JP2020144227A - トナー、トナー収容ユニット、現像剤、現像剤収容ユニット、及び画像形成装置 - Google Patents

トナー、トナー収容ユニット、現像剤、現像剤収容ユニット、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】低温定着性に優れ、画像カブリ及び感光体フィルミングの発生が極めて少ないトナーの提供。【解決手段】少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有するトナーであって、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって求められる、前記トナーの1137cm−1〜1199cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Cと784cm−1〜889cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Rとの比(C/R)が、次式、0.05≦C/R≦0.20、を満たし、前記金属化合物が、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、セリウム化合物、及びジルコニウム化合物から選択される少なくとも1種を含み、前記トナーに含まれる前記金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合が60%以上90%以下であるトナーである。【選択図】なし

Description

本発明は、トナー、トナー収容ユニット、現像剤、現像剤収容ユニット、及び画像形成装置に関する。
電子写真業界において今もなお、画像形成装置の小型化や消費電力量の削減等の環境負荷対応の必要性からトナーの低温定着化の技術開発が日々成されている。
これまでもトナーの低温定着化に対して様々な技術開発がされており、例えば、樹脂そのものの熱特性をコントロールする方法などが知られている。しかし、樹脂の低Tg(ガラス転移温度)化は耐熱保存性や定着強度を悪化させる原因となる。また、トナーに含まれる樹脂の低分子量化による軟化温度[T(F1/2)]の低下は、ホットオフセットの発生、光沢が高すぎる(光沢制御性)などの問題を生じる。
このような中で、現在の低温定着トナーの樹脂構成の主流は、従来多用されていたスチレン−アクリル系樹脂に代わり、低温定着性と耐熱保存性の両立性に優れるポリエステル樹脂をメインバインダーとし、記録媒体への熱定着時にシャープメルト性を発現する結晶性ポリエステル樹脂をサブバインダーとして併用している(例えば、特許文献1及び2参照)。
また、結晶性ポリエステル樹脂を用いた場合における耐フィルミング性、及び保存性が劣るという副作用を抑制するため、トナー表面の結晶性ポリエステル樹脂の含有量を最適化する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)。
本発明は、低温定着性に優れ、画像カブリ及び感光体フィルミングの発生が極めて少ないトナーを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のトナーは、少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有するトナーであって、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって求められる、前記トナーの1137cm−1〜1199cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Cと784cm−1〜889cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Rとの比(C/R)が、次式、0.05≦C/R≦0.20、を満たし、前記金属化合物が、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、セリウム化合物、及びジルコニウム化合物から選択される少なくとも1種を含み、前記トナーに含まれる前記金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合が60%以上90%以下である。
本発明によると、低温定着性に優れ、画像カブリ及び感光体フィルミングの発生が極めて少ないトナーを提供することができる。
図1は、トナーにおける結晶性樹脂の特徴的なピークを示すスペクトル図である。 図2は、トナーにおける非結晶性樹脂の特徴的なピークを示すスペクトル図である。 図3は、金属化合物の鉄粉との接触帯電におけるブローオフ帯電量と金属イオンの電気陰性度との関係を示す図である。 図4は、本発明の画像形成装置の一例を示す概略説明図である。 図5は、本発明の画像形成装置の他の一例を示す概略説明図である。 図6は、本発明の画像形成装置のタンデム型カラー画像形成装置を用いた一例を示す概略説明図である。 図7は、図6の画像形成ユニットの一例を示す拡大図である。
(トナー)
本発明のトナーは、少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有するトナーであって、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって求められる、前記トナーの1137cm−1〜1199cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Cと784cm−1〜889cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Rとの比(C/R)が、次式、0.05≦C/R≦0.20、を満たし、前記金属化合物が、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、セリウム化合物、及びジルコニウム化合物から選択される少なくとも1種を含み、前記トナーに含まれる前記金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合が60%以上90%以下であり、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
従来技術では、トナー中に結晶性ポリエステル樹脂を含有させることは低温定着性の発現には劇的な効果があるものの、一方においてトナーの帯電性、及び耐熱保存性を阻害することや、トナー同士の粒子間付着力の増大に伴う流動性の悪化といった副作用が見られ、これらの影響は結晶性ポリエステル樹脂がトナー表面に多く存在する場合により顕著となり、画像カブリや感光体フィルミング等の画像品質の問題が生じる。
したがって、本発明においては、トナー表面近傍に結晶性樹脂が多く存在するトナーにおいて、珪素化合物と、該珪素化合物を適度に母粒子の表面に存在させるための仲介として金属化合物とを用いる。前記母粒子の表面に存在する金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着率を60%以上90%以下の範囲に制御することにより、上記課題を解決し得、低温定着性に優れ、画像カブリ及び感光体フィルミングの発生が極めて少ないトナーが得られる。
本発明においては、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって求められる、前記トナーの1137cm−1〜1199cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Cと784cm−1〜889cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Rとの比(C/R)が、次式、0.05≦C/R≦0.20、を満たすことが重要である。
FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によるスペクトルの1165cm−1の強度Cはトナー表面の結晶性樹脂の含有量と相関のある値であり、FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によるスペクトルの829cm−1の強度Rは母粒子の表面の非結晶性樹脂の含有量と相関のある値であり、トナーの結晶性樹脂に由来するピーク(1165cm−1)の強度Cと非結晶性樹脂に由来するピーク(829cm−1)の強度Rとの比(C/R)は、トナーにおける母粒子の表面の結晶性樹脂と非結晶性樹脂の含有量の割合と相関のある値である。
前記強度比(C/R)が0.05以上0.20以下を満たすことにより、帯電性及び耐熱保存性を損なうことなく十分な低温定着性を実現することができる。前記比(C/R)が0.05以上であると、低温定着性が良好であり、シャープメルト性を有する結晶性樹脂が着力粒子表層付近に多く存在し、定着時に付与される熱量がトナー全体に行き渡る。また、前記強度比(C/R)が0.20以下であると、帯電性及び耐熱保存性が良好であり、トナー粒子間付着力が適正である。
前記強度比(C/R)の制御は、結晶性樹脂と非結晶性樹脂との相溶状態の比率で決まる。しかし、結晶化度の測定は困難であるため、本発明においては、品質工学上の手法により、前記強度比(C/R)が0.05以上0.20以下を満たすようなトナー処方及び製造条件を最適化することで、達成するようにしている。
<強度比(C/R)の測定方法>
スペクトルの強度比C/Rは、FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析測定装置、Avatar370、ThermoElectron社製)で、ATR法(全反射法)測定により得られる吸光度スペクトルから算出する。
ATR法では平滑な面が必要となるため、トナーを加圧成型し平滑面を作製する。この時の加圧成型は、トナー2.0gに1tを60sec間荷重し、直径20mmのペレットとする。
ATR法では、Ge結晶を用い、入射角41.5°、分解能4cm−1、積算回数20回の条件で行った。
結晶性樹脂の結晶状態時の特徴的なスペクトル(例えば、ポリエステル樹脂の場合、1165cm−1)のピーク高さをC(図1参照、高さのベースラインは1137cm−1〜1199cm−1)、非結晶性樹脂の特徴的なスペクトル(例えば、ポリエステル樹脂の場合、829cm−1)のピーク高さをR(図2参照、高さのベースラインは784cm−1〜889cm−1)として、C/Rをピーク強度比として計算した。本発明におけるピーク強度比は、スペクトルを吸光度に直し、そのピーク高さを使用したものである。
本発明においては、少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有し、前記金属化合物の電気陰性度X(A)と前記珪素化合物の電気陰性度X(Si)との比[X(A)/X(Si)]が、次式、0.5≦X(A)/X(Si)≦0.8、を満たし、トナーに含まれる金属化合物の全量に対して、母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合が60%以上90%以下であることが重要である。
本発明者らは、前記電気陰性度の比[X(A)/X(Si)]が0.5以上0.8以下である金属化合物、より好ましくは比[X(A)/X(Si)]が0.5以上0.6以下である金属化合物と珪素化合物を有することで、低温定着性を担保するために必要な結晶性樹脂が母粒子の表面に存在する状態であっても帯電性及び流動性を損なうことなく、帯電性と流動性を両立できることを見出した。
この理由については定かではないが、珪素化合物の電気陰性度に対して一定以上離れた電気陰性度を有する金属化合物は珪素化合物が負帯電性を示すのに対して弱負帯電性ないしは弱正帯電性を示す。母粒子も負帯電性を有する場合には帯電序列の関係から、母粒子の表面に選択的に珪素化合物ではない他方の金属化合物が付着しやすくなる。また、珪素化合物とも電気的に引っ張り合うので母粒子の表面から順に、金属化合物及び珪素化合物の配置が選択的に形成できるものと推測する。これにより、金属化合物及び珪素化合物の機能が発揮され、長期に亘って安定的に、帯電性及び流動性が維持される。
前記電気陰性度の比[X(A)/X(Si)]が0.5以上であると、金属化合物の帯電特性が適正であり、帯電安定性が良好で、高画質画像が得られる。また、前記電気陰性度の比[X(A)/X(Si)]が0.8以下であると、上述の順列配置が十分であり長期に亘って安定的に、帯電性及び流動性が維持される。
ここで、電気陰性度とは、分子内の結合にあずかる原子が電子を引きつける能力を意味し、図3は金属化合物の鉄粉との接触帯電におけるブローオフ帯電量と金属イオンの電気陰性度との関係を示す図であり、各種金属化合物の電気陰性度は、材料由来であり公知である(「粉体工学会誌Vol.24 No.12 “粉体の帯電とその応用”」)。アルミナ(Al)は電気的にプラスであり、電気的にマイナスのシリカ(SiO)を静電付着させることができる。
トナーに含まれる金属化合物の全量に対して、母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合は60%以上90%以下であり、65%以上85%以下が好ましい。
ここで、母粒子の表面に付着している金属化合物としては、1つは母粒子に直接付着している金属化合物(X1)と、もう1つは母粒子に間接的に付着している金属化合物(X2)(例えば、酸化珪素や他の金属化合物を介して付着している)とがある。
前記金属化合物の付着量の割合が60%以上であると、母粒子に付着する金属化合物の順列配置を適正に行うことができる。また、前記金属化合物の付着量の割合が90%以下であると、トナーの流動性が良好となる。
<トナーに含まれる金属化合物の全量に対して、母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合(%)>
母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量(X1)、及びトナーに含まれる金属化合物の全量(Y=X1+X2)は、以下のようにして測定することができ、これらの値から、(X1/Y)×100により、母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合(%)を求めることができる。
−母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量(X1)−
(1)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ノイゲンET−165、第一工業製薬株式会社製)を500mLビーカーに5g計量する。蒸留水を300mL加え、超音波にかけて溶かす。1,000mLメスフラスコに移し、メスアップする(泡立ってしまったときはしばらく置く)。超音波にかけてなじませ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ノイゲンET−165、第一工業製薬株式会社製)0.5質量%分散液を作製する。
(2)トナー試料3.75gを、110mLのバイアル中の0.5質量%ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ノイゲンET−165、第一工業製薬株式会社製)分散液50mLに分散させる。
(3)超音波ホモジナイザー(商品名:homogenizer、形式VCX750、CV33、SONICS&MATERIALS社製)を用いて、周波数20kHzで出力を80Wとし、照射エネルギー量を20kJだけ一定時間超音波を照射する。このときに与えた照射エネルギー量は出力と照射時間との積から算出する。またこのとき、トナー粒子分散液の液温が40℃以上とならないように適時冷却しながら処理を実施する。
(4)得られた分散液をろ紙(商品名:定性ろ紙(No.2、110mm)、アドバンテック東洋株式会社製)で吸引ろ過し、再度イオン交換水で2回洗浄し、ろ過し、遊離した金属化合物を除去後、トナー粒子を乾燥させる。
(5)金属化合物を除去後のトナー粒子の表面に付着している金属化合物の付着量を蛍光X線分析装置(理学電機株式会社製、ZSX−100e)にて検量線による強度(又は金属化合物除去前後の強度差)から質量%を計算することで定量し、母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量(X1)を求めることができる。
<蛍光X線分析>
前記トナー3.00gを直径3mm、厚さ2mm状のペレットに成形し、測定サンプルトナーとする。
次に、蛍光X線装置にて定量分析で上記ペレットサンプルの金属化合物由来の金属元素の含有量を測定する。
測定には、金属元素標準試料(株式会社リガク製)を用いて補正を行い、含有量を算出する。
・測定装置:株式会社リガク製 ZSX−100e
・X線管球:Rh
・X線管電圧:50kV
・X線管電流:10mA
−トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)−
トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)は、以下のようにして測定することができる。
超音波ホモジナイザーを用いて、上記と同様の方法で照射エネルギー量を1,000kJと1,500kJだけ超音波を照射したトナー粒子の金属化合物量を蛍光X線分析装置(理学電機株式会社製、ZSX−100e)にて定量し、1,000kJと1,500kJで金属化合物量に減少がないことを確認する。
減少がない場合、金属化合物が全てトナー粒子から脱離していると判断できる。また、処理後のトナー粒子の表面を電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察し、金属化合物が全て脱離していることを確認してもよい。
変化が認められる場合は更に500kJずつ照射エネルギー量を増やして同様の処理を行う。
上記のようにして金属化合物を全て脱離したトナー粒子の表面の金属化合物量と、金属化合物の脱離をしない未処理のトナー粒子の金属化合物量との差から、トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)を算出することができる。
なお、上記のように金属化合物を全て脱離させた後、「金属化合物を全て脱離した母粒子の金属化合物量」を蛍光X線で測定すると、金属化合物量はゼロか、母粒子に金属化合物が含まれる材料を含む場合は影響を受けてある一定の値となる。一方、未処理トナーの金属化合物量を蛍光X線で測ると、金属化合物と、上記と同様に母粒子に金属化合物が含まれる材料を使用していた場合にその分だけ金属化合物量が加算されることとなる。
したがって、トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)を算出するために、上記のように、トナーの金属化合物の全量と、金属化合物を全て脱離した母粒子の表面の金属化合物の量との差から、トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)を算出する方法をとる。
本発明のトナーは、少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記金属化合物の電気陰性度X(A)と前記珪素化合物の電気陰性度X(Si)との比(X(A)/X(Si))は、上述したように、次式、0.5≦X(A)/X(Si)≦0.8、を満たす。
<<金属化合物>>
金属化合物としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化アルミニウムが好ましい。
前記金属化合物における下記式(1)で表される球形度は0.5以上が好ましく、0.6以上0.8以下がより好ましい。球形度が0.5以上の金属化合物は母粒子の表面に付着すると、スペーサー効果を発揮し得、トナー粒子間の付着力の良好な低減効果が得られる。
球形度=4π×(A/L)・・・式(1)
ただし、前記式(1)中、πは円周率、Lは金属化合物の投影像の周囲長、Aは金属化合物の投影面積を表す。
金属化合物の球形度は、トナー粒子に金属化合物を分散させた後の金属化合物の一次粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)装置により観察し、得られた金属化合物の一次粒子の画像解析から求めることができる。画像解析ソフトとしては、レーザーテック社製OPTELICSC130用画像解ソフトLMeyeを用いて、下記のような方法で行うことができる。
(1)前記SEMにより5.0kVで観察された画像を取り込む
(2)キャリブレーション(縮尺)をあわせる
(3)自動コントラストを行う
(4)反転を行う
(5)エッジ抽出(ソーベル)を行う
(6)再度エッジ抽出(ソーベル)を行う
(7)2値化処理(判別分析モード)を行う
(8)計測により形状特徴(球形度、絶対最大長、対角幅)を算出する
なお、金属化合物の球形度は、上記画像解析によって得られた金属化合物の一次粒子100個の円相当径の累積頻度における50%球形度である。
<<珪素化合物>>
前記珪素化合物としては、例えば、酸化珪素(シリカ)、炭化珪素、窒化珪素、四塩化珪素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酸化珪素(シリカ)が好ましい。
前記酸化珪素の個数平均粒子径としては、50nm以上200nm以下が好ましい。
前記個数平均粒子径が50nm以上であると、スペーサー材として良好となり、耐久性が向上し、経時での画像品質が良好となる。また、前記個数平均粒子径が200nm以下であると、流動性及び帯電性の機能が良好となる。
前記その他の微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、疎水化処理無機微粒子が好ましい。
前記その他の微粒子の形状としては、例えば、球状、針状、球状粒子が数個合一して得られる非球形状などが挙げられる。
前記その他の微粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪酸金属塩(例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等)、金属化合物(例えば、酸化錫、酸化アンチモン等)、フルオロポリマーなどが挙げられる。
<母粒子>
母粒子は、少なくとも樹脂を含み、樹脂としては結晶性樹脂及び非結晶性樹脂を含むことが好ましく、着色剤を含むことがより好ましく、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
本発明のトナーは、結晶性樹脂の含有量が非結晶性樹脂100質量部に対して、6質量部以上が好ましく、7質量部以上13質量部以下がより好ましい。結晶性樹脂の含有量が6質量部以上であると、トナーの低温定着性が向上する。
<<結晶性樹脂>>
結晶性樹脂の「結晶性」とは、高化式フローテスターにより測定される軟化温度と、示差走査熱量計(DSC)により測定される融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が0.80〜1.55であることが好ましく、熱により急峻に軟化する性状であり、この性状を有する樹脂を「結晶性樹脂」とする。
また、「非結晶性」とは、軟化温度と融解熱の最大ピーク温度との比(軟化温度/融解熱の最大ピーク温度)が1.55より大きく、熱により緩やかに軟化する性状であり、この性状を有する樹脂を「非結晶性樹脂」とする。
なお、樹脂及びトナーの軟化温度は、高化式フローテスター(例えば、CFT−500D、株式会社島津製作所製)を用いて測定できる。
試料として1gの樹脂を昇温速度3℃/minで加熱しながら、プランジャーにより30kg/cmの荷重を与え、直径0.5mm、長さ1mmのノズルから押出し、温度に対するフローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化温度とした。
樹脂及びトナーの融解熱の最大ピーク温度は、示差走査熱量計(DSC)(例えば、TA−60WS及びDSC−60、株式会社島津製作所製)を用いて測定できる。
融解熱の最大ピーク温度の測定に供する試料は、前処理として、130℃で溶融した後、130℃から70℃まで1.0℃/分間の速度で降温し、次に70℃から10℃まで0.5℃/分間の速度で降温する。
ここで、一度DSCにより、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、「吸発熱量」と「温度」とのグラフを描き、このとき観測される20℃以上100℃以下にある吸熱ピーク温度を「Ta*」とする。
吸熱ピークが複数ある場合は、最も吸熱量が大きいピークの温度をTa*とする。その後、試料を(Ta*−10)℃で6時間保管した後、更に(Ta*−15)℃で6時間保管する。次いで、上記試料を、DSCにより、降温速度10℃/分間で0℃まで冷却した後、昇温速度20℃/分間で昇温して吸発熱変化を測定して、同様のグラフを描き、吸発熱量の最大ピークに対応する温度を、昇温2回目の融解熱の最大ピーク温度とした。また、その時の融解熱量はその吸熱が開始された温度から終了した温度までの面積(ピーク面積)から算出することができる。
−結晶性ポリエステル樹脂−
前記結晶性ポリエステル樹脂(以下、「結晶性ポリエステル樹脂C」と称することがある。)は、高い結晶性をもつために、定着開始温度付近において急激な粘を示す熱溶融特性を示す。このような特性を有する前記結晶性ポリエステル樹脂Cを前記非結晶性ポリエステル樹脂と共に用いることで、溶融開始温度直前までは結晶性による耐熱保存性がよく、溶融開始温度では結晶性ポリエステル樹脂Cの融解による急激な粘度低下(シャープメルト性)を起こし、それに伴い後述する非結晶性ポリエステル樹脂Bと相溶し、共に急激に粘度低下することで定着することから、良好な耐熱保存性と低温定着性とを兼ね備えたトナーが得られる。また、離型幅(定着下限温度と耐高温オフセット発生温度との差)についても、良好な結果を示す。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られる。
なお、本発明において、結晶性ポリエステル樹脂Cとは、上記のように、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステル等の多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるものを指し、ポリエステル樹脂を変性したもの、例えば、後述するプレポリマー、及びそのプレポリマーを架橋及び/又は伸長反応させて得られる樹脂は、前記結晶性ポリエステル樹脂Cには属さない。
−−多価アルコール−−
前記多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジオール、3価以上のアルコールが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、飽和脂肪族ジオールなどが挙げられる。前記飽和脂肪族ジオールとしては、直鎖飽和脂肪族ジオール、分岐飽和脂肪族ジオールが挙げられる。これらの中でも、直鎖飽和脂肪族ジオールが好ましく、炭素数が2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールがより好ましい。前記飽和脂肪族ジオールが分岐型であると、結晶性ポリエステル樹脂Cの結晶性が低下し、融点が低下してしまうことがある。また、前記飽和脂肪族ジオールの炭素数が12を超えると、実用上の材料の入手が困難となる。炭素数としては12以下であることがより好ましい。
前記飽和脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,14−エイコサンデカンジオールなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記結晶性ポリエステル樹脂Cの結晶性が高く、シャープメルト性に優れる点から、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオールが好ましい。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。
これら多価アルコールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−−多価カルボン酸−−
前記多価カルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、2価のカルボン酸、3価以上のカルボン酸が挙げられる。
前記2価のカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、マロン酸、メサコニン酸等の二塩基酸等の芳香族ジカルボン酸;などが挙げられ、更に、これらの無水物やこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルも挙げられる。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸等、及びこれらの無水物やこれらの低級(炭素数1〜3)アルキルエステルなどが挙げられる。
また、前記多価カルボン酸としては、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、スルホン酸基を持つジカルボン酸が含まれていてもよい。更に、前記飽和脂肪族ジカルボン酸や芳香族ジカルボン酸の他に、2重結合を持つジカルボン酸を含有してもよい。
これら多価カルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、炭素数4以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジカルボン酸と、炭素数2以上12以下の直鎖飽和脂肪族ジオールとから構成されることが好ましい。即ち、前記結晶性ポリエステル樹脂Cは、炭素数4以上12以下の飽和脂肪族ジカルボン酸に由来する構成単位と、炭素数2以上12以下の飽和脂肪族ジオールに由来する構成単位とを有することが好ましい。そうすることにより、結晶性が高く、シャープメルト性に優れることから、優れた低温定着性を発揮できる点で好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下であることが好ましい。前記融点が、60℃未満であると、結晶性ポリエステル樹脂Cが低温で溶融しやすく、トナーの耐熱保存性が低下することがあり、80℃を超えると、定着時の加熱による結晶性ポリエステル樹脂Cの溶融が不十分で、低温定着性が低下することがある。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量分布がシャープで低分子量のものが低温定着性に優れ、かつ分子量が低い成分が多いと耐熱保存性が低下するという観点から、前記結晶性ポリエステル樹脂Cのオルトジクロロベンゼンの可溶分が、GPC測定において、重量平均分子量(Mw)3,000以上30,000以下、数平均分子量(Mn)1,000以上10,000以下、Mw/Mn1.0以上10以下であることが好ましい。
更には、重量平均分子量(Mw)5,000以上15,000以下、数平均分子量(Mn)2,000以上10,000以下、Mw/Mn1.0以上5.0以下であることがより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、紙と樹脂との親和性の観点から、所望の低温定着性を達成するためには、5mgKOH/g以上が好ましく、10mgKOH/g以上がより好ましい。一方、耐高温オフセット性を向上させるには、45mgKOH/g以下が好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、所望の低温定着性を達成し、かつ良好な帯電特性を達成するためには、0mgKOH/g以上50mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/g以上50mgKOH/g以下がより好ましい。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965cm−1±10cm−1又は990cm−1±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有するものを結晶性ポリエステル樹脂Cとして検出する方法が挙げられる。
前記結晶性ポリエステル樹脂Cの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、3質量部以上20質量部以下が好ましく、5質量部以上15質量部以下がより好ましい。前記含有量が3質量部以上であると、結晶性ポリエステル樹脂Cによるシャープメルト化が図られ低温定着性が良好となる。また、前記含有量が20質量部以下であると、耐熱保存性が良好となり、高画質画像が得られる。
−非結晶性ポリエステル樹脂−
前記非結晶性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、以下で説明する非結晶性ポリエステル樹脂Aと、非結晶性ポリエステル樹脂Bとを含有することが好ましい。
−−非結晶性ポリエステル樹脂A−−
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ガラス転移温度(Tg)が−40℃以上20℃以下であることが好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、非線状の反応性前駆体と硬化剤との反応により得られることが好ましい。
また、非結晶性ポリエステル樹脂Aは紙などの記録媒体への接着性がより優れる点から、ウレタン結合及びウレア結合の少なくともいずれかを有することが好ましい。非結晶性ポリエステル樹脂Aが、ウレタン結合及びウレア結合のいずれかを有することにより、ウレタン結合又はウレア結合が擬似架橋点のような挙動を示し、非結晶性ポリエステル樹脂Aのゴム的性質が強くなり、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性がより優れる。
−−−非線状の反応性前駆体−−−
前記非線状の反応性前駆体としては、前記硬化剤と反応可能な基を有するポリエステル樹脂(以下、「プレポリマー」と称することがある。)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記プレポリマーにおける前記硬化剤と反応可能な基としては、例えば、活性水素基と反応可能な基などが挙げられる。前記活性水素基と反応可能な基としては、例えば、イソシアネート基、エポキシ基、カルボン酸、酸クロリド基などが挙げられる。これらの中でも、前記非結晶性ポリエステル樹脂にウレタン結合又はウレア結合を導入可能な点で、イソシアネート基が好ましい。
前記プレポリマーは、非線状である。前記非線状とは、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかによって付与される分岐構造を有することを意味する。
また、前記プレポリマーとしては、イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂が好ましい。
前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基を有するポリエステル樹脂とポリイソシアネートとの反応生成物などが挙げられる。前記活性水素基を有するポリエステル樹脂は、例えば、ジオールと、ジカルボン酸と、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸の少なくともいずれかとを重縮合することにより得られる。前記3価以上のアルコール及び前記3価以上のカルボン酸は、前記イソシアネート基を含有するポリエステル樹脂に分岐構造を付与する。
前記ジオールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールが好ましい。
これらのジオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1〜3)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。前記炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
これらのジカルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記3価以上のアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の脂肪族アルコール、3価以上のポリフェノール類、3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。
前記3価以上の脂肪族アルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類としては、例えば、トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが挙げられる。
前記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキシド付加物としては、例えば、3価以上のポリフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したものなどが挙げられる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aは、構成成分として3価以上の脂肪族アルコールを含むことが好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aが構成成分として3価以上の脂肪族アルコールを含むことにより、分子骨格中に分岐構造を有し、分子鎖が三次元的な網目構造となるため、低温で変形するが、流動しないというゴム的な性質を有する。そのため、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性の保持が可能となる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aは、3価以上のカルボン酸やエポキシ等を架橋成分として使用することも可能だが、カルボン酸の場合には芳香族化合物であることが多いことや架橋部分のエステル結合密度が高くなることにより、トナーを加熱定着させて作成した定着画像の光沢が十分に発現できないことがある。エポキシ等の架橋剤を使用する場合にはポリエステルの重合後に架橋反応を実施しなければならず、架橋点間距離の制御が困難であり、狙い通りの粘弾性を得ることができないことや、ポリエステル生成時のオリゴマーと反応して架橋密度の高い部分ができやすいことから定着画像にムラが生じ光沢や画像濃度が劣ることがある。
前記3価以上のカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、3価以上の芳香族カルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1〜3)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記3価以上の芳香族カルボン酸としては、炭素数9〜20の3価以上の芳香族カルボン酸が好ましい。前記炭素数9〜20の3価以上の芳香族カルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸などが挙げられる。
前記ポリイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジイソシアネート、3価以上のイソシアネートなどが挙げられる。
前記ジイソシアネートとしては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、イソシアヌレート類、これらをフェノール誘導体、オキシム、カプロラクタム等でブロックしたものなどが挙げられる。
前記脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトカプロン酸メチル、オクタメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、テトラデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、テトラメチルヘキサンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記脂環式ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルメタンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリレンジイソシアネート、ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニル、4,4’−ジイソシアナト−3−メチルジフェニルメタン、4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテルなどが挙げられる。
前記芳香脂肪族ジイソシアネートとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどが挙げられる。
前記イソシアヌレート類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリス(イソシアナトアルキル)イソシアヌレート、トリス(イソシアナトシクロアルキル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
これらのポリイソシアネートは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−硬化剤−
前記硬化剤としては、前記非線状の反応性前駆体と反応し、前記非結晶性ポリエステル樹脂Aを生成できる硬化剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物などが挙げられる。
−−活性水素基含有化合物−−
前記活性水素基含有化合物における活性水素基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水酸基(アルコール性水酸基及びフェノール性水酸基)、アミノ基、カルボキシル基、メルカプト基などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記活性水素基含有化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ウレア結合を形成可能な点で、アミン類が好ましい。
前記アミン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジアミン、3価以上のアミン、アミノアルコール、アミノメルカプタン、アミノ酸、これらのアミノ基をブロックしたものなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジアミン、ジアミンと少量の3価以上のアミンとの混合物が好ましい。
前記ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、芳香族ジアミン、脂環式ジアミン、脂肪族ジアミンなどが挙げられる。前記芳香族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。前記脂環式ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミノシクロヘキサン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。前記脂肪族ジアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。
前記3価以上のアミンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどが挙げられる。
前記アミノアルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
前記アミノメルカプタンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタンなどが挙げられる。
前記アミノ酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸などが挙げられる。
前記アミノ基をブロックしたものとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ基を、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類でブロックすることにより得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物などが挙げられる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非結晶性ポリエステル樹脂Aは、構成成分にジオール成分を含み、前記ジオール成分が、炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールを50質量%以上含有することが好ましい。
また、前記非結晶性ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非結晶性ポリエステル樹脂Aは、全アルコール成分中に炭素数4以上12以下の脂肪族ジオールを50質量%以上含有することが好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂AのTgを低くし、低温で変形する性質を付与しやすくするために、前記非結晶性ポリエステル樹脂Aは、構成成分にジカルボン酸成分を含み、前記ジカルボン酸成分が、炭素数4以上12以下の脂肪族ジカルボン酸を50質量%以上含有することが好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、20,000以上1,000,000以下が好ましく、50,000以上300,000以下がより好ましく、100,000以上200,000以下が特に好ましい。前記重量平均分子量が、20,000未満であると、トナーが低温で流動しやすくなり、耐熱保存性に劣る場合がある。また溶融時の粘性が低くなり、高温オフセット性が低下する場合がある。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非結晶性ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、5質量部以上25質量部以下が好ましく、10質量部以上20質量部以下がより好ましい。前記含有量が、5質量部未満であると、低温定着性、及び耐高温オフセット性が悪化することがあり、25質量部を超えると、耐熱保存性の悪化、及び定着後に得られる画像の光沢度が低下することがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲内であると、低温定着性、耐高温オフセット性、及び耐熱保存性の全てに優れる点で有利である。
−−非結晶性ポリエステル樹脂B−−
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bは、ガラス転移温度(Tg)が40℃以上80℃以下で
あることが好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bとしては、線状のポリエステル樹脂が好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bとしては、未変性ポリエステル樹脂が好ましい。前記未変性ポリエステル樹脂とは、多価アルコールと、多価カルボン酸、多価カルボン酸無水物、多価カルボン酸エステルなどの多価カルボン酸又はその誘導体とを用いて得られるポリエステル樹脂であって、イソシアネート化合物などにより変性されていないポリエステル樹脂である。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bとしては、ウレタン結合及びウレア結合を有しないことが好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bは、構成成分としてジカルボン酸成分を含み、前記ジカルボン酸成分が、テレフタル酸を50mol%以上含有することが好ましい。そうすることにより、耐熱保存性の点で有利である。
前記多価アルコールとしては、例えば、ジオールなどが挙げられる。
前記ジオールとしては、例えば、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物;エチレングリコール、プロピレングリコール;水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜10)付加物などが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記多価カルボン酸としては、例えば、ジカルボン酸などが挙げられる。
前記ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸;ドデセニルコハク酸、オクチルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸などが挙げられ
る。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、酸価、水酸基価を調整する目的で、前記非結晶性ポリエステル樹脂Bは、その樹脂鎖の末端に3価以上のカルボン酸及び3価以上のアルコールの少なくともいずれかを含んでいてもよい。
前記3価以上のカルボン酸としては、例えば、トリメリット酸、ピロメリット酸、又はそれらの酸無水物などが挙げられる。
前記3価以上のアルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどが挙げられる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、分子量が低すぎる場合、トナーの耐熱保存性、現像機内での撹拌等のストレスに対する耐久性に劣る場合があり、分子量が高すぎる場合、トナーの溶融時の粘弾性が高くなり低温定着性に劣る場合があることから、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)測定において、重量平均分子量(Mw)3,000〜10,000であることが好ましい。また、数平均分子量(Mn)は、1,000〜4,000であることが好ましい。また、Mw/Mnは、1.0〜4.0であることが好ましい。
前記重量平均分子量(Mw)は、4,000〜7,000がより好ましい。前記数平均分子量(Mn)は、1,500〜3,000がより好ましい。前記Mw/Mnは、1.0〜3.5がより好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1mgKOH/g以上50mgKOH/g以下が好ましく、5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下がより好ましい。前記酸価が、1mgKOH/g以上であることにより、トナーが負帯電性となりやすく、更には、紙への定着時に、紙とトナーの親和性が良くなり、低温定着性を向上させることができる。また、前記酸価が50mgKOH/g以下であると、帯電安定性、特に環境変動に対する帯電安定性が良好となる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bの水酸基価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5mgKOH/g以上が好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bのガラス転移温度(Tg)は、40℃以上80℃以下が好ましく、50℃以上70℃以下がより好ましい。前記ガラス転移温度が、40℃以上であることにより、トナーの耐熱保存性、及び現像機内での撹拌等のストレスに対する耐久性が十分なものとなり、また、耐フィルミング性も良好となる。前記ガラス転移温度が、80℃以下であることにより、トナーの定着時における加熱及び加圧による変形が十分なものとなり、低温定着性が良好となる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bの分子構造は、溶液又は固体によるNMR測定の他、X線回折、GC/MS、LC/MS、IR測定などにより確認することができる。簡便には赤外線吸収スペクトルにおいて、965±10cm−1及び990±10cm−1にオレフィンのδCH(面外変角振動)に基づく吸収を有しないものを非結晶性ポリエステル樹脂として検出する方法が挙げられる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Bの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、50質量部以上90質量部以下が好ましく、60質量部以上80質量部以下がより好ましい。前記含有量が、50質量部未満であると、トナー中の顔料、離型剤の分散性が悪化し、画像のかぶり、乱れを生じやすくなることがあり、90質量部を超えると、結晶性ポリエステル樹脂C、及び非結晶性ポリエステル樹脂Aの含有量が少なくなるため、低温定着性に劣ることがある。前記含有量が、前記より好ましい範囲であると、高画質、及び低温定着性の全てに優れる点で有利である。
低温定着性をより向上させるためは、前記非結晶性ポリエステル樹脂Aと前記結晶性ポリエステル樹脂Cとを併用することが好ましい。低温定着性と高温高湿保存性とを両立させるために前記非結晶性ポリエステル樹脂Aは、ガラス転移温度が非常に低いことが好ましい。ガラス転移温度が非常に低いため、低温で変形する性質を有し、定着時の加熱、及び加圧に対して変形し、より低温で紙などの記録媒体に接着しやすくなる性質を有する。また、前記非結晶性ポリエステル樹脂Aの一態様では、反応性前駆体が非線状であることから、分子骨格中に分岐構造を有し、分子鎖が三次元的な網目構造となるため、低温で変形するが、流動しないというゴム的な性質を有する。そのため、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性の保持が可能となる。
なお、前記非結晶性ポリエステル樹脂Aが、凝集エネルギーの高いウレタン結合又はウレア結合を有する場合には、紙などの記録媒体への接着性がより優れる。また、ウレタン結合又はウレア結合は、擬似架橋点のような挙動を示すことから、ゴム的性質はより強くなり、結果、トナーの耐熱保存性、耐高温オフセット性がより優れる。
即ち、本発明のトナーにおいて、前記非結晶性ポリエステル樹脂Aと前記結晶性ポリエステル樹脂C、必要に応じて、その他の非結晶性ポリエステル樹脂Bとを併用すると、低温定着性に非常に優れたものとなる。更に超低温域にガラス転移温度を有する非結晶性ポリエステル樹脂Aを用いることでトナーのガラス転移温度を低く設定しても耐熱保存性、耐高温オフセット性を保持することが可能となるとともに、トナーのガラス転移温度を低くしたことにより、低温定着性に優れる。
<<着色剤>>
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミウムレッド、カドミウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部以上15質量部以下が好ましく、3質量部以上10質量部以下がより好ましい。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、前記非結晶性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチは、マスターバッチ用の樹脂と着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
<<その他の成分>>
前記その他の成分としては、例えば、離型剤、帯電制御剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などが挙げられる。
−離型剤−
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、ロウ類及びワックス類としては、例えば、カルナウバワックス、綿ロウ、木ロウライスワックス等の植物系ワックス;ミツロウ、ラノリン等の動物系ワックス;オゾケライト、セルシン等の鉱物系ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等の石油ワックス;などの天然ワックスが挙げられる。
また、これら天然ワックスのほか、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成炭化水素ワックス;エステル、ケトン、エーテル等の合成ワックスなどが挙げられる。
更に、12−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド系化合物;低分子量の結晶性高分子樹脂である、ポリ−n−ステアリルメタクリレート、ポリ−n−ラウリルメタクリレート等のポリアクリレートのホモ重合体あるいは共重合体(例えば、n−ステアリルアクリレート−エチルメタクリレートの共重合体等);側鎖に長いアルキル基を有する結晶性高分子などが挙げられる。
これらの中でも、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックスが好ましい。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、60℃以上80℃以下が好ましい。前記融点が60℃以上であると、耐熱保存性が良好である。また、前記融点が80℃以下であると、高画質画像が得られる。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、2質量部以上10質量部以下が好ましく、3質量部以上8質量部以下がより好ましい。
−帯電制御剤−
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。
具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部以上10質量部以下が好ましく、0.2質量部以上5質量部以下がより好ましい。
−流動性向上剤−
前記流動性向上剤は、表面処理を行って、疎水性を上げ、高湿度下においても流動性や帯電性の悪化を防止可能なものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが挙げられる。前記シリカ、前記酸化チタンは、このような流動性向上剤により表面処理を行い、疎水性シリカ、疎水性酸化チタンとして使用するのが特に好ましい。
−クリーニング性向上剤−
前記クリーニング性向上剤は、感光体や一次転写媒体に残存する転写後の現像剤を除去するために前記トナーに添加されるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸等の脂肪酸金属塩、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリスチレン微粒子等のソープフリー乳化重合により製造されたポリマー微粒子などが挙げられる。該ポリマー微粒子は、比較的粒度分布が狭いものが好ましく、体積平均粒径が0.01μm〜1μmのものが好適である。
−磁性材料−
前記磁性材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉、マグネタイト、フェライトなどが挙げられる。これらの中でも、色調の点で白色のものが好ましい。
(トナーの製造方法)
本発明のトナーの製造方法は、本発明のトナーを製造する方法であって、母粒子と金属化合物を混合した後、更に母粒子と珪素化合物を混合する工程(以下、「混合工程」と称することがある)を含み、更に必要に応じてその他の工程を含む。
前記母粒子は、前記非結晶性ポリエステル樹脂A、前記非結晶性ポリエステル樹脂B、及び前記結晶性ポリエステル樹脂Cを含み、更に必要に応じて、前記離型剤、前記着色剤などを含む油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。
また、前記母粒子は、前記非線状の反応性前駆体、前記非結晶性ポリエステル樹脂B、及び前記結晶性ポリエステル樹脂Cを含み、更に必要に応じて、前記硬化剤、前記離型剤、前記着色剤などを含む油相を水系媒体中で分散させることにより造粒されることが好ましい。
このような前記母粒子の製造方法の一例としては、公知の溶解懸濁法が挙げられる。前記母粒子の製造方法の一例として、前記プレポリマーと前記硬化剤との伸長反応及び/又は架橋反応により非結晶性ポリエステル樹脂Aを伸張しながら、トナー母体粒子を形成する方法を以下に示す。このような方法においては、水系媒体の調製、トナー材料を含有する油相の調製、トナー材料の乳化乃至分散、有機溶媒の除去を行う。その後、得られた前記母粒子と金属化合物及び珪素化合物とを混合することで前記トナーが得られる。
<水系媒体(水相)の調製>
前記水系媒体の調製は、例えば、樹脂粒子を水系媒体に分散させることにより行うことができる。前記樹脂粒子の水系媒体中の添加量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記水系媒体100質量部に対して、0.5質量部以上10質量部以下が好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶媒、これらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、水が好ましい。
前記水と混和可能な溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セロソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。前記アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。前記低級ケトン類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
<油相の調製>
前記トナー材料を含有する油相の調製は、前記非線状の反応性前駆体と、前記非結晶性ポリエステル樹脂Bと、前記結晶性ポリエステル樹脂Cとを少なくとも含み、更に必要に応じて前記硬化剤、前記離型剤、前記着色剤などを含むトナー材料を、有機溶媒中に溶解乃至分散させることにより行うことができる。
前記有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去が容易である点で、沸点が150℃未満の有機溶媒が好ましい。
前記沸点が150℃未満の有機溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
<乳化乃至分散>
前記トナー材料の乳化乃至分散は、前記トナー材料を含有する油相を、前記水系媒体中に分散させることにより行うことができる。そして、前記トナー材料を乳化乃至分散させる際に、前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより前記非結晶性ポリエステル樹脂Aが生成する。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aは、例えば、以下の(1)〜(3)の方法により生成させることができる。
(1)前記非線状の反応性前駆体と前記硬化剤とを含む油相を、水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより前記非結晶性ポリエステル樹脂Aを生成させる方法。
(2)前記非線状の反応性前駆体を含む油相を、予め前記硬化剤を添加した水系媒体中で乳化又は分散させ、水系媒体中で前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより前記非結晶性ポリエステル樹脂Aを生成させる方法。
(3)前記非線状の反応性前駆体を含む油相を水系媒体中で乳化又は分散させた後で、水系媒体中に前記硬化剤を添加し、水系媒体中で粒子界面から前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させることにより前記非結晶性ポリエステル樹脂Aを生成させる方法。
なお、粒子界面から前記硬化剤と前記非線状の反応性前駆体とを伸長反応及び/又は架橋反応させる場合、生成するトナーの表面に優先的に前記非結晶性ポリエステル樹脂Aが形成され、トナー中に前記非結晶性ポリエステル樹脂Aの濃度勾配を設けることもできる。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aを生成させるための反応条件(反応時間、反応温度)としては、特に制限はなく、前記硬化剤と、前記非線状の反応性前駆体との組み合わせに応じて、適宜選択することができる。
前記反応時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10分間以上40時間以下が好ましく、2時間以上24時間以下がより好ましい。
前記反応温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0℃以上150℃以下が好ましく、40℃以上98℃以下がより好ましい。
前記水系媒体中において、前記非線状の反応性前駆体を含有する分散液を安定に形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水系媒体中に、トナー材料を溶媒に溶解乃至分散させて調製した油相を添加し、せん断力により分散させる方法などが挙げられる。
前記分散のための分散機としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機、摩擦式分散機、高圧ジェット式分散機、超音波分散機などが挙げられる。
これらの中でも、分散体(油滴)の粒子径を2μm以上20μm以下に制御することができる点で、高速せん断式分散機が好ましい。
前記高速せん断式分散機を用いた場合、回転数、分散時間、分散温度等の条件は、目的に応じて適宜選択することができる。
前記回転数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000rpm以上30,000rpm以下が好ましく、5,000rpm以上20,000rpm以下がより好ましい。
前記分散時間としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、バッチ方式の場合、0.1分間以上5分間以下が好ましい。
前記分散温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、加圧下において、0℃以上150℃以下が好ましく、40℃以上98℃以下がより好ましい。なお、一般に、前記分散温度が高温である方が分散は容易である。
前記トナー材料を乳化乃至分散させる際の、水系媒体の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー材料100質量部に対して、50質量部以上2,000質量部以下が好ましく、100質量部以上1,000質量部以下がより好ましい。
前記水系媒体の使用量が50質量部以上であると、トナー材料の分散状態が良好であり、所定の粒子径の母粒子が得られる。また、前記水系媒体の使用量が2,000質量部以下であると、生産コストを抑制することができる。
前記トナー材料を含有する油相を乳化乃至分散する際には、油滴等の分散体を安定化させ、所望の形状にすると共に粒度分布をシャープにする観点から、分散剤を用いることが好ましい。
前記分散剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、界面活性剤、難水溶性の無機化合物分散剤、高分子系保護コロイドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、界面活性剤が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性界面活性剤などを用いることができる。
前記陰イオン界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキルベンゼンスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、リン酸エステルなどが挙げられる。これらの中でも、フルオロアルキル基を有するものが好ましい。
前記非結晶性ポリエステル樹脂Aを生成させる際の伸長反応及び/又は架橋反応には、触媒を用いることができる。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ジブチルスズラウレート、ジオクチルスズラウレートなどが挙げられる。
<有機溶媒の除去>
前記乳化スラリー等の分散液から有機溶媒を除去する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、反応系全体を徐々に昇温させて、油滴中の有機溶媒を蒸発させる方法、分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、油滴中の有機溶媒を除去する方法などが挙げられる。
前記有機溶媒が除去されると、母粒子が形成される。母粒子に対しては、洗浄、乾燥等を行うことができ、更に分級等を行うことができる。前記分級は、液中でサイクロン、デカンター、遠心分離などにより、微粒子部分を取り除くことにより行ってもよいし、乾燥後に分級操作を行ってもよい。
<混合工程>
得られた母粒子は、金属化合物及び珪素化合物と混合する。母粒子の表面に金属化合物を付着した後、更に母粒子の表面に珪素化合物を付着させる。これにより、強固に珪素化合物を母粒子の表面に固定化することができる。
金属化合物の添加量は、母粒子100質量部に対して、0.2質量部以上1.0質量部以下であることが好ましい。
珪素化合物の添加量は、母粒子100質量部に対して、0.5質量部以上5質量部以下であることが好ましい。
金属化合物及び珪素化合物の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等を装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、金属化合物及び珪素化合物に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次、金属化合物及び珪素化合物を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。
また、はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサーなどが挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明のトナーとキャリアとを有する。
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
前記芯材の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、50emu/g以上90emu/g以下のマンガン−ストロンチウム(Mn−Sr)系材料、マンガン−マグネシウム(Mn−Mg)系材料などが好ましく、画像濃度の確保の点では、鉄粉(100emu/g以上)、マグネタイト(75emu/g以上120emu/g以下)等の高磁化材料が好ましい。また、トナーが穂立ち状態となっている感光体への当りを弱くでき高画質化に有利である点で、銅−ジンク(Cu−Zn)系(30emu/g以上80emu/g以下)等の弱磁化材料が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよい、2種以上を併用してもよい。
前記芯材の体積平均粒径としては、25μm以上200μm以下が好ましい。
前記樹脂層の材料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、フッ化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
二成分現像剤におけるトナーとキャリアの混合割合は、キャリアに対するトナーの質量比は2.0質量%以上12.0質量%以下が好ましく、2.5質量%以上10.0質量%以下がより好ましい。
(トナー収容ユニット)
本発明のトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。
トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体(像担持体ともいう)と現像手段とを一体とし、少なくともトナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
(現像剤収容ユニット)
本発明の現像剤収容ユニットは、本発明の現像剤を容器中に収容してなるユニットのことをいう。
ここで、現像剤収容ユニットの態様としては、例えば、現像剤入り容器、現像器、プロセスカートリッジなどが挙げられる。
現像剤入り容器とは、現像剤を収容した容器のことをいう。
現像器は、現像剤を収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも像担持体と現像手段とを一体とし、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。帯電手段、露光手段、クリーニング手段の少なくとも一つと、像担持体と現像手段とを一体としてもよい。
<プロセスカートリッジ>
本発明に関するプロセスカートリッジは、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、該静電潜像担持体上に担持された静電潜像をトナーを用いて現像し可視像を形成する現像手段とを、少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択した、帯電手段、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、除電手段などのその他の手段を有してなる。
前記現像手段としては、本発明の前記トナー乃至前記現像剤を収容する現像剤収容器と、該現像剤収容器内に収容されたトナー乃至現像剤を担持しかつ搬送する現像剤担持体とを、少なくとも有してなり、更に、担持させるトナー層厚を規制するための層厚規制部材等を有していてもよい。
本発明に関するプロセスカートリッジは、各種電子写真装置、ファクシミリ、プリンターに着脱可能に備えさせることができ、後述する本発明の画像形成装置に着脱可能に備えさせるのが好ましい。
(画像形成方法及び画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段とを有し、更に必要に応じて、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などのその他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを含み、更に必要に応じて、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程などのその他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
−静電潜像形成工程及び静電潜像形成手段−
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
静電潜像担持体(以下、「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)などが挙げられる。これらの中でも、より高精細な画像が得られる点で、有機感光体(OPC)が好ましい。
前記静電潜像の形成は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させた後、像様に露光することにより行うことができ、静電潜像形成手段により行うことができる。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段(帯電器)と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段(露光器)とを少なくとも備える。
前記帯電は、例えば、前記帯電器を用いて前記静電潜像担持体の表面に電圧を印加することにより行うことができる。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器などが挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光は、例えば、前記露光器を用いて前記静電潜像担持体の表面を像様に露光することにより行うことができる。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
−現像工程及び現像手段−
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記トナーを用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記トナーを用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記トナーを収容し、前記静電潜像に該トナーを接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、トナー入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器は、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよく、例えば、前記トナーを摩擦撹拌させて帯電させる撹拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するもの等が好適に挙げられる。
−転写工程及び転写手段−
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)は、前記静電潜像担持体(感光体)上に形成された前記可視像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は1つであってもよいし、2つ以上であってもよい。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
−定着工程及び定着手段−
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せなどが挙げられる。
前記除電工程は、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加して除電を行う工程であり、除電手段により好適に行うことができる。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング工程は、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去する工程であり、クリーニング手段により好適に行うことができる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記リサイクル工程は、前記クリーニング工程により除去した前記トナーを前記現像手段にリサイクルさせる工程であり、リサイクル手段により好適に行うことができる。前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、公知の搬送手段等が挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
図4に、本発明の画像形成装置の第一例を示す。画像形成装置100Aは、感光体ドラム10と、帯電ローラ20と、露光装置と、現像装置40と、中間転写ベルト50と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置60と、除電ランプ70とを備える。
中間転写ベルト50は、内側に配置されている3個のローラ51で張架されている無端ベルトであり、図4中、矢印方向に移動することができる。3個のローラ51の一部は、中間転写ベルト50に転写バイアス(一次転写バイアス)を印加することが可能な転写バイアスローラとしても機能する。また、中間転写ベルト50の近傍に、クリーニングブレードを有するクリーニング装置90が配置されている。更に、転写紙95にトナー像を転写するための転写バイアス(二次転写バイアス)を印加することが可能な転写ローラ80が中間転写ベルト50と対向して配置されている。
また、中間転写ベルト50の周囲には、中間転写ベルト50に転写されたトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電装置58が、中間転写ベルト50の回転方向に対して、感光体ドラム10と中間転写ベルト50の接触部と、中間転写ベルト50と転写紙95の接触部との間に配置されている。
現像装置40は、現像ベルト41と、現像ベルト41の周囲に併設したブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cから構成されている。なお、各色の現像ユニット45は、現像剤収容部42、現像剤供給ローラ43及び現像ローラ(現像剤担持体)44を備える。また、現像ベルト41は、複数のベルトローラで張架されている無端ベルトであり、図4中、矢印方向に移動することができる。更に、現像ベルト41の一部が感光体ドラム10と接触している。
次に、画像形成装置100Aを用いて画像を形成する方法について説明する。まず、帯電ローラ20を用いて、感光体ドラム10の表面を一様に帯電させた後、露光装置(不図示)を用いて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、静電潜像を形成する。次に、感光体ドラム10上に形成された静電潜像を、現像装置40から供給されたトナーで現像してトナー像を形成する。更に、感光体ドラム10上に形成されたトナー像が、ローラ51から印加された転写バイアスにより、中間転写ベルト50上に転写(一次転写)された後、転写ローラ80から印加された転写バイアスにより、転写紙95上に転写(二次転写)される。一方、トナー像が中間転写ベルト50に転写された感光体ドラム10は、表面に残留したトナーがクリーニング装置60により除去された後、除電ランプ70により除電される。
図5に、本発明で用いられる画像形成装置の第二例を示す。画像形成装置100Bは、現像ベルト41を設けずに、感光体ドラム10の周囲に、ブラック現像ユニット45K、イエロー現像ユニット45Y、マゼンタ現像ユニット45M及びシアン現像ユニット45Cが直接対向して配置されている以外は、画像形成装置100Aと同様の構成を有する。
図6に、本発明で用いられる画像形成装置の第三例を示す。画像形成装置100Cは、タンデム型カラー画像形成装置であり、複写装置本体150と、給紙テーブル200と、スキャナ300と、原稿自動搬送装置(ADF)400とを備える。
複写装置本体150の中央部に設けられている中間転写ベルト50は、3個のローラ14、15及び16に張架されている無端ベルトであり、図6中、矢印方向に移動することができる。ローラ15の近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写ベルト50上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が配置されている。ローラ14及び15により張架された中間転写ベルト50に対向すると共に、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像形成ユニット120Y、120C、120M及び120Kが並置されている。
また、画像形成ユニット120の近傍には、露光装置21が配置されている。更に、中間転写ベルト50の画像形成ユニット120が配置されている側とは反対側には、二次転写ベルト24が配置されている。なお、二次転写ベルト24は、一対のローラ23に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写ベルト50は、ローラ16と23の間で接触することができる。
また、二次転写ベルト24の近傍には、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27とを備える定着装置25が配置されている。なお、二次転写ベルト24及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
次に、画像形成装置100Cを用いて、フルカラー画像を形成する方法について説明する。まず、原稿自動搬送装置(ADF)400の原稿台130上に、カラー原稿をセットするか、原稿自動搬送装置400を開いてスキャナ300のコンタクトガラス32上に、カラー原稿をセットし、原稿自動搬送装置400を閉じる。スタートスイッチを押すと、原稿自動搬送装置400に原稿をセットした場合は、原稿が搬送されてコンタクトガラス32上へと移動された後で、一方、コンタクトガラス32上に原稿をセットした場合は、直ちに、スキャナ300が駆動し、光源を備える第1走行体33及びミラーを備える第2走行体34が走行する。このとき、第1走行体33から照射された光の原稿面からの反射光を第2走行体34で反射した後、結像レンズ35を介して、読み取りセンサ36で受光することにより、原稿が読み取られ、ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアンの画像情報が得られる。
各色の画像情報は、各色の画像形成ユニット120における各画像形成手段18に伝達され、各色のトナー像が形成される。各色の画像形成ユニット120は、図7に示すように、それぞれ、感光体ドラム10と、感光体ドラム10を一様に帯電させる帯電ローラ160と、各色の画像情報に基づいて、感光体ドラム10に露光光Lを露光し、各色の静電潜像を形成する露光装置と、静電潜像を各色の現像剤で現像して各色のトナー像を形成する現像装置61と、トナー像を中間転写ベルト50上に転写させるための転写ローラ62と、クリーニングブレードを有するクリーニング装置63と、除電ランプ64とを備える。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写ベルト50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
一方、給紙テーブル200においては、給紙ローラ142の一つを選択的に回転させ、ペーパーバンク143に多段に備える給紙カセット144の一つから記録紙を繰り出し、分離ローラ145で1枚ずつ分離して給紙路146に送出し、搬送ローラ147で搬送して複写装置本体150内の給紙路148に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。あるいは、給紙ローラを回転して手差しトレイ54上の記録紙を繰り出し、分離ローラ52で1枚ずつ分離して手差し給紙路53に導き、レジストローラ49に突き当てて止める。
なお、レジストローラ49は、一般には接地されて使用されるが、記録紙の紙粉を除去するためにバイアスが印加された状態で使用されてもよい。次に、中間転写ベルト50上に形成された複合トナー像にタイミングを合わせてレジストローラ49を回転させることにより、中間転写ベルト50と二次転写ベルト24との間に記録紙を送出させ、複合トナー像を記録紙上に転写(二次転写)する。なお、複合トナー像を転写した中間転写ベルト50上に残留したトナーは、クリーニング装置17により除去される。
複合トナー像が転写された記録紙は、二次転写ベルト24により搬送された後、定着装置25により複合トナー像が定着される。次に、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。あるいは、記録紙は、切換爪55により搬送経路が切り換えられ、シート反転装置28により反転され、裏面にも同様にして画像が形成された後、排出ローラ56により排紙トレイ57上に排出される。
本発明の画像形成装置及び画像形成方法によれば、低温定着性に優れ、画像カブリ及び感光体フィルミングの発生が極めて少ない本発明のトナーを用いているので、高画質な画像を長期にわたって提供することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
以下に示す方法により、実施例における、「樹脂の融点及びガラス転移温度(Tg)」、「樹脂の重量平均分子量(Mw)」、「強度比(C/R)」、「トナーに含まれる前記金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合(%)」、及び「金属化合物の球形度」を測定した。
<樹脂の融点及びガラス転移温度(Tg)の測定>
示差走査熱量計(Q−200、TAインスツルメント社製)を用いて、融点及びガラス転移温度を測定した。具体的には、対象試料約5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れた後、試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉にセットした。次に、窒素雰囲気下、昇温速度10℃/minで−80℃から150℃まで昇温した。
得られたDSC曲線から、示差走査熱量計中の解析プログラムを用いて、対象試料のガラス転移温度(Tg)を求めた。
また、得られたDSC曲線から、示差走査熱量計中の解析プログラムを用いて、対象試料の吸熱ピークトップ温度を融点として求めた。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)の測定>
GPC測定装置(HLC−8220GPC、東ソー株式会社製)、及びカラムTSKgel SuperHZM−H 15cm 3連(東ソー株式会社製)を用いて、重量平均分子量を測定した。
具体的には、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定させた。次に、1mL/minの流速でテトラヒドロフラン(THF)をカラムに流し、0.05〜0.6質量%の試料のTHF溶液を50μL〜200μL注入して、試料の重量平均分子量を測定した。
なお、標準ポリスチレン試料としては、重量平均分子量が6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10の試料(Pressure Chemical社製又は東ソー株式会社製)を用いた。なお、検出器としては、RI(屈折率)検出器を用いた。
<強度比(C/R)の測定方法>
スペクトルの強度比C/Rは、FT−IR(フーリエ変換赤外分光分析測定装置、Avatar370、ThermoElectron社製)で、ATR法(全反射法)測定により得られる吸光度スペクトルから算出した。
ATR法では平滑な面が必要となるため、トナーを加圧成型し平滑面を作製した。この時の加圧成型は、トナー2.0gに1tを60sec間荷重し、直径20mmのペレットとした。
ATR法では、Ge結晶を用い、入射角41.5°、分解能4cm−1、積算回数20回の条件で行った。
結晶性樹脂の結晶状態時の特徴的なスペクトル(ポリエステル樹脂の場合、1165cm−1)のピーク高さをC(図1参照、高さのベースラインは1137cm−1〜1199cm−1)、非結晶性樹脂の特徴的なスペクトル(ポリエステル樹脂の場合、829cm−1)のピーク高さをR(図2参照、高さのベースラインは784cm−1〜889cm−1)として、C/Rをピーク強度比として計算した。本発明におけるピーク強度比は、スペクトルを吸光度に直し、そのピーク高さを使用したものである。
<トナーに含まれる金属化合物の全量に対して、母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合(%)>
母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量(X1)、及びトナーに含まれる金属化合物の全量(Y=X1+X2)は、以下のようにして測定することができ、これらの値から、(X1/Y)×100により、母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合(%)を求めた。
−母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量(X1)−
(1)ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ノイゲンET−165、第一工業製薬株式会社製)を500mLビーカーに5g計量した。蒸留水を300mL加え、超音波にかけて溶かした。1,000mLメスフラスコに移し、メスアップした(泡立ってしまったときはしばらく置く)。超音波にかけてなじませ、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ノイゲンET−165、第一工業製薬株式会社製)0.5質量%分散液を作製した。
(2)トナー試料3.75gを、110mLのバイアル中の0.5質量%ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(ノイゲンET−165、第一工業製薬株式会社製)分散液50mLに分散させた。
(3)超音波ホモジナイザー(商品名:homogenizer、形式VCX750、CV33、SONICS&MATERIALS社製)を用いて、周波数20kHzで出力を80Wとし、照射エネルギー量を20kJだけ一定時間超音波を照射する。このときに与えた照射エネルギー量は出力と照射時間との積から算出した。またこのとき、トナー粒子分散液の液温が40℃以上とならないように適時冷却しながら処理を実施した。
(4)得られた分散液をろ紙(商品名:定性ろ紙(No.2、110mm)、アドバンテック東洋株式会社製)で吸引ろ過し、再度イオン交換水で2回洗浄し、ろ過し、遊離した金属化合物を除去後、トナー粒子を乾燥させた。
(5)金属化合物を除去後のトナー粒子の表面に付着している金属化合物の付着量を蛍光X線分析装置(理学電機株式会社製、ZSX−100e)にて検量線による強度(又は金属化合物除去前後の強度差)から質量%を計算することで定量し、母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量(X1)を求めた。
<蛍光X線分析>
前記トナー3.00gを直径3mm、厚さ2mm状のペレットに成形し、測定サンプルトナーとした。
次に、蛍光X線装置にて定量分析で上記ペレットサンプルの金属化合物由来の金属元素の含有量を測定した。
測定には、金属元素標準試料(株式会社リガク製)を用いて補正を行い、含有量を算出した。
・測定装置:株式会社リガク製 ZSX−100e
・X線管球:Rh
・X線管電圧:50kV
・X線管電流:10mA
−トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)−
トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)は、以下のようにして測定した。
超音波ホモジナイザーを用いて、上記と同様の方法で照射エネルギー量を1,000kJと1,500kJだけ超音波を照射したトナー粒子の金属化合物量を蛍光X線分析装置(理学電機株式会社製、ZSX−100e)にて定量し、1,000kJと1,500kJで金属化合物量に減少がないことを確認した。
減少がない場合、金属化合物が全てトナー粒子から脱離していると判断した。また、処理後のトナー粒子の表面を電界放射型走査型電子顕微鏡(FE−SEM)で観察し、金属化合物が全て脱離していることを確認してもよい。
変化が認められる場合は更に500kJずつ照射エネルギー量を増やして同様の処理を行った。
上記のようにして金属化合物を全て脱離したトナー粒子の表面の金属化合物量と、金属化合物の脱離をしない未処理のトナー粒子の金属化合物量との差から、トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)を算出した。
なお、上記のように金属化合物を全て脱離させた後、「金属化合物を全て脱離した母粒子の金属化合物量」を蛍光X線で測定すると、金属化合物量はゼロか、母粒子に金属化合物が含まれる材料を含む場合は影響を受けてある一定の値となる。一方、未処理トナーの金属化合物量を蛍光X線で測ると、金属化合物と、上記と同様に母粒子に金属化合物が含まれる材料を使用していた場合にその分だけ金属化合物量が加算されることとなる。
したがって、トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)を算出するために、上記のように、トナーの金属化合物の全量と、金属化合物を全て脱離した母粒子の表面の金属化合物の量との差から、トナーに含まれる金属化合物の全量(Y)を算出した。
<金属化合物の球形度>
金属化合物の球形度は、トナーに金属化合物を分散させた後の金属化合物の一次粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)装置により観察し、得られた金属化合物の一次粒子の画像解析から求めた。画像解析ソフトとしては、レーザーテック社製OPTELICSC130用画像解ソフトLMeyeを用いて、下記のような方法で行った。
(1)前記SEMにより5.0kVで観察された画像を取り込む
(2)キャリブレーション(縮尺)をあわせる
(3)自動コントラストを行う
(4)反転を行う
(5)エッジ抽出(ソーベル)を行う
(6)再度エッジ抽出(ソーベル)を行う
(7)2値化処理(判別分析モード)を行う
(8)計測により形状特徴(球形度、絶対最大長、対角幅)を算出する
なお、金属化合物の球形度は、上記画像解析によって得られた金属化合物の一次粒子100個の円相当径の累積頻度における50%球形度である。
(実施例1)
−トナー1の作製−
<ケチミン1の合成>
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170質量部、及びメチルエチルケトン75質量部を仕込み、50℃で5時間反応させ、ケチミン1を得た。得られたケチミン1は、アミン価が418mgKOH/gであった。
<非結晶性ポリエステルプレポリマーAの合成>
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管をセットした反応容器に、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、アジピン酸、及び無水トリメリット酸を仕込んだ。このとき、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.5とし、全モノマー中の無水トリメリット酸の含有量を1mol%とし、全モノマーに対して、1,000ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加した。
次に、4時間程度で200℃まで昇温し、更に2時間で230℃まで昇温して、水が流出しなくなるまで反応させた後、10mmHg〜15mmHgの減圧下で5時間反応させ、水酸基を有する非結晶性ポリエステルAを得た。
冷却管、撹拌機、及び窒素導入管をセットした反応容器に、水酸基を有する非結晶性ポリエステルAとイソホロンジイソシアネートを仕込んだ。このとき、水酸基に対するイソシアネート基のモル比を2.0とした。次に、酢酸エチルで希釈した後、100℃で5時間反応させ、非結晶性ポリエステルプレポリマーAの50質量%酢酸エチル溶液を得た。
加熱装置、撹拌機、及び窒素導入管をセットした反応容器に、非結晶性ポリエステルプレポリマーAの50質量%酢酸エチル溶液を仕込んで撹拌した後、ケチミン1を滴下した。このとき、イソシアネート基に対するアミノ基のモル比を1とした。次に、45℃で10時間撹拌した後、酢酸エチルの残量が100ppm以下になるまで50℃で減圧乾燥させ、非結晶性ポリエステルAを得た。
得られた非結晶性ポリエステルAは、ガラス転移温度(Tg)が−55℃であり、重量平均分子量(Mw)が130,000であった。
<非結晶性ポリエステルBの合成>
窒素導入管、脱水管、撹拌器、及び熱電対をセットした反応容器に、ビスフェノールAのエチレンオキサイド2モル付加物(BisA−EO)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド3モル付加物(BisA−PO)、テレフタル酸、及びアジピン酸を仕込んだ。このとき、BisA−POに対するBisA−EOのモル比を40/60とし、アジピン酸に対するテレフタル酸のモル比を93/7とし、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を1.2とし、モノマー全量に対して、500ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加した。
次に、230℃で8時間反応させた後、10mmHg〜15mmHgの減圧下で4時間反応させた。更に、全モノマーに対して、1mol%の無水トリメリット酸を添加した後、180℃で3時間反応させ、非結晶性ポリエステルBを得た。得られた非結晶性ポリエステルBは、ガラス転移温度(Tg)が67℃であり、重量平均分子量(Mw)が10,000であった。
<結晶性ポリエステルCの合成>
窒素導入管、脱水管、撹拌器、及び熱電対をセットした反応容器に、セバシン酸、及び1,6−ヘキサンジオールを仕込んだ。このとき、カルボキシル基に対する水酸基のモル比を0.9とし、モノマー全量に対して500ppmのチタンテトライソプロポキシドを添加した。
次に、180℃で10時間反応させた後、200℃まで昇温して3時間反応させた。更に、8.3kPaの減圧下で2時間反応させ、結晶性ポリエステルCを得た。得られた結晶性ポリエステルCは、融点が67℃であり、重量平均分子量(Mw)が25,000であった。
<マスターバッチ1の作製>
ヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)を用いて、水1,200質量部、DBP吸油量が42mL/100mg、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デクサ社製)500質量部、及び500質量部の非結晶性ポリエステルBを混合した後、2本ロールを用いて、150℃で30分間混練した。次に、圧延冷却した後、パルペライザーを用いて粉砕し、マスターバッチ1を得た。
<ワックス分散剤1の合成>
温度計、及び撹拌機をセットしたオートクレーブ反応槽に、キシレン480質量部、融点が108℃、重量平均分子量(Mw)が1,000のポリエチレンのサンワックス151P(三洋化成工業株式会社製)100質量部を仕込んだ後、ポリエチレンを溶解させ、窒素置換した。
次に、スチレン805質量部、アクリロニトリル50質量部、アクリル酸ブチル45質量部、ジ−t−ブチルパーオキサイド36質量部、及びキシレン100質量部の混合液を3時間で滴下しながら、170℃で重合し、30分間保持した。更に、脱溶剤し、ワックス分散剤1を得た。得られたワックス分散剤1は、ガラス転移温度が65℃であり、重量平均分子量(Mw)が18,000であった。
<ワックス分散液1の調製>
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に、融点が75℃のパラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞株式会社製)300質量部、150質量部のワックス分散剤1、及び酢酸エチル1,800質量部を仕込んだ。
次に、撹拌しながら、80℃まで昇温し、5時間保持した後、1時間で30℃まで冷却した。更に、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、直径が0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散させ、ワックス分散液1を得た。このとき、送液速度を1kg/hとし、ディスクの周速度を6m/sとした。
<結晶性ポリエステル分散液1の調製>
撹拌棒、及び温度計をセットした容器に、308質量部の結晶性ポリエステルC及び酢酸エチル1,900質量部を仕込んだ。次に、撹拌しながら、80℃まで昇温し、5時間保持した後、1時間で30℃まで冷却した。更に、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、直径が0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填し、3パスの条件で分散させ、結晶性ポリエステル分散液1を得た。このとき、送液速度を1kg/hとし、ディスクの周速度を6m/sとした。
<油相1の調製>
225質量部のワックス分散液1、非結晶性ポリエステルプレポリマーAの50質量%酢酸エチル溶液40質量部、390質量部の非結晶性ポリエステルB、225質量部の結晶性ポリエステル分散液1、60質量部のマスターバッチ1、及び酢酸エチル285質量部を容器に仕込んだ後、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて、7,000rpmで60分間混合し、油相1を得た。
<ビニル系樹脂分散液1の合成>
撹拌棒、及び温度計をセットした反応容器に、水683質量部、メタクリル酸のエチレンオキサイド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS−30、三洋化成工業株式会社製)11質量部、スチレン138質量部、メタクリル酸138質量部、及び過硫酸アンモニウム1質量部を仕込んだ後、400rpmで15分間撹拌し、白色の乳濁液を得た。
次に、系内の温度を75℃まで昇温し、5時間反応させた後、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を添加して、75℃で5時間熟成し、ビニル系樹脂分散液1を得た。得られたビニル系樹脂分散液1は、体積平均粒径が0.14μmであった。
なお、ビニル系樹脂分散液1の体積平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置(LA−920、株式会社堀場製作所製)を用いて測定した。
<水相1の調製>
水990質量部、83質量部のビニル系樹脂分散液1、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、乳白色の水相1を得た。
<乳化及び脱溶剤>
油相1が入った容器に、0.2質量部のケチミン1、及び1,200質量部の水相1を添加した後、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて、13,000rpmで20分間混合し、乳化スラリー1を得た。
撹拌機、及び温度計をセットした容器に、乳化スラリー1を仕込み、30℃で8時間脱溶剤した後、45℃で4時間熟成し、分散スラリー1を得た。
<洗浄、加熱処理、乾燥>
100質量部の分散スラリー1を減圧濾過した。次に、濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TKホモミキサー(プライミクス株式会社製)を用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した(以下、洗浄工程(1)という)。更に、濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12,000rpmで30分間混合した後、減圧濾過した(以下、洗浄工程(2)という)。次に、濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した(以下、洗浄工程(3)という)。更に、濾過ケーキにイオン交換水300質量部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合した後、濾過した(以下、洗浄工程(4)という)。このとき、洗浄工程(1)〜(4)の操作を2回繰り返した。
濾過ケーキにイオン交換水100質量部を添加し、TKホモミキサーを用いて、12,000rpmで10分間混合し、50℃で4時間加熱処理した後、濾過した。
循風乾燥機を用いて、45℃で48時間濾過ケーキを乾燥させた後、目開きが75μmのメッシュで篩い、母粒子1を得た。
<混合工程>
20Lヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)に、得られた母粒子1を100質量部とアルミナ(AEROXIDE Alu65、日本アエロジル株式会社製、球形度:0.7、電気陰性度:9.9)0.5質量部を投入し、周速40m/sで3分間混合した。その後、シリカ(AEROSIL NX90G、日本アエロジル株式会社製、電気陰性度:16.7)2質量部を投入し、周速40m/sで17分間混合し、目開き500メッシュの篩を通過させた。以上により、トナー1を得た。
(実施例2)
−トナー2の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムを、酸化セリウム(球形度:0.7、電気陰性度:11.6)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー2を得た。
(実施例3)
−トナー3の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムを、酸化亜鉛(商品名:MZ−506X、テイカ株式会社製、球形度:0.7、電気陰性度:8.3)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー3を得た。
(実施例4)
−トナー4の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムの添加量を0.5質量部から0.1質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナー4を得た。
(実施例5)
−トナー5の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムの添加量を0.5質量部から0.3質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナー5を得た。
(実施例6)
−トナー6の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムの添加量を0.5質量部から0.9質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナー6を得た。
(実施例7)
−トナー7の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムの添加量を0.5質量部から1.1質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナー7を得た。
(実施例8)
−トナー8の作製−
実施例1において、<油相1の調製>における結晶性ポリエステル分散液1の添加量を225質量部から310質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、母粒子2を作製した。
次に、実施例1において、母粒子1を母粒子2に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー8を得た。
(実施例9)
−トナー9の作製−
実施例1において、<油相1の調製>における結晶性ポリエステル分散液1の添加量を225質量部から115質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、母粒子3を作製した。
次に、実施例1において、母粒子1を母粒子3に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー9を得た。
(実施例10)
−トナー10の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムを、酸化ジルコニウム(球形度:0.8、電気陰性度:13.2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー10を得た。
(実施例11)
−トナー11の作製−
実施例1において、<混合工程>を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー11を得た。
<混合工程>
20Lヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)に、母粒子1を100質量部とアルミナ(AEROXIDE Alu65、日本アエロジル株式会社製、球形度:0.7、電気陰性度:9.9)0.5質量部及びシリカ(AEROSIL NX90G、日本アエロジル株式会社製、電気陰性度:16.7)2質量部を投入し、周速40m/sで20分間一括混合した。その後、目開き500メッシュの篩を通過させた。
(実施例12)
−トナー12の作製−
実施例1において、<混合工程>を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー12を得た。
<混合工程>
20Lヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)に、得られた母粒子1を100質量部とシリカ(AEROSIL NX90G、日本アエロジル株式会社製、電気陰性度:16.7)2質量部を投入し、周速40m/sで3分間混合した。その後、アルミナ(AEROXIDE Alu65、日本アエロジル株式会社製、球形度:0.7、電気陰性度:9.9)0.5質量部を投入し、周速40m/sで17分間混合し、目開き500メッシュの篩を通過させた。
(実施例13)
−トナー13の作製−
実施例1において、<油相1の調製>における結晶性ポリエステル分散液1の添加量を225質量部から350質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、母粒子4を作製した。
次に、実施例1において、母粒子1を母粒子4に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー13を得た。
(実施例14)
−トナー14の作製−
実施例1において、<油相1の調製>における結晶性ポリエステル分散液1の添加量を225質量部から125質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、母粒子5を作製した。
次に、実施例1において、母粒子1を母粒子5に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー14を得た。
(比較例1)
−トナー15の作製−
実施例1において、<油相1の調製>における結晶性ポリエステル分散液1の添加量を225質量部から85質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、母粒子6を作製した。
次に、実施例1において、母粒子1を母粒子6に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー15を得た。
(比較例2)
−トナー16の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムを、酸化チタン(商品名:JMT−150IB、テイカ社製、球形度:0.4、電気陰性度:14.8)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー16を得た。
(比較例3)
−トナー17の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムを、酸化チタン(商品名:JMT−150IB、テイカ社製、球形度:0.4、電気陰性度:14.8)に代え、酸化チタンの添加量を0.8質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナー17を得た。
(比較例4)
−トナー18の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムを、酸化マグネシウム(球形度:0.7、電気陰性度:7.2)に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー18を得た。
(比較例5)
−トナー19の作製−
実施例1において、<油相1の調製>における結晶性ポリエステル分散液1の添加量を225質量部から400質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、母粒子7を作製した。
次に、実施例1において、母粒子1を母粒子7に代えた以外は、実施例1と同様にして、トナー19を得た。
(比較例6)
−トナー20の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムの添加量を0.5質量部から0.3質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナー20を得た。
(比較例7)
−トナー21の作製−
実施例1において、金属化合物としての酸化アルミニウムの添加量を0.5質量部から0.8質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして、トナー21を得た。
(比較例8)
−トナー22の作製−
実施例1において、<混合工程>を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー22を得た。
<混合工程>
20Lヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)に、母粒子1を100質量部とアルミナ(AEROXIDE Alu65、日本アエロジル株式会社製、球形度:0.7、電気陰性度:9.9)2.5質量部を投入し、周速40m/sで20分間一括混合した。その後、目開き500メッシュの篩を通過させた。
(比較例9)
−トナー23の作製−
実施例1において、<混合工程>を以下のように変更した以外は、実施例1と同様にして、トナー23を得た。
<混合工程>
20Lヘンシェルミキサー(日本コークス工業株式会社製)に、母粒子1を100質量部とシリカ(AEROSIL NX90G、日本アエロジル株式会社製、電気陰性度:16.7)2.5質量部を投入し、周速40m/sで20分間一括混合した。その後、目開き500メッシュの篩を通過させた。
(キャリアの製造例)
−被覆膜形成溶液の調製−
下記組成をホモミキサーで10分間分散し、シリコーン樹脂を含む被覆膜形成溶液を得た。
[組成]
・シリコーン樹脂溶液・・・132.2質量部
[固形分23質量%、SR2410、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製]
・アミノシラン・・・0.66質量部
[固形分100質量%、SH6020、東レ・ダウコーニング・シリコーン社製]
・導電性粒子1・・・31質量部
[基体:アルミナ、表面処理;下層=二酸化スズ/上層=二酸化スズを含む酸化インジウム、粒径:0.35μm、粒子粉体比抵抗:3.5Ω・cm]
・トルエン・・・300質量部
−キャリアの作製−
芯材として体積平均粒径70μmの焼成フェライト粉を用い、上記被覆膜形成溶液を芯材表面に膜厚0.15μmになるように、スピラコーター(岡田精工株式会社製)によりコーター内温度40℃で塗布し、乾燥した。
得られたキャリアを電気炉中にて300℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き125μmの篩を用いて解砕し、キャリアを作製した。
<現像剤の作製>
作製した実施例1〜14及び比較例1〜9のトナー8質量%と、上記キャリア92質量%とを混合し、それぞれ二成分現像剤を作製した。
得られた各現像剤を用いて、以下のようにして、画像形成を行い、諸特性を評価した。結果を表1〜表5に示した。
<画像形成>
画像形成装置(株式会社リコー製、Ricoh Pro C751ex)の接触帯電手段、プロセス線速、及び現像手段の現像ギャップを変更できるように改造した装置を使用して下記の条件で画像形成を行った。
なお、特に記載がない場合、プロセス線速500mm/s、接触帯電手段、現像手段の現像ギャップは0.3mmとした。
0枚以上10,000枚未満までを23℃で50%RH、10,000枚以上20,000枚未満までを28℃で85%RH、20,000枚以上30,000枚未満までを15℃で30%RHの条件で、画像面積率5%画像及び画像面積率20%画像を1,000枚ごとに交互に出力した。この実機作像を3セットで90,000枚まで実施した。
<低温定着性>
温度条件を150℃、使用紙種をリコーフルカラーPPC用紙タイプ6000とし、上記10,000枚ごとにドット画像とベタ画像を出力し、画像剥がれの有無、及びパットでベタ画像を擦った前後での画像濃度の残存率をX−Rite938(X−RITE社製)で測定し、画像濃度の残存率を求め、下記基準で低温定着性を評価した。「△」以上が実使用上許容できるレベルである。
[評価基準]
◎:画像剥がれがなく、画像濃度の残存率が90%以上
○:画像剥がれがなく、画像濃度の残存率が75%以上90%未満
△:画像剥がれがなく、画像濃度の残存率が60%以上75%未満
×:画像剥がれがあり、画像濃度の残存率が60%未満
<画像カブリ>
上記90,000枚の画像形成終了後、トナーを強制補給させた後、白ベタ画像を出力し、地肌部に発生する黒点の数、大きさからランク評価を実施し、下記基準で画像カブリを評価した。「△」以上が実使用上許容できるレベルである。
[評価基準]
◎:極めて良好
○:良好
△:やや劣る
×:非常に悪い
<感光体フィルミング>
上記90,000枚の画像形成終了後、感光体の観察、及びベタ画像での異常画像の発生を確認し、下記基準で評価した。「△」以上が実使用上許容できるレベルである。
なお、感光体フィルミングは、母粒子、金属化合物及び珪素化合物がクリーニングブレードの圧力などにより感光体上に固着し、現像できなくなる状態を意味する。
[評価基準]
◎:極めて良好
○:感光体上に固着の発生なし
△:感光体上には固着が微少に発生しているもののベタ画像で白抜けが検出されない
×:感光体上に固着が発生し、かつベタ画像で白抜けが発生している
<総合判定>
総合判定の評価基準は以下の通りである。「◎」は極めて良好、「〇」は良好、「△」は実使用上許容できるレベル、「×」は実使用上許容できないレベルである。なお、「◎」、「〇」、「△」を合格とし、「×」を不合格とした。
[評価基準]
◎:「◎」が2つ以上で且つ「△」及び「×」はなし
○:「◎」は1つまでだが、「△」及び「×」はなし
△:「△」が1つ以上で、「×」はなし
×:「×」が1つ以上
*表1中の混合方式における「分割/先添」は金属化合物とシリカを2分割して金属化合物を先に混合することを意味する。
*表2中の混合方式における「分割/先添」は金属化合物とシリカを2分割して金属化合物を先に混合することを意味する。
*表3中の混合方式における「分割/先添」は金属化合物とシリカを2分割して金属化合物を先に混合することを意味する。「一括」は金属化合物とシリカを一緒に混合することを意味し、金属化合物とシリカが1種の場合も含まれる。「分割/後添」は金属化合物とシリカを2分割して金属化合物を後に混合することを意味する。
*表4中の混合方式における「分割/先添」は金属化合物とシリカを2分割して金属化合物を先に混合することを意味する。
*表5中の混合方式における「分割/先添」は金属化合物とシリカを2分割して金属化合物を先に混合することを意味する。「一括」は金属化合物とシリカを一緒に混合することを意味し、金属化合物とシリカが1種の場合も含まれる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> 少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有するトナーであって、
FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって求められる、前記トナーの1137cm−1〜1199cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Cと784cm−1〜889cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Rとの比(C/R)が、次式、0.05≦C/R≦0.20、を満たし、
前記金属化合物が、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、セリウム化合物、及びジルコニウム化合物から選択される少なくとも1種を含み、
前記トナーに含まれる前記金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合が60%以上90%以下であることを特徴とするトナーである。
<2> 少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有するトナーであって、
FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって求められる、前記トナーの1137cm−1〜1199cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Cと784cm−1〜889cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Rとの比(C/R)が、次式、0.05≦C/R≦0.20、を満たし、
前記金属化合物の電気陰性度X(A)と前記珪素化合物の電気陰性度X(Si)との比[X(A)/X(Si)]が、次式、0.5≦[X(A)/X(Si)]≦0.8、を満たし、
前記トナーに含まれる前記金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合が60%以上90%以下であることを特徴とするトナーである。
<3> 前記金属化合物における下記式(1)で表される球形度が0.5以上である前記<1>から<2>のいずれかに記載のトナーである。
球形度=4πA/L・・・式(1)
ただし、前記式(1)中、πは円周率、Aは金属化合物の投影面積、Lは金属化合物の投影像の周囲長を表す。
<4> 前記金属化合物が酸化アルミニウムであり、
前記珪素化合物が酸化珪素である前記<1>から<3>のいずれかに記載のトナーである。
<5> 前記樹脂が結晶性樹脂と非結晶性樹脂を含み、前記結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂であり、
前記非結晶性樹脂が非晶性ポリエステル樹脂である前記<1>から<4>のいずれかに記載のトナーである。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニットである。
<7> 前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを有することを特徴とする現像剤である。
<8> 前記<7>に記載の現像剤を容器中に収容してなることを特徴とする現像剤収容ユニットである。
<9> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーで現像し、可視像を形成する現像手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
<10> 静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記<7>に記載の現像剤で現像し、可視像を形成する現像手段と、を有することを特徴とする画像形成装置である。
<11> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナーで現像し、可視像を形成する現像工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法である。
<12> 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記<7>に記載の現像剤で現像し、可視像を形成する現像工程と、を含むことを特徴とする画像形成方法である。
前記<1>から<5>のいずれかに記載のトナー、前記<6>に記載のトナー収容ユニット、前記<7>に記載の現像剤、前記<8>に記載の現像剤収容ユニット、前記<9>から<10>のいずれかに記載の画像形成装置、及び前記<11>から<12>のいずれかに記載の画像形成方法によると、従来における諸問題を解決し、本発明の目的を達成することができる。
10 静電潜像担持体
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
18 画像形成手段
40 現像装置
61 現像装置
100A 画像形成装置
100B 画像形成装置
100C 画像形成装置
特開2002−214833号公報 特開2005−338814号公報 特開2007−206097号公報

Claims (10)

  1. 少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有するトナーであって、
    FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって求められる、前記トナーの1137cm−1〜1199cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Cと784cm−1〜889cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Rとの比(C/R)が、次式、0.05≦C/R≦0.20、を満たし、
    前記金属化合物が、アルミニウム化合物、亜鉛化合物、セリウム化合物、及びジルコニウム化合物から選択される少なくとも1種を含み、
    前記トナーに含まれる前記金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合が60%以上90%以下であることを特徴とするトナー。
  2. 少なくとも樹脂を含む母粒子と、金属化合物と、珪素化合物とを有するトナーであって、
    FTIR−ATR(全反射吸収赤外分光)法によって求められる、前記トナーの1137cm−1〜1199cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Cと784cm−1〜889cm−1に観測されるピークのうちで最も高いピークの強度Rとの比(C/R)が、次式、0.05≦C/R≦0.20、を満たし、
    前記金属化合物の電気陰性度X(A)と前記珪素化合物の電気陰性度X(Si)との比[X(A)/X(Si)]が、次式、0.5≦[X(A)/X(Si)]≦0.8、を満たし、
    前記トナーに含まれる前記金属化合物の全量に対して、前記母粒子の表面に付着している金属化合物の付着量の割合が60%以上90%以下であることを特徴とするトナー。
  3. 前記金属化合物における下記式(1)で表される球形度が0.5以上である請求項1から2のいずれかに記載のトナー。
    球形度=4πA/L・・・式(1)
    ただし、前記式(1)中、πは円周率、Aは金属化合物の投影面積、Lは金属化合物の投影像の周囲長を表す。
  4. 前記金属化合物が酸化アルミニウムであり、
    前記珪素化合物が酸化珪素である請求項1から3のいずれかに記載のトナー。
  5. 前記樹脂が結晶性樹脂と非結晶性樹脂を含み、前記結晶性樹脂が結晶性ポリエステル樹脂であり、
    前記非結晶性樹脂が非晶性ポリエステル樹脂である請求項1から4のいずれかに記載のトナー。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のトナーを収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
  7. 請求項1から5のいずれかに記載のトナーと、キャリアとを有することを特徴とする現像剤。
  8. 請求項7に記載の現像剤を容器中に収容してなることを特徴とする現像剤収容ユニット。
  9. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項1から5のいずれかに記載のトナーで現像し、可視像を形成する現像手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項7に記載の現像剤で現像し、可視像を形成する現像手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
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