以下、本発明に係る充電ガイダンス装置の具体的な実施形態について、図面を用いて説明する。
[第一実施形態]
本実施形態の充電ガイダンス装置1は、充電可能な車両2に搭載され、車両2の有するバッテリを充電する際に車両搭乗者などの車両使用者(以下適宜、操作者と称す。)が行う充電操作を案内する装置である。
車両2は、例えば電気自動車や充電可能なハイブリッド自動車などである。図1、図2、及び図3に示す如く、車両2は、充電口3と、充電リッド4と、を有している。充電口3には、バッテリに接続する端子が設けられている。充電口3は、例えばバッテリ近傍に配置されており、車両2の車体後部側面や車体前部側面,ボンネットなどに開けられている。尚、充電口3の配置位置は、車両2の種類などに応じて変わっていてよい。充電口3(具体的には、バッテリに接続する端子)には、給電する充電スタンドに設けられた充電コネクタ5が接続可能である。充電リッド4は、充電口3を開閉する蓋体である。充電リッド4の開閉動作は、操作者の手動操作によることなく、モータを用いて自動的に行われる。
充電ガイダンス装置1は、図4に示す如く、充電意思検知装置11と、操作権限検知装置12と、リッド開閉状態検知装置13と、コネクタ接続検知装置14と、近接検知装置15と、を備えている。
充電意思検知装置11は、操作者が車両2に対する充電操作を行うときの充電意思の有無を検知する装置である。充電意思検知装置11は、車両2の車室内に設けられた引張操作可能な充電開始レバー11a(図5参照)を有している。充電意思検知装置11は、充電開始レバー11aに対する引張操作などの開始操作が行われたか否かを示す充電意思信号に基づいて、操作者の充電意思の有無を検知する。具体的には、充電開始レバー11aが開始操作されていないことを示す充電意思信号のOFF時に充電意思が無いと判別し、充電開始レバー11aが開始操作されたことを示す充電意思信号のON時に充電意思があると判別する。
尚、充電意思信号は、充電開始レバー11aの開始操作に伴ってONしてから充電リッド4が開けられるまで又は所定時間が経過するまで、ON状態を継続することとしてもよい。また、充電意思検知装置11は、操作者が引張操作する充電開始レバー11aの開始操作有無に代えて、操作者がプッシュ操作する充電ボタンのプッシュ操作有無に基づいて、充電意思の有無を検知するものとしてもよい。
操作権限検知装置12は、操作者が車両2に対する充電操作を行ううえで必要な操作権限を有するか否かを検知する装置である。操作権限検知装置12は、車両2の充電口3近傍に配置された無線受信機(図示せず)を有している。この無線受信機は、所定範囲(例えば充電口3から半径1メートルの範囲)の受信可能領域を持っている。操作権限検知装置12は、車両2の使用者が携帯する携帯機器12a(図6参照)が発するキー信号が充電口3近傍の無線受信機で受信されるか否かに基づいて、操作者に対する充電操作権限の有無を検知する。具体的には、キー信号が受信されない場合に操作権限が無いと判別し、キー信号が受信された場合に操作権限があると判別する。尚、車両2の使用者が携帯する携帯機器12aは、車両2のドアロックやアンロックなどに用いるものであればよく、例えば、スマートフォンなどの携帯端末であってもよい。
リッド開閉状態検知装置13は、充電口3に対する充電リッド4の開閉状態を検知する装置である。リッド開閉状態検知装置13は、例えば充電リッド4と充電口3との近傍に配置された開閉センサなど(図示せず)を有している。この開閉センサは、充電リッド4の開閉状態に応じたリッド開閉信号を出力するセンサであって、例えば、充電リッド4が充電口3を開放していることを示すリッド開信号を出力する。リッド開閉状態検知装置13は、例えば開閉センサの出力信号に基づいて、充電リッド4の開閉状態を検知する。具体的には、充電リッド4が充電口3を開放している場合に充電リッド4の開状態を検知し、充電リッド4が充電口3を閉じている場合に充電リッド4の閉状態を検知する。
コネクタ接続検知装置14は、充電口3に充電スタンドの充電コネクタ5が接続されたか否かを検知する装置である。コネクタ接続検知装置14は、例えば充電口3近傍に配置された着脱センサなど(図示せず)を有している。この着脱センサは、充電口3に充電コネクタ5が接続されているか否かに応じたコネクタ接続信号を出力する。コネクタ接続検知装置14は、例えば着脱センサの出力信号に基づいて、充電口3への充電コネクタ5の接続有無を検知する。尚、コネクタ接続検知装置14は、充電口3近傍の着脱センサの出力信号に代えて、充電口3の端子に充電コネクタ5が接続されたことを検知した充電スタンドから送られてくる検知信号に基づいて、充電口3への充電コネクタ5の接続有無を検知することとしてもよい。
近接検知装置15は、充電口3への人の近接の有無を検知する装置である。近接検知装置15は、例えば充電口3近傍に配置された静電センサやカメラ(図示せず)などを有している。この静電センサは、充電操作の一部として予め定められている例えばスワイプ操作の有無を検知するために静電容量の変化に応じた近接信号を出力する。このカメラは、充電操作の一部として予め定められている例えばスワイプ操作の有無を検知するために充電口3近傍を撮影する。近接検知装置15は、例えば静電センサの出力信号又はカメラの撮影した画像に基づいて、充電口3への人の近接の有無を検知する。
充電ガイダンス装置1は、充電シーン判定部20を備えている。充電シーン判定部20は、充電意思検知装置11、操作権限検知装置12、リッド開閉状態検知装置13、コネクタ接続検知装置14、及び近接検知装置15に接続されている。充電シーン判定部20は、充電意思検知装置11、操作権限検知装置12、リッド開閉状態検知装置13、コネクタ接続検知装置14、及び近接検知装置15の各出力信号に基づいて、車両2に対する充電開始から充電終了までの過程における充電シーンを判定する。
充電シーン判定部20は、また、充電システム6に接続されている。充電システム6は、充電スタンドから車両2への充電を制御するシステムである。尚、充電システム6は、車両2に搭載されていてもよいし、また、充電スタンドに搭載されていてもよい。充電システム6は、車両2と充電スタンドとの間の充電状態を検知することが可能である。この充電状態とは、例えば、充電スタンドから車両2への充電が適切に実行可能な状態にあるか否か、その充電が実行中にあるか否か、車両2の充電が満充電状態や予め定められた所定充電状態に達して完了したか否か、などである。
充電システム6は、検知した充電状態を充電シーン判定部20に通知する。例えば、充電スタンドから車両2への充電(給電)が適切に実行可能な状態にあることを示す良信号、充電が実行中にあることを示す充電中信号、充電が完了したことを示す充電完了信号を出力する。充電シーン判定部20は、充電システム6の出力信号を含む上記各装置11,12,13,14,15の各出力信号に基づいて、車両2に対する充電開始から充電終了までの過程における充電シーンを判定する。
充電シーンは、車両2に対する充電開始から充電終了までの間の充電段階を示すもの、及び、その間におけるどの段階の充電操作が行われたか若しくは次にどの段階の充電操作が行われるべきかひいてはどの段階の充電操作を促すガイダンスが行われるべきかを示すものである。
充電シーンは、例えば、(1)操作者による充電意思の表明、(2)充電リッド4の開操作の促進、(3)充電リッド4の開動作、(4)充電操作権限無し、(5)充電口3に充電コネクタ5を接続させる操作の促進、(6)充電スタンドからの給電開始(充電スタート)、(7)充電中、(8)充電口3への接近に対する注意喚起、(9)充電口3からの充電コネクタ5の脱離操作の促進、(10)充電リッド4の閉操作の促進、(11)充電作業の終了などである。
各装置11,12,13,14,15の検知した信号状態及び充電システム6の検知した充電状態と充電シーンとは、例えば図7に示す関係になるように設定されている。すなわち、それらの信号状態と充電状態とを表したパターンは、充電シーンごとに予め定められている。この充電シーンごとのパターンは、充電シーン判定部20の有する関係記憶部21に記憶されている。充電シーン判定部20は、関係記憶部21に記憶されている充電シーンごとのパターンに従って充電シーンを判定する。
尚、この充電シーンの判定は、車両2の充電開始から充電終了までの充電段階を順に判定するものであればよく、例えば、信号状態と充電状態とを表したパターンが同じである充電段階が複数あったとしても、その時点で相応しい一の充電段階を判定するものであればよい。
充電シーン判定部20は、例えば、充電意思検知装置11の充電意思信号がONであり(図9に示すS100)、他の装置12−15の信号が何れもOFFであり(S101)、かつ充電システム6の良信号、充電中信号、及び充電完了信号が何れもOFFであるときは、(1)操作者による充電意思の表明が行われたと判定する。充電意思検知装置11の充電意思信号及び操作権限検知装置12のキー信号受信が何れもONであり(図10に示すS110,S111)、他の装置13−15の信号が何れもOFFであり(S112)、かつ充電システム6の良信号、充電中信号、及び充電完了信号が何れもOFFであるときは、(2)充電リッド4の開操作を操作者に促すべきと判定する。
次に、充電シーン判定部20は、充電意思検知装置11の充電意思信号、操作権限検知装置12のキー信号受信、及び近接検知装置15の近接信号が何れもONであり(図11に示すS120,S121,S122)、他の装置13,14の信号が何れもOFFであり(S123)、かつ充電システム6の良信号、充電中信号、及び充電完了信号が何れもOFFであるときは、(3)充電リッド4の開動作を自動的に行うべきと判定する。充電意思検知装置11の充電意思信号及び近接検知装置15の近接信号が何れもONであり(図12に示すS130,S131)、他の装置12−14の信号が何れもOFFであり(S132)、かつ充電システム6の良信号、充電中信号、及び充電完了信号が何れもOFFであるときは、(4)充電操作権限が無い旨を操作者に知らせるべきと判定する。
充電シーン判定部20は、また、操作権限検知装置12のキー信号受信、リッド開閉状態検知装置13のリッド開信号、及び近接検知装置15の近接信号が何れもONであり(図13に示すS140,S141,S142)、他の装置11,14の信号が何れもOFFであり(S143)、かつ充電システム6の良信号、充電中信号、及び充電完了信号が何れもOFFであるときは、(5)充電口3に充電コネクタ5を接続させる操作を操作者に促すべきと判定する。
次に、充電シーン判定部20は、操作権限検知装置12のキー信号受信、リッド開閉状態検知装置13のリッド開信号、及びコネクタ接続検知装置14のコネクタ接続信号が何れもONであり(図14に示すS150,S151,S152)、他の装置11,15の信号が何れもOFFであり(S153)、充電システム6の良信号がONであり(S154)、かつ充電システム6の充電中信号及び充電完了信号が何れもOFFであるときは、(6)充電スタンドからの給電を開始すべきと判定する。
充電シーン判定部20は、また、リッド開閉状態検知装置13のリッド開信号及びコネクタ接続検知装置14のコネクタ接続信号が何れもONであり(図15に示すS160,S161)、他の装置11,12,15の信号が何れもOFFであり(S162)、充電システム6の充電中信号がONであり(S163)、かつ充電システム6の良信号及び充電完了信号が何れもOFFであるときは、(7)車両2が充電中にあると判定する。
次に、充電シーン判定部20は、リッド開閉状態検知装置13のリッド開信号、コネクタ接続検知装置14のコネクタ接続信号、及び近接検知装置15の近接信号が何れもONであり(図16に示すS170,S171,S172)、他の装置11,12の信号が何れもOFFであり(S173)、充電システム6の充電中信号がONであり(S174)、かつ充電システム6の良信号及び充電完了信号が何れもOFFであるときは、(8)不審者などの充電口3への接近に対して注意喚起すべきと判定する。
充電シーン判定部20は、更に、操作権限検知装置12のキー信号受信、リッド開閉状態検知装置13のリッド開信号、コネクタ接続検知装置14のコネクタ接続信号、及び近接検知装置15の近接信号が何れもONであり(図17に示すS180,S181,S182,S183)、他の装置11の信号が何れもOFFであり(S184)、充電システム6の充電完了信号がONであり(S185)、かつ充電システム6の良信号及び充電中信号が何れもOFFであるときは、(9)充電口3からの充電コネクタ5の脱離操作を操作者に促すべきと判定する。
その後、充電シーン判定部20は、コネクタ接続検知装置14のコネクタ接続信号がONからOFFへ移行し(S187)、かつ、充電システム6の充電完了信号がONからOFFへ移行したときは、(10)充電リッド4の閉操作を操作者に促すべきと判定する。そして次に、リッド開閉状態検知装置13のリッド開信号がONからOFFへ移行したときは(S189)、(11)充電作業が終了したと判定する。
充電ガイダンス装置1は、ガイダンス制御部30を備えている。ガイダンス制御部30は、充電シーン判定部20により判定された充電シーンに対応して操作者に案内すべきガイダンス内容を決定し、そのガイダンス内容に基づいて出力を制御する部位である。尚、ガイダンス制御部30の出力制御には、充電リッド4の自動開動作や自動閉動作が含まれてよい。ガイダンス制御部30は、音声記憶部31及び表示記憶部32に接続されている。
音声記憶部31は、充電シーンごとに充電操作を行ううえで操作者に案内すべき音声情報を記憶している。表示記憶部32は、充電シーンごとに充電操作を行ううえで操作者に案内すべき表示情報を記憶している。充電シーンと音声情報及び表示情報とは、図8に示す関係になるように設定されている。すなわち、それらの音声情報及び表示情報は、充電シーンごとに予め定められている。この充電シーンごとの音声情報及び表示情報は、音声記憶部31及び表示記憶部32に記憶されている。
例えば、(1)操作者が充電意思を表明した充電シーンに対しては、「充電を開始します。車外で所定の充電操作を行ってください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を青色でゆらぎ点灯させる表示情報が保存されている。尚、自車両2における充電口3の配置位置を知らせる音声情報が保存されていてもよい。
(2)充電リッド4の開操作を促す充電シーンに対しては、「リッドを開ける操作をしてください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を青色でゆらぎ点灯させる表示情報が保存されている。
(3)充電リッド4が開動作される充電シーンに対しては、「リッドが開きます。注意してください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を青色でゆらぎ点灯させる表示情報が保存されている。
(4)操作者に充電操作の権限が無い充電シーンに対しては、「充電操作権限がありません。キーを持ってください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を赤色で点滅させる表示情報が保存されている。
(5)充電口3に充電コネクタ5を接続させる操作を促す充電シーンに対しては、「コネクタを接続してください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を黄色で点滅させる表示情報が保存されている。
(6)充電スタンドからの給電を開始すべき充電シーンに対しては、「充電スタートボタンを押してください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を黄色で繰り返し減光増光させる表示情報が保存されている。
(7)充電中を示す充電シーンに対しては、充電リッド4の位置周辺を微弱な光で発光させ或いはその微弱光を動かす表示情報が保存されている。
(8)充電口3への接近に対して注意喚起する充電シーンに対しては、「充電中です。近づかないでください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を赤色で激しく点滅させる表示情報が保存されている。
(9)充電口3からの充電コネクタ5の脱離を促す充電シーンに対しては、「充電が終わりました。コネクタを外してください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を黄色で点滅させる表示情報が保存されている。
(10)充電リッド4の閉操作を促す充電シーンに対しては、「リッドを閉じてください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を黄色でゆっくり点滅させる表示情報が保存されている。
(11)充電作業の終了を示す充電シーンに対しては、「充電作業が終了しました。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺の照明を消灯させる表示情報が保存されている。
ガイダンス制御部30は、音声記憶部31及び表示記憶部32に記憶されている関係に従って、充電シーンに対応して案内すべきガイダンス内容を決定する。ガイダンス制御部30には、スピーカ41及びリッド表示部42が接続されている。スピーカ41は、充電口3近傍や車室内に配置されており、音声出力を行う。リッド表示部42は、充電口3近傍に配置されており、LEDなどで表示出力を行う。リッド表示部42は、様々な色に発光可能である。尚、リッド表示部42は、例えば、充電口3の外縁を囲うように形成されて設けられてよい。
ガイダンス制御部30は、充電シーンに対応して決定したガイダンス内容に従ってスピーカ41及びリッド表示部42の出力を制御する。スピーカ41は、ガイダンス制御部30の出力制御に従った案内音声を出力する。リッド表示部42は、ガイダンス制御部30の出力制御に従った案内表示を出力する。
次に、充電ガイダンス装置1の動作について説明する。
車両2の充電を行おうとする操作者は、まず、充電開始レバー11aを引張操作する。この引張操作が行われると、充電意思検知装置11が操作者に充電意思があることを検知する。この場合には、充電シーン判定部20が、(1)操作者による充電意思の表明が行われたと判定し、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、車室内のスピーカ41から「充電を開始します。車外で所定の充電操作を行ってください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から青色でのゆらぎ点灯出力が行われる(S102)。尚、この際、車室内のスピーカ41から車両2における充電口3の配置位置を知らせる音声出力を行うことが、充電操作に不慣れな操作者に車両2における充電口3の配置位置を教示するうえで有効である。
上記の状況で操作者が車両2に対応した携帯機器12aを携帯して操作権限検知装置12の無線受信機の受信可能領域に進入すると、その携帯機器12aのキー信号が無線受信機に受信される。かかるキー信号が受信されると、操作権限検知装置12が操作者に充電操作の操作権限があることを検知する。この場合には、充電シーン判定部20が、(2)充電リッド4の開操作を促すガイダンスを出力すべきと判定し、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、充電口3近傍のスピーカ41から「リッドを開ける操作をしてください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から青色でのゆらぎ点灯出力が行われる(S113)。
そして、操作者が充電口3近傍でスワイプ操作などを行うと、近接検知装置15が充電口3への人の近接を検知する。この検知時において、操作権限検知装置12が操作者に充電操作の操作権限があることを検知しているときは、充電シーン判定部20が、(3)充電リッド4の開動作を自動的に行うべきと判定し、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、スピーカ41から「リッドが開きます。注意してください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から青色でのゆらぎ点灯出力が行われる(S124)。上記のスワイプ操作が行われると、充電リッド4がモータを用いて自動的に開動作される。
一方、近接検知装置15が充電口3への人の近接を検知しても、操作権限検知装置12が操作者に充電操作の操作権限があることを検知していないときは、充電シーン判定部20は、車両2に対応した携帯機器12aを携帯しない操作者が充電口3近傍でスワイプ操作などを行っているとして、(4)充電操作権限無しのガイダンスを出力すべきと判定する。この場合には、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、スピーカ41から「充電操作権限がありません。キーを持ってください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から赤色での点滅出力が行われる(S133)。
また、充電リッド4が開放されると、リッド開閉状態検知装置13が充電リッド4の開状態を検知する。この場合には、充電シーン判定部20が、(5)充電口3に充電コネクタ5を接続させる操作を促すガイダンスを出力すべきと判定し、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、スピーカ41から「コネクタを接続してください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から黄色での点滅出力が行われる(S144)。
そして、操作者が充電コネクタ5を充電口3に接続する操作を行うと、コネクタ接続検知装置14が充電口3に充電スタンドの充電コネクタ5が接続されたことを検知する。この接続後、充電システム6は、充電スタンドとの通信により車両2への充電が適切に実行可能であると判別すると、良信号を出力する。この場合には、充電シーン判定部20が、(6)充電スタンドからの給電を開始すべきと判定し、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、スピーカ41から「充電スタートボタンを押してください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から黄色での減光増光の繰り返し出力が行われる(S155)。
次に、操作者が充電スタンドの充電スタートボタンを押すと、充電システム6が充電中信号を出力する。この場合には、充電シーン判定部20が、(7)車両2が充電中にあると判定し、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、リッド表示部42から充電中を示す微弱な光の出力が行われる(S164)。
一方、充電中、操作権限検知装置12が操作者に充電操作の操作権限があることを検知していないにもかかわらず、近接検知装置15が充電口3への人の近接を検知するときは、充電シーン判定部20は、車両2に対応した携帯機器12aを携帯しない操作者が充電口3近傍でスワイプ操作などを行っているとして、(8)充電口3への接近に対して注意喚起すべきと判定する。この場合には、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、スピーカ41から「充電中です。近づかないでください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から赤色での点滅出力が行われる(S175)。
そして、充電システム6は、充電の完了を検知すると、充電完了信号を出力する。この場合において、操作者が車両2に対応した携帯機器12aを携帯して操作権限検知装置12の無線受信機の受信可能領域に進入することで、操作権限検知装置12が操作者に充電操作の操作権限があることを検知すると、充電シーン判定部20が、(9)充電口3からの充電コネクタ5の脱離操作を操作者に促すべきと判定する。この場合には、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、スピーカ41から「充電が終わりました。コネクタを外してください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から黄色での点滅出力が行われる(S186)。
次に、操作者が充電コネクタ5を充電口3から外す操作を行うと、コネクタ接続検知装置14が充電口3からの充電コネクタ5の脱離を検知する。この場合には、充電シーン判定部20が、(10)充電リッド4の閉操作を操作者に促すべきと判定し、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、スピーカ41から「リッドを閉じてください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から黄色での点滅出力が行われる(S188)。そして、操作者が充電口3近傍でスワイプ操作などを行うと、充電リッド4がモータを用いて自動的に閉動作される。
充電リッド4が閉動作により完全に閉じられると、リッド開閉状態検知装置13が充電リッド4の閉状態を検知する。この場合には、充電シーン判定部20が、(11)充電作業が終了したと判定し、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、スピーカ41から「充電作業が終了しました。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42が消灯される(S190)。
このように、スピーカ41からの音声出力やリッド表示部42からの表示出力によれば、正規の操作者は、それらの出力に係るガイダンス内容に従って充電操作を行うことができる。特に、各充電シーンのガイダンス内容に応じてスピーカ41からの音声出力やリッド表示部42からの表示出力が変化するので、正規の操作者は、その音声を聞き分ける或いは表示を見分けることにより、各充電シーンに合わせて適切な充電操作を行うことができる。
従って、充電ガイダンス装置1によれば、車両2に対する充電開始から充電終了までの間における充電操作を操作者に適切に案内することができ、その間における各充電シーンで行うべき充電操作に操作者を誘導することができる。このため、車両2に対する充電操作に不慣れな操作者でも、充電開始から充電終了までの各充電シーンに合わせて充電操作を行わせることができ、充電操作の安全性を確保して、車両2の充電作業を適切に実行させることができる。
また、車両2の充電中に子供や不審者などの非正規の操作者が充電口3に接近した際は、スピーカ41やリッド表示部42から注意喚起を発することができる。このため、車両2の充電中における不審な行為の未然防止を図ることができ、正規の操作者が車両2から離れた際のセキュリティ性を確保することができる。
尚、上記の第一実施形態においては、音声記憶部31及び表示記憶部32が特許請求の範囲に記載された「第一記憶部」に、スピーカ41が特許請求の範囲に記載された「出力部」及び「音声出力部」に、リッド表示部42が特許請求の範囲に記載された「出力部」及び「表示出力部」に、関係記憶部21が特許請求の範囲に記載された「第二記憶部」に、それぞれ相当している。
ところで、上記の第一実施形態においては、車両2の充電リッド4がモータを用いて自動的に閉状態から開動作されると共に自動的に開状態から閉動作される。しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、車両2の充電リッド4が、閉状態からの充電開始レバー11aの引張操作によりロック解除されて僅かに開き、操作者の手動で全開位置まで開動作されるものとしてもよい。また、車両2の充電リッド4が、開状態から操作者の手動で全閉位置まで閉動作されるものとしてもよい。この第一変形形態においては、充電シーンと音声情報及び表示情報とが例えば図18に示す関係になるように設定されていればよい。
また、上記の第一実施形態においては、車室内の充電開始レバー11aが引張操作されることにより、操作者に充電意思があるとの検知がなされると共に、充電リッド4が自動的に開動作される。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、車両2のドアアンロックに連動して充電リッド4の閉ロックが解除されるものとし、その閉ロック解除後、充電リッド4が操作者の手動で車体からプッシュアップされ、その後に操作者の手動で全開位置まで開動作されるものとしてもよい。この第二変形形態においては、充電リッド4の閉ロックが解除されることにより操作者に充電意思があるとの検知がなされるものとし、充電シーンと音声情報及び表示情報とが例えば図19に示す関係になるように設定されていればよい。
[第二実施形態]
本実施形態の充電ガイダンス装置100は、充電可能な車両2に搭載され、車両2の有するバッテリを充電する際にその充電開始から充電終了までに行われる充電作業内容を車両使用者に案内する装置である。充電スタンド200における車両2の充電開始から充電終了までに行われる充電作業は、車両2と充電スタンド200との間で自動的に行われる。この充電作業は、車室内での車両使用者の一操作で開始される。尚、本実施形態において、上記第一実施形態と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略又は簡略する。
充電ガイダンス装置100は、図20に示す如く、充電スタンバイ装置110と、充電意思検知装置111と、操作権限検知装置112と、リッド開閉状態検知装置13と、コネクタ接続検知装置14と、近接検知装置15と、を備えている。
充電スタンバイ装置110は、車両2と充電コネクタ5が設けられた充電スタンド200との間での充電作業の準備を行う装置である。充電スタンバイ装置110は、無線通信機110aを有している。無線通信機110aは、充電スタンド200に搭載された無線通信機210と無線通信する機器である。この無線通信は、例えば短距離無線通信などである。
充電スタンド200は、車両2が充電スタンド200の充電可能な所定位置に進入したことなどを検知して、無線通信機210から車両2に対して充電を行うか否かを車両使用者に問い合わせるための信号(以下、充電スタンバイ信号と称す。)を送信する。また、充電スタンド200は、上記所定位置に進入した車両2の充電口3の配置位置を自動で検知して、その充電口3へ充電コネクタ5を差し込む作業を、操作者の手動操作によることなくその充電口3の周囲をセンシングしながら自動で行うことが可能である。
無線通信機110aは、充電スタンド200の無線通信機210から送信される充電スタンバイ信号を受信可能である。充電スタンバイ装置110は、無線通信機110aに充電スタンバイ信号が受信された場合、センシングにより車両2の停車などの充電開始条件が成立するか否かを含む充電システムチェックを行って、そのチェック完了後、車両2を充電作業を許可する充電スタンバイ状態に移行させる。
充電意思検知装置111は、車両使用者が車両2への充電作業を希望する充電意思の有無を検知する装置である。充電意思検知装置111は、車両2の車室内に設けられたプッシュ操作可能な充電ボタン(図示せず)を有している。充電意思検知装置111は、充電ボタンに対するプッシュ操作などの開始操作が行われたか否かを示す充電意思信号に基づいて、車両使用者の充電意思の有無を検知する。
操作権限検知装置112は、車両2の車室内の人が必要な操作権限を有するか否かを検知する装置である。操作権限検知装置112は、車両2の車室内に配置された無線受信機(図示せず)を有している。この無線受信機は、車室内の受信可能領域を持っている。操作権限検知装置112は、車両2の車両使用者が携帯する携帯機器12a(図6参照)が発するキー信号が車室内で受信されるか否かに基づいて、車室内の人に対する操作権限の有無を検知する。具体的には、キー信号が受信されない場合に操作権限が無いと判別し、キー信号が受信された場合に操作権限があると判別する。
充電ガイダンス装置100は、充電シーン判定部120を備えている。充電シーン判定部120は、充電スタンバイ装置110、充電意思検知装置111、操作権限検知装置112、リッド開閉状態検知装置13、コネクタ接続検知装置14、及び近接検知装置15に接続されている。充電シーン判定部120は、充電スタンバイ装置110、充電意思検知装置111、操作権限検知装置112、リッド開閉状態検知装置13、コネクタ接続検知装置14、及び近接検知装置15の各出力信号に基づいて、車両2の充電開始から充電終了までの過程における充電シーンを判定する。
充電シーン判定部120は、また、充電スタンド200から車両2への充電を制御する充電システム6に接続されている。充電システム6は、車両2と充電スタンド200との間の充電状態を検知することが可能である。この充電状態とは、例えば、充電スタンドから車両2への充電が適切に実行可能な状態にあるか否か、その充電が実行中にあるか否か、車両2の充電が満充電状態や予め定められた所定充電状態に達して完了したか否か、などである。充電シーン判定部120は、充電システム6の出力信号を加えて、充電シーンを判定する。
充電シーン判定部120により判定される充電シーンは、車両2の充電開始から充電終了までの間の充電作業を示すもの、及び、その間におけるどの段階の充電作業が行われたか若しくは次にどの段階の充電作業が行われるべきかを示すものである。この充電シーンは、例えば、(1)充電準備、(2)車両使用者による充電意思の表明(充電リッド4の自動開動作)、(3)充電口3への充電コネクタ5の接続開始、(4)充電口3への充電コネクタ5の接続完了、(5)充電スタンド200からの給電開始(充電スタート)、(6)充電中、(7)充電口3への接近に対する注意喚起、(8)充電完了(充電口3からの充電コネクタ5の脱離)、(9)充電リッド4の自動閉動作、(10)充電作業の終了などである。
各装置110,111,112,13,14,15の検知した信号状態及び充電システム6の検知した充電状態と充電シーンとは、例えば図21に示す関係になるように設定されている。すなわち、それらの信号状態と充電状態とを表したパターンは、充電シーンごとに予め定められている。この充電シーンごとのパターンは、充電シーン判定部120の有する関係記憶部121に記憶されている。充電シーン判定部120は、関係記憶部121に記憶されている充電シーンごとのパターンに従って充電シーンを判定する。
尚、この充電シーンの判定は、車両2の充電開始から充電終了までの充電作業内容を順に判定するものであればよく、例えば、信号状態と充電状態とを表したパターンが同じである充電段階が複数あったとしても、その時点で相応しい一の充電段階を判定するものであればよい。
充電シーン判定部120は、例えば、充電スタンド200からの充電スタンバイ信号が受信されてその充電スタンバイ信号がONでありかつ他の信号が何れもOFFであるときは、(1)車両2が充電準備状態にあると判定する。そして、充電意思検知装置111からの充電意思信号及び操作権限検知装置112からのキー信号受信が何れもOFFからONへ移行したときは、(2)車両使用者による充電意思の表明が行われたと判定すると共に、充電リッド4を開動作させるべきと判定する。
次に、充電シーン判定部120は、リッド開信号がOFFからONへ移行したときは、(3)充電口3への充電コネクタ5の接続を開始すべきと判定する。そして、コネクタ接続信号がOFFからONへ移行したときは、(4)充電口3への充電コネクタ5の接続が完了したと判定する。また、充電システム6からの良信号がOFFからONへ移行したときは、(5)充電スタンド200からの給電を開始すべきと判定する。
次に、充電シーン判定部120は、充電システム6からの良信号がONからOFFへ移行する一方、充電システム6からの充電中信号がOFFからONへ移行したときは、(6)車両2が充電中にあると判定する。そして、近接検知装置15からの近接信号がOFFからONへ移行したときは、(7)充電口3への不審者などの接近に対して注意喚起すべきと判定する。
また、充電シーン判定部120は、車両2が充電中にあると判定した後、充電システム6からの充電中信号がONからOFFへ移行する一方、充電システム6からの充電完了信号がOFFからONへ移行したときは、(8)車両2の充電が完了したと判定すると共に、充電口3からの充電コネクタ5の脱離を行うべきと判定する。
次に、充電シーン判定部120は、コネクタ接続信号がONからOFFへ移行したときは、(9)充電リッド4を閉動作させるべきと判定する。そして、リッド開信号がONからOFFへ移行したときは、(10)充電作業が終了したと判定する。
充電ガイダンス装置100は、ガイダンス制御部130を備えている。ガイダンス制御部130は、充電シーン判定部120により判定された充電シーンに対応して車両使用者(尚、車両2に接近する人を含む。以下同じ。)に案内すべきガイダンス内容を決定し、そのガイダンス内容に基づいて出力を制御する部位である。ガイダンス制御部130は、音声記憶部131及び表示記憶部132に接続されている。
音声記憶部131は、充電シーンごとに車両使用者に案内すべき音声情報を記憶している。表示記憶部132は、充電シーンごとに車両使用者に案内すべき表示情報を記憶している。充電シーンと音声情報及び表示情報とは、図22に示す関係になるように設定されている。すなわち、それらの音声情報及び表示情報は、充電シーンごとに予め定められている。この充電シーンごとの音声情報及び表示情報は、音声記憶部131及び表示記憶部132に記憶されている。
例えば、(1)車両2が充電準備状態にある充電シーンに対しては、「充電ができます。充電しますか?」などの音声情報が保存されている。
(2)車両使用者が充電意思を表明した充電シーンに対しては、「充電リッドを開けます。」や「充電リッド周辺に近づかないでください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を青色でゆらぎ点灯させる表示情報が保存されている。
(3)充電口3への充電コネクタ5の接続を開始すべき充電シーンに対しては、「充電コネクタを接続します。」や「充電コネクタの接続が完了するまで乗降しないでください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を黄色で点滅させる表示情報が保存されている。
(4)充電口3への充電コネクタ5の接続が完了した充電シーンに対しては、「充電コネクタの接続が完了しました。」や「乗降可能です。」などの音声情報が保存されている。
(5)充電スタンド200からの給電を開始すべき充電シーンに対しては、「充電を開始します。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を黄色で繰り返し減光増光させる表示情報が保存されている。
(6)車両2が充電中にある充電シーンに対しては、「充電が開始されました。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を微弱な光で発光させ或いはその微弱光を動かす表示情報が保存されている。
(7)充電口3への接近に対して注意喚起すべき充電シーンに対しては、「充電中です。注意してください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を赤色で激しく点滅させる表示情報が保存されており、車両使用者の携帯機に通知すべき「充電中に人の接近がありました。」などの通知情報が保存されている。
(8)車両2の充電が完了した充電シーンに対しては、「まもなく充電作業が終了します。」や「充電コネクタを外します。充電リッドに近づかないでください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺を青色でゆらぎ点灯させる表示情報が保存されており、車両使用者の携帯機140に通知すべき「まもなく充電作業が終了します。」などの通知情報が保存されている。
(9)充電リッド4を自動的に閉動作させるべき充電シーンに対しては、「充電リッドを閉じます。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺をゆっくり減光させる表示情報が保存されている。
(10)充電作業が終了した充電シーンに対しては、「充電作業が終了しました。」や「充電スペースから退出してください。」などの音声情報が保存されていると共に、充電リッド4の位置周辺の照明を消灯させる表示情報が保存されており、車両使用者の携帯機140に通知すべき「充電作業が終了しました。お車の移動をお願いします。」などの通知情報が保存されている。
ガイダンス制御部130は、音声記憶部131及び表示記憶部132に記憶されている関係に従って、充電シーンに対応して案内すべきガイダンス内容を決定する。ガイダンス制御部130には、スピーカ41、リッド表示部42、及び携帯機140が接続されている。携帯機140は、車両2の車両使用者が携帯するスマートフォンなどの携帯端末であってよく、例えば携帯機器12aと兼用したものであってよい。尚、ガイダンス制御部130と携帯機140とは、既存の通信ネットワークを通じて相互接続されるものであってよい。
ガイダンス制御部130は、充電シーンに対応して決定したガイダンス内容に従って、スピーカ41及びリッド表示部42の出力並びに携帯機140への通知を制御する。スピーカ41は、ガイダンス制御部130の出力制御に従った案内音声を出力する。リッド表示部42は、ガイダンス制御部130の出力制御に従った案内表示を出力する。また、携帯機140は、ガイダンス制御部130の出力制御に従った案内通知を行う。
次に、充電ガイダンス装置100の動作について説明する。
車両2の車両使用者は、車両2の充電を行うことを希望する場合は、まず、車両2を充電スタンド200の所定位置に進入させて停車させる。充電スタンド200は、車両2が所定位置に進入したことを検知すると、その車両2に充電スタンバイ信号を送信する。車両2の充電ガイダンス装置100は、充電スタンド200からの充電スタンバイ信号が充電スタンバイ装置110で受信されると、車両2を充電スタンバイ状態に移行させる。この場合には、充電シーン判定部120が(1)車両2が充電準備状態になったと判定し、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、車室内のスピーカ41から「充電ができます。充電しますか?」などの音声出力が行われる。
車両使用者は、車両2の充電作業を希望する場合、車室内で携帯機器12aを所持したまま充電ボタンをプッシュ操作する。かかる操作が行われると、充電意思検知装置111が車両使用者に充電意思があることを検知すると共に、操作権限検知装置112が車室内の人に操作権限があると判別する。この場合には、充電シーン判定部120が、(2)操作者による充電意思の表明が行われたと判定し、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定する。そして、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「充電リッドを開けます。」や「充電リッド周辺に近づかないでください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から青色でのゆらぎ点灯出力が行われ、充電リッド4が自動的に開動作される。
充電リッド4の開動作が完了すると、リッド開閉状態検知装置13が充電リッド4の開状態を検知する。この場合には、充電シーン判定部120が(3)充電口3への充電コネクタ5の接続を開始すべきと判定し、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定する。そして、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「充電コネクタを接続します。」や「充電コネクタの接続が完了するまで乗降しないでください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から黄色での点滅出力が行われ、充電スタンド200が充電ガイダンス装置100との通信により充電コネクタ5を車両2の充電口3へ差し込む作業を自動で行う。
尚、充電口3への充電コネクタ5の接続作業中、近接検知装置15が充電口3への人の近接を検知すると、充電シーン判定部120は、人が充電口3に近づいたとして、充電口3への接近に対して注意喚起すべきと判定することとしてもよい。この場合には、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「充電コネクタの接続作業中です。注意してください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から赤色での激しい点滅出力が行われてもよい。
充電口3への充電コネクタ5の接続が完了すると、コネクタ接続検知装置14が充電口3への充電コネクタ5の接続が完了したことを検知する。この場合には、充電シーン判定部120が(4)充電口3への充電コネクタ5の接続が完了したと判定し、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定する。そして、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「充電コネクタの接続が完了しました。」や「乗降可能です。」などの音声出力が行われる。
車両2の充電口3に充電スタンド200の充電コネクタ5が接続された後、充電システム6は、充電スタンド200との通信により車両2への充電が適切に実行可能であると判別すると、良信号を出力する。この場合には、充電シーン判定部120が(5)充電スタンド200から車両2への給電を開始すべきと判定し、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定する。そして、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「充電を開始します。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から黄色での減光増光の繰り返し出力が行われる。
充電システム6は、充電が実行中になったと判別すると、充電中信号を出力する。この場合には、充電シーン判定部120が(6)車両2が充電中にあると判定し、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定する。そして、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「充電が開始されました。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から充電中を示す微弱な光の出力が行われる。
一方、車両2の充電中、近接検知装置15が充電口3への人の近接を検知すると、充電シーン判定部120は、人が充電口3に近づいたとして、(7)充電口3への接近に対して注意喚起すべきと判定する。この場合には、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、充電口3近傍のスピーカ41から「充電中です。注意してください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から赤色での激しい点滅出力が行われる。
充電システム6は、充電の完了を検知すると、充電完了信号を出力する。この場合には、充電シーン判定部120が(8)車両2の充電が完了したと判定し、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定する。そして、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「まもなく充電作業が終了します。」や「充電コネクタを外します。充電リッドに近づかないでください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から青色でのゆらぎ点灯出力が行われる。また、携帯機140へ「まもなく充電作業が終了します。」などの情報が通知されると共に、充電スタンド200が充電ガイダンス装置100との通信により車両2の充電口3から充電コネクタ5を外す作業を自動で行う。
車両2の充電口3から充電コネクタ5が外されると、コネクタ接続検知装置14が充電口3への充電コネクタ5の接続が解除されたことを検知する。この場合には、充電シーン判定部120が(9)充電リッド4を自動的に閉動作させるべきと判定し、ガイダンス制御部130がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定する。そして、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「充電リッドを閉じます。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42から照明をゆっくり減光させる出力が行われ、充電リッド4が自動的に閉動作される。
充電リッド4の閉動作が完了すると、リッド開閉状態検知装置13が充電リッド4の閉状態を検知する。この場合には、充電シーン判定部120が(10)充電作業が終了したと判定する。この場合には、ガイダンス制御部30がその充電シーンに対応したガイダンス内容を決定し、車室内及び充電口3近傍のスピーカ41から「充電作業が終了しました。」や「充電スペースから退出してください。」などの音声出力が行われると共に、リッド表示部42が消灯される。また、携帯機140へ「充電作業が終了しました。お車の移動をお願いします。」などの情報が通知される。
このように、充電スタンド200での車両2の充電開始から充電終了までに行われる充電作業を順に実施することができる。具体的には、車両使用者が車両2を充電スタンド200の所定位置に停車させた以後、その車両2の(1)充電準備から(10)充電作業の終了までの一連の充電作業を、車両使用者の充電開始の一操作を除いて車両使用者の手動操作を伴うことなく自動的に実施することができる。このため、車両使用者が車両2の充電操作に不慣れであっても、充電開始の一操作だけで簡単に車両2を充電させることができる。
また、車両2の(1)充電準備から(10)充電作業の終了までの一連の充電作業が実施されている際、充電シーンに合わせてスピーカ41からの音声出力やリッド表示部42からの表示出力を変化させることで、車両2の充電開始から充電終了までの間における充電作業内容を、車両使用者に適切に案内することができる。
また、車両2の充電中や充電コネクタ5の着脱中に子供や不審者などが充電口3に接近した際は、その人に対してスピーカ41やリッド表示部42から注意喚起することができると共に、車両使用者に携帯機140を通じて他者が車両2に接近したことを知らせることができる。このため、車両2の充電中や充電コネクタ5の着脱中における不審な行為の未然防止を図ることができ、車両使用者が車両2から離れた際のセキュリティ性を確保することができる。
尚、上記の第二実施形態においては、音声記憶部131及び表示記憶部132が特許請求の範囲に記載された「第一記憶部」に、スピーカ41が特許請求の範囲に記載された「出力部」及び「音声出力部」に、リッド表示部42が特許請求の範囲に記載された「出力部」及び「表示出力部」に、携帯機140が特許請求の範囲に記載された「出力部」に、関係記憶部121が特許請求の範囲に記載された「第二記憶部」に、それぞれ相当している。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。