JP2020137892A - 内視鏡用スペーサ部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】全方位的なアプローチが可能な内視鏡用スペーサ部材を提供すること。【解決手段】内視鏡で作業するための空間を体腔内に確保する内視鏡用スペーサ部材2である。内部に流体が充填されることにより膨張するバルーンからなり、複数の直線状または曲線状の辺部21aを備え、辺部21aの両端部は他の辺部21aの端部にそれぞれ接合されて、膨張された状態で立体形状を呈する立体骨組部材21と、立体骨組部材21内に流体を充填するための流体導入部22とを有している。立体骨組部材21は、各辺部21aのうち互いに接合された複数の辺部により囲まれた少なくとも3つの辺部間部分21bを備え、各辺部21aにより構成される内側空間は、各辺部間部分21bを介して外側に開放されている。【選択図】図1

Description

本発明は、内視鏡で作業するための空間を体腔内に確保する内視鏡用スペーサ部材に関する。
経管腔的内視鏡手術(NOTES:Natural Orifice Translumenal Endoscopic Surgery)は体表面に創を作らない低侵襲手術として近年注目を集めている。体表を切開し、体腔内の患部へ到達する従来の外科手術とは異なり、内視鏡を用いて口、肛門、尿道口、膣口等の自然孔から消化管、尿道、産道等を経由させて、患部へ処置具を到達させる。このような経管腔的内視鏡手術は、腹腔内観察、肝生検等の診断的手技から虫垂切除、胆嚢摘出、卵管結紮、卵巣摘出、胃小腸吻合など多様な手技への応用の可能性が報告されている。
経管腔的内視鏡手術においては、管腔内に挿入された内視鏡による視野を確保するため、内視鏡の空気供給路を介して管腔内に空気を供給して、その圧力で該管腔内に作業スペースを確保して必要な処置が行われる。ところで、管腔壁の癌細胞の全層切除や管腔壁(たとえば胃壁)を積極的に穿孔して、他の臓器(たとえば胆嚢)にアプローチする場合等、管腔壁に孔を形成する場合には、管腔内に供給した空気がこの孔から流出して内圧が低下し、処置を行うのに十分なスペースの確保が困難となり、内視鏡の視野が制限されたり、必要な処置を継続することが難しくなったりする場合がある。
ここで、経皮的にアプローチして臓器の外側から患部に到達する手術(経皮的手術)に関して、臓器の外側の体腔(腹腔等)内にスペースを確保するための部材として、特許文献1に示すような部材(術領域確保装置)が提案されている。この部材は、二枚のシート材を部分的に適宜に溶着して構成され、非溶着部の中に流体を充填することにより膨張して、円環部とこれに斜め放射状に接続された複数の直線バルーンとを有する円錐台筒状の部材としたものである。これらの直線バルーンの間の部分には互いに溶着されたシート材が存在しており、円環部の内孔から処置具を挿入して患部にアプローチする際に、直線バルーンおよびこれらの間に存在するシート材によって、隣接する臓器等の流れ込みを抑制するものである。
しかしながら、このような従来のスペーサ部材を経管腔的内視鏡手術に流用することを考察した場合、このスペーサ部材は円錐台筒状で側部が開放されていないため、指向性が高く、処置具のアプローチ方向にスペーサ部材の姿勢を厳密に設定する必要があり、使いづらい場合があるという問題がある。
特開2015−154794号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、全方位的なアプローチが可能な内視鏡用スペーサ部材を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明に係る内視鏡用スペーサ部材は、
内視鏡で作業するための空間を体腔内に確保する内視鏡用スペーサ部材であって、
内部に流体が充填されることにより膨張するバルーンからなり、該バルーンの一部を構成するバルーン部としての複数の直線状または曲線状に延在する辺部を備え、該辺部の両端部は他の辺部の端部にそれぞれ接合されて、膨張された状態の外形状が全体として立体形状を呈する立体骨組部材と、
前記立体骨組部材内に流体を充填するための流体導入部とを有し、
前記立体骨組部材は、膨張された状態で各辺部のうち互いに接合された複数の辺部により囲まれた少なくとも3つの辺部間部分を備え、
各辺部により構成される内側空間は、各辺部間部分を介して外側に開放されている内視鏡用スペーサ部材である。
本発明に係る内視鏡用スペーサ部材を、立体骨組部材の内部の流体を排出して適宜に折り畳んだ状態で処置すべき体腔(管腔臓器を含む)内に挿入した後に、流体導入部を介して立体骨組部材に流体を充填して膨張させると、立体骨組部材は立体形状となる。この膨張した立体骨組部材の辺部により体腔壁が内側から押圧されて(押し広げられて)、該体腔内に空間を確保することができる。
そして、立体骨組部材は各辺部のうち互いに接合された複数の辺部により囲まれた少なくとも3つの辺部間部分を備え、各辺部により構成される内側空間は各辺部間部分を介して外側に開放されている、すなわち、辺部間部分には何も存在していない。したがって、適宜な一の辺部間部分を選択して、選択した辺部間部分を介して外側から処置具(内視鏡や内視鏡用処置具等)を内側空間に挿入し、他の2つ以上の辺部間部分のうち患部へのアプローチに適した辺部間部分を適宜に選択して、選択した辺部間部分を介して必要な処置を行うことができる。すなわち、本発明に係る内視鏡用スペーサ部材は、立体骨組部材に3つ以上の開放された辺部間部分が配置されているため、その姿勢にかかわらず、処置具のアプローチの方向に制約が少なく、全方位的なアプローチが可能である。このため、内視鏡用スペーサ部材の姿勢を厳密に設定しなくても、処置を行うことが可能であり、非常に使い易く、処置の迅速化を図り得る。
本発明に係る内視鏡用スペーサ部材において、内視鏡で経管腔的に処置するための空間を管腔臓器内に確保するために用いることができる。全方位的なアプローチが求められる経管腔的内視鏡手術等に、特に好適に用いることができる。
本発明に係る内視鏡用スペーサ部材において、前記立体骨組部材の膨張された状態における立体形状は、略球体形状、略長球体形状または略多面体形状とすることができる。患部が存在する管腔臓器等の形状に応じて適宜な形状を選択して用いることができ、たとえば胃を対象とする場合には略球体形状または略多面体形状が好適であり、十二指腸、食道、大腸等を対象とする場合には略長球体形状が好適である。なお、長球体形状には、楕円球体形状、長円球体形状、卵形状、俵形状、瓢箪形状等が含まれる。前記立体骨組部材を略球体形状とする場合には、複数の前記辺部により構成される略円環状に形成された略同一径を有する複数の円環部を、互いの中心が略一致するとともに、互いに交差するように設けて構成することができる。たとえば、略1/4円弧状の4つの辺部から構成される円環部を3つ設けて、該円環部を互いに略90°で交差するように設けて構成することができる。
本発明に係る内視鏡用スペーサ部材において、前記流体導入部は、前記辺部の一つの一部に一端が連通され、他端に前記立体骨組部材を膨張させるための流体(空気、炭酸ガスなどの気体や生理食塩水、造影剤、墨汁、牛乳などの液体など)を供給する流体供給チューブが着脱可能に連結される流体導入チューブと、前記立体骨組部材に導入された流体の逆流を防止する逆止弁とを備えることができる。流体供給チューブを流体導入チューブに連結して流体を立体骨組部材に充填した後に、流体供給チューブを流体導入チューブから分離しても、流体の放出を防止することができる。この場合において、前記流体導入チューブを前記内側空間内に設けることができる。これにより、立体骨組部材が膨張された状態で流体導入チューブが体腔壁等に干渉することを抑制することができる。
図1は、本発明の実施形態のバルーンスペーサおよび流体供給カテーテルを備える内視鏡用スペーサ装置の全体構成を示す正面図である。 図2Aは、図1のバルーンスペーサの斜視図である。 図2Bは、図2Aのバルーンスペーサを他の方向から見た斜視図である。 図3Aは、図1の内視鏡用スペーサ装置の一部を拡大して示した正面図である。 図3Bは、図3Aの断面図である。 図3Cは、図3Aの断面図であって、バルーンスペーサの流体導入チューブを流体供給カテーテルに連結する直前を示す図である。 図3Dは、図3Aの断面図であって、バルーンスペーサの流体導入チューブを流体供給カテーテルから分離した直後を示す図である。 図4Aは、図2Aのバルーンスペーサの一部を変更した第1の例を示す斜視図である。 図4Bは、図2Aのバルーンスペーサの一部を変更した第2の例を示す斜視図である。 図4Cは、図2Aのバルーンスペーサの一部を変更した第3の例を示す斜視図である。 図5は、本発明の他の実施形態のバルーンスペーサを示す斜視図である。 図6Aは、本発明のさらに他の実施形態のバルーンスペーサを示す斜視図である。 図6Bは、図6Aのバルーンスペーサの一部を変更した例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態として、内視鏡用スペーサ部材および流体供給装置を備える内視鏡用スペーサ装置について、図面を参照して具体的に説明する。本発明に係る内視鏡用スペーサ部材を用いて空間(スペース)を確保すべき体内の対象部位としては、特に限定されないが、口、肛門、尿道口、膣口等の自然孔からアプローチし得る管腔臓器(食道、胃、十二指腸、大腸、尿道、産道等)内を例示できる。ただし、経皮的にアプローチし得る腹腔や胸腔等内であってもよい。以下では、一例として、内視鏡用スペーサ部材を軟性内視鏡を用いて、経口的に胃に搬送して、該胃内に処置のためのスペースを確保する場合について説明する。
図1に示すように、内視鏡用スペーサ装置1は、内視鏡で作業するための空間(スペース)を体腔(ここでは、管腔臓器としての胃とする)内に確保するために用いられるバルーンスペーサ(内視鏡用スペーサ部材)2および収縮した状態で体内に搬送(挿入)されたバルーンスペーサ2に体外からの操作により流体(空気等の気体や生理食塩水等の液体)を供給して膨張させる流体供給カテーテル(流体供給装置)3を備えて構成されている。なお、「内視鏡で作業する」という用語は、内視鏡自体によって観察や送水等の作業を行うこと、および内視鏡で観察しながら内視鏡用処置具等の別の器具によって患部に対する処置等の作業を行うことを含む概念である。
バルーンスペーサ2は、図2Aおよび図2Bにも示すように、内部に流体が充填されることにより膨張するバルーンからなり、膨張された状態で立体形状(ここでは、略球体形状)となる立体骨組バルーン(立体骨組部材)21および立体骨組バルーン21に流体を充填するための流体導入チューブ(流体導入部)22とを有している。
立体骨組バルーン21は、内部に流体が充填されることにより膨張するバルーン部としての複数の直線状または曲線状の辺部21aを骨組の構成要素として備える骨組構造体である。辺部21aの両端部は他の辺部21aの端部(または中間部)にそれぞれ接合されている。辺部21aとこれに接合された他の辺部21aとは、当該接合部において互いに連通している。
本実施形態では、辺部21aは、全て実質的に同一の構成を有する略円弧状(略1/4円弧状)の部位として、全部で12個設け、これらにより立体骨組バルーン21が構成されている。すなわち、4個の辺部21aを略円環状に連続するように配置して円環部とし、該円環部を3つ設けて、各円環部の中心が略一致するとともに、互いに略90°で交差するように設けて、全体として外形状が略球体形状の立体骨組バルーン21を構成している。
立体骨組バルーン21を構成する複数の辺部21aのうち互いに接合された複数(本実施形態では3つ)の辺部21aにより囲まれた部分である辺部間部分21bには何も存在していない、すなわち、立体骨組バルーン21の各辺部21aにより構成される内側空間は辺部21aの間の辺部間部分21bを介して立体骨組バルーン21の外側に開放されている。なお、辺部間部分21bの数は、本実施形態では、全部で8つである。
辺部21aの断面(軸心に直交する断面)の形状は、本実施形態では、円形であるものとするが、楕円形、長円形、多角形等であってもよい。辺部21aの軸心に直交する断面における直径は、φ2〜10mmの範囲で設定することができる。立体骨組バルーン21の直径(略球体としての外直径)は、φ50〜200mmの範囲で設定することができる。
立体骨組バルーン21の材質としては、特に限定されないが、ポリアミド、結晶性ポリエーテルエーテルケトン、非晶性ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニル、ポリアミド系エラストマー、オレフィン系エラストマー、シリコーン、天然ゴム、ポリウレタン等の各種高分子材料を好適に用いることができる。なお、立体骨組バルーン21は、材質自体が膨張(伸縮)するもの、材質自体は伸縮しないが、折り畳まれた状態から所定の形状に膨張(拡張)するもののいずれであってもよい。
流体導入チューブ22は、図3A〜図3Dに示すように、接続チューブ22a、連結チューブ22bおよび逆止弁22cを備えている。接続チューブ22aは、基端部が辺部21aのいずれか一つの一部に連通するように一体的に接合されており、先端部が連結チューブ22bの基端部22b3の内腔に挿入された状態で固定されている。
連結チューブ22bの先端部は、後に詳述する流体供給装置としての流体供給カテーテル3のインナーチューブ(流体供給チューブ)31の遠位端部に設けられた連結部31aが着脱可能に圧入されることにより連結される被連結部22b1となっている。連結チューブ22bの中間部22b2の内腔内には、逆止弁22cが設けられている。逆止弁22cは、連結チューブ22bの被連結部22b1側(流体供給カテーテル3側)から供給される流体は基端部22b3側(立体骨組バルーン21側)に流通させるが、これと反対方向への逆流は阻止するものである。
逆止弁22cは、本実施形態では、連結チューブ22bの内腔内に一体的に形成されている。すなわち、連結チューブ22bの内腔は、流体供給カテーテル3のインナーチューブ31の連結部31aが連結される被連結部22b1の内径よりも、中間部22b2の内径が大きく設定されており、この段差部分に着座するように逆止弁22cを構成する略円板状の弁体が設けられている。弁体の一部は連結チューブ22bに一体的に接合されており、外力が作用しない状態では弁体が自己の弾性(復元性)により当該段差部に着座して閉じた状態(閉状態)となっており、弁体に被連結部22b1側から力が作用した場合に基端部22b3側に回動して開いた状態(開状態)となる。
流体供給装置としての流体供給カテーテル3は、図1および図3A〜図3Dに示すように、インナーチューブ31およびアウターチューブ32からなるシース部ならびにシリンジ33を備えている。インナーチューブ31およびアウターチューブ32は、体内に挿入される遠位端部および体外に配置される近位端部を有する可撓性の細長いチューブから構成されている。インナーチューブ31はアウターチューブ32にスライド可能に挿通されている。
インナーチューブ31の遠位端部は、基端側の部分よりも細径に設定された連結部31aとなっており、連結部31aは、遠位端に行くにしたがって僅かに細くなるようにテーパ状に形成されている。連結部31aは、バルーンスペーサ2の連結チューブ22bの被連結部22b1に着脱可能に圧入される部位である。
インナーチューブ31の近位端部には、術者が手で操作するのに適した外形を有するインナーチューブハブ31bが一体的に設けられている。インナーチューブハブ31bの近位端には、インナーチューブ31の内腔に連通するポート31cが一体的に設けられている。ポート31cには、ピストンを有するシリンジ33が着脱可能に連結される。流体が充填されたシリンジ33をポート31cに接続して、シリンジ33を操作(ピストンを押圧)することにより、インナーチューブ31を介して流体が供給される。インナーチューブ31の外径は1.0〜3.0mm程度である。
アウターチューブ32は、インナーシース31の外径よりも僅かに大きい内径を有しており、その内腔にインナーチューブ31がスライド可能に挿通されている。アウターチューブ32の内径は1.2〜3.2mm程度であり、外径は1.6〜3.6mm程度である。アウターチューブ32の近位端部には、アウターチューブ32をインナーチューブ31に対して軸方向にスライド(相対移動)させる操作に適した外形を有するアウターチューブハブ32aが一体的に設けられている。
インナーチューブ31、アウターチューブ32の材料としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリエーテルポリアミド、ポリエステルポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレンやテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体等のフッ素系樹脂等の各種樹脂材料や、ポリスチレン系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリブタジエン系等の各種熱可塑性エラストマーを使用することがでる。これらのうち2種以上を組み合わせて使用することもできる。
バルーンスペーサ2を体腔内(ここでは、管腔臓器としての胃)に挿入して、胃内に内視鏡で処置するのに適したスペースを確保する際には、まず、初期状態にしたバルーンスペーサ2を準備する。ここで、初期状態とは、バルーンスペーサ2内の流体(ここでは、空気とするが、炭酸ガスなどの気体や生理食塩水、造影剤、墨汁、牛乳などの液体などでもよい)を排出してバルーンスペーサ2を収縮させて、体内への経口挿入に適した形状に折り畳んだ状態である。
次いで、内視鏡の処置具案内管(鉗子口)に流体供給カテーテル3(シース部)を挿入し、図3Cに示すように、流体供給カテーテル3のインナーチューブ31に対してアウターチューブ32を近位端側にスライドさせてインナーチューブ31の連結部31aを露出させた状態とする。なお、これと前後して、バルーンスペーサ2を所定の立体形状となるように膨張させるのに適した所定量の空気を充填したシリンジ33を、ポート31cに装着しておく
この状態で、流体供給カテーテル3の遠位端部に初期状態のバルーンスペーサ2をセット(装着)する。すなわち、図3Bに示すように、流体供給カテーテル3のインナーチューブ31の連結部31aを、バルーンスペーサ2の流体導入チューブ22の連結チューブ22bの被連結部22b1に圧入して摩擦嵌合させることにより連結する。このとき、連結部31aの先端部が連結チューブ22bの中間部22b2に至って、逆止弁22cの弁体を押圧(付勢)して回動させることにより、該弁体が開くようになっている。これにより、バルーンスペーサ2の流体供給カテーテル3に対する装着作業が完了する。なお、ここでは、インナーチューブ31の連結部31aの遠位端で弁体を押圧することにより逆止弁22cを開くようにしたが、インナーチューブ31から供給する流体(空気)の圧力によって逆止弁22cを開くようにしてもよい。
次いで、内視鏡を経口的に挿入し、内視鏡の遠位端部を胃内に到達させる。このとき、初期状態のバルーンスペーサ2は内視鏡の遠位端から出た状態となっており、バルーンスペーサ2を引きずるようにして口腔、食道を介して胃まで搬送する。なお、内視鏡の処置具案内管に内視鏡用把持鉗子を挿入し、内視鏡の遠位端から出た把持鉗子で初期状態のバルーンスペーサ2を把持して、内視鏡のシャフトの側部に沿って流体供給カテーテル3のシース部(インナーチューブ31およびアウターチューブ32)を配置した状態で、内視鏡を経口的に挿入するようにしてもよい。
バルーンスペーサ2が胃内に到達したならば、流体供給カテーテル3のシリンジ33を操作(押圧)して、インナーチューブ31内に所定量の空気を供給する。この空気は、インナーチューブ31、連結チューブ21bおよび接続チューブ21aを介して、立体骨組バルーン21内に供給され、これにより立体骨組バルーン21が膨張して所定の立体形状となる。胃の内壁は、バルーンスペーサ2(立体骨組バルーン21)の膨張に伴い押し広げられ、該胃内にスペースが確保される。
その後、流体供給カテーテル3の近位端部において、インナーチューブ31をアウターチューブ32に対して近位端側にスライドさせると、図3Dに示すように、アウターチューブ31の遠位端面は、連結チューブ22bの被連結部22b1の先端面に当接した状態を経て、連結チューブ22bの被連結部22b1からインナーチューブ31の連結部31aが引き抜かれ、連結チューブ22bはインナーチューブ31から分離される。このとき、連結チューブ22bの被連結部22b1からのインナーチューブ31の連結部31aの引き抜きに伴い、逆止弁22cの弁体は、弁体自体の弾性(復元性)およびバルーンスペーサ2内の空気圧により閉じて(段差部に着座して)、封止された状態となる。バルーンスペーサ2の分離の後、流体供給カテーテル3を体内から適宜に引き抜くことにより、胃内のスペースの確保が完了する。
その後、内視鏡の処置具案内管を介して処置具を挿入して、バルーンスペーサ2によって確保されたスペースを利用して必要な処置を実施する。たとえば、内視鏡の遠位端部をバルーンスペーサ2の適宜な一の辺部間部分(たとえば、胃食道接合部に近い辺部間部分)21bに外側から内側空間に挿入し、内視鏡の偏向機能によりバルーンスペーサ2の適宜な他の辺部間部分21bを介して胃内壁を観察したり、内視鏡の処置具案内管を介して内視鏡用処置具を挿入したりして、患部へのアプローチに適した適宜な他の辺部間部分21bを介して必要な処置を行うことができる。なお、必要があれば、内視鏡の遠位端部や内視鏡用把持鉗子等を用いてバルーンスペーサ2の姿勢(位置や回転姿勢)を処置にさらに適するように変更してもよい。
バルーンスペーサ2によるスペースを確保した状態での処置が完了したならば、バルーンスペーサ2の辺部21aの適宜な箇所(1箇所または複数箇所)を、内視鏡用はさみ鉗子や電気メス等により切断して、内部の空気を自己の収縮力により、あるいは内視鏡用把持鉗子等を用いて圧迫する等により積極的に放出させて収縮させた後、内視鏡用把持鉗子等で把持して、体外に回収することができる。
上述した実施形態では、バルーンスペーサ2を構成する複数の辺部21aのうち互いに接続された複数(3つ)の辺部21aにより囲まれた部分である辺部間部分21bには何も存在していない、すなわち、バルーンスペーサ2の内側空間は辺部間部分21bを介して外側空間に開放されている。したがって、たとえば、処置具をバルーンスペーサ2の適宜な一の辺部間部分21bを選択して外側から内側空間に挿入し、患部へのアプローチに適した適宜な他の辺部間部分21bを選択して、これを介して必要な処置を行うことができる。すなわち、バルーンスペーサ2の姿勢にかかわらず、処置具のアプローチの方向に制約が少なく、全方位的なアプローチが可能である。このため、バルーンスペーサ2の姿勢を厳密に設定しなくても、処置を行うことが可能であり、非常に使い易く、迅速に所望の処置を実施することができる。
バルーンスペーサ2の構成としては、上述したものに限定されず、たとえば、図4A〜図4Cに示すように構成してもよい。すなわち、上述した実施形態では、図2Aに示すように、4つの辺部21aから構成される円環部の数を3つとしたが、図4Aに示すバルーンスペーサ2Aでは4つの辺部21aから構成される円環部の数を増やして5つとし、図4Bに示すバルーンスペーサ2Bでは4つの辺部21aから構成される円環部の数をさらに増やして7つとしている。このように辺部の数(円環部の数)を増やすことにより、辺部間部分の面積は小さくなるが、バルーンスペーサ2の強度を向上させることができる。
なお、上述した実施形態およびその変形例では、立体骨組バルーン21として、辺部間部分を8つ以上設けたものを例示しているが、3つ以上であればよい。辺部間部分を3つ備える立体骨組バルーンとしては、図示は省略するが、たとえば、略半円弧状の3つの辺部をそれぞれの一端および他端で互いに接合するとともに、互いに略等角度ピッチ(略120°の関係)で配置したものを例示できる。
また、図2A、図4Aおよび図4Bに示すものでは、流体導入チューブ22は一端を立体骨組バルーン21の外側の一部に接続するとともに、他端を立体骨組バルーン21の外側を指向して突出するように設けているが、図4Cに示すバルーンスペーサ2Cでは、流体導入チューブ22を一端が立体骨組バルーン21の内側の一部に接続するとともに、他端を立体骨組バルーン21の内側を指向して内部空間内に設けている。流体導入チューブ22を立体骨組バルーン21の外側に設けると、流体導入チューブ22が管腔臓器の内壁等に干渉して、バルーンスペーサ2の姿勢に制約が生じるおそれがあるが、流体導入チューブ22を立体骨組バルーン21の内側に設けることにより、そのような制約を無くすことができ、姿勢の自由度を高くすることができる。
また、上述した実施形態では、図2Aに示すように、バルーンスペーサ2の辺部21aの断面形状は略円形とするとともに、辺部21aを略円弧状(略1/4円弧状)として、バルーンスペーサ2の外形を略球体形状としているが、図5に示すバルーンスペーサ2Dでは、辺部21aの断面形状を矩形とするとともに、辺部21aを略直線状としてバルーンスペーサ2の外形を略多面体形状としている。なお、図5に示すバルーンスペーサ2Dでは外形を12面体としているが、4面体以上であればよい。
なお、図示はしないが、図2Aおよび図4A〜図4Cに示した各バルーンスペーサ2,2A〜2Cにおいて、図5に示したバルーンスペーサ2Dのように、辺部21aの断面形状を矩形、その他の多角形とし、あるいは辺部21aを略円弧状ではなく、略直線状としてもよい。反対に、図5に示したバルーンスペーサ2Dにおいて、図2A等に示したような辺部21aの断面形状を略円形とし、あるいは辺部21aの延在方向の形状を略円弧状としてもよい。また、たとえば、略円弧状の辺部と略直線状の辺部とを組み合わせる等、異なる構成の複数の辺部を組み合わせてもよい。
さらに、上述した実施形態では、胃におけるスペースの確保に適した形状としてバルーンスペーサ2の外形を略球体形状としたが、食道や十二指腸等の細長い管腔臓器のスペースの確保に適した形状として、図6Aや図6Bに示すように、略円弧状の複数の辺部21aと略直線状の複数の辺部21cとを適宜に組み合わせて、略長球体形状としたもの(バルーンスペーサ2E,2F)を挙げることができる。また、バルーンスペーサを構成する複数の辺部を径の異なる複数の辺部や直線状の複数の辺部を組み合わせて、その外形を楕円球体形状、長円球体形状、卵形状、俵形状、瓢箪形状等の長球体形状としてもよい。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
1…内視鏡用スペーサ装置
2,2A〜2F…バルーンスペーサ(内視鏡用スペーサ部材)
21…立体骨組バルーン(立体骨組部材)
21a,21c…辺部
21b…辺部間部分
22…流体導入チューブ(流体導入部)
22a…接続チューブ
22b…連結チューブ
22b1…被連結部
22b2…中間部
22b3…基端部
22c…逆止弁
3…流体供給カテーテル(流体供給装置)
31…インナーチューブ(流体供給チューブ)
31a…連結部
31b…インナーチューブハブ
31c…ポート
32…アウターチューブ
32a…アウターチューブハブ
33…シリンジ

Claims (6)

  1. 内視鏡で作業するための空間を体腔内に確保する内視鏡用スペーサ部材であって、
    内部に流体が充填されることにより膨張するバルーンからなり、該バルーンの一部を構成するバルーン部としての複数の直線状または曲線状に延在する辺部を備え、該辺部の両端部は他の辺部の端部にそれぞれ接合されて、膨張された状態の外形状が全体として立体形状を呈する立体骨組部材と、
    前記立体骨組部材内に流体を充填するための流体導入部とを有し、
    前記立体骨組部材は、膨張された状態で各辺部のうち互いに接合された複数の辺部により囲まれた少なくとも3つの辺部間部分を備え、
    各辺部により構成される内側空間は、各辺部間部分を介して外側に開放されている内視鏡用スペーサ部材。
  2. 内視鏡で経管腔的に処置するための空間を管腔臓器内に確保するために用いられる請求項1に記載の内視鏡用スペーサ部材。
  3. 前記立体骨組部材の膨張された状態における立体形状は、略球体形状、略長球体形状または略多面体形状である請求項1または2に記載の内視鏡用スペーサ部材。
  4. 前記立体骨組部材は、複数の前記辺部により構成される略円環状に形成された略同一径を有する複数の円環部を、互いの中心が略一致するとともに、互いに交差するように設けてなる請求項1〜3のいずれかに記載の内視鏡用スペーサ部材。
  5. 前記流体導入部は、前記辺部の一つの一部に一端が連通され、他端に前記立体骨組部材を膨張させるための流体を供給する流体供給チューブが着脱可能に連結される流体導入チューブと、前記立体骨組部材に導入された流体の逆流を防止する逆止弁とを備える請求項1〜4のいずれかに記載の内視鏡用スペーサ部材。
  6. 前記流体導入チューブを前記内側空間内に設けた請求項5に記載の内視鏡用スペーサ部材。
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