動が阻止され、平型導体Fの不用意な抜出が防止される(図10(C)参照)。また、コネクタ1の不使用時となる平型導体Fの抜出時には、図4に示されるように、可動部材40が起立方向に回動されて回路基板の実装面及びハウジング10に対して角度をもった起立姿勢をなす第二位置としての開位置(図4(C)参照)にもたらされることにより、平型導体Fの被係止部F3Aに対する可動部材40の係止部45Aの係止状態が解除されて、平型導体Fの後方への移動、すなわち平型導体Fの抜出が許容される。本実施形態では、閉位置から開位置への可動部材40の回動角は鈍角をなしている。
本実施形態では、可動部材40はコネクタ幅方向に延びる回動軸線まわりに回動するだけで閉位置と開位置との間を移動するようになっているが、可動部材40の移動形態はこれに限られず、例えば、スライド移動を伴って回動するようになっていてもよい。
コネクタ1の構成の説明に戻る。図2は、図1のコネクタ1を前方側から見た斜視図であり、1本の第一端子20、1本の第二端子30、可動部材40、1本の金具50、を分離した状態で示している。この図2では、可動部材40は開位置にあるときと同じ角度での姿勢で示されている。また、図3は、可動部材40が閉位置にあるときのコネクタ1の縦断面図、図4は、可動部材40が開位置にあるときのコネクタ1の縦断面図であり、図3及び図4のそれぞれにおいて、(A)はコネクタ幅方向における第一端子20の位置での断面、(B)はコネクタ幅方向における第二端子30の位置での断面、(C)はコネクタ幅方向における可動部材40の後述の係止部45Aの位置での断面を示している。
図2に示されているように、ハウジング10は、上方から見て、コネクタ幅方向(Y軸方向)を長手方向とする四角枠状をなしており(図5(B))、互いに平行をなしコネクタ幅方向に延びる前方枠部10Aおよび後方枠部10Bと、コネクタ幅方向で対称に位置し前方枠部10A及び後方枠部10Bの端部同士を連結して前後方向に延びる一対の側方枠部10Cとを有している。
前方枠部10Aは、図2に見られるように、回路基板(図示せず)に面して下部をなしコネクタ幅方向で端子配列範囲にわたって延びる前方基部11と、該前方基部11から上方へ垂立するとともにコネクタ幅方向で端子配列範囲にわたって形成されている前壁12とを有している。前方枠部10Aの前方基部11及び前壁12は、第一端子20及び第二端子30を一体モールド成形により配列保持している。前壁12の上面は、閉位置にある可動部材40の下面が当接可能に対向しており(図3(A),(B)参照)、可動部材40の下方への過剰な変位を規制するようになっている。後方枠部10Bは、コネクタ幅方向で端子配列範囲にわたって延びており、上記前方枠部10Aと相俟って第二端子30を一体モールド成形により配列保持している。
側方枠部10Cは、図2に見られるように、前方基部11及び後方枠部10Bのコネクタ幅方向での端部同士を連結する板状の側方基部14と、コネクタ幅方向での該側方基部14よりも外側に位置し該側方基部14に連結されている側壁15と、該側壁15よりもコネクタ幅方向で内方(端子配列範囲側)に位置し側方基部14から上方へ向けて突出する側方突出部16とを有している。
側壁15は、図1及び図2に見られるように、略後半部が他部よりもコネクタ幅方向内方へ突出しており、該略後半部の前後方向中間域には、後述するように、可動部材40の第一軸部47A及び第三軸部47Cを収容する外側収容部18Aが上下方向へ向けて貫通するとともにコネクタ幅方向内方へ開放されて形成されている。
側方突出部16は、図2に見られるように、側方基部14の前端寄りに位置する前方規制突部16Aと該前方規制突部16Aよりも後方に位置する後方規制突部16Bとを有している。可動部材40が閉位置にもたらされたときに、前方規制突部16Aと後方規制突部16Bとの間の空間には、該可動部材40の後述する被規制突部45Bが収容されるようになっている。そして、該閉位置にて、前方規制突部16Aの後面によって上記被規制突部45Bの前方への移動が規制可能となっており、後方規制突部16Bの前面によって上記被規制突部45Bの後方への移動が規制可能となっている。
また、図2に見られるように、側方突出部16は、後方規制突部16Bよりも後方位置に、前方規制突部16A及び後方規制突部16Bよりも低く形成された軸規制突部16Cをも有している。軸規制突部16Cは、後方規制突部16Bの後面から後方(X2方向)へ向けて延びてから、後方へ向かうにつれてコネクタ幅方向(Y軸方向)で外方へ傾斜するように延びている。該軸規制突部16Cの上面は、可動部材40の後述する第二軸部47Bに対して下方から対面し、該第二軸部47Bの所定量以上の下方へ移動を規制する軸規制面16C−1(図6(B)参照)として形成されている。また、該軸規制突部16Cの後面(傾斜面)は、コネクタ1に挿入された平型導体Fの後方耳部F4の前端縁(傾斜縁)に当接することにより、該平型導体Fを前後方向で正規の挿入位置に位置決めする位置決め面16C−2として形成されている。
側方枠部10Cの後端側(X2側)には、図2に見られるように、ハウジング10を上下方向(Z軸方向)に見たときに、可動部材40の回動軸部47を含む範囲に、該回動軸部47を収容する収容部18が形成されている。該収容部18は、回動軸部47のうち主に後述の第一軸部47A及び第三軸部47Cを収容する外側収容部18Aと、コネクタ幅方向で外側収容部18Aよりも内側に位置し主に後述の第二軸部47Bを収容する内側収容部18Bと、コネクタ幅方向で外側収容部18Aと内側収容部18Bとの間に位置し可動部材40の後述の第四軸部47Dを収容する中間収容部18Cとを有している。
外側収容部18Aは、既述したように、側壁15の略後半部の前後方向中間域を上下方向へ向けて貫通するとともにコネクタ幅方向内方へ開放された空間として形成されている。外側収容部18Aは、図5(B)に見られるように、第一軸部47A及び可動部材40の第三軸部47Cを収容する(図6(A),(C)をも参照)。該外側収容部18Aを形成する内壁面のうち前後方向で互いに対向する2つの内壁面は前後方向に対して直角な面をなしており、該2つの内壁面のうち前方に位置する内壁面を「前方内壁面18A−1」、後方に位置する内壁面を「後方内壁面18A−2」とする(図6(A)及び図7(A)参照)。
内側収容部18Bは、コネクタ幅方向での後述の中間収容部18Cよりも内側の位置で、上下方向での軸規制突部16Cの上面と側壁15の上面との間にわたる範囲の空間に形成されている。上述したように、該内側収容部18Bは、可動部材40の第二軸部47Bを収容する。
中間収容部18Cは、コネクタ幅方向で側壁15と軸規制突部16Cとの間の位置で、側方基部14を上下方向に貫通する空間として形成されている。該中間収容部18Cは、図5(B)に見られるように、可動部材40の後述の第四軸部47Dを収容する。該中間収容部18Cは、後述するように、コネクタ1の製造時に可動部材40を成形するために下方から配置されるゲートブロック(図示せず)を可動部材40の成形後に下方へ抜出することにより形成される。中間収容部18Cの下端側の内壁面には、下方へ向かうにつれて中間収容部18Cの内幅を拡げるような斜面18C−1が、該中間収容部18Cの周縁に沿って形成されている(図5(B)参照)。このような斜面18C−1が形成されていることにより、可動部材40の成形後に可動部材成形用ゲートブロックを容易に抜去できる。
外側収容部18Aと中間収容部18Cとは互いに連通しており、該外側収容部18Aと該中間収容部18Cとが相俟って、上下方向で側方枠部10Cを貫通する1つの孔状の貫通部が形成されている(図5(B)参照)。
図4(A)に見られるように、ハウジング10には、受入部17A、収容凹部17B及び底孔部17Cをもつ空間17が形成されている。すなわち、図4(A)を参照すると判るように、上記空間17は、前方へ向けて挿入された平型導体Fを受け入れるための受入部17Aと、該受入部17Aの上方に位置し閉位置にある可動部材40を収容するための収容凹部17Bと、受入部17Aの下方に位置する底孔部17Cとを有している。
受入部17Aは、上下方向(Z軸方向)では、後方枠部10Bよりも上方かつ閉位置の可動部材40の後述の覆板部42よりも下方に位置し、前後方向(X軸方向)ではコネクタ1の後端からハウジング10の前壁12の後面にわたり、コネクタ幅方向(Y軸方向)では、二つの側方突出部16同士間にわたって形成されている。該受入部17Aは、後方へ向けて開放されているとともに上方にも開放されていて、平型導体Fの前端側部分を後方から受入可能となっている。また、該受入部17Aが後方のみならず上方にも開放されていることにより、該受入部17Aの後部にて平型導体Fを斜め姿勢でも受入可能となっている。
収容凹部17Bは、受入部17Aの上方に位置し該受入部17Aと連通し、上記コネクタ幅方向で二つの側壁15同士間に形成されている。該収容凹部17Bは、上方へ向けて開放されていて、閉位置にもたらされた可動部材40を収容可能となっている。上記収容凹部17Bは、前後方向では、後述する第二端子30の第二接触腕部31の後端31B近傍の位置からハウジング10の前端までにわたって形成されている。本実施形態では、収容凹部17Bが受入部17Aの上方に位置することとしたが、この「上方に位置する」とは、収容凹部17Bが受入部17Aと上下方向で一部重複して形成されている状態をも含む。
また、底孔部17Cは、ハウジング10の四角枠状部分(前方枠部10A、後方枠部10B及び側方枠部10Cから成る部分)で囲まれるとともに上下方向に貫通した空間で形成されている。
本実施形態では、端子は互いに形状が異なる2種の第一端子20及び第二端子30とから成っている。図2に見られるように、第一端子20と第二端子30とは、互いに異なる形状をなしており、コネクタ幅方向で交互に配列されている。
第一端子20は、図2に見られるように、コネクタ幅方向(Y軸方向)での寸法を端子幅方向とする帯状の圧延金属板を板厚方向に屈曲して作られている。第一端子20は、前後方向(X軸方向)に延び上下方向(Z軸方向)に弾性変位可能な第一接触腕部21と、該第一接触腕部21よりも下方に位置し前方へ延びる第一接続部22と、上下方向に延び第一接触腕部21の前端と第一接続部22の後端とを連結する第一連結部23とを有し、全体として略クランク状をなしている(図3(A)をも参照)。
第一端子20の第一接触腕部21は、後方へ向かうにつれて若干下方へ傾斜するように延びており、後端寄りの位置にて下方へ向けて突出するように屈曲形成された第一接触部21Aを有している。平型導体Fがコネクタ1へ挿入されたときには、上方に向けた第一接触腕部21の弾性変位のもとで、該第一接触部21Aが平型導体Fの前列の第一接続回路部F1Aと接触可能となっている(図10(A)参照)。
第一端子20の第一接続部22の後端側部分及び第一連結部23は、ハウジング10の前方枠部10Aによって一体モールド成形で保持されている(図3(A)をも参照)。第一端子20の第一接続部22は、その前端側部分がハウジング10の前方枠部10Aから前方へ延出しており、その下面で回路基板(図示せず)の回路部と半田接続されるようになっている。
第二端子30は、図2に見られるように、第一端子20と同様に、コネクタ幅方向での寸法を端子幅方向とする帯状の圧延金属板を板厚方向に屈曲して作られており、前後方向に延び上下方向に弾性変位可能な第二接触腕部31と、該第二接触腕部31よりも下方位置で前後方向に延び前端部及び後端部でハウジング10により保持される被保持腕部32と、上下方向に延び第二接触腕部31及び被保持腕部32の前端同士を連結する湾曲した第二連結部33と、該被保持腕部32から後方へ向けて延びる第二接続部34が形成されている。
第二端子30は、上述のような一方の腕部としての第二接触腕部31、他方の腕部としての被保持腕部32及び第二連結部33を有することで後方(X2方向)へ向けて開口した横U字状部分を形成しており(図3(B)をも参照)、後述するように、該横U字状部分で後方からの平型導体Fの受入れを可能としているとともに、平型導体Fの受入時に第二接触腕部31が弾性変位することにより該第二接触腕部31と被保持腕部32とで平型導体Fを挟圧可能としている。
第二端子30の第二接触腕部31は、図3(B)に見られるように、第二連結部33の上端から後方へ向かうにつれて若干下方へ傾斜するように延びており、後端寄りの位置にて下方へ向けて突出するように屈曲形成された第二接触部31Aを有している。第二接触部31Aは、第一端子20の第一接触部21Aよりも後方に位置しており(図3(B)をも参照)、平型導体Fの後列の第二接続回路部F1Bと接続されるようになっている。また、第二接触腕部31の後端31Bは第一端子20の第一接触腕部21の後端21Bよりも後方に位置している(図3(B)をも参照)。
第二端子30の被保持腕部32は、第二連結部33の下端から後方に向け第二接触腕部31と並行して延びていてハウジング10の後方枠部10Bの位置まで達している。該被保持腕部32の後端寄り部分は、ハウジング10の後方枠部10Bによって一体モールド成形で保持されている。また、該被保持腕部32の前端寄りの部分及び第二連結部33は、前方枠部10Aによって一体モールド成形で保持されている(図3(B)をも参照)。つまり、被保持腕部32は、図3(B)に見られるように、ハウジング10によって両持ち梁状に保持されている。
被保持腕部32は、図3(B)に見られるように、第二連結部33に連結された前端側部分32Aと、第二接続部34と連結された後端側部分32Bと、前後方向で第二接触腕部31の第二接触部31Aを含む範囲に位置し前端側部分32Aと後端側部分32Bとを連結する支持部32Cとを有している。
図5(A)は可動部材40が開位置にあるときのコネクタ1の平面図であり、(B)は(A)のコネクタ1の底面図である。図5(B)に見られるように、前端側部分32Aは、第二接触腕部31よりも端子幅寸法(Y軸方向での寸法)が大きく(図5(A)をも参照)、前後方向全域にわたって同幅に形成されている。後端側部分32Bは、前端側部分32Aよりも小さい端子幅寸法で形成されている。
支持部32Cは、図5(B)に見られるように、前後方向及びコネクタ幅方向で、ハウジング10の底孔部17Cの範囲内に位置している。支持部32Cは、上述したように前後方向で第二接触腕部31の第二接触部31Aを含む範囲に位置しており、コネクタ1に平型導体Fが接続された状態で、第二接触腕部31の第二接触部31Aと接触した平型導体Fを、支持部32Cの上面をなす圧延面(支持面)で下方から支持するようになっている(図10(B)参照)。
支持部32Cは、図5(B)に見られるように、コネクタ幅方向でのY1側の側縁が前端側部分32AよりもさらにY1側にずれて位置しており、コネクタ幅方向でその反対側に位置するY2側の側縁部には前後方向で第二接触部31Aと重複する位置に切欠部32C−1が形成されている。該支持部32Cの端子幅寸法は、前後方向での切欠部32C−1の範囲では、前端側部分32Aの端子幅寸法よりも小さくなっているとともに、後端側部分32Bの端子幅寸法とほぼ等しくなっている。また、該支持部32Cの端子幅寸法は、前後方向での切欠部32C−1以外の範囲では、前端側部分32A及び後端側部分32Bの端子幅寸法よりも大きくなっている。換言すると、支持部32Cの最大端子幅寸法は、前端側部分32A及び後端側部分32Bの最大端子幅寸法よりも大きい。
本実施形態では、支持部32Cの切欠部32C−1は、第二接触腕部31と被保持腕部32との対向方向(上下方向)に見たときに、第二接触部31Aの一部と重複する位置に形成されている。換言すると、支持部32Cには、切欠部32C−1の範囲に、上記第二接触部31Aの一部に対して重複しない範囲が形成されている。つまり、図5(B)に見られるように、第二端子30を下方から見たとき、第二接触部31Aの一部が、上記切欠部32C−1の範囲内で露出していて該切欠部32C−1を通して視認可能となっている。
したがって、被保持腕部32よりも下方から切欠部32C−1を通して第二接触腕部31の第二接触部31Aの接触面(下面)へ向けて、めっき材料(例えば、金等)を吹き付けたりすることにより、該接触面にめっき材料を塗布できる。このように、切欠部32C−1を通してめっき材料を塗布することにより、該めっき材料が塗布される範囲を第二接触部31Aの接触面及びその近傍に留めることができるので、めっき材料の使用量を必要最低限に留めて、該第二端子30の製造コストを抑えることができる。切欠部32C−1を通しためっき材料の塗布は、第二端子30とハウジング10との一体モールド成形の前後いずれの時点でも可能である。
また、本実施形態では、支持部32Cは、該被保持腕部32における他部、すなわち前端側部分32A及び後端側部分32Bよりも最大端子幅が大きく幅広に形成されており、支持部32C自体の強度が大きくなっている。したがって、支持部32Cは、切欠部32C−1が形成されていても、コネクタ1に平型導体Fが接続された状態で、平型導体Fが第二接触腕部31の第二接触部31Aから受ける力、すなわち下方へ向けた力に対して支持部32C全体で十分に対抗して平型導体Fを支持することができる。また、平型導体Fの下面に回路部を設けて、該支持部32Cに接触させて該回路部と該支持部32Cとを電気的に導通させることにより、該支持部32Cに接触部としての機能をももたせるようにしてもよい。
第二接続部34は、図3(B)に見られるように、後方枠部10Bから後方へ向けて延出しており(図5(B)をも参照)、その下面で回路基板(図示せず)の回路部と半田接続されるようになっている。
可動部材40は、該可動部材40を閉位置の姿勢で示す図1に見られるように、前後方向(X軸方向)とコネクタ幅方向(Y軸方向)にひろがる略板状をなす本体部41と、可動部材40が閉位置にあるときの本体部41の後端側(X2側)に形成された突条部46及び回動軸部47とを有している。
本体部41は、図1に見られるように、コネクタ幅方向での端子配列範囲にわたって延び閉位置にて端子20,30を上方から覆う覆板部42(図3(A),(B)をも参照)と、該覆板部42の両側外方位置で後方へ向けて延びる端腕部43と、覆板部42と端腕部43の前端同士を連繋する連繋部44と、連繋部44から後方へ向けて片持ち梁状に延びる係止腕部45とを有している(図2をも参照)。
覆板部42は、図1に見られるように、閉位置での前後方向及びコネクタ幅方向にて、後述するする突条部46の第一溝部46Aと連通する孔部42Aが、該覆板部42の厚さ方向に該覆板部42を貫通して形成されている(図3(A)をも参照)。
端腕部43は、図2に見られるように、可動部材40が開位置にあるときの下端部(閉位置にあるときの後端部)が、コネクタ幅方向で回動軸部47の後述の第一軸部47Aと第二軸部47Bとの間に位置して回動軸部47の一部をなしており、該第一軸部47Aと第二軸部47Bとを連結する第四軸部47Dとして形成されている。
係止腕部45は、可動部材40が開位置にある図2に見られるように、下端部(可動部材40が閉位置にある図3(C)での後端部)に、前方(図3(C)での下方)へ向けて突出する係止部45Aが形成されている。該係止部45Aは、図3(C)に示されているように、可動部材40が閉位置にあるとき、ハウジング10の受入部17A内へ上方から突入している。また、該係止部45Aは、図3(C)に示されているように、可動部材40が閉位置にある状態で、平型導体Fの挿入過程にて該平型導体Fを前方へ案内するための案内面45A−1を後部に有しているとともに、平型導体Fの挿入後にて該平型導体Fに形成された被係止部F3Aに対して後方から係止可能な係止面45A−2を前部に有している(図10(C)をも参照)。
案内面45A−1は、図3(C)に見られるように、可動部材40が閉位置にあるとき、前方へ向かうにつれて下方へ傾斜する傾斜面をなしている。係止腕部45は、平型導体Fの挿入過程の該平型導体Fの前方耳部F3の前端部が上記案内面45A−1に当接すると、その当接力を受けて係止腕部45が上方へ向けて容易に弾性変位する弾性腕部をなしている。
また、案内面45A−1は、可動部材40が開位置にあるとき、図4(C)に見られるように、コネクタ幅方向に見て、傾斜することなく上下方向に延びている。換言すると、該案内面45A−1は、開位置にて前後方向に対して直角な面をなしている。このように開位置にて案内面45A−1が上下方向に延びていることにより、後述するように、可動部材40の成形後に上側金型を真直ぐ上方へ抜去することが可能となる。
また、係止面45A−2は、図3(C)及び図10(C)に見られるように、可動部材40が閉位置にあるとき、コネクタ幅方向に見て、傾斜することなく上下方向に延びている。換言すると、該係止面45A−2は、閉位置にて前後方向に対して直角な面をなしている。したがって、閉位置にて係止面45A−2が平型導体Fの被係止部F3Aの後方に位置し、該被係止部F3Aに対して後方から確実に係止して、平型導体Fの不用意な抜けを防止することができる。
また、係止腕部45は、図2に見られるように、可動部材40が開位置にあるときの下端寄り位置で、コネクタ幅方向での係止部45Aより外方へ突出して形成された被規制突部45Bを有している。該被規制突部45Bは、可動部材40が閉位置にもたらされたときに、ハウジング10の前方規制突部16Aと後方規制突部16Bとの間の空間に進入し、該前方規制突部16Aに対して後方から、そして後方規制突部16Bに対して前方から当接可能に位置し、前後方向での移動の規制を受けるようになっている(図1参照)。また、該被規制突部45Bは、コネクタ幅方向に見て係止部45Aの一部を含む範囲に形成されており、該係止部45Aの強度を補強する役割も担っている。
突条部46は、コネクタ幅方向にて第一端子20と対応する位置に間隔をもって複数形成されており、図3(A)に見られるように、可動部材40が閉位置にあるときの覆板部42の後端部の下面から突出するとともに後方へ向けて延びている(図1及び図2をも参照)。各突条部46は、閉位置にあるときの該突条部46の略前半部の下面(受入部17A側の面)から没した第一溝部46Aが形成されている。該第一溝部46Aは、可動部材40が閉位置にある状態でコネクタ幅方向及び前後方向で第一端子20の第一接触腕部21の後端21Bに対応する位置に形成されており、図3(A)に見られるように、該閉位置にて該第一接触腕部21の後端21Bを収容する(図9(B)をも参照)。該第一溝部46Aは、図3(A)及び図4(A)に見られるように、覆板部42の孔部42Aに対応して位置しており、該孔部42Aと連通している。また、図2に見られるように、開位置における突条部46の略下半部(閉位置での略後半部)、すなわち第一溝部46Aよりも下方(閉位置での後方)に位置する部分(後述する隔壁46C)は、コネクタ幅方向(Y軸方向)での突条部46全域にわたって中実となっている(図9(A),(B)をも参照)。
互いに隣接し合う突条部46同士間、換言すると、コネクタ幅方向にて第二端子30の第二接触腕部31の後端31Bに対応する位置には、図2に見られるように、開位置にて上下方向(閉位置での前後方向)で突条部46の全域にわたって延びる第二溝部46Bが形成されている(図3(B)及び図4(B)をも参照)。図3(B)に見られるように、該第二溝部46Bは、開位置での略下半部(閉位置での略後半部)、すなわち第一溝部46Aよりも下方(開位置での後方)に形成された溝状部分で、可動部材40が閉位置にもたらされたときに該第二接触腕部31の後端31Bを収容するようになっている(図9(B)をも参照)。
このように、本実施形態では、可動部材40が閉位置にある状態で、第一溝部46Aに第一接触腕部21の後端21Bが収容され、第二溝部46Bに第二接触腕部31の後端31Bが収容されることにより、コネクタ幅方向に対して直角をなす第一溝部46Aの内壁面及び第二溝部46Bの内壁面によって第一接触腕部21及び第二接触腕部31のそれぞれの、コネクタ幅方向での不用意な変位が規制される。また、コネクタ1への平型導体Fの挿入過程にて、該平型導体Fが第一接触腕部21の後端21B及び第二接触腕部31の後端31Bに当接することがなくなり、座屈等による端子20,30の損傷を防止できる。
また、本実施形態では、閉位置にある状態で突条部46における第一溝部46Aよりも後方(開位置での下方)に位置する部分、換言すると、隣接する第二溝部46Bの上記溝状部分同士を隔てる部分が隔壁46Cを形成しており、該隔壁46Cはコネクタ幅方向(Y軸方向)での突条部46全域にわたって中実となっている。
本実施形態では、第二接触腕部は、その後端が第一接触腕部の後端よりもハウジング10の後端側、換言すると受入部17Aの開口側に位置している。平型導体Fの挿入開始時、すなわち、受入部17Aの後端開口への平型導体Fの挿入が開始された直後は、コネクタ幅方向での平型導体Fの位置や姿勢がまだ不安定であるので、第二接触腕部の後端は、第一接触腕部の後端と比べて、コネクタ幅方向で平型導体Fから不用意な外力を受けやすい。
しかし、本実施形態では、上述したように上記隔壁46Cを中実として、該隔壁46Cの壁厚寸法(コネクタ幅方向での寸法)をなるべく大きくすることにより、該隔壁46C自体の強度を高くできるので、仮に端子20,30が多数設けられて第二端子30同士間の間隔を小さくしなければならない場合であっても、該隔壁46Cの十分な強度が確保される。したがって、該隔壁46Cの側面(コネクタ幅方向に対して直角な面)、換言すると第二溝部46Bの上記溝状部分の内壁面によってコネクタ幅方向での第二接触腕部31の不用意な変位をより確実に規制できる。
図2に見られるように、各突条部46の隔壁46Cの下部(可動部材40が閉位置にあるときの後部)において、コネクタ幅方向での両側の側面は、前方(可動部材40が閉位置にあるときの下方)へ向かうにつれてコネクタ幅方向で内方へ向かう斜面46C−1が形成されている。このように本実施形態では、隔壁46Cに斜面46C−1が形成されているので、仮に、可動部材40が開位置にある状態で、第二端子30の第二接触腕部31の後端31Bがコネクタ幅方向で正規の位置から若干ずれていても、可動部材40の開位置から閉位置へ向けた回動過程にて、上記後端31Bが、斜面46C−1に当接して摺接して、可動部材40の第二溝部46B内に確実に案内される。したがって、上記回動過程にて、上記後端31Bが隔壁46Cと当接して第二接触腕部31が不用意に変形することを防止できる。また、上述したように隔壁46Cは大きい壁厚寸法で形成されているので、該隔壁46Cに斜面46C−1を形成しても該隔壁46Cの十分な強度が確保される。
上述したように、第一溝部46Aは覆板部42の孔部42Aに連通しており、図3(A)及び図4(A)に見られるように、第一溝部46Aの内壁面と孔部42Aの内壁面とは連続して平面を形成している。第一溝部46Aと孔部42Aの連続する内壁面及び第二溝部46Bの内壁面は、コネクタ幅方向に見て、上記可動部材40が開位置にあるときには前後方向に傾斜することなく真直ぐに延び(図4(A),(B)参照)、該可動部材40が閉位置にあるときには下方へ向かうにつれて後方へ傾斜している(図3(A),(B)参照)。
したがって、可動部材40とハウジング10を同じ工程で成形してコネクタ1を製造しようとした場合、可動部材40を開位置にある状態で成形するようにすれば、上記可動部材40を成形するための金型部分を前後方向に真直ぐ移動させることにより、上記第一溝部46A及び上記第二溝部46Bを容易に形成することができる。
また、上述したように、第一溝部46Aの形成する内壁面は、可動部材40が閉位置にもたらされたときには、コネクタ幅方向に見て、下方へ向かうにつれて後方へ傾斜する(図3(A)参照)。したがって、閉位置にて、第一溝部46Aの内壁面のうち後方側(X2側)に位置する内壁面は、該第一溝部46Aに収容されている第一端子20の第一接触腕部21の後端21Bから離れるように位置することとなる。この結果、開位置から閉位置へもたらされる可動部材40と第一接触腕部21の後端21Bとの干渉がより確実に回避され、第一接触腕部21の損傷を防止できる。
図4(A),(B)に見られるように、可動部材40が開位置にあるときには、該可動部材40の第一溝部46A及び第二溝部46Bは、第一接触腕部21の後端21B及び第二接触腕部31の後端31Bよりも後方に位置している(図9(A)をも参照)。つまり、該後端21B及び該後端31Bはそれぞれ第一溝部46A及び第二溝部46B内に位置していない。したがって、可動部材40とハウジング10を同じ工程で成形してコネクタ1を製造しようとした場合、可動部材40を開位置にある状態で成形するようにすれば、金型において第一溝部46A及び第二溝部46Bに対応する金型部分を、第一接触腕部21の後端21B及び第二接触腕部31の後端31Bとの干渉を避けるために複雑な形状とする必要がなくなり、第一溝部46A及び第二溝部46Bに対応した単純な形状とすることができる。この結果、上記金型部分において十分な強度を確保して損傷を回避することができる。
可動部材40の回動軸部47は、回動軸線まわりの外周面が非円筒面をなしていて、可動部材40の回動軸線を含む位置でコネクタ幅方向に延びており、後述の第一軸部47Aと、第二軸部47Bと、第三軸部47Cと、第四軸部47Dとを有している。図2に見られるように、可動部材40が開位置にある状態で、第一軸部47Aは、端腕部43の下端部をなす第四軸部47Dからコネクタ幅方向外方へ突出している。第二軸部47Bは、係止腕部45よりも下方に位置し、コネクタ幅方向での最端位置にある突条部46の下端部と第四軸部47D(端腕部43の下端部)とを連結している。第三軸部47Cは、第一軸部47Aからコネクタ幅方向外方へ突出している。第四軸部47Dは、端腕部43の下端部をなし、コネクタ幅方向で第一軸部47Aと第二軸部47Bとの間に位置しており、該第一軸部47Aと該第二軸部47Bとを連結している。回動軸部47はハウジング10の収容部18に収容されている。
図6は可動部材40が閉位置にあるとき、また、図7は、可動部材40が開位置にあるときのコネクタ1の縦断面図であり、この図6及び図7における(A)はコネクタ幅方向での第一軸部47Aの位置での断面、(B)はコネクタ幅方向での第二軸部47Bの位置での断面、(C)はコネクタ幅方向での第三軸部47Cの位置での断面を示している。
第一軸部47Aは、可動部材40が開位置にあるときに、図7(A)に見られるように、コネクタ幅方向に対して直角な断面形状が、上下方向を長手方向とする略長方形をなしており、その断面積は、第二軸部47B及び第三軸部47Cのそれぞれの断面積よりも大きくなっている。図7(A)に見られるように、該第一軸部47Aの断面形状において、前面及び後面が上下方向に対して傾斜することなく真直ぐに延びる平坦面をなし、上面が上方に凸湾曲した曲面をなし、下面が下方へ凸湾曲した曲面をなしている。ここで、図7(A)に見られる開位置での第一軸部47Aの前面を「平坦面47A−1」、後面を「平坦面47A−2」、上面を「湾曲面47A−3」、下面を「湾曲面47A−4」とする。
可動部材40が閉位置へ回動された状態では、図6(A)に見られるように、第一軸部47Aの平坦面47A−1(開位置での前面)及び平坦面47A−2(開位置での後面)は、上方へ向かうにつれて後方へ傾斜するように位置し、閉位置にてそれぞれ第一軸部47Aの下面及び上面をなす。また、第一軸部47Aの湾曲面47A−3(開位置での上面)及び湾曲面47A−4(開位置での下面)は、閉位置にてそれぞれ第一軸部47Aの前面及び後面をなす。
第二軸部47Bは、可動部材40が開位置にあるときに、図7(B)に見られるように、コネクタ幅方向に対して直角な断面形状が略五角形状をなしており、その外周面のうち、下面が前後方向に対して傾斜することなく真直ぐに延びる平坦面をなし、第二軸部47Bの上部の前面が上方へ向かうにつれて後方へ傾斜する平坦面をなしている。ここで、図7(B)に見られる開位置での第二軸部47Bの下面を「平坦面47B−1」、上部の前面を「平坦面47B−2」とする。
可動部材40が閉位置へ回動された状態では、図6(B)に見られるように、第二軸部47Bの平坦面47B−1(開位置での下部の前面)が、上方へ向かうにつれて前方へ傾斜するように位置し、第二軸部47Bの後面となる。また、平坦面47B−1(開位置での上部の前面)は、前後方向に対して傾斜することなく真直ぐに延びて位置し、第二軸部47Bの下面となる。
第三軸部47Cは、図6(C)及び図7(C)に見られるように、金具50の後述の移動規制部51の下方に位置しており、上方へ向けた所定量以上の移動の規制を該移動規制部51から受ける被移動規制部としての機能を有している。
第三軸部47Cは、可動部材40が開位置にあるときに、図7(C)に見られるように、コネクタ幅方向に対して直角な断面形状が、上下方向を長手方向とする略五角形状をなしており、その外周面のうち、上面が前後方向に対して傾斜することなく真直ぐに延びる平坦面をなし、下部の後面が上方に向かうにつれて後方に傾斜する平坦面として形成されている。ここで、図7(C)に見られる開位置での第二軸部47Bの上面を「平坦面47C−1」、下部の後面を「平坦面47C−2」とする。この開位置では、第三軸部47Cは、図7(C)に見られるように、平坦面47C−1が金具50の移動規制部51の下面と接面しており、これによって可動部材40が開位置に維持されている。
可動部材40が閉位置へ回動された状態では、図6(C)に見られるように、平坦面47C−1(開位置での上面)が上方へ向かうにつれて前方へ傾斜して位置し、第三軸部47Cの前面となる。また、平坦面47C−2(開位置での下部の後面)は、前後方向に対して傾斜することなく真直ぐに延びて位置し、第三軸部47Cの上面となる。この閉位置では、第三軸部47Cは、図6(C)に見られるように、平坦面47C−2が金具50の移動規制部51の下面と接面しており、これによって可動部材40が閉位置に維持される。
本実施形態では、可動部材40が閉位置と開位置との間を回動する過程にて第三軸部47Cは、金具50の移動規制部51の下面からの当接力を受けながら該下面に摺接して回動する。既述したように、第三軸部47Cは非円筒外周面を有しており、コネクタ幅方向に見たときの可動部材40の回動軸線の位置(回動中心の位置)から第三軸部47Cと移動規制部51との当接位置までの直線距離が、可動部材40の回動過程において一定とはならない。したがって、回動過程において、上下方向での第三軸部47Cの位置は、該第三軸部47Cが移動規制部51からの当接力を受けて上下動することとなる。つまり、第三軸部47Cは、いわゆるカム部としての機能を有している。
本実施形態では、図6(A)及び図7(A)に見られるように、第一軸部47Aは、外側収容部18Aの前方内壁面18A−1及び後方内壁面18A−2のそれぞれとの間に前後方向での隙間(以下、「前後方向隙間」という)を形成した状態で、該外側収容部18Aに収容されている。本実施形態では、可動部材40と前方内壁面18A−1との間の前後方向隙間を「C1」、可動部材40と後方内壁面18A−2との間の前後方向隙間を「C2」とする(図6(A)及び図7(A)参照)。図6(A)と図7(A)とを比べると判るように、閉位置での前後方向隙間C1,C2の寸法は、開位置での前後方向隙間C1,C2よりも小さくなっている。このように、第一軸部47Aは、閉位置での前後方向隙間C1,C2を開位置での前後方向隙間C1,C2より減少する形状をなしている。
また、図6(B)及び図7(B)に見られるように、第二軸部47Bは、軸規制突部16Cの上面である軸規制面16C−1との間に上下方向での隙間(以下、「上下方向隙間」という)を形成した状態で、該内側収容部18Bに収容されている。本実施形態では、可動部材40が閉位置にあるときの軸規制面16C−1との間の上下方向隙間を「C3」とする(図6(B)及び図7(B)参照)。図6(B)と図7(B)とを比べると判るように、閉位置での上下方向隙間C3の寸法は、開位置での上下方向隙間C3よりも小さくなっている。このように、第二軸部47Bは、閉位置での上下方向隙間C3を開位置での上下方向隙間C3より減少する形状をなしている。
ハウジング10と可動部材40とは、いわゆる同時成形品であり後述するように、コネクタ1の製造の際には同じ工程で成形される。本実施形態では、可動部材40は開位置にある状態で成形されるようになっており、ハウジング10及び可動部材40の成形時にて、前後方向隙間C1,C2に金型の一部が上下方向に挿入されるとともに(図8(A)参照)、上下方向隙間C3に金型の一部が前後方向に挿入される。上述したように、前後方向隙間C1,C2及び上下方向隙間C3は、開位置での寸法が閉位置での寸法よりも大きくなっているので、前後方向隙間C1,C2に挿入される金型部分の前後方向寸法及び上下方向隙間C3に挿入される金型部分の上下方向寸法を大きくでき、これらの金型部分に十分な強度が確保される。
本実施形態では、可動部材40が開位置にあるときの第一軸部47Aの位置における前後方向隙間C1,C2は、等隙間寸法をもって上下方向に直状に延びるスリットを形成している。また、可動部材40が開位置にあるときの第二軸部47Bの位置における上下方向隙間は、等隙間寸法をもって前後方向で直状に延びるスリットを形成している。したがって、可動部材40の成形時に前後方向隙間C1,C2及び上下方向隙間C3のそれぞれに挿入される金型部分の形状を直状として単純化できる。
また、コネクタ使用時には、可動部材40が開位置から閉位置にもたらされ前後方向隙間C1,C2及び上下方向隙間C3が、可動部材40が開位置にあるときと比べて小さくなる。したがって、前後方向隙間C1,C2及び上下方向隙間C3が許容隙間量以下となり、コネクタ使用時において、平型導体Fが前後方向(挿抜方向)及び上下方向に外力を受けても第一軸部47Aの位置にて前後方向のガタが抑制され、第二軸部47Bの位置にて上下方向のガタが抑制される。この結果、平型導体Fと端子20,30との接触状態に悪影響が及びにくくなる。
金具50は、図2に見られるように、コネクタ幅方向でのハウジング10の外側収容部18A及び可動部材40の第三軸部47Cに対応する位置で、ハウジング10の側壁15によって一体モールド成形により保持されている。該金具50は、圧延金属板製の帯条片をその板厚方向に屈曲して形成されており、その圧延面(板面)がコネクタ幅方向に対して平行をなした姿勢で側壁15に保持されている。
金具50は、図2、図6(C)及び図7(C)に見られるように、前後方向に延びる移動規制部51と、該移動規制部51の前端で屈曲されて下方に延びハウジング10に保持される前方被保持部52と、該移動規制部51の後端からクランク状に延びハウジング10に保持される後方被保持部53と、該後方被保持部53から後方へ向けてハウジング10外に延出する固定部54とを有している。
移動規制部51は、図6(C)及び図7(C)に見られるように、該ハウジング10の外側収容部18A内に位置し、前後方向、すなわち外側収容部18Aの前方内壁面18A−1と後方内壁面18A−2同士の対向方向で、可動部材40の第三軸部47Cよりも前方そして後方に延びており、該ハウジング10から露出している。
本実施形態では、移動規制部51は、その圧延面(板面)が上下方向(コネクタ厚さ方向)に対して直角をなしており、換言すると、上下方向を板厚方向としている。したがって、本実施形態によれば、板状の移動規制部の圧延面(板面)がコネクタ幅方向に対して直角をなす姿勢で該移動規制部設ける場合と比べて、移動規制部51の上下方向寸法が小さくなる。したがって、金具を保持するハウジング10ひいてはコネクタ1の上下方向寸法を小さくできる。
本実施形態では、移動規制部51の下面は第三軸部47Cの上面(閉位置での平坦面47C−1、開位置における平坦面47C−1)に接して位置しているが、これに代えて、移動規制部51の下面は第三軸部47Cの上面との間に多少の隙間が形成されていてもよい。この場合、移動規制部51は上記隙間の寸法に相当する所定量以上の第三軸部47Cの上方への移動を規制することとなる。
また、図2に見られるように、移動規制部51は外側収容部18A内でコネクタ幅方向での中間位置に設けられている。コネクタ幅方向での移動規制部51の両側で外側収容部18Aの一部をなすそれぞれの空間は、前後方向に見たときに上下方向全域にわたって等幅となるように形成されている。つまり、上記空間は、上方へ向かうにつれて幅狭となるような形状をなしていない。したがって、コネクタ1の製造時に、上記空間に対応する位置に上方から金型(後述する上側金型M1)の一部を配置することができ、該金型の一部と移動規制部51とを協働させることにより、金具50とハウジング10との一体モールド成形が可能となっている。
前方被保持部52は、図6(C)及び図7(C)に見られるように、移動規制部51の前端で下方へ向けて屈曲された前方屈曲部52Aを経て延びている。前方被保持部52は、一体モールド成形によりその全体がハウジング10により埋設保持されている。
後方被保持部53は、図6(C)及び図7(C)に見られるように、移動規制部51の後端で下方へ向けて屈曲された後方上屈曲部53Aを経て延びるとともに、さらに後方へ向けて屈曲された後方下屈曲部53Bを経て延びており、全体としてクランク状をなしている。後方被保持部53は、一体モールド成形によりその全体がハウジング10により埋設保持されている。
このように、金具50は、被保持部52,53で一体モールド成形によりハウジング10に保持されている。したがって、金具がハウジングに圧入保持されている場合と比較して、金具50とハウジング10との接触面積、すなわち金具50がハウジング10によって保持されている面積が大きく、金具50がハウジング10によって強固に保持されている。この結果、移動規制部51が第三軸部47Cの移動を規制する際に該第三軸部47Cから強い当接力を受けても、該当接力に対して十分な強度をもって対抗し、第三軸部47Cの移動をより確実に規制できる。
本実施形態では、前方被保持部52及び後方被保持部53(以下、必要に応じて「被保持部52,53」と総称する)に、板厚方向に屈曲された屈曲部(前方屈曲部52A、後方上屈曲部53A、後方下屈曲部53B)を形成しているので、被保持部52,53自体の強度を向上させることができる。また、このように屈曲部を形成することにより、ハウジングに保持される被保持部52,53を長くして、該ハウジング10と一体モールド成形される際の該ハウジング10との接面域を大きくでき、該ハウジング10による保持力を向上させることができる。
固定部54は、後方被保持部53から後方へ直状をなして延び側壁15から延出している。該固定部54は、図6(C)及び図7(C)その下面がハウジング10の下面とほぼ同じ高さに位置しており、回路基板の実装面上の対応部に半田接続により固定されるようになっている。このように金具50に固定部54を設けることにより、金具50が該固定部54で回路基板の実装面に固定されるので、移動規制部51によって可動部材40の第三軸部47Cの移動を規制する際、該第三軸部47Cから受ける当接力に対して十分な強度をもって対抗することができる。
金具50の移動規制部51は、該移動規制部51に対して前後方向での両側に形成された被保持部52,53でハウジング10に保持されているので、移動規制部51は両持ち梁状をなしている。したがって、該移動規制部51で可動部材40の第三軸部47Cの移動を規制する際、該第三軸部47Cから受ける当接力に対して十分な強度をもって対抗することができる。
以上の構成のコネクタ1は、次の要領で製造される。
まず、端子20,30及び金具50を、これらの部材の圧延面がコネクタ幅方向に対して平行をなすように、金型(後述の上側金型M1、下側金型M2及び後方金型M3)に配置し、該金型によって保持する。具体的には、上方から配置される上側金型M1、下方から配置される下側金型M2及び後方から配置される後方金型M3(図8(A),(B)参照)によって、第一端子20の第一接触腕部21、第二端子30の被保持腕部32、金具50の移動規制部51が保持される。
このとき、コネクタ幅方向での第一軸部47Aの位置では、図8(A)に見られるように、前後方向における前後方向隙間C1,C2(図7(A)参照)に対応する位置に、上側金型M1の金型部分M1Aが上方から配置されるとともに下側金型M2の金型部分M2Aが下方から配置される。また、コネクタ幅方向での第二軸部47Bの位置では、前後方向における上下方向隙間C3(図7(B)参照)に対応する位置に、後方金型M3の金型部分(図示せず)が後方から配置される。
本実施形態では、可動部材40は開位置にある状態で成形されるので、前後方向隙間C1,C2は大きく確保されており、上側金型M1の金型部分M1A及び下側金型M2の金型部分M2Aは、該前後方向隙間C1,C2に対応する厚み寸法(前後方向寸法)をもって形成される。したがって、金型部分M1A,M2Aにその厚み寸法の分だけ強度を確保することができ、該金型部分M1A,M2Aの損傷を良好に防止することができる。また、上下方向隙間C3も大きく確保されているので、後方金型M3の上記金型部分は、該上下方向隙間C3に対応する厚み寸法(上下方向寸法)をもって形成される。したがって、上記金型部分にその厚み寸法の分だけ強度を確保することができ、該金型部分の損傷を良好に防止することができる。
コネクタ幅方向での金具50及び可動部材40の第三軸部47Cの位置では、図8(B)に見られるように、上側金型M1が金具50の移動規制部51全体の上面に当接し、下側金型M2の金型部分M2Bが移動規制部51の前端側部分及び後端側部分の下面に当接する。このように、該移動規制部51の平坦な圧延面である上面及び下面は金型M1,M2との当接面として利用される。
本実施形態では、下側金型M2は、コネクタ幅方向での端子配列範囲の外側で、金型内でハウジング10を成形するための空間と重複する範囲、具体的には、下方から見て、ハウジング10の中間収容部18C(図5(B)参照)に対応する範囲で、可動部材40を成形するための可動部材成形用空所(図示せず)が下側金型M2を上下方向に貫通して形成されている。該可動部材成形用空所には、可動部材40を成形するための可動部材成形用ゲートブロック(図示せず)が下方から配置される。該可動部材成形用ゲートブロックは、金型内で可動部材40を成形するための空間へ溶融した電気絶縁材料を、該可動部材成形用ゲートブロックの注入口から注入する。
また、いずれかの金型には、上記可動部材成形用空所とは異なる位置に、ハウジング10を成形するためのハウジング成形用空所(図示せず)が該金型を貫通して形成されている。該ハウジング成形用空所には、ハウジング10を成形するためのハウジング成形用ゲートブロック(図示せず)が配置される。該ハウジング成形用ゲートブロックは、金型内でハウジング10を成形するための空間へ溶融した電気絶縁材料を、該ハウジング成形用ゲートブロックの注入口から注入する。
次に、可動部材成形用ゲートブロック及びハウジング成形用ゲートブロックのそれぞれから金型内に注入した電気絶縁材料が冷却されて固化されることにより、ハウジング10と開位置にある状態での可動部材40とが同時に成形される。このとき、上記端子20,30及び金具50がハウジング10で一体モールド成形により保持される。また、図8(B)に見られるように、コネクタ幅方向での金具50の位置では、ハウジング10の外側収容部18A内にて、金具50の移動規制部51が形成されるとともに、該移動規制部51の下面と下側金型M2とで囲まれた空間内に、可動部材40の第三軸部47Cが上記移動規制部51の下面に接した状態で形成される。
次に、可動部材成形用ゲートブロックを可動部材成形用空所から抜出し、ハウジング成形用ゲートブロックをハウジング成形用空所から抜出して外す。このとき、可動部材成形用ゲートブロックの抜出により、ハウジング10に、中間収容部18Cが形成される。また、上側金型M1を上方(Z1方向)へ、下側金型M2を下方(Z2方向)へそして後方金型M3を後方(X2方向)へ真直ぐ移動させることにより外す。
また、本実施形態では、上述したように可動部材40は開位置にある状態で成形されるので、成形直後にて、可動部材40は、コネクタ幅方向に見たときに係止部45Aの案内面45A−1が上下方向に真直ぐ延びている(図4(C)参照)。したがって、上側金型M1を外す際、該上側金型M1を上記案内面45A−1に沿って上方に抜去することが可能となるので、単純な形状の上側金型M1でコネクタ1を製造することができる。
金型M1,M2,M3を外した後、可動部材40を開位置から閉位置側へ回動させる操作を行うことにより、該可動部材40の第三軸部47Cを金具50の移動規制部51の下面から分離させて、該可動部材40を可動とすることにより、コネクタ1が使用可能な状態で完成する。この可動部材40の回動操作は、金型M1,M2,M3を外した後のいずれの段階で行われてもよく、例えば、コネクタ1の出荷前に製造者によって行われてもよいし、コネクタ出荷後、コネクタ使用開始時に使用者によって行われてもよい。
このように本実施形態に係るコネクタ1は、端子20,30及び金具50をハウジング10及び可動部材40と同時に一体モールド成形した後、可動部材40を開位置と閉位置との間で移動させるだけで製造することができる。したがって、一体モールド成形後にコネクタの構成部材を何ら加工する必要がなく、少ない工程で簡単にコネクタを製造することができる。また、工程が少なくなる分、コネクタの製造コストを抑制できる。
本実施形態では、下側金型M2の可動部材成形用空所は、金型内でのハウジング10を成形するための空間と重複する範囲に、コネクタ厚さ方向(上下方向)での下側、すなわち可動部材40が設けられる側(上側)とは反対側に開口して形成されている。したがって、金型の構造(形状な分割位置等)上、該金型の上側に可動部材成形用空所を形成できない場合、すなわち、該金型の上側に可動部材成形用ゲートブロックを配置できない場合であっても、金型の下側に可動部材成形用空所を形成しておき、可動部材成形用空所内に可動部材成形用ゲートブロックを配置して可動部材40を成形することができる。また、可動部材成形用ゲートブロックの位置とは異なる位置にハウジング成形用ゲートブロックが配置されるので、ハウジング10と可動部材40とを同じ工程で成形できる。
また、本実施形態では、ハウジング10の中間収容部18C(図5(B)参照)の位置に可動部材成形用ゲートブロックが配置され、該可動部材成形用ゲートブロックの注入口は可動部材40の第四軸部47D(図5(B)参照)の範囲に位置する。したがって、上記注入口が位置していた部分である第四軸部47Dの表面には、可動部材40の成形後、可動部材成形用ゲートブロックを抜去したときに、いわゆる注入痕が形成される。該注入痕は、第四軸部47Dの表面から突出する突起状に形成されることがある。本実施形態では、コネクタ幅方向でハウジング10の受入部17Aの範囲外に位置する第四軸部47Dに注入痕が形成されるので、仮に該注入痕が突起状をなしていても、該注入痕が受入部17A内に突出して位置することはない。この結果、該受入部17Aへの平型導体Fの挿入時及び挿入後に該平型導体Fと上記注入痕が干渉することを回避できる。
本実施形態では、可動部材40の成形時に、可動部材成形用ゲートブロックがコネクタ幅方向での端子配列範囲の外側である中間収容部18Cの位置に配置されることとしたので、可動部材成形用ゲートブロックが端子20,30に干渉することはない。したがって、金型には、可動部材成形用空所を、コネクタ厚さ方向(上下方向)で金型内の空間(可動部材を成形するための空間)へ向けて直状に延びる単純な形状で形成しておけばよく、金型の形状や構造が複雑になることはない。また、可動部材成形用ゲートブロックが配置される位置は、端子配列範囲の外側には限定されず、端子や金具との干渉を回避できる位置であればよく、例えば、隣接する端子同士間の位置であってもよい。
次に、コネクタ1と平型導体Fとの接続動作を説明する。
まず、コネクタ1の第一端子20の第一接続部22そして第二端子30の第二接続部34を回路基板(図示せず)の対応回路部に半田接続するとともに、金具50の固定部54を回路基板の対応部に半田接続する。該第一接続部22、該第二接続部34及び該固定部54の半田接続により、コネクタ1が回路基板に取り付けられる。
次に、図1に示されるように、可動部材40を閉位置にもたらした状態のコネクタ1の後方に、平型導体Fを回路基板(図示せず)の実装面に沿って前後方向に延びるように位置させる。次に、平型導体Fを前方へ向けてコネクタ1の受入部17Aに挿入する。
受入部17Aへの平型導体Fの挿入過程において、平型導体Fの前端は、まず、第二端子30の第二接触腕部31の第二接触部31Aに当接してその当接力の上方向分力で該第二接触部31Aを押し上げることにより上方へ弾性変位させる。さらに平型導体Fが挿入されると、該平型導体Fの前端は、第一端子20の第一接触腕部21の第一接触部21Aに当接して該第一接触部21Aを押し上げることにより上方へ弾性変位させる。
図10(A),(B)に見られるように、平型導体Fの挿入が完了した状態においても、第一端子20の第一接触腕部21及び第二端子30の第二接触腕部31は弾性変位したままである。この結果、第一接触部21A及び第二接触部31Aが平型導体Fの第一接続回路部F1A及び第二接続回路部F1B(図1参照)にそれぞれ接圧をもって接触した状態が維持される。
また、受入部17Aへの平型導体Fの挿入過程において、平型導体Fの幅方向で両側端寄りに位置する前方耳部F3が可動部材40の係止腕部45に形成された係止部45Aの案内面45A−1に当接そして摺接し、平型導体Fが上下方向での正規の挿入位置に案内される。また、前方耳部F3が案内面45A−1との当接力の上下方向分力で係止腕部45を上方へ向けて弾性変位させて平型導体Fの挿入を許容する位置にもたらす。さらに平型導体Fが挿入されて、前方耳部F3が係止部45Aの位置を通過すると、係止腕部45は弾性変位量を減ずるように下方へ向け変位して自由状態に戻り、平型導体Fの切欠部F2内に突入する。この結果、図10(C)に見られる平型導体Fの挿入完了状態で、平型導体Fの被係止部F3Aが係止部45Aの係止面45A−2の前方で該係止面45A−2に係止可能に位置し、平型導体Fの後方への抜出が阻止される。なお、係止腕部45が完全に自由状態に戻ることは必須ではない。例えば、係止腕部45が若干の弾性変位量を残した状態で、係止部45Aが平型導体Fの切欠部F2内に突入して被係止部F3Aと係止可能に位置するような構成にすることも可能である。
図10(A)〜(C)に示される状態、すなわちコネクタ1との接続状態にある平型導体Fをコネクタ1から意図して抜出する際には、閉位置にある可動部材40を回動させて、開位置(図4(C)参照)へもたらす。可動部材40が開位置にあるときには、該可動部材40の係止腕部45の係止部45Aは平型導体Fの切欠部F2から上方へ外れて位置する。つまり、平型導体Fの被係止部F3Aに対する係止部45Aの係止状態が解除されて、平型導体Fの後方への抜出が許容される。そして、この状態で、平型導体Fを後方へ引くと、該平型導体Fを容易にコネクタ1から抜出することができる。
本実施形態では、第二端子30は、下方からの第二接触部31Aへのめっき処理を可能とするために、被保持腕部32の支持部32Cに切欠部32C−1が形成されていることとしたが、下方からのめっき処理を可能とするための部分は上述の切欠部に限られず、種々の形状で形成することができる。
図11(A),(B)は変形例における第二端子130を単体で示しており、(A)は斜視図、(B)は底面図である。この変形例における第二端子130は、支持部132Cに孔部132C−1が形成されており、この点で、支持部32Cに切欠部32C−1が形成されている本実施形態における第二端子30とは構成が異なっている。第二端子130は、支持部132Cを除き、本実施形態の第二端子30と基本的な形状が同じであるので、ここでは、支持部132Cの形状を中心に説明し、その他の部分については、本実施形態の第二端子30における符号に「100」を加えた符号を付けて説明を省略する。
図11(A),(B)に見られるように、第二端子130の被保持腕部132の支持部132Cは、その両側縁が該被保持腕部132の他部(前端側部分132A及び後端側部分132B)の両側縁よりも端子幅方向(Y軸方向)で外側に位置しており、該他部よりも端子幅寸法が大きく、幅広になっている。該支持部132Cの端子幅方向での中間位置には、該支持部132Cをその板厚方向(上下方向)に貫通するとともに前後方向に延びる孔部132C−1が形成されている。
図11(B)に見られるように、孔部132C−1は、第二端子130を下方から見たときに、第二接触部131Aの一部と重複する位置に形成されている。換言すると、支持部132Cには、孔部132C−1の範囲に、上記第二接触部131Aの一部に対して重複しない範囲が形成されている。つまり、第二端子130を下方から見たとき、上記孔部132C−1を通して第二接触部131Aの一部が露出していて視認可能な状態となっている。
したがって、第二端子130では、被保持腕部132よりも下方から孔部132C−1を通して第二接触腕部131の第二接触部131Aの接触面へ向けて、めっき材料を吹き付けたりすることにより、該接触面にめっき材料を塗布できる。この結果、めっき材料が塗布される範囲を第二接触部131Aの接触面(下面)及びその近傍に留めることができるので、めっき材料の使用量を必要最低限に留めることができる。
また、本実施形態では、支持部132Cは、上述したように被保持腕部132における他部よりも端子幅方向で大きく幅広に形成されていて、支持部132C自体の強度が大きくなっている。したがって、支持部132Cに孔部132C−1が形成されていても、該支持部132Cは、平型導体Fが第二接触腕部131の第二接触部131Aから受ける力(下方へ向けた力)に対して支持部132C全体で十分に対抗して平型導体Fを下方から支持することができる。
図11(C),(D)は他の変形例における第二端子230を単体で示しており、(C)は斜視図、(D)は底面図である。この変形例における第二端子230は、支持部232C全体が第二接触部231Aに対して端子幅方向でずれて位置することにより、端子幅方向で該第二接触部231Aと重複しない範囲を形成しており、この点で、支持部32Cの切欠部32C−1によって第二接触部31Aと端子幅方向で重複しない範囲を形成している本実施形態における第二端子30とは構成が異なっている。変形例における第二端子230は、被保持腕部232を除き、本実施形態の第二端子30と基本的な形状が同じであるので、ここでは、被保持腕部232の形状を中心に説明し、その他の部分については、本実施形態の第二端子30における符号に「200」を加えた符号を付けて説明を省略する。
被保持腕部232は、図11(C),(D)に見られるように、前後方向での2位置で端子幅方向(Y軸方向)で一方の側(Y2側)へ屈曲されて延びており、上下方向に見てクランク状をなしている。被保持腕部232は、前後方向での2つの屈曲位置間の範囲に支持部232Cが形成されている。支持部232Cは、図11(D)に見られるように、該支持部232C全体が第二接触部231Aに対して端子幅方向でずれて、すなわち、第二接触部231Aに対して重複しない位置に形成されている。つまり、第二端子230を下方から見たとき、第二接触部131Aの一部が露出していて視認可能な状態となっている。
したがって、第二端子230では、被保持腕部232よりも下方から第二接触腕部231の第二接触部231Aの接触面(下面)へ向けて、めっき材料を吹き付けたりすることにより、該接触面にめっき材料を塗布できる。この結果、めっき材料が塗布される範囲を第二接触部231Aの接触面及びその近傍に留めることができるので、めっき材料の使用量を必要最低限に留めることができる。
1 コネクタ
10 ハウジング
16C−1 軸規制面
17A 受入部
18 収容部
18A 外側収容部
18A−1 前方内壁面
18A−2 後方内壁面
18B 内側収容部
18C 中間収容部
20 第一端子
21 第一接触腕部
21A 第一接触部
21B 後端
30 第二端子
31 第二接触腕部
31A 第二接触部
31B 後端
32 被保持腕部
32C 支持部
32C−1 切欠部
40 可動部材
46 突条部
46A 第一溝部
46B 第二溝部
47 回動軸部
47A 第一軸部
47B 第二軸部
47C 第三軸部
47D 第四軸部
50 金具
51 移動規制部
52 前方被保持部
52A 前方屈曲部
53 後方被保持部
53A 後方上屈曲部
53B 後方下屈曲部
130 第二端子
131 第二接触腕部
131A 第二接触部
132 被保持腕部
132C 支持部
132C−1 孔部
230 第二端子
231 第二接触腕部
231A 第二接触部
232 被保持腕部
232C 支持部
F 平型導体
C1 前後方向隙間
C2 前後方向隙間
C3 上下方向隙間

Claims (6)

  1. 相手接続体が電気コネクタへ向け前方へ挿入されて接続される電気コネクタに設けられる端子において、
    上記端子は、圧延金属板製であり、前後方向に対して直角な相手接続体の幅方向を端子幅方向とする帯状金属板部材がその板厚方向に屈曲した形状をなしていて、互いに並行して後方へ向けて延びる2つの腕部と、該2つの腕部の前端を連結する連結部とを有し、両腕部間への後方からの相手接続体の進入を許容しており、
    上記2つの腕部のうち一方の腕部は、前後方向で他方の腕部と重複する範囲内に、該他方の腕部側に位置する圧延面で相手接続体と接触可能な接触部が形成されており、
    上記他方の腕部は、上記端子幅方向に見たときに前後方向で上記一方の腕部の上記接触部と重複する位置に、上記接触部と接触した相手接続体を上記一方の腕部側に位置する圧延面で支持する支持部が形成されており、
    上記他方の腕部の支持部は、該支持部の板厚方向に見たときに上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲をもって形成されていることを特徴とする端子。
  2. 上記他方の腕部の支持部は、該他方の腕部における他部よりも端子幅が大きく形成されていることとする請求項1に記載の端子。
  3. 上記他方の腕部の支持部は、該支持部の前後方向に延びる側縁部に切欠部が形成されていて、該切欠部の範囲により、上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲を形成していることとする請求項1又は請求項2に記載の端子。
  4. 上記他方の腕部の支持部は、該支持部の板厚方向に貫通する孔部が形成されていて、該孔部の範囲により、上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲を形成していることとする請求項1又は請求項2に記載の端子。
  5. 上記他方の腕部の支持部は、端子幅方向で該他方の腕部における他部からずれた位置に形成されることにより、上記接触部の少なくとも一部に対して端子幅方向で重複しない範囲を形成していることとする請求項1又は請求項2に記載の端子。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の端子を有することを特徴とする電気コネクタ。
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