JP2020136065A - 燃料電池及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
プロトン伝導性を有する電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面側に配置され、且つ互いに間隔を存して配置された複数の第1触媒層(例えば、実施形態の上側の触媒層16)と、
前記電解質膜の他方の面側に配置され、且つ互いに間隔を存して配置された複数の第2触媒層(例えば、実施形態の下側の触媒層16)と、
を有する複数の単位セルを備えた燃料電池であって、
互いに隣接する前記単位セルの前記電解質膜は連続しており且つ1つの前記電解質膜で構成され、
前記電解質膜は、
前記単位セルの前記第1触媒層と、該単位セルに隣接する他の前記単位セルの前記第2触媒層と、を電気的に接続するインターコネクト部と、
前記インターコネクト部に隣接する前記電解質膜の領域において、プロトン伝導性を失活させた失活領域と、
を備えていることを特徴とする。
前記単位セルの前記第1触媒層と、該単位セルに隣接する前記単位セルの前記第2触媒層とが、前記電解質膜を挟んで重なり合う「重なり領域」を備え、
前記失活領域は、少なくとも前記重なり領域の全体に形成することができる。
前記失活領域は、
前記重なり領域に加えて、
前記第1触媒層と、該単位セルに隣接する前記第2触媒層とが、前記電解質膜を挟んで重なり合っていない領域であって、
前記単位セル自身の前記第2触媒層から前記電解質膜が露出した領域に設けられ、
且つ、同一の前記単位セル内における前記第1触媒層と前記第2触媒層との間には設けないように構成することができる。
プロトン伝導性を有する電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に配置され、且つ互いに間隔を存して配置された複数の第1触媒層と、
前記電解質膜の他方の面に配置され、且つ互いに間隔を存して配置された複数の第2触媒層と、
を有する複数の単位セルを備えた燃料電池の製造方法であって、
互いに隣接する前記単位セルの前記電解質膜は連続しており且つ1つの前記電解質膜で構成され、
前記電解質膜は、
前記単位セルの前記第1触媒層と、該単位セルに隣接する前記単位セルの前記第2触媒層と、を電気的に接続するインターコネクト部と、
前記インターコネクト部に隣接する前記電解質膜の領域において、プロトン伝導性を失活させた失活領域と、
を備え、
前記燃料電池の製造方法は、
前記電解質膜に、プロトン伝導性を失活させた失活領域を形成する失活工程と、
前記失活領域に前記インターコネクト部を形成するIC形成工程と、
を備えることを特徴とする。
前記電解質膜は、スルホン酸基含有の炭化水素系膜からなり、
前記失活工程は、前記失活領域に加えて前記インターコネクト部を形成する予定のIC形成予定領域を第1所定温度(例えば、実施形態の400℃。以下同一。)で加熱処理してスルホン酸基を除去することで失活させて前記失活領域を形成し、
前記IC形成工程は、前記IC形成予定領域を前記第1所定温度よりも高温の第2所定温度(例えば、実施形態の900℃。以下同一。)で前記電解質膜を炭化改質して前記インターコネクト部を形成するように構成することができる。
図1は、本発明を適用した燃料電池の一実施形態を示す模式断面図であり、図2は図1の要部を拡大して示す図であり、上側がアノード、下側がカソードである。図1、図2に示す燃料電池10の膜・電極接合体(MEA)11は、電解質膜12の両面側に、ガス拡散層18を備え、下側には電極層として触媒層16が、上側には電極層として触媒層16と電解質膜12に接する保護層14が設けられている。すなわち、本実施形態では上側の電極層は触媒層16と保護層14の2層で構成されている。さらに、上側のガス拡散層18の上方には上板20が設けられ、下側のガス拡散層の下方には下板22が設けられている。なお、図1においては、中央に位置する積層構造を省略した状態の燃料電池10を描いている。
本発明の燃料電池における電解質膜に特に限定はなく、種々の電解質膜を採用することができる。そして、上記の通り、電解質膜内に、隣接する単位セル同士を電気的に直列接続するインターコネクト部を備える。インターコネクト部は、後述するように、電解質膜に局所的に熱をかけて炭化することで形成される。
触媒層は、例えば、触媒金属を担持した炭素粒子(触媒粒子)を含んで構成される。炭素粒子としては、カーボンブラックを用いることができるが、この他にも、例えば、黒鉛、炭素繊維、活性炭等やこれらの粉砕物、カーボンナノファイバーやカーボンナノチューブ等の炭素化合物を採用することができる。一方、触媒金属としては、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、オスニウム、タングステン、鉛、鉄、クロム、コバルト、ニッケル、マンガン、バナジウム、モリブデン、ガリウム、アルミニウム等の金属を単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
電解質膜、又は電解質膜内のインターコネクト部若しくはその近傍において、ガスがリークするいわゆるクロスリークを防止するために、電解質膜の一方の面側又は両面側に保護層を設けることが好ましい。図1においては、電解質膜12の上面側に保護層を設けている。
ガス拡散層18は、基材と、多孔質層とが積層されて構成される。基材は、カーボンペーパーやカーボンクロスを用いることができる。
上板20及び下板22は、前述のようにガス拡散層18側にガスのための流路溝(凹部分)を備える。MEA11の単セル同士はインターコネクト部30を通して直列に接続されるので、上板20及び下板22は絶縁性の樹脂で形成することが好ましい。当該汎用樹脂としては、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)等を挙げることができる。
本実施形態の燃料電池は、以下に説明する本発明の実施形態の製造方法により製造することができる。
図9は、インターコネクト部30をレーザー光を照射して形成する場合における理想的な温度変化を示したものである。インターコネクト部30を形成するときには始めは緩やかに温度を上昇させ、ある程度インターコネクト部30を形成する予定の部分の温度が上昇した後に急速に温度を上昇させてインターコネクト部30を形成することが好ましい。
以上のようにプロトン伝導性樹脂を加熱により炭化させることで、当該箇所に対し体積抵抗率が0.1Ω・mm程度の導電性を容易に付与することができる。
12 電解質膜
14 保護層
16 触媒層
17 分割溝
18 ガス拡散層
20 上板
22 下板
24 シール
26 黒鉛シート
28 導線
30 インターコネクト部
210 失活領域
Claims (5)
- プロトン伝導性を有する電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面側に配置され、且つ互いに間隔を存して配置された複数の第1触媒層と、
前記電解質膜の他方の面側に配置され、且つ互いに間隔を存して配置された複数の第2触媒層と、
を有する複数の単位セルを備えた燃料電池であって、
互いに隣接する前記単位セルの前記電解質膜は連続しており且つ1つの前記電解質膜で構成され、
前記電解質膜は、
前記単位セルの前記第1触媒層と、該単位セルに隣接する他の前記単位セルの前記第2触媒層と、を電気的に接続するインターコネクト部と、
前記インターコネクト部に隣接する前記電解質膜の領域において、プロトン伝導性を失活させた失活領域と、
を備えていることを特徴とする燃料電池。 - 請求項1に記載の燃料電池であって、
前記単位セルの前記第1触媒層と、該単位セルに隣接する前記単位セルの前記第2触媒層とが、前記電解質膜を挟んで重なり合う「重なり領域」を備え、
前記失活領域は、少なくとも前記重なり領域の全体に形成されていることを特徴とする燃料電池。 - 請求項2に記載の燃料電池であって、
前記失活領域は、
前記重なり領域に加えて、
前記第1触媒層と、該単位セルに隣接する前記第2触媒層とが、前記電解質膜を挟んで重なり合っていない領域であって、
前記単位セル自身の前記第2触媒層から前記電解質膜が露出した領域に設けられ、
且つ、同一の前記単位セル内における前記第1触媒層と前記第2触媒層との間には設けられていないことを特徴とする燃料電池。 - プロトン伝導性を有する電解質膜と、
前記電解質膜の一方の面に配置され、且つ互いに間隔を存して配置された複数の第1触媒層と、
前記電解質膜の他方の面に配置され、且つ互いに間隔を存して配置された複数の第2触媒層と、
を有する複数の単位セルを備えた燃料電池の製造方法であって、
互いに隣接する前記単位セルの前記電解質膜は連続しており且つ1つの前記電解質膜で構成され、
前記電解質膜は、
前記単位セルの前記第1触媒層と、該単位セルに隣接する前記単位セルの前記第2触媒層と、を電気的に接続するインターコネクト部と、
前記インターコネクト部に隣接する前記電解質膜の領域において、プロトン伝導性を失活させた失活領域と、
を備え、
前記燃料電池の製造方法は、
前記電解質膜に、プロトン伝導性を失活させた失活領域を形成する失活工程と、
前記失活領域に前記インターコネクト部を形成するIC形成工程と、
を備えることを特徴とする燃料電池の製造方法。 - 請求項4に記載の燃料電池の製造方法であって、
前記電解質膜は、スルホン酸基含有の炭化水素系膜からなり、
前記失活工程は、前記失活領域に加えて前記インターコネクト部を形成する予定のIC形成予定領域を第1所定温度で加熱処理してスルホン酸基を除去することで失活させて前記失活領域を形成し、
前記IC形成工程は、前記IC形成予定領域を前記第1所定温度よりも高温の第2所定温度で前記電解質膜を炭化改質して前記インターコネクト部を形成することを特徴とする燃料電池の製造方法。
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