JP2020138268A - ワイヤ放電加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の給電子を有する給電子ユニットの容易なメンテナンスを可能とするワイヤ放電加工装置を得ること。【解決手段】ワイヤ放電加工装置は、ワイヤ電極のうち複数の線条部に個別に接触して、接触された線条部と被加工物との間に電圧を印加するための給電子10と、互いに一体とされた複数の給電子10を有する給電子ユニット20を保持するホルダー30と、加工電源によって供給される加工電流が流れる給電線11の端部が繋がれており、給電子10が接触することによって給電子10を給電線11に電気的に接続する導電体である板ばね32と、を備える。ホルダー30に給電子ユニット20が保持されている状態において、複数の給電子10の各々は、複数の導電体の各々に接触する。【選択図】図2

Description

本発明は、被加工物の複数の位置における放電加工を同時に行うワイヤ放電加工装置に関する。
複数の線条部での放電加工を同時に行うことによって、被加工物から複数の板状体を一度に切り出すワイヤ放電加工装置が知られている。かかるワイヤ放電加工装置では、1本のワイヤ電極を複数回周回させることによって、互いに並行する複数の線条部が形成される。かかるワイヤ放電加工装置には、線条部と被加工物との間に電圧を印加するための複数の給電子が設けられている。複数の線条部の各々へ個別に電圧を印加するために、複数の給電子の各々は互いに絶縁されている。各給電子には、線条部へ加工電流を供給するための給電線が接続されている。
特許文献1には、複数の給電子が積層された積層構造を有するワイヤ放電加工装置が開示されている。かかる積層構造では、給電線が接続された給電導体と絶縁物とが給電子同士の間に挟み込まれた状態で複数の給電子が互いに締結されることにより、複数の給電子が一体化されている。線条部は、給電子の側面に接触しながら走行する。なお、以下の説明では、互いに一体とされた複数の給電子を有する構造物を、給電子ユニットと称する。
特許第4912330号公報
線条部同士の間隔は、被加工物から切り出される板状体の厚さに合わせて調整される。給電子ユニットでは、線条部同士の間隔に合わせて各給電子を配置するために、給電子の間隔が調整される必要がある。特許文献1の給電子ユニットの場合、給電線が接続された状態の給電導体が、メンテナンスにおける作業の妨げとなることがある。また、特許文献1の給電子ユニットの場合、メンテナンスにおける作業の際に、作業のための器具あるいは作業者の指が給電線に触れることによって給電導体から給電線が外れることがあり得る。給電導体から給電線が外れた場合には、給電導体へ給電線を接続し直す作業が必要となる。このため、特許文献1にかかる従来の技術では、複数の給電子を有する給電子ユニットのメンテナンスが困難であるという課題があった。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、複数の給電子を有する給電子ユニットの容易なメンテナンスを可能とするワイヤ放電加工装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるワイヤ放電加工装置は、ワイヤ電極が複数回巻き掛けられて、ワイヤ電極の走行をガイドする第1のガイドローラおよび第2のガイドローラと、ワイヤ電極のうち第1のガイドローラと第2のガイドローラとの間にて互いに並行する部分である複数の線条部に個別に接触して、接触された線条部と被加工物との間に電圧を印加するための給電子と、を備える。本発明にかかるワイヤ放電加工装置は、互いに一体とされた複数の給電子を有する給電子ユニットを保持するホルダーと、加工電源によって供給される加工電流が流れる給電線の端部が繋がれており、給電子が接触することによって給電子を給電線に電気的に接続する導電体と、を備える。ホルダーに給電子ユニットが保持されている状態において、複数の給電子の各々は、複数の導電体の各々に接触する。
本発明によれば、複数の給電子を有する給電子ユニットの容易なメンテナンスが可能となるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかるワイヤ放電加工装置の概略構成を示す図 図1に示すワイヤ放電加工装置が有する給電子と、給電子の設置のための構成とを示す図 図2に示す給電子ユニットがホルダーに取り付けられるときの様子を示す図 本発明の実施の形態2にかかるワイヤ放電加工装置が有する給電子ユニットを示す図 図4に示す給電子ユニットの分解図 本発明の実施の形態3にかかるワイヤ放電加工装置が有する給電子ユニットを示す図 図6に示す給電子ユニットの分解図 本発明の実施の形態4にかかるワイヤ放電加工装置が有する導電体である保持機構を示す図 図8に示す構成を図8とは異なる方向から見た様子を示す図 図8に示す保持機構の斜視図 図8に示す構成を図8および図9とは異なる方向から見た様子を示す図 図11に示す給電子ユニットのうち給電子を除いた構成を示す図 本発明の実施の形態5にかかるワイヤ放電加工装置が有するホルダーと導電体である給電用ワイヤとを示す図 図13に示すホルダーに給電子ユニットが取り付けられた状態における給電子ユニットと給電用ワイヤとを示す図 実施の形態5においてホルダーに給電用ワイヤが取り付けられている他の例を示す図
以下に、本発明の実施の形態にかかるワイヤ放電加工装置を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1にかかるワイヤ放電加工装置の概略構成を示す図である。ワイヤ放電加工装置100において、1本のワイヤ電極2を複数回周回させることによって互いに並行する複数の線条部2aが形成される。ワイヤ放電加工装置100は、各線条部2aでの放電加工を同時に行うことで、被加工物7から複数の板状体を一度に切り出す。被加工物7は、例えば、半導体あるいは太陽電池などに使用される、炭化シリコン(SiC)、窒化ガリウム(GaN)、シリコンなどの単結晶あるいは多結晶の柱状インゴットである。
ワイヤ放電加工装置100は、ワイヤ電極2が繰り出される第1のボビン1Aと、第1のボビン1Aから繰り出されて複数のガイドローラ3a,3b,3c,3dにて周回されたワイヤ電極2が巻き取られる第2のボビン1Bとを備える。第1のボビン1Aは、回転軸を中心に、ワイヤ電極2を繰り出す正回転と、正回転とは逆の逆回転とが可能とされている。第2のボビン1Bは、回転軸を中心に、ワイヤ電極2を巻き取る正回転と、正回転とは逆の逆回転とが可能とされている。第1のボビン1Aは、回転軸方向において往復動作するトラバースステージに搭載されている。第2のボビン1Bは、回転軸方向において往復動作するトラバースステージに搭載されている。図1では、トラバースステージの図示を省略している。
ガイドローラ3a,3b,3c,3dは、ワイヤ電極2が間隔をとりながら複数回巻き掛けられて、第1のボビン1Aと第2のボビン1Bとの間におけるワイヤ電極2の走行をガイドする。ワイヤ放電加工装置100に設けられるガイドローラの数は4つに限られない。ワイヤ放電加工装置100には、複数のガイドローラが設けられていれば良い。
各ガイドローラ3a,3b,3c,3dの表面には、等間隔の複数の案内溝が形成されている。かかる案内溝に沿ってワイヤ電極2が巻き掛けられることによって、ガイドローラ3a,3b,3c,3dは、ガイドローラ3a,3b,3c,3dの間にて並行するワイヤ電極2の間隔を一定に保持する。
第1のボビン1Aから繰り出されたワイヤ電極2は、ガイドローラ3a、ガイドローラ3b、ガイドローラ3c、およびガイドローラ3dの順に巻き掛けられて、再びガイドローラ3aからの巻き掛けが継続される。このようにして、ワイヤ電極2は、ガイドローラ3a,3b,3c,3dの間にて複数回周回してから、第2のボビン1Bへ巻き取られる。上記の複数の線条部2aは、ワイヤ電極2のうち、第1のガイドローラであるガイドローラ3cと第2のガイドローラであるガイドローラ3dとの間にて互いに並行する部分である。
ワイヤ放電加工装置100は、被加工物7が載置されるステージ13を備える。ステージ13は、複数の線条部2aの走行方向と複数の線条部2aが並列された方向とに垂直な方向である鉛直方向において往復動作する。ステージ13は、鉛直方向における往復動作によって、被加工物7を複数の線条部2aに対して相対的に接近または離反するように位置を変化させる。被加工物7への放電加工によって、被加工物7には、複数の線条部2aに沿った加工溝8が形成される。
制振ガイドローラ4Aは、被加工物7とガイドローラ3dとの間に配置されている。制振ガイドローラ4Bは、被加工物7とガイドローラ3cとの間に配置されている。制振ガイドローラ4A,4Bには、等間隔の複数の案内溝5が設けられている。制振ガイドローラ4Aと制振ガイドローラ4Bとは、被加工物7において各線条部2aの間隔を一定に保持する。
ワイヤ放電加工装置100は、複数の線条部2aの各々と被加工物7との間に電圧を印加するための複数の給電子10Aと複数の給電子10Bとを備える。給電子10Aは、制振ガイドローラ4Aとガイドローラ3dとの間にて、複数の線条部2aのうち1つおきの線条部2aに個別に接触する。給電子10Bは、制振ガイドローラ4Bとガイドローラ3cとの間にて、複数の線条部2aのうち給電子10Aと接触する線条部2a以外の線条部2aと個別に接触する。給電子10A,10Bは、接触された線条部2aと被加工物7との間に電圧を印加する。加工電源14は、加工電流を出力する。パルス発振器15は、パルス発振を行う。加工電源ユニット12は、各給電子10A,10Bへ個別にパルス電圧を印加する。図1では、給電子10A,10Bの設置のための構成の図示を省略している。また、図1では、給電子10A,10Bの形状を簡略化して示している。給電子10Aの数と給電子10Bの数とは、図1に示される数に限られない。給電子10Aの数と給電子10Bの数とは、放電加工が行われる線条部2aの数に合わせて任意に変更可能であるものとする。
ノズル6Aは、制振ガイドローラ4Aと被加工物7との間に配置されている。ノズル6Bは、制振ガイドローラ4Bと被加工物7との間に配置されている。複数の線条部2aは、ノズル6Aとノズル6Bとに通されている。ノズル6A,6Bは、複数の線条部2aが通される貫通孔を有する。ノズル6A,6Bの内部に満たされた加工液は、かかる貫通孔を通って被加工物7へ噴射される。
回転駆動部17Aは、第1のボビン1Aを回転駆動するモータを有する。トラバース駆動部18Aは、第1のボビン1Aを往復動作させるトラバースステージを駆動する。回転駆動部17Bは、第2のボビン1Bを回転駆動するモータを有する。トラバース駆動部18Bは、第2のボビン1Bを往復動作させるトラバースステージを駆動する。トラバース駆動部18A,18Bは、モータと、モータの回転運動を直線運動へ変換させる機構とを有する。ステージ駆動部19は、ステージ13を駆動する。ステージ駆動部19は、モータと、モータの回転運動を直線運動へ変換させる機構とを有する。図1では、各モータおよび各機構の図示を省略している。
加工制御装置16は、ワイヤ放電加工装置100の全体を制御する。加工制御装置16は、パルス発振器15と、回転駆動部17A,17Bと、トラバース駆動部18A,18Bと、ステージ駆動部19とを制御する。
次に、給電子10A,10Bの設置のための構成について説明する。以下の説明において、給電子10Aと給電子10Bとを区別せずに、給電子10と称することがある。
図2は、図1に示すワイヤ放電加工装置が有する給電子と、給電子の設置のための構成とを示す図である。なお、図2に示す構成は、図1に示す制振ガイドローラ4Aとガイドローラ3dとの間の位置、ならびに制振ガイドローラ4Bとガイドローラ3cとの間の位置のそれぞれに設置されている。
ワイヤ放電加工装置100は、給電子ユニット20を有する。給電子ユニット20は、互いに一体とされた複数の給電子10を有する。図2には、給電子10が互い違いに配置されるように並べられた2つの給電子ユニット20を示している。2つの給電子ユニット20は、同様の構成を有している。
給電子ユニット20は、複数の給電子10と、複数の絶縁板22と、2つのスペーサ23とを有する。給電子ユニット20において、複数の給電子10と複数の絶縁板22とは、一列に配列されている。2つの給電子10の間に1つの絶縁板22が挟み込まれていることによって、給電子10と絶縁板22とは交互に並べられている。複数の給電子10と複数の絶縁板22とは、2つのスペーサ23の間に配置されている。
支持部品である支持ロッド21は、複数の給電子10と、複数の絶縁板22と、2つのスペーサ23とを貫いている。支持ロッド21は、複数の給電子10と複数の絶縁板22と2つのスペーサ23とを貫くことによって、複数の給電子10の各々と複数の絶縁板22の各々と2つのスペーサ23の各々とを支持する。複数の給電子10と複数の絶縁板22と2つのスペーサ23とは、互いに一体化された状態で、支持ロッド21に支持されている。また、支持ロッド21は、各給電子10の中心と各絶縁板22の中心と各スペーサ23の中心とを貫いている。複数の給電子10と複数の絶縁板22と2つのスペーサ23とは、同軸上に配置されている。複数の給電子10と複数の絶縁板22と2つのスペーサ23とは、支持ロッド21の中心軸の方向へ一列に配列された状態で互いに一体とされている。以下の説明では、支持ロッド21の中心軸の方向を、軸方向と称することがある。給電子ユニット20は、絶縁板22とスペーサ23とが設けられることによって、線条部2aの位置に合わせて複数の給電子10の各々を配置することができる。
給電子10は、支持ロッド21が通る孔が中心に開けられている円板形状の物体である。給電子10の材料には、超硬合金が使用される。円板形状の外側面には、線条部2aが通る溝が形成されている。溝は、円板形状における全周にわたって形成されている。溝は、V形状の断面を有する。以下の説明では、かかる溝をV溝と称する。線条部2aがV溝に入り込んだ状態で線条部2aが走行することによって、給電子10からの線条部2aの脱落が防止可能となる。また、線条部2aがV溝の内壁を摺動することによって、給電子10への線条部2aの接触が確保される。給電子10と線条部2aとが接触することによって、給電子10から線条部2aへの電流の供給が可能となる。耐摩耗性に優れた金属である超硬合金が材料に使用されることによって、給電子10は、給電子10において線条部2aが摺動することによる摩耗を低減することが可能となる。
絶縁板22は、支持ロッド21が通る孔が中心に開けられている円板形状の物体である。絶縁板22は、互いに隣り合う給電子10を電気的に絶縁する。また、絶縁板22は、互いに隣り合う給電子10の間隔を保持する。スペーサ23は、支持ロッド21が通る円筒状の物体である。支持ロッド21は、円柱状の物体である。支持ロッド21は、支持ロッド21において支持されている複数の給電子10の各々を電気的に絶縁する。
なお、給電子ユニット20に設けられる給電子10の数は、図2に示される数に限られない。給電子ユニット20に設けられる給電子10の数は、放電加工が行われる線条部2aの数に合わせて任意に変更可能であるものとする。
ワイヤ放電加工装置100は、給電子ユニット20を保持するホルダー30を有する。ホルダー30に支持ロッド21の端部が嵌め込まれることによって、ホルダー30は、給電子ユニット20を保持する。押さえ部31は、ホルダー30と組み合わせられることによって、ホルダー30から支持ロッド21が外れることを防止する。なお、図2では、ホルダー30と押さえ部31とを破線によって表している。
ホルダー30には、導電体である複数の板ばね32が設けられている。ホルダー30に給電子ユニット20が保持されている状態において、複数の給電子10の各々が複数の板ばね32の各々に接触する。複数の板ばね32の各々には、給電線11の端部が繋がれている。板ばね32の端部に給電線11の端部が半田付けされることによって、板ばね32と給電線11とは電気的に接続されている。また、板ばね32に給電子10が接触することによって、板ばね32は、給電子10を給電線11に電気的に接続する。なお、給電線11のうち板ばね32に接続される端部とは逆側の端部は、加工電源ユニット12に接続される。
図3は、図2に示す給電子ユニットがホルダーに取り付けられるときの様子を示す図である。ホルダー30は、支持ロッド21が嵌め込み可能に形成された凹部35を有する。また、ホルダー30のうち押さえ部31と接触する面には、位置決めピン33が設けられている。押さえ部31は、支持ロッド21が嵌め込み可能に形成された凹部36を有する。押さえ部31のうちホルダー30と接触する面には、位置決めピン33が挿入可能に形成された穴34が設けられている。図3では、位置決めピン33が設けられている位置におけるホルダー30の断面と、穴34が設けられている位置における押さえ部31の断面とを示している。
ホルダー30に形成されている凹部35の位置に支持ロッド21が載せられた状態にて、穴34へ位置決めピン33を挿入させながらホルダー30に押さえ部31が重ね合わせられる。これにより、凹部35と凹部36とによって支持ロッド21が位置決めされて、給電子ユニット20は、ホルダー30と押さえ部31とによって保持される。
ホルダー30に押さえ部31が載せられて、凹部35へ支持ロッド21が入り込む過程において、給電子10は、板ばね32の頂部に接触する。板ばね32には、給電子10のうち線条部2aと接触する部分とは逆側の部分が接触する。さらに、ホルダー30に押さえ部31が接触することによってホルダー30に給電子ユニット20が位置決めされた状態において、板ばね32に給電子10が押さえ付けられることによって、板ばね32は、給電子10との接触を維持したまま変形する。板ばね32は、ホルダー30に給電子ユニット20が位置決めされた状態における給電子10による押圧によって変形可能に形成されている。板ばね32の材料には、導電性を有しかつ弾性変形が可能な金属材料が使用される。このように、給電子ユニット20が有する複数の給電子10は、給電子10が板ばね32へ押さえ付けられることによって板ばね32を変形させた状態で、複数の板ばね32の各々に接触する。
給電子10によって板ばね32が押圧されることによって、板ばね32は変形する。板ばね32が変形することによって、板ばね32への給電子10の接触が確保される。給電子10と板ばね32とが接触することによって、板ばね32から給電子10への電流の供給が可能となる。
ホルダー30に給電子ユニット20が位置決めされることによって、複数の給電子10の各々が複数の板ばね32の各々に同時に接触可能とされている。これにより、ワイヤ放電加工装置100は、ホルダー30に給電子ユニット20が保持された状態において、複数の給電子10の各々を、複数の給電線11の各々と電気的に接続することができる。なお、板ばね32は、ワイヤ放電加工装置100のうちホルダー30以外の要素に設けられていても良い。板ばね32は、給電子10と接触可能な位置に設けられていれば良い。
給電子10は、給電子10における線条部2aの摺動が続けられるうちに、線条部2aと接触する部分が徐々に摩耗していく。線条部2aと接触する部分が摩耗した場合に、給電子10のうち摩耗した部分以外の部分が線条部2aに接触するように、支持ロッド21の軸回りに給電子10を回転させるメンテナンスが実施される。このように、給電子10のうち線条部2aとの接触に使用されていない部分を、線条部2aと新たに接触させる部分とすることによって、同じ給電子10を長期に渡って使用することができる。このように給電子10を回転させるメンテナンスは、給電子ユニット20の締結を緩めることによって行われる。
また、ワイヤ放電加工装置100において、線条部2a同士の間隔は、被加工物7から切り出される板状体の厚さに合わせて調整される。線条部2a同士の間隔が変更される場合、線条部2a同士の間隔に合わせて、給電子ユニット20における各給電子10の間隔を変更するメンテナンスが実施される。各給電子10の間隔を変更するメンテナンスも、給電子ユニット20の締結を緩めることによって行われる。また、給電子ユニット20に締結されている給電子10を交換するメンテナンス、あるいは給電子10を清掃するメンテナンスが実施される場合も、給電子ユニット20の締結が解除される。
実施の形態1では、各給電子10は、板ばね32を介して給電線11に接続されている。給電子ユニット20は、給電線11が固定されているホルダー30とは独立して取り外し可能とされている。このため、ワイヤ放電加工装置100は、給電子ユニット20のメンテナンスにおいて、給電線11が作業の妨げになるといった事態を無くすことが可能となる。
また、実施の形態1では、給電子ユニット20の締結によって弾性変形する構造体の1つである給電導体を給電子ユニット20に設ける必要がない。給電子ユニット20は、給電導体が不要であることによって、給電子10の間隔誤差を低減できる。給電子ユニット20は、締結が緩められた後に再度締結が行われる場合に、給電子10同士の間隔を調整するための作業が不要となる。給電子ユニット20は、計測機器の使用による調整が行われなくても、絶縁板22を介して各給電子10が配置されることによって給電子10同士の間隔の調整が可能となる。以上により、ワイヤ放電加工装置100は、給電子ユニット20の容易なメンテナンスが可能となる。
複数の板ばね32の各々は、給電子ユニット20の軸方向に平行な方向においてスライド可能とされている。すなわち、軸方向に平行な方向において、各板ばね32の位置は調整可能とされている。線条部2a同士の間隔が調整されたことに合わせて軸方向における各給電子10の位置が調整された場合に、各給電子10の位置に合わせて各板ばね32の位置が調整される。ワイヤ放電加工装置100は、線条部2aの位置の変更に伴い給電子10の位置が調整された場合に、給電子10に合わせて板ばね32が位置決めされることによって、板ばね32と給電子10との接触を維持することができる。
ワイヤ放電加工装置100では、1つのホルダー30に1つの給電子ユニット20が保持される。ワイヤ放電加工装置100は、複数の給電子ユニット20を保持可能なホルダー30を有しても良い。
実施の形態1によると、ワイヤ放電加工装置100には、給電子10を給電線11に電気的に接続する複数の板ばね32が設けられている。また、ホルダー30に給電子ユニット20が保持されている状態において複数の給電子10の各々が複数の板ばね32の各々に接触する。これにより、ワイヤ放電加工装置100は、複数の給電子10を有する給電子ユニット20の容易なメンテナンスが可能となるという効果を奏する。
実施の形態2.
実施の形態2では、給電子ユニット20の詳細な構成例について説明する。図4は、本発明の実施の形態2にかかるワイヤ放電加工装置が有する給電子ユニットを示す図である。図5は、図4に示す給電子ユニットの分解図である。実施の形態2では、上記の実施の形態1と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1とは異なる構成について主に説明する。
支持ロッド21のうち軸方向における一方の端部には、基部24が設けられている。軸方向に垂直な方向における基部24の幅は、支持ロッド21のうちの他の部分の幅よりも大きい。支持ロッド21のうち軸方向における他方の端部には、締結部品であるナット27が締め付けられる。複数の給電子10と、複数の絶縁板22と、2つのスペーサ23とは、基部24とナット27との間において一列に配列される。ナット27とスペーサ23との間には、板ばね26が挟み込まれている。複数の給電子10と、複数の絶縁板22と、2つのスペーサ23と板ばね26とは、支持ロッド21へのナット27の締結によって、基部24とナット27との間にて固定される。なお、図5では、図4に示す給電子10と絶縁板22とのうちの一部について図示を省略している。
絶縁板22の材料には、窒化ケイ素といった絶縁セラミックスが使用される。絶縁板22は、絶縁セラミックスからなる構造体とすることができる。この場合、絶縁板22の全体は、絶縁性材料からなる。弾性変形が小さい絶縁セラミックスが絶縁板22の材料に使用されることによって、給電子10と絶縁板22とが一体とされてナット27が締結されたときにおいて、締結の強さに起因する給電子10の間隔誤差の低減が可能となる。
絶縁板22は、芯材と、芯材の表面に形成された絶縁性の硬質膜とを有する構造物であっても良い。このように、絶縁板22は、全体が絶縁性材料であるものに限られず、表面のみに絶縁性材料が施されたものであっても良い。芯材には、超硬合金あるいはステンレス材といった硬度が高い材料が使用される。絶縁性材料には、ダイヤモンドライクカーボン(Diamond Like Carbon:DLC)といった、高抵抗な硬質膜を形成可能な材料が使用される。この場合、絶縁板22は、絶縁性材料を用いた被覆処理が芯材に施されることによって形成される。この場合も、絶縁板22は、ナット27が締結されたときにおいて、締結の強さに起因する給電子10の間隔誤差の低減が可能となる。
スペーサ23は、基部24とナット27との間における複数の給電子10のために設けられる部品である。2つのスペーサ23は、複数の給電子10と複数の絶縁板22とを挟み込んで、支持ロッド21に固定されている。支持ロッド21の軸方向において、各給電子10は、複数の絶縁板22と2つのスペーサ23とによって位置決めされる。
絶縁板22と同様に、スペーサ23の材料には、窒化ケイ素といった絶縁セラミックスが使用される。スペーサ23は、絶縁セラミックスからなる構造体とすることができる。弾性変形が小さい絶縁セラミックスがスペーサ23の材料に使用されることによって、給電子10と絶縁板22とスペーサ23とが一体とされてナット27が締結されたときにおいて、締結の強さに起因する給電子10の位置誤差の低減が可能となる。
また、スペーサ23は、絶縁板22と同様に、芯材と、芯材の表面に形成された絶縁性の硬質膜とを有する構造物であっても良い。芯材には、超硬合金あるいはステンレス材といった硬度が高い材料が使用される。絶縁性材料には、DLCといった、高抵抗な硬質膜を形成可能な材料が使用される。この場合、スペーサ23は、絶縁性材料を用いた被覆処理が芯材に施されることによって形成される。この場合も、スペーサ23は、ナット27が締結されたときにおいて、締結の強さに起因する給電子10の位置誤差の低減が可能となる。
支持ロッド21の材料には、窒化ケイ素といった絶縁セラミックスが使用される。支持ロッド21は、絶縁セラミックスからなる構造体とすることができる。支持ロッド21は、芯材と、芯材の表面に形成された絶縁性の硬質膜とを有する構造物であっても良い。芯材には、超硬合金あるいはステンレス材といった硬度が高い材料が使用される。絶縁性材料には、DLCといった、高抵抗な硬質膜を形成可能な材料が使用される。この場合、支持ロッド21は、絶縁性材料を用いた被覆処理が芯材に施されることによって形成される。支持ロッド21は、アルミニウムといった金属材料によって形成された芯材に硬質アルマイトを用いた被覆処理が施されることによって形成されたものであっても良い。あるいは、支持ロッド21は、絶縁セラミックスなどの絶縁性材料からなる中空管に、ステンレス材などを用いて形成された芯材が挿入された構造体であっても良い。
実施の形態2では、給電子ユニット20の締結によって弾性変形する構造体の1つである給電導体を給電子ユニット20に設ける必要がない。給電子ユニット20は、給電導体が不要であることと、弾性変形が小さい絶縁板22が設けられることによって、給電子10の間隔誤差を低減できる。給電子ユニット20は、ナット27の締結が緩められて給電子10同士の間隔が変化した後に再度ナット27が締結される場合に、締結の強さに関わらず給電子10同士の間隔を線条部2a同士の間隔に正確に合わせることができる。よって、給電子ユニット20は、メンテナンスの際に、計測機器の使用による給電子10同士の間隔を調整する必要が無くなる。
ここで、基部24のうちスペーサ23と接触する平面を、給電子ユニット20における各給電子10の位置決めのための基準面25とする。給電子ユニット20は、弾性変形が小さいスペーサ23が設けられることによって、基準面25からの各給電子10の位置誤差を低減できる。給電子ユニット20は、ナット27の締結が緩められて給電子10同士の間隔が変化した後に再度ナット27が締結される場合に、締結の強さに関わらず各給電子10の位置を各線条部2aの位置に正確に合わせることができる。よって、給電子ユニット20は、メンテナンスの際に、各給電子10の位置を調整する必要が無くなる。以上により、ワイヤ放電加工装置100は、給電子ユニット20の容易なメンテナンスが可能となる。
給電子ユニット20に設けられる絶縁板22は、被加工物7から切り出される板状体の厚さに合わせて線条部2aの間隔が調整された場合に、線条部2aの間隔に絶縁板22の厚さを合わせるための交換が可能とされている。これにより、ワイヤ放電加工装置100は、線条部2aの間隔と給電子10の間隔とを合わせることができる。また、給電子ユニット20に設けられるスペーサ23も交換が可能とされることによって、ワイヤ放電加工装置100は、基準面25からの各給電子10の位置を変更することができる。
なお、給電子ユニット20は、互いに別の構成要素である給電子10と絶縁板22とに代えて、絶縁性材料による被覆処理が施された給電子10が設けられていても良い。かかる被覆処理によって形成される絶縁体は、絶縁板22と同様の機能を果たす。絶縁性材料には、DCLといった、高抵抗な硬質膜を形成可能な材料が使用される。この場合も、給電子ユニット20は、給電子10同士の間隔を線条部2a同士の間隔に正確に合わせることができる。
実施の形態3.
実施の形態3では、給電子ユニットの変形例について説明する。図6は、本発明の実施の形態3にかかるワイヤ放電加工装置が有する給電子ユニットを示す図である。図7は、図6に示す給電子ユニットの分解図である。実施の形態3では、上記の実施の形態1および2と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1および2とは異なる構成について主に説明する。
図6に示す給電子ユニット60は、3つの給電子グループ61を有する。給電子グループ61は、3つの給電子10と、給電子10同士の間に設けられた絶縁板22とを有する。また、給電子ユニット60は、実施の形態2の支持ロッド21に代えて、互いに連結可能な3つの支持ボルト62を有する。3つの支持ボルト62の各々は、給電子10が配置される基材である。3つの支持ボルト62は、互いに連結されることによって一体の支持部品を構成する。互いに連結された3つの支持ボルト62からなる支持部品は、絶縁セラミックスからなる構造物、芯材と芯材の表面に形成された絶縁性の硬質膜とを有する構造物、あるいは、絶縁性材料からなる中空管に芯材が挿入された構造体である。
各支持ボルト62は、円筒形状をなしている。3つの支持ボルト62のうちの1つには、実施の形態2の基部24と同様の基部63が設けられている。3つの支持ボルト62のうちの他の2つには、円形のつば部65が設けられている。つば部65が有する円形の直径は、給電子10のうちV溝の底部における給電子10の直径よりも小さい。各支持ボルト62の両端には、締結によって連結可能にねじ加工が施されている。3つの支持ボルト62は、支持ボルト62同士の締結によって互いに連結可能とされている。また、支持ボルト62同士における締め込み度合いは調整可能とされている。
互いに連結された3つの支持ボルト62からなる構造物のうち、基部63とは逆側の端部に、ナット73が締結される。また、互いに連結された3つの支持ボルト62からなる構造物の内部には、補強ロッド69が挿入されている。3つの支持ボルト62からなる構造物は、補強ロッド69が挿入されることによって補強されている。
基部63とつば部65との間には、基部63とつば部65との間における給電子グループ61の位置決めのためのスペーサ67とコイルばね68とが設けられている。2つのつば部65の間には、2つのつば部65の間における給電子グループ61の位置決めのためのスペーサ67とコイルばね68とが設けられている。つば部65とナット73との間には、つば部65とナット73との間における給電子グループ61の位置決めのためのスペーサ67およびコイルばね68と、コイルばね68を挟持する2つのワッシャ72とが設けられている。
基部63のうちスペーサ67と接触する平面は、基部63を有する支持ボルト62における各給電子10の位置決めのための基準面64とする。基準面64は、給電子ユニット60全体における各給電子グループ61の位置決めのための基準面でもある。つば部65のうちスペーサ67と接触する平面は、つば部65を有する支持ボルト62における各給電子10の位置決めのための基準面66とする。
基部63を有する支持ボルト62において、各給電子10は、基準面64を基準として位置決めされる。つば部65を有する支持ボルト62において、各給電子10は、基準面66を基準として位置決めされる。さらに、各給電子グループ61は、基準面64を基準として位置決めされる。支持ボルト62ごとに各給電子10の位置が調整され、さらに各給電子グループ61の位置が調整されることによって、給電子ユニット60は、給電子グループ61ごとにおける位置誤差が累積されることによる各給電子10の位置誤差を抑制することができる。これにより、給電子ユニット60は、各給電子10の位置を線条部2aの位置に正確に合わせることができる。
給電子ユニット60は、支持ボルト62同士の締め込み量を調整することによって、給電子グループ61同士の間隔と各給電子グループ61の位置とを微調整することができる。また、コイルばね68が設けられていることにより、各給電子10と各絶縁板22と各スペーサ67とは、基準面64側へ常時押し付けられる。これにより、給電子ユニット60は、上記の微調整による間隙を無くすことができる。なお、給電子ユニット60には、コイルばね68に代えて、板ばねが設けられていても良い。
給電子ユニット60に設けられる支持ボルト62の数は、3つに限られない。支持ボルト62の数は、給電子ユニット60における給電子グループ61の数に合わせて任意に変更することができる。給電子グループ61に設けられる給電子10の数は、放電加工が行われる線条部2aの数に合わせて任意に変更可能であるものとする。
実施の形態4.
実施の形態4では、ホルダー30に設けられる導電体の変形例について説明する。図8は、本発明の実施の形態4にかかるワイヤ放電加工装置が有する導電体である保持機構を示す図である。実施の形態4では、上記の実施の形態1から3と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から3とは異なる構成について主に説明する。
図8には、4つの給電子ユニット20と、各給電子ユニット20のうち保持機構41によって保持されている給電子10とを側方から見た様子を示している。保持機構41は、ホルダー30の底面部40に設けられている。図8には、給電子10が互い違いに配置されるように並べられた4つの給電子ユニット20を示している。
図9は、図8に示す構成を図8とは異なる方向から見た様子を示す図である。図10は、図8に示す保持機構の斜視図である。図11は、図8に示す構成を図8および図9とは異なる方向から見た様子を示す図である。図12は、図11に示す給電子ユニットのうち給電子を除いた構成を示す図である。図11には、4つの給電子ユニット20において互い違いに配置された各給電子10と、互い違いに配置された各保持機構41とを示している。図12には、4つの給電子ユニット20において互い違いに配置された各絶縁板22を示している。
保持機構41は、互いに対向する2つの板ばね状部分を有する構造物である。給電子10は、2つの板ばね状部分の間隙42に差し込まれる。保持機構41は、間隙42へ給電子10が差し込まれることによって給電子10を保持する。ホルダー30に給電子ユニット20が保持されている状態において、複数の給電子10の各々が複数の保持機構41の各々に保持される。保持機構41の材料には、導電性を有しかつ弾性変形が可能な金属材料が使用される。なお、図10では、4つの給電子ユニット20のうち図9において破線により囲われた1つの給電子ユニット20について、各給電子10に接触される保持機構41を示している。
複数の保持機構41の各々には、給電線11の端部が繋がれている。保持機構41に給電線11の端部が半田付けされることによって、保持機構41と給電線11とは電気的に接続されている。また、保持機構41に給電子10が接触することによって、保持機構41は、給電子10を給電線11に電気的に接続する。なお、給電線11のうち保持機構41に接続される端部とは逆側の端部は、加工電源ユニット12に接続される。
給電子10が保持機構41へ差し込まれることによって、保持機構41は変形する。保持機構41が変形することによって、保持機構41への給電子10の接触が確保される。2つの板ばね状部分の間隙42に給電子10が差し込まれることによって、給電子10の両面において給電子10と保持機構41との接触を確保することができる。給電子10と保持機構41とが接触することによって、保持機構41から給電子10への電流の供給が可能となる。
ホルダー30に給電子ユニット20が位置決めされることによって、複数の給電子10の各々が複数の保持機構41の各々に同時に接触可能とされている。これにより、ワイヤ放電加工装置100は、ホルダー30に給電子ユニット20が保持された状態において、複数の給電子10の各々を、複数の給電線11の各々と電気的に接続することができる。なお、保持機構41は、ワイヤ放電加工装置100のうちホルダー30以外の要素に設けられていても良い。保持機構41の位置は、保持機構41へ給電子10が差し込まれることが可能な位置であれば良い。
複数の保持機構41の各々は、給電子ユニット20の軸方向に平行な方向においてスライド可能とされている。すなわち、軸方向に平行な方向において、各保持機構41の位置は調整可能とされている。線条部2a同士の間隔が調整されたことに合わせて軸方向における各給電子10の位置が調整された場合に、各給電子10の位置に合わせて各保持機構41の位置が調整される。ワイヤ放電加工装置100は、線条部2aの位置の変更に伴い給電子10の位置が調整された場合に、給電子10に合わせて板ばね32が位置決めされることによって、保持機構41と給電子10との接触を維持することができる。
実施の形態4によると、ワイヤ放電加工装置100には、給電子10を給電線11に電気的に接続する複数の保持機構41が設けられている。また、ホルダー30に給電子ユニット20が保持されている状態において複数の給電子10の各々が複数の保持機構41の各々に接触する。これにより、ワイヤ放電加工装置100は、複数の給電子10を有する給電子ユニット20の容易なメンテナンスが可能となるという効果を奏する。
実施の形態5.
実施の形態5では、ホルダーと導電体との変形例について説明する。図13は、本発明の実施の形態5にかかるワイヤ放電加工装置が有するホルダーと導電体である給電用ワイヤとを示す図である。実施の形態5では、上記の実施の形態1から4と同一の構成要素には同一の符号を付し、実施の形態1から4とは異なる構成について主に説明する。
図13に示すホルダー50には、凹部53が設けられている。給電用ワイヤ51は、凹部53の上部において張り渡されている。給電用ワイヤ51は、給電子10が押さえ付けられることによってたわむことが可能とされたワイヤである。給電用ワイヤ51の一端は、固定ねじ54によってホルダー50に固定されている。給電用ワイヤ51の他端は、ホルダー50に配置された絶縁材52に固定されている。給電用ワイヤ51の当該他端に給電線11の端部が繋がれることによって、給電用ワイヤ51と給電線11とは電気的に接続されている。ホルダー50には、図13における奥行き方向へ並べられた複数の給電用ワイヤ51が設けられている。
給電子ユニット20は、ホルダー50に保持される。図13には、給電子ユニット20がホルダー50に取り付けられるときの様子を示している。図14は、図13に示すホルダーに給電子ユニットが取り付けられた状態における給電子ユニットと給電用ワイヤとを示す図である。
ホルダー50に給電子ユニット20が取り付けられる際に、凹部53の上方から下方へ給電子ユニット20を移動させる過程において、給電子10は、給電用ワイヤ51に到達する。給電用ワイヤ51に給電子10が到達してからさらに給電子ユニット20が下方へ移動することにより、給電子ユニット20は、ホルダー50において位置決めされる。ホルダー50に給電子ユニット20が位置決めされた状態において、給電用ワイヤ51は、給電子10によって押さえ付けられた状態で下方へたわむ。給電用ワイヤ51は、給電子10の外側面に設けられている溝に入り込む。
給電子10の溝に給電用ワイヤ51が入り込んだ状態とされ、かつ給電用ワイヤ51へ給電子10が押し付けられることによって、給電用ワイヤ51への給電子10の接触が確保される。給電子10と給電用ワイヤ51とが接触することによって、給電用ワイヤ51から給電子10への電力供給が可能となる。
ホルダー50に給電子ユニット20が位置決めされることによって、複数の給電子10の各々が複数の給電用ワイヤ51の各々に同時に接触可能とされている。これにより、ワイヤ放電加工装置100は、ホルダー50に給電子ユニット20が保持された状態において、複数の給電子10の各々を、複数の給電線11の各々と電気的に接続することができる。
図15は、実施の形態5においてホルダーに給電用ワイヤが取り付けられている他の例を示す図である。各給電用ワイヤ51は、ホルダー50に形成されている溝55を通して配置されることによって、凹部53の上部において張り渡されている。溝55に給電用ワイヤ51が通されることによって、ホルダー50は、給電用ワイヤ51へ給電子10が押さえ付けられる際に、ホルダー50における給電用ワイヤ51の位置ずれを抑制することができる。
なお、給電用ワイヤ51は、ワイヤ放電加工装置100のうちホルダー30以外の要素に設けられていても良い。給電用ワイヤ51は、給電子10と接触可能な位置に設けられていれば良い。
複数の給電用ワイヤ51の各々は、給電子ユニット20の軸方向に平行な方向においてスライド可能とされている。すなわち、軸方向に平行な方向において、各給電用ワイヤ51の位置は調整可能とされている。線条部2a同士の間隔が調整されたことに合わせて軸方向における各給電子10の位置が調整された場合に、各給電子10の位置に合わせて各給電用ワイヤ51の位置が調整される。ワイヤ放電加工装置100は、線条部2aの位置の変更に伴い給電子10の位置が調整された場合に、給電子10に合わせて給電用ワイヤ51が位置決めされることによって、給電用ワイヤ51と給電子10との接触を維持することができる。
実施の形態5によると、ワイヤ放電加工装置100には、給電子10を給電線11に電気的に接続する複数の給電用ワイヤ51が設けられている。また、ホルダー30に給電子ユニット20が保持されている状態において複数の給電子10の各々が複数の給電用ワイヤ51の各々に接触する。これにより、ワイヤ放電加工装置100は、複数の給電子10を有する給電子ユニット20の容易なメンテナンスが可能となるという効果を奏する。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。
1A 第1のボビン、1B 第2のボビン、2 ワイヤ電極、2a 線条部、3a,3b,3c,3d ガイドローラ、4A,4B 制振ガイドローラ、5 案内溝、6A,6B ノズル、7 被加工物、8 加工溝、10,10A,10B 給電子、11 給電線、12 加工電源ユニット、13 ステージ、14 加工電源、15 パルス発振器、16 加工制御装置、17A,17B 回転駆動部、18A,18B トラバース駆動部、19 ステージ駆動部、20,60 給電子ユニット、21 支持ロッド、22 絶縁板、23,67 スペーサ、24,63 基部、25,64,66 基準面、26,32 板ばね、27,73 ナット、30,50 ホルダー、31 押さえ部、33 位置決めピン、34 穴、35,36,53 凹部、40 底面部、41 保持機構、42 間隙、51 給電用ワイヤ、52 絶縁材、54 固定ねじ、55 溝、61 給電子グループ、62 支持ボルト、65 つば部、68 コイルばね、69 補強ロッド、72 ワッシャ、100 ワイヤ放電加工装置。

Claims (12)

  1. ワイヤ電極が複数回巻き掛けられて、前記ワイヤ電極の走行をガイドする第1のガイドローラおよび第2のガイドローラと、
    前記ワイヤ電極のうち前記第1のガイドローラと前記第2のガイドローラとの間にて互いに並行する部分である複数の線条部に個別に接触して、接触された線条部と被加工物との間に電圧を印加するための給電子と、
    互いに一体とされた複数の前記給電子を有する給電子ユニットを保持するホルダーと、
    加工電源によって供給される加工電流が流れる給電線の端部が繋がれており、前記給電子が接触することによって前記給電子を前記給電線に電気的に接続する導電体と、
    を備え、
    前記ホルダーに前記給電子ユニットが保持されている状態において、複数の前記給電子の各々は、複数の前記導電体の各々に接触することを特徴とするワイヤ放電加工装置。
  2. 複数の前記導電体は、前記ホルダーに設けられていることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工装置。
  3. 前記導電体は、前記給電子が押さえ付けられることによって変形可能な板ばねであることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤ放電加工装置。
  4. 前記給電子ユニットが有する複数の前記給電子の各々は、前記給電子が前記板ばねに押さえ付けられることによって前記板ばねを変形させた状態で、複数の前記板ばねの各々に接触することを特徴とする請求項3に記載のワイヤ放電加工装置。
  5. 前記導電体は、互いに対向する2つの板ばね状部分の間隙へ前記給電子が差し込まれることによって前記給電子を保持する保持機構であることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤ放電加工装置。
  6. 前記導電体は、前記給電子が押さえ付けられることによってたわむことが可能なワイヤであることを特徴とする請求項1または2に記載のワイヤ放電加工装置。
  7. 前記給電子ユニットは、
    互いに隣り合う前記給電子同士の間隔を保持するとともに前記給電子同士を絶縁する絶縁板と、
    複数の前記給電子の各々と複数の前記絶縁板の各々とを貫くことによって複数の前記給電子と複数の前記絶縁板とを支持する支持部品と、
    前記支持部品への締結によって、複数の前記給電子と複数の前記絶縁板とを前記支持部品に固定する締結部品と、
    を有し、
    複数の前記給電子と複数の前記絶縁板とは、前記支持部品の軸方向へ一列に配列された状態で互いに一体とされていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  8. 複数の前記給電子と複数の前記絶縁板とは、前記支持部品のうち前記軸方向における一方の端部に設けられた基部と、前記支持部品のうち前記軸方向における他方の端部に締め付けられた前記締結部品との間に固定され、
    前記給電子ユニットは、前記基部と前記締結部品との間における複数の前記給電子の位置決めのためのスペーサを有することを特徴とする請求項7に記載のワイヤ放電加工装置。
  9. 前記絶縁板と前記スペーサとは、絶縁セラミックスからなる構造物、あるいは、芯材と前記芯材の表面に形成された絶縁性の硬質膜とを有する構造物であることを特徴とする請求項8に記載のワイヤ放電加工装置。
  10. 前記支持部品は、絶縁セラミックスからなる構造物、芯材と前記芯材の表面に形成された絶縁性の硬質膜とを有する構造物、あるいは、絶縁性材料からなる中空管に芯材が挿入された構造体であることを特徴とする請求項8に記載のワイヤ放電加工装置。
  11. 前記支持部品は、互いに連結可能とされた複数の基材を有し、
    前記複数の基材の各々に、前記給電子が配置されていることを特徴とする請求項7から10のいずれか1つに記載のワイヤ放電加工装置。
  12. 前記複数の基材は、基材同士の締結によって互いに連結可能とされており、
    前記基材同士における締め込み度合いが調整可能であることを特徴とする請求項11に記載のワイヤ放電加工装置。
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