JP2020136235A - ガーネット型の固体電解質、ガーネット型の固体電解質の製造方法、二次電池、電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本願のガーネット型の固体電解質は、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxMy)O12で表わされ、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。
【選択図】なし
Description
なお、本願のガーネット型の固体電解質は、ガーネット型結晶構造またはガーネット類似型結晶構造の固体電解質を指す。
1−1.二次電池
まず、本実施形態のガーネット型の固体電解質を用いた二次電池について、リチウムイオン電池を例に挙げ、図1及び図2を参照して説明する。図1は第1実施形態の二次電池としてのリチウムイオン電池の構成を示す概略斜視図、図2は第1実施形態の二次電池としてのリチウムイオン電池の構造を示す概略断面図である。
図2に示すように、正極合材10は、粒子状の正極活物質11と本実施形態のガーネット型の固体電解質12とを含んで構成されている。粒子状の正極活物質11同士が互いに接触することで生ずる隙間をガーネット型の固体電解質12が埋めた状態となっている。以降、ガーネット型の固体電解質12を単に固体電解質12と呼ぶ。
本実施形態の固体電解質12は、下記の組成式(1)で示されるリチウムを伝導するガーネット型結晶構造またはガーネット類似型結晶構造を有するリチウム複合金属酸化物である。
Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxMy)O12・・・(1)
Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。
本実施形態の正極合材10の一方の面10b側に設けられた電極としての負極30は、負極活物質を含んで構成される。負極活物質としては、正極活物質11として選択された材料よりも低い電位において電気化学的なリチウムイオンの吸蔵・放出を繰り返すことが可能なものであればいかなるものを用いてもよい。具体的には、Nb2O5、V2O5、TiO2、In2O3、ZnO、SnO2、NiO、ITO(Indium Tin Oxide)、AZO(Al−doped Zinc Oxide)、FTO(F−doped Tin Oxide)、TiO2のアナターゼ相、Li4Ti5O12、Li2Ti3O7などのリチウム複合金属酸化物、Li、Si、Sn、Si−Mn、Si−Co、Si−Ni、In、Auなどの金属及びこれらの金属を含む合金、炭素材料、炭素材料の層間にリチウムイオンが挿入された物質などを挙げることができる。合金としてはリチウムを吸蔵・放出可能であれば特に制限されないが、13族及び14族の炭素を除く金属や半金属元素を含むものであることが好ましく、より好ましくはアルミニウム、ケイ素及びスズの単体金属及びこれら原子を含む合金又は化合物である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。合金としては、Li−Al、Li−Ni、Li−Si、Li−Sn、Li−Sn−Niなどのリチウム合金、Si−Znなどのシリコン合金、Sn−Mn、Sn−Co、Sn−Ni、Sn−Cu、Sn−Laなどのスズ合金、Cu2Sb、La3Ni2Sn7などを例示することができる。
本実施形態の小型で薄型なリチウムイオン電池100における放電容量を考慮すると、負極30は、金属リチウム(金属Li)あるいはリチウム合金を形成する単体金属及び合金であることが好ましい。
図2に示すように、正極合材10と負極30との間には、電解質層20が設けられている。上述したように負極30として金属Liを用いると、リチウムイオン電池100の放電時には負極30からリチウムイオンが放出される。また、リチウムイオン電池100の充電時には、リチウムイオンが金属として負極30に析出してデンドライトと呼ばれる樹状結晶体が形成される。デンドライトが成長して正極合材10の正極活物質11と接すると、正極として機能する正極合材10と負極30とが短絡する。この短絡を防ぐために、正極合材10と負極30との間には、電解質層20が設けられている。電解質層20は、正極活物質11が含まれていない電解質からなる層である。このような電解質層20は、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物、水素化物、ホウ素化物などの金属化合物からなる結晶質または非晶質を用いることができる。
図2に示すように、リチウムイオン電池100は、正極合材10の他方の面10aに接する集電体41と、負極30に接する集電体42とを有している。集電体41,42は、正極合材10または負極30に対し電子の授受を担うよう設けられる導電体であり、十分に電気抵抗が小さく、また充放電によって電気伝導特性やその機械構造が変化しない素材が選択される。例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の金属群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、該金属群から選ばれる2種以上の金属からなる合金などが用いられる。
次に、本実施形態のガーネット型の固体電解質12の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は本実施形態のガーネット型の固体電解質の製造方法を示すフローチャートである。
Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxMy)O12・・・(1)
Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。
Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxMy)O12・・・(1)
Myは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。
次に、本実施形態のリチウムイオン電池100の製造方法の一例について、図4〜図6を参照して説明する。図4は第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示すフローチャート、図5及び図6は第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法における工程を示す概略図である。
次に、本実施形態の固体電解質について、具体的な実施例1〜17を挙げて、その具体的な製造方法について説明する。
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(Pyrex;CORNING社商標)製試薬瓶へ、純度99.95%の硝酸リチウム(関東化学製、3N5)1.3789gと、2−ブトキシエタノール(エチレングルコールモノブチルエーテル)(関東化学製、鹿特級)18.6211gとを秤量した。次いで、ホットプレート機能付きマグネチックスターラーに載せ、190℃にて1時間撹拌しながら、硝酸リチウムを2−ブトキシエタノールに完全に溶解し、約20℃の室温まで徐冷して、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を得た。なお、硝酸リチウムの純度は、イオンクロマトグラフィー質量分析計を用いて測定することが可能である。
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス製試薬瓶へ、硝酸ランタン・六水和物(関東化学製、4N)8.6608gと、2−ブトキシエタノール11.3392gとを秤量した。次いで、ホットプレート機能付きマグネチックスターラーに載せ、140℃にて30分間撹拌しながら、硝酸ランタン・六水和物を2−ブトキシエタノールに完全に溶解し、約20℃の室温まで徐冷して、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を得た。
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド(和光純薬工業製)3.8368gと、ブタノール(ノルマルブタノール)6.1632gとを秤量した。次いで、マグネチックスターラーに載せ、約20℃の室温にて30分間撹拌しながら、ジルコニウムテトラノルマルブトキシドをブタノールに完全に溶解して、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を得た。
まず、スズテトライソプロポキシド(高純度化学研究所製、3N)に含まれている不純物を中性シリカ(例えば、ワコーシルC−300(富士フィルム和光純薬工業製))に吸着させて除去する吸着処理を施す。マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、吸着処理が施されたスズテトライソプロポキシド3.5510gと、2−ブトキシエタノール6.4490gとを秤量した。次いで、ホットプレート機能付きマグネチックスターラーに載せ、140℃にて30分間撹拌しながら、スズテトライソプロポキシドを2−ブトキシエタノールに完全に溶解して、約20℃の室温まで徐冷して、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、タンタルペンタノルマルブトキシド(高純度化学研究所製、5N)5.4640gと、2−ブトキシエタノール4.5360gとを秤量した。次いで、マグネチックスターラーに載せ、室温にて30分間撹拌しながら、タンタルペンタノルマルブトキシドを2−ブトキシエタノールに完全に溶解して、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、アンチモントリノルマルブトキシド(高純度化学研究所製、5N)3.4110gと、2−ブトキシエタノール6.5890gとを秤量した。次いで、マグネチックスターラーに載せ、室温にて30分間撹拌しながら、アンチモントリノルマルブトキシドを2−ブトキシエタノールに完全に溶解して、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、ニオブペンタエトキシド(高純度化学研究所製、4N)3.1821gと、2−ブトキシエタノール6.8179gとを秤量した。次いで、マグネチックスターラーに載せ、室温にて30分間撹拌しながら、ニオブペンタエトキシドを2−ブトキシエタノールに完全に溶解して、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
実施例1では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.1となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、内径50mm×高さ20mmのチタン製シャーレに、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.280g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.600g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、を秤量し、室温で混ぜ合わせて、混合溶液を得た。なお、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量(g)は、950℃の本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して設定されている。具体的には、本焼成前の段階で、y=0.1としたときの上記組成式で示されるLi6.9に対応する質量に対して1.2倍の8.280gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮したリチウム源の増量の割合は、1.2倍に限定されるものではなく、焼成温度による。例えば、本焼成時の第3の加熱処理における温度を800℃とすれば、リチウム源の増量の割合は、1.1倍でよい。また、本焼成時のLiの揮発量は、焼成時間が1時間を超えると飽和する。また、リチウム源以外の元素の原材料溶液の量は、上記組成式の化学量論組成に対して等倍に設定されている。
実施例2では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.15となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.220g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.550g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.15としたときの上記組成式で示されるLi6.85に対応する質量に対して1.2倍の8.220gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例2の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例2の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.85La3(Zr1.55Sn0.3Ta0.15)O12である。
実施例3では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.500g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例3の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例3の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.5Sn0.3Ta0.2)O12である。
実施例4では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.700g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例4の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例4の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.7Sn0.1Ta0.2)O12である。
実施例5では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.2、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.600g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例5の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例2の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.6Sn0.2Ta0.2)O12である。
実施例6では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.4、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.400g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例6の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例6の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.4Sn0.4Ta0.2)O12である。
実施例7では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例7の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例7の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.4Sn0.3Sb0.3)O12である。
実施例8では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.35となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.980g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.350g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.350g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.35としたときの上記組成式で示されるLi6.65に対応する質量に対して1.2倍の7.980gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例8の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例8の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.65La3(Zr1.35Sn0.3Sb0.35)O12である。
実施例9では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.4となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.920g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.300g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.400g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.4としたときの上記組成式で示されるLi6.6に対応する質量に対して1.2倍の7.920gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例9の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例9の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.6La3(Zr1.3Sn0.3Sb0.4)O12である。
実施例10では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.25となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.100g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.450g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.250g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.25としたときの上記組成式で示されるLi6.75に対応する質量に対して1.2倍の8.100gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例10の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例10の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.75La3(Zr1.45Sn0.3Nb0.25)O12である。
実施例11では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例11の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例11の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.4Sn0.3Nb0.3)O12である。
実施例12では、組成式Li7-yLa3(Zr2-xーySnxNby)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.25となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.100g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.650g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.250g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.25としたときの上記組成式で示されるLi6.75に対応する質量に対して1.2倍の8.100gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例12の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例12の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.75La3(Zr1.65Sn0.1Nb0.25)O12である。
実施例13では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.600g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例13の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例13の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.6Sn0.1Nb0.3)O12である。
実施例14では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTayaSbyb)O12におけるxの値が0.3、yaの値が0.15、ybの値が0.4、ya+yb=yの値が0.55となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.740g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.150g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.400g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.55としたときの上記組成式で示されるLi6.45に対応する質量に対して1.2倍の7.740gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例14の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例14の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.45La3(Zr1.15Sn0.3Ta0.15Sb0.4)O12である。
実施例15では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTayaNbyb)O12におけるxの値が0.3、yaの値が0.15、ybの値が0.15、ya+yb=yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例15の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例15の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.4Sn0.3Ta0.15Nb0.15)O12である。
実施例16では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSbyaNbyb)O12におけるxの値が0.3、yaの値が0.3、ybの値が0.15、ya+yb=yの値が0.45となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.860g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.250g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.45としたときの上記組成式で示されるLi6.55に対応する質量に対して1.2倍の7.860gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例16の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例16の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.55La3(Zr1.25Sn0.3Sb0.3Nb0.15)O12である。
実施例17では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTayaSbybNbyc)O12におけるxの値が0.3、yaの値が0.2、ybの値が0.3、ycの値が0.2、ya+yb+yc=yの値が0.7となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.560g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.000g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.7としたときの上記組成式で示されるLi6.3に対応する質量に対して1.2倍の7.560gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例17の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例17の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.3La3(Zr1.0Sn0.3Ta0.2Sb0.3Nb0.2)O12である。
比較例1〜12の固体電解質の製造方法は、実施例1〜17の固体電解質の製造方法における、Li、La、Zr、金属元素Mの各原材料溶液を用いるものであって、実施例1〜17に対して固体電解質の組成式を異ならせたものである。
比較例1では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxMy)O12におけるxの値が0.3、yの値が0、つまり金属元素Mを含まない構成となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.750g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.700g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0としたときの上記組成式で示されるLi7に対応する質量に対して1.25倍の8.750gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例1の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例1の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li7La3(Zr1.7Sn0.3)O12である。
比較例2では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例2の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例2の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.4Sn0.3Ta0.3)O12である。
比較例3では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.4となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.920g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.300g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.400g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.4としたときの上記組成式で示されるLi6.6に対応する質量に対して1.2倍の7.920gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例3の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例3の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.6La3(Zr1.3Sn0.3Ta0.4)O12である。
比較例4では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0、つまりSnを含まない構成とし、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.500g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.800g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.25倍の8.500gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例4の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例4の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.8Ta0.2)O12である。
比較例5では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.5、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.300g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.500g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例5の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例5の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.3Sn0.5Ta0.2)O12である。
比較例6では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.7、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.100g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.700g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例6の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例6の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.1Sn0.7Ta0.2)O12である。
比較例7では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.05となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.340g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.650g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.050g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.05としたときの上記組成式で示されるLi6.95に対応する質量に対して1.2倍の8.340gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例7の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例7の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.95La3(Zr1.65Sn0.3Sb0.05)O12である。
比較例8では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.6となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.680g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.100g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.600g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.6としたときの上記組成式で示されるLi6.4に対応する質量に対して1.2倍の7.680gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例8の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例8の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.4La3(Zr1.1Sn0.3Sb0.6)O12である。
比較例9では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.500g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例9の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例9の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.5Sn0.3Sb0.2)O12である。
比較例10では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.35となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.980g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.350g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.350g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.35としたときの上記組成式で示されるLi6.65に対応する質量に対して1.2倍の7.980gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例10の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例10の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.65La3(Zr1.35Sn0.3Nb0.35)O12である。
比較例11では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.1となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.280g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.800g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.1としたときの上記組成式で示されるLi6.9に対応する質量に対して1.2倍の8.280gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例11の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例11の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.9La3(Zr1.8Sn0.1Nb0.1)O12である。
比較例12では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.35となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.980g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.550g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.350g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.35としたときの上記組成式で示されるLi6.65に対応する質量に対して1.2倍の7.980gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例12の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例12の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.65La3(Zr1.55Sn0.1Nb0.35)O12である。
実施例1〜17及び比較例1〜12の固体電解質ペレットのそれぞれに対して、固体電解質ペレットの両面に直径Φが5mmの金属Li箔を押圧して活性化電極とする。そして、交流インピーダンスアナライザーSolatron1260(Solatron Anailtical社製)を用いて電気化学インピーダンス(EIS)測定を行い、リチウムイオン伝導率を求めた。EIS測定は、交流(AC)振幅10mVにて、107Hzから10-1Hzの周波数領域にて行った。EIS測定によって得られたリチウムイオン伝導率は、固体電解質ペレットにおけるバルクのリチウムイオン伝導率と粒界のリチウムイオン伝導率とを含む総リチウムイオン伝導率を示すものである。実施例1〜17の各固体電解質ペレットにおけるリチウムイオン伝導率を表1に示す。また、比較例1〜12の各固体電解質ペレットにおけるリチウムイオン伝導率を表2に示す。
また、実施例14〜17の固体電解質は、組成式のZrのサイトの一部を置換するSnの化学量論組成比xが0.3である。また、元素Mとして、Ta、Sb、Nbの中から2種以上の金属元素が選ばれており、Taの化学量論組成比yaの範囲が0.15≦ya≦0.2、Sbの化学量論組成比ybの範囲が0.3≦yb≦0.4、Nbの化学量論組成比ycの範囲が0.15≦yc≦0.2である。実施例14〜17の固体電解質は、Ta、Sb、Nbの中から2種の金属元素を選ぶことによって、1種の金属元素が選ばれた実施例1〜13よりも高いリチウムイオン伝導率が実現されている。
また、元素MがTaの場合、組成式(1)におけるTaの化学量論組成比yは、0.1≦y≦0.2であることが好ましい。
また、元素MがSbの場合、組成式(1)におけるSbの化学量論組成比yは、0.3≦y≦0.5であることが好ましい。
また、元素MがNbの場合、組成式(1)におけるNbの化学量論組成比yは、0.15≦y≦0.3であることが好ましい。
また、元素MをTa、Sb、Nbの中から2種以上を選ぶ場合、組成式(1)における元素Mの化学量論組成比yは、0.3≦y≦0.7であることが好ましい。
Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxMy)O12・・・(1)
(1)本実施形態のガーネット型の固体電解質は、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxMy)O12で表わされ、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。これによれば、結晶構造におけるZrのサイトの一部がSnと、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素Mとにより置換されていることから、酸化物の焼結に係る本焼成の低温化を図ることができると共に、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型の固体電解質を提供することができる。なお、上記組成式において、Snの化学量論組成比xは、0.1≦x<0.5の範囲が好ましい。また、金属元素Mとして、Taが選ばれる場合、Taの化学量論組成比yは、0.1≦y≦0.2の範囲が好ましく、Sbが選ばれる場合、Sbの化学量論組成比yは、0.3≦y≦0.5の範囲が好ましく、Nbが選ばれる場合、Nbの化学量論組成比yは、0.15≦y≦0.3の範囲が好ましい。さらに、より高いリチウムイオン伝導率を実現する観点から、金属元素Mとして、Ta、Sb、Nbの中から2種以上が選択されることが好ましい。
この方法によれば、酸化物の焼結に係る第3の加熱処理の温度を950℃以下に低温化できると共に、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型の固体電解質を製造することができる。
2−1.電子機器
次に、本実施形態の電子機器について、ウェアラブル機器を例に挙げて説明する。図7は第2実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図である。
この構成によれば、ガーネット型の固体電解質において、高いリチウムイオン伝導率を実現することができる。
この構成によれば、ガーネット型の固体電解質において、Zrのサイトの一部を、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる2種以上の金属元素により置換することで、より高いリチウムイオン伝導率を実現することができる。
この方法によれば、第1の加熱処理により溶媒成分を除去して乾燥させ、第2の加熱処理により副生成物が生じ難い温度で酸化物を生成し、第3の加熱処理によりリチウムの揮発を抑制して酸化物を焼結し、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型の固体電解質を製造することができる。
この構成によれば、正極活物質として、リチウム複合金属酸化物を用いていることから、高いリチウムイオン伝導率を実現可能であると共に、熱的に安定した二次電池を提供することができる。
この構成によれば、二次電池が小型化された場合においても、高い電池容量を実現することができる。
本願の構成によれば、構成要素が固体からなり電源として優れた充放電特性を有する二次電池を備えていることから、長期の使用にも耐え得る高い信頼性品質を有する電子機器を提供することができる。
Claims (9)
- 組成式Li7−yLa3(Zr2−x−ySnxMy)O12で表わされ、
前記Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、
0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす、ガーネット型の固体電解質。 - 前記Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種の金属元素であって、
前記MがTaの場合、0.1≦y≦0.2を満たし、
前記MがSbの場合、0.3≦y≦0.5を満たし、
前記MがNbの場合、0.15≦y≦0.3を満たす、請求項1に記載のガーネット型の固体電解質。 - 前記Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる2種以上の金属元素である、請求項1に記載のガーネット型の固体電解質。
- 下記組成式(1)で表わされるガーネット型の固体電解質の製造方法であって、
Li7−yLa3(Zr2−x−ySnxMy)O12・・・(1)
前記Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、
0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たし、
前記組成式(1)の化学量論組成に対して1.05倍以上1.2倍以下のリチウムを含むリチウム化合物が溶解したリチウム原材料溶液と、
前記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のランタンを含むランタン化合物が溶解したランタン原材料溶液と、
前記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のジルコニウムを含むジルコニウム化合物が溶解したジルコニウム原材料溶液と、
前記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のスズを含むスズ化合物が溶解したスズ原材料溶液と、
前記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍の金属元素Mを含む金属化合物が溶解した金属原材料溶液と、を混ぜ合わせて混合溶液を得る工程と、
前記混合溶液に第1の加熱処理を施して乾燥させて混合物を得る工程と、
前記混合物に第2の加熱処理を施して酸化物を得る工程と、
前記酸化物に第3の加熱処理を施して焼結させる工程と、を含む、ガーネット型の固体電解質の製造方法。 - 前記第1の加熱処理の加熱温度が、50℃以上250℃以下であり、
前記第2の加熱処理の加熱温度が、400℃以上550℃以下であり、
前記第3の加熱処理の加熱温度が、800℃以上950℃以下である、請求項4に記載のガーネット型の固体電解質の製造方法。 - 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガーネット型の固体電解質と、リチウムを含む正極活物質とを含む正極合材と、
前記正極合材の一方の面に設けられた電極と、
前記正極合材の他方の面に設けられた集電体と、を備えた二次電池。 - 前記正極活物質は、リチウム複合金属酸化物である、請求項6に記載の二次電池。
- 前記電極は、金属リチウムである、請求項6または7に記載の二次電池。
- 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の二次電池を備えたことを特徴とする電子機器。
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