JP2020136683A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

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成仁 岡田
Narihito Okada
成仁 岡田
只友 一行
Kazuyuki Tadatomo
一行 只友
凌太 坂本
Ryota Sakamoto
凌太 坂本
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Abstract

【課題】表面の平坦性の高いN極性AlN層を備えた半導体装置を提供する。【解決手段】半導体装置10は、主面のc面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下であるサファイア基板11と、その上にN極性AlNがエピタキシャル成長して形成されたN極性AlN層12とを備える。N極性AlN層12の表面粗さ(RMS)が0.85nm以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置及びその製造方法に関する。
主面がc面に対してオフ角度を有する基板上にN極性GaNをエピタキシャル成長させる技術が知られている。例えば、特許文献1には、c面に対するオフ角度が0.5°以上2.0°以下サファイア基板の表面を窒化し、その上にN極性GaNをエピタキシャル成長させることが開示されている。また、非特許文献1には、c面に対するオフ角度が0.2°、0.8°、及び2.0°のそれぞれのサファイア基板上に、N極性GaN、N極性AlGaN、及びN極性GaNが順にエピタキシャル成長させて製造された高電子移動度トランジスタ(High Electron Mobility Transistor:HEMT)が開示されている。
特開2009−147271号公報
K. Prasertsuk et al., Appl. Phys. Express 11, 015503 (2018)
ところで、パワーデバイスや高周波デバイスには、半導体のヘテロ接合に誘起される二次元電子ガス(Two Dimensional Electron Gas:2DEG)がチャネルとして利用されているものがある。そして、これらの半導体装置のエネルギー変換効率の向上は、この二次元電子ガスを高濃度化することにより達成することができる。ところが、現在実用化されているGaN上にAlGaNを積層したAlGaN/GaN構造のヘテロ接合では、二次元電子ガスを現状以上に高濃度化することを期待することができない。そこで、新規な半導体のヘテロ接合として、AlN上にGaN等の半導体を積層した構造が考えられ、これにN極性のAlNを適用することにより、二次元電子ガスの高濃度化を期待することができる。しかしながら、高濃度の二次元電子ガスを誘起するヘテロ接合を形成するためには、AlNの表面の平坦性が高いことが必要である。
本発明の課題は、表面の平坦性の高いN極性AlN層を備えた半導体装置を提供することである。
本発明は、主面のc面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下である下地基板と、前記下地基板上にN極性AlNがエピタキシャル成長して形成されたN極性AlN層とを備えた半導体装置である。
本発明は、主面のc面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下である下地基板上に、N極性AlNをエピタキシャル成長させてN極性AlN層を形成するステップを含む半導体装置の製造方法である。
本発明によれば、c面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下である下地基板の主面上にN極性AlNをエピタキシャル成長させていることにより、表面の平坦性の高いN極性AlN層を得ることができる。
実施形態に係る高電子移動度トランジスタの断面図である。 実施形態に係る高電子移動度トランジスタの製造方法の第3ステップを示す説明図である。 実施形態に係る高電子移動度トランジスタの製造方法の第4ステップを示す説明図である。 実施形態に係る高電子移動度トランジスタの製造方法の第5ステップを示す説明図である。 実施例の試験評価1におけるサファイア基板上にAlNを結晶成長させたときのタイミングチャートである。 サファイア基板の主面のc面に対するオフ角度とN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)との関係を示すグラフである。 実施例の試験評価2における水素エッチングの第1のタイミングチャートである。 実施例の試験評価2における水素エッチングの第2のタイミングチャートである。 水素エッチング時間とN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)との関係を示すグラフである。 実施例の試験評価3におけるN極性AlNの結晶成長と水素エッチングとのタイミングチャートである。 1回当たりのN極性AlNの結晶成長時間とN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)との関係を示すグラフである。
以下、実施形態について図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10(半導体装置)を示す。高電子移動度トランジスタ10は、半導体のヘテロ接合に誘起される二次元電子ガス(2DEG)をチャネルとした電界効果トランジスタである。
実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10は、下地基板のサファイア基板11と、サファイア基板11上に設けられたN極性AlN層12と、N極性AlN層12上に設けられたN極性半導体層のN極性GaN層13と、各々、N極性GaN層13上に設けられたゲート電極14、ソース電極15、及びドレイン電極16とを備える。ここで、本出願における「N極性」とは、各層の厚さ方向に直交する半導体の結晶成長する側の面が、N極性面(−c面、N面)、又は、N極性面から傾斜し且つN極性面を主体として含む半極性面であることをいう。
サファイア基板11は、その主面のc面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下である。すなわち、サファイア基板11の主面は、c面がa軸又はm軸を中心として、0.5°以上5.0°以下傾斜した面である。サファイア基板11の主面のc面に対するオフ角度は、後述するように表面の平坦性の高いN極性AlN層12を得る観点から、好ましくは1.5°以上、より好ましくは1.5°よりも大きく、更に好ましくは2.0°以上であり、また、好ましくは4.5°以下、より好ましくは4.0°以下である。ここで、本願における「主面」とは、半導体の積層成長方向に対して垂直な面であって、通常は表面における最も広い面である。
N極性AlN層12は、サファイア基板11の主面上にN極性AlNがエピタキシャル成長して形成されている。実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10によれば、このようにc面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下であるサファイア基板11の主面上にN極性AlNをエピタキシャル成長させていることにより、表面の平坦性の高いN極性AlN層12を得ることができる。N極性AlN層12は、ドーパントがドープされていてもよいが、極力不純物の低いことが望ましいので、アンドープであることが好ましい。N極性AlN層12の厚さは、例えば100nm以上5000nm以下である。
N極性GaN層13は、N極性AlN層12の表面上にN極性半導体のN極性GaNがエピタキシャル成長して形成されているとともに、N極性AlN層12との間でヘテロ接合構造を構成している。このN極性AlN層12とN極性GaN層13とのヘテロ接合構造により、それらの接合面に大きなバンドオフセットが生じる。そのため、N極性GaN層13のN極性AlN層12との接合面近傍には、このヘテロ接合に誘起された層状の二次元電子ガス(2DEG)が形成されている。したがって、N極性GaN層13がチャネル層を構成し、この二次元電子ガス(2DEG)において、大電流及び高電子移動度を得ることができる。また、N極性AlN層12とN極性GaN層13とのヘテロ接合構造の接合面における高いバンドオフセットにより、二次元電子ガス(2DEG)を高濃度化してエネルギー変換効率の向上を図ることができる。二次元電子ガス(2DEG)の濃度は、その観点から、好ましくは1.0×1013/cmよりも高く、より好ましくは3.0×1013/cm以上、さらに好ましくは5.0×1013/cm以上である。N極性GaN層13における電子移動度は2000cm/Vsよりも大である。
N極性GaN層13の結晶成長表面は、結晶品質のよいN極性GaN層13を得る観点から、半極性面であることが好ましい。N極性GaN層13の厚さは、例えば100nm以上5000nm以下である。
N極性GaN層13には、各々、二次元電子ガス(2DEG)に達する一対の凹部13aが間隔をおいて形成されている。ゲート電極14は、それらの一対の凹部13a間のN極性GaN層13の表面上に設けられている。ゲート電極14は、例えば、Ni膜及びAu膜の積層膜で構成されている。ソース電極15及びドレイン電極16は、N極性GaN層13に形成された一対の凹部13aをそれぞれ埋めて二次元電子ガス(2DEG)に接触するとともに、N極性GaN層13の表面から突出するように設けられている。ソース電極15及びドレイン電極16は、例えばTi膜及びAl膜の積層膜で構成されている。
次に、実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10を有機金属気相成長法(MOVPE)を用いて製造する方法について説明する。
実施形態に係る高電子移動度トランジスタ10の製造方法において、まず、第1ステップでは、キャリアガスを流通させた高圧雰囲気下で、サファイア基板11を所定のAlN結晶成長温度まで昇温し、その後、その温度を維持した状態で減圧する。AlN結晶成長温度は、結晶品質が高いN極性AlNを得る観点から、好ましくは1200℃以上1450℃以下、より好ましくは1300℃以上1400℃以下である。
次いで、第2ステップでは、例えばNHガス等のN源ガスをキャリアガスとともに流通させてサファイア基板11に接触させることにより、サファイア基板11の主面に窒化処理を施す。
続いて、第3ステップでは、Al源ガス及びN源ガスをキャリアガスととも流通させてサファイア基板11に接触させることにより、図2Aに示すように、サファイア基板11の主面上にN極性AlNをエピタキシャル成長させてN極性AlN層12を形成する。Al源としては、例えばトリメチルアルミニウム(TMA)、トリエチルアルミニウム(TEA)等が挙げられる。N源としては、例えばNH等が挙げられる。
このとき、主面のc面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下であるサファイア基板11を用いているので、表面の平坦性の高いN極性AlN層12を得ることができる。N極性AlN層12の表面の表面粗さ(RMS)は、好ましくは5nm以下、より好ましくは3nm以下、更に好ましくは1nm以下である。この表面粗さ(RMS)は、原子間力顕微鏡法により測定されるものである。
また、N極性AlN層12の表面の平坦性を高める観点からは、このとき、N極性AlNの表面のステップバンチングを水素エッチングすることが好ましい。この水素エッチングは、N極性AlN層12の形成後に1回だけ行ってもよい。この場合、水素エッチング時間は、例えば30秒以上60分以下であり、好ましくは5分以下、より好ましくは3分以下である。N極性AlN層12の表面の平坦性を高める観点からは、この第3ステップのN極性AlNの結晶成長過程において、N極性AlNの結晶成長と、N極性AlNの表面の水素エッチングとを交互に繰り返すことが好ましい。この場合、1回当たりのN極性AlNの結晶成長時間は、好ましくは15分以下、より好ましくは10分以下、更に好ましくは5分以下である。また、1回当たりの水素エッチング時間は、例えば30秒以上60分以下であり、好ましくは5分以下、より好ましくは3分以下である。
N極性AlNの表面の水素エッチングは、パルス的に行うことが好ましい。「水素エッチングをパルス的に行う」とは、N極性AlNの表面のHガスによるエッチングを周期的に行うことを意味する。これは、例えば、N極性AlNの表面を、Hガス及びNHガスが流通する雰囲気に配置し、NHガスの流通のオン/オフを周期的に切り換えることにより可能となる。NHガスの流通がオフのときには、Hガスのみが流通し、N極性AlNの表面の水素エッチングがオンとなる。一方、NHガスの流通がオンのときには、Hガス及びNHガスが流通し、NHガスの作用により、N極性AlNの表面の水素エッチングがオフとなる。水素エッチングのオン及びオフの時間は、それぞれ例えば1秒以上2分以下である。水素エッチングがオン時間とオフ時間とは、同一であっても、異なっていても、どちらでもよい。
水素エッチングの温度条件は、例えば1150℃以上1500℃以下である。Hガスの流量は、例えば100sccm以上20SLM以下である。水素エッチングの圧力条件は、例えば2kPa以上50kPa以下である。水素エッチングの総時間は、例えば30秒以上60分以下である。
水素エッチングを行って得られたN極性AlN層12の表面の表面粗さ(RMS)は、好ましくは0.85nm以下、より好ましくは0.75nm以下、更に好ましくは0.7nm以下、より更に好ましくは0.65nm以下、より更に好ましくは0.5nm以下であり、種々の条件を最適化すれば、0.3nmレベルも期待することができる。
続いて、第4ステップでは、Ga源ガス及びN源ガスをキャリアガスととも流通させてサファイア基板11上のN極性AlN層12に接触させることにより、図2Bに示すように、N極性AlN層12の表面上にN極性GaNをエピタキシャル成長させてN極性GaN層13を形成する。Ga源ガスとしては、例えばTMG、TEG等が挙げられる。N源としては、例えばNH等が挙げられる。結晶成長条件は、N極性GaN層13を形成するN極性GaNに対応して適宜設定される。
最後に、第5ステップでは、フォトリソグラフィ法を用い、図2Cに示すように、エッチングによりN極性GaN層13に凹部13aを形成し、その後、ゲート電極14、ソース電極15、及びドレイン電極16を成膜する。
なお、上記実施形態では、半導体装置として、高電子移動度トランジスタ10を示したが、特にこれに限定されるものではなく、半導体発光素子(LED)、レーザダイオード(LD)、太陽電池、電界効果トランジスタ(FET)、受光素子等であってもよい。
また、上記実施形態では、下地基板をサファイア基板11としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えばSiC基板等であってもよい。
また、上記実施形態では、N極性AlN層12上のN極性半導体層をN極性GaN層13としたが、特にこれに限定されるものではなく、N極性AlGaN層、N極性AlGaInN層等のその他のN極性III族窒化物層であってもよい。
また、上記実施形態では、有機金属気相成長法(MOVPE)を用いた製造方法を示したが、特にこれに限定されるものではなく、ハイドライド気相成長法(HVPE)、プラズマ気相成長法(PECVD)、分子線結晶成長法(MBE)、熱気相成長法などの化学的気相法(CVD);スパッタリグ法、蒸着法などの物理的気相法(PVD)等を用いた方法であってもよい。
[試験評価1]
主面のc面に対するオフ角度が0.2°、1.0°、1.5°、2.0°、3.0°、4.0°、及び5.0°である下地基板のサファイア基板をそれぞれ複数枚ずつ準備した。そして、各サファイア基板上にMOVPE法でN極性AlNをエピタキシャル成長させてN極性AlN層を形成した。
具体的には、図3に示すように、(i)まず、Hガスを流しながら、圧力100kPa下で、16分かけてサファイア基板の温度を1300℃まで昇温した。(ii)サファイア基板の温度が1300℃になったとき、10分かけて圧力を100kPaから20kPaまで減圧した。(iii)その後、NHガスを流し始め、1分間NHガスを流した後、(iv)TMAガスを流し始め、30秒間TMAガスを流した後に停止した。(v)続いて、10秒間Hガス及びNHガスのみを継続して流した後、(vi)再びTMAガスを流し始め、30分間TMAガスを流した。このとき、Al源ガスであるTMAガスによるAlの供給モル数に対するN源ガスであるNHガスの供給モル数の比であるV/III比が5となるように、TMAガス及びNHガスの供給流量をそれぞれ29.2sccm及び2.9sccmとした。(vii)そして、30分後にTMAガスを停止するのと同時にHガス及びNHガスも停止し、代わりにNガスを流し始め、そのまま室温まで冷却した。各サファイア基板上に形成されたN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)を原子間力顕微鏡法により測定した。
図4は、サファイア基板の主面のc面に対するオフ角度とN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)との関係を示す。図4によれば、サファイア基板の主面のc面に対するオフ角度が0.5°〜5.0°の場合、オフ角度が0.2°の場合に比べて、N極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)が小さく、したがって、その平坦性が高いことが分かる。
[試験評価2]
主面のc面に対するオフ角度が2.0°である下地基板のサファイア基板を複数枚準備し、それぞれ(vi)ステップまで試験評価1と同様の操作を行い、サファイア基板上にN極性AlN層を形成した。その後、図5A及びBに示すように、TMAガス及びNHガスを停止してHガスのみを10秒間流すことによりN極性AlNの表面のステップバンチングを水素エッチングし、続いてHガスとともにNHガスを10秒間流して水素エッチングを停止し、再びNHガスを停止してHガスのみを10秒間流してN極性AlNの表面を水素エッチングする処理を、水素エッチング時間が2分となるまで行った。つまり、水素エッチングをパルス的に行った。その後、(vii)ステップに進み、Hガスを停止し、代わりにNガスを流し始め、そのまま室温まで冷却した。また、水素エッチング時間を30分及び45分とした場合についても、それぞれ同様の実験を行った。なお、V/III比、並びにTMAガス及びNHガスの供給流量は試験評価1と同一とした。
水素エッチング時間を2分、30分、及び45分としたそれぞれの場合について、最終的なN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)を原子間力顕微鏡法により測定し、その平均値を算出した。N極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)は、水素エッチング時間が2分の場合が0.81nm、30分の場合が0.62nm、及び45分の場合が0.65nmであった。なお、水素エッチングを行わなかった場合は、試験評価1より1.8nmであった。
図6は、水素エッチング時間とN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)との関係を示す。図6によれば、水素エッチングを行うことにより、N極性AlN層の表面の平坦性が高められることが分かる。また、2分程度の比較的短い水素エッチングであっても、大きな表面平坦化の効果が得られる一方、水素エッチングの時間がそれより長くなっても、効果の微増は認められるものの、効果が飛躍的に増大することはないことが分かる。
なお、主面のc面に対するオフ角度が0.2°である下地基板のサファイア基板上に結晶成長させたN極性AlNでは、表面に大きなフロックが発生し、これを水素エッチングしても、小さな結晶粒界が現れ、上記のような表面の平坦化の効果を得ることはできなかった。すなわち、下地基板の主面のc面に対するオフ角度がある程度大きくなければ、水素エッチングによる表面の平坦化の効果は得られないということである。
[試験評価3]
主面のc面に対するオフ角度が2.0°である下地基板のサファイア基板を複数枚準備し、それぞれ(v)ステップまで試験評価1と同様の操作を行い、その後、図7に示すように、試験評価1の(vi)ステップと同じ条件でのN極性AlNの結晶成長を15分行い、それに続いて試験評価2と同じ条件での水素エッチングを2分行う操作を2回繰り返し、総時間30分のN極性AlNの結晶成長を行った。その後、(vii)ステップに進み、Hガスを停止し、代わりにNガスを流し始め、そのまま室温まで冷却した。また、N極性AlNの結晶成長の総時間を30分とし、6分のN極性AlNの結晶成長及び2分の水素エッチングを5回繰り返す実験、並びに3分のN極性AlNの結晶成長及び2分の水素エッチングを10回繰り返す実験も行った。なお、V/III比、並びにTMAガス及びNHガスの供給流量は試験評価1と同一とした。
N極性AlNの結晶成長及び水素エッチングの繰り返し回数を2回、5回、及び10回としたそれぞれの場合について、最終的なN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)を原子間力顕微鏡法により測定し、その平均値を算出した。N極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)は、繰り返し回数が2回の場合が0.81nm、5回の場合が0.73nm、及び10回の場合が0.68nmであった。なお、30分のN極性AlNの結晶成長及び2分の水素エッチングをそれぞれ1回行った場合は、試験評価2より0.81nmであった。
図8は、1回当たりのN極性AlNの結晶成長時間とN極性AlN層の表面の表面粗さ(RMS)との関係を示す。図8によれば、N極性AlNの結晶成長過程において、N極性AlNの結晶成長と、N極性AlNの表面の水素エッチングとを交互に繰り返すことにより、N極性AlN層の表面の平坦性が高められることが分かる。また、1回当たりのN極性AlNの結晶成長時間を短くし、小刻みに水素エッチングを行うことにより、水素エッチングによる表面の平坦化の効果が高められることが分かる。
本発明は、半導体装置及びその製造方法の技術分野について有用である。
10 高電子移動度トランジスタ(半導体装置)
11 サファイア基板(下地基板)
12 N極性AlN層
13 N極性GaN層(N極性半導体層)
13a 凹部
14 ゲート電極
15 ソース電極
16 ドレイン電極

Claims (9)

  1. 主面のc面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下である下地基板と、
    前記下地基板上にN極性AlNがエピタキシャル成長して形成されたN極性AlN層と、
    を備えた半導体装置。
  2. 請求項1に記載された半導体装置において、
    前記N極性AlN層の表面粗さ(RMS)が0.85nm以下である半導体装置。
  3. 請求項1又は2に記載された半導体装置において、
    前記下地基板の主面のc面に対するオフ角度が1.5°よりも大きい半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載された半導体装置において、
    前記下地基板がサファイア基板である半導体装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載された半導体装置において、
    前記N極性AlN層上にN極性半導体がエピタキシャル成長して形成されるとともに、前記N極性AlN層との間でヘテロ接合構造を構成するN極性半導体層を更に備えた半導体装置。
  6. 請求項5に記載された半導体装置において、
    前記N極性半導体層がN極性GaN層である半導体装置。
  7. 主面のc面に対するオフ角度が0.5°以上5.0°以下である下地基板上に、N極性AlNをエピタキシャル成長させてN極性AlN層を形成し、このとき、前記N極性AlNの表面を水素エッチングするステップを含む半導体装置の製造方法。
  8. 請求項7に記載された半導体装置の製造方法において、
    前記N極性AlNの表面の水素エッチングをパルス的に行う半導体装置の製造方法。
  9. 請求項7又は8に記載された半導体装置の製造方法において、
    前記N極性AlNの結晶成長過程において、前記N極性AlNの結晶成長と、前記N極性AlNの表面の水素エッチングとを交互に繰り返す半導体装置の製造方法。
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