JP2020142782A - 伸縮式スタンド - Google Patents

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Abstract

【課題】傾斜地でも安定な状態で自転車を留めることができ、二階建てラックに密集して並ベたときの危険性を回避する。【解決手段】片足スタンドは、車輪の車軸端部に取り付けられる支持板12と、内部に収容されているばねの力で一方側から伸長可能な入れ子式の伸縮装置14と、伸縮装置を支持板に対して平行な配置と傾斜した配置に移動可能に配置させる開閉部材7と、伸縮装置が支持板と平行な配置にあるときに伸縮装置の伸長を係止するために支持板に取り付けられたロックピン6と、伸縮装置の他方側に取り付けられた弾性部材5aとを有する。ユーザーが足で伸縮装置を支持板から離すように操作すると、ロックピンが伸縮装置から外れて伸縮装置が伸びて自転車を傾斜した状態で支える。弾性部材5aは車輪のスポーク間に侵入するので、車輪の回転が防止される。【選択図】図1

Description

本発明は、傾斜地でも安定し、2階建てラックに並べても安全な片足スタンド(伸縮式)に関するものである。
自転車にはスタンドがついており、一般的には一足型と二足型の二つが主に使用されている。しかしながら、片足スタンドは簡単に留めることができるものの、傾斜のある場所に駐車した場合のように自転車の前後方向に力が作用すると車輪が回転して倒れやすくなるというデメリットがある。両足スタンドは安定しているものの、留めるために自転車を引き上げるという動作が必要になる。
近年、住宅事情の変化により、マンションや公的機関の駐輪スペースにおいては、自転車を整然と駐輪させるための駐輪ラックが導入されている。このようなラックでは、自転車の設置する位置がレールによって予め決められており、レールに沿って自転車を前方から押し入れている。そこから自転車を出すには自転車を後方から引き出す必要がある。しかし、隣り合うレール間のスペースが十分でないので、自転車を引き出す際に、ハンドルやスタンドの先端が隣に位置する自転車に接触したりひっかかったりしてスムーズに自転車を引き出すことができないことがある。また、2階建ての駐輪スペースにあっては、自転車を傾斜面から引き下ろす際に、片側スタンドが自転車後部からユーザーの顔に向かって突出していて危険であり、大けがを引き起こす恐れもある(図6参照)。
また今回調査した特許文献1,2ではスタンドが伸長する方式を採用している。特許文献1は、伸縮、折りたたみ可能なポールがシートポストに取り付けられている簡易型の自転車スタンドを開示している。特許文献2では伸縮自在もしくは折り畳み自在な支柱を、片足スタンドとは別に、自転車の重心よりも高い位置における前輪寄りのフレームに設けている。何れの特許文献に記載の構造も、比較的大型で、自転車の付属品として邪魔になり、操作も面倒である。
特開2004−34952(P2004−34952A) 特開2002−29465(P2002−29465A)
従来のスタンドより、簡単で自転車(電動アシスト自転車や電動自転車も含む)の付属品として邪魔にならないようなスタンドを開発することを目的とする。
本発明は、伸縮装置を用いて長さを短くしてピストンが収納されたスタンドが車軸部に取り付けており、収納時に後方に跳ね上げないスタンド構造であることを最も主要な特徴とする。本発明は以下の特徴を有する。
(1)本発明は、車輪の車軸端部に取り付けた支持板と、
前記支持板に対して平行な配置と傾斜した配置に移動可能な開閉部材と、
前記開閉部材に取り付けられ、シリンダ及び該シリンダから伸び出る方向に付勢されたピストンを有する伸縮装置と、
前記ピストンが前記支持板と略平行な位置にあるときに前記ピストンの伸び出しを係止するための係止機構とを有する伸縮式スタンドである。
(2)本発明は、(1)に加えて、前記伸縮装置の上端に弾性のある車輪回転防止部材を有し、前記車輪回転防止部材は前記伸縮装置が前記支持板に対して傾斜した配置にあるときに車輪に接触し車輪のスポーク間に侵入して車輪の回転防止機能を有していてもよい。
(3)本発明は、(1)または(2)に加えて、係止機構として、支持板に設けたロックピンと前記ピストンの下方に前記ロックピンを係止するピン穴が配置されていてもよく、前記支持板の上端に弾性のある支持板側弾性部材が備わり、前記支持板側弾性部材は前記伸縮装置が前記支持板に対して傾斜したときに前記伸縮装置のシリンダと接触し、前記開閉部材の開き角度を制限してもよい。
(4)本発明は、(1)〜(3)に加えて、前記ピストンの下方(または下端)に前記ピストンを引き上げて前記シリンダ内へ押し込むことが可能なレバーが備わり、前記レバーは前記ピストン側へ倒すことが可能としてもよく、ユーザーが足で伸縮装置を支持板から離すように操作可能であり、前記操作により前記ロックピンが前記伸長装置のピストンに備わるピン穴から外れ前記伸長装置のピストン(伸長板)が伸びて地面に接触するとともに、前記開閉部材が開き前記車輪が傾斜して停止状態にする機能を有し、前記開閉部材の作用により伸縮装置の車輪回転防止部材は車輪側に傾斜して車輪のスポーク間に侵入して、車輪の回転を防止する機能を有していてもよい。
(5)本発明は、(1)〜(4)に加えて、前記車輪は、一輪車の車輪、あるいは二輪車の前輪または後輪であり、前記二輪車は、自転車または自動二輪車でもよい。
本発明の片足スタンドは、使用していないときは常に下を向いてしかも短く収納されているので、安全性に優れ、駐輪場内で他の自転車や人にあたることを防ぐことができる。利用者は、足で車輪についている片足スタンドを横に開くだけで自転車を留めることができる。このとき、伸縮装置の上側に設けた弾性部材が車輪のスポーク間に入り込むので、勝手に車輪が回転して自転車が倒れてしまうのを防ぎ、傾斜地でも安定して自転車を留めることができる。
図1は自転車全体の外観図である 図2は車輪部分を横から見た図である 図3はスタンドが閉じた状態(走行時)を示す概念図である 図4はスタンドを横に開いた状態(自転車を止めた時)を示す概念図である 図5は支持板の平面図である 図6は一般的な2階建てラック式の駐輪所 図7は伸縮板(シリンダ)と支持板の写真 図8はスタンドを開いていないときの状態を示す写真 図9はスタンドを開いた状態を示す写真
安定して安全に自転車を止めることが出来るスタンドをコンパクトな形状で実現した。
以下の実施形態は、車輪の車軸端部に取り付けた支持板と、前記支持板に開閉部材を介して(車輪に対して外側に)取り付けた伸縮可能なピストン(伸長板or伸長棒とも記載)を有する伸縮装置と、前記ピストンが前記支持板と略平行な位置にあるときに前記ピストンの伸縮を係止めするために前記支持板の下方に取り付けたロックピンを有する伸縮式スタンドである。
図1は、自転車全体の外観図であって、1はスタンドを示している。
図2は、車輪部分を横から見た図であって図1の後輪部分を拡大した図になっている。1はスタンド、2はロックナット、4はタイヤ、5aは伸縮装置側弾性部材、5bは支持板側弾性部材、8は戻しレバー、12は支持板、16はロック穴を示している。
図3はスタンドが閉じた状態(走行時)を示す概念図である。3はスポーク、4タイヤ、5a伸縮装置側弾性部材、5b支持板側弾性部材、6ロックピン、7開閉部材、8戻しレバー、9コイルばね、14伸縮装置、14aシリンダ、14bピストン、30車軸を示している。図1のスタンド1においては図3に示すように支持板12に対して伸縮装置14を平行な配置と車輪(タイヤ)4に対して外側に傾斜した配置に開閉可能に移動させる開閉部材7とを主に有する。開閉部材7は、たとえばドアに取り付けられる蝶番と同様に二枚の羽根が軸の周りに開閉する構造を有しており、一方の羽根が支持板12に取り付けられ、他方の羽根が伸縮装置14に取り付けられている。開閉部材7が閉じているときは、図3に示すように支持板12と伸縮装置14はほぼ平行に配置している。
また図2及び図3で示すように伸縮装置14は、たとえば、図に示すような細長い板状であり、直方体状の外側のシリンダ(外筒)14aに対して内側のピストン14bが入れ子式に収容されている。シリンダ14a内でピストン14bの上部にはコイルバネ9が、ピストン14aを押し出すように収容されている。すなわち、内側のピストン14bがシリンダ内に収容されているときには、コイルバネ9が縮んだ状態で配置されている。
ピストン14bには、支持板12のロックピン6を受け入れるロック穴16が1個または複数個開けられている。ロック穴16の下方には、ピストン14bを引き上げるためのレバー(戻しレバー)8が取り付けられている。伸縮装置14の上端及び支持板12の上端には、伸縮装置側弾性部材5a、支持板側弾性部材5bがそれぞれ取り付けられる。伸縮装置側弾性部材5a及び伸縮装置側弾性部材5bの形状は、たとえば略球状や略楕円状である。弾性部材は、たとえばゴムや弾性プラスチックである。開閉部材7の他方の羽根は伸縮装置14のシリンダ14の下方に取り付けられる。支持板と伸縮板(シリンダ)の図を図7に示す。図7の右側の伸縮板は分解したときの状態である。
上記ではシリンダは細長い板状の外筒であると記載したが、その他の形状の外筒でも良い。たとえば、シリンダは円筒形状でも良く、その円筒形状に合わせたコイルバネおよび円柱形状のピストンの(一部)が収容されていても良い。また、コイルバネの代わりにシリンダの形状に合わせた伸縮可能な弾性体であっても良く、あるいは空気バネであっても良い。このようにシリンダは、たとえば上記のようにピストンの一部およびコイルばね等が内部に収容されており、ピストン先端部とシリンダ内壁で形成される内部空間にコイルばね等が入っている。ロックピンを外すと、内部空間が広がり(たとえば、コイルばねや弾性部材や内部空間の力で)ピストンがシリンダ外側へ押し出され、押し出されたピストンをシリンダに押し込むと内部空間が狭くなる。このとき、コイルばねや弾性部材は縮む。
図3に示すように図1においてスタンド1を使用しないときは、開閉部材7が閉じているために、伸縮装置14は、支持板12に平行に接近している。この状態で、ロックピン6はピストン14bのロック穴16に挿入されてピストン14bを固定しているために、コイルバネ9によってピストン14bはシリンダ14aから押し出されることはなく、短い状態にある。すなわち、伸縮装置14は地面に接触しない状態にある。なおこの状態である試作品の図を図8に示す。図8ではタイヤは白いスチロール板で代用し、ピストンがシリンダ内に収容されていることが分かる。
図4はスタンドを横に開いた状態(自転車を止めた時)を示す概念図である。2はロックナット、3はスポーク、4タイヤ、5a伸縮装置側弾性部材、5b支持板側弾性部材、6ロックピン、7開閉部材、8戻しレバー、9コイルばね、10スタンド伸長部、14伸縮装置、14aシリンダ、14bピストン、30車軸を示している。開閉部材7が開くことによりは、図4に示すように支持板12に対して伸縮装置14は傾斜する。開閉部材7は、伸縮装置の下方、たとえば外側に出ているピストン14bまたは戻しレバー8を足や手で外側に開くことにより開く。ピストン14bが支持板から離れることにより、ロックピン6がピストン14b下方に設けたロック孔(ピン穴)16から外れるので、ピストン14bはシリンダ14a内のコイルばね9が伸びて外側に押し出される。また開閉部材の作用によって、すなわち、開閉部材の蝶番を起点として、伸縮装置が回転して支持板に対して傾斜した配置になり、伸縮装置の上端に取り付けられている弾性部材5aが車輪に接触し車輪のスポーク間に侵入して車輪の回転防止機能の役割を果たす。つまり、開閉部材が開くことで、ピストン14bが伸び出してスタンドとして機能すると同時に、弾性部材5aがスポーク間に侵入して車輪のロック機能を果たすことができる。なおこの状態である試作品の図を図9に示す。図9ではロックピンがピストンから外れてピストンがシリンダから伸び出して接地しており、シリンダ上方の突起(弾性部品を模している)が車輪側に侵入している。
図5は支持板の平面図(タイヤ4の側面側から見た図)である。6ロックピン、12は支持板、21穴(車軸挿入穴)、23開閉部材羽取り付け部を示している。図5に示すように、(上下方向に)細長い支持板12の上方には、車軸30の端部に取り付けられる穴21が形成されており、支持板12の下方には、伸縮装置14に向かって突出するロックピン6が取り付けられている。支持板12の中央の取り付け部23に、開閉部材の一方の羽根が取り付けられる。
以下、本発明のスタンドの装着方法及び使用方法を説明する。通常の自転車の後輪についている車軸30を固定するための一番外側にある図2のロックナット2を外し、スタンド1の支持板12の穴21に車軸30の端を入れてナットを締めれば取り付けることができる。これによって一般の自転車でも後付けでこのスタンドを取り付けることができる。なお、前輪につけてもよいが、後輪の方が安定性が高い。なお、通常の自転車は車軸の軸方向中央部に車軸を覆うように装着されたハブ(ベアリング入り)が車軸に対して相対回転するので、車軸自体は回転しない。車軸が回転するタイプの自転車には車軸に対して支持板が相対回転できるようにベアリングを設けることができる。
前述のように、走行時などのスタンド1を使用しないときは、図3に示すように、伸縮装置14は支持板12に平行に接近した状態であり、且つ下向きである(跳ね上げられていない)。自転車を止める時には、図4に示すように、伸縮装置14を開閉部材7を介して支持板12に対して外側を広げる。このとき、ロックピン6がピストン6bのロック穴16から外れるので、シリンダ14a内に縮んだまま抑え込まれていたコイルバネ9が伸び、ピストン14bをシリンダ14aから押し出す。これにより、スタンド1は十分な長さとなり、自転車を傾斜させて止めることができる。このとき、開閉部材7より上方に取り付けられた伸縮装置側弾性部材5aは、車輪に向かって傾斜するのでスポーク間に侵入して引っ掛かることにより車輪の動きを抑止する。このため、傾斜地に自転車を止めても、自転車が勝手に動き出すことを防ぐことができる。また支持板側弾性部材5bは傾斜した伸縮装置側弾性部材5aと接触するので開閉部材7の開きすぎを制限する。また、タイヤ4と伸縮装置14の傾斜角は、好適には5〜30度が良く、この角度になるように伸縮装置側弾性部材5aや支持板側弾性部材5bの高さを調節することが望ましい。
一方で駐輪時から走行時に切り替える際は、戻しレバー8をもとの位置まで引き上げ、伸縮装置14を支持板12側に閉じる(押し入れる)ことでロックピン6がロック穴16に再度挿入されてスタンド1を短縮された状態に保つことができる。
なお、弾性部材は球形をしているので、走行中に誤って伸縮装置14が開いたとしてもスポークに跳ね付けられてスポーク間に入り込むことが防止される。
以上説明したように、発明の片足スタンドは、使用していないときは常に下を向いてしかも短く収納されているので、安全性に優れ、駐輪場内で他の自転車や人にあたることを防ぐことができる。利用者は、足で車輪についている片足スタンドを横に開くだけで自転車を安定して留めることができる。このとき、伸縮装置側の弾性部材が車輪のスポーク間に入り込むので、勝手に車輪が回転して自転車が倒れてしまうのを防ぐことができる。尚、本発明は自転車だけでなく二輪車一般に使用することができ、たとえばバイクやスクータ等の自動二輪車にも適用できる。
上記実施例では、係止機構を支持板12に設けられたロックピン6とピストン6bに形成されたロック穴16から構成したが、ロックピンをピストンに設け、ロック穴が支持板に形成してもよい。また、係止機構として、伸縮装置14が支持板12に平行に接近した状態にあるときに、ピストン14bの先端(下端)を受け止めることができるピストン下端受止部材をロックピン6の代わりに支持板12の下端近傍に設けてもよい。この場合、ピストンのロック穴16は不要となる。
この発明は、通常の自転車のみならず、これまでスタンドのなかった競技用自転車や子供用自転車、さらには一輪車にも有効である。
1 スタンド
2 ロックナット
3 スポーク
4 タイヤ
5a 伸縮装置側弾性部材
5b 支持板側弾性部材
6 ロックピン
7 開閉部材
8 戻しレバー
9 コイルばね
10 スタンド伸長部
12 支持板
14 伸縮装置
14a シリンダ
14b ピストン
16 ロック穴
21 穴
23 開閉部材羽取り付け部
30 車軸

Claims (5)

  1. 車輪の車軸端部に取り付けた支持板と、
    前記支持板に対して平行な配置と傾斜した配置に移動可能な開閉部材と、
    前記開閉部材に取り付けられ、シリンダ及び該シリンダから伸び出る方向に付勢されたピストンを有する伸縮装置と、
    前記ピストンが前記支持板と略平行な位置にあるときに前記ピストンの伸び出しを係止するための係止機構とを有する伸縮式スタンド。
  2. 前記伸縮装置が前記支持板に対して傾斜した配置にあるときに前記伸縮装置の上端が車輪のスポーク間に侵入するように傾斜して車輪の回転を防止することを特徴とする、請求項1に記載の伸縮式スタンド。
  3. 前記係止機構が、前記支持板に設けられたロックピンと前記ピストンの下方に前記ロックピンを係止するピン穴から構成されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の伸縮式スタンド。
  4. 前記ピストンの下方に前記ピストンを引き上げて前記シリンダ内へ押し込むことが可能なレバーが備わることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかの項に記載の伸縮式スタンド。
  5. ユーザーが足で伸縮装置を支持板から離すように操作可能であり、前記操作により前記ロックピンが前記伸長装置のピストンに備わるピン穴から外れ前記伸長装置のピストンが伸びて地面に接触するとともに、
    前記開閉部材が開き前記車輪が傾斜して停止状態にする機能を有することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかの項に記載の伸縮式スタンド。
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