JP2020143763A - 電動アクチュエータ - Google Patents

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健児 水尻
Kenji MIZUSHIRI
健児 水尻
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Abstract

【課題】電動アクチュエータの小型化を実現する。【解決手段】電動アクチュエータ1は、モータ部2と、運動変換機構3と、ハウジング5とを備える。運動変換機構3は、すべりねじ機構により構成されるとともに、雄ねじ部16aを有するねじ軸16と、雄ねじ部16aに螺合するナット17と、ねじ軸16の回転を防止する回り止め機構18とを備える。回り止め機構18は、ねじ軸16の雄ねじ部16aに形成される溝部23と、ハウジング5に設けられるとともに溝部23に係合する突起部24とを備える。【選択図】図1

Description

本発明は、モータ部の回転運動を直線運動に変換して出力する電動アクチュエータに関する。
近年、車両等の省力化、低燃費化を目的とした電動化が進んでいる。例えば、自動車の自動変速機やブレーキ、ステアリング等の操作をモータなど電動機の力で行うシステムが開発され、市場に投入されている。このような用途に使用されるアクチュエータとして、電動モータの駆動により生じた回転運動を直線運動に変換するねじ機構を有する電動アクチュエータが知られている。
この種の電動アクチュエータでは、ねじ機構の直動部に操作対象が連結され、直動部を進退させることで、操作対象が操作される。例えば特許文献1には、直動部としてのボールねじ軸(出力軸)と、ボールねじ軸に転動体を介して螺合するボールねじナットと、を備え、ボールねじナットに伝達された回転運動をボールねじ軸の直線運動に変換するボールねじ装置が開示されている。
ボールねじ軸は、その中途部に、回転防止用のピンを備える。このピンは、ボールねじ軸を収容するハウジングの内部に形成されるピン収容室に収容されている。ピンは、ピン収容室に係合することで、進退動作中におけるボールねじ軸の回転を阻止する。
特開2013−172541号公報
従来の電動アクチュエータでは、ボールねじ軸の中途部にピンを設けていることから、当該ボールねじ軸の長大化を招き、電動アクチュエータを小型化する上で障害となっていた。
本発明は上記の事情に鑑みて為されたものであり、電動アクチュエータの小型化を実現することを技術的課題とする。
本発明は上記の課題を解決するために創案されたものであり、モータ部と、前記モータ部の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構と、前記運動変換機構を収容するハウジングとを備える電動アクチュエータにおいて、前記運動変換機構は、すべりねじ機構により構成されるとともに、雄ねじ部を有する直動部材としてのねじ軸と、前記雄ねじ部に螺合するナットと、前記ねじ軸の回転を防止する回り止め機構とを備え、前記回り止め機構は、前記ねじ軸の前記雄ねじ部に形成される溝部と、前記ハウジングに設けられるとともに前記溝部に係合する突起部とを備えることを特徴とする。
かかる構成によれば、ねじ軸の雄ねじ部に溝部を形成し、当該溝部にハウジングの突起部を係合させることで、ナットの回転に伴ってねじ軸が直動する際に、当該ねじ軸の共回りを防止できる。本発明に係る電動アクチュエータでは、ねじ軸の雄ねじ部に溝部を形成していることから、従来のようにねじ軸にピンを設ける部位を別途確保する必要がない。したがって、ねじ軸の長さ寸法を可及的に短くすることができ、これにより電動アクチュエータの小型化が可能になる。
上記構成の電動アクチュエータにおいて、前記突起部は、前記ハウジングと一体に構成されてもよく、前記ハウジングに着脱自在に設けられてもよい。
本発明によれば、電動アクチュエータの小型化を実現できる。
第一実施形態に係る電動アクチュエータの断面図である。 運動変換機構の分解斜視図である。 ねじ軸の斜視図である。 第二実施形態に係る電動アクチュエータの断面図である。 運動変換機構の分解斜視図である。 回り止め機構の斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。図1乃至図3は、本発明に係る電動アクチュエータの第一実施形態を示す。
図1に示すように、電動アクチュエータ1は、モータ部2と、モータ部2の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構3と、モータ部2及び運動変換機構3を収容する第一ハウジング4及び第二ハウジング5と、を主に備える。
モータ部2は、ステータ6とロータ7とを備える電動モータにより構成される。
ステータ6は、ハウジング本体部8の内周面に回転不能に固定されており、軸方向に積層した複数の電磁鋼板で形成されたステータコア10を備える。ステータコア10には絶縁材料からなるボビンが装着され、ボビンにはステータコイルが巻回される。
ロータ7は、ステータ6の径方向内側に隙間を介して対向するように配置されている。ロータ7は、環状のロータコア11と、ロータコア11の外周面側に取り付けられた複数のマグネット12と、ロータコア11の内周面に固定された筒状のロータインナ13とを備える。ロータコア11は、例えば軸方向に積層した複数の電磁鋼板により形成される。ロータインナ13の軸方向長さはロータコア11の軸方向長さよりも長く設定される。このため、ロータインナ13の各端部は、ロータコア11の軸方向両側に突出している。
モータ部2を収容する第一ハウジング4は、ステータ6及びロータ7の主要部分を収容するハウジング本体部8と、ハウジング本体部8の一端部(図1における右端部)の開口部を閉鎖するハウジング蓋部9とを備える。ハウジング本体部8は筒状に構成されており、その一端部に第二ハウジング5が連結され、他端部にハウジング蓋部9が装着されている。
ロータインナ13の両端部の外周面にはそれぞれ軸受14,15が装着されている。本実施形態では、一方の軸受14が、ロータインナ13の軸方向一端部とハウジング本体部8との間に配置され、他方の軸受15が、ロータインナ13の軸方向他端部とハウジング蓋部9との間に配置されている。このように、ロータインナ13と第一ハウジング4との間に介在する各軸受14,15によって、ロータインナ13は第一ハウジング4に回転可能に支持されている。
運動変換機構3は、すべりねじ機構により構成されると共に、第二ハウジング5に収容されている。図1及び図2に示すように、運動変換機構3は、外周面に雄ねじ部16aが形成された直動部材としてのねじ軸16と、ねじ軸16に対して螺合する雌ねじ部17aを内周面に有する筒状のナット17と、ねじ軸16の回転を防止する回り止め機構18とを備える。
ねじ軸16及びナット17は、ロータインナ13と同軸上に配置されている。ナット17は、その外周面と第二ハウジング5の内周面との間に配置された二つの軸受19,20によって回転可能に支持されている。ナット17の一端部はロータインナ13に連結されている。これにより、ナット17はロータインナ13によって回転駆動される。
ねじ軸16の先端部には、操作対象である図示しない使用機器の対応部位と連結するための孔部(連結部)21が設けられている。
第二ハウジング5は、円筒状に構成されると共に、その端部に、ねじ軸16が挿通される開口部22を備える。開口部22は、ねじ軸16よりも大径の円形状に構成される。
図1乃至図3に示すように、回り止め機構18は、ねじ軸16に形成される溝部23と、第二ハウジング5に対して一体に設けられる突起部24とを含む。溝部23は、ねじ軸16の長手方向に沿って直線状に構成される。溝部23は、ねじ軸16の雄ねじ部16aと重複するように構成される。例えば溝部23は、ねじ軸16に雄ねじ部16aを形成した後に、当該雄ねじ部16aの一部を切削等の加工手段により切除することにより構成されるが、溝部23を形成する方法は本実施形態に限定されるものではない。
溝部23は、一対の側壁部25と、底部26とを有する。各側壁部25は、底部26を挟んで対向するとともに、第一側壁面25aと、第一側壁面25aと底部26とを繋ぐ第二側壁面25bとを含む。第一側壁面25aは、雄ねじ部16aのねじ山を一部切除することにより構成される断面である。このため、第一側壁面25aは、図1に示すように、雄ねじ部16aのねじ山に対応するように、ねじ軸16の半径方向外方に突出する複数の凸部を有する。
第二側壁面25bは、第一側壁面25aと面一に形成される。溝部23の深さ寸法(第一側壁面25aの先端部から底部26までの距離)は、雄ねじ部16aのねじ山の高さ寸法よりも大きく設定される。このため、第二側壁面25bは、第一側壁面25aと底部26との間であって、雄ねじ部16aに係るねじ山の存在しない底部26寄りの位置に形成されている。
第二ハウジング5の突起部24は、当該第二ハウジング5の軸方向における一端部に形成されている。突起部24は、第二ハウジング5に係る開口部22の縁部から半径方向内方に突出している。突起部24は、矩形状で板状に構成されているが、この形状に限定されるものではない。突起部24は、例えばプレス加工により、第二ハウジング5と一体に形成されるが、突起部24の形成方法は本実施形態に限定されるものではない。図1に示すように、突起部24の先端部は、ねじ軸16の溝部23に係合している。突起部24の先端部は、この溝部23の底部26に接触せず、当該底部26から離間していることが好ましい。
第一ハウジング4及び第二ハウジング5は、その端部同士が連結されることにより一体に構成される。第一ハウジング4のハウジング本体部8は、その一端部に、第二ハウジング5に連結される第一連結部27を有する。第一連結部27は、その外面にOリング等のシール部材28を収容する溝部29を有する。第二ハウジング5は、開口部22とは反対側の端部に、第一ハウジング4に連結される第二連結部30を有する。第一ハウジング4及び第二ハウジング5は、第一ハウジング4の第一連結部27を第二ハウジング5の第二連結部30に内嵌し、ボルト等の固定具により第一連結部27及び第二連結部30を締結することにより連結される。第一ハウジング4の第一連結部27と第二ハウジング5の第二連結部30とは、第一連結部27の溝部29に収容されたシール部材28によりシールされる。
以下、上記構成の電動アクチュエータ1の動作について説明する。
モータ部2の駆動によりロータ7が回転すると、この回転運動は、ロータインナ13を介して運動変換機構3のナット17に伝達される。ナット17は、ロータインナ13とともに回転することで、ねじ軸16をその軸方向に移動させる。この場合、回り止め機構18は、突起部24がねじ軸16の溝部23に係合していることで、ナット17の回転によるねじ軸16の共回りを防止する。すなわち、回り止め機構18の突起部24は、溝部23の側壁部25に当接することで、ねじ軸16をその軸方向に直動するように案内する。電動アクチュエータ1は、上記のようにねじ軸16を軸方向に進退させることで、当該ねじ軸16の孔部21に連結されている操作対象としての使用機器を操作する。
なお、図1に示すように、ねじ軸16が退避(後退)した状態において、当該ねじ軸16の一部は、ナット17に連結されている筒状のロータインナ13の内側に挿通される。
以上説明した本実施形態に係る電動アクチュエータ1によれば、回り止め機構18に係る溝部23をねじ軸16の雄ねじ部16aに形成することで、従来のようにねじ軸16に回り止め用のピンを設ける必要がなくなる。これにより、ねじ軸16の長さを可及的に短くでき、電動アクチュエータ1の小型化を実現できる。さらに、従来の電動アクチュエータでは、ねじ軸に設けられたピンを収容するピン収容室をハウジングに形成する必要があったが、本実施形態では、第二ハウジング5に突起部24を形成するだけでよいため、当該第二ハウジング5の軸方向寸法を短くできる。これにより、電動アクチュエータ1をより一層小型化することが可能になる。
また、本実施形態では、突起部24を第二ハウジング5に一体的に形成することで、電動アクチュエータ1の部品点数を可及的に低減でき、当該電動アクチュエータ1を効率良く製造することが可能になる。
図4乃至図6は、電動アクチュエータの第二実施形態を示す。第一実施形態に係る電動アクチュエータ1では、回り止め機構18の突起部24が第二ハウジング5と一体に構成されていたが、本実施形態では、当該突起部24は、第二ハウジング5に対して着脱自在に設けられている。
本実施形態において、第二ハウジング5は、突起部24を支持する凹部31を有する。突起部24は、この凹部31に嵌合可能なキーにより構成される。キーは、凹部31(キー溝)に嵌合された状態で、当該凹部31から第二ハウジング5の開口部22における径方向内方に突出し、ねじ軸16の溝部23に係合している。第二ハウジング5には、突起部24が凹部31から外れないように固定する抜け止め部材が設けられる。
本実施形態におけるその他の構成は第一実施形態と同じであり、本実施形態と第一実施形態とに共通する構成要素には共通符号を付している。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限定されるものではなく、上記した作用効果に限定されるものでもない。本発明は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
上記の第二実施形態では、回り止め機構18における突起部24としてキーを採用した電動アクチュエータ1を例示したが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、回り止め機構18の突起部24として第二ハウジング5に着脱可能なピンその他の部材を採用し、第二ハウジング5にピン等を差し込むことが可能な孔等を形成してもよい。
上記の実施形態において、回り止め機構18の溝部23は、ねじ軸16の雄ねじ部16aの全範囲に形成されていたが、この構成に限定されず、雄ねじ部16aの中途部の一部を切除することにより部分的に形成されてもよい。
1 電動アクチュエータ
2 モータ部
3 運動変換機構
5 第二ハウジング
16 ねじ軸
16a 雄ねじ部
17 ナット
18 回り止め機構
23 溝部
24 突起部

Claims (3)

  1. モータ部と、前記モータ部の回転運動を直線運動に変換する運動変換機構と、前記運動変換機構を収容するハウジングとを備える電動アクチュエータにおいて、
    前記運動変換機構は、すべりねじ機構により構成されるとともに、雄ねじ部を有する直動部材としてのねじ軸と、前記雄ねじ部に螺合するナットと、前記ねじ軸の回転を防止する回り止め機構とを備え、
    前記回り止め機構は、前記ねじ軸の前記雄ねじ部に形成される溝部と、前記ハウジングに設けられるとともに前記溝部に係合する突起部とを備えることを特徴とする電動アクチュエータ。
  2. 前記突起部は、前記ハウジングと一体に構成される請求項1に記載の電動アクチュエータ。
  3. 前記突起部は、前記ハウジングに着脱自在に設けられる請求項1に記載の電動アクチュエータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2022097252A1 (ja) * 2020-11-06 2022-05-12 三菱電機株式会社 アクチュエータ

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