JP2020142213A - 表面に助触媒を担持した光触媒及び該光触媒の製造方法 - Google Patents

表面に助触媒を担持した光触媒及び該光触媒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より高い水素発生能を有する助触媒を担持した光触媒を提供すること。【解決手段】表面に助触媒を担持した光触媒の製造方法であって、光触媒の表面に、助触媒を含浸法により担持させる第1ステップ、及び第1ステップを経た光触媒の表面に、前記第1ステップで用いた助触媒と同様の助触媒を光電着法により担持させる第2ステップ、を含む、光触媒の製造方法により課題を解決する。【選択図】図3

Description

本発明は表面に助触媒を担持した光触媒、及びその製造方法に関する。
光触媒の触媒効率を改善するため、光触媒の表面に助触媒を担持させることが行われている。光触媒の表面に助触媒を担持させる方法として、主に含浸法(吸着法ともいう)と光電着法の2種類が知られている。
含浸法は、助触媒又はその前駆体(以下、助触媒等と称する)を光触媒表面に吸着させ、これを水素、アルコール、又はアンモニアを用いて還元することで、光触媒の表面に助触媒等を担持する方法である。含浸法に関して例えば非特許文献1には、含浸法で調製したPtを助触媒として担持したBaTaON(以下、Pt/BaTaONのように記載)とPtを担持したWOとを組み合わせた光触媒により、水の完全分解反応を達成できることが報告されている。そして、0.3wt%Pt/BaTaONを用いた、メタノール水溶液中の水素生成速度は、50μmolh−1程度であると報告されている。
一方で光電着法は、助触媒等を含む溶液に光触媒を分散させ、分散液に光を照射して還元することで、光触媒の表面に助触媒等を担持する方法である。光照射によって光触媒を励起状態にし、助触媒等を光触媒に吸着させ還元することとなるため、反応サイト部分に助触媒等が効率的に付着し、当該部分に助触媒等を担持することができる。光電着法に関して例えば非特許文献2では、光電着法でTaONに担持したRu助触媒が他の貴金属(Pt、Ir等)に比べて圧倒的に活性が高いことが報告されている。なお、BaTaONは、光電着法による助触媒等の担持では活性が低いため、発明者等が知る限り、光電着法により含浸法を上回る効果でBaTaONに助触媒等を担持させた例はない。
また、特許文献1には、酸化反応助触媒と還元反応助触媒とを、吸着担持法及び光電着担持法を併用することで、それぞれを光触媒に担持させることが提案されており、高い活性で水分解反応を行うことができる、とされている。
特開2011−173102号公報
Masanobu Higashi et al. Chem. Mater. 2009, 21, 1543−1549 Solid State Iconics 172(2004),591−595
本発明者らが検討したところ、上記2種類の光触媒の表面に助触媒等を担持させる方法によると、光触媒の触媒担持量と水素発生能とは単純に比例するものではなかった。すなわち、含浸法では、その助触媒等が光触媒に吸着される位置はアトランダムであり、吸着サイトの制御は全くできないことから、助触媒等の担持量を増加させても、それに応じて水素発生能が向上するわけではない。
光電着法では、助触媒等の前駆体となる化合物が光触媒の反応サイト近傍に吸着し、光
励起された電子により還元されることで初めて担持される。そのため、助触媒の担持速度は光触媒の反応特性に大きく左右され、溶液中の助触媒等の量を増やしたとしても、光触媒に担持させる助触媒等の量を増加させることができないか、もしくは少数の反応サイトのみで助触媒が担持されて助触媒が大粒子に成長してしまい、高分散に助触媒を担持させることが難しかった。
本発明は、上記課題を解決するものであり、より高い水素発生能を有する助触媒を担持した光触媒を提供する。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、まず含浸法により助触媒を光触媒に担持させ、その後、光電着法により同様の助触媒を光触媒に担持させることで、光触媒の活性を飛躍的に改善できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明により光触媒の活性を飛躍的に改善できる理由は定かではないが、本発明者らは次のとおり推測する。
すなわち、含浸法により担持された助触媒のうち反応サイト付近に担持された助触媒部分は、その後に実施される光電着法による助触媒の担持の際に、光触媒がそもそも有する活性に加えて担持された助触媒の活性が加わることで、非常に高い活性となる。そのため、単に光電着法により光触媒に助触媒を担持させる場合と比較して、光触媒の反応サイト付近に集中的に助触媒を集めることができ、更には反応サイトの中でも特に活性の高い反応サイト付近に更に集中して助触媒が担持するため、上記方法により助触媒を担持した光触媒は、助触媒の担持量に比して非常に高い活性を示すと、本発明者らは考える。
本発明は、以下の要旨を含む。
(1)表面に助触媒を担持した光触媒の製造方法であって、
光触媒の表面に、助触媒を含浸法により担持させる第1ステップ、及び
第1ステップを経た光触媒の表面に、前記第1ステップで用いた助触媒と同様の助触媒を光電着法により担持させる第2ステップ、
を含む、光触媒の製造方法。
(2)前記第1ステップにおいて光触媒に担持させる助触媒の量は、1wt%以下である、(1)に記載の光触媒の製造方法。
(3)前記助触媒が、貴金属からなる群より選択される1種以上を含む、(1)または(2)に記載の光触媒の製造方法。
(4)前記助触媒が、Ptを含む、(1)〜(3)のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(5)前記光触媒が、以下の式(1)で表される化合物を含む、(1)〜(4)のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
Ba(1−a)TaO(2−b)(1−c) ・・・(1)
(式中、a、b及びcは、−0.2≦a≦0.1、−0.4≦b≦0.2、−0.1≦c≦0.3、をそれぞれ満たす。)
(6)前記第1ステップは、水素により助触媒を還元する水素還元ステップ、を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の光触媒の製造方法。
(7)以下の式(1)で表される化合物を含む光触媒に、貴金属からなる群より選択される1種以上を含む助触媒を1wt%以下担持した助触媒担持光触媒であって、
288Kの15%メタノール水溶液150mLに、前記助触媒担持光触媒を0.1g加え、300Wキセノンランプを照射して水素生成した時の水素生成速度が250μmоl/h以上である、助触媒担持光触媒。
Ba(1−a)TaO(2−b)(1−c) ・・・(1)
(式中、a、b及びcは、−0.2≦a≦0.1、−0.4≦b≦0.2、−0.1≦c≦0.3、をそれぞれ満たす。)
(8)前記助触媒が、Ptを含む、(7)に記載の光触媒。
(9)光触媒の表面に、助触媒を含浸法により担持させる第1ステップ、及び
第1ステップを経た光触媒の表面に、前記第1ステップで用いた助触媒と同様の助触媒を光電着法により担持させる第2ステップ、により得られる光触媒。
本発明によれば、より高い水素発生能を有する助触媒を担持した光触媒を提供することができる。
調製したBaTaONのXRD測定結果である。 調製したBaTaONの吸収スペクトルの測定結果である。 光触媒の製造方法のフローを示した図である。 調製したPt/BaTaONのTEM観察結果である。 調製したPt/BaTaONのSEM観察結果である。
以下、本発明について詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施形態の一例(代表例)であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明の一実施形態は、表面に助触媒を担持した光触媒の製造方法であって、光触媒の表面に、助触媒を含浸法により担持させる第1ステップ、及び第1ステップを経た光触媒の表面に、前記第1ステップで用いた助触媒と同様の助触媒を光電着法により担持させる第2ステップ、を含む、光触媒の製造方法である。
(光触媒)
光触媒は、水を分解して水素を発生させることができる光触媒であれば特段限定されず、例えば、可視光応答型の光半導体を用いることができる。
具体的には、BiWO、BiYWO、InTaO、InTaO:Ni(「光半導体:M」は、光半導体にMをドープしていることを示す。以下同様。)、TiO:Ni、TiO:Ru、TiO:Rh、TiO:Ni/Ta(「光半導体:M1/M2」は、光半導体にM1とM2を共ドープしていることを示す。以下同様。)、TiO:Ni/Nb、TiO:Cr/Sb、TiO:Ni/Sb、TiO:Sb/Cu、TiO:Rh/Sb、TiO:Rh/Ta、TiO:Rh/Nb、SrTiO:Ni/Ta、SrTiO:Ni/Nb、SrTiO:Cr、SrTiO:Cr/Sb、SrTiO:Cr/Ta、SrTiO:Cr/Nb、SrTiO:Cr/W、SrTiO:Mn、SrTiO:Ru、SrTiO:Rh、SrTiO:La/Rh、SrTiO:Rh/Sb、SrTiO:Ir、CaTiO:Rh、LaTi:Cr、LaTi:Cr/Sb、LaTi:Fe、PbMoO:Cr、RbPbNb10、HPbNb10、PbBiNb、BiCuVO、BiSnVO、SnNb、AgNbO、AgVO、AgLi1/3Ti2/3、AgLi1/3Sn2/3、などの酸化物、LaTiON、Ca0.25La0.75TiO2.250.75、TaON、CaNbON、CaTaON、SrTaON、BaTaON、LaTaON、YTa、(Ga1−xZn)(N1−x)、(Zn1+xGe)(N)(xは、0−1の数値を表す)、TiN、などの酸窒化物、Ta、GaN:Mgなどの窒化物、CdSなどの硫化物、CdSeなどのセレン化物、LnTi(Ln:Pr,Nd,Sm,Gd,Tb,Dy,Ho,およびEr)、YTiやLa,Inを含むオキシサルファイド化合物(Chemistry Letters、2007,36,854−855)を含むことができるが、ここに例示した材料に限定されるものではない。
また、可視光応答型光半導体のほかに、紫外光応答型の光半導体に増感剤を担持したものを用いることもできる。紫外光応答型の光半導体とは、具体的には、TiO、CaTiO、SrTiO、SrTi、SrTi、KLaTi10、RbLaTi10、CsLaTi10、CsLaTiNbO10、LaTiO、LaTi、LaTi、LaTi:Ba、KaLaZr0.3Ti0.7、LaCaTi、KTiNbO、NaTi13、BaTi、GdTi、YTi、(NaTi、KTi、KTi、CsTi、H−CsTi(H−CsはCsがHでイオン交換されていることを示す。以下同様) 、CsTi11、CsTi13、H−CsTiNbO、H−CsTiNbO、SiO−pillared KTi,SiO−pillared KTi2.7Mn0.3(J. Mol. Catal. A: Chem. 2000, 155, 131))(以上、チタン酸化物);
ZrO、Na13
Nb17、RbNb17、CaNb、SrNb、BaNb15、NaCaNb10、ZnNb、CsNb11、LaNbO(H−KLaNb、H−RbLaNb、H−CsLaNb、H−KCaNb10、SiO−pillared KCaNb10(Chem.Mater.1996,8,2534.)、H−RbCaNb10、H−CsCaNb10、H−KSrNb10、H−KCANaNb13)(以上、ニオブ酸化物);
Ta、KPrTa15、KTaSi13、KTa12、LiTaO、NaTaO、KTaO、AgTaO、KTaO:Zr、NaTaO:La、NaTaO:Sr、NaTa、KTa(pyrochlore)、KTa(pyrochlore)、CaTa、SrTa、BaTa、NiTa、RbTa17、HLa2/3Ta、KSr1.5Ta10、LiCaTa10、KBaTa10、SrTa15、BaTa15、H1.8Sr0.81Bi0.19Ta、Mg−Ta oxide(Chem.Mater.2004 16, 4304−4310)、LaTaO、LaTaO(以上、タンタル酸化物);
PbWO、RbWNbO、RbWTaO、CeO:Sr、BaCeO、(Bi、BiMo、BaBiTi15、BiTiNbO、PbMoO、(NaBi)0.5MoO、(AgBi)0.5MoO、(NaBi)WO、(AgBi)0.5WO、Ga1.14In0.86、Ti1.5Zr1.5(PO)、NaInO、CaIn、SrIn、LaInO、YxIn−xO、NaSbO、CaSb、CaSb、SrSb、SrSnO、ZnGa、ZnGeO、LiInGeO、Ga、Ga:Znなどである。また、増感剤としては、[Ru(bpy)2+、エリスロシン(erythrosine)、亜鉛ポルフィリン、CdSなどがある。
また、前記可視光応答型光半導体に、p型もしくはn型光半導体を表面に吸着させ、p−n接合を形成させたものを使用してもよい。具体的には、CuO、CuO、CuI、Cu(InGa)S、Cu(InGa)Se、CuGaS、CuGaSSe、CuGaSe、CdS、CdTe、CdZnTe、CdSe、CuZnSnS、CuGa、CuInS、Cu(InAl)Se、CuIn、CuAlO、CuGaO、SrCu、GaP、GaAs、GaAsP、GaN、InP、InAs、GaInAsP、GaSb、Si、SiC、Ge、ZnS、Feなどの無機系
半導体、およびフラーレン誘導体、ポルフィリン誘導体、フタロシアニン誘導体、ポリチオフェン誘導体等の有機系半導体を使用することができるが、ここに例示した材料に限定されるものではない。
これらのうち、前記可視光応答型光半導体が、可視光を直接使用することができまた製造面での有利さから好ましく用いられ、中でも、以下の一般式(1)で表される化合物がより好ましい。
Ba(1−a)TaO(2−b)(1−c) ・・・(1)
(式中、a、b及びcは、−0.2≦a≦0.1、−0.4≦b≦0.2、−0.1≦c≦0.3、をそれぞれ満たす。)
光触媒の形状は特段限定されないが、粒子状であることが好ましく、その一次粒子の粒子径は特に限定されるものではないが、通常0.001μm以上、好ましくは0.005μm以上であり、通常500μm以下であり、好ましくは20μm以下であり、より好ましくは10μm以下である。光触媒の粒子径は、XRD、TEM、SEM法等公知の手段によって適宜測定することができる。
(助触媒)
光触媒に担持する助触媒としては、従来知られているものを用いることができる。具体的には、第3〜13族の金属、該金属の金属間化合物、合金、または、これらの酸化物、複合酸化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、炭化物、窒化物、あるいは、これらの混合物が挙げられる。ここで、「金属間化合物」とは、2種以上の金属元素から形成される化合物であり、金属間化合物を構成する成分原子比は必ずしも化学量論比でなく、広い組成範囲をもつものをいう。「これらの酸化物、複合酸化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、炭化物、窒化物」とは、第3〜13族の金属、該金属の金属間化合物、合金の酸化物、複合酸化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、炭化物または窒化物をいう。「これらの混合物」とは、以上例示した化合物のいずれか二以上の混合物をいう。
助触媒としては、好ましくは貴金属からなる群より選択される1種以上を含み、ここでいう貴金属は、貴金属を含む合金や酸化物であってよい。貴金属として具体的には、Au、Ag、Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Osがあげられ、これらのうち、Ptを含むことが好ましい。
光触媒に担持される助触媒の担持量(総量)は特に限定されないが、光触媒を基準(100wt%)として、通常0.01wt%以上であり、0.1wt%以上であってよく、また通常5wt%以下であり、3wt%以下であってよく、1wt%以下であってよい。
なお、ここでいう「担持量」とは、担持させた助触媒中の金属元素が占める量をいう。
(第1ステップ)
第1ステップは、含浸法によって、光触媒の表面に助触媒を担持させるステップである。
含浸法は、助触媒粒子(コロイド等)もしくは助触媒の前駆体となる化合物を溶液中で光触媒表面に吸着させ、必要に応じてこの溶液の溶媒を蒸発させ、試料を乾燥後、これを水素、アンモニア等の還元雰囲気下で処理する(水素還元)、もしくはNaBHやアルコール等還元剤を含む溶液中で処理する(化学還元)、または窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で処理する(熱分解処理)、または空気、酸素、不活性ガスで希釈した酸素等の酸化雰囲気下で処理する(焼成)ことで、光触媒の表面に助触媒を担持する方法である。
具体的一例としては、まず、水、THF、エタノールなどの溶媒に、助触媒粒子(コロイド等)もしくは助触媒の前駆体となる化合物を溶解させ、この溶液に光触媒粒子を懸濁
させる。この懸濁液を1分〜12時間撹拌し、助触媒粒子もしくは助触媒の前駆体となる化合物を光触媒の表面へ吸着させる。
懸濁させている際に、超音波処理を行ってもよい。これにより、光触媒粒子がよく分散し、助触媒粒子もしくは助触媒の前駆体となる化合物が光触媒表面へ吸着することを促進させることができる。
そして、上記懸濁液をろ過、または、溶媒をドライアップした後、水素ガス雰囲気下、50〜500℃で、0.5〜12時間処理することで、助触媒を担持させた光触媒を得ることができる(後述する水素還元ステップ)。なお、ドライアップした試料を水素還元する前に、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で処理する、または空気、酸素、不活性ガスで希釈した酸素等の酸化雰囲気下で処理する焼成するステップを入れてもよい。
なお、担持後の助触媒粒子の粒子径としては、特に限定されないが、通常1nm以上、好ましくは2nm以上、通常100nm以下、好ましくは50nm以下である。前述の下限値以上であることにより取り扱い性が向上し、また、前述の上限値以下とすることで、十分な表面積を確保でき、助触媒としての効果が向上する。
第1ステップにおいて、光触媒に担持される助触媒の量は特段限定されないが、第2ステップで更に助触媒の担持するため、担持させすぎないことが好ましい。光触媒を基準(100wt%)として、1wt%以下であることが好ましく、0.5wt%以下であることがより好ましい。下限は特段限定されないが、活性の高い点に担持される確率が十分得られるよう、通常0.001wt%以上であり、0.005wt%以上が好ましい。
(第2ステップ)
第2ステップは、光電着法により、上記第1ステップを経て助触媒を担持した光触媒の表面に、第1ステップで用いた助触媒と同様の助触媒を担持させるステップである。
光電着法は、助触媒粒子(コロイド等)もしくは助触媒の前駆体となる化合物を含む溶液に、第1ステップを経て助触媒を担持した光触媒を懸濁(分散)させ、助触媒粒子(コロイド等)もしくは助触媒の前駆体となる化合物を光触媒表面に吸着させ、この溶液に光を照射して還元することで、光触媒の表面に助触媒を担持する方法である。第2ステップの具体的一例を以下に示す。
まず、水、THF、エタノールなどの溶媒に、助触媒粒子もしくは助触媒の前駆体となる化合物を溶解させ、この溶液に上記第1ステップで得られた、助触媒を担持させた光触媒を懸濁させる。なお、溶媒は、第1ステップで使用したものと同様であってよい。
この懸濁液に、光触媒を励起可能な光を室温で空気および酸素の非存在下において数時間照射して、助触媒を担持させる。通常、水分解反応にはこの懸濁液をそのまま使用するが、その後、上記懸濁液をろ過、または、溶媒をドライアップした後、窒素、アルゴン等の不活性雰囲気下で処理してもよく、空気、酸素、不活性ガスで希釈した酸素等の酸化雰囲気下で処理する焼成を行ってもよく、水素雰囲気下で水素還元を行ってもよい。
なお、第2ステップにおいて、光触媒に担持される助触媒の量は特段限定されない。
第2ステップでは、第1ステップで担持した助触媒と同様の組成を有する助触媒を光触媒に担持させるが、異なる種類の助触媒を更に担持させてもよい。ここで同様の組成を有する助触媒とは、第1ステップで担持した助触媒と同一の組成の助触媒、及び該助触媒に含まれる金属と同一の金属を含む、金属又は合金等の酸化物、複合酸化物、酸窒化物、硫化物、酸硫化物、炭化物及び窒化物を含む助触媒、を含むものである。
(水素還元ステップ)
第1ステップは、水素により助触媒を還元する水素還元ステップを含むことが好ましい。
水素による助触媒還元の方法は特段限定されず、例えば、水素ガスを、必要に応じてキャリアガスと共に助触媒に接触させる方法を上げることができる。キャリアガスとしては窒素ガス、アルゴンガスなどの不活性ガスを用いることができる。
水素ガスと助触媒との接触温度は、通常50℃以上であり、150℃以上であることが好ましく、200℃以上であることがより好ましく、また通常400℃以下であり、300℃以下であることが好ましい。
また、接触時間は助触媒が還元させるのに十分な時間であればよく、通常0.25時間以上であり、0.5時間以上であることが、十分な還元がおこなわれるため好ましく、また通常3時間以下であり、1時間以下であることが好ましい。
(助触媒担持光触媒)
上記第1ステップ及び第2ステップを経て得られた助触媒を担持した光触媒は、水分解による高い水素発生能を有する。例えば、288Kの15vol%メタノール水溶液150mLに、上記助触媒担持光触媒を0.1g加え、300Wキセノンランプの可視光領域の光(λ≧420nm)を照射した際の水素発生速度が、250μmol/h以上を達成し得る。好ましい形態では、300μmol/h以上、400μmol/h以上、特に好ましい形態では500μmol/h以上を達成し得る。
以下、実施例を示し、本発明を更に詳細に説明するが、本発明の範囲は実施例により制限されるものではない。
<BaTaONの調製>
出発原料として、BaCOおよびTaの粉末試薬を、フラックスとして塩化物(NaCl、KCl、CsCl、RbClあるいはBaCl・2HO)の粉末試薬を用いた。BaCOおよびTaはモル比でBa/Ta=1.1になるよう秤量した。また、目的とするBaTaON濃度が10mol%あるいは50mol%になるよう、各粉末試薬を秤量した(BaClフラックスの場合のみ10mol%および50mol%を実施)。
秤量した粉末試薬を乳鉢に入れ、乾式混合した。乾式混合した粉末をアルミナ容器に充填し、アルミナチューブ内に設置した。そのアルミナチューブを管状炉に設置し、200mL/minのアンモニア気流中にて加熱した。600℃/hで950℃まで昇温し、その温度で8h保持した。
保持終了後、300℃まではアンモニア気流中にて、300℃以降取り出し温度(80〜100℃)までは窒素気流中にて自然冷却し、アルミナ容器を取り出した。残存するフラックス(塩化物)とBaTaON結晶を分離するために、80℃の温水に浸漬することでフラックスを溶解除去した。最後に100℃で乾燥し、各々の塩化物に応じてBaTaON(RbCl)、BaTaON(CsCl)、BaTaON(KCl)、BaTaON(NaCl)、BaTaON(BaCl)の結晶を得た。得られたBaTaON 結晶はXRD(Cu−Kα)により目的物の生成を確認した(図1)。また得られた結晶はUV−vis 拡散反射スペクトルで670nmまでの光吸収を示した(図2)。
得られたBaTaONのONH計およびICP分析による組成比は表1の通りであった。
<PtO/WOの調製>
高純度化学社製のWO(99.99%)をHPtCl水溶液中にPt量がWOに対して0.5wt%となるように含浸した。蒸発乾固後、試料を823Kで30分焼成することにより、PtO/WOを調製した。
<H−Cs−PtO/WOの調製>
Catal. Sci. Technol., 2013, 3, 1750-1756に記載の手法に従い、H−Cs−PtO/WOを調製した。高純度化学社製のWO(99.99%)をHPtCl水溶液中にPt量がWOに対して0.5wt%となるように含浸した。蒸発乾固後、試料を823Kで30分焼成することにより、PtO/WOを調製した。PtO/WOをCsCO水溶液中にCs/Wのモル比が0.01となるように含浸した。蒸発乾固後、試料を773Kで10分焼成することにより、Cs−PtO/WOを調製した。
Cs−PtO/WOを1M希硫酸に室温で1時間撹拌し、濾過したのちに室温で乾燥して、H−Cs−PtO/WOを得た。
<光触媒活性評価>
光触媒反応は、パイレックス窓の上面照射型反応セルを用い、閉鎖循環系評価装置で行った。メタノール水溶液150mL中(メタノール濃度15vol%)における水素生成速度はコールドミラーおよびカットオフフィルタ(L42、λ≧420nm)を備えた300Wキセノンランプを用いて測定した。キセノンランプ(光照射口)と光触媒懸濁液水面との距離は7cmとした。温度は、反応溶液温度が288Kになるように冷却水循環装置で温度制御した。生成ガスはArガスをキャリアガスとし、ガスクロマトグラフ分析装置(TCD−GC、島津製作所GC−8A、Molecular sieve 5Aカラム)で分析した。
実施例1:0.01wt%+0.09wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
得られたBaTaON(RbCl)は以下の手順で助触媒であるPtを担持させた。・含浸法による0.01wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
はじめに、HPtCl・6HO(>98.5%;関東化学(株)製)が溶解した少量の水にBaTaON(0.12 g)を懸濁した(Pt量がBaTaONの0.01wt%となるようにHPtCl・6HO量を調節)。懸濁液は、5分間の超音波処理を行うことで均一に混合した。その後懸濁液を十分に乾燥し、HとNの混合気流下(混合気流中のH濃度は10vol%)、473Kで1時間水素還元し、0.01wt%Pt/BaTaONを調製した。
・光電着法による0.01wt%+0.09wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
上記調製した0.01wt%Pt/BaTaONの粉末0.1gをHPtCl・6HOが溶解した150mLのメタノール水溶液(メタノール濃度15vol%、Pt量がBaTaON の0.09wt%となるようにHPtCl・6HO量を調節)
に分散した。懸濁液を閉鎖循環系評価装置に取り付け、上記<光触媒活性評価>に記載の要領で助触媒担持と活性評価を同時に行った。ここでPtの光電着は誘導期を経ることなく速やかに起こり、0.01wt%+0.09wt%Pt/BaTaONが生成した。光触媒の水素ガス生成速度は、この光電着操作の後、生成した光触媒を単離することなく、光電着操作を行った懸濁液でそのまま評価した。
比較例1:0.01wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
PtCl・6HO(>98.5%;関東化学(株)製)が溶解した少量の水にBaTaON(0.12g)を懸濁した(Pt量がBaTaONの0.01wt%となるようにHPtCl・6HO量を調節)。懸濁液は、5分間の超音波処理を行うことで均一に混合した。その後懸濁液を十分に乾燥し、HとNの混合気流下(混合気流中のH濃度は10vol%)、473Kで1時間水素還元し、0.01wt%Pt/BaTaON(RbCl)を調製した。
比較例2:0.09wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
BaTaON(RbCl)の粉末0.1gをHPtCl・6HOが溶解した150mLのメタノール水溶液(メタノール濃度15vol%、Pt量がBaTaONの0.09wt%となるようにHPtCl・6HO量を調節)に分散した。懸濁液を閉鎖循環系評価装置に取り付け、水温が288Kとなるように冷却水循環器で温度を調節し、十分に脱気した後、撹拌しながら可視光照射(λ≧420nm)を行い、0.09wt%Pt/BaTaON(RbCl)を調製した。光触媒の水素ガス生成速度は、この光電着操作の後、生成した光触媒を単離することなく、光電着操作を行った懸濁液でそのまま評価した。
実施例2:0.01wt%+0.09wt%Pt/BaTaON(KCl)の調製
実施例1でフラックスの種類をRbClからKClに変えたほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例3:0.01wt%+0.09wt%Pt/BaTaON(CsCl)の調製
実施例1でフラックスの種類をRbClからCsClに変えたほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例4:0.01wt%+0.19wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
実施例1の光電着法による調製において、HPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.19wt%となるように調節したほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例5:0.01wt%+0.29wt%Pt/BaTaON (RbCl)の調製
実施例1の光電着法による調製において、HPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.29wt%となるように調節したほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例6:0.05wt%+0.25wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
実施例1の含浸法による調製においてHPtCl・6HO量をPt量がBaTa
Nの0.05wt%となるように調節し、光電着法による調製において、HPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.25wt%となるように調節したほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例7:0.1wt%+0.1wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
実施例1の含浸法による調製においてHPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.1wt%となるように調節し、光電着法による調製において、HPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.1wt%となるように調節したほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例8:0.1wt%+0.2wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
実施例1の含浸法による調製においてHPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.1wt%となるように調節し、光電着法による調製において、HPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.2wt%となるように調節したほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例9:0.1wt%+0.3wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
実施例1の含浸法による調製においてHPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.1wt%となるように調節し、光電着法による調製において、HPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.3wt%となるように調節したほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例10:0.01wt%+0.09wt%Pt/BaTaON(NaCl)の調製
実施例1でフラックスの種類をRbClからNaClに変えたほかは、実施例1と同一手順で調製した。
実施例11:0.01wt%+0.09wt%Pt/BaTaON(フラックスなし)の調製
実施例1でフラックスを使用せずに調製し、フラックス除去工程を省略したほかは、実施例1と同一手順で調製した。
比較例3:0.1wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
比較例1の含浸法による調製においてHPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.1wt%となるように調節したほかは、同様の操作で調製した。
比較例4:0.3wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
比較例1の含浸法による調製においてHPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.3wt%となるように調節したほかは、同様の操作で調製した。
比較例5:0.2wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
比較例2の光電着法による調製においてHPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.2wt%となるように調節したほかは、同様の操作で調製した。
比較例6:0.3wt%Pt/BaTaON(RbCl)の調製
比較例2の光電着法による調製においてHPtCl・6HO量をPt量がBaTaONの0.3wt%となるように調節したほかは、同様の操作で調製した。
なお、ICP分析によれば、実施例8、比較例3〜6のPt担持量は以下の表2の通りであった。
この結果から、ほぼ調製目標通りの付着量が得られていることが判る。
なお、SEM、TEM観察によれば含浸、光電着の2段階で担持した助触媒Pt粒子は、従来法の含浸法、光電着法に比べてより均一に分散していた(図4及び5参照)。
以上のサンプルについて、実験結果を下の表3に示す。
(実施例1〜11、比較例1〜6の考察)
表3で示した結果から明らかなように、含浸法、光電着法の2段階で助触媒であるPtを担持した実施例1は従来法である含浸法のみで(比較例1)、又は光電着法のみで(比較例2)担持した場合に比較して、活性が高かった。実施例1と比較例1及び2ではPtの担持量が異なるが、たとえ比較例1及び2の水素生成速度を加算したとしても、実施例
1の水素生成速度よりは低く、かつ、Pt担持量が等しい含浸法(比較例3)と比較しても活性が高く、含浸法、光電着法の2段階で助触媒Ptを担持することの効果が示された。
また、実施例4及び7と比較例5、並びに実施例5及び6と比較例4及び6を比較して明らかなように、含浸法、光電着法の2段階で助触媒であるPtを担持した実施例4〜7は、Pt担持量が同じ比較例4〜6に比較して活性が高く、含浸法、光電着法の2段階で助触媒Ptを担持することの効果が示された。
同様に、実施例2及び3のように、BaTaONの調製法を変えても実施例1と同様の活性が得られ、含浸法、光電着法の2段階担持がBaTaONの調製法にかかわらず有効であることが示された。また実施例10、11のように、必ずしも適切ではないフラックスを使用した場合でも、比較例1と2を単純に足した場合よりも、より高い水素生成速度を示しており、この点からも、本実施例の方法で得られるものが、非常に高い触媒としての能力を有していることが判る。
<Zスキームによる光触媒活性評価(キセノンランプによる評価)>
5mM NaI水溶液150mLに懸濁させたPt/BaTaON(0.1g)と0.5wt% PtO/WO(0.1 g)を、パイレックス窓の上面照射型反応セルに入れ、閉鎖循環件評価装置で水素、酸素生成速度を測定した。ガス生成速度はコールドミラーおよびカットオフフィルタ(L42、λ≧420nm)を備えた300Wキセノンランプを用いて測定した。キセノンランプ(光照射口)と光触媒懸濁液水面との距離は7cmとした。温度は、反応溶液温度が288Kになるように冷却水循環装置で温度制御した。生成ガスはArガスをキャリアガスとし、ガスクロマトグラフ分析装置(TCD−GC、島津製作所GC−8A、Molecular sieve 5Aカラム)で分析した。
評価例1〜3として、実施例1、3、8のサンプルについて、前述のZスキームによる光触媒活性評価の手法に従い水素、酸素発生速度を評価した。実験結果を下の表4に示す。
(評価例1〜3の考察)
表4に示すように、Zスキームによる光触媒活性評価において、評価例1〜3の水素生成速度は、従来法である含浸法でPtを担持したPt/BaTaONを触媒として用い
て評価した非特許文献1に記載の水素生成速度約7μmol/h(非特許文献1のFigure7参照)に比較して十分に高く、含浸法、光電着法の2段階で助触媒Ptを担持する手法の有効性が示された。
<Zスキームによる光触媒活性評価(疑似太陽光による評価)>
触媒として0.5wt% PtO/WO (0.1 g)の代わりに0.5wt% H−Cs−PtO/WO(0.1g)を用い、使用するランプをコールドミラーおよびカットオフフィルタ(L42、λ≧420nm)を備えた300Wキセノンランプから、疑似太陽光照射装置に変更し, 照射面積を14cmとしたほかは、上述のZスキームによる光触媒活性評価と同様に評価を行った。その結果を評価例4として表5に示す。
(評価例4の考察)
表5に示すように、Zスキームによる光触媒活性評価において、光源をキセノンランプから疑似太陽光に変更しても高い水素生成速度が得られた。このことから光源にかかわらず、含浸法、光電着法の2段階で助触媒Ptを担持する手法の有効性が示された。
(評価例5)
<見かけの量子収率の評価>
見かけの量子収率(光触媒に入射した光子数に対する反応に関与した光子数の比)を光触媒反応により生成した水素量から評価した。水素生成速度の評価は、パイレックス窓の上面照射型反応セルを用い、閉鎖循環系評価装置で行った。メタノール水溶液150mL中(メタノール濃度15vol%)における水素生成速度はコールドミラーおよびバンドパスフィルタ(λ=420nm)を備えた300Wキセノンランプを用いて測定した。キセノンランプ(光照射口)と光触媒懸濁液水面との距離は7cmとした。温度は、反応溶液温度が288Kになるように冷却水循環装置で温度制御した。生成ガスはArガスをキャリアガスとし、ガスクロマトグラフ分析装置(TCD−GC、島津製作所GC−8A、Molecular sieve 5Aカラム)で分析した。
実施例8で得られた光触媒0.1wt%+0.2wt%Pt/BaTaON(RbCl)の420nm単色光照射時の水素生成速度は51μmol/h、見かけの量子効率は5.9%であった。

Claims (9)

  1. 表面に助触媒を担持した光触媒の製造方法であって、
    光触媒の表面に、助触媒を含浸法により担持させる第1ステップ、及び
    第1ステップを経た光触媒の表面に、前記第1ステップで用いた助触媒と同様の助触媒を光電着法により担持させる第2ステップ、
    を含む、光触媒の製造方法。
  2. 前記第1ステップにおいて光触媒に担持させる助触媒の量は、1wt%以下である、請求項1に記載の光触媒の製造方法。
  3. 前記助触媒が、貴金属からなる群より選択される1種以上を含む、請求項1または2に記載の光触媒の製造方法。
  4. 前記助触媒が、Ptを含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光触媒の製造方法。
  5. 前記光触媒が、以下の式(1)で表される化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光触媒の製造方法。
    Ba(1−a)TaO(2−b)(1−c) ・・・(1)
    (式中、a、b及びcは、−0.2≦a≦0.1、−0.4≦b≦0.2、−0.1≦c≦0.3、をそれぞれ満たす。)
  6. 前記第1ステップは、水素により助触媒を還元する水素還元ステップ、を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光触媒の製造方法。
  7. 以下の式(1)で表される化合物を含む光触媒に、貴金属からなる群より選択される1種以上を含む助触媒を1wt%以下担持した助触媒担持光触媒であって、
    288Kの15%メタノール水溶液150mLに、前記助触媒担持光触媒を0.1g加え、300Wキセノンランプを照射して水素生成した時の水素生成速度が250μmоl/h以上である、助触媒担持光触媒。
    Ba(1−a)TaO(2−b)(1−c) ・・・(1)
    (式中、a、b及びcは、−0.2≦a≦0.1、−0.4≦b≦0.2、−0.1≦c≦0.3、をそれぞれ満たす。)
  8. 前記助触媒が、Ptを含む、請求項7に記載の光触媒。
  9. 光触媒の表面に、助触媒を含浸法により担持させる第1ステップ、及び
    第1ステップを経た光触媒の表面に、前記第1ステップで用いた助触媒と同様の助触媒を光電着法により担持させる第2ステップ、により得られる光触媒。
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