JP2020136399A - 配線基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】配線部と絶縁材料層が十分な密着性を有するとともに十分な絶縁信頼性を有する配線基板の製造方法を提供する。【解決手段】本発明の配線基板の製造方法は、(A)支持基板上に第1絶縁材料層を形成する工程と、(B)第1絶縁材料層に第1開口部を形成する工程と、(C)第1絶縁材料層上にシード層を形成する工程と、(D)シード層の表面上にレジストパターンを設ける工程と、(E)パッドと配線とを含む配線部を形成する工程と、(F)レジストパターンを除去する工程と、(G)シード層を除去する工程と、(H)パッドの表面に対して第1表面処理を施す工程と、(I)第2絶縁材料層を形成する工程と、(J)第2絶縁材料層に第2開口部を形成する工程と、(K)パッドの表面に対して第2表面処理を施す工程と、(L)第2絶縁材料層のガラス転移温度以上の温度に第2絶縁材料層を加熱する工程とを含む。【選択図】図4

Description

本発明は配線基板の製造方法に関する。
半導体パッケージの高密度化及び高性能化を目的に、異なる性能のチップを一つのパッケージに混載する実装形態が提案されており、コスト面に優れたチップ間の高密度インターコネクト技術が重要になっている(例えば特許文献1参照)。
パッケージ上に異なるパッケージをフリップチップ実装によって積層することで接続するパッケージ・オン・パッケージがスマートフォン及びタブレット端末に広く採用されている(例えば非特許文献1,2参照)。更に高密度で実装するための形態として、高密度配線を有する有機基板を用いたパッケージ技術(有機インターポーザ)、スルーモールドビア(TMV)を有するファンアウト型のパッケージ技術(FO−WLP)、シリコン又はガラスインターポーザを用いたパッケージ技術、シリコン貫通電極(TSV)を用いたパッケージ技術、基板に埋め込まれたチップをチップ間伝送に用いるパッケージ技術等が提案されている。特に、有機インターポーザ及びFO−WLPでは、半導体チップ同士を並列して搭載する場合には、高密度で導通させるために微細配線層が必要となる(例えば特許文献2参照)。
特開2003−318519号公報 米国特許出願公開第2001/0221071号明細書
Application of Through Mold Via(TMV) as PoP Base Package, Electronic Components and Technology Conference(ECTC),2008 Advanced Low Profile PoP Solution with Embedded Wafer Level PoP(eWLB−PoP)Technology,ECTC,2012
上記特許文献1に記載の技術では、デスミア処理後、無電解めっき、レジストパターニング、電解めっき、レジストはく離、シードエッチング及び絶縁材料形成の工程を経て配線が形成される。配線と絶縁材料との密着を確保するためには、配線表面をエッチング等で適度に粗い状態とし、アンカー効果により絶縁材料を配線に強固に固定する必要がある。
ところで、近年、配線基板は高周波帯における伝送損失の低減が求められている。上記のように、配線表面を粗くすると、表皮効果により伝送損失が大きくなる。しかし、配線基板の製造方法において、配線表面を粗くする工程を経ずに絶縁材料層を形成した場合、配線表面との密着性が悪くなることで電気絶縁性が悪化するという別の課題が生じる。したがって、配線と絶縁材料との密着性を担保しつつ、優れた電気絶縁性を示す配線基板を製造することが課題である。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、配線部と絶縁材料層が十分な密着性を有するとともに十分な絶縁信頼性を有する配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係る配線基板の製造方法は以下の工程を含む。
(A)支持基板上に第1絶縁材料層を形成する工程
(B)第1絶縁材料層に第1開口部を形成する工程
(C)第1絶縁材料層の表面上に無電解めっきによってシード層を形成する工程
(D)シード層の表面上に配線部形成用のレジストパターンを設ける工程
(E)シード層の表面であってレジストパターンから露出している領域に、パッドと配線とを含む配線部を電解めっきによって形成する工程
(F)レジストパターンを除去する工程
(G)レジストパターンの除去によって露出したシード層を除去する工程
(H)配線部の表面に対して第1表面処理を施す工程
(I)配線部を覆うように、第2絶縁材料層を形成する工程
(J)第2絶縁材料層における、パッドに対応する位置に第2開口部を形成する工程
(K)パッドの表面に対して第2表面処理を施す工程
(L)第2絶縁材料層のガラス転移温度以上の温度に第2絶縁材料層を加熱する工程
上記工程(H)において、配線部の表面に対して第2絶縁材料層との密着性が向上する処理(第1表面処理)を施すことで、配線部と第2絶縁材料層の密着性を向上できる。第1表面処理の具体例として、金属材料からなる配線部と第2絶縁材料層との密着性を向上する有機成分を含む表面処理剤を使用した処理が挙げられる。第1表面処理が施された配線部の表面の平均粗さRaは、例えば、40〜80nmである。配線部の表面に対して第1表面処理を施すことで、配線部の表面を過度に粗くしなくても配線部と第2絶縁材料層との密着性を十分に高くできる。工程(J)後において、配線に対する第2絶縁材料層のピール強度は、例えば、0.2〜0.7kN/mである。また、配線部の表面が過度に粗くないことで伝送損失を十分に小さくできる。第1絶縁層上に微細な配線パターンを形成する場合、上記工程(D)において、例えば、ライン幅0.5〜20μmの溝状の開口を有するレジストパターンを形成すればよい。
本発明によれば、上記工程(K)においてパッドの表面に対して第2表面処理を施すことでパッドの優れた導電性が得られる。すなわち、上記工程(H)の第1表面処理によってパッドの表面に表面処理層が形成され、仮にこの層がパッドの導電性を低下させるものであったとしても、例えば、上記工程(K)においてこの層を除去する処理を施すことで、パッドの導電性を回復させることができる。また、本発明によれば、上記工程(H)及び上記工程(L)の両方を実施することで、配線部Cと第2絶縁材料層2の密着性をより一層向上でき、絶縁信頼性に優れた配線基板を製造することができる。
上記製造方法は、工程(B)と工程(C)との間に、第1絶縁材料層上及び/又は第1開口部内の残渣を除去する工程を更に含んでもよい。残渣を除去する処理はデスミア処理と称されることがある。第1絶縁材料層及び第2絶縁材料層の少なくとも一方は感光性樹脂を含むものであってもよい。絶縁材料層が感光性樹脂を含む場合、例えば、フォトリソグラフィープロセスによって開口部を形成することができる。
上記第2開口部はパッドに対応する位置に形成されていることが好ましい。この場合、上記製造方法は、第2開口部内におけるパッドの表面に対して第2表面処理を施す工程を更に含んでもよい。第1表面処理を施す工程において、上述のような有機成分を含む表面処理剤を使用した場合、第2表面処理によってパッドの表面から当該表面処理剤を除去することができる。第2表面処理は、例えば、酸素プラズマ処理、アルゴンプラズマ処理及びデスミア処理からなる群から選ばれる少なくとも一種である。
本発明によれば、配線部と絶縁材料層が十分な密着性を有するとともに十分な絶縁信頼性を有する配線基板の製造方法が提供される。
図1(a)は支持基板上に第1絶縁材料層を形成した状態を模式的に示す断面図であり、図1(b)は第1絶縁材料層に第1開口部を設けた状態を模式的に示す断面図であり、図1(c)は第1絶縁材料層及び第1開口部に対してデスミア処理を施した状態を模式的に示す断面図であり、図1(d)は第1絶縁材料層上にシード層を形成した状態を模式的に示す断面図である。 図2(a)はシード層上に配線部形成用のレジストパターンを形成した状態を模式的に示す断面図であり、図2(b)は電解めっきによって配線部を形成した状態を模式的に示す断面図であり、図2(c)はレジストパターンを除去した状態を模式的に示す断面図であり、図2(d)はレジストパターンの除去によって露出したシード層を除去した状態を模式的に示す断面図である。 図3(a)は配線部の表面に対して第1表面処理を施した状態を模式的に示す断面図であり、図3(b)は第2開口部を有する第2絶縁材料層を第1絶縁材料層上に形成した状態を模式的に示す断面図であり、図3(c)はパッドの表面に対して第2表面処理を施した状態を模式的に示す断面図である。 図4は第2絶縁材料層をそのガラス転移温度以上で加熱することによって第2絶縁材料層と配線部との間に焼成層を形成した状態を模式的に示す断面図である。 図5は多層化された配線層を有する配線板の一実施形態を模式的に示す断面図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。以下の説明では、同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本明細書の記載及び請求項において「左」、「右」、「正面」、「裏面」、「上」、「下」、「上方」、「下方」等の用語が利用されている場合、これらは、説明を意図したものであり、必ずしも永久にこの相対位置である、という意味ではない。また、「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。
図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る配線基板の製造方法について説明する。本実施形態に係る配線基板の製造方法は少なくとも以下の工程を含む。
(A)支持基板S上に第1絶縁材料層1を形成する工程
(B)第1絶縁材料層1に第1開口部H1を形成する工程
(C)第1絶縁材料層1の表面上に無電解めっきによってシード層Tを形成する工程
(D)シード層Tの表面上に配線部形成用のレジストパターンRを設ける工程
(E)シード層Tの表面であってレジストパターンRから露出している領域に、パッドC1と配線C2とを含む配線部Cを電解めっきによって形成する工程
(F)レジストパターンRを除去する工程
(G)レジストパターンRの除去によって露出したシード層Tを除去する工程
(H)パッドC1及び配線C2の表面に対して第1表面処理を施す工程
(I)パッドC1及び配線C2を覆うように、第2絶縁材料層2を形成する工程
(J)第2絶縁材料層2に第2開口部H2を形成する工程
(K)第2開口部H2内におけるパッドC1の表面に対して第2表面処理を施す工程
(L)第2絶縁材料層2のガラス転移温度以上の温度に第2絶縁材料層2を加熱する工程
本実施形態に係る配線基板は、微細化及び多ピン化が必要とされる形態において好適であり、特に、異種チップを混載するためのインターポーザが必要なパッケージ形態において好適である。より具体的には、本実施形態に係る製造方法は、ピンの間隔が200μm以下(より微細な場合には例えば30〜100μm)であり且つピンの本数が500本以上(より微細な場合には例えば1000〜10000本)のパッケージ形態において好適である。以下、各工程について説明する。
<支持基板上に第1絶縁材料層を形成する工程>
支持基板S上に第1絶縁材料層1を形成する(図1(a))。支持基板Sは、特に限定されないが、シリコン板、ガラス板、SUS板、ガラスクロス入り基板、半導体素子入り封止樹脂等であり、高剛性からなる基板が好適である。図1(a)に示したとおり、支持基板Sは絶縁材料層を形成する側の表面に導電層Saが形成されたものであってもよい。支持基板Sは、導電層Saの代わりに配線及び/又はパッドを表面に有するものであってもよい。
支持基板Sの厚さは0.2mmから2.0mmの範囲であることが好ましい。0.2mmより薄い場合はハンドリングが困難になる一方、2.0mmより厚い場合は材料費が高くなる傾向にある。支持基板Sはウェハ状でもパネル状でも構わない。サイズは特に限定されないが、直径200mm、直径300mm又は直径450mmのウェハ、あるいは、一辺が300〜700mmの矩形パネルが好ましく用いられる。
第1絶縁材料層1を構成する材料として感光性樹脂材料を採用することが好ましい。感光性絶縁材料としては、液状又はフィルム状のものが挙げられ、膜厚平坦性とコストの観点からフィルム状の感光性絶縁材料が好ましい。また、微細な配線を形成できる点で、感光性絶縁材料は平均粒径500nm以下(より好ましくは50〜200nm)のフィラ(充填材)を含有することが好ましい。感光性絶縁材料のフィラ含有量は、フィラを除く感光性絶縁材料の質量100質量部に対して0〜70質量部が好ましく、10〜50質量部がより好ましい。
フィルム状の感光性絶縁材料を使用する場合、そのラミネート工程はなるべく低温で実施することが好ましく、40℃〜120℃でラミネート可能な感光性絶縁フィルムを採用することが好ましい。ラミネート可能な温度が40℃を下回る感光性絶縁フィルムは常温(約25℃)でのタックが強く取り扱い性に悪化する傾向があり、120℃を上回る感光性絶縁フィルムはラミネート後に反りが大きくなる傾向がある。
第1絶縁材料層1の硬化後の熱膨張係数は、反り抑制の観点から80×10−6/K以下であることが好ましく、高信頼性が得られる点で70×10−6/K以下であることがより好ましい。また、絶縁材料の応力緩和性、高精細なパターンが得られる点で20×10−6/K以上であることが好ましい。
第1絶縁材料層1の厚さは、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、3μm以下であることが更に好ましい。絶縁信頼性の観点から第1絶縁材料層1の厚さが上記範囲内であることが好ましい。
<第1絶縁材料層の表面に第1開口部を形成する工程>
第1絶縁材料層1の表面に支持基板S又は導電層Saにまで至る第1開口部H1を形成する(図1(b))。本実施形態において、第1開口部H1は、第1絶縁材料層1をその厚さ方向に貫通するように形成されており、底面(導電層Saの表面)と側面(絶縁材料層1)とによって構成されている。第1絶縁材料層1が感光性樹脂材料で形成されている場合、フォトリソグラフィープロセス(露光及び現像)によって第1開口部H1を形成することができる。
感光性樹脂材料の露光方法としては、通常の投影露光方式、コンタクト露光方式、直描露光方式等を用いることができる。現像方法としては炭酸ナトリウム又はTMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)のアルカリ水溶液を用いることが好ましい。第1開口部H1を形成した後、第1絶縁材料層1を更に加熱硬化させてもよい。例えば、加熱温度は100℃〜200℃、加熱時間は30分〜3時間の間で実施される。
フォトリソグラフィープロセス以外の方法(例えば、レーザーアブレーション、サンドブラスト、ウォーターブラスト、インプリント)によって第1絶縁材料層1に第1開口部H1を形成してもよい。例えば、第1絶縁材料層1が熱硬化性樹脂材料で形成されている場合、第1開口部H1を形成可能な点から、レーザーアブレーションが好ましい。レーザーアブレーションによる開口方法としては、COレーザー、UV−YAGレーザーなどにより形成できるが、コストの観点から、COレーザーを用いた開口方法が好ましい。第1開口部H1から露出した導電層Saの表面の樹脂残渣をデスミア処理で取り除いてもよい。このデスミア処理によって第1絶縁材料層1の表面を粗面化してもよい。図1(c)に示す表面Fはデスミア処理が施された表面を示したものである。
<第1絶縁材料層の表面にシード層を形成する工程>
第1絶縁材料層1の表面に、無電解めっきによりシード層Tを形成する(図1(d))。本実施形態においては、まず、無電解銅めっきの触媒となるパラジウムを第1絶縁材料層1の表面に吸着させるため、第1絶縁材料層1の表面を前処理液で洗浄する。前処理液は水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムを含む市販のアルカリ性前処理液でよい。水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムの濃度は1%〜30%の間で実施される。前処理液への浸漬時間は1分〜60分の間で実施される。前処理液への浸漬温度は25℃〜80℃の間で実施される。前処理した後、余分な前処理液を除去するため、市水、純水、超純水又は有機溶剤で洗浄してもよい。なお、第1絶縁材料層1の表面にシード層Tを形成する前に、第1絶縁材料層1の表面を紫外線照射、電子線照射、オゾン水処理、コロナ放電処理、プラズマ処理等の方法で改質してもよい。
前処理液除去後、第1絶縁材料層1の表面からアルカリイオンを除去するために、酸性水溶液で浸漬洗浄する。酸性水溶液は硫酸水溶液でよく、濃度は1%〜20%、浸漬時間は1分〜60分の間で実施される。酸性水溶液を除去するため、市水、純水、超純水又は有機溶剤で洗浄してもよい。
続いて、酸性水溶液で浸漬洗浄がなされた後の第1絶縁材料層1の表面にパラジウムを付着させる。パラジウムは、市販のパラジウム-スズコロイド溶液、パラジウムイオンを含む水溶液、パラジウムイオン懸濁液等でよいが、改質層に効果的に吸着するパラジウムイオンを含む水溶液が好ましい。
パラジウムイオンを含む水溶液に浸漬する際、パラジウムイオンを含む水溶液の温度は、25℃〜80℃、吸着させるための浸漬時間は1分〜60分の間で実施される。パラジウムイオンを吸着させた後、余分なパラジウムイオンを除去するため、市水、純水、超純水又は有機溶剤で洗浄してもよい。
パラジウムイオン吸着後、パラジウムイオンを触媒として作用させるための活性化を行う。パラジウムイオンを活性化させる試薬は市販の活性化剤(活性化処理液)でよい。パラジウムイオンを活性化させるために浸漬する活性化剤の温度は、25℃〜80℃、活性化させるために浸漬する時間は1分〜60分の間で実施される。パラジウムイオンの活性化後、余分な活性化剤を除去するため、市水、純水、超純水又は有機溶剤で洗浄してもよい。
続いて、第1絶縁材料層1の表面に無電解銅めっきし、シード層Tを形成する。このシード層Tは、電解めっきのための給電層となる。無電解銅めっきとしては、無電解純銅めっき(純度99質量%以上)、無電解銅ニッケルリンめっき(ニッケル含有率:1質量%〜10質量%、リン含有量:1質量%〜13質量%)等が挙げられるが、密着性の観点から、無電解銅ニッケルリンめっきが好ましい。無電解銅ニッケルリンめっき液は市販のめっき液でよく、例えば、無電解銅ニッケルリンめっき液(株式会社JCU製、商品名「AISL−570」)を用いることができる。無電解銅ニッケルリンめっきは、60℃〜90℃の無電解銅ニッケルリンめっき液中で実施される。シード層Tの厚さは、20nm〜200nmが好ましく、40nm〜200nmがより好ましく、60nm〜200nmが更に好ましい。
無電解銅めっき後、余分なめっき液を除去するため、市水、純水、超純水又は有機溶剤で洗浄してもよい。また、無電解銅めっき後、シード層Tと第1絶縁材料層1との密着力を高めるため、熱硬化(アニーリング:加熱による時効硬化処理)を行ってもよい。熱硬化温度は、80℃〜200℃で加熱することが好ましい。より反応性を早めるために120℃〜200℃がより好ましく、120℃〜180℃で加熱することが更に好ましい。熱硬化時間は5分〜60分が好ましく、10分〜60分がより好ましく、20分〜60分が更に好ましい。
<配線部形成用レジストパターンの形成する工程>
シード層T上に配線部形成用のレジストパターンRを形成する(図2(a))。レジストパターンRは市販のレジストでよく、例えば、ネガ型フィルム状の感光性レジスト(日立化成株式会社製、Photec RY−5107UT)を用いることができる。レジストパターンRは、図2(a)に示すとおり、開口部R1,R2を有する。開口部R1は第1絶縁材料層1の開口部H1に対応する位置に設けられており、パッドC1を形成するためのものである。第1開口部H1と開口部R1とによって開口Hが構成されている。開口部R2は、例えば、ライン幅0.5〜20μmの溝状の開口であり、配線C2を形成するためのものである。
レジストパターンRは以下の工程を経て形成することができる。まず、ロールラミネータを用いてレジストを成膜し、次いで、パターンを形成したフォトツールを密着させ、露光機を使用して露光を行い、次いで、炭酸ナトリウム水溶液で、スプレー現像を行うことによって形成することができる。なお、ネガ型の代わりにポジ型の感光性レジストを用いてもよい。
<配線部を形成する工程>
シード層Tを給電層として、例えば、電解銅めっきを実施し、パッドC1と配線C2とを含む配線部Cを形成する(図2(b))。配線部Cの厚さは1〜10μmが好ましく、3〜10μmがより好ましく、5〜10μmが更に好ましい。なお、配線部Cは電解銅めっき以外の電解めっきによって形成してもよい。
<レジストパターンを除去する工程>
電解銅めっき後、レジストパターンRを除去する(図2(c))。レジストパターンRのはく離は、市販のはく離液を使用して行えばよい。
<シード層を除去する工程>
レジストパターンRを除去した後、シード層Tを除去する(図2(d))。シード層Tの除去とともに、シード層Tの下に残存しているパラジムを除去してもよい。これらの除去は、市販の除去液(エッチング液)を使用して行えばよく、具体例として、酸性のエッチング液(株式会社JCU製、BB−20、PJ−10、SAC−700W3C)が挙げられる。
<パッドC1及び配線C2の表面に対して第1表面処理を施す工程>
パッドC1及び配線C2の表面に対して第1表面処理を施すことによって、これらの表面に表面処理層5を形成する(図3(a))。第1表面処理は、市販の表面処理液を用いて実施することができる。表面処理液としては、例えば、配線部Cと、後の工程で形成される第2絶縁材料層2との密着性を向上する有機成分を含む液(例えば、四国化成工業株式会社製、商品名「GliCAP」)、あるいは、配線部Cの表面を微細にエッチングするとともに、配線部Cと第2絶縁材料層2との密着性を向上する有機成分を含む液(例えば、アトテックジャパン株式会社製、商品名「ノバボンド」及びメック株式会社製、商品名「CZ8401」「CZ−8402」)を用いることができる。
第1表面処理が施された後の配線部C(パッドC1及び配線C2)の表面の平均粗さRaは、例えば、40〜80nmであり、50〜80nm又は60〜80nmであってもよい。配線部Cの表面の平均粗さRaが40nm以上であることで、配線部Cと第2絶縁材料層2との密着性を十分に確保でき、他方、80nm以下であることで、配線基板の伝送損失を十分に小さくできる。
<第2絶縁材料層を形成する工程>
配線部Cを覆うように第2絶縁材料層2を形成する。第2絶縁材料層2を構成する材料は第1絶縁材料層1と同じでもよいし、異なっていてもよい。
<第2絶縁材料層に第2開口部を形成する工程>
第2絶縁材料層2に第2開口部H2を形成する(図3(b))。第2開口部H2はパッドC1に対応する位置に設けられている。第2開口部H2を形成する方法は、第1開口部H1を形成する方法と同じでもよいし、異なっていてもよい。この工程後において、配線C2に対する第2絶縁材料層2のピール強度は、例えば、0.2〜0.7kN/mであり、0.4〜0.65kN/m又は0.5〜0.6kN/mであってもよい。ここでいうピール強度は、ピール角度90°及びピール速度10mm/分の条件で測定される値を意味する。これらの工程を経ることで、図3(b)に示す配線基板10が得られる。配線基板10は、支持基板Sと、第1絶縁材料層1及び第2絶縁材料層2を貫通するように設けられたパッドC1と、第2絶縁材料層2内に埋設された配線C2を有する配線層8Aとを備える。
<パッドの表面に対して第2表面処理を施す工程>
第2開口部H2内におけるパッドC1の表面に対して第2表面処理を施すことによって表面処理層5を除去する(図3(c))。上述のとおり、表面処理層5は、例えば、有機成分を含有しており、パッドC1の導電性を阻害し得る。表面処理層5の少なくとも一部を除去することで、すなわち、図3(c)に示すように、パッドC1の表面に表面処理剤除去部6を設けることで、表面処理層5によるパッドC1の導電性低下を改善し得る。表面処理層5を除去する処理として、例えば、プラズマ処理及びデスミア処理(アルカリ溶液を使用した処理)が挙げられる。プラズマ処理で用いるガスの種類は、例えば、酸素、アルゴン、窒素及びこれらの混合ガスである。この工程を経て図3(c)に示される構成の配線基板20が得られる。配線基板20は、パッドC1の表面に表面処理剤除去部6が設けられている点において、図3(b)に示される配線基板10と相違する。
<第2絶縁材料層を加熱する工程>
第2絶縁材料層2を第2絶縁材料層2のガラス転移温度(Tg)以上に加熱することによって、配線部Cと第2絶縁材料層2の界面に焼成層7を形成する(図4)。これにより、配線部Cと第2絶縁材料層2の密着性がより一層向上する。焼成層7は、例えば、表面処理層5に含まれる表面処理剤が第2絶縁材料層2との反応によって変質することによって形成される層である。加熱温度は第2絶縁材料層2のガラス転移温度(Tg)以上であり、例えば、250℃以下である。加熱時間は、30分〜3時間であることが好ましい。加熱温度がTg以上であり且つ加熱時間が30分以上であることで、配線部Cと第2絶縁材料層2の密着性の向上効果が十分に発揮される。他方、加熱温度が250℃以下であり且つ3時間以下であることで、配線部Cと第2絶縁材料層2との間に残存する表面処理剤が分解することが抑制され、配線部Cと第2絶縁材料層2の優れた密着性を維持できる。また、加熱温度が250℃以下であることで配線基板の反りを抑制できる。この工程を経て図4に示される構成の配線基板30が得られる。配線基板30は、配線部Cと第2絶縁材料層2との界面に焼成層7が形成されている点において、図3(c)に示される配線基板20と相違する。
なお、ここでいう第2絶縁材料層のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC、例えば(株)リガク製「Thermo Plus 2」)を用いて硬化後の第2絶縁材料層を測定したときの中間点ガラス転移温度値である。具体的には、上記ガラス転移温度は、昇温速度10℃/分、測定温度:30〜250℃の条件で熱量変化を測定し、JIS K 7121:1987に準拠した方法によって算出した中間点ガラス転移温度である。
以上、配線基板の製造方法の一実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更を行ってもよい。例えば、上記実施形態においては、一層の配線層8Aを有する配線基板の製造方法について例示したが、多層化された配線層を有する配線基板を製造してもよい。図5に示す多層配線基板40は、配線基板30の構成の他に、第3絶縁材料層3と、この第3絶縁材料層3内に埋設された配線C2とによって構成される配線層8Bとを備える。多層配線基板40のパッドC1は、第1絶縁材料層1、第2絶縁材料層2及び第3絶縁材料層3を貫通するように設けられている。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
[実施例1]
<感光性樹脂フィルムの作製>
絶縁材料層の形成に使用する感光性樹脂組成物を以下の成分を使用して調製した。
・カルボキシル基とエチレン性不飽和基とを含有する光反応性樹脂:酸変性したクレゾールノボラック型エポキシアクリレート(CCR−1219H、日本化薬株式会社製、商品名) 50質量部
・光重合開始剤成分:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(ダロキュアTPO、BASFジャパン株式会社製、商品名)及びエタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(o−アセチルオキシム)(イルガキュアOXE−02、BASFジャパン株式会社製、商品名) 5質量部
・熱硬化剤成分:ビフェノール型エポキシ樹脂(YX−4000、三菱ケミカル株式会社製、商品名) 10質量部
・無機フィラ成分:(平均粒径:50nm、ビニルシランでシランカップリング処理したもの)
無機フィラ成分は、樹脂分100体積部に対し、10体積部になるように配合した。なお、動的光散乱式ナノトラック粒度分布計「UPA−EX150」(日機装株式会社製)及びレーザー回折散乱式マイクロトラック粒度分布計「MT−3100」(日機装株式会社製)を用いて粒度分布を測定し、最大粒径が1μm以下となっていることを確認した。
上記組成の感光性樹脂組成物の溶液をポリエチレンテレフタレートフィルム(G2−16、帝人株式会社製、商品名、厚さ:16μm)の表面上に塗布した。それを熱風対流式乾燥機を用いて100℃で約10分間乾燥した。これにより形成された感光性樹脂フィルムの厚さは10μmであった。
<微細配線を有する配線層の形成>
支持基板として、ガラスクロス入り配線基板(サイズ:200mm角、厚さ1.5mm)を準備した。この配線基板の表面には銅層が形成されており、その厚さは20μmであった。
・工程(A)
上記配線基板の銅層の表面に、上記感光性樹脂フィルム(第1絶縁材料層)をラミネートした。詳細には、まず、配線基板の銅層の表面に感光性樹脂フィルムを載置した。次いで、プレス式真空ラミネータ(MVLP−500、株式会社名機製作所製)を用いてプレスした。プレス条件は、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間60秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。
・工程(B)
プレス後の絶縁材料層に露光処理及び現像処理を施すことによって、配線基板の銅層にまで至る開口部(第1開口部)を第1絶縁材料層に設けた。露光は絶縁材料層の上にパターンを形成したフォトツールを密着させ、i線ステッパー露光機(製品名:S6CK型露光機、レンズ:ASC3(Ck)、サ−マプレシジョン社製)を使用して、30mJ/cmのエネルギー量で露光した。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、45秒間スプレー現像を行い、開口部を設けた。次いで、現像後の絶縁材料層表面にマスク露光機(EXM−1201型露光機、株式会社オーク製作所製)を使用して、2000mJ/cmのエネルギー量でポストUV露光した。次いで、クリーンオーブンで170℃、1時間の熱硬化を行った。
・工程(C)
無電解銅めっきにより、絶縁材料層の表面にシード層を形成した。すなわち、まず、アルカリクリーニングとして、アルカリクリーナー(株式会社JCU製、商品名:EC−B)の110mL/L水溶液に50℃で5分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した。次に、コンディショナとして、コンディショニング液(株式会社JCU製、商品名:PB−200)とEC−Bの混合液(PB−200濃度:70mL/L、EC−B濃度:2mL/L)に50℃で5分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した。次に、ソフトエッチングとして、ソフトエッチング液(株式会社JCU製、商品名:PB−228)と98%硫酸の混合液(PB−228濃度:100g/L、硫酸濃度:50mL/L)30℃で2分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した。次に、デスマットとして、10%硫酸に室温で1分間浸漬した。次に、キャタライザとして、キャタライズ用試薬1(株式会社JCU製、商品名:PC−BA)とキャタライズ用試薬2(株式会社JCU製、商品名:PB−333)とEC−Bの混合液(PC−BA濃度:5g/L、PB−333濃度:40mL/L、EC−B濃度:9mL/L)60℃で5分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した。次に、アクセラレータとして、アクセラレータ用試薬(株式会社JCU製、商品名:PC−66H)とPC−BAの混合液(PC−66H濃度:10mL/L、PC−BA濃度:5g/L)に30℃で5分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した。次に、無電解銅めっきとして、無電解銅めっき液(株式会社JCU製、商品名:AISL−570B、AISL−570C、AISL−570MU)とPC−BAの混合液(AISL−570B濃度:70mL/L、AISL−570C濃度:24mL/L、AISL−570MU濃度:50mL/L、PC−BA濃度:13g/L)に60℃で7分間浸漬し、その後純水に1分間浸漬した。その後、85℃のホットプレートで5分間乾燥させた。次に、180℃のオーブンで1時間、熱アニーリングした。
・工程(D)
真空ラミネータ(ニチゴー・モートン株式会社製、V−160)を用いて、無電解銅が成膜された200mm□の基板の上に、配線形成用レジスト(日立化成株式会社製、RY−5107UT)を真空ラミネートした。ラミネート温度は110℃、ラミネート時間は60秒、ラミネート圧力は0.5MPaとした。
真空ラミネート後、1日放置し、i線ステッパー露光機(製品名:S6CK型露光機、レンズ:ASC3(Ck)、株式会社サ−マプレシジョン製)を用いて、配線形成用レジストを露光した。露光量は140mJ/cm、フォーカスは−15μmとした。露光後、1日放置し、配線形成用レジストの保護フィルムをはく離し、スプレー現像機(ミカサ株式会社製、AD−3000)を用いて現像した。現像液は1.0%炭酸ナトリウム水溶液、現像温度は30℃、スプレー圧は0.14MPaとした。これにより、以下のL/S(ライン/スペース)の配線を形成するためのレジストパターンをシード層上に形成した。
・L/S=10μm/10μm(配線の数:10本)
・L/S=7μm/7μm(配線の数:10本)
・L/S=5μm/5μm(配線の数:10本)
・L/S=3μm/3μm(配線の数:10本)
・L/S=2μm/2μm(配線の数:10本)
・工程(E)
クリーナーとして(奥野製薬工業株式会社製、商品名:ICPクリーンS−135)の100mL/L水溶液に50℃で1分間浸漬し、純水に50℃で1分間浸漬、純水に25℃で1分間浸漬し、10%硫酸水溶液に25℃で1分間浸漬した。次に、硫酸銅5水和物の120g/L、96%硫酸220g/Lの水溶液7.3Lに、塩酸を0.25mL、奥野製薬工業株式会社製の商品名:トップルチナGT−3を10mL、奥野製薬工業株式会社製の商品名:トップルチナGT−2を1mL加えた水溶液に、25℃で電流密度を1.5A/dmで10分間の条件で電解めっきを施した。その後、純水に25℃で5分間浸漬し、80℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
・工程(F)
スプレー現像機(ミカサ社製、AD−3000)を用いて、配線形成用レジストをはく離した。はく離液は2.38%TMAH水溶液、はく離温度は40℃、スプレー圧力は0.2MPaとした。
・工程(G)
シード層である無電解銅及びパラジウム触媒を除去した。無電解Cuのエッチングとして、エッチング液(株式会社JCU製、SAC−700W3C)と98%硫酸と35%過酸化水素水と硫酸銅・5水和物の水溶液(SAC−700W3C濃度:5容量%、硫酸濃度:4容量%、過酸化水素濃度:5容量%、硫酸銅・5水和物濃度:30g/L)に35℃で1分間浸漬した。次に、パラジウム触媒の除去としてFL水溶液(株式会社JCU製、FL−A500mL/L、FL−B 40mL/L)に50℃で1分間浸漬した。その後、純水に25℃で5分間浸漬し、80℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
・工程(H)
パッド及び配線の表面をGliCAP(四国化成工業株式会社製)により表面処理(第1表面処理)した。酸洗浄として、3.5%塩酸水溶液に25℃で1分間浸漬した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、ソフトエッチング液(四国化成工業社製、GB−1000)に30℃で1分間浸漬した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、表面処理剤(四国化成工業社製、GliCAP)に30℃で15分間浸漬した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。その後、100℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
・工程(I)
工程(H)を経て表面処理されたパッド及び配線を覆うように、感光性樹脂フィルム(第2絶縁材料層)をラミネートした。詳細には、まず、パッド及び配線を覆うように第1絶縁材料層上に感光性樹脂フィルムを載置した。次いで、プレス式真空ラミネータ(MVLP−500、株式会社名機製作所製)を用いてプレスした。プレス条件は、プレス熱板温度80℃、真空引き時間20秒、ラミネートプレス時間60秒、気圧4kPa以下、圧着圧力0.4MPaとした。
・工程(J)
プレス後の絶縁材料層に露光処理及び現像処理を施すことによって、パッドにまで至る開口部(第2開口部)を第2絶縁材料層に設けた。露光は絶縁材料層の上にパターンを形成したフォトツールを密着させ、i線ステッパー露光機(製品名:S6CK型露光機、レンズ:ASC3(Ck)、サ−マプレシジョン社製)を使用して、30mJ/cmのエネルギー量で露光した。次いで、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液で、45秒間スプレー現像を行い、開口部を設けた。次いで、現像後の絶縁材料層表面にマスク露光機(EXM−1201型露光機、株式会社オーク製作所製)を使用して、2000mJ/cmのエネルギー量でポストUV露光した。次いで、クリーンオーブンで170℃、1時間の熱硬化を行った。硬化後の第2絶縁材料層のガラス転移温度(Tg)は160℃であった。
[実施例2]
工程(H)において、GliCAPの代わりにノバボンド(アトテックジャパン株式会社製)を用いて表面処理したことの他は実施例1と同様にして配線基板を得た。すなわち、まず、ノバボンドITスタビライザー(アトテックジャパン株式会社製)の水溶液15mL/Lに50℃で1分間浸漬した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、ノバボンドIT(アトテックジャパン株式会社製)の水溶液30mL/Lに50℃で1分間浸漬した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、ノバボンドITリデューサー(アトテックジャパン株式会社製)の水溶液20mL/Lに30℃で5分間浸漬した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、ノバボンドITプロテクターMK(アトテックジャパン株式会社製)の水溶液10mL/Lに35℃で1分間浸漬した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。その後、100℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
[実施例3]
工程(H)において、GliCAPの代わりにCZ8401(メック株式会社製)を用いて表面処理したことの他は実施例1と同様にして配線基板を得た。すなわち、まず、酸洗浄として、5%塩酸水溶液により25℃で30秒間0.2MPaの水圧でスプレー洗浄した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、CZ8401処理液により25℃で1分間0.2MPaの水圧でスプレー処理した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、10%硫酸水溶液により25℃で20秒間0.1MPaの水圧でスプレー処理した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。その後、100℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
[実施例4]
工程(H)において、GliCAPの代わりにCZ8402(メック株式会社製)を用いて表面処理したことの他は実施例1と同様にして配線基板を得た。すなわち、まず、酸洗浄として、5%塩酸水溶液により25℃で30秒間0.2MPaの水圧でスプレー洗浄した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、CZ8402処理液により25℃で1分間0.2MPaの水圧でスプレー処理した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、10%硫酸水溶液により25℃で20秒間0.1MPaの水圧でスプレー処理した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。その後、100℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
[比較例1]
工程(H)において、表面処理剤を用いなかったことの他は実施例1と同様にして配線基板を得た。すなわち、まず、酸洗浄として、5%塩酸水溶液により25℃で30秒間0.2MPaの水圧でスプレー洗浄した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。その後、100℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
[比較例2]
工程(H)において、GliCAPの代わりにCZ8101(メック株式会社製)を用いて表面処理したことの他は実施例1と同様にして配線基板を得た。すなわち、まず、酸洗浄として、5%塩酸水溶液により25℃で30秒間0.2MPaの水圧でスプレー洗浄した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、CZ8101処理液により25℃で1分間0.2MPaの水圧でスプレー処理した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、10%硫酸水溶液により25℃で20秒間0.1MPaの水圧でスプレー処理した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。次に、防錆処理として、CL−8300(メック株式会社製)処理液により25℃で30秒間浸漬処理した。次に、純水により25℃で1分間流水洗浄した。その後、100℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
<銅層表面の平均粗さRaの測定>
実施例1(Glicapによる表面処理)、実施例2(ノバボンドによる表面処理)、実施例3(CZ−8401による表面処理)、実施例4(CZ−8402による表面処理)、比較例1(表面処理剤なし)、比較例2(CZ−8101)に係る銅層表面の平均粗さRaを表面粗さ計(オリンパス株式会社製、OLS−4000)を用いて測定した。表1に結果を示す。
<銅層と絶縁材料層界面のピール強度測定>
実施例1(Glicapによる表面処理)、実施例2(ノバボンドによる表面処理)、実施例3(CZ−8401による表面処理)、実施例4(CZ−8402による表面処理)、比較例1(表面処理剤なし)、比較例2(CZ−8101)に係る銅層と絶縁材料層の界面のピール強度をピール強度測定装置(株式会社島津製作所製、ES−Z)を用いて測定した。測定条件は、ピール角度90°及びピール速度10mm/分とした。表1に結果を示す。
<配線形成性の評価>
L/Sが10μm/10μm、7μm/7μm、5μm/5μm、3μm/3μm及び2μm/2μmの配線形成性について、10個の配線のうち、配線倒れ又は配線はく離または配線断線が発生しているものが0個の場合を「A」とし、1〜2個の場合を「B」とし、3個以上の場合を「C」とした。表1に結果を示す。
Figure 2020136399
・工程(K)
実施例1〜4及び比較例1,2に係る配線基板のパッド表面に対してデスミア処理(第2表面処理)を施した。すなわち、まず、膨潤処理のため、スウェラ(Atotech社製、クリーナーセキュリガント902)40mL/Lに70℃で5分間浸漬した。その後純水に1分間浸漬した。次いで、表面処理剤除去のため、デスミア液(Atotech社製、コンパクトCP)40mL/Lに70℃で浸漬した。浸漬時間は3分間とした。次に、純水に1分間浸漬した。その後、80℃のホットプレートで5分間乾燥させた。
<表面処理剤除去性の評価>
実施例1〜4及び比較例1,2に係る表面処理剤除去性を評価した。Φ100μm、Φ50μm、Φ30μm、Φ20μm、Φ10μmの開口部について、露出した銅表面を顕微ラマン装置(製品名:DXR2 Microscope、サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)を用いて900cm−1のピークの有無を調べ、10個のパッドの内、ピークがあるもの(残渣があるもの)が0個の場合を「A」とし、1〜2個の場合を「B」とし、3個以上の場合を「C」とした。表2に結果を示す。
Figure 2020136399
[実施例1a〜4d及び比較例1a〜2d]
・工程(L)
実施例1〜4及び比較例1,2に係る配線基板を複数準備し、表3に示すとおり、200℃又は250℃で30分又は3時間にわたってそれぞれ加熱した。
<電気絶縁性の評価>
実施例1a〜4d及び比較例1a〜2dに係る配線基板の電気絶縁性を評価した。L/Sが10μm/10μm、7μm/7μm、5μm/5μmの配線について、HASTチャンバー(EHS−222MD、ESPEC社製)及びイオンマイグレーション評価システム(AM−150−U−5、ESPEC社製)を用いて、電気絶縁性130℃、相対湿度85%、印加電圧3.3Vの条件で試験した。10個の配線の内、電気抵抗値が1×10Ωで絶縁保持時間が200時間以上となる配線が10個のとき「A」、7個以上のとき「B」、5個以上のとき「C」とした。表3に結果を示す。
Figure 2020136399
1…第1絶縁材料層、2…第2絶縁材料層、3…第3絶縁材料層、5…表面処理層、6…表面処理剤除去部、7…焼成層、8A,8B…配線層、10,20,30…配線基板、40…多層配線基板、C…配線部、C1…パッド、C2…配線、F…デスミア処理された表面、H…開口、H1…第1開口部、H2…第2開口部、R…レジストパターン、R1,R2…開口部、S…支持基板、Sa…導電層、T…シード層

Claims (9)

  1. (A)支持基板上に第1絶縁材料層を形成する工程と、
    (B)前記第1絶縁材料層に第1開口部を形成する工程と、
    (C)前記第1絶縁材料層の表面上に無電解めっきによってシード層を形成する工程と、
    (D)前記シード層の表面上に配線部形成用のレジストパターンを設ける工程と、
    (E)前記シード層の表面であって前記レジストパターンから露出している領域に、パッドと配線とを含む配線部を電解めっきによって形成する工程と、
    (F)前記レジストパターンを除去する工程と、
    (G)前記レジストパターンの除去によって露出した前記シード層を除去する工程と、
    (H)前記パッドの表面に対して第1表面処理を施す工程と、
    (I)前記配線部を覆うように、第2絶縁材料層を形成する工程と、
    (J)前記第2絶縁材料層における、前記パッドに対応する位置に第2開口部を形成する工程と、
    (K)前記パッドの表面に対して第2表面処理を施す工程と、
    (L)前記第2絶縁材料層のガラス転移温度以上の温度に前記第2絶縁材料層を加熱する工程と、
    を含む、配線基板の製造方法。
  2. 前記第1表面処理を施す工程において表面処理剤を使用し、前記第2表面処理を施す工程において前記パッドの表面から前記表面処理剤を除去する、請求項1に記載の配線基板の製造方法。
  3. 前記第1表面処理に使用される前記表面処理剤が前記配線部と前記第2絶縁材料層との密着性を向上する有機成分を含む、請求項2に記載の配線基板の製造方法。
  4. 前記第2表面処理が酸素プラズマ処理、アルゴンプラズマ処理及びデスミア処理からなる群から選ばれる少なくとも一種である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
  5. 前記第1表面処理が施された前記配線部の表面の平均粗さRaが40〜80nmである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
  6. 工程(J)後において、前記配線に対する前記第2絶縁材料層のピール強度が0.2〜0.7kN/mである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
  7. 工程(B)と工程(C)との間に、前記第1絶縁材料層上及び/又は前記第1開口部内の残渣を除去する工程を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
  8. 前記第1絶縁材料層及び前記第2絶縁材料層の少なくとも一方が感光性樹脂を含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
  9. 前記レジストパターンがライン幅0.5〜20μmの溝状の開口を有する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の配線基板の製造方法。
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