JP2020139539A - 制動装置 - Google Patents

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豊田 昌宏
Masahiro Toyoda
昌宏 豊田
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Abstract

【課題】制動時に発生する摩擦熱を利用して摺動部材の摩耗量を検出できる制動装置を提供する。【解決手段】制動装置1は、ディスクロータに摺接することで該ディスクロータを制動する摩擦パッド6を備えている。また、制動装置1は、制動時における摩擦パッド6の摩擦熱を電気に変換して発電出力を生じる熱電モジュール7と、熱電モジュール7から給電される回路素子81とを備えている。また、制動装置1は、回路素子81の特性値に対応する信号に基づいて摩擦パッド6の摩耗量を検出する摩耗量検出手段16を備えている。回路素子81は、摩擦パッド6に装着されて該摩擦パッド6の摩耗に応じて摩耗して特性値が変化する。【選択図】図3

Description

本発明は、回転部材に摺接する摺動部材を備える制動装置に関する。
ブレーキ(制動装置)の摺動部材としての摩擦パッドは、制動時に回転部材に摺接して摩擦熱を生じ、温度が上昇する。このような摩擦パッドの摩擦熱を熱電モジュールによって電気に変換して例えば車両の蓄電池に電力として蓄えることで回収する技術が、特許文献1に開示されている。
特開昭58−37329号公報
ところで、摩擦パッドは、制動装置の使用にともなって、徐々に摩耗が進行し、摩擦パッドを交換する必要がある。摩擦パッドの摩耗量を把握することは制動装置にとって重要である。
一方、特許文献1に記載された技術は、制動時における摩擦パッドの摩擦熱を電力として回収する技術に過ぎず、摩擦パッド(摺動部材)の摩耗量を把握する技術を提供するものではない。
本発明は、前記した事情に鑑みてなされたものであり、制動時に発生する摩擦熱を利用して摺動部材の摩耗量を検出できる制動装置を提供することを課題とする。
前記課題を解決するための本発明は、回転部材に摺接することで該回転部材を制動する摺動部材を備える制動装置である。前記制動装置は、制動時における前記摺動部材の摩擦熱を電気に変換して発電出力を生じる熱電モジュールと、前記熱電モジュールから給電される回路素子とを備えている。また、前記制動装置は、前記回路素子の特性値に対応する信号に基づいて前記摺動部材の摩耗量を検出する摩耗量検出手段を備えている。前記回路素子は、前記摺動部材に装着されて該摺動部材の摩耗に応じて摩耗して特性値が変化する。
この構成では、制動時における摺動部材の摩擦熱によって熱電モジュールに生じた発電出力により、回路素子に電流が流れる。この際には、回路素子を作動させる電源は不要である。一方、回路素子は、摺動部材の摩耗に応じて摩耗して特性値が変化する。回路素子が摩耗によって削られて特性値が変化すると、回路素子を流れる電流の値も変化する。つまり、摩耗量検出手段は、回路素子の特性値に対応する電流値等の信号に基づいて、摺動部材の摩耗量を検出することができる。
したがって、本発明によれば、制動時に発生する摩擦熱を利用して摺動部材の摩耗量を検出できる制動装置を提供することができる。
前記制動装置において、前記熱電モジュールは、基板と、該基板に実装された熱電材料と、を有することが好ましい。
この構成では、少ないスペースを利用して熱電モジュールを制動装置に装着することができる。
前記制動装置は、前記回路素子の特性値に対応する信号を前記摩耗量検出手段に無線で送信する無線機を備え、前記無線機は、前記熱電モジュールから給電されることが好ましい。
この構成では、回路素子の特性値に対応する信号を送信する無線機も、熱電モジュールからの給電で使用できる。このため、摺動部材と摩耗量検出手段との間のワイヤレス化を実現できる。
前記制動装置は、表面弾性波を相互に送受信可能な第1櫛形電極体および第2櫛形電極体を有する表面弾性波素子を備えていることが好ましい。前記第1櫛形電極体は、前記回路素子に接続されている。前記第2櫛形電極体は、アンテナに接続されており、前記アンテナから入力された電気信号を表面弾性波に変換して前記第1櫛形電極体へ伝達する。前記第1櫛形電極体は、前記回路素子の摩耗量に応じて反射率を変化させて、前記第2櫛形電極体から伝達された表面弾性波を反射する。前記第2櫛形電極体は、前記第1櫛形電極体から反射された表面弾性波を受信し電気信号に変換して前記アンテナに出力する。そして、前記アンテナから前記摺動部材の摩耗量に応じた反射信号が出力される。
この構成では、アンテナから入力された電気信号によって第2櫛形電極体に生じた表面弾性波が第1櫛形電極体へ伝達される。一方、第1櫛形電極体には、摺動部材の摩耗に応じて摩耗して特性値が変化する回路素子が接続されている。第1櫛形電極体に伝達された表面弾性波は、回路素子の特性値に応じた反射率で第2櫛形電極体へ反射され、第2櫛形電極体で電気信号に変換される。ここで、摺動部材の摩耗に応じて、回路素子が摩耗するとともに回路素子の特性値が変化する。このため、反射信号のレベルに基づいて、摺動部材の摩耗量が検出され得る。
したがって、この構成によれば、表面弾性波素子を用いることによっても、摺動部材の摩耗量を検出できる。ところで、熱電モジュールは、高温側温度と低温側温度との温度差によって発電するため、摺動部材の温度が低いこと等によって熱電モジュールの発電出力が低い場合がある。これにより、熱電モジュールを用いて摺動部材の摩耗量を検出することが困難になる場合があるが、このような場合でも、表面弾性波素子を用いて摺動部材の摩耗量を検出することが可能である。
前記制動装置において、前記摺動部材は、前記回転部材に摺接する摩擦材と、該摩擦材が装着される裏板と、を有している。そして、前記熱電モジュールは、前記裏板に交換可能な状態で装着されていることが好ましい。
この構成では、熱電モジュールは、効率良く発電出力を生じさせることができる。また、摩擦材が摩耗して摺動部材の交換時期が来た場合には、熱電モジュールを裏板から取り外すことができる。したがって、熱電モジュールの再利用が可能となる。
前記制動装置において、前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子は、前記裏板に交換可能な状態で装着されていることが好ましい。
この構成では、摩擦材が摩耗して摺動部材の交換時期が来た場合には、熱電モジュールおよび表面弾性波素子を裏板から取り外すことができる。したがって、熱電モジュールおよび表面弾性波素子の再利用が可能となる。
前記制動装置において、前記熱電モジュールは、前記裏板に一体的に形成されていてもよい。
この構成では、熱源となる摩擦材に熱電モジュールをより近接させることができるので、摩擦熱の電気への変換効率が良くなる。また、摺動部材を交換する際に摺動部材、摩耗センサおよび熱電モジュールをまとめて交換できるので、作業性が向上する。
前記制動装置において、前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子は、前記裏板に一体的に形成されていてもよい。
この構成では、熱源となる摩擦材に熱電モジュールをより近接させることができるので、摩擦熱の電気への変換効率が良くなる。また、摺動部材を交換する際に摺動部材、摩耗センサ、熱電モジュールおよび表面弾性波素子をまとめて交換できるので、作業性が向上する。
前記制動装置において、前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子の少なくとも一方は、前記裏板の前記摩擦材とは反対側の面に配置されていることが好ましい。
この構成では、裏板に対して熱電モジュールおよび表面弾性波素子の少なくとも一方をより容易に配置できる。また、熱電モジュールは、裏板の摩擦材とは反対側の面に配置されることによって、摺動部材の摩擦熱をより効果的に利用できる。
前記制動装置において、前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子の少なくとも一方は、前記裏板における前記回転部材の半径方向外側の側面に配置されていてもよい。
この構成では、裏板に対して熱電モジュールおよび表面弾性波素子の少なくとも一方を容易に配置できる。また、熱電モジュールは、裏板における回転部材の半径方向外側の側面に配置されることによって、摺動部材の摩擦熱に加えて、回転部材からの放熱も有効に利用できる。
前記制動装置は、スライドピンを介して前記回転部材の軸方向に移動可能に支持されるキャリパボディを備えている。また、前記キャリパボディは、前記回転部材の軸方向両側に配置される作用部および反作用部と、前記作用部および前記反作用部を前記回転部材の外周縁を軸方向に跨いで連結するブリッジ部と、を有している。この場合において、前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子の少なくとも一方は、前記反作用部の先端側に設けられた複数の爪の間の少なくとも一部を覆うように配置されていてもよい。
この構成では、爪の間のスペースを有効利用して、熱電モジュールおよび表面弾性波素子の少なくとも一方を容易に配置できる。また、熱電モジュールは、複数の爪の間の少なくとも一部を覆うように配置されることによって、摺動部材の摩擦熱を有効に利用できる。
前記制動装置において、前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子の少なくとも一方は、前記ブリッジ部に形成された開口部の少なくとも一部を覆うように配置されていてもよい。
この構成では、スペースを有効利用して、熱電モジュールおよび表面弾性波素子の少なくとも一方を容易に配置できる。また、熱電モジュールは、ブリッジ部に形成された開口部の少なくとも一部を覆うように配置されることによって、摺動部材の摩擦熱に加えて、回転部材からの放熱も有効に利用できる。
前記制動装置は、前記熱電モジュールによる前記発電出力の値に基づいて前記摺動部材の温度を推定する温度推定手段を備えることが好ましい。また、前記制動装置は、前記温度推定手段によって推定された温度に基づいて、ユーザに警告を与える制御を行う警告手段を備えることが好ましい。
この構成では、制動時における摺動部材の摩擦熱によって熱電モジュールに生じた発電出力の値を検出することで、該発電出力の値に基づいて摺動部材の温度を推定できる。また、この際には、例えば温度センサを作動させるような電源は不要である。
また、ユーザは、摺動部材が高温になったことを確実に認識できる。したがって、ユーザは、例えば制動装置の頻繁な使用を控えること等によって、摺動部材の温度上昇を抑制することができる。
前記制動装置は、車輪を駆動する電気モータを備える車両に用いられるものであり、前記温度推定手段によって推定された温度に基づいて、制動力の少なくとも一部を回生ブレーキに切り替える制御を行う制動力切替手段を備えることが好ましい。
この構成では、摺動部材が高温になった場合、制動力の少なくとも一部が回生ブレーキに切り替えられる。このため、摺動部材の回転部材への摺接による摩擦ブレーキの割合が低減される。したがって、摺動部材の温度上昇を抑制することができる。
本発明によれば、制動時に発生する摩擦熱を利用して摺動部材の摩耗量を検出できる制動装置を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る制動装置の平面図である。 図1に示される制動装置の摩擦パッドを示す斜視図である。 摩擦パッドの摩耗量検出に関連する制御構成を示す概略ブロック図である。 熱電モジュールの摩擦パッド側の温度と熱電モジュールによる発電出力の値との関係を示すグラフである。 熱電モジュールおよび表面弾性波素子の位置の第1変形例を示す図である。 熱電モジュールおよび表面弾性波素子の位置の第2変形例を示す図である。 熱電モジュールおよび表面弾性波素子の位置の第3変形例を示す図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
以下に示す図面において、同一の部材には同一の参照符号を付し、重複した説明を適宜省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係る制動装置1の平面図である。具体的には、図1は、制動装置1をディスクロータ2の半径方向外側から見た図である。
図1に示すように、本実施形態に係る制動装置1は、キャリパブラケット3と、キャリパボディ5と、摩擦パッド6,6とを備えている。
本実施形態では、制動装置1がピンスライド型の車両用ディスクブレーキである場合を例に挙げて説明する。
キャリパブラケット3は、車輪(図示せず)と一体に回転する回転部材としてのディスクロータ2の一側方で車体(図示せず)に固設されている。キャリパボディ5は、キャリパブラケット3のキャリパ支持腕3a,3aに、一対のスライドピン4,4を介してディスク軸方向(ディスクロータ2の軸方向)へ移動可能に支持されている。キャリパボディ5は、ディスク軸方向両側にそれぞれ配置される作用部5aおよび反作用部5bと、作用部5aと反作用部5bとをディスクロータ2の外周縁をディスク軸方向に跨いで連結するブリッジ部5cとを有している。ブリッジ部5cには、開口部5fが形成されている。一対の摩擦パッド6,6は、キャリパボディ5の作用部5aと反作用部5bとの内側で、ディスクロータ2を挟んで対向配置されている。
作用部5aには、ディスクロータ2側を開口したシリンダ孔(図示せず)が設けられている。このシリンダ孔に収容されたピストン(図示せず)が圧液によってディスクロータ2の方へ移動することで、摩擦パッド6,6がディスクロータ2を挟み込んで該ディスクロータ2に摺接するようになっている。また、作用部5aの側部には、車体取付け腕5e,5eが突設されている。各車体取付け腕5eの先端には、それぞれ前記したスライドピン4が、取付けボルト5dにて突設されている。
キャリパ支持腕3a,3aは、キャリパブラケット3のディスク回転方向(ディスクロータ2の回転方向)両側部から、ブリッジ部5cの両側を挟みながらディスクロータ2の外周縁をディスク軸方向に跨いでいる。キャリパ支持腕3a,3aは、更に、ディスクロータ2の他側方で、反作用部5bの側壁に沿ってディスク中心方向へ延びる形状となっている。キャリパ支持腕3a,3aの先端部は、タイロッド3bにて連結されていて、制動トルクがかかる両キャリパ支持腕3a,3aの剛性力を高めている。各キャリパ支持腕3aには、スライドピン4を収容するガイド孔(図示せず)が穿設されている。
図2は、図1に示される制動装置1の摩擦パッド6を示す斜視図である。具体的には、図2は、一対の摩擦パッド6,6のうちの反作用部5b側の摩擦パッド6を反作用部5b側から見た斜視図である。
図2に示すように、摩擦パッド6は、ディスクロータ2に摺接することでディスクロータ2を制動する摺動部材であり、ディスクロータ2に摺接する摩擦材としてのライニング6aと、該ライニング6aが装着される金属製の裏板6bとを有している。摩擦パッド6は、裏板6bに装着されたライニング6aがディスクロータ2に摺接することで該ディスクロータ2を制動する。裏板6bの両側部には、耳片6c,6cが突設されている。耳片6c,6cは、双方のキャリパ支持腕3a,3aに設けられたパッドガイド部(図示せず)に、パッドスプリング(図示せず)を介して支承される。
制動装置1は、制動時における摩擦パッド6の摩擦熱を電気に変換して発電出力を生じる熱電モジュール7を備えている。本実施形態では、熱電モジュール7は、摩擦パッド6に装着されている。具体的には、熱電モジュール7は、摩擦パッド6の裏板6bに装着されている。ここでは、熱電モジュール7は、裏板6bのライニング6aとは反対側の面に、例えばねじ部材、クリップ部材、接着テープ等の取り外し可能な固定手段(図示せず)によって、交換可能な状態で装着されている。
熱電モジュール7は、基板7aと、該基板7aに実装された熱電材料7bとを有している。基板7aは、例えば、極薄の可撓性を有する樹脂製の板である。熱電材料7bは熱エネルギーを電気エネルギーに変換できる化合物半導体であり、このような化合物半導体からなる熱電素子が複数電気的に接続されて基板7aに実装されている。熱電モジュール7の構造は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。
また、制動装置1は、表面弾性波(SAW:Surface Acoustic Wave)を応用した電子デバイスである表面弾性波素子9を備えている。本実施形態では、表面弾性波素子9は、摩擦パッド6に装着されている。具体的には、表面弾性波素子9は、摩擦パッド6の裏板6bに装着されている。ここでは、表面弾性波素子9は、裏板6bのライニング6aとは反対側の面に、例えばねじ部材、クリップ部材、接着テープ等の取り外し可能な固定手段(図示せず)によって、交換可能な状態で装着されている。
図3は、摩擦パッド6の摩耗量検出に関連する制御構成を示す概略ブロック図である。
図3に示すように、制動装置1は、熱電モジュール7に接続された摩耗センサ8を備えている。摩耗センサ8は、熱電モジュール7で発電された電力で作動する。摩耗センサ8は、摩擦パッド6の摩耗に応じて摩耗する回路素子81を有する。回路素子81は、摩擦パッド6の厚さ方向に延伸する一対の配線82の間に設けられており、例えば抵抗やコンデンサ等である。回路素子81の特性値(抵抗値や静電容量)は、回路素子81の摩耗にともなって変化する。回路素子81および配線82は基板83上に配置されている。摩耗センサ8は、摩擦パッド6の厚さ方向に貫通して形成された孔6dに挿入された状態で摩擦パッド6に装着されており、摩擦パッド6の摩耗にともなって先端側から削られて摩耗するようになっている。
表面弾性波素子9は、圧電基板94と、圧電基板94上に配置され、表面弾性波を相互に送受信可能な第1櫛形電極体91および第2櫛形電極体92とを有している。表面弾性波素子9の構造は、公知の技術であるため詳細な説明を省略する。第1櫛形電極体91は、摩耗センサ8に接続されており、第2櫛形電極体92は、アンテナ93に接続されている。第2櫛形電極体92は、アンテナ93から入力された電気信号を表面弾性波に変換して第1櫛形電極体91へ伝達する。第1櫛形電極体91は、摩擦パッド6の摩耗にともなう回路素子81の摩耗の量に応じて反射率を変化させて、第2櫛形電極体92から伝達された表面弾性波を反射する。第2櫛形電極体92は、第1櫛形電極体91から反射された表面弾性波を受信し電気信号に変換してアンテナ93に出力する。そして、該アンテナ93から摩擦パッド6の摩耗量に応じた反射信号が出力される。
制動装置1は、摩擦パッド6の摩耗量検出に関連する制御を含む各種の制御を行う制御部10を備えている。制御部10は、CPU、RAM、ROMおよび入出力回路を備えたECU(Electronic Control Unit)である。制御部10による各種の制御は、ROMに予め記憶されたプログラムをRAMに読み出してCPUが実行することで実現される。
制御部10は、熱電モジュール7からの信号を受信する通信部11を有している。熱電モジュール7からの信号には、熱電モジュール7による発電出力の値に対応する信号、および摩耗センサ8を流れる電流の値に対応する信号が含まれる。これらの信号は、回路素子81の特性値(例えば抵抗値や容量等)に対応する信号として使用されて、摩擦パッド6の摩耗量の検出に利用される。なお、熱電モジュール7に生じる発電出力が直流であり、回路素子81がコンデンサである場合は、DC/AC変換回路が必要である。
また、熱電モジュール7による発電出力の値に対応する信号は、摩擦パッド6の温度の推定に利用される。
また、制動装置1は、熱電モジュール7からの信号を通信部11を介して温度推定手段12や摩耗量検出手段16に無線で送信する無線機7cを備えている。無線機7cは、熱電モジュール7から給電されるように構成されている。つまり、無線機7cは、熱電モジュール7により発電された電力によって作動する。
制御部10は、熱電モジュール7による発電出力の値に基づいて摩擦パッド6の温度を推定する温度推定手段12を有している。
図4は、熱電モジュール7の摩擦パッド6側の温度と熱電モジュール7による発電出力の値との関係を示すグラフである。図4に示すグラフのデータや関数は、予め記憶手段18に記憶されている。温度推定手段12は、図4に示すグラフのデータや関数を参照することにより、熱電モジュール7による発電出力の値に対応する熱電モジュール7の摩擦パッド6側の温度(高温側温度)を得る。すなわち、温度推定手段12は、摩擦パッド6の温度を推定することができる。
なお、摩擦パッド6の温度として、ここでは、摩擦パッド6の裏板6bのライニング6aとは反対側の面の温度が採用されているが、これに限定されるものではない。摩擦パッド6の温度として、裏板6b内の温度分布を考慮して、裏板6bのライニング6a側の面の温度が採用されてもよい。
ここで、熱電モジュール7による発電出力(電圧)は、熱電モジュール7の摩擦パッド6側の温度(高温側温度)と、熱電モジュール7の摩擦パッド6とは反対側の温度(低温側温度)との温度差に応じて生じる。図4に示すグラフは、熱電モジュール7の摩擦パッド6とは反対側の温度(低温側温度)、すなわち摩擦パッド6の雰囲気温度(外気温度)が一定(例えば20℃、30℃等の一定値)と仮定した場合を示す。このように仮定したとしても、例えば摩擦パッド6の温度上昇が比較的大きい場合には、低温側温度に比べて高温側温度がかなり高くなるため、摩擦パッド6の温度推定の誤差は小さくなり所定の推定精度を確保できる。
なお、摩擦パッド6の雰囲気温度(外気温度)は、車両(図示せず)に設けられた外気温センサ21によって検出されたものでもよい。この場合、図4に示すグラフは、熱電モジュール7の摩擦パッド6側の温度(高温側温度)と、熱電モジュール7の摩擦パッド6とは反対側の温度(低温側温度)との温度差が横軸に示されるように書き換えられる。温度推定手段12は、図4に示すグラフの横軸が温度差を示すように書き換えられたグラフのデータや関数を参照することにより、熱電モジュール7による発電出力の値に対応する温度差を得る。そして、温度推定手段12は、外気温センサ21によって検出された摩擦パッド6の雰囲気温度(外気温度)に、得られた温度差を加算することにより、摩擦パッド6の温度を推定することができる。これにより、摩擦パッド6の温度推定の精度が向上する。
また、制御部10は、温度推定手段12によって推定された摩擦パッド6の温度に基づいて摩擦パッド6の温度上昇を抑制するための制御を行う温度上昇抑制手段13を有している。そして、温度上昇抑制手段13は、例えば警告手段14および制動力切替手段15を有している。
警告手段14は、温度推定手段12によって推定された摩擦パッド6の温度に基づいて、ユーザ(運転者)に警告を与える制御を行う。例えば、警告手段14は、温度推定手段12によって推定された摩擦パッド6の温度が所定の第1閾値以上となった場合、摩擦パッド6が高温になったことを示す表示やメッセージを表示部22に表示する制御を行う。あるいは、警告音を発する制御が行われてもよい。
制動装置1は、例えば、車輪を駆動する電気モータ(図示せず)を備える車両に用いられるものであり、制動力切替手段15は、温度推定手段12によって推定された摩擦パッド6の温度に基づいて、摩擦パッド6の摩擦による制動力の少なくとも一部を回生ブレーキに切り替える制御を行う。例えば、温度推定手段12によって推定された摩擦パッド6の温度が所定の第2閾値以上となった場合、制動力の少なくとも一部が回生ブレーキで賄われる。第2閾値は、ここでは前記した第1閾値よりも高く設定されるが、これに限定されるものではなく、第1閾値と同一に設定されてもよい。
また、制御部10は、摩耗センサ8の回路素子81の特性値に対応する信号に基づいて摩擦パッド6のライニング6aの摩耗量を検出する摩耗量検出手段16を有している。摩擦パッド6の摩耗にともなって摩耗センサ8が先端側から削られて摩耗すると、回路素子81も削られて、その特性値が変化する。したがって、回路素子81の特性値を監視することによって、摩擦パッド6のライニング6aの摩耗量を検出することができる。
また、制御部10は、摩耗量検出手段16によって検出された摩擦パッド6のライニング6aの摩耗量に基づいてライニング6aの残量を推定する残量推定手段17を有している。残量推定手段17は、摩耗量検出手段16によって検出されたライニング6aの摩耗量をライニング6aの初期厚みから差し引くことによってライニング6aの残量を推定する。ライニング6aの摩耗量や残量は、記憶手段18に記憶される。ライニング6aの残量が例えば所定の限界厚さとなった場合、摩擦パッド6が限界厚さになったことを示す表示やメッセージを表示部22に表示する制御が行われてもよい。あるいは、警告音を発する制御が行われてもよい。
また、制御部10は、アンテナ93との間で信号を送受信する信号送受信部19を有している。信号送受信部19は、摩耗量検出用の電気信号を表面弾性波素子9のアンテナ93に送信し、アンテナ93から、摩擦パッド6の摩耗量に応じた反射信号を受信する。これにより、制御部10は、信号送受信部19で受信した反射信号のレベルに基づいて摩擦パッド6のライニング6aの摩耗量を検出することができる。検出された摩耗量に基づいて、残量推定手段17により、ライニング6aの残量を推定することができる。
次に、制動装置1における摩擦パッド6の摩耗量検出に関連する動作について説明する。
ユーザによる制動操作があると、摩擦パッド6のライニング6aがディスクロータ2に摺接し、摩擦パッド6は、摩擦熱を生じて温度が上昇する。このとき、熱電モジュール7は、摩擦パッド6の摩擦熱を電気に変換して発電出力を生じる。この発電出力によって回路素子81を有する摩耗センサ8に電流が流れる。続いて、回路素子81の特性値に対応する信号が、無線機7cによって通信部11を介して摩耗量検出手段16に無線で送信される。摩耗量検出手段16は、摩擦パッド6の摩耗に応じて削られて変化する回路素子81の特性値に基づいて摩擦パッド6の摩耗量を検出する。
また、制御部10は、信号送受信部19により表面弾性波素子9のアンテナ93に摩耗量検出用の電気信号を送信し、該アンテナ93から摩擦パッド6の摩耗量に応じた反射信号を受信することで、摩擦パッド6の摩耗量を検出する。
また、熱電モジュール7による発電出力の値に対応する信号が、無線機7cによって通信部11を介して温度推定手段12に無線で送信される。温度推定手段12は、図4に示すグラフのデータや関数を参照することにより、発電出力の値に対応する摩擦パッド6の温度を推定する。推定された摩擦パッド6の温度が高い場合、温度上昇抑制手段13は、摩擦パッド6の温度上昇を抑制するための制御を行う。
以上説明した本実施形態では、制動装置1は、ディスクロータ2に摺接することで該ディスクロータ2を制動する摩擦パッド6を備えている。また、制動装置1は、制動時における摩擦パッド6の摩擦熱を電気に変換して発電出力を生じる熱電モジュール7と、熱電モジュール7から給電される回路素子81とを備えている。また、制動装置1は、回路素子81の特性値に対応する信号に基づいて摩擦パッド6の摩耗量を検出する摩耗量検出手段16を備えている。回路素子81は、摩擦パッド6に装着されて該摩擦パッド6の摩耗に応じて摩耗して特性値が変化する。
このような本実施形態では、制動時における摩擦パッド6の摩擦熱によって熱電モジュール7に生じた発電出力により、回路素子81に電流が流れる。この際には、回路素子81を作動させる電源は不要である。一方、回路素子81は、摩擦パッド6の摩耗に応じて摩耗して特性値が変化する。回路素子81が摩耗によって削られて特性値が変化すると、回路素子81を流れる電流の値も変化する。つまり、摩耗量検出手段16は、回路素子81の特性値に対応する電流値等の信号に基づいて、摩擦パッド6の摩耗量を検出することができる。
したがって、本実施形態によれば、制動時に発生する摩擦熱を利用して摩擦パッド6の摩耗量を検出できる制動装置1を提供することができる。
また、本実施形態では、熱電モジュール7は、基板7aと、該基板7aに実装された熱電材料7bと、を有している。この構成では、少ないスペースを利用して熱電モジュール7を制動装置1に装着することができる。
また、本実施形態は、回路素子81の特性値に対応する信号を摩耗量検出手段16に無線で送信する無線機7cを備え、無線機7cは、熱電モジュール7から給電される。この構成では、回路素子81の特性値に対応する信号を送信する無線機7cも、熱電モジュール7からの給電で使用できる。このため、摩擦パッド6と摩耗量検出手段16との間のワイヤレス化を実現できる。なお、熱電モジュール7と摩耗量検出手段16とは、有線で接続してもよい。
また、本実施形態は、表面弾性波を相互に送受信可能な第1櫛形電極体91および第2櫛形電極体92を有する表面弾性波素子9を備えている。第1櫛形電極体91は、回路素子81に接続されている。第2櫛形電極体92は、アンテナ93に接続されており、アンテナ93から入力された電気信号を表面弾性波に変換して第1櫛形電極体91へ伝達する。第1櫛形電極体91は、回路素子81の摩耗量に応じて反射率を変化させて、第2櫛形電極体92から伝達された表面弾性波を反射する。第2櫛形電極体92は、第1櫛形電極体91から反射された表面弾性波を受信し電気信号に変換してアンテナ93に出力する。そして、該アンテナ93から摩擦パッド6の摩耗量に応じた反射信号が出力される。
この構成では、アンテナ93から入力された電気信号によって第2櫛形電極体92に生じた表面弾性波が第1櫛形電極体91へ伝達される。一方、第1櫛形電極体91には、摩擦パッド6の摩耗に応じて摩耗して特性値が変化する回路素子81が接続されている。第1櫛形電極体91に伝達された表面弾性波は、回路素子81の特性値に応じた反射率で第2櫛形電極体92へ反射され、第2櫛形電極体92で電気信号に変換される。ここで、摩擦パッド6の摩耗に応じて、回路素子81が摩耗するとともに回路素子81の特性値が変化する。このため、反射信号のレベルに基づいて、摩擦パッド6の摩耗量が検出され得る。
したがって、この構成によれば、表面弾性波素子9を用いることによっても、摩擦パッド6の摩耗量を検出できる。ところで、熱電モジュール7は、高温側温度と低温側温度との温度差によって発電するため、摩擦パッド6の温度が低いこと等によって熱電モジュール7の発電出力が低い場合がある。これにより、熱電モジュール7を用いて摩擦パッド6の摩耗量を検出することが困難になる場合があるが、このような場合でも、表面弾性波素子9を用いて摩擦パッド6の摩耗量を検出することが可能である。例えば、熱電モジュール7の発電出力が所定値よりも低い場合に、熱電モジュール7を用いた摩擦パッド6の摩耗量の検出から、表面弾性波素子9を用いた摩擦パッド6の摩耗量の検出に切り替える制御が行われてもよい。あるいは、常時、熱電モジュール7を用いた摩擦パッド6の摩耗量の検出と、表面弾性波素子9を用いた摩擦パッド6の摩耗量の検出との両方が行われてもよい。このようにすれば、例えば一方の検出が故障等で実施できなくなった場合でも他方の検出が実施されるため、信頼性が高まる。
また、本実施形態では、摩擦パッド6は、ディスクロータ2に摺接するライニング6aと、該ライニング6aが装着される裏板6bとを有している。そして、熱電モジュール7および表面弾性波素子9は、裏板6bに交換可能な状態で装着されている。この構成では、熱電モジュール7は、効率良く発電出力を生じさせることができる。また、ライニング6aが摩耗して摩擦パッド6の交換時期が来た場合には、熱電モジュール7および表面弾性波素子9を裏板から取り外すことができる。したがって、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の再利用が可能となる。
なお、熱電モジュール7および表面弾性波素子9は、裏板6bに一体的に形成されていてもよい。この構成では、熱源となるライニング6aに熱電モジュール7をより近接させることができるので、摩擦熱の電気への変換効率が良くなる。また、摩擦パッド6を交換する際に摩擦パッド6、摩耗センサ8および熱電モジュール7をまとめて交換できるので、作業性が向上する。
また、本実施形態では、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の少なくとも一方は、裏板6bのライニング6aとは反対側の面に配置されている。この構成では、裏板6bに対して熱電モジュール7および表面弾性波素子9をより容易に配置できる。また、熱電モジュール7は、裏板6bのライニング6aとは反対側の面に配置されることによって、摩擦パッド6の摩擦熱をより効果的に利用できる。
また、本実施形態では、制動装置1は、熱電モジュール7による発電出力の値に基づいて摩擦パッド6の温度を推定する温度推定手段12を備えている。また、制動装置1は、温度推定手段12によって推定された温度に基づいて、ユーザに警告を与える制御を行う警告手段14を備えている。この構成では、制動時における摩擦パッド6の摩擦熱によって熱電モジュール7に生じた発電出力の値を検出することで、該発電出力の値に基づいて摩擦パッド6の温度を推定できる。また、この際には、例えば温度センサを作動させるような電源は不要である。
また、ユーザは、摩擦パッド6が高温になったことを確実に認識できる。したがって、ユーザは、例えば制動装置1の頻繁な使用を控えること等によって、摩擦パッド6の温度上昇を抑制することができる。
また、本実施形態では、制動装置1は、車輪を駆動する電気モータを備える車両に用いられるものであり、温度推定手段12によって推定された温度に基づいて、制動力の少なくとも一部を回生ブレーキに切り替える制御を行う制動力切替手段15を備えている。この構成では、摩擦パッド6が高温になった場合、制動力の少なくとも一部が回生ブレーキに切り替えられる。このため、摩擦パッド6のディスクロータ2への摺接による摩擦ブレーキの割合が低減される。したがって、摩擦パッド6の温度上昇を抑制することができる。
図5は、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の位置の第1変形例を示す図であり、図2に対応した斜視図を示している。
図5に示すように、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の少なくとも一方は、裏板6bにおけるディスクロータ2の半径方向外側の側面に配置されていてもよい。この構成では、裏板6bに対して熱電モジュール7および表面弾性波素子9の少なくとも一方を容易に配置できる。また、熱電モジュール7は、裏板6bにおけるディスクロータ2の半径方向外側の側面に配置されることによって、摩擦パッド6の摩擦熱に加えて、ディスクロータ2からの放熱も有効に利用できる。
図6は、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の位置の第2変形例を示す図であり、制動装置1をディスクロータ2の他側方から見た図である。ただし、図6では、説明の便宜上、キャリパブラケット3の図示を省略してある。
図6に示すように、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の少なくとも一方は、反作用部5bの先端側に設けられた複数の爪5g,5gの間の少なくとも一部を覆うように配置されていてもよい。この構成では、スペースを有効利用して、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の少なくとも一方を容易に配置できる。また、熱電モジュール7は、複数の爪5g,5gの間の少なくとも一部を覆うように配置されることによって、摩擦パッド6の摩擦熱を有効に利用できる。
図7は、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の位置の第3変形例を示す図であり、図1に対応した平面図を示している。
図7に示すように、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の少なくとも一方は、ブリッジ部5cに形成された開口部5fの少なくとも一部を覆うように配置されていてもよい。この構成では、スペースを有効利用して、熱電モジュール7および表面弾性波素子9の少なくとも一方を容易に配置できる。また、熱電モジュール7は、ブリッジ部5cに形成された開口部5fの少なくとも一部を覆うように配置されることによって、摩擦パッド6の摩擦熱に加えて、ディスクロータ2からの放熱も有効に利用できる。
以上、本発明について、実施形態に基づいて説明したが、本発明は、前記実施形態に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。また、前記実施形態の構成の一部について、追加、削除、置換をすることができる。
例えば、前記した実施形態では、制動装置1がピンスライド型の車両用ディスクブレーキである場合について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明はピストンがディスクロータの軸方向に対向して設けられる対向型のディスクブレーキやドラムブレーキにも適用可能である。
また、車両は、電動モータで駆動する車両に限られず、内燃機関等のエンジンを用いたものであっても良い。
1 制動装置
2 ディスクロータ(回転部材)
4 スライドピン
5 キャリパボディ
5a 作用部
5b 反作用部
5c ブリッジ部
5f 開口部
5g 爪
6 摩擦パッド(摺動部材)
6a ライニング(摩擦材)
6b 裏板
7 熱電モジュール
7a 基板
7b 熱電材料
7c 無線機
8 摩耗センサ
81 回路素子
9 表面弾性波素子
91 第1櫛形電極体
92 第2櫛形電極体
93 アンテナ
10 制御部
12 温度推定手段
13 温度上昇抑制手段
14 警告手段
15 制動力切替手段
16 摩耗量検出手段

Claims (14)

  1. 回転部材に摺接することで該回転部材を制動する摺動部材と、
    制動時における前記摺動部材の摩擦熱を電気に変換して発電出力を生じる熱電モジュールと、
    前記熱電モジュールから給電される回路素子と、
    前記回路素子の特性値に対応する信号に基づいて前記摺動部材の摩耗量を検出する摩耗量検出手段と、を備え、
    前記回路素子は、前記摺動部材に装着されて該摺動部材の摩耗に応じて摩耗して特性値が変化することを特徴とする制動装置。
  2. 前記熱電モジュールは、基板と、該基板に実装された熱電材料と、を有することを特徴とする請求項1に記載の制動装置。
  3. 前記回路素子の特性値に対応する信号を前記摩耗量検出手段に無線で送信する無線機を備え、
    前記無線機は、前記熱電モジュールから給電されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の制動装置。
  4. 表面弾性波を相互に送受信可能な第1櫛形電極体および第2櫛形電極体を有する表面弾性波素子を備え、
    前記第1櫛形電極体は、前記回路素子に接続されており、
    前記第2櫛形電極体は、アンテナに接続されており、前記アンテナから入力された電気信号を表面弾性波に変換して前記第1櫛形電極体へ伝達し、
    前記第1櫛形電極体は、前記回路素子の摩耗量に応じて反射率を変化させて、前記第2櫛形電極体から伝達された表面弾性波を反射し、
    前記第2櫛形電極体は、前記第1櫛形電極体から反射された表面弾性波を受信し電気信号に変換して前記アンテナに出力し、
    前記アンテナから前記摺動部材の摩耗量に応じた反射信号が出力されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の制動装置。
  5. 前記摺動部材は、前記回転部材に摺接する摩擦材と、該摩擦材が装着される裏板と、を有し、
    前記熱電モジュールは、前記裏板に交換可能な状態で装着されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の制動装置。
  6. 前記摺動部材は、前記回転部材に摺接する摩擦材と、該摩擦材が装着される裏板と、を有し、
    前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子は、前記裏板に交換可能な状態で装着されていることを特徴とする請求項4に記載の制動装置。
  7. 前記摺動部材は、前記回転部材に摺接する摩擦材と、該摩擦材が装着される裏板と、を有し、
    前記熱電モジュールは、前記裏板に一体的に形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の制動装置。
  8. 前記摺動部材は、前記回転部材に摺接する摩擦材と、該摩擦材が装着される裏板と、を有し、
    前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子は、前記裏板に一体的に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の制動装置。
  9. 前記摺動部材は、前記回転部材に摺接する摩擦材と、該摩擦材が装着される裏板と、を有し、
    前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子の少なくとも一方は、前記裏板の前記摩擦材とは反対側の面に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の制動装置。
  10. 前記摺動部材は、前記回転部材に摺接する摩擦材と、該摩擦材が装着される裏板と、を有し、
    前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子の少なくとも一方は、前記裏板における前記回転部材の半径方向外側の側面に配置されていることを特徴とする請求項4に記載の制動装置。
  11. スライドピンを介して前記回転部材の軸方向に移動可能に支持されるキャリパボディを備え、
    前記キャリパボディは、前記回転部材の軸方向両側に配置される作用部および反作用部と、前記作用部および前記反作用部を前記回転部材の外周縁を軸方向に跨いで連結するブリッジ部と、を有し、
    前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子の少なくとも一方は、前記反作用部の先端側に設けられた複数の爪の間の少なくとも一部を覆うように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の制動装置。
  12. 前記回転部材の外周縁を軸方向に跨ぐブリッジ部を有するキャリパボディを備え、
    前記熱電モジュールおよび前記表面弾性波素子の少なくとも一方は、前記ブリッジ部に形成された開口部の少なくとも一部を覆うように配置されていることを特徴とする請求項4に記載の制動装置。
  13. 前記熱電モジュールによる前記発電出力の値に基づいて前記摺動部材の温度を推定する温度推定手段と、
    前記温度推定手段によって推定された温度に基づいて、ユーザに警告を与える制御を行う警告手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の制動装置。
  14. 前記制動装置は、車輪を駆動する電気モータを備える車両に用いられるものであり、
    前記熱電モジュールによる前記発電出力の値に基づいて前記摺動部材の温度を推定する温度推定手段と、
    前記温度推定手段によって推定された温度に基づいて、制動力の少なくとも一部を回生ブレーキに切り替える制御を行う制動力切替手段と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の制動装置。
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