JP2020143259A - シリコーンゴム系硬化性組成物、およびそれを用いたウェアラブルデバイス - Google Patents

シリコーンゴム系硬化性組成物、およびそれを用いたウェアラブルデバイス Download PDF

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Abstract

【課題】繰り返しの屈曲変形に対する耐久性に優れた成形体を実現できるシリコーンゴム系硬化性組成物を提供する。【解決手段】本発明のシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、シリカ粒子(C)と、を含み、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物からなる試験片を用いて、JIS K 6260に準拠したデマチャ式耐屈曲試験を行い、所定の手順に基づいて測定される、屈曲回数が5万回のときの前記試験片における切り込み長さ変化率が、1.1以上11.5以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、シリコーンゴム系硬化性組成物、およびその構造体に関する。
これまでシリコーンゴムの耐久性において様々な開発がなされてきた。この種の技術として、例えば、特許文献1に記載の技術が知られている。特許文献1には、耐伸長疲労性について、100%伸長操作を繰り返し行い破断するまでの伸長回数に基づいて評価できること、その伸長回数が210万回のシリコーンゴム(硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物)が記載されている(特許文献1の実施例1)。
特開2008−222849号公報
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記特許文献1に記載の硬化性シリコーンゴム組成物の硬化物において、繰り返しの屈曲変形に対する耐久性の点で改善の余地があることが判明した。
シリコーンゴムの技術分野において、伸長時の特性についての検討が一般的に行われている。
しかしながら、繰り返し屈曲時の特性については、十分な検討がなされていなかった。
本発明者が検討したところ、デマチャ式耐屈曲試験を用いることで、シリコーンゴム系硬化性組成物の成形体について、繰り返し屈曲時における耐屈曲性を評価できることを見出した。さらに検討した結果、JIS K 6260に準拠して、デマチャ式耐屈曲試験の試験条件を適切に設定した上で、切り込み付きの試験片における切り込み長さの変化率を指標とすることで、かかる耐屈曲性を制御できることが判明した。このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、屈曲回数が5万回のときの試験片における切り込み長さの変化率を所定範囲内とすることで、シリコーンゴム系硬化性組成物の成形体における、繰り返しの屈曲変形に対する耐久性が改善されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明によれば、
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、
シリカ粒子(C)と、を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物からなる試験片を用いて、JIS K 6260に準拠したデマチャ式耐屈曲試験を行い、下記の手順に基づいて測定される、屈曲回数が5万回のときの前記試験片における切り込み長さ変化率(L/L)が、1.1以上11.5以下である、
シリコーンゴム系硬化性組成物が提供される。
(手順)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで15分間プレスし、続いて、200℃で4時間加熱し、JIS K 6260に準拠して所定形状の試験片を作製する。
得られた試験片の中央において、幅方向に対して平行に、前記試験片を貫通する所定長さの切り込みを入れる。初期の切り込み長さをLとする。
続いて、切り込み付きの前記試験片を試験機のつかみ具間に設置し、下記の試験条件に基づいて、デマチャ式耐屈曲試験を行い、所定の屈曲回数後の前記試験片における切り込み長さ(mm)を測定する。
切り込み長さは、デマチャ式耐屈曲試験を3回行ったときの平均値とする。この切り込み長さの平均値をLとする。
切り込み長さ変化率を、式:L/Lに基づいて算出する。
(試験条件)
・試験規格:JIS K 6260準拠
・試験機:デマチャ屈曲き裂試験機
・試験温度:23±2℃
・つかみ具間最大距離:75mm
・往復運動距離:57mm
・試験速度:300±10回/分
・試験数:n=3
また本発明によれば、上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を備える構造体が提供される。
本発明によれば、繰り返しの屈曲変形に対する耐久性に優れた成形体を実現できるシリコーンゴム系硬化性組成物、およびその構造体が提供される。
金型の構成の一例を示す模式図である。 試験片の構成の一例を示す模式図である。 デマチャ式試験機の構成の一例を示す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、図は概略図であり、実際の寸法比率とは一致していない。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の概要を説明する。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、シリカ粒子(C)と、を含み、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物からなる試験片を用いて、JIS K 6260に準拠したデマチャ式耐屈曲試験を行い、下記の手順に基づいて測定される、屈曲回数が5万回のときの前記試験片における切り込み長さ変化率(L/L)が、1.1以上11.5以下を満たすものである。
(手順)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで15分間プレスし、続いて、200℃で4時間加熱し、JIS K 6260に準拠して所定形状の溝付き試験片を作製する。
得られた試験片の溝の中央において、幅方向に対して平行に、前記試験片を貫通する所定長さ(2.03mm)の切り込みを入れる。初期の切り込み長さをLとする。
続いて、切り込み付きの前記試験片を試験機のつかみ具間に設置し、下記の試験条件に基づいて、デマチャ式耐屈曲試験を行い、所定の屈曲回数後の前記試験片における切り込み長さ(mm)を測定する。
切り込み長さは、デマチャ式耐屈曲試験を3回行ったときの平均値とする。この切り込み長さの平均値をLとする。
切り込み長さ変化率を、式:L/Lに基づいて算出する。
(試験条件)
・試験規格:JIS K 6260準拠
・試験機:デマチャ屈曲き裂試験機
・試験温度:23±2℃
・つかみ具間最大距離:75mm
・往復運動距離:57mm
・試験速度:300±10回/分
・試験数:n=3
本発明者の知見によれば、デマチャ式耐屈曲試験を用いることで、シリコーンゴム系硬化性組成物の成形体について、繰り返し屈曲時における耐屈曲性を評価できることを見出した。
しかしながら、適当な指標を設定しないと、評価に時間がかかる上、評価にバラツキが生じる恐れがある。例えば、上記特許文献1の100%伸長疲労寿命のように、破断までの変形回数を指標とした場合、破断までの時間が長くなり、変形回数にバラツキが生じることがあった。また、試験片として切り込み無し品を使用し、破断状態を指標とした場合、破断状態に差が出るまで相当の屈曲回数が必要であり、差が出たとしても破断状態のバラツキが大きくなってしまうことが分かった。
そこで、さらに検討した結果、JIS K 6260に準拠して、デマチャ式耐屈曲試験の試験条件を適切に設定した上で、切り込み付きの試験片における切り込み長さの変化率を指針とすることで、シリコーンゴム系硬化性組成物の成形体について、繰り返し屈曲時における耐屈曲性を、比較的早く、安定的に評価でき、かかる耐屈曲性を制御できることが判明した。
このような知見に基づきさらに鋭意研究したところ、屈曲回数が5万回のときの試験片における切り込み長さの変化率を指標とすることで、繰り返し屈曲時における耐屈曲性を安定的に評価することができ、さらには、この指標を上記所定範囲内とすることで、シリコーンゴム系硬化性組成物の成形体における、繰り返しの屈曲変形に対する耐久性を向上できることが見出された。
詳細なメカニズムは定かでないが、上記の切り込み変化率を指標として、架橋間距離や架橋密度を適切に調整することによって、低硬度、高引裂強度、高破断伸びの特性をバランス良く向上させることにより、屈曲時の負荷が小さいシリコーンゴム構造が得られると考えられる。
上記デマチャ式耐屈曲試験において、Lを、デマチャ式耐屈曲試験前の初期の切り込み長さとし、L、L、Lを、それぞれ、デマチャ式耐屈曲試験後、屈曲回数が1万回、3万回、5万回のときの切り込み長さの平均値とする。
このとき、上記屈曲回数が5万回のときの試験片における切り込み長さ変化率(L/L)の上限は、11.5以下、好ましくは10.7以下、より好ましくは8.0以下、さらに好ましくは6.0以下である。これにより、繰り返しの屈曲変形に対する耐久性に優れ、部材としての機械的強度を有する成形体を実現できる。なお、切り込み長さ変化率(L/L)の下限は、1.0以上であればよく、1.1以上としてもよい。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物を用いたデマチャ式耐屈曲試験の結果、L/Lの上限は、例えば、10.0以下、好ましくは8.0以下、より好ましくは6.0以下、さらに好ましくは4.0以下である。これにより、繰り返しの屈曲変形に対する耐久性に優れた成形体を実現できる。また、より簡易な評価方法により特性を評価できるため、シリコーンゴム系硬化性組成物の生産性を向上できる。なお、L/Lの下限は、1.0以上であればよい。
また、初期の切り込み長さLが2.03mmのとき、上記屈曲回数が5万回のときの試験片における切り込み長さLは、例えば、2.2mm〜22.5mm、好ましくは2.3mm〜18.0mm、より好ましくは2.5mm〜15.0mmとしてもよい。
本明細書中、「〜」は、特に明示しない限り、上限値と下限値を含むことを表す。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物において、シリカ粒子(C)の含有量が、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の全体100重量部に対して、例えば、10重量部以上60重量部以下としてもよい。このシリカ粒子(C)の含有量の上限は、好ましくは50重量部以下、より好ましくは35重量部以下、さらに好ましくは30重量部以下である。このように、シリカ含有量を比較的低くすることで、繰り返しの屈曲変形に対する耐久性を高めることができる。シリカ粒子(C)の含有量を35重量部以下とすることにより、繰り返し屈曲耐久性を安定的に高めることができる。
本実施形態では、たとえばシリコーンゴム系硬化性組成物中に含まれる各成分の種類や配合量、シリコーンゴム系硬化性組成物の調製方法やシリコーンゴムの製造方法等を適切に選択することにより、上記の切り込み長さ変化率、切り込み長さ、下記の破断伸び、引張強度、引裂強度、硬度を制御することが可能である。これらの中でも、たとえば、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)として、ビニル基が比較的小さく少なく、末端のみにビニル基を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を使用することにより樹脂の架橋密度や架橋構造を制御すること、また、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の添加タイミングおよびその比率、シリカ粒子(C)の配合比率、シリカ粒子(C)の比表面積、シリカ粒子(C)のシランカップリング剤(D)で表面改質すること、水を添加すること等のシランカップリング剤(D)とシリカ粒子(C)との反応をより確実に進行させること等が、上記の切り込み長さ変化率、切り込み長さ、下記の破断伸び、引張強度、引裂強度、硬度を所望の数値範囲とするための要素として挙げられる。
次に、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の特性について説明する。
(引裂強度の測定条件)
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてクレセント形試験片を作製し、得られたクレセント形試験片について、25℃、JIS K6252(2001)に準拠して、引裂強度を測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、引裂強度の下限としては、例えば、25N/mm以上、好ましくは28N/mm以上、より好ましくは30N/mm以上、さらに好ましくは33N/mm以上、一層好ましくは35N/mm以上である。これにより、シリコーンゴムの繰り返し使用時における耐久性を向上できる。また、シリコーンゴムの耐傷付き性や機械的強度を向上できる。一方、上記引裂強度の上限としては、特に限定されないが、例えば、70N/mm以下としてもよく、60N/mm以下としてもよい。これにより、シリコーンゴムの諸特性のバランスをとることができる。
(破断伸びの測定条件)
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片について、25℃、JIS K6251(2004)に準拠して、破断伸びを測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、破断伸びの下限としては、例えば、500%以上であり、好ましくは600%以上であり、より好ましくは700%以上である。これにより、シリコーンゴムの高伸縮性および耐久性を向上させることができる。一方、上記破断伸びの上限としては、特に限定されないが、例えば、2000%以下としてもよく、1800%以下としてもよく、1500%以下としてもよい。これにより、シリコーンゴムの諸特性のバランスをとることができる。
(デュロメータ硬さAの測定条件)
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてシート状試験片を作製し、得られたシート状試験片について、25℃、JIS K6253(1997)に準拠して、デュロメータ硬さAを測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、デュロメータ硬さAの上限は、特に限定されないが、例えば、70以下でもよく、好ましくは55以下でもよく、より好ましくは50以下でもよい。これにより、シリコーンゴムの硬化物性のバランスを図ることができる。また、変形容易性の観点から、デュロメータ硬さAの上限は、40以下でもよく、35以下でもよく、30以下でもよい。これにより、シリコーンゴムにおいて、屈曲や伸張などの変形が容易となる変形容易性を高められる。
一方、上記デュロメータ硬さAの下限は、特に限定されないが、例えば、10以上、好ましくは20以上、より好ましくは25以上でもよい。これにより、シリコーンゴムの機械的強度を高められる。
(引張強度の測定条件)
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片について、25℃、JIS K6251(2004)に準拠して、引張強度を測定する。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、引張強度の下限としては、例えば、5.0MPa以上であり、好ましくは10.0MPa以上であり、より好ましくは12.0MPa以上である。これにより、シリコーンゴムの機械的強度を向上させることができる。また、繰り返しの変形に耐えられる耐久性に優れた構造体を実現できる。一方、上記引張強度の上限としては、特に限定されないが、例えば、25MPa以下としてもよく、20MPa以下としてもよい。これにより、シリコーンゴムの諸特性のバランスをとることができる。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物(シリコーンゴム)は、用途に応じて様々な形態に加工成形された成形体となる。上記成形体は、シート状、筒状、袋状などの各種の形状に成形されてもよい。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物は、繰り返しの屈曲変性に対する耐久性に優れるため、屈曲性部材用の成形体を形成するために好適に用いることができる。屈曲性部材は、例えば、使用環境下において、繰り返し屈曲方向に応力を受ける部材を指す。この屈曲性部材は、伸縮方向に応力を受ける使用環境下で使用してもよい。
上記屈曲性部材の一例として、例えば、ウェアラブルデバイスが挙げられる。すなわち、上記シリコーンゴム系硬化性組成は、ウェアラブルデバイス用の成形体を形成するために好適に用いることができる。
上記ウェアラブルデバイスとしては、身体や衣服に装着可能なウェアラブルデバイスであり、例えば、心拍数、心電図、血圧、体温等の生体からの現象を検出する医療用センサー、ヘルスケアデバイス、折り曲げ可能なディスプレイ、伸縮性LEDアレイ、伸縮性太陽電池、伸縮性アンテナ、伸縮性バッテリ、アクチュエーター、ウエアラブルコンピュータ等が挙げられる。これらに用いる電極や配線、基板、伸縮・屈曲可能な可動部材、外装部材等を構成するための部材として、上記成形体を用いることが可能である。
上記シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物(成形体)を備える構造体は、各種の用途に用いることができる。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物(シリコーンゴム)を備える構造体としては、例えば、医療器具・機器用途等の医療用途;自動車用途;産業用ロボット等のロボット用途;電子機器用途;防振材、免震材、食品用ホース等の生産設備・生活用途;ローラー部材;等に用いることができる。
本実施形態のシリコーンゴムは、医療器具・機器用途の一例として、例えば、医療用のチューブ材;シーリング材;パッキン材;コネクタ材;キーパッド材;駆動機構;センサー;等の一部を構成することができる。例えば、本実施形態の樹脂製可動部材を医療用チューブに適用することで、この医療用チューブは、耐キンク性、耐傷付き性、挿入性及び透明性に優れ、さらに復元性に優れたものとなる。また、医療用チューブとしては、例えば、医療用のカテーテル、マニュピレーターまたはリード等が挙げられる。
本実施形態のシリコーンゴムは、産業用ロボット等のロボット用途の一例として、例えば、関節等の駆動機構;配線ケーブル、コネクタ等の配線機構;マニュピレーター等の操作機構;などの一部を構成することができる。
本実施形態のシリコーンゴムは、電子機器用途の一例として、例えば、人間の身体等に着用可能なウェアラブルデバイスに用いられる、伸縮性を有する配線あるいは配線基板;光ファイバー、フラットケーブル、配線構造体、ケーブルガイド等のケーブル;タッチパネル、力覚センサー、MEMS、座席センサー等のセンサー;等の一部を構成することができる。
その他、本実施形態のシリコーンゴムは、ガスバリアフィルム等の包装材料;調理器具;ホース;定着ベルト;スイッチ;シート材;パッキン材;等の可撓性、伸展性または折りたたみ性を有する生活品の一部を構成することができる。
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物の各成分を詳述する。
<<ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A))>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)を含む。上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、シリコーンゴム系硬化性組成物の主成分となる重合物である。
上記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)は、直鎖構造を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を含むことができる。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、直鎖構造を有し、かつ、ビニル基を含有しており、かかるビニル基が硬化時の架橋点となる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)のビニル基の含有量は、特に限定されないが、例えば、分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ15モル%以下であるのが好ましく、0.01〜12モル%であるのがより好ましい。これにより、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中におけるビニル基の量が最適化され、後述する各成分とのネットワークの形成を確実に行うことができる。
本明細書中、ビニル基含有量とは、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する全ユニットを100モル%としたときのビニル基含有シロキサンユニットのモル%である。ただし、ビニル基含有シロキサンユニット1つに対して、ビニル基1つであると考える。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の重合度は、特に限定されないが、例えば、好ましくは1000〜10000程度、より好ましくは2000〜5000程度の範囲内である。なお、重合度は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算の数平均重合度(又は数平均分子量)等として求めることができる。
また、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の重量平均分子量Mwは、たとえば、5.0×10〜1.0×10以下、好ましくは1.0×10〜9.0×10、より好ましくは3.0×10〜8.0×10としてもよい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)のMw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は、たとえば1.5以上4.0以下、好ましくは1.8以上3.5以下、より好ましくは2.0以上2.8以下としてもよい。なお、Mw/Mnは、分子量分布の幅を示す分散度である。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の比重は、特に限定されないが、0.9〜1.1程度の範囲であるのが好ましい。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)として、上記のような範囲内の重合度および比重を有するものを用いることにより、得られるシリコーンゴムの耐熱性、難燃性、化学的安定性等の向上を図ることができる。
ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、特に、下記式(1)で表される構造を有するものであるが好ましい。
Figure 2020143259
式(1)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられ、中でも、ビニル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基等が挙げられる。
式(1)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(1)中、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、式(1)中のRおよびRの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(1)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。さらに、R、およびRについても同様である。また、式(1)中、複数あるRおよびRの少なくとも1つがアルケニル基である。
さらに、m、nは、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは0〜2000の整数、nは1000〜10000の整数である。mは、好ましくは0〜1000であり、nは、好ましくは2000〜5000である。
また、式(1)で表されるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)の具体的構造としては、例えば下記式(1−1)で表されるものが挙げられる。
Figure 2020143259
式(1−1)中、RおよびRは、それぞれ独立して、メチル基またはビニル基であり、少なくとも一方がビニル基である。
本明細書中、式(1−1)で表わされる構造でR(末端)のみがビニル基であるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を(A1−1)、式(1−1)で表わされる構造でR(末端)およびR(鎖内)がビニル基であるビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を(A1−2)と表記する。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ15モル%以下であるものが好ましい。シリコーンゴムの原料である生ゴムとして、一般的なビニル基含有量を有するビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)を用いることで、シリコーンゴムの架橋ネットワーク中に、より効果的に架橋密度の疎密を形成することができる。その結果、より効果的にシリコーンゴムの引裂強度を高めることができる。
上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)は、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ0.1モル%以下である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を含むことが好ましい。
また上記ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)としては、ビニル基含有量が分子内に2個以上のビニル基を有し、かつ0.1モル%以下である第1のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1)を単独で用いてもよいが、ビニル基含有量が0.1超〜15モル%である第2のビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2)等を含む2種以上を組み合わせて用いてもよい。
<<オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)を含んでもよい。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)は、直鎖構造を有する直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐構造を有する分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)とに分類され、これらのうちのいずれか一方または双方を含むことができる。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖構造を有し、かつ、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分が有するビニル基とヒドロシリル化反応し、これらの成分を架橋する重合体である。
直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子量は特に限定されないが、例えば、重量平均分子量が20000以下であるのが好ましく、1000以上、10000以下であることがより好ましい。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の重量平均分子量は、例えばクロロホルムを展開溶媒としたGPC(ゲル透過クロマトグラフィー)におけるポリスチレン換算により測定することができる。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
以上のような直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)としては、例えば、下記式(2)で表される構造を有するものが好ましく用いられる。
Figure 2020143259
式(2)中、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
また、Rは炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アルケニル基、アリール基、これらを組み合わせた炭化水素基、またはヒドリド基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基等が挙げられる。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
なお、式(2)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。Rについても同様である。ただし、複数のRおよびRのうち、少なくとも2つ以上がヒドリド基である。
また、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
なお、式(2)中のR,R,Rの置換基としては、例えば、メチル基、ビニル基等が挙げられ、分子内の架橋反応を防止する観点から、メチル基が好ましい。
さらに、m、nは、式(2)で表される直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)を構成する繰り返し単位の数であり、mは2〜150の整数、nは2〜150の整数である。好ましくは、mは2〜100の整数、nは2〜100の整数である。
なお、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有するため、架橋密度が高い領域を形成し、シリコーンゴムの系中の架橋密度の疎密構造形成に大きく寄与する成分である。また、上記直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)同様、Siに水素が直接結合した構造(≡Si−H)を有し、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)のビニル基の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される成分のビニル基とヒドロシリル化反応し、これら成分を架橋する重合体である。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の比重は、0.9〜0.95の範囲である。
さらに、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、通常、ビニル基を有しないものであるのが好ましい。これにより、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の分子内において架橋反応が進行するのを的確に防止することができる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)としては、下記平均組成式(c)で示されるものが好ましい。
平均組成式(c)
(H(R3−aSiO1/2(SiO4/2
(式(c)において、Rは一価の有機基、aは1〜3の範囲の整数、mはH(R3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である)
式(c)において、Rは一価の有機基であり、好ましくは、炭素数1〜10の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基である。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。
式(c)において、aは、ヒドリド基(Siに直接結合する水素原子)の数であり、1〜3の範囲の整数、好ましくは1である。
また、式(c)において、mはH(R3−aSiO1/2単位の数、nはSiO4/2単位の数である。
分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は分岐状構造を有する。直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、その構造が直鎖状か分岐状かという点で異なり、Siの数を1とした時のSiに結合するアルキル基Rの数(R/Si)が、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)では1.8〜2.1、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)では0.8〜1.7の範囲となる。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、分岐構造を有しているため、例えば、窒素雰囲気下、1000℃まで昇温速度10℃/分で加熱した際の残渣量が5%以上となる。これに対して、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)は、直鎖状であるため、上記条件で加熱した後の残渣量はほぼゼロとなる。
また、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の具体例としては、下記式(3)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 2020143259
式(3)中、Rは炭素数1〜8の置換または非置換のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基、もしくは水素原子である。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等が挙げられ、中でも、メチル基が好ましい。炭素数1〜8のアリール基としては、例えば、フェニル基が挙げられる。Rの置換基としては、例えば、メチル基等が挙げられる。
なお、式(3)中、複数のRは互いに独立したものであり、互いに異なっていてもよいし、同じであってもよい。
また、式(3)中、「−O−Si≡」は、Siが三次元に広がる分岐構造を有することを表している。
なお、分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)において、Siに直接結合する水素原子(ヒドリド基)の量は、それぞれ、特に限定されない。ただし、シリコーンゴム系硬化性組成物において、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)中のビニル基1モルに対し、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)と分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)の合計のヒドリド基量が、0.5〜5モルとなる量が好ましく、1〜3.5モルとなる量がより好ましい。これにより、直鎖状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B1)および分岐状オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B2)と、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1)との間で、架橋ネットワークを確実に形成させることができる。
<<シリカ粒子(C)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シリカ粒子(C)を含む。
シリカ粒子(C)としては、特に限定されないが、例えば、ヒュームドシリカ、焼成シリカ、沈降シリカ等が用いられる。これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。シリカ粒子(C)は、シランカップリング剤(D)で表面処理されたシリカ粒子を1種または2種以上含んでもよい。
シリカ粒子(C)は、例えば、BET法による比表面積が例えば、200m/g〜500m/gであり、220m/g〜400m/gであるのが好ましく、250m/g〜400m/gであるのがより好ましい。
また、シリカ粒子(C)の平均一次粒径は、例えば1〜100nmであるのが好ましく、5〜20nm程度であるのがより好ましい。
シリカ粒子(C)として、かかる比表面積および平均粒径の範囲内であるものを用いることにより、形成されるシリコーンゴムの硬さや機械的強度の向上、特に引張強度の向上をさせることができる。
<<シランカップリング剤(D)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、シランカップリング剤(D)を含んでもよい。
シランカップリング剤(D)は、加水分解性基を有することができる。加水分解基が水により加水分解されて水酸基になり、この水酸基がシリカ粒子(C)表面の水酸基と脱水縮合反応することで、シリカ粒子(C)の表面改質を行うことができる。
シランカップリング剤(D)は、疎水性基を有するシランカップリング剤を含むことができる。疎水性基を有するシランカップリング剤として、トリメチルシリル基を有するシランカップリング剤を用いることができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にこの疎水性基が付与されるため、シリコーンゴム系硬化性組成物中ひいてはシリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)の凝集力が低下(シラノール基による水素結合による凝集が少なくなる)し、その結果、シリコーンゴム系硬化性組成物中のシリカ粒子の分散性が向上すると推測される。これにより、シリカ粒子とゴムマトリックスとの界面が増加し、シリカ粒子の補強効果が増大する。さらに、ゴムのマトリックス変形の際、マトリックス内でのシリカ粒子の滑り性が向上すると推測される。そして、シリカ粒子(C)の分散性の向上及び滑り性の向上によって、シリカ粒子(C)によるシリコーンゴムの機械的強度(例えば、引張強度や引裂強度など)が向上する。
また、シランカップリング剤(D)は、ビニル基を有するシランカップリング剤を含むことができる。これにより、シリカ粒子(C)の表面にビニル基が導入される。そのため、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化の際、ネットワーク(架橋構造)が形成される際に、シリカ粒子(C)が有するビニル基も、架橋反応に関与するため、ネットワーク中にシリカ粒子(C)も取り込まれるようになる。これにより、形成されるシリコーンゴムの低硬度化および高モジュラス化を図ることができる。
上記シランカップリング剤(D)としては、疎水性基を有するシランカップリング剤およびビニル基を有するシランカップリング剤を併用することができる。これにより、ゴム中におけるシリカの分散性およびゴムの架橋性のバランスを図ることができる。シランカップリング剤(D)は、これらを単独で用いても2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤(D)としては、例えば、下記式(4)で表わされるものが挙げられる。
−Si−(X)4−n・・・(4)
上記式(4)中、nは1〜3の整数を表わす。Yは、疎水性基、親水性基またはビニル基を有するもののうちのいずれかの官能基を表わし、nが1の時は疎水性基であり、nが2または3の時はその少なくとも1つが疎水性基である。Xは、加水分解性基を表わす。
疎水性基は、炭素数1〜6のアルキル基、アリール基、またはこれらを組み合わせた炭化水素基であり、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基等が挙げられ、中でも、特に、メチル基が好ましい。
また、親水性基は、例えば、水酸基、スルホン酸基、カルボキシル基またはカルボニル基等が挙げられ、中でも、特に、水酸基が好ましい。なお、親水性基は、官能基として含まれていてもよいが、シランカップリング剤(D)に疎水性を付与するという観点からは含まれていないのが好ましい。
さらに、加水分解性基は、メトキシ基、エトキシ基のようなアルコキシ基、クロロ基またはシラザン基等が挙げられ、中でも、シリカ粒子(C)との反応性が高いことから、シラザン基が好ましい。なお、加水分解性基としてシラザン基を有するものは、その構造上の特性から、上記式(4)中の(Y−Si−)の構造を2つ有するものとなる。
上記式(4)で表されるシランカップリング剤(D)の具体例は、次の通りである。
上記官能基として疎水性基を有するものとして、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシランのようなアルコキシシラン;メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、フェニルトリクロロシランのようなクロロシラン;ヘキサメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、及びトリメチルエトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
上記官能基としてビニル基を有するものとして、例えば、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルメチルジメトキシシランのようなアルコキシシラン;ビニルトリクロロシラン、ビニルメチルジクロロシランのようなクロロシラン;ジビニルテトラメチルジシラザンが挙げられる。この中でも、メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、ジビニルテトラメチルジシラザン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、及びビニルメチルジメトキシシランからなる群から選択される一種以上を含むビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤が好ましい。
またシランカップリング剤(D)がトリメチルシリル基を有するシランカップリング剤およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤の2種を含む場合、疎水性基を有するものとしてはヘキサメチルジシラザン、ビニル基を有するものとしてはジビニルテトラメチルジシラザンを含むことが好ましい。
トリメチルシリル基を有するシランカップリング剤(D1)およびビニル基含有オルガノシリル基を有するシランカップリング剤(D2)を併用する場合、(D1)と(D2)の比率は、特に限定されないが、例えば、重量比で(D1):(D2)が、1:0.001〜1:0.35、好ましくは1:0.01〜1:0.20、より好ましくは1:0.03〜1:0.15である。このような数値範囲とすることにより、シリコーンゴム中の所望のシリコーンゴムの物性を得ることができる。具体的には、ゴム中におけるシリカの分散性およびゴムの架橋性のバランスを図ることができる。
<<白金または白金化合物(E)>>
本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、白金または白金化合物(E)を含んでもよい。
白金または白金化合物(E)は、硬化の際の触媒として作用する触媒成分である。白金または白金化合物(E)の添加量は触媒量である。
白金または白金化合物(E)としては、公知のものを使用することができ、例えば、白金黒、白金をシリカやカーボンブラック等に担持させたもの、塩化白金酸または塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフィンの錯塩、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯塩等が挙げられる。
なお、白金または白金化合物(E)は、1種のみを単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、有機過酸化物(H)を含んでもよい。
有機過酸化物(H)は、硬化の際の触媒として作用する成分である。有機過酸化物(H)の添加量は触媒量である。有機過酸化物(H)は、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)および白金または白金化合物(E)に代えて、またはオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)および白金または白金化合物(E)と有機過酸化物(H)を併用して使用することができる。
有機過酸化物(H)としては、例えば、ケトンパーオキサイド類、ジアシルパーオキサイド類、ハイドロパーオキサイド類、ジアルキルパーオキサイド類、パーオキシケタール類、アルキルパーエステル類、パーオキシエステル類およびパーオキシジカーボネート類が挙げられ、具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−ビス(2,5−t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。
<<水(F)>>
また、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物には、上記成分(A)〜(E)、(H)以外に、水(F)が含まれていてもよい。
水(F)は、シリコーンゴム系硬化性組成物に含まれる各成分を分散させる分散媒として機能するとともに、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)との反応に寄与する成分である。そのため、シリコーンゴム中において、シリカ粒子(C)とシランカップリング剤(D)とを、より確実に互いに連結したものとすることができ、全体として均一な特性を発揮することができる。
さらに、本実施形態のシリコーンゴム系硬化性組成物は、上記(A)〜(F)成分の他、シリコーンゴム系硬化性組成物に配合される公知の添加成分を含有していてもよい。例えば、珪藻土、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化セリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、ガラスウール、マイカ等が挙げられる。その他、分散剤、顔料、染料、帯電防止剤、酸化防止剤、難燃剤、熱伝導性向上剤等を適宜配合することができる。
なお、シリコーンゴム系硬化性組成物において、各成分の含有割合は特に限定されないが、例えば、以下のように設定される。
本実施形態において、シリカ粒子(C)の含有量の上限は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対し、例えば、60重量部以下でもよく、好ましくは50重量部以下でもよく、さらに好ましくは35重量部以下でもよい。これにより、硬さや引張強度等の機械的強度のバランスを図ることができる。また、シリカ粒子(C)の含有量の下限は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合計量100重量部に対し、特に限定されないが、例えば、10重量部以上でもよい。
シランカップリング剤(D)は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、例えば、シランカップリング剤(D)が5重量部以上100重量部以下の割合で含有するのが好ましく、5重量部以上40重量部以下の割合で含有するのがより好ましい。これにより、シリカ粒子(C)のシリコーンゴム系硬化性組成物中における分散性を確実に向上させることができる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)の含有量は、具体的にビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)及びシリカ粒子(C)及びシランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、例えば、0.5重量部以上20重量部以下の割合で含有することが好ましく、0.8重量部以上15重量部以下の割合で含有するのがより好ましい。(B)の含有量が前記範囲内であることで、より効果的な硬化反応ができる可能性がある。
白金または白金化合物(E)の含有量は、触媒量を意味し、適宜設定することができるが、具体的にビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シリカ粒子(C)、シランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、本成分中の白金族金属が重量単位で0.01〜1000ppmとなる量であり、好ましくは、0.1〜500ppmとなる量である。白金または白金化合物(E)の含有量を上記下限以上とすることにより、得られるシリコーンゴム組成物を十分硬化させることができる。白金または白金化合物(E)の含有量を上記上限以下とすることにより、得られるシリコーンゴム組成物の硬化速度を向上させることができる。
有機過酸化物(H)の含有量は、触媒量を意味し、適宜設定することができるが、具体的にビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シリカ粒子(C)、シランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、例えば、0.001重量部以上、好ましくは0.005重量部以上、より好ましくは0.01重量部以上である。これにより、硬化物としての最低限の強度を担保することができる。また、有機過酸化物(H)の含有量の上限は、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シリカ粒子(C)、シランカップリング剤(D)の合計量100重量部に対して、例えば、10重量部以下、好ましくは5重量部以下、より好ましくは3重量部以下である。これにより、副生成物による影響を抑制できる。
さらに、水(F)を含有する場合、その含有量は、適宜設定することができるが、具体的には、シランカップリング剤(D)100重量部に対して、例えば、10〜100重量部の範囲であるのが好ましく、30〜70重量部の範囲であるのがより好ましい。これにより、シランカップリング剤(D)とシリカ粒子(C)との反応をより確実に進行させることができる。
<シリコーンゴムの製造方法>
次に、本実施形態のシリコーンゴムの製造方法について説明する。
本実施形態のシリコーンゴムの製造方法としては、シリコーンゴム系硬化性組成物を調製し、このシリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによりシリコーンゴムを得ることができる。
以下、詳述する。
まず、シリコーンゴム系硬化性組成物の各成分を、任意の混練装置により、均一に混合してシリコーンゴム系硬化性組成物を調製する。
[1]たとえば、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、シリカ粒子(C)と、シランカップリング剤(D)とを所定量秤量し、その後、任意の混練装置により、混練することで、これら各成分(A)、(C)、(D)を含有する混練物を得る。
なお、この混練物は、予めビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とシランカップリング剤(D)とを混練し、その後、シリカ粒子(C)を混練(混合)して得るのが好ましい。これにより、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)中におけるシリカ粒子(C)の分散性がより向上する。
また、この混練物を得る際には、水(F)を必要に応じて、各成分(A)、(C)、および(D)の混練物に添加するようにしてもよい。これにより、シランカップリング剤(D)とシリカ粒子(C)との反応をより確実に進行させることができる。
さらに、各成分(A)、(C)、(D)の混練は、第1温度で加熱する第1ステップと、第2温度で加熱する第2ステップとを経るようにするのが好ましい。これにより、第1ステップにおいて、シリカ粒子(C)の表面をカップリング剤(D)で表面処理することができるとともに、第2ステップにおいて、シリカ粒子(C)とカップリング剤(D)との反応で生成した副生成物を混練物中から確実に除去することができる。その後、必要に応じて、得られた混練物に対して、成分(A)を添加し、更に混練してもよい。これにより、混練物の成分のなじみを向上させることができる。
第1温度は、例えば、40〜120℃程度であるのが好ましく、例えば、60〜90℃程度であるのがより好ましい。第2温度は、例えば、130〜210℃程度であるのが好ましく、例えば、160〜180℃程度であるのがより好ましい。
また、第1ステップにおける雰囲気は、窒素雰囲気下のような不活性雰囲気下であるのが好ましく、第2ステップにおける雰囲気は、減圧雰囲気下であるのが好ましい。
さらに、第1ステップの時間は、例えば、0.3〜1.5時間程度であるのが好ましく、0.5〜1.2時間程度であるのがより好ましい。第2ステップの時間は、例えば、0.7〜3.0時間程度であるのが好ましく、1.0〜2.0時間程度であるのがより好ましい。
第1ステップおよび第2ステップを、上記のような条件とすることで、前記効果をより顕著に得ることができる。
[2]次に、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と、白金または白金化合物(E)とを所定量秤量し、その後、任意の混練装置を用いて、上記工程[1]で調製した混練物に、各成分(B)、(E)を混練することで、シリコーンゴム系硬化性組成物を得る。得られたシリコーンゴム系硬化性組成物は溶剤を含むペーストであってもよい。
なお、この各成分(B)、(E)の混練の際には、予め上記工程[1]で調製した混練物とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)とを、上記工程[1]で調製した混練物と白金または白金化合物(E)とを混練し、その後、それぞれの混練物を混練するのが好ましい。これにより、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応を進行させることなく、各成分(A)〜(E)をシリコーンゴム系硬化性組成物中に確実に分散させることができる。
各成分(B)、(E)を混練する際の温度は、ロール設定温度として、例えば、10〜70℃程度であるのが好ましく、25〜30℃程度であるのがより好ましい。
さらに、混練する時間は、例えば、5分〜1時間程度であるのが好ましく、10〜40分程度であるのがより好ましい。
上記工程[1]および上記工程[2]において、温度を上記範囲内とすることにより、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応の進行をより的確に防止または抑制することができる。また、上記工程[1]および上記工程[2]において、混練時間を上記範囲内とすることにより、各成分(A)〜(E)をシリコーンゴム系硬化性組成物中により確実に分散させることができる。
なお、各工程[1]、[2]において使用される混練装置としては、特に限定されないが、例えば、ニーダー、2本ロール、バンバリーミキサー(連続ニーダー)、加圧ニーダー等を用いることができる。
また、本工程[2]において、混練物中に1−エチニルシクロヘキサノールのような反応抑制剤を添加するようにしてもよい。これにより、混練物の温度が比較的高い温度に設定されたとしても、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)とオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)との反応の進行をより的確に防止または抑制することができる。
また、本工程[2]において、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と白金または白金化合物(E)に代えて、またはオルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と白金または白金化合物(E)と併用して、有機過酸化物(H)を添加してもよい。有機過酸化物(H)を混練する際の温度、時間等の好ましい条件、使用する装置については、前記オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)と白金または白金化合物(E)とを混練する際の条件と同様である。
[3]次に、シリコーンゴム系硬化性組成物を硬化させることによりシリコーンゴムを形成する。
本実施形態において、シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化工程は、例えば、100〜250℃で1〜30分間加熱(1次硬化)した後、200℃で1〜4時間ポストベーク(2次硬化)することによって行われる。
以上のような工程を経ることで、本実施形態のシリコーンゴムが得られる。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、本発明について実施例を参照して詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例の記載に何ら限定されるものではない。
表1に示す実施例および比較例で用いた原料成分を以下に示す。
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A))
・ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1a):合成スキーム1により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1−1)で表わされる構造でR(末端)のみがビニル基である構造)
・ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1b):合成スキーム2により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1−1)で表わされる構造でR(末端)のみがビニル基である構造)
・ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2a):合成スキーム3により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1−1)で表わされる構造でR(末端)およびR(鎖内)がビニル基である構造)
・ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2b):合成スキーム4により合成したビニル基含有ジメチルポリシロキサン(式(1−1)で表わされる構造でR(末端)およびR(鎖内)がビニル基である構造)
(オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B))
モメンティブ社製:「TC−25D」
(シリカ粒子(C))
・シリカ粒子(C−1):シリカ微粒子(粒径7nm、比表面積300m/g)、日本アエロジル社製、「AEROSIL 300」
・シリカ粒子(C−2):シリカ微粒子(粒径16nm、比表面積110m/g)、日本アエロジル社製、「AEROSIL R972」
(シランカップリング剤(D))
・シランカップリング剤(D−1):ヘキサメチルジシラザン(HMDZ)、Gelest社製、「HEXAMETHYLDISILAZANE(SIH6110.1)」
・シランカップリング剤(D−2):ジビニルテトラメチルジシラザン、Gelest社製、「1,3−DIVINYLTETRAMETHYLDISILAZANE(SID4612.0)」
(白金または白金化合物(E))
モメンティブ社製:「TC−25A」
(ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の合成)
[合成スキーム1:ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1a)の合成]
下記式(5)にしたがって、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1a)を合成した。
すなわち、Arガス置換した、冷却管および攪拌翼を有する300mLセパラブルフラスコに、オクタメチルシクロテトラシロキサン74.7g(252mmol)、カリウムシリコネート0.1gを入れ、昇温し、120℃で30分間攪拌した。なお、この際、粘度の上昇が確認できた。
その後、155℃まで昇温し、3時間攪拌を続けた。そして、3時間後、1,3−ジビニルテトラメチルジシロキサン0.1g(0.6mmol)を添加し、さらに、155℃で4時間攪拌した。
さらに、4時間後、トルエン250mLで希釈した後、水で3回洗浄した。洗浄後の有機層をメタノール1.5Lで数回洗浄することで、再沈精製し、オリゴマーとポリマーを分離した。得られたポリマーを60℃で一晩減圧乾燥し、低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1a)を合成した(Mn=2.2×10、Mw=4.8×10)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.039モル%であった。
Figure 2020143259
[合成スキーム2:ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1b)の合成]
上記(A1−1a)の合成工程において、155℃まで昇温した後の反応時間を3.5時間に変えたこと以外は、(A1−1a)の合成工程と同様にすることで低ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−1b)を合成した(Mn=2.7×10、Mw=5.2×10)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.031モル%であった。
[合成スキーム3:ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2a)の合成]
上記(A1−1a)の合成工程において、オクタメチルシクロテトラシロキサン75.3g(254mmol)に加えて2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン0.12g(0.35mmol)を用いたこと以外は、(A1−1a)の合成工程と同様にすることで、下記式(6)のように、ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2a)を合成した(Mn=2.5×10、Mw=5.0×10)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は0.130モル%であった。
Figure 2020143259
[合成スキーム4:ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2b)の合成]
上記(A1−2a)の合成工程において、オクタメチルシクロテトラシロキサンの添加量を73.2g(247mmol)、2,4,6,8−テトラメチル2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンの添加量を2.61g(7.6mmol)に変えたこと以外は、(A1−2a)の合成工程と同様にすることで、高ビニル基含有直鎖状オルガノポリシロキサン(A1−2b)を合成した(Mn=2.5×10、Mw=5.4×10)。また、H−NMRスペクトル測定により算出したビニル基含有量は2.826モル%であった。
<シリコーンゴム系硬化性組成物の調製>
(試験例1〜5)
下記の表1に示す割合で、ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)、シランカップリング剤(D)および水(F)の混合物を予め混練し、その後、混合物にシリカ粒子(C)を加えてさらに混練し、混練物(シリコーンゴムコンパウンド)を得た。
ここで、シリカ粒子(C)添加後の混練は、カップリング反応のために窒素雰囲気下、60〜90℃の条件下で1時間混練する第1ステップと、副生成物(アンモニア)の除去のために減圧雰囲気下、160〜180℃の条件下で2時間混練する第2ステップとを経ることで行い、その後、冷却し、20分間混練した。
続いて、得られた混練物(シリコーンゴムコンパウンド)100重量部に、下記の表1に示す割合で、オルガノハイドロジェンポリシロキサン(B)(TC−25D)および白金または白金化合物(E)(TC−25A)を加えて、ロールで混練し、シリコーンゴム系硬化性組成物を得た。
Figure 2020143259
<デマチャ式耐屈曲試験>
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物について、下記の手順で測定されるデマチャ式耐屈曲試験を行い、屈曲回数が1万回、3万回、5万回のときの試験片における切り込み長さを測定した。評価結果を表2に示す。
(試験片の作成)
JIS K 6260に準拠して、得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を図1に示す金型10の成形空間30中に入れ、170℃、10MPaで15分間プレスし、続いて、200℃で4時間加熱して、溝60付きの短冊状の試験片50(幅:25mm、長さ:150mm、厚み:6.3mm)を作製した。得られた試験片50の溝60の中央において、幅方向に対して平行に、刃を用いて、長さ:2.03mmの切り込み70を入れ、切り込み付きの試験片50を得た(図2)。切り込み70は、試験片50を厚み方向に貫通するものであった。
図1(a)は、金型10の上面図、図1(b)は、金型10のA−A矢視の側面断面図を表す。金型10は、成形空間30の底面に曲面状の凸部20を備える。
また、図2(a)は、切り込み70が形成された溝60付きの試験片50の上面図、図2(b)は、試験片50のB−B矢視の側面断面図を表す。
(手順)
図3に示すように、試験機100(デマチャ屈曲き裂試験機)の固定つかみ具102と可動つかみ具104との間に、上記(試験片の作成)で得られた試験片50を保持させた。
具体的には、2つのつかみ具間距離を最大にし、つかみ具間の中心に試験片50の溝60の中心が位置するように、試験片50をつかみ具に取り付けた。このとき、試験片50を、余分なひずみを与えないように平面状に保持させた。
続いて、下記の試験条件に基づいて、固定つかみ具102を基準に、可動つかみ具104を上下方向に往復運動させた。可動つかみ具104が、最大距離から往復運動距離まで固定つかみ具102に近づき(試験片50が屈曲し)、その後、可動つかみ具104が最大距離まで離れる(試験片50が平面状)まで、を1往復運動(1サイクル)とし、そのサイクルの回数(回)を屈曲回数とした。
屈曲回数が1万回、3万回、5万回のときの試験片50における切り込み70の長さ(mm)を、デジタルノギス(ミツトヨ社製)を用いて測定した。
なお、切り込み70の長さは、上記デマチャ式耐屈曲試験を3回行って測定された、3つの測定値の平均値とした。結果を表2に示す。
切り込み長さ変化率を式:L/Lに基づいて算出した。
は、デマチャ式耐屈曲試験前の初期の切り込み長さとし、L、L、Lは、それぞれ、デマチャ式耐屈曲試験後、屈曲回数が1万回、3万回、5万回のときの切り込み長さの平均値とした。
(試験条件)
・試験規格:JIS K 6260(2017)準拠
・試験機:低温槽付きデマチャ屈曲き裂試験機(安田製作所製)
・試験温度:23±2℃
・つかみ具間最大距離:75mm(図3中のDmax
・往復運動距離:57mm(図3中のDmv
・状態調節:1回目の試験開始前、23℃10分静置した。2回目、3回目の試験開始前、同じ条件の環境中に5分間静置した。
・試験速度:300±10回/分
・試験数:n=3
上記<デマチャ式耐屈曲試験>において、屈曲回数が1万回、3万回、5万回のときの試験片が破断した場合は25.0mmとした。
Figure 2020143259
得られた切り込み長さの結果を踏まえ、試験例1,2,3を実施例1,2,3とし、試験例4,5を比較例1,2とした。
得られた各実施例・各比較例のシリコーンゴム系硬化性組成物について、以下の評価項目に基づいて評価を行った。
<シリコーンゴムの作製>
得られたシリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで15分間プレスし、厚さ1mmのシート状に成形すると共に、1次硬化した。続いて、200℃で4時間加熱し、2次硬化した。
以上により、シート状シリコーンゴム(シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物)を得た。
硬度については、2つのサンプルを用いて、各サンプルでn=5で測定を行い、計10個の測定の平均値を測定値とした。引張応力、破断伸びについては、3つのサンプルで行い、3つの平均値を測定値とした。引裂強度については、5つのサンプルで行い、5つの平均値を測定値とした。
それぞれの平均値を表2に示す。
(硬度)
得られた厚さ1mmのシート状シリコーンゴムを6枚積層し、6mmの試験片を作製した。得られた試験片に対して、25℃において、JIS K6253(1997)に準拠してタイプAデュロメータ硬さを測定した。
(引裂強度)
得られた厚さ1mmのシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6252(2001)に準拠して、クレセント形試験片を作製し、25℃で、得られたクレセント形試験片の引裂強度を測定した。単位は、N/mmである。
(引張強度)
得られた厚さ1mmのシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、25℃で、得られたダンベル状3号形試験片の引張強度を測定した。単位はMPaである。
(破断伸び)
得られた厚さ1mmのシート状シリコーンゴムを用いて、JIS K6251(2004)に準拠して、ダンベル状3号形試験片を作製し、25℃で、得られたダンベル状3号形試験片の破断伸びを測定した。破断伸びは、[チャック間移動距離(mm)]÷[初期チャック間距離(60mm)]×100で計算した。単位は%である。
(耐久性の評価)
各実施例および各比較例で得られたシリコーンゴム系硬化性組成を用いて、170℃で5分、200℃で4時間の条件で硬化し、厚み:1mm×内径:2mmを有する筒状部材(チューブ)を作成した。得られた筒状部材にスチール針金(TRUSCO製 スチール針金 小巻タイプ 線径1.6mm×15m)を挿入した耐久性試験サンプルを準備して、耐久試験を行った。具体的には、耐久性試験サンプルの90°曲げ試験を100回繰り返して実施し、耐久性を判断した。試験後に外観異常がなかった筒状部材を○、試験後に亀裂や破損があるものを×とした。
実施例1〜3のシリコーンゴム系硬化性組成物は、比較例1、2と比べて、その硬化物が繰り返し屈曲変形に対する耐久性に優れることが分かった。このような実施例1〜3のシリコーンゴム系硬化性組成物の成形体は、屈曲性部材、好ましくはウェアラブルデバイス、より好ましくはウェアラブルデバイスの基板に好適に用いることができる。
10 金型
20 凸部
30 成形空間
50 試験片
60 溝
70 切り込み
100 試験機
102 固定つかみ具
104 可動つかみ具
本発明は、シリコーンゴム系硬化性組成物、およびそれを用いたウェアラブルデバイスに関する。
本発明によれば、
配線または配線基板を有するウェアラブルデバイスの一部を構成する、繰り返し屈曲可能な屈曲性部材を形成するために用いる、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、
シリカ粒子(C)と、を含み
前記シリカ粒子(C)の含有量が、前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の全体100重量部に対して、50重量部以下であり、
下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の引張強度が、8.3MPa以上であり、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物からなる試験片を用いて、JIS K 6260に準拠したデマチャ式耐屈曲試験を行い、下記の手順に基づいて測定される、屈曲回数が5万回のときの前記試験片における切り込み長さ変化率(L/L)が、1.1以上5.4以下である、
シリコーンゴム系硬化性組成物が提供される。
(手順)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで15分間プレスし、続いて、200℃で4時間加熱し、JIS K 6260に準拠して所定形状の試験片を作製する。
得られた試験片の中央において、幅方向に対して平行に、前記試験片を貫通する所定長さの切り込みを入れる。初期の切り込み長さをLとする。
続いて、切り込み付きの前記試験片を試験機のつかみ具間に設置し、下記の試験条件に基づいて、デマチャ式耐屈曲試験を行い、所定の屈曲回数後の前記試験片における切り込み長さ(mm)を測定する。
切り込み長さは、デマチャ式耐屈曲試験を3回行ったときの平均値とする。この切り込み長さの平均値をLとする。
切り込み長さ変化率を、式:L/Lに基づいて算出する。
(試験条件)
・試験規格:JIS K 6260準拠
・試験機:デマチャ屈曲き裂試験機
・試験温度:23±2℃
・つかみ具間最大距離:75mm
・往復運動距離:57mm
・試験速度:300±10回/分
・試験数:n=3
(引張強度の測定条件)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片について、25℃、JIS K6251(2004)に準拠して、引張強度を測定する。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
以下、参考形態の例を付記する。
1. ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、
シリカ粒子(C)と、を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物からなる試験片を用いて、JIS K 6260に準拠したデマチャ式耐屈曲試験を行い、下記の手順に基づいて測定される、屈曲回数が5万回のときの前記試験片における切り込み長さ変化率(L /L )が、1.1以上11.5以下である、
シリコーンゴム系硬化性組成物。
(手順)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで15分間プレスし、続いて、200℃で4時間加熱し、JIS K 6260に準拠して所定形状の試験片を作製する。
得られた試験片の中央において、幅方向に対して平行に、前記試験片を貫通する所定長さの切り込みを入れる。初期の切り込み長さをL とする。
続いて、切り込み付きの前記試験片を試験機のつかみ具間に設置し、下記の試験条件に基づいて、デマチャ式耐屈曲試験を行い、所定の屈曲回数後の前記試験片における切り込み長さ(mm)を測定する。
切り込み長さは、デマチャ式耐屈曲試験を3回行ったときの平均値とする。この切り込み長さの平均値をL とする。
切り込み長さ変化率を、式:L /L に基づいて算出する。
(試験条件)
・試験規格:JIS K 6260準拠
・試験機:デマチャ屈曲き裂試験機
・試験温度:23±2℃
・つかみ具間最大距離:75mm
・往復運動距離:57mm
・試験速度:300±10回/分
・試験数:n=3
2. 1.に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
上記の手順に基づいたデマチャ式耐屈曲試験を行い、屈曲回数が1万回のときの前記試験片における切り込み長さをL としたとき、L /L が、1.0以上10.0以下を満たす、
シリコーンゴム系硬化性組成物。
3. 1.または2.に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
前記シリカ粒子(C)の含有量が、前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の全体100重量部に対して、10重量部以上35重量部以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
4. 1.〜3.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の引裂強度が、25N/mm以上である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
(引裂強度の測定条件)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてクレセント形試験片を作製し、得られたクレセント形試験片について、25℃、JIS K6252(2001)に準拠して、引裂強度を測定する。
5. 1.〜4.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の破断伸びが、500%以上であるシリコーンゴム系硬化性組成物。
(破断伸びの測定条件)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてJIS K6251(2004)に準拠してダンベル状3号形試験片を作製し、25℃における、得られたダンベル状3号形試験片の破断伸びを測定する。破断伸びは、[チャック間移動距離(mm)]÷[初期チャック間距離(60mm)]×100で計算する。単位は%である。
6. 1.〜5.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、デュロメータ硬さAが、10以上70以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
(デュロメータ硬さAの測定条件)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてシート状試験片を作製し、得られたシート状試験片について、25℃、JIS K6253(1997)に準拠して、デュロメータ硬さAを測定する。
7. 1.〜6.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の引張強度が、5.0MPa以上である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
(引張強度の測定条件)
当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片について、25℃、JIS K6251(2004)に準拠して、引張強度を測定する。
8. 1.〜7.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
BET法で測定された前記シリカ粒子(C)比表面積は、200m /g以上500m /g以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
9. 1.〜8.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
屈曲性部材用の成形体を形成するために用いる、シリコーンゴム系硬化性組成物。
10. 1.〜9.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
ウェアラブルデバイス用の成形体を形成するために用いる、シリコーンゴム系硬化性組成物。
11. 1.〜10.のいずれか一つに記載のシリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を備える構造体。

Claims (11)

  1. ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)と、
    シリカ粒子(C)と、を含む、シリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物からなる試験片を用いて、JIS K 6260に準拠したデマチャ式耐屈曲試験を行い、下記の手順に基づいて測定される、屈曲回数が5万回のときの前記試験片における切り込み長さ変化率(L/L)が、1.1以上11.5以下である、
    シリコーンゴム系硬化性組成物。
    (手順)
    当該シリコーンゴム系硬化性組成物を、170℃、10MPaで15分間プレスし、続いて、200℃で4時間加熱し、JIS K 6260に準拠して所定形状の試験片を作製する。
    得られた試験片の中央において、幅方向に対して平行に、前記試験片を貫通する所定長さの切り込みを入れる。初期の切り込み長さをLとする。
    続いて、切り込み付きの前記試験片を試験機のつかみ具間に設置し、下記の試験条件に基づいて、デマチャ式耐屈曲試験を行い、所定の屈曲回数後の前記試験片における切り込み長さ(mm)を測定する。
    切り込み長さは、デマチャ式耐屈曲試験を3回行ったときの平均値とする。この切り込み長さの平均値をLとする。
    切り込み長さ変化率を、式:L/Lに基づいて算出する。
    (試験条件)
    ・試験規格:JIS K 6260準拠
    ・試験機:デマチャ屈曲き裂試験機
    ・試験温度:23±2℃
    ・つかみ具間最大距離:75mm
    ・往復運動距離:57mm
    ・試験速度:300±10回/分
    ・試験数:n=3
  2. 請求項1に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    上記の手順に基づいたデマチャ式耐屈曲試験を行い、屈曲回数が1万回のときの前記試験片における切り込み長さをLとしたとき、L/Lが、1.0以上10.0以下を満たす、
    シリコーンゴム系硬化性組成物。
  3. 請求項1または2に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    前記シリカ粒子(C)の含有量が、前記ビニル基含有オルガノポリシロキサン(A)の全体100重量部に対して、10重量部以上35重量部以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の引裂強度が、25N/mm以上である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
    (引裂強度の測定条件)
    当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてクレセント形試験片を作製し、得られたクレセント形試験片について、25℃、JIS K6252(2001)に準拠して、引裂強度を測定する。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の破断伸びが、500%以上であるシリコーンゴム系硬化性組成物。
    (破断伸びの測定条件)
    当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてJIS K6251(2004)に準拠してダンベル状3号形試験片を作製し、25℃における、得られたダンベル状3号形試験片の破断伸びを測定する。破断伸びは、[チャック間移動距離(mm)]÷[初期チャック間距離(60mm)]×100で計算する。単位は%である。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の、デュロメータ硬さAが、10以上70以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
    (デュロメータ硬さAの測定条件)
    当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてシート状試験片を作製し、得られたシート状試験片について、25℃、JIS K6253(1997)に準拠して、デュロメータ硬さAを測定する。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    下記の条件で測定される、当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物の引張強度が、5.0MPa以上である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
    (引張強度の測定条件)
    当該シリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を用いてダンベル状3号形試験片を作製し、得られたダンベル状3号形試験片について、25℃、JIS K6251(2004)に準拠して、引張強度を測定する。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    BET法で測定された前記シリカ粒子(C)比表面積は、200m/g以上500m/g以下である、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    屈曲性部材用の成形体を形成するために用いる、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物であって、
    ウェアラブルデバイス用の成形体を形成するために用いる、シリコーンゴム系硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載のシリコーンゴム系硬化性組成物の硬化物を備える構造体。
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