JP2020143383A - 縫製手袋 - Google Patents

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昭太 松本
Shota Matsumoto
昭太 松本
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【課題】皮革とデニム生地とを組み合わせた縫製手袋を得る。【解決手段】縫製手袋1は、掌側パーツ及び甲側パーツ10を含む複数のパーツが縫合されている。掌側パーツは皮革で構成されている一方、甲側パーツ10は、デニム生地10aと、デニム生地10aの裏面に塗布されてなる解れ止め用糊層10bと、解れ止め用糊層10bを介してデニム生地10aの裏面に貼り合わせられた解れ止め用生地10cとを含む積層構造で構成されている。甲側パーツ10は、デニム生地10aの表面を外側にして前記掌側パーツと縫合される。【選択図】図3

Description

本発明は、複数のパーツが縫合されてなる縫製手袋に関する。
特許文献1には、皮革からなる第1の基布と、伸縮性を有する布材からなる第2の基布とを有し、第1の基布が掌側部分を形成し、第2の基布が甲側部分を形成する縫製手袋が開示されている。この縫製手袋の場合、掌側は皮革で構成されているために強度性に優れており、また、甲側は伸縮性を有しているため指の折り曲げが容易になるなど機能性にも優れている。
特開2007−308834号公報
上述したように異素材のパーツを組み合わせた場合、それぞれの素材の特性を有する手袋を実現することができる。しかしながら、その組み合わせによっては、縫い目が解れやすいなどの問題が生じる。特に、ファッション性などの観点から近年人気が高いデニム生地を用いようとすると、解れが著しく、高い耐久性を得ることはできない。デニム生地のパンツなどでは、縫い合わせる生地の端部を相互に巻き込んで縫う巻き伏せ縫いを行うことによって解れを防止することもできるが、手袋の場合に巻き伏せ縫いを用いると、厚みが大きくなりすぎるため、指の折り曲げが困難になるなどの問題が生じる。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、上述した課題を解決することができる縫製手袋を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一の態様の縫製手袋は、掌側パーツ及び甲側パーツを含む複数のパーツが縫合されてなる縫製手袋において、前記掌側パーツは皮革で構成され、前記甲側パーツは、デニム生地と、前記デニム生地の裏面に塗布されてなる解れ止め用糊層と、前記解れ止め用糊層を介して前記デニム生地の裏面に貼り合わせられた解れ止め用生地とを含む積層構造で構成され、前記甲側パーツが、前記デニム生地の表面を外側にして前記掌側パーツと縫合されていることを特徴とする。
上記態様において、前記複数のパーツには親指パーツが含まれ、前記親指パーツは、掌側及び甲側のサブパーツを含んでおり、掌側のサブパーツは皮革で構成され、甲側のサブパーツは、デニム生地と、前記デニム生地の裏面に塗布されてなる解れ止め用糊層と、前記解れ止め用糊層を介して前記デニム生地の裏面に貼り合わせられた解れ止め用生地とを含む積層構造で構成され、前記甲側のサブパーツが、前記デニム生地の表面を外側にして前記掌側のサブパーツと縫合されていてもよい。
また、上記態様において、前記複数のパーツには手首パーツが含まれ、前記手首パーツは、デニム生地と、前記デニム生地の裏面に塗布されてなる解れ止め用糊層と、前記解れ止め用糊層を介して前記デニム生地の裏面に貼り合わせられた解れ止め用生地とを含む積層構造で構成され、前記手首パーツが、前記デニム生地の表面を外側にして前記掌側パーツ及び前記甲側パーツと縫合されていてもよい。
さらに、上記態様において、前記解れ止め用糊層は、前記デニム生地の裏面の全面に塗布されてなり、前記解れ止め用生地は、前記デニム生地の裏面の全面に貼り合わせられてもよい。
本発明によれば、デニム生地の解れを抑制することができる。
実施の形態の縫製手袋を甲側からみたときの平面図。 実施の形態の縫製手袋を構成する甲側パーツの概略構成図。 甲側パーツの構成を示す断面図。 実施の形態の縫製手袋を構成する親指サブパーツの概略構成図。 実施の形態の縫製手袋を構成する掌側サブパーツの概略構成図。 実施の形態の縫製手袋を構成する掌側サブパーツの概略構成図。 実施の形態の縫製手袋を構成する親指サブパーツの概略構成図。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下に示す各実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための方法及び装置を例示するものであって、本発明の技術的思想は下記のものに限定されるわけではない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された技術的範囲内において種々の変更を加えることができる。
なお、本実施の形態では、所謂ガンカット型の縫製手袋について例示するが、本発明はこれに限定されるわけではなく、他の型の縫製手袋であってもよい。
[縫製手袋の構成]
図1は、実施の形態の縫製手袋を甲側からみたときの平面図である。図1に示すように、縫製手袋1は、甲側パーツ10、親指の甲側に相当する親指サブパーツ20、掌側パーツ30、親指の掌側に相当する親指サブパーツ40、及び手首パーツ50を備えている。手首パーツ50は、面ファスナーで着脱するベルト51を備えている。これらの各パーツのうち、甲側パーツ10、親指サブパーツ20、及び手首パーツ50は、デニム生地を含む積層構造で構成されており、掌側パーツ30及び親指サブパーツ40は皮革(天然皮革、合成皮革、及び人工皮革を含む)で構成されている。
[甲側部分の構成]
図2は甲側パーツ10の概略構成図である。図2に示すように、甲側パーツ10は、人差し指の甲側を収容する甲側人差し指部分11、中指の甲側を収容する甲側中指部分12、薬指の甲側を収容する甲側薬指部分13、及び小指の甲側を収容する甲側小指部分14を有している。
図3は、甲側パーツ10の構成を示す断面図である。図3に示すように、甲側パーツ10は、デニム生地10aと、解れ止め用糊層10bと、解れ止め用生地10cとが積層されてなる三層の積層構造で構成されている。
解れ止め用糊層10bは、ホットメルト接着剤によって構成され、デニム生地10aの裏面の全面に塗布されてなるものである。ホットメルト接着剤としては、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、及びポリアミド系樹脂などを主成分とするものを用いることができる。但し、ホットメルト接着剤に限定されるわけではなく、他の接着剤によって解れ止め用糊層10bを構成することも可能である。
解れ止め用生地10cは、化学繊維または天然繊維からなるメリヤス生地で構成されている。但し、これに限定されず、解れ止め用生地10cを織物生地で構成することも可能である。なお、指の折り曲げを容易にするために、解れ止め用生地10cはデニム生地10aよりも柔軟であることが好ましい。
上記の積層構造は次のようにして製造される。まず、デニム生地10aの裏面の全面にホットメルト接着剤が塗布される。これにより、デニム生地10aの裏面側に、解れ止め用糊層10bが形成される。次に、その解れ止め用糊層10b側に解れ止め用生地10cが配設された後、乾燥機を用いて、デニム生地10aの裏面の全面に解れ止め用生地10cが貼り合わせられる。なお、乾燥機ではなく、プレスアイロンを用いても構わない。その場合、デニム生地10aと解れ止め用生地10cをより強固に貼着させることができる。
図4は、親指サブパーツ20の概略構成図である。上述したように、親指サブパーツ20もデニム生地を含む積層構造で構成されている。具体的には、図3に示す積層構造と同一の積層構造で構成されている。また、手首パーツ50も同様にして図3に示す積層構造と同一の積層構造で構成されている。
[掌側部分の構成]
掌側パーツ30は、人差し指及び小指の掌側を収容する部分を有する掌側サブパーツ30aと、中指及び薬指の掌側を収容する部分を有する掌側サブパーツ30bとで構成されている。上述したように、これらの掌側サブパーツ30a及び30bは、皮革で構成されている。
図5は掌側サブパーツ30aの概略構成図、図6は掌側サブパーツ30bの概略構成図である。図3に示すように、掌側サブパーツ30aは、人差し指の掌側を収容する掌側人差し指部分31及び小指の掌側を収容する掌側小指部分32を有している。なお、掌側人差し指部分31及び掌側小指部分32の下端部にある符号33は、切り込みを示している。また、符号34は、親指サブパーツ40を縫い付けるための部位を示している。
また、図6に示すように、掌側サブパーツ30bは、中指の掌側を収容する掌側中指部分35及び薬指の掌側を収容する掌側薬指部分36を有している。なお、掌側中指部分35と掌側薬指部分36との間の符号37は、切り込みを示している。
図7は、親指サブパーツ40の概略構成図である。上述したように、親指サブパーツ40は、掌側パーツ30と同様に皮革で構成されている。
[各パーツの縫合]
上記の各パーツが相互に縫合されることによって縫製手袋1が得られる。より具体的には、掌側サブパーツ30a及び30bの端縁同士が縫い合わせられることにより掌側パーツ30が得られ、その後、その掌側パーツ30及び甲側パーツ10の端縁同士が縫い合わせられる。このとき、甲側パーツ10は、デニム生地10aの表面を外側にして掌側パーツ30と縫い合わせられる。
また、親指サブパーツ20及び親指サブパーツ40の端縁同士が縫い合わせられることにより親指部分が得られる。このとき、親指サブパーツ20は、デニム生地10aの表面を外側にして親指サブパーツ40と縫い合わせられる。
上記のようにして縫合された甲側パーツ10及び掌側パーツ30、並びに親指部分の端縁同士が縫い合わせられ、さらに、手首パーツ50が、甲側パーツ10、掌側パーツ30、及び親指部分の手具備側の端縁に沿って縫い合わせられることによって、縫製手袋1が得られる。なお、手首パーツ50は、デニム生地10aの表面を外側にして縫い合わせられる。
縫製手袋1において、掌側部分に相当する掌パーツ30及び親指サブパーツ40は皮革で構成されているため、十分な強度を確保している。他方、甲側部分に相当する甲側パーツ10及び親指サブパーツ20はデニム生地を含んで構成されており、ファッション性に優れるのみではなく、指を折り曲げやすいなどの機能性にも優れている。
上述したように、甲側パーツ10、親指サブパーツ20、及び手首パーツ50を構成するデニム生地10aと解れ止め用生地10cとが、解れ止め用糊層10bを介して貼り合わせられている。解れ止め用糊層10bは、デニム生地10aの裏面の全面に塗布されて形成されるため、解れ止め用生地10cはデニム生地10aの裏面の全面に貼着されることになる。
解れ止め用糊層10bが固化することによって、デニム生地10aの裏面側に位置する繊維が互いに固着される。これにより、デニム生地10aの解れが抑制される。また、解れ止め用生地10cが貼り合わせられることによって、その固着が強化される。その結果、デニム生地10aの解れがより一層抑制されることになる。そのため、巻き伏せ縫いなどを行わなくても、デニム生地10aの解れを防止することができる。
(その他の実施の形態)
上記の実施の形態では、解れ止め用糊層10bがデニム生地10aの裏面の全面に形成されているが、その裏面の一部分にのみ形成されるようにしてもよい。例えば、デニム生地10aの裏面にホットメルト接着剤を霧状又はクモの巣状に塗布することによって、そのような解れ止め用糊層10bを得ることができる。但し、より確実に解れを防止するためには、解れ止め用糊層10bがデニム生地10aの裏面の全面に形成されることが好ましい。
本発明の縫製手袋は、作業用の縫製手袋などとして有用である。
1 縫製手袋
10 甲側パーツ
10a デニム生地
10b 解れ止め用糊層
10c 解れ止め用生地
20 親指サブパーツ
30 掌側パーツ
30a,30b 掌側サブパーツ
40 親指サブパーツ
50 手首パーツ
51 ベルト

Claims (4)

  1. 掌側パーツ及び甲側パーツを含む複数のパーツが縫合されてなる縫製手袋において、
    前記掌側パーツは皮革で構成され、
    前記甲側パーツは、デニム生地と、前記デニム生地の裏面に塗布されてなる解れ止め用糊層と、前記解れ止め用糊層を介して前記デニム生地の裏面に貼り合わせられた解れ止め用生地とを含む積層構造で構成され、
    前記甲側パーツが、前記デニム生地の表面を外側にして前記掌側パーツと縫合されていることを特徴とする、縫製手袋。
  2. 前記複数のパーツには親指パーツが含まれ、
    前記親指パーツは、掌側及び甲側のサブパーツを含んでおり、
    掌側のサブパーツは皮革で構成され、
    甲側のサブパーツは、デニム生地と、前記デニム生地の裏面に塗布されてなる解れ止め用糊層と、前記解れ止め用糊層を介して前記デニム生地の裏面に貼り合わせられた解れ止め用生地とを含む積層構造で構成され、
    前記甲側のサブパーツが、前記デニム生地の表面を外側にして前記掌側のサブパーツと縫合されている、
    請求項1に記載の縫製手袋。
  3. 前記複数のパーツには手首パーツが含まれ、
    前記手首パーツは、デニム生地と、前記デニム生地の裏面に塗布されてなる解れ止め用糊層と、前記解れ止め用糊層を介して前記デニム生地の裏面に貼り合わせられた解れ止め用生地とを含む積層構造で構成され、
    前記手首パーツが、前記デニム生地の表面を外側にして前記掌側パーツ及び前記甲側パーツと縫合されている、
    請求項1又は2に記載の縫製手袋。
  4. 前記解れ止め用糊層は、前記デニム生地の裏面の全面に塗布されてなり、
    前記解れ止め用生地は、前記デニム生地の裏面の全面に貼り合わせられる、
    請求項1乃至3の何れかに記載の縫製手袋。
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