本発明は、従来技術の問題を解決するか又は少なくとも軽減することを目的とする。
本発明の第1態様は、作業機械の作業アームと釣り合う質量を有するカウンターウェイトを備える作業機械用のカウンターウェイト組立体であって、カウンターウェイトは、熱交換器をその上に取り付けるための取り付け装置を備え、且つその上に取り付けたときに空気が熱交換器を通って流れることを可能にする入口及び出口を有する空気流路を画定する、カウンターウェイト組立体を提供する。
有利なことに、これにより熱交換器のコンパクトなパッケージングがもたらされる。この構成は作業機械の全体の高さを減少させることができる。また、この構成は視界への影響を最小限に抑え、機械の突出量を最小化することができる。これにより更に、熱交換器を衝撃損傷から保護することができる。
一実施形態では、熱交換器は取り付け装置に取り付けられている。
一実施形態では、取り付け装置は熱交換器が4つの側面を囲まれるように構成されている。
有利なことに、これにより更に熱交換器ユニットの損傷からの保護がもたらされる。また、これにより流動効果によって熱交換器を通る空気流を高めることができる。
一実施形態では、カウンターウェイトは、それを通るダクトの形態の空気流路を画定するように構成されている。
一実施形態では、熱交換器と連結してファンが取り付けられている。
一実施形態では、カウンターウェイトは上面、底面、及び少なくとも1つの側面を備える。
一実施形態では、取り付け装置は底面に近接して配置されている。
一実施形態では、カウンターウェイト組立体はグリルを更に備え、グリルは上面に近接して取り付けられている。
有利なことに、これによりダクト内に破片が落下するのを防ぐことができる。
一実施形態では、取り付け装置はカウンターウェイト組立体の上面に近接して配置され
ている。
一実施形態では、取り付け装置はカウンターウェイト組立体の側面に近接して配置されている。
一実施形態では、取り付け装置は複数のねじ穴を備える。
一実施形態では、ダクトは複数のねじ付き穴を含む少なくとも1つの取り付け面を画定するように構成されている。
一実施形態では、熱交換器が取り付け組立体に取り付けられたときに、熱交換器は各取り付け面に当接する。
一実施形態では、カウンターウェイトは1つの要素で構成される単一部品、例えば鋳鉄部品又は鋼部品として形成されている。
一実施形態では、熱交換器は空気調和システムの凝縮器である。
一実施形態では、ファンは、入口を通して、凝縮器を通して出口へと空気を追い込むように構成されている。
本発明の第2態様は、作業動作を行うことができるように構成された作動アームと、第1態様に係るカウンターウェイト組立体とを備える作業機械を提供する。
有利なことに、これにより熱交換器のコンパクトなパッケージングがもたらされる。この構成は作業機械の全体の高さを減少させることができる。また、この構成は視界への影響を最小限に抑え、機械の突出量を最小化することができる。これにより更に、熱交換器を衝撃損傷から保護することができる。
一実施形態では、作業機械は運転室を更に備え、熱交換器は運転室用の空気調和ユニットの凝縮器である。
本発明の更なる態様は、熱交換器が搭載されたカウンターウェイトを製造する方法であって、空気流路と取り付け装置とを備えるカウンターウェイトを製造するステップと、熱交換器を取り付け装置に取り付けるステップとを含む方法を提供する。
一実施形態では、熱交換器は空気調和ユニットの凝縮器である。
一実施形態では、空気流路はダクトを画定する。
一実施形態では、方法は凝縮器にファンを固定するステップを更に含む。
一実施形態では、方法はファンにグリルを固定するステップを更に含む。
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る作業機械10(この場合、車輪付きの旋回掘削機)が幾分簡略化した形で示されている。機械は、旋回輪16の形態の旋回機構によって連結されている下部構造12と上部構造14とを備える。旋回輪16は、本実施形態では下部構造12に対する上部構造14の無制限の回転を可能にする。作業アーム装置40が、上部構造14に回転可能に取り付けられ、材料取り扱い作業を行うために設けられている。
下部構造は、4つの車輪19a、19b、19c、19dを備える地面係合構造に接続されている。車輪19a、19b、19c、19dには、一般的にオフロード空気入りタイヤが設けられている。
ドーザブレード装置22が下部構造12の一端に旋回可能に固定されており、ドーザブレード装置22は既知の構成を用いて液圧シリンダー21によって昇降させることができ、また掘削の際に隣接する車輪19a、19bを地面から持ち上げることにより、機械の安定化装置として作用することができる。
安定脚装置24が下部構造12のドーザブレード組立体22に対する反対端に旋回可能に取り付けられており、安定脚装置24はまた既知の構成を用いて液圧シリンダー23によって昇降させることができる。
上部構造14は、旋回輪16に取り付けられた構造プラットフォーム26を備える。図に見られるように、旋回輪16は、上部構造14を下部構造の中心に取り付けるために、下部構造12に対して実質的に中心にある。旋回輪16は、下部構造12に対する上部構造14の回転を可能にする。
プラットフォーム26は運転室30を搭載している。運転室30は、オペレーターの座席と機械制御部とを収容している。運転室30は、本実施形態では上部構造14の前方且つ左側に装着され、上部構造と一緒に回転するように固定されている。平面図では、運転室30は実質的に長方形であり、実質的に垂直な後壁36と右側側壁(見えない)とを有する。
上部構造14は更に、作動アーム機構40と釣り合うための、カウンターバランス効果を最適化するために作業アーム40と反対側の上部構造の後端に配置されたカウンターウェイト34を備える。
本実施形態では、作業機械10用の原動機、主液圧ポンプ、及び伝動装置(図示せず)は下部構造12内に位置しているが、他の実施形態では、エンジン及び主液圧ポンプは上部構造14内に位置している。
図2を参照すると、カウンターウェイト34を組み込んでいるカウンターウェイト組立体150がより詳細に示されている。カウンターウェイト34は、互いに対して実質的に
平行な上面158及び下面160と、運転室30の後壁36と接して配置されるように構成された垂直前面162と、運転室から最も遠い位置にある傾斜面164とを有する。その結果、カウンターウェイト34は、側面視で実質的に直角台形である。カウンターウェイト34は、曲面状でもある傾斜面164によって平面視で円の扇形を画定する。
この曲面形状は、作業機械が後方小旋回(CTS)又は後方ゼロ旋回(ZTS)掘削機とみなすことができるように、上部構造の回転の全範囲にわたって下部構造12に対する上部構造14の突出を最小限にするのに役立つ。
本実施形態では、カウンターウェイト34の前面162は、運転室30の後部に対するコンパクトな嵌め合いのために凹部163で構成され、凹部は実質的にカウンターウェイト34の幅の半分だけ延び、カウンターウェイトの凹部は図では運転室に対して配置して示されている。カウンターウェイト34は、運転室30の高さの1/4から1/3の距離だけプラットフォーム26から上方に突出している。このような高さは、様々な動作モードにわたってオペレーターの視線に限られた障害物しか有さないことが見出されている。すなわち、オペレーターの視線は、自分の肩越しに見ている場合に改善されている。
本実施形態では、カウンターウェイト34は、1つの要素で構成される鋳造部品であり、鋳造プロセスの一部として、適切なコアを使用して、それを貫通する空気流路172と取り付け装置178とを画定するように製造される。カウンターウェイト組立体150は、カウンターウェイト34と、空気調和ユニットの凝縮器152と、対の電動ファン154と、ファン取り付けフレーム156とを含む。代替的な実施形態では、ファン154は油圧により電力を供給されることができる。
本実施形態では、空気流路は、入口と出口とを画定するカウンターウェイト34を通して形成されたダクト172を画定する。ダクト172はカウンターウェイト34を通る2つの領域を画定し、第1領域174は凝縮器152の形状に適合するように入口の形状が実質的に長方形であり、第2領域176は取り付け面178を提供するように第1領域よりも狭くなっている。本実施形態では、取り付け面は、ダクトの4つの内側面のすべての周りに延在する領域間の接合部分に棚178の形態で設けられる。第1領域174は下面160に対して実質的に垂直に延びており、凝縮器152、ファン154及び取り付け部156の系の高さに実質的に等しい距離だけ延びている。
本実施形態では、棚178は、その上に凝縮器152を取り付けるための棚の四隅に位置する4つのねじ穴180を備える。凝縮器152は、凝縮器の長方形の形状によって定められた四隅に位置する4つの穴155を更に備える。取り付けフレーム156は、凝縮器及びフレームが組み立てられたとき、凝縮器152の穴155と一致するように構成された4つの穴157を更に備える。
カウンターウェイト組立体の組み立ては、以下のとおりであり得る。電動ファン154を取り付けフレーム156に固定し、ファン及びフレーム装置は、その後、取り付けフレーム156の穴157を凝縮器154の穴155と整列するように凝縮器152をフレームに挿入する。取り付けフレーム156と凝縮器152を、その後、4つのエラストマーマウント184によって棚178のねじ穴180に固定する。
ダクト172内に破片が落下するのを防ぐためにグリル182をカウンターウェイト150の上面158に固定するが、それを通る十分な空気流を可能にするように構成する。本実施形態では、電動ファン154は、下面160の近くに位置する入口を通って流れ、凝縮器152及びダクト172を通り、カウンターウェイト34の上面158に位置する出口を通って流れるように、空気を追い込むように構成されている。
図3、4、5及び6を参照すると、カウンターウェイト組立体の代替的な実施形態の簡略化された概略図が示されている。
図3は、凝縮器、ファン、ファン取り付け具(図示せず)がカウンターウェイトの上面258に取り付けられているカウンターウェイトを示しており、本図の対応する構成要素には図1及び2に対して100大きい符号が付されている。違いのみをより詳細に説明する。ダクト272がカウンターウェイト134を貫通して形成されており、2つの領域を有する。第1領域274は形状が実質的に長方形であり、第2領域276は領域間の接合部分に棚278を画定するようにより狭くなっている。グリル(図示せず)が、保護のためにカウンターウェイトの上に取り付けられていてもよい。
図4は、凝縮器、ファン及びファン取り付け具がカウンターウェイトの傾斜面又は曲面に取り付けられているカウンターウェイトを示しており、本図の対応する構成要素は図3に対して100大きい符号が付されている。違いのみをより詳細に説明する。ダクト372がカウンターウェイト234を貫通して形成されており、2つの領域を有する。第1領域374は形状が実質的に長方形であり、第2領域376は領域間の接合部分に棚378を画定するようにより狭くなっている。第1領域374は実質的に曲面364に対して垂直に延びる。ダクト372はカウンターウェイト234の傾斜面364へと延び、カウンターウェイトを通って概ねL字形状に延び、カウンターウェイトの上面358に出口を提供するように構成されている。
図5は、本発明の代替的な実施形態に係るカウンターウェイトを示し、本図の対応する構成要素には図4に対して100大きい符号が付されている。カウンターウェイト334は、前述の実施形態の囲まれたダクトではなく、カウンターウェイトの一方の側に溝488を画定するように平面視において概ねU字形である。本実施形態では、凝縮器(図示せず)は、カウンターウェイト334の3つの側面によって囲まれる。本実施形態では、取り付け装置478は、溝488の3つの内側面の周りに延びる棚の形態で提供される。凝縮器は、その結果、棚478の下側に取り付けることが可能である。チャネル488の上部及び/又は開放側はグリル(図示せず)によって覆われていてもよい。保護板(図示せず)が、衝撃損傷から凝縮器等を保護するために、カウンターウェイトに固定されていてもよい。
図6は、本発明の代替的な実施形態に係るカウンターウェイト組立体を示し、本図の対応する構成要素には図5に対して100大きい符号が付されている。装置は、取り付け装置578が溝588の対向する2つの側面にある凹部586によって提供されることを除き、図5と同様である。本実施形態では、凝縮器(図示せず)は、カウンターウェイト434に実質的に水平方向に挿入され、留め具(図示せず)によって適切に保持されることができる。
図7に示すように、類似部分には添え字’を加えた類似の数字で符号が付けられている代替的な実施形態では、運転室30’は上部構造14’に回転可能に取り付けられている。本実施形態では、カウンターウェイト34’は、運転室に最も近い領域に曲面状の輪郭を有する。運転室30’の前部38’及び後部36’は各々、運転室の回転を可能にするために、カウンターウェイト34’の曲面状の輪郭に相補的な曲面状の輪郭を有する。相補的な曲面状の輪郭は、上部構造14’に対する運転室30’の回転を特にコンパクトに提供する。上部構造14’に対する運転室30’の回転は、カウンターウェイト34’が運転室の後ろにある直線掘削位置と、カウンターウェイト組立体が運転室の前にある道路輸送位置との間で作業機械10’が切り替わることを可能にする。図に示されるように、運転室30’の後部がカウンターウェイト34’の上面158’の上に延びるので、本実施形態では、ダクト172’の出口がカウンターウェイトの曲面164’に位置している。グリル182’がダクト172’の出口を覆うようにカウンターウェイトの曲面164に更に取り付けられていてもよい。
1つ以上の好ましい実施形態を参照して本発明を説明してきたが、添付の特許請求の範囲に規定される本発明の範囲から逸脱することなく様々な変更や修正をなし得ることが理解されるであろう。
他の実施形態では、カウンターウェイトは、複数の相補的な部分によって形成され、複数の相補的な部分は、それらを積み重ねて互いに固定したときに、カウンターウェイトを通る空気流路と取り付け装置とを画定するカウンターウェイトを形成する。
本発明では、作業機械は中型の掘削機であると考えることができる。他の実施形態では、カウンターウェイト組立体は、他の作業機械、例えばテレハンドラー、ローダー又はクレーンに取り付けることができる。
他の実施形態では、異なる形式の熱交換器、例えば、エンジン、トランスミッション、ステアリング又は液圧システムを冷却するためのラジエータなどをカウンターウェイトに固定することができる。また、複数の熱交換器をカウンターウェイトに取り付けることができる。
他の実施形態では、取り付け装置は、ダクトの2つの対向する側面の棚に、各棚に位置する2つのねじ穴を設けるか、又はダクトの四隅の各々の突出面に、ねじ穴を備える各棚を設けるように、異なる形態であってもよい。