JP2020138659A - 作業車輌の自動操舵装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】前輪2を操舵して作業車輌の進行方向Sの変更を行う場合に、その進行方向Sの変更量に影響力を及ぼす肥料や苗等の消費財を積載する作業車輌1を、自動操舵装置によって走行目標経路に沿って走行させる際の前輪2の操舵量を適正に設定して、未作業領域や重複作業領域を減らしながら、安定した作業走行を行うことができる作業車輌の自動操舵装置を提供する。【解決手段】自動操舵装置は、作業車輌1の走行目標経路からの偏差に対して前輪2を操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる際の前輪2の操舵量を、前輪2又は前輪2と後輪3に加わる分担荷重WF、WRに応じて調節する。【選択図】図5

Description

本発明は、乗用型田植機や野菜苗の移植機、或いは農業用トラクタ等の作業車輌に設ける自動操舵装置に関し、詳しくは、前輪と後輪を備えると共に肥料や苗等の消費財を積載する走行機体に作業機を連結する作業車輌を、その前輪を操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる自動操舵装置に関する。
農業用の作業車輌にあっては圃場内で苗の植付作業や耕起作業等を行う。そして、作業車輌はその作業走行を行う場合、走行機体をできるだけ真っすぐに且つ一定の作業間隔で走行させることが未作業領域や重複作業領域を減らして作業能率を向上させるうえで重要である。そこで、昨今、作業車輌の現在位置、作業軌跡及び作業目標経路等を表示して、作業者はその情報に基づいて作業車輌を運転することで無駄のない高精度な作業の実践を支援するナビゲーションシステムが開発されて実用化されている。
また、このナビゲーションシステムは例えば、近距離無線通信機能を備えたGNSS(全地球測位システム)受信機とデジタル方位計、同じく近距離無線通信機能を備えたタブレットパソコン、このタブレットパソコンにインストールするナビゲーションソフトフェア等から構成する。さらに、ナビゲーションシステムはこれらの機器を作業車輌に後付けし、先ず作業の開始時に手動操舵によるティーチング走行を行って直進方向の作業方位を取得する。
そして、この取得した作業方位に基づいて次回以降の作業目標経路を演算し、次に作業車輌の現在位置と作業目標経路と作業目標経路からの偏差等をタブレットパソコンのディスプレイに数値とともにグラフィック表示して、作業者による直進走行を行うためのサポートを行う。また、このようなナビゲーションシステムは、直進走行の精度向上や作業者の操縦負担の軽減を目的に作業車輌の自動操舵機能を盛り込む研究が現在進められている。
なお、このような作業車輌の直進走行のための自動操舵技術は以前から研究されていて例えば、走行地面の凹凸にかかわらず車体を目標方向に沿って直進走行させるステアリング制御を精度よく行えるようにするために、走行車体の設定姿勢からの傾斜角度を検出する角度検出センサを設け、この角度検出センサの検出情報に基づいて、前後傾斜角度が大きいほどステアリング駆動機構の修正量を大きくさせるよう、方位センサの検出値又はこの検出値に対応する制御目標を自動補正するように構成することが知られている(特許文献1参照)。
また、農用車両の直進制御法として、ティーチング走行時、及び自動走行時に、方位センサにより検出される方位データについて、傾斜センサから得られる農用車両の傾斜情報に基づく傾斜補正などの個々のデータに対する補正を行った上で、過去数秒間に取得した複数個の方位データから擬似的なRCフィルタを構成して、現時点での方位データとして取得することが知られている(特許文献2参照)。
さらに、設定された目標走行経路に沿って、作業走行中であっても、高い精度をもって自動操舵走行することができるようにするために、目標走行経路に対する自車位置との間の位置偏差に基づいて偏差解消の第1操舵値が出力する第1制御演算部と、位置偏差と、位置偏差が大きくなるにしたがって減少傾向を示す重み係数を用いて調整された方位偏差とに基づいて偏差解消の第2操舵値を出力する第2制御演算部と、第1操舵値と第2操舵値とに基づいて目標走行経路に沿って走行するための目標操舵値を出力する目標操舵演算部を備えることが知られている(特許文献3参照)。
特開平7−39205号公報 特開2000−14209号公報 特開2016−155491号公報 特開2017−123804号公報
前述のように、前輪と後輪を備える走行機体に作業機を連結する作業車輌にあっては、作業者の操縦負担の軽減を図るために、前輪を自動操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる自動操舵装置を設けることは有用である。また、このような自動操舵装置を設けるうえで走行目標経路に対する作業車輌の実際の走行経路の偏差を極力少なくすることは、未作業領域や重複作業領域を減らすうえで最も重要な事項である。
そこで、この偏差を少なくするために特許文献3では、電子制御ユニットに第1操舵値と第2操舵値とに基づいて目標走行経路に沿って走行するための目標操舵値を出力する目標操舵演算部を備えることが示され、また、特許文献1では走行車体の傾斜角度を検出して、この検出情報に基づいてステアリング駆動機構の修正量を変化させることが示され、種々の試みが行われていることが伺える。
ところで、これ等の自動操舵装置において目標操舵角を出力して操舵する作業車輌の前輪は、単に操舵輪として機能する場合(2輪駆動)もあるが、エンジンによって後輪と共に駆動して駆動輪としても機能させる場合(4輪駆動)があり、特に農業用の作業車輌では田畑で作業走行を行うために、その湿田での脱出性や直進安定性に優れた4輪駆動形態で使用することが多い。そして、このように4輪駆動形態で前輪を操舵して作業車輌の進行方向を変える場合、前輪と後輪の周速度を略同速に固定していると内輪差によって前輪か後輪の何れかがスリップしながら進行方向を変えることになる。
また、その際、分担荷重が前輪より後輪が大きければ、路面に対するトラクションに基づく後輪のグリップ力が前輪のグリップ力より上回って前輪がスリップする割合が多くなり、それに伴って作業車輌の進行方向Sを変え難くなる(曲がり難くなる)。さらに、2輪駆動形態であれば前輪と後輪の間のスリップを考慮する必要はないが、後輪のトラクションによって作業車輌が走行する際の前輪の転がり力だけに頼って作業車輌の進行方向Sを変更することになるから、この場合も前輪の分担荷重が少なくなれば同様に進行方向Sを変え難くなる。なお、作業走行を行う場合の車速は低速であるから進行方向Sを変更する際の遠心力の影響は殆ど無視することができる。
従って、作業車輌の前輪を自動操舵装置によって目標操舵角に制御しても前輪と後輪の分担荷重によって実際の作業車輌の進行方向S(前輪の操舵角方向の駆動力TFと後輪の直進方向の駆動力TRを合算した方向)の変更量は変化する。そして、この進行方向Sの変更量が少なければ偏差を解消させるための目標とする進行方向Sの変更量に届かないことになって、走行目標経路に戻す際の応答性が悪くなり、短時間で作業車輌を走行目標経路に戻すことができなくなる。
また、逆に進行方向Sの変更量が多ければ目標を上回って極短時間で作業車輌を走行目標経路に戻すことになり、この際には急激な進行方向Sの変更によって自動操舵制御が間に合わず作業車輌が走行目標経路から逆方向にオーバーシュートしたり、走行目標経路を跨いで作業車輌がハンチングする等の問題を生じさせる。
さらに、ここで問題とする前輪と後輪の分担荷重は、作業車輌の運転席に座る作業者の体重の軽重によって多少変化し、また、作業車輌の特に前後方向の傾斜(ピッチング)に伴って多少変化する。そして、走行機体に肥料や苗等の消費財を積載し、これらの消費財を走行機体に連結する作業機を介して圃場に供給したり植付ける場合には、この消費財を消費することが作業走行の主目的であるから当然、能率的な作業走行を行う上で作業開始時の消費財の積載重量は多くなり、また、作業走行に伴って消費財は消費されるから分担荷重が最も大きく変化する要因となる。
そこで、本発明は、前輪を操舵して作業車輌の進行方向Sの変更を行う場合に、その進行方向Sの変更量に影響力を及ぼす肥料や苗等の消費財を積載する作業車輌を、自動操舵装置によって走行目標経路に沿って走行させる際の前輪の操舵量を適正に設定して、未作業領域や重複作業領域を減らしながら、安定した作業走行を行うことができる作業車輌の自動操舵装置を提供することを課題とする。
本発明の作業車輌の自動操舵装置は、上記課題を解決するため、前輪と後輪を備えると共に肥料や苗等の消費財を積載する走行機体に作業機を連結する作業車輌を、その前輪を操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる自動操舵装置にあって、前記自動操舵装置は、作業車輌の走行目標経路からの偏差に対して前輪を操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる際の前輪の操舵量を、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重に応じて調節することを特徴とする。
また、本発明の作業車輌の自動操舵装置は、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重を、残存する消費財の重量に基づいて推定することを特徴とする。さらに、本発明の作業車輌の自動操舵装置は、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重を、残存する消費財の重量と走行機体の前後方向の傾斜角度に基づいて推定することを特徴とする。
そして、本発明の作業車輌の自動操舵装置は、残存する消費財の重量を、走行機体の前輪寄りに設ける容器、又は載置台、或いは容器と載置台に収容する消費財の残存レベル又は残存数に基づいて推定することを特徴とする。また、本発明の作業車輌の自動操舵装置は、作業車輌の走行目標経路からの偏差に対して前輪の操舵量を、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重に応じて設定するゲインに基づくPI制御、又はPID制御によって決定することを特徴とする。
本発明の作業車輌の自動操舵装置によれば、前輪と後輪を備えると共に肥料や苗等の消費財を積載する走行機体に作業機を連結する作業車輌を、その前輪を操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる自動操舵装置にあって、前記自動操舵装置は、作業車輌の走行目標経路からの偏差に対して前輪を操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる際の前輪の操舵量を、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重に応じて調節するから、自動操舵装置によって走行目標経路に沿って走行させる際の前輪の操舵量を適正に設定して、前輪又は前輪と後輪の分担荷重の変動に関わらず進行方向の変更量の変化を少なくすることができる。
また、この進行方向の変更量が少なければ偏差を解消させるための走行目標経路に戻す際の応答性が悪くなって、短時間(短距離)で作業車輌を走行目標経路に戻すことができなくなり、未作業領域や重複作業領域を増やすことになる。逆に進行方向の変更量が多ければ偏差は短時間で無くすことができるものの、その急激な進行方向の変更によって自動操舵制御が間に合わず作業車輌が走行目標経路から逆方向に行き過ぎてオーバーシュートを発生したり、走行目標経路を跨いで反復移動して作業車輌がハンチングする等の問題を生じさせる。
しかし、進行方向の変更量の変化を少なくすると、走行目標経路に戻す際の応答性が適正に保たれて未作業領域や重複作業領域を減らすことができる。また、進行方向の変更量の過多によって生ずるオーバーシュートやハンチングを無くして、同様に未作業領域や重複作業領域を減らすことができると共に、作業車輌のふらつきを少なくして例えば、苗の植付姿勢等の乱れもなく安定した前輪の操舵制御を行うことができる。
また、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重を直に計測しようとすると、作業車輌の構造の変更が発生したり、計測装置が大掛かりなものになり易くコストアップに繋がる。しかし、自動操舵装置は、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重を、残存する消費財の重量に基づいて推定すると、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重を、その最も変動要因となる残存する消費財の重量に基づいて直に計測する場合の分担荷重に近似する値として求めることができる。そのため、残存する消費財の重量を構造変更の発生を少なく、また、計測装置も簡単なものにすることができて、コストアップを最小限に抑えることができる。
さらに、自動操舵装置は、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重を、残存する消費財の重量と走行機体の前後方向の傾斜角度に基づいて推定すると、上記効果に加えて走行機体の前後方向の傾斜角度の変動に対する分担荷重の変動を加味したより正確な分担荷重に基づいて前輪の操舵量を調整することができる。
そして、自動操舵装置は、残存する消費財の重量を、走行機体の前輪寄りに設ける容器、又は載置台、或いは容器と載置台に収容する消費財の残存レベル又は残存数に基づいて推定すると、残存する消費財の重量を直に計測しようとする場合に比較して、消費財の残存レベルを検出するレベルセンサ又は残存数を検出するフォトセンサ或いはマイクロスイッチ等の安価なセンサを用いて推定することができ、また、元々備わったセンサを利用することもできて、コスト低減を図ることができる。
しかも、自動操舵装置は、作業車輌の走行目標経路からの偏差に対して前輪の操舵量を、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重に応じて設定するゲインに基づくPI制御、又はPID制御によって決定すると、フィードバック制御の基礎ともなっていて比較的調整を行い易い制御手法を用いて前輪の操舵量を決定することができ、開発乃至調整期間を短縮することができる。
本発明を適用する乗用型田植機の側面図である。 乗用型田植機の平面図である。 自動操舵装置に関わる機器の配置構造を示す説明図である。 自動操舵装置の制御に関わるブロック図である。 前輪の自動操舵系を示す制御図である。 作業車輌を走行目標経路に沿って走行させる説明図である。 乗用型田植機の動力伝達図である。 操舵コントローラの斜視図である。 消費財の重量を推定する説明図である。
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1乃至図3に示すように農業用の作業車輌を構成する乗用型田植機1は、左右の前輪2と後輪3を備える走行機体4の後部にリンク機構5を介して作業機としての植付装置6をローリング自在に連結する。そして、この植付装置6は、走行機体4の後部とリンク機構5の後部に亘って取付ける油圧シリンダ7によって下降させた作業姿勢と上昇させた非作業姿勢に亘って昇降自在に設ける。
なお、後輪3と植付装置6との間には、走行機体4の旋回によって荒れた枕地を均す整地ロータ8を設け、この整地ロータ8は植付装置6と共に昇降するように設ける。一方、走行機体4は、左右のサイドメンバーに複数のクロスメンバーを固着して構成するシャーシフレーム9に、トランスミッションケース10、左右のフロントアクスルケース11、リヤアクスルケース12等を取付けて一体的に構成する。
また、トランスミッションケース10の前部寄りにエンジンフレームを取付け、このエンジンフレームにはエンジン13を搭載する。さらに、エンジン13後方のシャ−シフレーム9に取付けるトランスミッションケース10は、その上面にパワーステアリング装置を構成するトルクジェネレータ14を取付ける。そして、このトルクジェネレータ14には、上方に延出するステアリングシャフト15とこのステアリングシャフト15を内包するステアリングコラム16を立設する。また、ステアリングシャフト15の上端部には前輪2を操舵するステアリングホイール17を取付ける。
さらに、トルクジェネレータ14の出力シャフトはトランスミッションケース10内に設ける歯車減速装置に連結し、また、この歯車減速装置のセクタシャフトの下端はトランスミッションケース10の下方に突出し、セクタシャフトの下端部にピットマンアーム18を設ける。また、ピットマンアーム18に取付ける左右のタイロッド19は、フロントアクスルケース11の両端部に設けるキングピンケース20を介して左右の前輪2を操舵する。
一方、前記ステアリングコラム16の中途部にブラケットを固着し、このブラケットの左右に主変速レバー21、副変速レバー22、及びエンジンコントロールレバー23を回動自在に取付け、これ等の基部側を覆うと共に操作スイッチやモニタパネルを備えるパネルカバー24を設ける。また、パネルカバー24の下方側には、スタータスイッチ等を取付けるリヤカバー25を設け、パネルカバー24とリヤカバー25の前方側には、前照灯を備えてエンジン13の後方側と下方側を除いてこれを覆うボンネット26を設ける。
さらに、前記シャーシフレーム9には、合成樹脂製のフロントステップ27とリヤステップ28を設ける。この内、フロントステップ27は、ボンネット26の左右側方となる左右のフロントステップ部27aと、これに続いてリヤカバー25の後方となるフロアステップ部27bを備える。一方、リヤステップ28は、フロアステップ部27bの後部寄りから階段状に立ち上がり、シャーシフレーム9の後部に設けるシートフレームに取付ける。
そして、このリヤステップ28は、その上部中央に運転席29を設け、また、運転席29の左右にはリヤサイドステップ部28aを設ける。なお、フロアステップ部27bの前部中央寄りには株間調節レバーを通す開口を、また、前部右寄りにはブレーキぺダル30を通す開口を設ける。なお、31はフロアステップ部27bの左右に設ける延長ステップであって、この右延長ステップ31と右リヤサイドステップ部28aの下方にはエンジンの燃料タンクを設ける。
ここで、乗用型田植機1の動力伝達系について簡単に説明すると、図7に示すようにエンジン13は伝動ベルトを介してトランスミッションケース10に取付けるHST(静油圧式無段変速装置:主変速装置)32を駆動する。また、HST32からトランスミッションケース10内に伝達された動力は、トランスミッションケース10内に設ける歯車変速装置によって構成する副変速装置33、及び前輪2の差動歯車装置34を経由して、左右のフロントアクスルケース11及びキングピンケース20内に設ける伝動軸を介して左右の前輪2を駆動する。さらに、副変速装置33からリヤアクスルケース12内に設ける左右の湿式ディスク型のサイドクラッチ35を介して後輪3を駆動する。
なお、副変速装置33から左右のサイドクラッチ35に動力を伝達する伝動軸にはディスクブレーキ36を設け、前述のブレーキぺダル30を踏み込むと主変速レバー21は中立位置に戻ってHST32は中立となり、また、ディスクブレーキ36が作動して前輪2と後輪3に四輪ブレーキがかかる。さらに、ピットマンアーム18と左右のサイドクラッチ35はロッドによって連結し、田植機1を枕地で旋回させる際にステアリングホイール17を所定量以上に回すと旋回側となるサイドクラッチ35が切られて、その側の後輪3は自由回転状態になる。
また、植付装置6への伝動は、トランスミッションケース10内に設けるトルクリミッタ37と植付クラッチ38を介してギヤケースに設ける株間変速装置39を駆動する。そして、株間変速装置39からドライブシャフト40を介して植付装置6のドライブケース41に設ける植付入力シャフト42を駆動する。なお、整地ロータ8は走行系のディスクブレーキ36と左右のサイドクラッチ35の間から分岐した動力をロータクラッチ43とロータドライブシャフト44を介してロータドライブケース45内に設ける伝動軸によって駆動する。
ここで、植付装置6の構造について簡単に説明すると、この植付装置6は8条植えとなして走行機体4の後部にローリング自在に連結する植付フレームを備える。また、植付フレームには前高後低状に傾斜して複数のマット苗を載置する苗載台46、苗載台46の下端から1株分ずつ苗を植付爪47により掻き取って田面に植付けるロータリ植付機構48、走行跡や旋回跡を整地しながら植付け箇所を均すフロート49等を備えて構成する。
そして、前述のドライブケース41に入った動力によってスクリュシャフト50を回転させて苗載台46を左右往復スライド移動させる。また、ドライブケース41に入った動力によってロータリ植付機構48を構成するプランタケース51に動力を伝達し、ロータリケース52を回転駆動する。また、ロータリケース52に取付けたプランタアーム53に装着した植付爪47が苗載台46の下端から1株分ずつ苗を掻き取ると共に、掻き取った苗をフォークで押出して苗を田面に植付ける。
なお、次行程における作業走行の目印を田面に付ける左右のマーカー54は前輪2の上方のシャーシフレーム9に設ける。このマーカー54はその基部を回動自在に支持する支持杆55の先端部に回転自在に取り付け、マーカー駆動モータ56が支持杆55を作動させることによってマーカー54は、田面に接地してマーキングする作用位置とシャーシフレーム9の上方に退避した非作用位置に切り換えることができる。また、シャーシフレーム9の前部にはセンターポール57を前後方向に回動自在に設け、シャーシフレーム9の左右にはトレースマーカー58を設ける。
さらに、乗用型田植機1は、植付装置6によって苗を植付けると同時に土中に肥料を撒くペースト施肥機を設ける。このペースト施肥機は左右前輪2の上方となるシャーシフレーム9に取付フレーム59を介して取付ける左右の肥料タンク60を備える。また、この肥料タンク60に貯留する肥料をホースで施肥ポンプに供給し、施肥ポンプは中途に設けるストップバルブやインジケータを経由して植付装置6のフロート49近傍に取付ける各条毎のノズルに肥料を圧送し、植付けた苗の側方の土中に肥料を吐出する。
なお、乗用型田植機1は、ペースト施肥機に替えて粒状施肥機を設けることができる。その場合、粒状施肥機はリヤサイドステップ部28aの後部に取付フレームを設け、この取付フレームに粒状肥料を貯留するホッパと肥料の繰出装置と繰出装置の目皿ロールから繰出した肥料をエアーで圧送するブロアを設ける。そして、エアと共に圧送した肥料は各条毎にホースを介してホース端末に設ける作溝仕組に搬送し、それによって肥料を植付装置6で植付けた苗の側方の土中に撒くことができる。
一方、乗用型田植機1は、予備苗台やスライド式予備苗台を設ける。そして、実施形態に示す予備苗台61は左右前輪2の上方となるシャーシフレーム9に門型の取付フレーム62を取付け、この取付フレーム62に片側4枚合わせて8枚の載置板63を上方に向けて折り畳み自在に設ける。なお、この8枚の載置板63には苗箱に収容するマット苗を各1枚ずつ載せて植付作業を開始し、その後、苗載台46に供給したマット苗が植付けられて残り僅かになった際に載置板63上のマット苗を取出して苗載台46に補充して植付作業を再開する。
以上、乗用型田植機1の概要について説明したが、次に、GNSS(全地球測位システム)を用いて乗用型田植機1の圃場(水田)における位置並びに方位情報を取得し、これによって植付作業を行う場合の直進走行を前輪2の自動操舵によって行うことを主眼とする自動操舵装置について説明する。図3の配置構造に示すように自動操舵装置は、2つのGNSSアンテナ64、65を予備苗台61の門型の取付フレーム62の上部に位置並びに方位を検出するために左右方向に離して設ける。また、2つのGNSSアンテナ64、65の間に近距離無線通信用のアンテナ66を設け、これ等のアンテナ64、65、66を接続するGNSSコントローラ67を下方に設ける。
さらに、取付フレーム62の例えば左側中途部にブラケット68を取付け、このブラケット68に近距離無線通信を備えると共にガイダンスソフトウェアをインストールしたタブレットパソコン69を脱着自在に取付ける。また、ステアリングホイール17とステアリングシャフト15との間に操舵コントローラ(モータコントローラ)70を設ける(図8参照)。そして、左右の肥料タンク60には夫々残量レベルゲージ71を設け、予備苗台61の各載置板63には、図9に示すようにフォトセンサ72を設ける。
また、左右の前輪2を操舵するセクタシャフトの歯車減速装置に設ける減速シャフトの回転角度を検出するステアリングセンサ(操舵角センサ)73をトランスミッションケース10の上面に設ける。さらに、必要に応じてGNSSアンテナとGNSS受信機と近距離無線通信機を備えた可搬型のRTK(Real Time Kinematic )基地局74を用意する。
そして、これ等の機器やセンサは図4のブロック図に示すように、GNSSコントローラ67を構成するGNSSユニット(Electronic Control Unit)75と、操舵コントローラ70を構成する操舵制御ユニット(Electronic Control Unit)76をCAN(Controller Area Network)で結ぶ。また、GNSSユニット75とタブレットパソコン69を近距離無線通信によって相互に受発信可能に結ぶ。さらに、タブレットパソコン69とGNSSユニット75をRTK基地局74に近距離無線通信によって相互に受発信可能に結ぶ。
また、GNSSコントローラ67は補完用の加速度センサ77とジャイロセンサ78と地磁気センサ79を備え、これ等のセンサと2つのGNSSアンテナ(基準アンテナ、方位アンテナ)64、65と近距離無線通信用のアンテナ66をGNSSユニット75に接続する。一方、操舵コントローラ70は、そのパネル部に設ける電源・リセット・開始/停止・A点決定・B点決定・自動検出・感度調整の各押しボタン式のスイッチ80〜86と、トランスミッションケース10に設ける操舵角センサ(ポテンショメータ)73を操舵制御ユニット76の入力回路に接続する。
さらに、操舵制御ユニット76の出力回路には、操舵コントローラ70のパネル部に設ける検出ランプ87と、操舵制御ユニット76内に設けるステッピングモータによって構成する操舵モータ88を接続し、また、操舵制御ユニット76の入力回路には、左右の肥料タンク60に設ける2つの残量レベルゲージ71と、予備苗台61の各載置板63に設ける8つのフォトセンサ72を接続する。
そして、以上のように構成する乗用型田植機1の自動操舵装置は、図6に示すように水田に至って各機器の電源を入れてGNSSが利用可能になると、検出ランプ87を点灯させて作業者にこれを報知する。なお、この場合、タブレットパソコン69は遮蔽物のない見晴らしの良い場所に配置したり、共同で設置するRTK基地局74との間で通信して各種の設定を終えている。さらに、GNSSコントローラ67とペアリングを行い、また、ガイダンスソフトウェアを立ち上げて、GNSSコントローラ67から乗用型田植機1におけるGNSSアンテナ64の位置情報や傾斜補正情報等、更にはGNSSの位置方位情報を取得して待機状態にある。
次に、作業者は手動操舵によって乗用型田植機1をティーチング走行を開始するA点まで移動させて、A点決定ボタン(スイッチ)83を押すとともに植付作業を開始する。また、枕地のB点に至ると、B点決定ボタン84を押すとともに植付作業を一旦終了して乗用型田植機1を旋回させる。そして、自動検出ボタン85を押すと、GNSSコントローラ67がRTK基地局74の補正情報の下にGNSSから得られる位置情報に基づいてA点とB点を結ぶ基準線を作成(演算)し、また、乗用型田植機1の作業幅(条間×8条)に基づいて基準線から作業幅ずつオフセットさせた走行目標経路(作業経路)を作成する。
また、タブレットパソコン69はこの作業経路とともに乗用型田植機1の現在位置等を液晶ディスプレイに数値と共にグラフィック表示してガイダンスを開始する。そして、作業者は次行程の開始位置において開始ボタン82を押すと、GNSSコントローラ67は自動操舵制御(直進操舵制御)を開始する。また、枕地に至って停止ボタン82を押すとGNSSコントローラ67は自動操舵制御を停止させる。さらに、それ以降は開始/停止ボタン82の操作の下に植付作業を行うことになる。
なお、作業者はこのような自動操舵制御を行っている際に、その操舵量に過不足があると判断すると感度調整ボタン86を押して、この操舵量の過不足をGNSSコントローラ67に伝える。また、何らかの原因で操舵コントローラ70とGNSSコントローラ67との間等に接続障害が発生した場合は、操舵コントローラ70が検出ランプ87で異常を報知するので、作業者はリセットボタン81を押してGNSSコントローラ67との再接続を指示する。
そして、以上のように取り扱う自動操舵装置は、その自動操舵制御においてGNSSユニット75が、自ら備える基準アンテナ64と方位アンテナ65の2つの受信機が発する位置情報に基づいて、これをRTK基地局74の補正情報の下に補正し、更に加速度センサ77とジャイロセンサ78と地磁気センサ79によって補完する。そして、この情報に基づいて例えば、乗用型田植機1の予め定めた重心の位置G、並びに前進方向の走行機体4の方位が求まる。
次に、GNSSユニット75は、乗用型田植機1の走行目標経路に対する左右方向の位置ずれ(偏差)dと乗用型田植機1の走行目標経路に対する方位ずれ(偏差)θを求め、この2つの偏差が共に無くなるようにPI制御又はPID制御を用いて目標操舵角を設定(演算)する。そして、GNSSユニット75はこのPI制御又はPID制御におけるゲインを設定する際に、乗用型田植機1の前輪2又は前輪2と後輪3に加わる分担荷重と感度調整スイッチ86によって設定された手動調整値に基づいて最終的にゲインを例えば、比例ゲインKP:1〜2、積分ゲインKI:0.2、微分ゲインKD:0等に決定する(図5参照)。
なお、GNSSユニット75がPI制御又はPID制御を用いて目標操舵角を設定する際に、位置ずれdと方位ずれθの2つの偏差が共に無くなるように目標操舵角を設定する具体的な方法としては、特許文献3や特許文献4に記載されている方法を含めて種々研究されており、ここでは何れの方法を用いてもよいものとして先に進むものとする。
そして、GNSSユニット75はこのようにゲインを設定して目標操舵角を設定すると、GNSSユニット75はこの目標操舵角を操舵制御ユニット76に与える。また、操舵制御ユニット76は、前輪2の操舵角が与えられた目標操舵角に一致するように前輪2の操舵角を検出する操舵角センサ73を用いて適切なゲインの下にPI制御又はPID制御を用いて前輪2の操舵制御を行う。
なお、このフィードバック制御において操舵制御ユニット76は、図8に示すように操舵コントローラ70に内装する操舵モータ88を正逆回転させて外歯車の2段歯車機構によって構成する減速歯車装置を作動させて大径の最終歯車89を回転させる。また、最終歯車89を取付けた中継シャフト90の下部はステアリングシャフト15の上端部に嵌り、両者は互いのテーパとセレーションによって結合して一体回転するから、前輪2をこれによって操舵することができる。
また、この場合、中継シャフト90の上部はステアリングホイール17のハブを取付けているから、ステアリングホイール17を手で回すと中継シャフト90を介してステアリングシャフト15を回転させることができ、前輪2をこれによって手動操舵することができる。なお、操舵モータ88はステッピングモータによって構成し、このステッピングモータ88によってステアリングシャフト15を駆動するトルクは、ステアリングホイール17を手動で回してステアリングシャフト15を駆動するトルクより小さくなるように設定するから、手動操舵が自動操舵より優先することになる。
さらに、開始ボタン82によって自動操舵制御を開始している際に、ステッピングモータ88は、その回転を停止している間は自己保持するホールディングトルクによって回転の停止を保持し、また、このトルクはトルクジェネレータ14側からの操舵トルクより大きいから、ステッピングモータ88が停止している状態でも前輪2の操舵角はそのまま保持することができる。また、操舵コントローラ70はステアリングコラム16に取付けており、これを取り外す際にはステアリングホイール17を取外して上方に引き上げればよく、その後、ステアリングシャフト15にステアリングホイール17を直接取り付ければ手動による操舵が可能となる。
次に、前述のGNSSユニット75が乗用型田植機1の前輪2又は前輪2と後輪3に加わる分担荷重に基づいてゲインを設定する際の分担荷重の与え方について説明すると、先ず前輪2に加わる分担荷重Wと後輪3に加わる分担荷重Wは、作業者が運転席29に座り、予備苗台61の各載置板63にマット苗を全て載せて、左右の肥料タンク60に肥料を満タンにして、更には苗載台46にマット苗を充填し、且つ燃料タンクに燃料を満タンにしている場合の乗用型田植機1の総重量:W、ホイールベース:L、重心から前輪2までの距離:L、重心から後輪3までの距離:Lとすると、W=W×L/L、W=W×L/Lとなる。
そして、植付作業に伴って予備苗台61の各載置板63に載せたマット苗を取り出して苗載台46に補充すると、減った重量ΔW1は1枚当たりのマット苗の重量に総枚数を乗算することによつて求めることができ、この場合の予備苗台61におけるマット苗の重心位置が前輪2を設ける位置と略等しいと仮定すれば、W=W×L/L−ΔW1、W=W×L/Lとなる。
また、左右の肥料タンク60の肥料が土中に撒かれて全て無くなると、減った重量ΔW2は肥料タンク60の容積に肥料の比重を乗算することによつて求めることができ、この場合の肥料タンク60における肥料の重心位置が前輪2を設ける位置と略等しいと仮定すれば同様に、W=W×L/L−ΔW2、W=W×L/Lとなる。従って、前者と後者が同時に発生すると、W=W×L/L−ΔW1−ΔW2、W=W×L/Lとなる。
なお、乗用型田植機1が前高後低状に傾斜する場合は、ピッチング角度:θ、地面から重心までの高さ:H、θが比較的小さいときtanθ≒θ(ラジアン)で近似できるとして、前述の最初の状態に戻ると、W=W×(L−Hθ)/L、W=W×(1−(L−Hθ)/L)となる。従って、マット苗や肥料が消費された場合も同様に計算することができる。また、以上のことから乗用型田植機1にあっては、後輪3の近くに燃料タンクや粒状施肥機を設ける場合の前輪2の分担荷重はあまり変動がないが、前輪2の近くに肥料タンク60や予備苗台61を設ける場合の前輪2の分担荷重は大きく変動することになる。
次に、乗用型田植機1を自動操舵装置によって自動操舵する場合の走行形態について説明すると、図6に示すように自動操舵する場合は、前輪2の操舵角をその最大の切れ角となる略40度から大きく下回る最大10度程度に抑えて操舵する。そのため、左右の後輪3は左右のサイドクラッチ35が共に入りなっている状態で走行し、左右の後輪3のトラクションTRは走行機体4をそのまま直進走行させる方向に作用する。一方、前輪2は目標操舵角に制御されているから、前輪2のトラクションTFは目標操舵角の方向に作用し、結局、乗用型田植機1は前輪2の操舵角方向の駆動力TFと後輪の直進方向の駆動力TRを合算した進行方向Sに走行することになる。
一方、発明が解決しようとする課題に記載する通り、乗用型田植機1の前輪2を自動操舵装置によって目標操舵角に制御しても前輪2と後輪3の分担荷重によって実際の乗用型田植機1の進行方向Sの変更量は変化する。そして、この進行方向Sの変更量が少なければ偏差を解消させるための目標とする進行方向Sの変更量に届かないことになって、走行目標経路に戻す際の応答性が悪くなり、短時間で乗用型田植機1を走行目標経路に戻すことができなくなり、次行程の植付作業領域や前行程の植付作業領域を何時までも侵してしまう。
また、逆に進行方向Sの変更量が多ければ目標を上回って極短時間で乗用型田植機1を走行目標経路に戻すことになり、この際には急激な進行方向Sの変更によって自動操舵制御が間に合わず乗用型田植機1が走行目標経路から逆方向に行き過ぎてオーバーシュートを発生したり、走行目標経路を跨いで乗用型田植機1が反復移動してハンチングする等の問題を生じさせる。また、これによって乗用型田植機1が左右にふらつくと植付爪47が苗を田面に植付ける際に植付姿勢の乱れを発生させてその後の生育に悪影響を与える。
そこで、GNSSユニット75が乗用型田植機1の前輪2又は前輪2と後輪3に加わる分担荷重W、Wに基づいてゲインを設定する目的は、以上の問題を解決することであり、また、その場合、特に前輪2の分担荷重Wが多くなればゲインを下げて目標操舵角を少なくし、それにより進行方向Sの変更量を減らし、逆に前輪2の分担荷重Wが少なくなればゲインを上げて目標操舵角を多くし、それにより進行方向Sの変更量を増大させることによって、前輪2の分担荷重Wの変動に対して進行方向Sの変更量を変動なく一律にすることにより問題を解決しようとするものである。
そして、本実施形態においてこれを適用する際、操舵制御ユニット76は2つの残量レベルゲージ71と8つのフォトセンサ72の検出状態から乗用型田植機1の当初の総重量Wから減った重量(ΔW1+ΔW2)を演算して求めると共に、前述の数式に基づいて前輪2の分担荷重W、又は前輪2の分担荷重Wと後輪3の分担荷重Wを演算して求め、この分担荷重と感度調整スイッチ86によって設定された手動調整値とをGNSSユニット75に与えて、GNSSユニット75のゲイン設定に反映させる。
また、乗用型田植機1が圃場において前後方向に傾斜する頻度が高ければ、前輪2の分担荷重Wの変動に影響を及ぼす。その場合はGNSSユニット75が補完のために使用する加速度センサ77或いはジャイロセンサ78から取得した乗用型田植機1のピッチング角を操舵制御ユニット76が参照して傾斜時の前輪2の分担荷重Wと後輪3の分担荷重Wを演算して求め、この分担荷重をGNSSユニット75に与える。
なお、前輪2と後輪3の分担荷重を正確に求めてこれをGNSSユニット75に与えたい場合には、例えば、前後左右4つの車輪毎に重量センサを取付けて計測すればよい。しかし、この重量センサを取付けて分担荷重を計測するためには、乗用型田植機1の構造の変更が発生したり、計測装置が大掛かりなものになり易くコストアップに繋がる。
しかし、マット苗や肥料、或いは燃料等の消費財の消費重量をレベルセンサやフォトセンサ或いはマイクロスイッチ等の安価なセンサを用いて推定し、これに基づいて前輪2や後輪3の分担荷重を演算すると正確でなくとも相当近似した値を取得することができ、また、消費財の残量を報知するために元々備わったセンサを利用することもできて、コスト低減を図ることができる。
さらに、当然ながら、消費財を全く無くした状態の乗用型田植機1の重量(空虚重量)を予め計測しておき、この空虚重量に消費財の重量を加算して前輪2と後輪3の分担荷重を算出しても結果は同じことになる。また、本実施形態においては操舵制御ユニット76によって荷重計算を行わせたが、GNSSユニット75によって荷重計算を行わせてもよく、更には操舵制御ユニット76を無くしてGNSSユニット75に肩代わりさせてもよく、本発明は、前記実施形態に必ずしも限定されるものではない。
1 乗用型田植機(作業車輌)
4 走行機体
6 植付装置(作業機)
60 肥料タンク
61 予備苗台
63 載置板
71 残量レベルゲージ
72 フォトセンサ
S 作業車輌の進行方向
前輪の分担荷重
前輪の分担荷重

Claims (5)

  1. 前輪と後輪を備えると共に肥料や苗等の消費財を積載する走行機体に作業機を連結する作業車輌を、その前輪を操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる自動操舵装置にあって、前記自動操舵装置は、作業車輌の走行目標経路からの偏差に対して前輪を操舵して予め定めた走行目標経路に沿って走行させる際の前輪の操舵量を、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重に応じて調節することを特徴とする作業車輌の自動操舵装置。
  2. 前記自動操舵装置は、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重を、残存する消費財の重量に基づいて推定することを特徴とする請求項1に記載の作業車輌の自動操舵装置。
  3. 前記自動操舵装置は、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重を、残存する消費財の重量と走行機体の前後方向の傾斜角度に基づいて推定することを特徴とする請求項2に記載の作業車輌の自動操舵装置。
  4. 前記自動操舵装置は、残存する消費財の重量を、走行機体の前輪寄りに設ける容器、又は載置台、或いは容器と載置台に収容する消費財の残存レベル又は残存数に基づいて推定することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の作業車輌の自動操舵装置。
  5. 前記自動操舵装置は、作業車輌の走行目標経路からの偏差に対して前輪の操舵量を、前輪又は前輪と後輪に加わる分担荷重に応じて設定するゲインに基づくPI制御、又はPID制御によって決定することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1つに記載の作業車輌の自動操舵装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022098847A (ja) * 2020-12-22 2022-07-04 井関農機株式会社 作業車両

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