JP2020136235A - ガーネット型の固体電解質、ガーネット型の固体電解質の製造方法、二次電池、電子機器 - Google Patents

ガーネット型の固体電解質、ガーネット型の固体電解質の製造方法、二次電池、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】酸化物の焼結における低温化と、高いリチウムイオン伝導率とを実現可能なガーネット型の固体電解質とその製造方法を提供すること。
【解決手段】本願のガーネット型の固体電解質は、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12で表わされ、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。
【選択図】なし

Description

本発明は、ガーネット型の固体電解質、ガーネット型の固体電解質の製造方法、該固体電解質を用いた二次電池、該二次電池を備えた電子機器に関する。
固体電解質を用いた二次電池として、例えば、特許文献1には、リチウムを吸蔵・放出する正極活物質を有する正極と、リチウムを吸蔵・放出する負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しリチウムを伝導する電解液と、正極、負極及び電解液のうち少なくとも一つにリチウムイオンを伝導するガーネット型酸化物が存在するリチウム二次電池が開示されている。ガーネット型酸化物は、組成式Li5+xLa3(Zrx2-x)O12(式中、AはSc、Ti、V、Nb、Hf、Ta、Al、Si、Ga及びGeからなる群より選ばれた1種類以上の元素、xは1.4≦x≦2)で表わされる固体電解質であることが示されている。また、正極にガーネット型酸化物が含まれている実施例が示され、このような正極を備えることにより、リチウム二次電池における充放電のサイクル特性や高温安定性を向上させることができるとしている。
上記特許文献1には、元素AをNbとしたガーネット型酸化物の製造方法が例示されており、それによれば、Li2CO3、La(OH)3、ZrO2、及びNb2Oを出発原料に用いて合成を行っている。具体的には、出発原料をガーネット型酸化物の上記組成式における化学量論比に基づいて秤量して、混合・粉砕を行う。得られた出発原料の混合粉末をるつぼ中で950℃、10時間大気雰囲気で仮焼成を行う。さらにLi2CO3を過剰に添加した混合粉末を再び950℃、10時間大気雰囲気で仮焼成を行う。そして、成型した後に、1200℃、36時間大気中で本焼成して、ガーネット型酸化物を作製している。
特開2011−113655号公報
上記特許文献1に示された固体電解質であるガーネット型酸化物の製造方法では、仮焼成後に、1000℃を超える1200℃の高温で、長時間に亘って本焼成を施すことから、リチウムが揮発して酸化物の組成が変化し、所望のリチウムイオン伝導率を実現することが難しいという課題があった。
本願のガーネット型の固体電解質は、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12で表わされ、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たすことを特徴とする。
なお、本願のガーネット型の固体電解質は、ガーネット型結晶構造またはガーネット類似型結晶構造の固体電解質を指す。
上記に記載のガーネット型の固体電解質において、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種の金属元素であって、MがTaの場合、0.1≦y≦0.2を満たし、MがSbの場合、0.3≦y≦0.5を満たし、MがNbの場合、0.15≦y≦0.3を満たすことが好ましい。
上記に記載のガーネット型の固体電解質において、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる2種以上の金属元素であることが好ましい。
本願のガーネット型の固体電解質の製造方法は、下記組成式(1)で表わされるガーネット型の固体電解質の製造方法であって、Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12・・・(1)Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たし、上記組成式(1)の化学量論組成に対して1.05倍以上1.2倍以下のリチウムを含むリチウム化合物が溶解したリチウム原材料溶液と、上記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のランタンを含むランタン化合物が溶解したランタン原材料溶液と、上記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のジルコニウムを含むジルコニウム化合物が溶解したジルコニウム原材料溶液と、上記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のスズを含むスズ化合物が溶解したスズ原材料溶液と、上記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍の金属元素Mを含む金属化合物が溶解した金属原材料溶液と、を混ぜ合わせて混合溶液を得る工程と、混合溶液に第1の加熱処理を施して乾燥させて混合物を得る工程と、混合物に第2の加熱処理を施して酸化物を得る工程と、酸化物に第3の加熱処理を施して焼結させる工程と、を含むことを特徴とする。
上記に記載のガーネット型の固体電解質の製造方法において、第1の加熱処理の加熱温度が、50℃以上250℃以下であり、第2の加熱処理の加熱温度が、400℃以上550℃以下であり、第3の加熱処理の加熱温度が、800℃以上950℃以下であることが好ましい。
本願の二次電池は、上記に記載のガーネット型の固体電解質と、リチウムを含む正極活物質とを含む正極合材と、正極合材の一方の面に設けられた電極と、正極合材の他方の面に設けられた集電体と、を備えたことを特徴とする。
上記に記載の二次電池において、正極活物質は、リチウム複合金属酸化物であることが好ましい。
上記に記載の二次電池において、電極は、金属リチウムであることが好ましい。
本願の電子機器は、上記に記載の二次電池を備えたことを特徴とする。
第1実施形態の二次電池としてのリチウムイオン電池の構成を示す概略斜視図。 第1実施形態の二次電池としてのリチウムイオン電池の構造を示す概略断面図。 第1実施形態のガーネット型の固体電解質の製造方法を示すフローチャート。 第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示すフローチャート。 第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法における工程を示す概略図。 第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法における工程を示す概略図。 第2実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、説明する部分が認識可能な程度の大きさとなるように、適宜拡大または縮小して表示している。
1.第1実施形態
1−1.二次電池
まず、本実施形態のガーネット型の固体電解質を用いた二次電池について、リチウムイオン電池を例に挙げ、図1及び図2を参照して説明する。図1は第1実施形態の二次電池としてのリチウムイオン電池の構成を示す概略斜視図、図2は第1実施形態の二次電池としてのリチウムイオン電池の構造を示す概略断面図である。
図1に示すように、本実施形態の二次電池としてのリチウムイオン電池100は、正極として機能する正極合材10と、正極合材10に対して順に積層された電解質層20と、負極30と、を有している。また、正極合材10に接する集電体41と、負極30に接する集電体42とを有している。正極合材10、電解質層20、負極30は、いずれも固相で構成されていることから、本実施形態のリチウムイオン電池100は、充放電可能な全固体二次電池である。
本実施形態のリチウムイオン電池100は、例えば円盤状であって、外形の大きさは、直径Φが例えば10〜20mm、厚みが例えばおおよそ0.3mmである。小型、薄型であると共に、充放電可能であって全固体であることから、スマートフォンなどの携帯情報端末の電源として好適に用いることができる。リチウムイオン電池100は、成形が可能ならば大きさや厚みはこの値に限定されない。本実施形態のように外形の大きさが10〜20mmφの場合の正極合材10から負極30までの厚みは、薄い場合は成形性の観点から0.1mm程度、厚い場合はリチウムイオン伝導性の観点から見積もられ、1mm程度までで、あまり厚いと活物質の利用効率を下げてしまう。なお、リチウムイオン電池100の形状は円盤状であることに限定されず、多角形の盤状であってもよい。以降、各構成について詳しく説明する。
1−1−1.正極合材
図2に示すように、正極合材10は、粒子状の正極活物質11と本実施形態のガーネット型の固体電解質12とを含んで構成されている。粒子状の正極活物質11同士が互いに接触することで生ずる隙間をガーネット型の固体電解質12が埋めた状態となっている。以降、ガーネット型の固体電解質12を単に固体電解質12と呼ぶ。
本実施形態の正極活物質11は、電気化学的なリチウムイオンの吸蔵・放出を繰り返すことが可能なものあればいかなるものを用いてもよい。具体的には、少なくともリチウム(Li)を含み、バナジウム(V)、クロム(Cr)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)の中から選ばれる少なくとも1種の遷移金属を構成元素として含むリチウム複合金属酸化物を用いることが化学的に安定していることから好ましい。このようなリチウム複合金属酸化物としては、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMn24、Li2Mn23、NMC(Li(NixMnyCo1-x-y)O2[0<x+y<1])、NCA(Li(NixCoyAl1-x-y)O2[0<x+y<1])、LiCr0.5Mn0.52、LiFePO4、Li2FeP27、LiMnPO4、LiFeBO3、Li32(PO43、Li2CuO2、Li2FeSiO4、Li2MnSiO4などが挙げられる。また、これらのリチウム複合金属酸化物の結晶内の一部の原子が、典型金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、ランタノイド、カルコゲナイド、ハロゲンなどで置換された固溶体もリチウム複合金属酸化物に含むものとし、これら固溶体も正極活物質11として用いることができる。本実施形態では、高いリチウムイオン伝導率が得られることから、正極活物質11としてLiCoO2の粒子を用いている。
正極活物質11の粒子同士を接触させて電子伝導性を発揮させる観点から、正極活物質11の粒子径は、例えば平均粒径D50で500nm以上10μm未満とすることが好ましい。なお、図2において、正極活物質11の粒子形状を球状としたが、実際の粒子形状は必ずしも球状ではなく、それぞれ不定形である。
正極合材10の詳しい形成方法については、後述するが、グリーンシート法のほか、プレス焼結法などを挙げることができる。グリーンシート法やプレス焼結法を用いる場合、焼結後の正極活物質11の粒子間に固体電解質12を存在させれば、粒子状の正極活物質11と固体電解質12との接触面積が増え、正極合材10の界面インピーダンスを低減することができる。本実施形態のリチウムイオン電池100は、小型且つ薄型であることから、正極合材10の界面インピーダンスを考慮すると、正極合材10における正極活物質11の嵩密度は40%〜60%であることが好ましく、固体電解質12の嵩密度もまた40%〜60%であることが好ましい。本実施形態の固体電解質12について詳しくは後述するが、固体電解質12は、リチウムを伝導するガーネット型のリチウム複合金属酸化物が用いられており、正極活物質11よりも平均粒径が小さい粒子状となっている。したがって、固体電解質12を構成する固体電解質粒子の間においても界面インピーダンス、すなわち粒界抵抗が存在するが、平均粒径が小さくなっているので、粒界抵抗が低くなって電荷が容易に移動し易い状態となっている。
リチウムイオン電池100において、優れた充放電特性を得るためには、正極合材10において高いリチウムイオン伝導率を実現することが求められる。それゆえに、正極活物質11の材料選定だけでなく、どのような構成の固体電解質12を用いて正極合材10を形成するかが重要な課題となる。本実施形態では、固体電解質12として低温での焼結が可能であると共に、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型のリチウム複合金属酸化物が用いられている。
1−1−2.ガーネット型の固体電解質
本実施形態の固体電解質12は、下記の組成式(1)で示されるリチウムを伝導するガーネット型結晶構造またはガーネット類似型結晶構造を有するリチウム複合金属酸化物である。
Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12・・・(1)
Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。
American Chemical Societyにより出版され、2015年4月30日に発行された「Chemical of Materials」に、Lincoln J.Miara、Willam Davidson Richards、Yan E.Wang、Gerbrand Ceder の4氏によって投稿された論文「First−Principles studies on cation dopants and electrolyte/cathode interphases for lithium garnets」によれば、ガーネット型の結晶構造におけるZrのサイトを置換可能な元素(Dopant)として、Mg、Sc、Ti、Hf、V、Nb、Ta、Ce、Th、Cr、Mo、W、Pa、Mn、Tc、Ru、Np、Co、Rh、Ir、Pu、Ni、Pd、Pt、Eu、Cu、Au、Cd、Hg、In、Tl、C、Si、Ge、Sn、Pb、As、Sb、S、Se、Te、Cl、Iが挙げられている。本実施形態では、固体電解質12における酸化物の焼結の低温化を図る観点からこれらの元素のうちSnが選ばれている。また、固体電解質12において高いリチウムイオン伝導率を実現する観点から、これらの元素のうち誘電率が大きく、また空孔生成エネルギー(Edefect(eV))が小さくZrのサイトを比較的に容易に置換可能なTa、Sb、Nbが選ばれている。
このようなリチウム複合金属酸化物によれば、結晶構造におけるジルコニウム(Zr)のサイトの一部を、スズ(Sn)と、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)、ニオブ(Nb)の中から選ばれる1種以上の金属元素Mとで置換することで、後述する固体電解質12の製造方法において、950℃以下の焼成温度で酸化物の焼結を可能として、高いリチウムイオン伝導率を実現することができる。
固体電解質12において酸化物の焼結における低温化と、高いリチウムイオン伝導率とを実現させる観点では、上記の組成式(1)におけるSnの化学量論組成比の値xは、0.1≦x<0.5の範囲であることが好ましい。xが0.1未満であると酸化物の焼結における低温化が難くなる。xが0.5以上であるとリチウムイオン伝導性が低下する。また、上記の組成式(1)における金属元素Mの化学量論組成比の値yが、0.1未満あるいは0.7を超えるとリチウムイオン伝導性が低下する。詳しくは、後述する固体電解質12の実施例及び比較例の項で説明する。
1−1−3.負極
本実施形態の正極合材10の一方の面10b側に設けられた電極としての負極30は、負極活物質を含んで構成される。負極活物質としては、正極活物質11として選択された材料よりも低い電位において電気化学的なリチウムイオンの吸蔵・放出を繰り返すことが可能なものであればいかなるものを用いてもよい。具体的には、Nb25、V25、TiO2、In23、ZnO、SnO2、NiO、ITO(Indium Tin Oxide)、AZO(Al−doped Zinc Oxide)、FTO(F−doped Tin Oxide)、TiO2のアナターゼ相、Li4Ti512、Li2Ti37などのリチウム複合金属酸化物、Li、Si、Sn、Si−Mn、Si−Co、Si−Ni、In、Auなどの金属及びこれらの金属を含む合金、炭素材料、炭素材料の層間にリチウムイオンが挿入された物質などを挙げることができる。合金としてはリチウムを吸蔵・放出可能であれば特に制限されないが、13族及び14族の炭素を除く金属や半金属元素を含むものであることが好ましく、より好ましくはアルミニウム、ケイ素及びスズの単体金属及びこれら原子を含む合金又は化合物である。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。合金としては、Li−Al、Li−Ni、Li−Si、Li−Sn、Li−Sn−Niなどのリチウム合金、Si−Znなどのシリコン合金、Sn−Mn、Sn−Co、Sn−Ni、Sn−Cu、Sn−Laなどのスズ合金、Cu2Sb、La3Ni2Sn7などを例示することができる。
本実施形態の小型で薄型なリチウムイオン電池100における放電容量を考慮すると、負極30は、金属リチウム(金属Li)あるいはリチウム合金を形成する単体金属及び合金であることが好ましい。
上記負極活物質を用いた負極30の形成方法は、有機金属化合物の加水分解反応などを伴う所謂ゾルゲル法や有機金属熱分解法などの溶液プロセスのほか、適当な金属化合物とガス雰囲気におけるCVD法、ALD法、固体負極活物質のスラリーを使用したグリーンシート法やスクリーン印刷法、エアロゾルデポジション法、適切なターゲットとガス雰囲気を用いたスパッタリング法、PLD法、真空蒸着法、めっき法、溶射法など、いずれを用いてもよい。本実施形態では、電解質層20にスパッタリング法により金属Liを成膜して負極30としている。
1−1−4.電解質層
図2に示すように、正極合材10と負極30との間には、電解質層20が設けられている。上述したように負極30として金属Liを用いると、リチウムイオン電池100の放電時には負極30からリチウムイオンが放出される。また、リチウムイオン電池100の充電時には、リチウムイオンが金属として負極30に析出してデンドライトと呼ばれる樹状結晶体が形成される。デンドライトが成長して正極合材10の正極活物質11と接すると、正極として機能する正極合材10と負極30とが短絡する。この短絡を防ぐために、正極合材10と負極30との間には、電解質層20が設けられている。電解質層20は、正極活物質11が含まれていない電解質からなる層である。このような電解質層20は、酸化物、硫化物、ハロゲン化物、窒化物、水素化物、ホウ素化物などの金属化合物からなる結晶質または非晶質を用いることができる。
酸化物結晶質の一例としては、Li0.35La0.55TiO3、Li0.2La0.27NbO3、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素などで置換したペロブスカイト型結晶またはペロブスカイト類似型結晶、Li7La3Zr212、Li5La3Nb212、Li5BaLa2TaO12、及びこれら結晶の元素の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素などで置換したガーネット型結晶またはガーネット類似型結晶、Li1.3Ti1.7Al0.3(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.6(PO43、Li1.4Al0.4Ti1.4Ge0.2(PO43、及びこれら結晶の一部をN、F、Al、Sr、Sc、Nb、Ta、Sb、ランタノイド元素などで置換したNASICON型結晶、Li14ZnGe416、などのLISICON型結晶、Li3.40.6Si0.44、Li3.60.4Ge0.64、Li2+x1-xx3、などのその他の結晶質を挙げることができる。
硫化物結晶質の一例としては、Li10GeP212、Li9.6312、Li9.54Si1.741.4411.7Cl0.3、Li3PS4などを挙げることができる。
また、その他の非晶質の一例としては、Li2O−TiO2、La23−Li2O−TiO2、LiNbO3、LiSO4、Li4SiO4、Li3PO4−Li4SiO4、Li4GeO4−Li3VO4、Li4SiO4−Li3VO4、Li4GeO4−Zn2GeO2、Li4SiO4−LiMoO4、Li4SiO4−Li4ZrO4、SiO2−P25−Li2O、SiO2−P25−LiCl、Li2O−LiCl−B23、LiAlCl4、LiAlF4、LiF−Al23、LiBr−Al23、Li2.88PO3.730.14、Li3N−LiCl、Li6NBr3、Li2S−SiS2、Li2S−SiS2−P25などを挙げることができる。
なお、上述した固体電解質12を構成するガーネット型のリチウム複合金属酸化物を用いて電解質層20を構成してもよい。電解質層20が結晶質である場合、リチウムイオン伝導の方向の結晶面異方性が小さい立方晶などの結晶構造であることが好ましい。また、非晶質である場合は、リチウムイオン伝導の異方性が小さいため、このような結晶質または非結晶は電解質層20を構成する電解質としていずれも好ましい。
電解質層20の厚さは、0.1μm以上、100μm以下であることが好ましく、より好ましくは、0.2μm以上、10μm以下である。電解質層20の厚さを上記範囲とすることによって、電解質層20の内部抵抗を低減し、かつ正極合材10と負極30との間での短絡の発生を抑制することができる。
なお、電解質層20の負極30と接する面に、必要に応じて各種成形法、加工法を組み合わせて、トレンチ、グレーチング、ピラーなどの凹凸構造を設けてもよい。
1−1−5.集電体
図2に示すように、リチウムイオン電池100は、正極合材10の他方の面10aに接する集電体41と、負極30に接する集電体42とを有している。集電体41,42は、正極合材10または負極30に対し電子の授受を担うよう設けられる導電体であり、十分に電気抵抗が小さく、また充放電によって電気伝導特性やその機械構造が変化しない素材が選択される。例えば、銅(Cu)、マグネシウム(Mg)、チタン(Ti)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、亜鉛(Zn)、アルミニウム(Al)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、金(Au)、白金(Pt)、銀(Ag)、及びパラジウム(Pd)の金属群から選ばれる1種の金属(金属単体)や、該金属群から選ばれる2種以上の金属からなる合金などが用いられる。
本実施形態では、正極合材10側の集電体41としてアルミニウム(Al)を用い、負極30側の集電体42として銅(Cu)を用いている。集電体41,42の厚みは、それぞれ、例えば20μm〜40μmである。なお、リチウムイオン電池100は、一対の集電体41,42のうち一方の集電体を備えていればよい。例えば、複数のリチウムイオン電池100をそれぞれ電気的に直列に接続されるように積層して用いる場合、リチウムイオン電池100は一対の集電体41,42のうち集電体41だけを備える構成とすることも可能である。
1−2.ガーネット型の固体電解質の製造方法
次に、本実施形態のガーネット型の固体電解質12の製造方法について、図3を参照して説明する。図3は本実施形態のガーネット型の固体電解質の製造方法を示すフローチャートである。
図3に示すように、本実施形態のガーネット型の固体電解質12の製造方法は、下記の組成式(1)に示される元素を含む原材料溶液を調製する工程(ステップS1)と、元素ごとの原材料溶液を混合し、第1の加熱処理を施して溶媒を除去して混合物を形成する工程(ステップS2)と、混合物に第2の加熱処理を施して仮焼成体を形成する工程(ステップS3)と、仮焼成体に第3の加熱処理を施して本焼成する工程(ステップS4)と、を備えている。
Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)12・・・(1)
Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。
ステップS1では、上記の組成式(1)に含まれる元素である、Li、La、Zr、Sn、金属元素Mを含む原材料溶液を元素ごとに調製する。具体的には、原材料溶液1kgあたりに1mol(モル)の元素が含まれるように調整する。原材料溶液における元素の源は、水及び有機溶媒の単溶媒または混合溶媒に溶解し得る、リチウム化合物、ランタン化合物、ジルコニウム化合物、スズ化合物、金属元素Mを含む金属化合物である。これらの元素化合物は、当該元素の金属塩または金属アルコキシドであることが好ましい。
リチウム化合物(リチウム源)としては、例えば、塩化リチウム、硝酸リチウム、酢酸リチウム、水酸化リチウム、炭酸リチウムなどのリチウム金属塩、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチウムプロポキシド、リチウムイソプロポキシド、リチウムブトキシド、リチウムイソブトキシド、リチウムセカンダリーブトキシド、リチウムターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトリチウムなどのリチウムアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ランタン化合物(ランタン源)としては、例えば、塩化ランタン、硝酸ランタン、酢酸ランタンなどのランタン金属塩、ランタントリメトキシド、ランタントリエトキシド、ランタントリプロポキシド、ランタントリイソプロポキシド、ランタントリブトキシド、ランタントリイソブトキシド、ランタントリセカンダリーブトキシド、ランタントリターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトランタンなどのランタンアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
ジルコニウム化合物(ジルコニウム源)としては、例えば、塩化ジルコニウム、オキシ塩化ジルコニウム、オキシ硝酸ジルコニウム、オキシ酢酸ジルコニウム、酢酸ジルコニウムなどのジルコニウム金属塩、ジルコニウムテトラメトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラプロポキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ジルコニウムテトライソブトキシド、ジルコニウムテトラセカンダリーブトキシド、ジルコニウムテトラターシャリーブトキシド、ジピバロイルメタナトジルコニウムなどのジルコニウムアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
スズ化合物(スズ源)としては、例えば、塩化第二スズ、臭化第二スズ、フッ化第一スズ、沃化第二スズ、硫化スズ、酢酸第一スズ、蓚酸第一スズ、などのスズ金属塩、スズテトラエトキシド、スズテトライソプロポキシド、スズテトラノルマルブトキシドなどのスズアルコキシドなどが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属元素Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる。したがって、金属元素Mがタンタル(Ta)である場合、タンタル化合物(タンタル源)としては、例えば、塩化タンタル、臭化タンタルなどのタンタル金属塩、タンタルペンタメトキシド、タンタルペンタエトキシド、タンタルペンタイソプロポキシド、タンタルペンタノルマルプロポキシド、タンタルペンタイソブトキシド、タンタルペンタノルマルブトキシド、タンタルペンタセカンダリーブトキシド、タンタルペンタターシャリーブトキシドなどのタンタルアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属元素Mがアンチモン(Sb)である場合、アンチモン化合物(アンチモン源)としては、例えば、臭化アンチモン、塩化アンチモン、フッ化アンチモンなどのアンチモン金属塩、アンチモントリメトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリイソプロポキシド、アンチモントリノルマルプロポキシド、アンチモントリイソブトキシド、アンチモントリノルマルブトキシドなどのアンチモンアルコキシドが挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
金属元素Mがニオブ(Nb)である場合、ニオブ化合物(ニオブ源)としては、例えば、塩化ニオブ、オキシ塩化ニオブ、蓚酸ニオブのようなニオブ金属塩、ニオブペンタエトキシド、ニオブペンタプロポキシド、ニオブペンタイソプロポキシド、ニオブペンタセカンダリーブトキシドのようなニオブアルコキシドや、ニオブペンタアセチルアセトナート等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
単溶媒あるいは混合溶媒を構成する有機溶媒としては、特に限定されないが、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、アリルアルコール、エチレングルコールモノブチルエーテル(2−n−ブトキシエタノール)などのアルコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、ヘプタンジオール、ジプロピレングリコールなどのグリコール類、ジメチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、アセト酢酸メチルなどのエステル類、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、ギ酸、酢酸、2−エチル酪酸、プロピオン酸などの有機酸類、トルエン、o−キシレン、p−キシレンなどの芳香族類、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド類などが挙げられる。
ステップS2では、前述した組成式(1)における元素の組成比に従って、ステップS1で調製した少なくとも5種の原材料溶液を混ぜ合わせて混合溶液を作る。そして、混合溶液に50℃以上250℃以下の第1の加熱処理を施して溶媒を蒸発させ混合物を形成する。なお、混合溶液におけるリチウム化合物の原材料溶液の量は、この後に行われる本焼成の第3の加熱処理により揮発して失われるリチウムの量を考慮して、組成式(1)で示される化学量論組成に対して、1.05倍以上1.2倍以下に増量されることが好ましい。リチウム化合物以外の、ランタン化合物、ジルコニウム化合物、スズ化合物、金属元素Mを含む金属化合物の各原材料溶液の量は、組成式(1)で示される化学量論組成に対して等倍で調製される。
ステップS3では、ステップS2で得られた混合物に400℃以上550℃以下の第2の加熱処理(仮焼成)を施して、混合物から溶媒を完全に除去して酸化させ、酸化物である仮焼成体を形成する。仮焼成における加熱時間は、30分〜2時間である。
ステップS4では、ステップS3で得られた仮焼成体に、800℃以上950℃以下の第3の加熱処理を施して本焼成する。本焼成における加熱時間は、4時間〜10時間である。本焼成することにより、酸化物である仮焼成体を焼結して、下記の組成式(1)で示されるガーネット型の結晶質である固体電解質12を得る。
Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)12・・・(1)
yは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。
1−3.リチウムイオン電池の製造方法
次に、本実施形態のリチウムイオン電池100の製造方法の一例について、図4〜図6を参照して説明する。図4は第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法を示すフローチャート、図5及び図6は第1実施形態のリチウムイオン電池の製造方法における工程を示す概略図である。
図4に示すように、本実施形態のリチウムイオン電池100の製造方法の一例は、正極活物質11と本実施形態の固体電解質12とを含む混合物のシートを形成する工程(ステップS11)と、混合物のシートを用いて成形物を形成する工程(ステップS12)と、成形物を焼成する工程(ステップS13)と、を備えている。ここまでのステップS11〜ステップS13が正極合材10の製造方法を示す工程である。そして、得られた正極合材10に対して、電解質層20を形成する工程(ステップS14)と、負極30を形成する工程(ステップS15)と、集電体41,42を形成する工程(ステップS16)とを備えている。
ステップS11の混合物のシート形成工程では、まず、粒子状の正極活物質11と、粉砕された固体電解質12と、溶媒と、結着剤とを混合して混合物としてのスラリー10mを調製する。スラリー10mにおける、各材料の質量割合は、例えば、正極活物質11が40%、結着剤が10%、固体電解質12が40%、残りは溶媒である。次に、スラリー10mを用いてシート10sを形成する。具体的には、図5に示すように、例えば全自動フィルムアプリケーター400を用いて、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムなどの基材406上に、スラリー10mを一定の厚みで塗布してシート10sとする。全自動フィルムアプリケーター400は、塗布ローラー401とドクターローラー402とを有している。ドクターローラー402に対して上方から接するようにスキージ403が設けられている。塗布ローラー401の下方において対向する位置に搬送ローラー404が設けられており、塗布ローラー401と搬送ローラー404との間に基材406が載置されたステージ405を挿入することによりステージ405が一定の方向に搬送される。ステージ405の搬送方向に隙間を置いて配置された塗布ローラー401とドクターローラー402との間においてスキージ403が設けられた側にスラリー10mが投入される。上記隙間からスラリー10mを下方に押し出すように、塗布ローラー401とドクターローラー402とを回転させて、塗布ローラー401の表面に一定の厚みのスラリー10mを塗工する。そして、同時に搬送ローラー404を回転させ、スラリー10mが塗工された塗布ローラー401に基材406が接するようにステージ405を搬送する。これにより、塗布ローラー401に塗工されたスラリー10mは基材406にシート状に転写され、シート10sとなる。このときのシート10sの厚みは例えば175μm〜225μmである。なお、ステップS11のシート10sを形成する工程では、焼成後に得られる正極合材10における正極活物質11の体積密度が50%以上となるように、塗布ローラー401とドクターローラー402とによってスラリー10mを加圧して押し出して一定の厚みのシート10sとする。
次に、シート10sが形成された基材406を加熱することにより、シート10sから溶媒を除去して、シート10sを硬化させる。そして、ステップS12へ進む。
ステップS12の成形物の形成工程では、正極合材10の形状に対応させた抜き型を用いて、シート10sを型抜きすることにより、図6に示すように、円盤状の成形物10fを取り出す。1枚のシート10sからは複数の成形物10fを取り出すことができる。そして、ステップS13へ進む。
ステップS13の成形物の焼成工程では、成形物10fを例えば酸化マグネシウムからなる坩堝に納め、電気マッフル炉に入れて、正極活物質11の融点未満の温度で焼成を行い、成形物10fを焼結する。焼成によって、結着剤が除去されると共に、正極活物質11同士が接触した状態で焼結された正極合材10が得られる。正極合材10において互いに接した粒子状の正極活物質11の間に固体電解質12が存在した状態となっている(図2参照)。焼結後に得られる正極合材10の厚みは、おおよそ150μm〜200μmである。そして、ステップS14へ進む。
ステップS14の電解質層の形成工程では、正極合材10に電解質層20を形成する。本実施形態では、スパッタリング法により、非晶質の電解質である、例えばLIPON(Li2.9PO3.30.46)を成膜して電解質層20とした。電解質層20の厚みは例えば2μmである。そして、ステップS15へ進む。
ステップS15の負極の形成工程では、電解質層20に積層して負極30を形成する。負極30の形成方法は、前述したように、溶液プロセスなど種々の方法を用いることができるが、本実施形態では、スパッタリング法により、電解質層20に対して金属Liを成膜して負極30とした。負極30の厚みは、例えば20μmである。そして、ステップS16へ進む。
ステップS16の集電体の形成工程では、図2に示すように、正極合材10の他方の面10aに接するように集電体41を形成する。また、負極30に接するように集電体42を形成する。本実施形態では、例えば厚みが20μmのアルミニウム箔を用い、形成面にアルミニウム箔を圧接させて配置することにより集電体41とした。また、例えば厚みが20μmの銅箔を用い、形成面に銅箔を圧接させて配置することにより集電体42とした。これにより、一対の集電体41,42の間に、正極合材10、電解質層20、負極30が順に積層された積層体が挟持されたリチウムイオン電池100が得られる。なお、ステップS13の後に、正極合材10に接するように集電体41を形成してもよい。
本実施形態のリチウムイオン電池100の製造方法では、グリーンシート法により正極合材10を形成する方法を例示したが、正極合材10の形成方法は、これに限定されるものではない。例えば、本実施形態のガーネット型の固体電解質12をメノウ乳鉢に入れてよく粉砕した粉末と、粒子状の正極活物質11とを排気ポート付きペレットダイスに投入し、一軸プレス成型して得られた成形物を坩堝に納めて電気マッフル炉に入れ、正極活物質11の融点よりも低い温度で焼成して正極合材10を得るとしてもよい。
1−4.固体電解質の実施例
次に、本実施形態の固体電解質について、具体的な実施例1〜17を挙げて、その具体的な製造方法について説明する。
まず、実施例1〜17の固体電解質の製造に用いられる、原材料の元素を含む原材料溶液を例示する。
[1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液]
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス(Pyrex;CORNING社商標)製試薬瓶へ、純度99.95%の硝酸リチウム(関東化学製、3N5)1.3789gと、2−ブトキシエタノール(エチレングルコールモノブチルエーテル)(関東化学製、鹿特級)18.6211gとを秤量した。次いで、ホットプレート機能付きマグネチックスターラーに載せ、190℃にて1時間撹拌しながら、硝酸リチウムを2−ブトキシエタノールに完全に溶解し、約20℃の室温まで徐冷して、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を得た。なお、硝酸リチウムの純度は、イオンクロマトグラフィー質量分析計を用いて測定することが可能である。
[1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液]
マグネチックスターラーバーを入れた30gのパイレックス製試薬瓶へ、硝酸ランタン・六水和物(関東化学製、4N)8.6608gと、2−ブトキシエタノール11.3392gとを秤量した。次いで、ホットプレート機能付きマグネチックスターラーに載せ、140℃にて30分間撹拌しながら、硝酸ランタン・六水和物を2−ブトキシエタノールに完全に溶解し、約20℃の室温まで徐冷して、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を得た。
[1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液]
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド(和光純薬工業製)3.8368gと、ブタノール(ノルマルブタノール)6.1632gとを秤量した。次いで、マグネチックスターラーに載せ、約20℃の室温にて30分間撹拌しながら、ジルコニウムテトラノルマルブトキシドをブタノールに完全に溶解して、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を得た。
[1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液]
まず、スズテトライソプロポキシド(高純度化学研究所製、3N)に含まれている不純物を中性シリカ(例えば、ワコーシルC−300(富士フィルム和光純薬工業製))に吸着させて除去する吸着処理を施す。マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、吸着処理が施されたスズテトライソプロポキシド3.5510gと、2−ブトキシエタノール6.4490gとを秤量した。次いで、ホットプレート機能付きマグネチックスターラーに載せ、140℃にて30分間撹拌しながら、スズテトライソプロポキシドを2−ブトキシエタノールに完全に溶解して、約20℃の室温まで徐冷して、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
[1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液]
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、タンタルペンタノルマルブトキシド(高純度化学研究所製、5N)5.4640gと、2−ブトキシエタノール4.5360gとを秤量した。次いで、マグネチックスターラーに載せ、室温にて30分間撹拌しながら、タンタルペンタノルマルブトキシドを2−ブトキシエタノールに完全に溶解して、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
[1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液]
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、アンチモントリノルマルブトキシド(高純度化学研究所製、5N)3.4110gと、2−ブトキシエタノール6.5890gとを秤量した。次いで、マグネチックスターラーに載せ、室温にて30分間撹拌しながら、アンチモントリノルマルブトキシドを2−ブトキシエタノールに完全に溶解して、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
[1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液]
マグネチックスターラーバーを入れた20gのパイレックス製試薬瓶へ、ニオブペンタエトキシド(高純度化学研究所製、4N)3.1821gと、2−ブトキシエタノール6.8179gとを秤量した。次いで、マグネチックスターラーに載せ、室温にて30分間撹拌しながら、ニオブペンタエトキシドを2−ブトキシエタノールに完全に溶解して、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を得た。
1−4−1.実施例1の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例1では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.1となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、内径50mm×高さ20mmのチタン製シャーレに、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.280g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.600g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、を秤量し、室温で混ぜ合わせて、混合溶液を得た。なお、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量(g)は、950℃の本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して設定されている。具体的には、本焼成前の段階で、y=0.1としたときの上記組成式で示されるLi6.9に対応する質量に対して1.2倍の8.280gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮したリチウム源の増量の割合は、1.2倍に限定されるものではなく、焼成温度による。例えば、本焼成時の第3の加熱処理における温度を800℃とすれば、リチウム源の増量の割合は、1.1倍でよい。また、本焼成時のLiの揮発量は、焼成時間が1時間を超えると飽和する。また、リチウム源以外の元素の原材料溶液の量は、上記組成式の化学量論組成に対して等倍に設定されている。
次に、チタン製シャーレをホットプレートに載せ、ホットプレートの設定温度を160℃として1時間加熱し、続いて、180℃として30分間加熱し溶媒を除去した。続いて、ホットプレートの設定温度を360℃として30分加熱し、含まれる有機成分の大部分を燃焼により分解させた。その後、ホットプレートの設定温度を540℃として1時間加熱し、残存する有機成分を燃焼、分解させた。その後、ホットプレート上で室温まで徐冷して、仮焼成体を得た。次に、仮焼成体をメノウ乳鉢に移して充分に粉砕した。粉砕された仮焼成体を0.150g秤量して、内径が10mmの排気ポート付きダイス(成形型)に入れて624MPa(メガパスカル)の圧力にて5分間加圧し、円盤状の成形物である仮焼成体ペレットを作製した。次に、仮焼成体ペレットを酸化マグネシウム製の坩堝に入れ、酸化マグネシウム製の蓋をして、ヤマト科学製の電気マッフル炉FP311にて950℃で8時間の本焼成を施した。電気マッフル炉を室温まで徐冷して仮焼成体ペレットを取り出し、直径約9.5mm、厚さ約600μmの実施例1の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例1の混合溶液の調製及び評価用の固体電解質ペレットの製造方法は、前述したステップS1からステップS4に従うものである。実施例1の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.9La3(Zr1.6Sn0.3Ta0.1)O12である。
なお、実施例1における仮焼成体ペレットを試料として、熱重量・示差熱分析(TG−DTA)を行ったところ、正方晶の生成温度が714.4℃であり、正方晶から立方晶への転移温度が790.0℃であることが判明した。これは、例えば、立方晶である組成式Li7La3(Zr2-x-ySbxTay)O12で示されるガーネット型の固体電解質に比べて、正方晶から立方晶への転移温度がおよそ70℃低下した。つまり、Zrのサイトの一部をSnによって置換することで正方晶から立方晶への転移温度が下がったことを示すものである。ゆえに、Zrのサイトの一部をSnで置換する組成とすることで、本焼成における第3の加熱処理の温度を1000℃よりも低い例えば950℃としても酸化物である仮焼成体を十分に焼結して、高いリチウムイオン導電率を示す立方晶のガーネット型の固体電解質とすることができる。
1−4−2.実施例2の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例2では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.15となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.220g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.550g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.15としたときの上記組成式で示されるLi6.85に対応する質量に対して1.2倍の8.220gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例2の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例2の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.85La3(Zr1.55Sn0.3Ta0.15)O12である。
1−4−3.実施例3の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例3では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.500g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例3の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例3の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.5Sn0.3Ta0.2)O12である。
1−4−4.実施例4の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例4では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.700g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例4の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例4の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.7Sn0.1Ta0.2)O12である。
1−4−5.実施例5の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例5では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.2、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.600g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例5の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例2の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.6Sn0.2Ta0.2)O12である。
1−4−6.実施例6の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例6では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.4、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.400g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例6の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例6の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.4Sn0.4Ta0.2)O12である。
1−4−7.実施例7の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例7では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例7の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例7の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.4Sn0.3Sb0.3)O12である。
1−4−8.実施例8の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例8では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.35となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.980g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.350g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.350g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.35としたときの上記組成式で示されるLi6.65に対応する質量に対して1.2倍の7.980gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例8の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例8の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.65La3(Zr1.35Sn0.3Sb0.35)O12である。
1−4−9.実施例9の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例9では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.4となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.920g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.300g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.400g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.4としたときの上記組成式で示されるLi6.6に対応する質量に対して1.2倍の7.920gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例9の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例9の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.6La3(Zr1.3Sn0.3Sb0.4)O12である。
1−4−10.実施例10の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例10では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.25となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.100g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.450g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.250g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.25としたときの上記組成式で示されるLi6.75に対応する質量に対して1.2倍の8.100gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例10の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例10の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.75La3(Zr1.45Sn0.3Nb0.25)O12である。
1−4−11.実施例11の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例11では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例11の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例11の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.4Sn0.3Nb0.3)O12である。
1−4−12.実施例12の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例12では、組成式Li7-yLa3(Zr2-xーySnxNby)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.25となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.100g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.650g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.250g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.25としたときの上記組成式で示されるLi6.75に対応する質量に対して1.2倍の8.100gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例12の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例12の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.75La3(Zr1.65Sn0.1Nb0.25)O12である。
1−4−13.実施例13の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例13では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.600g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例13の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例13の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.6Sn0.1Nb0.3)O12である。
1−4−14.実施例14の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例14では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTayaSbyb)O12におけるxの値が0.3、yaの値が0.15、ybの値が0.4、ya+yb=yの値が0.55となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.740g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.150g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.400g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.55としたときの上記組成式で示されるLi6.45に対応する質量に対して1.2倍の7.740gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例14の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例14の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.45La3(Zr1.15Sn0.3Ta0.15Sb0.4)O12である。
1−4−15.実施例15の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例15では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTayaNbyb)O12におけるxの値が0.3、yaの値が0.15、ybの値が0.15、ya+yb=yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例15の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例15の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.4Sn0.3Ta0.15Nb0.15)O12である。
1−4−16.実施例16の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例16では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSbyaNbyb)O12におけるxの値が0.3、yaの値が0.3、ybの値が0.15、ya+yb=yの値が0.45となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.860g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.250g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.150g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.45としたときの上記組成式で示されるLi6.55に対応する質量に対して1.2倍の7.860gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例16の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例16の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.55La3(Zr1.25Sn0.3Sb0.3Nb0.15)O12である。
1−4−17.実施例17の評価用の固体電解質ペレットの作製
実施例17では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTayaSbybNbyc)O12におけるxの値が0.3、yaの値が0.2、ybの値が0.3、ycの値が0.2、ya+yb+yc=yの値が0.7となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.560g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.000g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.7としたときの上記組成式で示されるLi6.3に対応する質量に対して1.2倍の7.560gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて実施例17の評価用の固体電解質ペレットを製造した。実施例17の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.3La3(Zr1.0Sn0.3Ta0.2Sb0.3Nb0.2)O12である。
1−5.固体電解質の比較例
比較例1〜12の固体電解質の製造方法は、実施例1〜17の固体電解質の製造方法における、Li、La、Zr、金属元素Mの各原材料溶液を用いるものであって、実施例1〜17に対して固体電解質の組成式を異ならせたものである。
1−5−1.比較例1の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例1では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12におけるxの値が0.3、yの値が0、つまり金属元素Mを含まない構成となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.750g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.700g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0としたときの上記組成式で示されるLi7に対応する質量に対して1.25倍の8.750gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例1の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例1の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li7La3(Zr1.7Sn0.3)O12である。
1−5−2.比較例2の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例2では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.3となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.040g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.400g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.3としたときの上記組成式で示されるLi6.7に対応する質量に対して1.2倍の8.040gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例2の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例2の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.7La3(Zr1.4Sn0.3Ta0.3)O12である。
1−5−3.比較例3の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例3では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.4となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.920g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.300g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.400g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.4としたときの上記組成式で示されるLi6.6に対応する質量に対して1.2倍の7.920gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例3の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例3の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.6La3(Zr1.3Sn0.3Ta0.4)O12である。
1−5−4.比較例4の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例4では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0、つまりSnを含まない構成とし、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.500g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.800g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.25倍の8.500gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例4の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例4の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.8Ta0.2)O12である。
1−5−5.比較例5の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例5では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.5、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.300g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.500g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例5の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例5の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.3Sn0.5Ta0.2)O12である。
1−5−6.比較例6の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例6では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxTay)O12におけるxの値が0.7、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.100g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.700g、1mol/kg濃度のタンタルペンタノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例6の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例6の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.1Sn0.7Ta0.2)O12である。
1−5−7.比較例7の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例7では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.05となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.340g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.650g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.050g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.05としたときの上記組成式で示されるLi6.95に対応する質量に対して1.2倍の8.340gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例7の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例7の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.95La3(Zr1.65Sn0.3Sb0.05)O12である。
1−5−8.比較例8の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例8では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.6となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.680g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.100g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.600g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.6としたときの上記組成式で示されるLi6.4に対応する質量に対して1.2倍の7.680gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例8の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例8の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.4La3(Zr1.1Sn0.3Sb0.6)O12である。
1−5−9.比較例9の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例9では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxSby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.2となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.160g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.500g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のアンチモントリノルマルブトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.200g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.2としたときの上記組成式で示されるLi6.8に対応する質量に対して1.2倍の8.160gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例9の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例9の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.8La3(Zr1.5Sn0.3Sb0.2)O12である。
1−5−10.比較例10の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例10では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.3、yの値が0.35となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.980g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.350g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.300g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.350g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.35としたときの上記組成式で示されるLi6.65に対応する質量に対して1.2倍の7.980gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例10の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例10の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.65La3(Zr1.35Sn0.3Nb0.35)O12である。
1−5−11.比較例11の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例11では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.1となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を8.280g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.800g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.1としたときの上記組成式で示されるLi6.9に対応する質量に対して1.2倍の8.280gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例11の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例11の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.9La3(Zr1.8Sn0.1Nb0.1)O12である。
1−5−12.比較例12の評価用の固体電解質ペレットの作製
比較例12では、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxNby)O12におけるxの値が0.1、yの値が0.35となるように、上記の原材料溶液を用いて、混合溶液を調製した。具体的には、まず、マグネチックスターラーバーを入れたパイレックス製試薬瓶へ、1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液を7.980g、1mol/kg濃度の硝酸ランタン・六水和物の2−ブトキシエタノール溶液を3.000g、1mol/kg濃度のジルコニウムテトラノルマルブトキシドのブタノール溶液を1.550g、1mol/kg濃度のスズテトライソプロポキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.100g、1mol/kg濃度のニオブペンタエトキシドの2−ブトキシエタノール溶液を0.350g、を秤量し、マグネチックスターラーを用いて、室温で30分間撹拌して、混合溶液を得た。なお、本焼成時に揮発するLiの質量を考慮して、y=0.35としたときの上記組成式で示されるLi6.65に対応する質量に対して1.2倍の7.980gを1mol/kg濃度の硝酸リチウムの2−ブトキシエタノール溶液の質量としている。以降は、実施例1と同様な工程を経て、混合溶液から仮焼成体を形成し、仮焼成体を用いて比較例12の評価用の固体電解質ペレットを製造した。比較例12の固体電解質ペレットを示す組成式は、Li6.65La3(Zr1.55Sn0.1Nb0.35)O12である。
1−6.実施例1〜17及び比較例1〜12の固体電解質ペレットの評価
実施例1〜17及び比較例1〜12の固体電解質ペレットのそれぞれに対して、固体電解質ペレットの両面に直径Φが5mmの金属Li箔を押圧して活性化電極とする。そして、交流インピーダンスアナライザーSolatron1260(Solatron Anailtical社製)を用いて電気化学インピーダンス(EIS)測定を行い、リチウムイオン伝導率を求めた。EIS測定は、交流(AC)振幅10mVにて、107Hzから10-1Hzの周波数領域にて行った。EIS測定によって得られたリチウムイオン伝導率は、固体電解質ペレットにおけるバルクのリチウムイオン伝導率と粒界のリチウムイオン伝導率とを含む総リチウムイオン伝導率を示すものである。実施例1〜17の各固体電解質ペレットにおけるリチウムイオン伝導率を表1に示す。また、比較例1〜12の各固体電解質ペレットにおけるリチウムイオン伝導率を表2に示す。
Figure 2020136235
上記の表1に示すように、実施例1〜13の固体電解質は、組成式のZrのサイトの一部を置換するSnの化学量論組成比xの範囲が、0.1≦x≦0.4である。また、元素Mとして、Taが選ばれた場合のTaの化学量論組成比yの範囲が0.1≦y≦0.2であり、Sbが選ばれた場合のSbの化学量論組成比yの範囲が0.3≦y≦0.4であり、Nbが選ばれた場合のNbの化学量論組成比yの範囲が0.25≦y≦0.3である。このような元素Mの化学量論組成比yの範囲において、Ta、Sb、Nbの中から1種以上を選択して、Snと共にZrのサイトの一部を元素Mで置換した構成とすることで、いずれも1.0×10-4(S(ジーメンス)/cm)以上の高いリチウムイオン伝導率を示す固体電解質を実現できる。
また、実施例14〜17の固体電解質は、組成式のZrのサイトの一部を置換するSnの化学量論組成比xが0.3である。また、元素Mとして、Ta、Sb、Nbの中から2種以上の金属元素が選ばれており、Taの化学量論組成比yaの範囲が0.15≦ya≦0.2、Sbの化学量論組成比ybの範囲が0.3≦yb≦0.4、Nbの化学量論組成比ycの範囲が0.15≦yc≦0.2である。実施例14〜17の固体電解質は、Ta、Sb、Nbの中から2種の金属元素を選ぶことによって、1種の金属元素が選ばれた実施例1〜13よりも高いリチウムイオン伝導率が実現されている。
Figure 2020136235
上記の表2に示すように、Zrのサイトの一部をSnのみで置換した構成の比較例1や、Zrのサイトの一部をTaのみで置換した構成の比較例4の固体電解質のリチウムイオン伝導率は1.0×10-6(S/cm)台から1.0×10-5(S/cm)台の値となって、実施例1〜17に比べて低下した。
Zrのサイトの一部を置換する、Snの化学量論組成比xの値を0.3とし、Taの化学量論組成比yの値を0.3とした比較例2では、リチウムイオン伝導率が6.4×10-5(S/cm)となって、比較例1よりも向上するが、実施例1〜6と比べると1桁低い水準であった。さらに、比較例2に対してTaの化学量論組成比yの値を0.4に上昇させた比較例3では、EIS測定によってリチウムイオン伝導率を求めることができなかった。
Zrのサイトの一部を置換する、Snの化学量論組成比xの値を0.3よりも大きい0.5とし、Taの化学量論組成比yの値を0.2の構成とした比較例5では、リチウムイオン伝導率が6.6×10-5(S/cm)となり、比較例2と同じ水準であって、やはり実施例1〜6と比べると1桁低い水準であった。さらに、比較例5に対して、Snの化学量論組成比xの値を0.7に上昇させた比較例6は、リチウムイオン伝導率が1.6×10-5(S/cm)となりやや低下した。
Zrのサイトの一部を置換する、Snの化学量論組成比xの値を0.3とし、Sbの化学量論組成比yの値を0.05とした比較例7では、リチウムイオン伝導率が5.6×10-5(S/cm)となって、実施例7〜9と比べると1桁低い水準であった。また、比較例7に対して、Sbの化学量論組成比yの値を0.2に上昇させた比較例9、さらに0.6まで上昇させた比較例8でも、リチウムイオン伝導率はほぼ同じ水準であって、実施例7〜9と比べると1桁低い水準であった。
Zrのサイトの一部を置換する、Snの化学量論組成比xの値を0.3とし、Nbの化学量論組成比yの値を0.35とした比較例10では、リチウムイオン伝導率が5.5×10-5(S/cm)となって、実施例10〜13と比べると1桁低い水準であった。また、比較例10に対して、Snの化学量論組成比xの値を0.1とし、Nbの化学量論組成比yの値を0.1に低下させた比較例11のリチウムイオン伝導率は6.5×10-5(S/cm)であり、また、比較例11に対してNbの化学量論組成比yの値を0.35まで上昇させた比較例12は、リチウムイオン伝導率は6.0×10-5(S/cm)であって、実施例10〜13と比べると1桁低い水準であった。
上記の実施例1〜17及び比較例1〜12の各固体電解質のリチウムイオン伝導率によれば、下記組成式(1)で示されるガーネット型の固体電解質において、Zrのサイトの一部を置換するSnの化学量論組成比xは、0.1≦x<0.5の範囲であることが好ましい。
また、元素MがTaの場合、組成式(1)におけるTaの化学量論組成比yは、0.1≦y≦0.2であることが好ましい。
また、元素MがSbの場合、組成式(1)におけるSbの化学量論組成比yは、0.3≦y≦0.5であることが好ましい。
また、元素MがNbの場合、組成式(1)におけるNbの化学量論組成比yは、0.15≦y≦0.3であることが好ましい。
また、元素MをTa、Sb、Nbの中から2種以上を選ぶ場合、組成式(1)における元素Mの化学量論組成比yは、0.3≦y≦0.7であることが好ましい。
Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12・・・(1)
上記第1実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)本実施形態のガーネット型の固体電解質は、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12で表わされ、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす。これによれば、結晶構造におけるZrのサイトの一部がSnと、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素Mとにより置換されていることから、酸化物の焼結に係る本焼成の低温化を図ることができると共に、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型の固体電解質を提供することができる。なお、上記組成式において、Snの化学量論組成比xは、0.1≦x<0.5の範囲が好ましい。また、金属元素Mとして、Taが選ばれる場合、Taの化学量論組成比yは、0.1≦y≦0.2の範囲が好ましく、Sbが選ばれる場合、Sbの化学量論組成比yは、0.3≦y≦0.5の範囲が好ましく、Nbが選ばれる場合、Nbの化学量論組成比yは、0.15≦y≦0.3の範囲が好ましい。さらに、より高いリチウムイオン伝導率を実現する観点から、金属元素Mとして、Ta、Sb、Nbの中から2種以上が選択されることが好ましい。
(2)本実施形態のガーネット型の固体電解質の製造方法は、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12で表わされ、式中Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たし、上記組成式の化学量論組成に対して、1.05倍以上1.2倍以下の濃度でリチウム化合物が溶解したリチウム原材料溶液と、等倍の濃度でランタン化合物が溶解したランタン原材料溶液と、等倍の濃度でジルコニウム化合物が溶解したジルコニウム原材料溶液と、等倍の濃度でスズ化合物が溶解したスズ原材料溶液と、等倍の濃度で金属元素Mを含む金属化合物が溶解した金属原材料溶液と、を混ぜ合わせて混合溶液を得る工程と、混合溶液に第1の加熱処理を施して乾燥させて混合物を得る工程と、混合物に第2の加熱処理を施して酸化物を得る工程と、酸化物に第3の加熱処理を施して焼結させる工程と、を含むことを特徴とする。
この方法によれば、酸化物の焼結に係る第3の加熱処理の温度を950℃以下に低温化できると共に、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型の固体電解質を製造することができる。
(3)本実施形態の二次電池としてのリチウムイオン電池100は、一対の集電体41,42の間に配置された、正極合材10、電解質層20、負極30を有している。負極30は、金属Liにより構成されている。正極合材10は、リチウム複合金属酸化物からなる粒子状の正極活物質11と、粒子状の正極活物質11の間を埋めてなる本実施形態のガーネット型の固体電解質12とを含んで構成されている。したがって、正極活物質11と固体電解質12とが接する界面の面積が大きく、固体電解質12は高いリチウムイオン伝導率を有していることから、正極活物質11と固体電解質12との間で円滑にリチウムイオンが伝導して電池反応が進行し、優れた充放電特性を有するリチウムイオン電池100を提供することができる。
2.第2実施形態
2−1.電子機器
次に、本実施形態の電子機器について、ウェアラブル機器を例に挙げて説明する。図7は第2実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器の構成を示す斜視図である。
図7に示すように、本実施形態の電子機器としてのウェアラブル機器500は、人体の例えば手首WRに腕時計のように装着され、人体に係る情報を入手可能な情報機器であって、バンド501と、センサー502と、表示部503と、処理部504と、電池505とを備えている。
バンド501は、装着時に手首WRに密着するように、可撓性の例えばゴムなどの樹脂が用いられた帯状であって、帯の端部に結合位置を調整可能な結合部を有している。
センサー502は、例えば光学式センサーであって、装着時に手首WRに触れるよう、バンド501の内側に配置されている。
表示部503は、例えば受光型の液晶表示装置であって、表示部503に表示された情報を装着者が読み取れるように、センサー502が取り付けられた内面と反対側のバンド501の外面側に配置されている。
処理部504は、例えば集積回路(IC)であって、バンド501に内蔵され、センサー502や表示部503に電気的に接続されている。処理部504は、センサー502からの出力に基づいて、脈拍や血糖値などを計測するための演算処理を行う。また、計測結果などを表示するように表示部503を制御する。
電池505は、センサー502、表示部503、処理部504などへ電力を供給する電力供給源として、バンド501に内蔵されている。電池505として、上記第1実施形態のリチウムイオン電池100が用いられている。
本実施形態のウェアラブル機器500によれば、センサー502によって、手首WRから装着者の脈拍や血糖値に係る情報などを電気的に検出し、処理部504での演算処理などを経て、表示部503に脈拍や血糖値などを表示することができる。表示部503には計測結果だけでなく、例えば計測結果から予測される人体の状況を示す情報や時刻なども表示することができる。
また、電池505として小型でありながら優れた充放電特性を有するリチウムイオン電池100が用いられているため、軽量且つ薄型であって長期の繰り返しの使用にも耐え得るウェアラブル機器500を提供することができる。
また、本実施形態では、腕時計型のウェアラブル機器500を例示したが、ウェアラブル機器500は、例えば、足首、頭、耳、腰などに装着されるものであってもよい。
本実施形態のリチウムイオン電池100が電力供給源として適用される電子機器は、ウェアラブル機器500に限定されない。例えば、ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、携帯電話機、携帯情報端末、ノート型パソコン、デジタルカメラ、ビデオカメラ、音楽プレイヤー、ワイヤレスヘッドホン、ゲーム機などが挙げられる。また、このような一般消費者向けの機器に限らず、産業用途の機器にも適用可能である。
また、本実施形態の固体電解質を用いた二次電池を備えた電子機器は、自動車や船舶などの移動体であってもよい。例えば、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)、ハイブリッド自動車(HEV)、燃料電池自動車(FCV)などの蓄電池として、本実施形態の固体電解質を用いた二次電池としてのリチウムイオン電池を好適に採用することができる。その場合、移動体用の蓄電池はモーターを駆動する電源であるため、大きな電気容量が必要とされ、速やかに充放電が可能であることが求められるため、正極合材10における正極活物質11の体積割合を40%までに制限して、固体電解質12の体積割合を増やすことが好ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)本実施形態のガーネット型の固体電解質を有する二次電池は、上記実施形態に示された全固体型のリチウムイオン電池100に限定されない。例えば、正極合材10と負極30との間に多孔質なセパレーターを設け、セパレーターに電解液を含浸させた二次電池の構成としてもよい。
以下に、実施形態から導き出される内容を記載する。
本願のガーネット型の固体電解質は、組成式Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12で表わされ、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たすことを特徴とする。
本願の構成によれば、結晶構造におけるジルコニウム(Zr)のサイトの一部がスズ(Sn)と、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素Mとにより置換されていることから、酸化物の焼結における低温化を図ることができると共に、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型の固体電解質を提供することができる。
上記に記載のガーネット型の固体電解質において、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種の金属元素であって、MがTaの場合、0.1≦y≦0.2を満たし、MがSbの場合、0.3≦y≦0.5を満たし、MがNbの場合、0.15≦y≦0.3を満たすことが好ましい。
この構成によれば、ガーネット型の固体電解質において、高いリチウムイオン伝導率を実現することができる。
上記に記載のガーネット型の固体電解質において、Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる2種以上の金属元素であることが好ましい。
この構成によれば、ガーネット型の固体電解質において、Zrのサイトの一部を、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる2種以上の金属元素により置換することで、より高いリチウムイオン伝導率を実現することができる。
本願のガーネット型の固体電解質の製造方法は、下記組成式(1)で表わされるガーネット型の固体電解質の製造方法であって、Li7-yLa3(Zr2-x-ySnxy)O12・・・(1)Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たし、上記組成式(1)の化学量論組成に対して1.05倍以上1.2倍以下のリチウムを含むリチウム化合物が溶解したリチウム原材料溶液と、上記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のランタンを含むランタン化合物が溶解したランタン原材料溶液と、上記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のジルコニウムを含むジルコニウム化合物が溶解したジルコニウム原材料溶液と、上記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のスズを含むスズ化合物が溶解したスズ原材料溶液と、上記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍の金属元素Mを含む金属化合物が溶解した金属原材料溶液と、を混ぜ合わせて混合溶液を得る工程と、混合溶液に第1の加熱処理を施して乾燥させて混合物を得る工程と、混合物に第2の加熱処理を施して酸化物を得る工程と、酸化物に第3の加熱処理を施して焼結させる工程と、を含むことを特徴とする。
本願の方法によれば、酸化物の焼結に係る第3の加熱処理の温度を950℃以下に低温化できると共に、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型の固体電解質を製造することができる。
上記に記載のガーネット型の固体電解質の製造方法において、第1の加熱処理の加熱温度が、50℃以上250℃以下であり、第2の加熱処理の加熱温度が、400℃以上550℃以下であり、第3の加熱処理の加熱温度が、800℃以上950℃以下であることが好ましい。
この方法によれば、第1の加熱処理により溶媒成分を除去して乾燥させ、第2の加熱処理により副生成物が生じ難い温度で酸化物を生成し、第3の加熱処理によりリチウムの揮発を抑制して酸化物を焼結し、高いリチウムイオン伝導率を有するガーネット型の固体電解質を製造することができる。
本願の二次電池は、上記に記載のガーネット型の固体電解質と、リチウムを含む正極活物質とを含む正極合材と、正極合材の一方の面に設けられた電極と、正極合材の他方の面に設けられた集電体と、を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、ガーネット型の固体電解質は優れたリチウムイオン伝導率を有していることから、正極合材において正極活物質と固体電解質との間で円滑にリチウムイオンが伝導される。つまり、正極合材における電気抵抗が改善され、優れた充放電特性を有する二次電池を提供することができる。
上記に記載の二次電池において、正極活物質は、リチウム複合金属酸化物であることが好ましい。
この構成によれば、正極活物質として、リチウム複合金属酸化物を用いていることから、高いリチウムイオン伝導率を実現可能であると共に、熱的に安定した二次電池を提供することができる。
上記に記載の二次電池において、電極は、金属リチウムであることが好ましい。
この構成によれば、二次電池が小型化された場合においても、高い電池容量を実現することができる。
本願の電子機器は、上記に記載の二次電池を備えたことを特徴とする。
本願の構成によれば、構成要素が固体からなり電源として優れた充放電特性を有する二次電池を備えていることから、長期の使用にも耐え得る高い信頼性品質を有する電子機器を提供することができる。
10…正極合材、11…正極活物質、12…固体電解質、20…電解質層、30…電極としての負極、41,42…集電体、100…二次電池としてのリチウムイオン電池、500…電子機器としてのウェアラブル機器。

Claims (9)

  1. 組成式Li7−yLa(Zr2−x−ySn)O12で表わされ、
    前記Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、
    0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たす、ガーネット型の固体電解質。
  2. 前記Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種の金属元素であって、
    前記MがTaの場合、0.1≦y≦0.2を満たし、
    前記MがSbの場合、0.3≦y≦0.5を満たし、
    前記MがNbの場合、0.15≦y≦0.3を満たす、請求項1に記載のガーネット型の固体電解質。
  3. 前記Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる2種以上の金属元素である、請求項1に記載のガーネット型の固体電解質。
  4. 下記組成式(1)で表わされるガーネット型の固体電解質の製造方法であって、
    Li7−yLa(Zr2−x−ySn)O12・・・(1)
    前記Mは、Ta、Sb、Nbの中から選ばれる1種以上の金属元素であって、
    0.1≦x<0.5、0.1≦y≦0.7を満たし、
    前記組成式(1)の化学量論組成に対して1.05倍以上1.2倍以下のリチウムを含むリチウム化合物が溶解したリチウム原材料溶液と、
    前記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のランタンを含むランタン化合物が溶解したランタン原材料溶液と、
    前記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のジルコニウムを含むジルコニウム化合物が溶解したジルコニウム原材料溶液と、
    前記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍のスズを含むスズ化合物が溶解したスズ原材料溶液と、
    前記組成式(1)の化学量論組成に対して等倍の金属元素Mを含む金属化合物が溶解した金属原材料溶液と、を混ぜ合わせて混合溶液を得る工程と、
    前記混合溶液に第1の加熱処理を施して乾燥させて混合物を得る工程と、
    前記混合物に第2の加熱処理を施して酸化物を得る工程と、
    前記酸化物に第3の加熱処理を施して焼結させる工程と、を含む、ガーネット型の固体電解質の製造方法。
  5. 前記第1の加熱処理の加熱温度が、50℃以上250℃以下であり、
    前記第2の加熱処理の加熱温度が、400℃以上550℃以下であり、
    前記第3の加熱処理の加熱温度が、800℃以上950℃以下である、請求項4に記載のガーネット型の固体電解質の製造方法。
  6. 請求項1乃至3のいずれか一項に記載のガーネット型の固体電解質と、リチウムを含む正極活物質とを含む正極合材と、
    前記正極合材の一方の面に設けられた電極と、
    前記正極合材の他方の面に設けられた集電体と、を備えた二次電池。
  7. 前記正極活物質は、リチウム複合金属酸化物である、請求項6に記載の二次電池。
  8. 前記電極は、金属リチウムである、請求項6または7に記載の二次電池。
  9. 請求項6乃至8のいずれか一項に記載の二次電池を備えたことを特徴とする電子機器。
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