JP2020138785A - 押出しブロー容器 - Google Patents
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Abstract
Description
メタリック感を付与(加飾)する方法としては、例えば金属顔料の塗装を利用する方法、或いは金属を主体とする蒸着膜の蒸着を利用する方法(例えば下記特許文献1参照)等が知られている。
特に、内層は外層よりも光透過率が低い第2合成樹脂によって形成されているので、外層よりは可視光を透過し難い。そのため、可視光が内層を抜けてしまい難く、内層中に含まれる金属粉の存在を際立たせることができ、メタリック感に深みを持たせることができる。それに加え、シルクのような滑らかな光沢を帯びたシルク感を具備する質感も発揮させることができる。
しかも、金属粉の粒子径が小さいので、内層の外面に金属粉が一様に連なった金属面のような質感を発揮させることができる。従って、より一層滑らかなシルク感を発揮させ、且つ内層の外面に金属粉が一様に連なった金属面のような質感を求めたい場合には、とくに有効である。
図1に示すように、本実施形態の押出しブロー容器1は、合成樹脂製のEBMボトルであって、内容物が充填される有底筒状の容器本体10を備えている。
容器本体10は、円筒状の口部11と、口部11に連設された円筒状の肩部12と、肩部12に連設された円筒状の胴部13と、胴部13に連設された有底円筒状の底部14と、を備えている。
ただし、キャップの装着方法は、螺着に限定されるものではなく、例えばアンダーカット嵌合により口部11に装着されても構わない。この場合には、口部11の外周面に、キャップをアンダーカット嵌合させるための嵌合突起部を雄ねじ部11aに代えて形成すれば良い。なお、アンダーカット嵌合により口部11にキャップを装着する場合には、例えばキャップをヒンジ付きキャップとすることもできる。
例えば、押出しブロー容器を、胴部13が横断面視で多角形状に形成された角型ボトルとしても構わない。さらに、上方から下方に向かうにしたがって拡径する胴部13を具備する押出しブロー容器としても構わない。さらには、肩部12を具備せずに、胴部13の上端部側を縮径させ、縮径した胴部13の上端部を口部11の下端部に連設させた容器本体を具備する押出しブロー容器としても構わない。
具体的には、第1合成樹脂30は、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET樹脂)を主材料とする樹脂とされている。ただし、第1合成樹脂30はPET樹脂を含んでいれば良く、その他の合成樹脂或いは添加物等を含んでいても構わない。
外層20の膜厚は、例えば90μm前後とされている。ただし、外層20の膜厚は一例であって、適宜変更して構わない。
マスターバッチは、高濃度の顔料が練りこまれたペレット状の着色剤であって、例えばナチュラルペレットと共に第1合成樹脂30内に混ぜ合わされ、両者の比率に応じて色の濃淡を任意に調整することが可能とされている。これにより、第1合成樹脂30は所望の色調に適切に調整することが可能とされている。
着色剤は、第1合成樹脂30に対して15重量%濃度未満となるように、第1合成樹脂30に含まれている。
内層22の膜厚は、例えば690μm前後とされ、容器本体10を構成する層のうち最も肉厚の層とされている。従って、本実施形態では、外層20は内層22よりも薄肉に形成されている。ただし、内層22の膜厚は一例であって、適宜変更して構わない。
金属粉32としては、例えばアルミニウムが極薄のフレーク状或いは粉状に形成されたアルミ粉が挙げられる。ただし、この場合に限定されるものではなく、アルミニウム以外の金属を採用しても構わない。金属粉32の粒子径としては、3μm以上、20μm未満とされている。
内層22は、金属粉32が添加された第2合成樹脂31を押出しブロー成形することで形成されている。これにより、内層22の全体には、金属粉32がむらなく均等に存在している。
接着層21の膜厚としては、例えば60μm前後とされている。ただし、接着層21の膜厚は一例であって、適宜変更して構わない。例えば接着層21の膜厚を、10μm前後としても構わない。
従って、最内層23は、上述した接着層21を間に介在させることなく、内層22に対して密着している。ただし、最内層23はPP樹脂を含んでいれば良く、その他の合成樹脂或いは添加物等を含んでいても構わない。
最内層23の膜厚は、例えば30μm前後とされ、外層20及び内層22よりも薄肉とされている。ただし、最内層23の膜厚は一例であって、適宜変更して構わない。
上述のように構成された押出しブロー容器1によれば、着色剤によって着色された外層20を通じて、複数の金属粉32が含まれた内層22を容器本体10の外側から視認することができる。そのため、金属粉32での反射光による金属光沢感の効果によって、メタリック感を得ることができる。これにより、メタリック感を感じながら着色された外層20を視認することができるので、メタリック調の光沢を帯びた外観性を具備させることができる。
さらに、本実施形態では内層22自身も光透過性を有しているので、該内層22中に含まれる複数の金属粉32のほぼ全てを容器本体10の外側から視認することができる。なお、内層22自身が光透過性を具備しない場合には、内層22の外面付近に存在している一部の金属粉32だけしか視認することができなくなるので、適切なメタリック感が得られ難い。これに対して本実施形態によれば、上述のように内層22中に含まれる金属粉32のほぼ全てを視認できるので、金属粉32の存在を際立たせることができ、メタリック感に十分な深みを持たせることができる。
以下、押出しブロー成形を利用した、押出しブロー容器1の製造方法について簡単に説明する。
次いで、積層パリソン内に加圧エアを供給する(吹き込む)ことで、積層パリソンを膨らますブロー工程を行う。これにより、積層パリソンを成形用金型の成形面に押し当てることができ、成形面に対応した形状で積層パリソンを成形することができる。その結果、図1に示す押出しブロー容器1を形成することができる。
なお、上記ブロー工程時、成形用金型の成形面を鏡面加工した場合には、外層20の外面をより平滑に形成できるので、より滑らかで光沢を帯びた質感を具備させることが可能である。
実施例1として、以下の各種の条件で押出しブロー容器を製造した。
外層20を構成する第1合成樹脂30としては、PET樹脂(商品名:EB062、Haze:1.3%、イーストマン・ケミカル・ジャパン社製)を用いた。そして、この第1合成樹脂30中に、赤色の着色剤を8重量%濃度含有させた。
内層22を構成する第2合成樹脂31としては、PP樹脂(商品名:E233GV、Haze:15%、プライムポリマー社製)を用いた。金属粉32としては、粒子径5μmのアルミ粉を用いた。そして、第2合成樹脂31中に金属粉32を1重量%添加した。
最内層23を構成する合成樹脂としては、第2合成樹脂31と同様に、PP樹脂(商品名:E233GV、Haze:15%、プライムポリマー社製)を用いた。
接着層21としては、接着性樹脂(商品名:F503、三菱ケミカル社製)を用いた。
実施例2として、上記実施例1において、着色材の濃度だけを変えて押出しブロー容器を製造した。それ以外の各種条件は実施例1と同じである。着色剤の濃度としては、第1合成樹脂30中に、赤色の着色剤を5重量%濃度含有させた。
実施例1に対する比較例として、上記実施例1において、金属粉32の粒子径だけを変えて押出しブロー容器を製造し、これを比較例1とした。それ以外の各種条件は実施例1と同じである。
金属粉32としては、本発明における粒子径範囲(3μm以上、20μm未満)外である粒子径40μmのアルミ粉を用いた。そして、第2合成樹脂31中に金属粉32を0.3重量%添加した。
実施例2に対する比較例として、上記実施例2において、金属粉32の粒子径だけを変えて押出しブロー容器を製造し、これを比較例2とした。それ以外の各種条件は実施例2と同じである。
金属粉32としては、本発明における粒子径範囲(3μm以上、20μm未満)外である粒子径40μmのアルミ粉を用いた。そして、第2合成樹脂31中に金属粉32を0.3重量%添加した。
光沢度測定試験としては、JIS規格で規定される鏡面光沢度の測定方法に準拠した方法で行った。本試験では、外層20を通じて内層22の外面に向けて所定の入射角度で検出光を照射し、内層22の外面で反射された反射光の光エネルギーを測定することで、反射率(%)を算出した。入射角度としては、20度、60度とした。
図3に示すように、入射角度が20度の場合では、金属粉32の粒子径が40μmである比較例1及び比較例2の方が、粒子径が5μmである実施例1及び実施例2よりも光沢度(%)が小さかった。金属粉32による乱反射の影響によって、反射光の光エネルギーが低下したものと推測できる。
その一方、入射角度が60度の場合では、金属粉32の粒子径が40μmである比較例1及び比較例2の方が、粒子径が5μmである実施例1及び実施例2よりも光沢度(%)が大きかった。この場合には、入射角度が垂直に近づくので、金属粉32での反射の影響によって、強く反射したものと推測できる。
・△G=((入射角度60度での光沢度G)−(入射角度20度での光沢度G))/(入射角度20度での光沢度G)
これら各図から理解できるように、図4及び図5に示す本発明に係る押出しブロー容器40、41の方が、図6及び図7に示す押出しブロー容器42、43よりも、より一層滑らかなシルク感とされ、内層22の外面に金属粉23が一様に連なった金属面のような質感を発揮できることが確認できた。
従って、より一層滑らかなシルク感を発揮させ、且つ内層22の外面に金属粉23が一様に連なった金属面のような質感が現れるような容器としたい場合には、粒子径を小さくすることが有効であることを確認できた。
例えば、外層20を構成する第1合成樹脂30を、第2合成樹脂31と同様に主にPP樹脂で形成しても構わない。この場合には、外層20と内層22との接着性が向上するので、外層20と内層22との間に接着層21を介在させなくても構わない。
10…容器本体
11…口部
13…胴部
14…底部
20…外層
22…内層
23…最内層
30…第1合成樹脂
31…第2合成樹脂
32…金属粉
Claims (6)
- 口部、胴部及び底部が上方から下方に向けてこの順に連設された合成樹脂製の容器本体を有する押出しブロー容器であって、
前記容器本体は、
着色剤を含んだ第1合成樹脂によって形成されると共に、光透過性を有する外層と、
前記外層よりも光透過率が低い第2合成樹脂によって形成されると共に、前記外層よりも前記容器本体の径方向内側に配設された内層と、を備え、
前記第2合成樹脂には、粒子径が20μm未満とされた金属粉が含まれていることを特徴とする押出しブロー容器。 - 請求項1に記載の押出しブロー容器において、
前記金属粉は、粒子径が3μm以上とされている、押出しブロー容器。 - 請求項1又は2に記載の押出しブロー容器において、
前記外層は、前記内層よりも薄肉に形成されている、押出しブロー容器。 - 請求項1から3のいずれか1項に記載の押出しブロー容器において、
前記内層は、光透過性を有している、押出しブロー容器。 - 請求項1から4のいずれか1項に記載の押出しブロー容器において、
前記容器本体は、前記第2合成樹脂によって形成され、前記内層よりも前記容器本体の径方向内側に配設された最内層を備えている、押出しブロー容器。 - 請求項1から5のいずれか1項に記載の押出しブロー容器において、
前記着色剤は、前記第1合成樹脂に対して15重量%濃度未満となるように、前記第1合成樹脂に含まれている、押出しブロー容器。
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