JP2017050143A - 膜電極接合体および燃料電池 - Google Patents

膜電極接合体および燃料電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2017050143A
JP2017050143A JP2015172513A JP2015172513A JP2017050143A JP 2017050143 A JP2017050143 A JP 2017050143A JP 2015172513 A JP2015172513 A JP 2015172513A JP 2015172513 A JP2015172513 A JP 2015172513A JP 2017050143 A JP2017050143 A JP 2017050143A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
decomposition catalyst
ammonia decomposition
ammonia
exchange resin
catalyst layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2015172513A
Other languages
English (en)
Inventor
丈志 寺本
Takeshi Teramoto
丈志 寺本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2015172513A priority Critical patent/JP2017050143A/ja
Publication of JP2017050143A publication Critical patent/JP2017050143A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Landscapes

  • Fuel Cell (AREA)
  • Inert Electrodes (AREA)

Abstract

【課題】アンモニアを含んだ反応ガスが膜電極接合体に供給されても、アンモニアによる電池電圧の低下を抑制できるようにする。【解決手段】高分子電解質膜11は、アンモニア分解触媒21とカチオン交換樹脂31とアニオン交換樹脂41とを備えたアンモニア分解触媒層81を内部に有する。アニオン交換樹脂41は、アンモニア分解触媒21を被覆するので、アンモニア分解触媒21をアルカリ性雰囲気に保持でき、カチオン交換樹脂31は、アニオン交換樹脂41で被覆されたアンモニア分解触媒21と接するので、プロトン導電性を更に向上させることができる。カチオン交換樹脂31とアニオン交換樹脂41が接することで、カチオン交換樹脂31に拡散したアンモニアについても分解することができ、アンモニア除去率を向上できる。アによる電池電圧の低下を抑制することができる。【選択図】図2

Description

本発明は、ポータブル電源、携帯機器用電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に使用する高分子電解質を用いた燃料電池に関するものである。
従来の一般的な燃料電池は、高分子電解質膜の両側に燃料極と酸化剤極を形成した膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を備え、少なくとも水素を含む燃料ガスをアノードに供給し、少なくとも酸素を含む酸化剤ガスをカソードに供給することにより発電していた。
燃料ガスには、一般的にメタンを主成分とする都市ガス、天然ガス、LPG、ナフサ、灯油、軽油、メタノール、エタノール、ジメチルエーテルなどの炭化水素系燃料を原燃料とし、原燃料を改質触媒で水蒸気改質することにより生成され、その主生成物は水素である。
しかしながら、原燃料に窒素が含まれると、改質触媒上で、水素と窒素が反応し、副生成物としてアンモニアを生成する場合がある。アンモニアを含んだ燃料ガスが燃料電池に供給されると、電池電圧が低下するという課題が発生していた。
そこで、改質して生成した燃料ガス中に含まれる不純物であるアンモニアを燃料電池に供給しないように、燃料ガス供給経路にラジカル反応によりアンモニアを分解することができるアンモニア除去部を備えることで、アンモニアを除去した燃料ガスを燃料電池へ供給する方法が開示されている(特許文献1参照)。
特開2014−10932号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、アンモニア分解反応に必要なラジカルが、対極から高分子電解質膜を介してクロスリークするガスにより生成するため、ラジカル生成領域およびアンモニア分解領域は、アンモニア除去部の電解質膜と電極の界面の局所領域のみとなり、アンモニア分解に有効な反応領域が狭い。
また、ラジカルは、反応性が非常に高く、アンモニア以外のアンモニア除去部の構成材料とも反応するため、アンモニア分解効率が低い。その結果、アンモニア除去部を用いても、アンモニアの除去が十分ではなく、アンモニアを含む反応ガスが燃料電池の膜電極接合体に供給され、そのアンモニアがカソードに特異吸着することで、電池電圧が低下するといった課題があった。
また、アンモニア除去部を追加することで、システムが複雑化し、大型化するという課題があった。更に、コストも高くなるといった課題があった。
上記従来の課題を解決するために、本発明による膜電極接合体は、アニオン交換樹脂とアンモニア分解触媒とを有するアンモニア分解触媒層を備える。
これにより、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへのアンモニアの特異吸着を防止することができる。その結果、アンモニアによる電池電圧の低下を抑制することができる。
本発明の膜電極接合体および燃料電池は、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、カソードへのアンモニアの特異吸着を防止することができ、アンモニアによる電池電圧の低下を抑制することができる。また、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態1にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態2にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態3にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態4にかかる燃料電池の分解断面側面図 本発明の実施の形態4にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態5にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態6にかかる燃料電池の分解断面側面図 本発明の実施の形態6にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態7にかかる燃料電池の分解断面側面図 本発明の実施の形態7にかかる燃料電池の概略構成の断面図 本発明の実施の形態8にかかる燃料電池の分解断面側面図 本発明の実施の形態8にかかる燃料電池の概略構成の断面図
第1の発明は、高分子電解質膜と、高分子電解質膜の一方の表面に設けられたアノードと、高分子電解質膜の他方の表面に設けられたカソードと、を備えた膜電極接合体であって、膜電極接合体はアニオン交換樹脂とアンモニア分解触媒とを有するアンモニア分解触媒層を備える構成とする。
これにより、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、アンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへのアンモニアの特異吸着を防止する。
第2の発明は、特に、第1の発明の高分子電解質膜の表面もしくは内部にアンモニア分解触媒層を有する構成とする。これにより、アンモニアを含む燃料ガスがアノードに供給される場合であっても、高分子電解質膜に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソード触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができる。
第3の発明は、特に、第1〜2のいずれか1つの発明のアニオン交換樹脂をアンモニア分解触媒に被覆するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。また、安価な金属をアンモニア分解触媒として用いることができる。
第4の発明は、特に、第1〜3のいずれか1つの発明のアンモニア分解触媒層にカチオン交換樹脂を有する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒層のプロトン導電性を向上させることができる。
第5の発明は、特に、第4の発明のカチオン交換樹脂をアニオン交換樹脂と接するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒層のプロトンネットワークの連結性が向上するため、プロトン導電性を更に向上させることができる。また、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂が接する位置に配置することで、カチオン交換樹脂に拡散したアンモニアについても分解することができるため、アンモニア除去率を向上させることができる。
第6の発明は、特に、第1〜5のいずれか1つの発明のアンモニア分解触媒を、アンモニア分解触媒粒子が担体に担持された構成とするものである。これにより、アンモニア分解触媒の凝集や偏析を防止することができ、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
第7の発明は、特に、第1〜6のいずれか1つの発明のアンモニア分解触媒もしくはアンモニア分解触媒粒子を、Ni、Co、Cr、CuおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素とする構成とする。これにより、アンモニア分解触媒を安価な非貴金属触媒とすることで、材料コストおよび材料使用量を低減することができる。
第8の発明は、特に、第1〜7のいずれか1つの発明のアンモニア分解触媒層を膜電極接合体の特定の電位領域のみに位置する構成とする。これにより、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層におけるアンモニアの分解反応速度およびアンモニアの分解生成物である窒素酸化物の生成量を制御することができる。
第9の発明は、特に、第8の発明のアンモニア分解触媒層を、アノードの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置する構成とする。これにより、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層におけるアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
第10の発明は、特に、第8の発明のアンモニア分解触媒層をアノードの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域に位置する構成とする。これにより、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層におけるアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させると共に、アンモニアの分解生成物である窒素酸化物の生成量を低減することができる。
第11の発明は、特に、第1〜10のいずれか1つの発明の膜電極接合体を、アノードと対向するように配置されたアノードセパレータとカソードと対向するように配置されたカソードセパレータによって挟んで構成される少なくとも一つのセルを含む燃料電池とする。
これにより、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへのアンモニアの特異吸着を低減することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
第12の発明は、特に、第11の発明のアンモニア分解触媒層を燃料電池の発電時もしくは非発電時に、アノードの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置する構成とする。
これにより、燃料電池の発電時もしくは非発電時における膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層におけるアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができるため、高濃度のアンモニアが連続的に燃料電池に供給される場合であって
も、カソードへのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
第13の発明は、特に、第11の発明のアンモニア分解触媒層を燃料電池の発電時もしくは非発電時に、アノードの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域に位置する構成とする。
これにより、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層におけるアンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させると共に、アンモニアの分解生成物である窒素酸化物の生成量を低減することができるため、高濃度のアンモニアが燃料電池に連続的に供給される場合であっても、カソードへのアンモニアおよび窒素酸化物の特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号を付し、重複する説明は省略する。なお、本実施形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1にかかる燃料電池の概略構成の断面図である。
図1に示す燃料電池100は、膜電極接合体90とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池100が複数積層されることで、燃料電池スタック(不図示)が構成される。
アノード側セパレータ70aの膜電極接合体90に臨む面には、燃料ガス流路71aが設けられ、カソード側セパレータ70bの膜電極接合体90に臨む面には、酸化剤ガス流路71bが設けられている。膜電極接合体90は、アンモニア分解触媒層80を表面に有する高分子電解質膜10と、高分子電解質膜10を挟持するアノード60aとカソード60bとを備える。
燃料電池100は、アノード60aに供給される燃料ガスと、カソード60bに供給される酸化剤ガスとの反応により発電を行う。酸化剤ガスは、空気を用いる。
燃料ガスは、燃料改質器(不図示)に都市ガスを原燃料として供給し、水蒸気改質反応により生成される水素含有ガスを用いる。都市ガスとは、ガス会社から配管を通じて各家庭等に供給されるガスをいう。この都市ガス中には、微量の窒素が含まれており、窒素と生成した水素とが反応し、アンモニアが生成される。
アンモニアを含んだ燃料ガスがアノード60aに供給されると、アンモニアがアノード60aおよび高分子電解質膜10に拡散する。拡散したアンモニアは膜電極接合体90に設けられたアンモニア分解触媒層80にてアンモニアが分解されるため、カソード60bの触媒へのアンモニアの特異吸着および電池電圧の低下を防止することができる。
アンモニア分解触媒層80のアルカリ性雰囲気におけるアンモニアの分解反応は、アノード60aの電位に対して0.45V以上高い電位で起こることを実験的に確認した。また、アノード60aの電位に対して0.45V以上1.00V未満の電位領域では、アンモニア分解触媒層80の電位の上昇に伴って、アンモニアの分解反応速度が増加することを実験的に確認した。
具体的には、アンモニアが、カソード60bの触媒に特異吸着した状態で、飽和加湿条
件の不活性雰囲気におけるボルタモグラムを評価した結果、アノード60aの電位に対して0.45V以上高い電位領域から、アンモニアの分解反応に由来する酸化電流が観測された。また、アンモニア分解触媒層の電位の上昇に伴って、アンモニアの分解反応に由来する酸化電流の増加が観測されたためである。
また、上記実験において、アンモニアの分解反応は、飽和加湿条件の不活性雰囲気下で進行していることから、触媒に特異吸着したアンモニアが、触媒上に吸着した水および水酸化物と反応することで、アンモニアが酸化分解されたと考えられる。
また、アンモニア分解触媒層80におけるアンモニア分解生成物は、アノード60aの電位に対して0.80V以下の電位領域では窒素が生成されるが、アノード60aの電位に対して0.80V以上の電位領域では、窒素酸化物が生成される。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層80を有する膜電極接合体90についてより詳細に説明する。
アンモニア分解触媒層80は、アンモニア分解触媒20とカチオン交換樹脂30とアニオン交換樹脂40とを備える。この構成により、アンモニア分解触媒層80にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層80を有する膜電極接合体90のプロトン導電性の低下を抑制することができる。
アンモニア分解触媒層80は、高分子電解質膜10のカソード側最表面に設けられており、且つ、カソード60bと接触する位置に設けられている。高分子電解質膜10のカソード側最表面にアンモニア分解触媒層80を設けることにより、アンモニア分解触媒層80の電位をカソードの電位と同等の電位に保持できる。
その結果、アンモニアを含む燃料ガスがアノード60aに供給される場合であっても、高分子電解質膜10に設けられたアンモニア分解触媒層80にてアンモニアが分解されるため、カソード60bの触媒へのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
より具体的には、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池100を運転する。また、高分子電解質膜10は、パーフルオロスルホン酸高分子電解質膜とする。
また、アンモニア分解触媒層80を構成するアンモニア分解触媒20は、Ptとする。また、カチオン交換樹脂30は、パーフルオロスルホン酸とする。また、アニオン交換樹脂40は、ポリエーテルアンモニウム共重合体とする。この構成により、アノード60aの電位に対して0.45V以上高い電位領域にアンモニア分解触媒層80を設けることができ、アンモニア分解触媒層80の反応速度およびアンモニア除去率を向上させる。
以上のように、本実施の形態では、アンモニアを含む燃料ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、高分子電解質膜の最表面に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アンモニア分解触媒層にカチオン交換樹脂を有する構成とすることで、アンモニア分解触媒層のプロトン導電性を向上することができる。また、アンモニア分解触媒層を燃料電池の発電時にアノードの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置する構成
とすることで、アンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
なお、本実施の形態においては、原燃料を、都市ガスとしたが、これ以外にも、天然ガス、LPG、LNG等の炭化水素や、メタノール、エタノール等を用いることもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒層80が高分子電解質膜10のカソード側最表面に設けられているが、これ以外にも、高分子電解質膜10のアノード側最表面にアンモニア分解触媒層80を設けることもできる。
また、本実施の形態においては、高分子電解質膜10をパーフルオロスルホン酸としたが、これ以外にも、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒20にPtを用いたが、Ru、Cr、Ni、Co、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)でも構わない。また、担体に担持されたアンモニア分解触媒でもよい。
また、本実施の形態においては、カチオン交換樹脂30をパーフルオロスルホン酸としたが、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態においては、アニオン交換樹脂40をポリエーテルアンモニウム共重合体としたが、スチレン−ビニルベンジルリアルキルアンモニウム共重合体や、N,N−ジアルキルアルキレンアンモニウム、ポリビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、ポリビニルアルキルトリアルキルアンモニウム、アルキレン−ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体とすることもできる。
また、本実施の形態においては、カチオン交換樹脂30とアニオン交換樹脂40とが接しない位置に配置されているが、カチオン交換樹脂30とアニオン交換樹脂40とが接する位置に配置することもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒層80を高分子電解質膜10の表面に設けたが、これ以外にも、高分子電解質膜10の内部に設けることもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒層80を燃料電池100の発電時にアノード60aの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置させたが、起動時もしくは停止時などの非発電時に、0.45V以上高い電位領域に位置させても構わない。また、発電時および非発電時にアノード60aの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域や、その他の電位領域に設けることもできる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態2にかかる燃料電池の概略構成の断面図である。図2において、実施の形態1と同じ構成部材には、同じ符号を付与し、詳細説明は省略する。
図2に示す燃料電池101は、膜電極接合体91とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池101が複数積層されることで、燃料電池スタック(不図示)が構成される。膜電極接合体91は、アンモニア分解触媒層81を内部に有する高分子電解質膜11と、高分子電解質膜11を挟持するアノード60aとカソード60bとを備える。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層81を有する膜電極接合体91について説明する。
アンモニア分解触媒層81は、アンモニア分解触媒21とカチオン交換樹脂31とアニオン交換樹脂41とを備える。この構成により、アンモニア分解触媒層81にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層81を有する膜電極接合体91のプロトン導電性の低下を抑制することができる。
アニオン交換樹脂41は、アンモニア分解触媒21を被覆するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒21をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒21の耐久性を向上させることができる。
カチオン交換樹脂31は、アニオン交換樹脂41で被覆されたアンモニア分解触媒21と接するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒21のプロトンネットワークの連結性が向上するため、プロトン導電性を更に向上させることができる。
また、カチオン交換樹脂31とアニオン交換樹脂41が接する位置に配置することで、カチオン交換樹脂31に拡散したアンモニアについても分解することができるため、アンモニア除去率を向上させることができる。
アンモニア分解触媒層81は、燃料電池101の発電時に、アノード60aの電位に対して0.45V以上高い電位領域に設けられている。
アンモニア分解触媒層81の電位(E)は、下記のネルンスト式で表される。
E=E−RT/2F×ln{a(HO)/(a(H×a(O1/2)}
上記のRは気体定数、Tは温度、Fはファラデー定数、Eは標準電位、a(HO)は水の活量、a(H)はプロトンの活量、a(O)は酸素の活量である。
より具体的には、水素ガス透過係数が6.5×10−9cm(STD)cmcm−2−1cmHg−1(測定条件80℃、90%RH)および酸素ガス透過係数が3.5×10−9 cm(STD)cm cm−2−1 cmHg−1(測定条件80℃、90%RH)の膜厚20μmを有する高分子電解質膜11を用いて、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池101を運転する。
アンモニア分解触媒層81は、アノード側の高分子電解質膜11の最表面から、高分子電解質膜11の厚み方向に17μm〜19μmの位置に設けることとする。また、高分子電解質膜11は、パーフルオロスルホン酸高分子電解質膜とする。また、アンモニア分解触媒層81を構成するアンモニア分解触媒21は、CrNi合金とする。また、カチオン交換樹脂31は、パーフルオロスルホン酸とする。
また、アニオン交換樹脂41は、ポリエーテルアンモニウム共重合体とする。この構成
により、アノード60aの電位に対して0.45V以上高い電位領域にアンモニア分解触媒層81を設けることができ、アンモニア分解触媒層81の反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態では、アンモニアを含む燃料ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、高分子電解質膜の内部に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アニオン交換樹脂をアンモニア分解触媒に被覆することで、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上することができる。また、アンモニア分解触媒層にカチオン交換樹脂を有する構成とすることで、アンモニア分解触媒層のプロトン導電性を向上することができる。
また、カチオン交換樹脂をアニオン交換樹脂と接するように位置する構成とするアンモニア分解触媒層のプロトンネットワークの連結性が向上するため、プロトン導電性を更に向上させることができる。また、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂が接する位置に配置することで、カチオン交換樹脂に拡散したアンモニアについても分解することができるため、アンモニア除去率を向上させることができる。
また、アンモニア分解触媒を非貴金属触媒とすることで、材料コストおよび材料使用量を低減することができる。また、アンモニア分解触媒層を燃料電池の発電時にアノードの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域に位置する構成とすることで、アンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
アンモニアの分解生成物である窒素酸化物の生成量を低減することができるため、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
本実施の形態は、アンモニア分解触媒21に、CrNi合金を用いたが、Pt、Ru、Co、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)を用いることもでき、担体に担持されたアンモニア分解触媒でも構わない。
また、本実施の形態においては、高分子電解質膜11をパーフルオロスルホン酸としたが、これ以外にも、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態においては、カチオン交換樹脂31をパーフルオロスルホン酸としたが、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態においては、アニオン交換樹脂41をポリエーテルアンモニウム共重合体としたが、スチレン−ビニルベンジルリアルキルアンモニウム共重合体や、N,N−ジアルキルアルキレンアンモニウム、ポリビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、
ポリビニルアルキルトリアルキルアンモニウム、アルキレン−ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体とすることもできる。
また、本実施の形態においては、カチオン交換樹脂31をアニオン交換樹脂41と接するように位置する構成としたが、これ以外にも、カチオン交換樹脂31をアニオン交換樹脂41と接触しない位置に配置することもできる。また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒層81を高分子電解質膜11の内部に設けたが、これ以外にも、高分子電解質膜11の最表面に設けることもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒層81を燃料電池101の発電時にアノード60aの電位に対して0.45〜0.80V高い電位領域に位置させたが、起動時もしくは停止時などの非発電時に、0.45V〜0.80V高い電位領域に位置させても構わず、また、発電時および非発電時にアノード60aの電位に対して0.45V以上高い電位領域や、その他の電位領域に設けることもできる。
(実施の形態3)
図3は、本発明の実施の形態3にかかる燃料電池の概略構成の断面図である。図3において、実施の形態1と同じ構成部材には、同じ符号を付与し、詳細説明は省略する。
図3に示す燃料電池102は、膜電極接合体92とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池102が複数積層されることで、燃料電池スタック(不図示)が構成される。膜電極接合体92は、アンモニア分解触媒層82を有する高分子電解質膜12と、高分子電解質膜12を挟持するアノード60aとカソード60bとを備える。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層82を有する膜電極接合体92について説明する。
アンモニア分解触媒層82は、担体50に担持されたアンモニア分解触媒粒子110とカチオン交換樹脂31とアニオン交換樹脂41とを備える。この構成により、アンモニア分解触媒粒子110の凝集や偏析を防止することができ、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
また、アンモニア分解触媒層82にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層82を有する膜電極接合体92のプロトン導電性の低下を抑制することができる。
アニオン交換樹脂41は、担体50およびアンモニア分解触媒粒子110を被覆するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
カチオン交換樹脂31は、アニオン交換樹脂41で被覆されたアンモニア分解触媒粒子110および担体50と接するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒層82のプロトンネットワークの連結性が向上するため、プロトン導電性を更に向上させることができる。
また、カチオン交換樹脂31とアニオン交換樹脂41が接する位置に配置することで、カチオン交換樹脂31に拡散したアンモニアについても分解することができるため、アンモニア除去率を向上させることができる。
より具体的には、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池102を運転する。また、高分子電解質膜12は、パーフルオロスルホン酸高分子電解質膜とする。
また、アンモニア分解触媒層82を構成する担体50に担持されたアンモニア分解触媒粒子110は、酸化ジルコニウムに分散担持されたCrNi合金とする。また、カチオン交換樹脂31は、パーフルオロスルホン酸とする。また、アニオン交換樹脂41は、ポリエーテルアンモニウム共重合体とする。この構成により、アンモニア分解触媒層82の反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
以上のように、本実施の形態では、アンモニアを含む燃料ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、高分子電解質膜の内部に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへのアンモニアの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アニオン交換樹脂をアンモニア分解触媒に被覆することで、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上することができる。また、担体に担持されたアンモニア分解触媒粒子を有する構成とすることで、アンモニア分解触媒粒子の凝集や偏析を防止することができ、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
また、アンモニア分解触媒層にカチオン樹脂を有する構成とすることで、アンモニア分解触媒層のプロトン導電性を向上することができる。また、カチオン交換樹脂をアニオン交換樹脂と接するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒層のプロトンネットワークの連結性が向上するため、プロトン導電性を更に向上させることができる。
また、カチオン交換樹脂とアニオン交換樹脂が接する位置に配置することで、カチオン交換樹脂に拡散したアンモニアについても分解することができるため、アンモニア除去率を向上させることができる。また、アンモニア分解触媒を非貴金属触媒とすることで、材料コストおよび材料使用量を低減することができる。その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
なお、本実施の形態では、高分子電解質膜12にパーフルオロスルホン酸を用いたが、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーを用いても構わない。
本実施の形態では、アンモニア分解触媒粒子110にCrNi合金を用いたが、Pt、Ru、Co、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)とすることもできる。
また、本実施の形態では、担体50の材料を酸化ジルコニウムとしたが、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物や、炭素粉末(グラファイト、カーボンブラック、活性炭等)でも構わない。
また、本実施の形態では、カチオン交換樹脂31をパーフルオロスルホン酸としたが、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態においては、アニオン交換樹脂41をポリエーテルアンモニウム共重合体としたが、スチレン−ビニルベンジルリアルキルアンモニウム共重合体や、N,N−ジアルキルアルキレンアンモニウム、ポリビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、ポリビニルアルキルトリアルキルアンモニウム、アルキレン−ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体とすることもできる。
また、本実施の形態においては、カチオン交換樹脂31をアニオン交換樹脂41と接するように位置する構成としたが、これ以外にも、カチオン交換樹脂31をアニオン交換樹脂41と接触しない位置に配置することもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒層82を高分子電解質膜12の内部に設けたが、これ以外にも、高分子電解質膜12の最表面に設けることもできる。
(実施の形態4)
図4は、本発明の実施の形態4にかかる燃料電池の分解断面側面図である。図5は、本発明の実施の形態4にかかる燃料電池の概略構成の断面図である。図4、図5において、実施の形態1と同じ構成部材には、同じ符号を付与し、詳細説明は省略する。
図4、図5に示す燃料電池103は、膜電極接合体93とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池103が複数積層されることで、燃料電池スタック(不図示)が構成される。膜電極接合体93は、高分子電解質膜13を挟持するアノード61aとカソード61bとを備え、アンモニア分解触媒層83をカソード61bの高分子電解質膜側最表面に設けられている。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層83を有する膜電極接合体93について説明する。
アンモニア分解触媒層83は、アンモニア分解触媒21とアニオン交換樹脂41とから構成される。
また、図4、図5に示す様に、カソード61bの高分子電解質膜側最表面に形成されたアンモニア分解触媒層83は、アンモニア分解触媒層83を有するカソード61bと高分子電解質膜13とを圧着することで、アンモニア分解触媒層83の空隙にカソード61bアンモニア分解触媒層83の空隙が充填されることで、アンモニア分解触媒層83にプロトン導電性を付与することができる。
アニオン交換樹脂41は、アンモニア分解触媒21を被覆するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
より具体的には、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池103を運転する。また、高分子電解質膜13は、パーフルオロスルホン酸高分子電解質膜とする。また、アンモニア分解触媒層83を構成するアンモニア分解触媒21は、Ptと
する。
また、アニオン交換樹脂41は、ポリエーテルアンモニウム共重合体とする。この構成により、アノード61aの電位に対して0.45V以上高い電位領域にアンモニア分解触媒層83を設けることができ、アンモニア分解触媒層83の反応速度およびアンモニア除去率を向上させことができ、効果的にアンモニアを除去することができる。
以上のように、本実施の形態では、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アニオン交換樹脂をアンモニア分解触媒に被覆することで、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上することができる。また、アンモニア分解触媒層を燃料電池の発電時にアノードの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置する構成とすることで、アンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
また、本実施の形態においては、高分子電解質膜13をパーフルオロスルホン酸としたが、これ以外にも、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒21にPtを用いたが、Ru、Cr、Ni、Co、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)でも構わず、担体に担持されたアンモニア分解触媒でも構わない。
また、本実施の形態においては、アニオン交換樹脂41をポリエーテルアンモニウム共重合体としたが、スチレン−ビニルベンジルリアルキルアンモニウム共重合体や、N,N−ジアルキルアルキレンアンモニウム、ポリビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、ポリビニルアルキルトリアルキルアンモニウム、アルキレン−ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体とすることもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒層83を高分子電解質膜側のカソード最表面に設けたが、これ以外にも、高分子電解質膜側のアノード最表面、アノードセパレータ側のアノード61aの最表面、カソードセパレータ側のカソードの61b最表面とすることもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒層83を燃料電池103の発電時にアノード61aの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置する構成としたが、これ以外にも、起動時もしくは停止時などの非発電時に、0.45V以上高い電位領域に位置する構成とすることもできる。また、発電時および非発電時にアノード61aの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域や、その他の電位領域に設けることもできる。
(実施の形態5)
図6は、本発明の実施の形態5にかかる燃料電池の概略構成の断面図である。図6において、実施の形態1と同じ構成部材には、同じ符号を付与し、詳細説明は省略する。
図6に示す燃料電池104は、膜電極接合体94とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池104が複数積層されることで、燃料電池スタック(不図示)が構成される。膜電極接合体94は、高分子電解質膜13を挟持するアノード61aとカソード61bとを備え、アンモニア分解触媒層84をカソード61bのセパレータ側最表面に設けられている。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層84を有する膜電極接合体94について説明する。
アンモニア分解触媒層84は、アンモニア分解触媒21とアニオン交換樹脂42とから構成される。より具体的には、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池104を運転する。また、高分子電解質膜13は、パーフルオロスルホン酸高分子電解質膜とする。
また、アンモニア分解触媒層84を構成するアンモニア分解触媒21は、Ptとする。また、アニオン交換樹脂42は、ポリエーテルアンモニウム共重合体とする。この構成により、アノード61aの電位に対して0.45V以上高い電位領域にアンモニア分解触媒層84を設けることができ、アンモニア分解触媒層84の反応速度およびアンモニア除去率を向上させことができ、効果的にアンモニアを除去することができる。
以上のように、本実施の形態では、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アンモニア分解触媒層を燃料電池の発電時にアノードの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置する構成とすることで、アンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
また、本実施の形態においては、高分子電解質膜13をパーフルオロスルホン酸としたが、これ以外にも、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
本実施の形態では、アンモニア分解触媒21にPtを用いたが、Ru、Cr、Ni、Co、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)でも構わず、また、担体に担持されたアンモニア分解触媒21でも構わない。
また、本実施の形態においては、アニオン交換樹脂42をポリエーテルアンモニウム共重合体としたが、スチレン−ビニルベンジルリアルキルアンモニウム共重合体や、N,N−ジアルキルアルキレンアンモニウム、ポリビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、ポリビニルアルキルトリアルキルアンモニウム、アルキレン−ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体とすることもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒21とアニオン交換樹脂42とから構成されているが、これ以外にも、アンモニア分解触媒21とアニオン交換樹脂42とカチオン交換樹脂から構成することもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒層84をセパレータ側のカソード最表面に設けたが、これ以外にも、高分子電解質膜側のアノード最表面、アノードセパレータ側のアノード61aの最表面、高分子電解質膜側のカソードの61b最表面とすることもできる。
また、本実施の形態で、アンモニア分解触媒層84を燃料電池104の発電時にアノード61aの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置させたが、起動時もしくは停止時などの非発電時に、0.45V以上高い電位領域に位置させることもできる。また、発電時および非発電時にアノード61aの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域や、その他の電位領域に設けることもできる。
(実施の形態6)
図7は、本発明の実施の形態6にかかる燃料電池の分解断面側面図である。図8は、本発明の実施の形態6にかかる燃料電池の概略構成の断面図である。図7、図8において、実施の形態1と同じ構成部材には、同じ符号を付与し、詳細説明は省略する。
図7、図8に示す燃料電池105は、膜電極接合体95とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池105が複数積層されることで、燃料電池スタック(不図示)が構成される。膜電極接合体95は、高分子電解質膜13を挟持するアノード62aとカソード62bとを備え、アンモニア分解触媒層85をカソード62bの高分子電解質膜側最表面に設けられている。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層85を有する膜電極接合体95について説明する。
アンモニア分解触媒層85は、担体50に担持されたアンモニア分解触媒粒子110とアニオン交換樹脂41とを備えており、この構成により、アンモニア分解触媒粒子110の凝集や偏析を防止することができ、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
アニオン交換樹脂41は、担体50およびアンモニア分解触媒粒子110を被覆するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
また、図7に示す様に、カソード62bの高分子電解質膜側最表面に形成されたアンモニア分解触媒層85は、アンモニア分解触媒層85を有するカソード62bと高分子電解質膜13とを圧着することで、アンモニア分解触媒層85の空隙にカソード62bアンモニア分解触媒層85の空隙が充填されることで、アンモニア分解触媒層85にプロトン導電性を付与することができる。
より具体的には、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池105を運転する。また、高分子電解質膜13は、パーフルオロスルホン酸高分子電解質膜とする。また、アンモニア分解触媒層85を構成する担体50に担持されたアンモニア分解触媒粒子110は、酸化ジルコニウムに分散担持されたCrNi合金とする。
また、アニオン交換樹脂41は、ポリエーテルアンモニウム共重合体とする。この構成により、アノード62aの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域にアンモニア分解触媒層85を設けることができ、アンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。また、アンモニアの分解生成物である窒素酸化物の生成量を低減することができるため、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。
以上のように、本実施の形態では、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。
また、アニオン交換樹脂をアンモニア分解触媒に被覆することで、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上することができる。また、担体に担持されたアンモニア分解触媒粒子を有する構成とすることで、アンモニア分解触媒粒子の凝集や偏析を防止することができ、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
また、アンモニア分解触媒を非貴金属触媒とすることで、材料コストおよび材料使用量を低減することができる。また、アンモニア分解触媒層を燃料電池の発電時にアノードの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域に位置する構成とすることで、アンモニア分解反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができる。
さらに、アンモニアの分解生成物である窒素酸化物の生成量を低減することができるため、窒素酸化物による電池電圧の低下を抑制することができる。その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
また、本実施の形態では、高分子電解質膜13をパーフルオロスルホン酸としたが、これ以外にも、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒粒子110を、CrNi合金としたが、これ以外にも、Pt、Ru、Co、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)とすることもできる。
また、本実施の形態では、担体50の材料を酸化ジルコニウムとしたが、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物や、炭素粉末(グラファイト、カーボンブラック、活性炭等)とすることもできる。
また、本実施の形態においては、アニオン交換樹脂41をポリエーテルアンモニウム共重合体としたが、スチレン−ビニルベンジルリアルキルアンモニウム共重合体や、N,N−ジアルキルアルキレンアンモニウム、ポリビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、ポリビニルアルキルトリアルキルアンモニウム、アルキレン−ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体とすることもできる。
また、本実施の形態においては、担体50に担持されたアンモニア分解触媒粒子110
とアニオン交換樹脂41とから構成されているが、これ以外にも、担体50に担持されたアンモニア分解触媒粒子110とアニオン交換樹脂42とカチオン交換樹脂から構成することもできる。
また、本実施の形態においては、アンモニア分解触媒層85を高分子電解質膜側のカソード最表面に設けたが、これ以外にも、高分子電解質膜側のアノード最表面、アノードセパレータ側のアノード62aの最表面、カソードセパレータ側のカソードの62b最表面とすることもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒層85を燃料電池105の発電時にアノード62aの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域に位置させたが、これ以外にも、起動時もしくは停止時などの非発電時に、0.45V〜0.80V高い電位領域に位置する構成とすることもできる。また、発電時および非発電時にアノード62aの電位に対して0.45V以上高い電位領域や、その他の電位領域に設けることもできる。
(実施の形態7)
図9は、本発明の実施の形態7にかかる燃料電池の分解断面側面図である。図10は、本発明の実施の形態7にかかる燃料電池の概略構成の断面図である。図9、図10において、実施の形態1と同じ構成部材には、同じ符号を付与し、詳細説明は省略する。
図9、図10に示す燃料電池106は、膜電極接合体96とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池106が複数積層されて、燃料電池スタック(不図示)が構成される。膜電極接合体96は、高分子電解質膜13を挟持するアノード63aとカソード63bとを備え、アンモニア分解触媒層86をカソード63bの高分子電解質膜側最表面に設けられている。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層86を有する膜電極接合体96について説明する。
アンモニア分解触媒層86は、アンモニア分解触媒21とカチオン交換樹脂31とアニオン交換樹脂41とから構成される。これにより、アンモニア分解触媒層86にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層86を有する膜電極接合体96のプロトン導電性の低下を抑制することができる。
アニオン交換樹脂41は、アンモニア分解触媒21を被覆するように位置する構成とする。これにより、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上させることができる。
より具体的には、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池106を運転する。また、高分子電解質膜13は、パーフルオロスルホン酸高分子電解質膜とする。また、アンモニア分解触媒層86を構成するアンモニア分解触媒21は、CrNi合金とする。
また、カチオン交換樹脂31は、パーフルオロスルホン酸とする。また、アニオン交換樹脂41は、ポリエーテルアンモニウム共重合体とする。この構成により、アンモニア分解触媒層86の反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができ、効果的にアンモニアを除去することができる。
以上のように、本実施の形態では、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給さ
れる場合であっても、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。また、アンモニア分解触媒層にカチオン交換樹脂を有する構成とすることで、アンモニア分解触媒層のプロトン導電性を向上することができる。
また、アニオン交換樹脂をアンモニア分解触媒に被覆することで、アンモニア分解触媒をアルカリ性雰囲気に保持することができるため、アンモニア分解触媒の耐久性を向上することができる。また、アンモニア分解触媒を非貴金属触媒とすることで、材料コストおよび材料使用量を低減することができる。その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
また、本実施の形態においては、高分子電解質膜13をパーフルオロスルホン酸としたが、これ以外にも、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒21にCrNi合金を用いたが、Pt、Ru、Co、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)でも構わず、担体に担持されたアンモニア分解触媒でも構わない。
また、本実施の形態においては、カチオン交換樹脂31をパーフルオロスルホン酸としたが、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態においては、アニオン交換樹脂41をポリエーテルアンモニウム共重合体としたが、スチレン−ビニルベンジルリアルキルアンモニウム共重合体や、N,N−ジアルキルアルキレンアンモニウム、ポリビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、ポリビニルアルキルトリアルキルアンモニウム、アルキレン−ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体とすることもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒層86を高分子電解質膜側のカソード最表面に設けたが、高分子電解質膜側のアノード最表面、アノードセパレータ側のアノード63aの最表面、カソードセパレータ側のカソードの63b最表面でもよい。また、発電時および非発電時にアノード63aの電位に対して0.45V以上高い電位領域や、0.45V〜0.80V高い電位領域や、その他の電位領域に設けることもできる。
(実施の形態8)
図11は、本発明の実施の形態8にかかる燃料電池の分解断面側面図である。また、図12は、本発明の実施の形態8にかかる燃料電池の概略構成の断面図である。
図11、図12において、実施の形態1と同じ構成部材には、同じ符号を付与し、詳細説明は省略する。図11、12に示す燃料電池107は、膜電極接合体97とアノード側セパレータ70aとカソード側セパレータ70bとが積層されている。この積層方向に燃料電池107が複数積層されることで、燃料電池スタック(不図示)が構成される。
膜電極接合体97は、高分子電解質膜13を挟持するアノード64aとカソード64bとを備え、アンモニア分解触媒層87をカソード64bの高分子電解質膜側最表面に設けられている。
ここで、本実施の形態における、アンモニア分解触媒層87を有する膜電極接合体97について説明する。
アンモニア分解触媒層87は、アンモニア分解触媒20とカチオン交換樹脂30とアニオン交換樹脂40とから構成される。これにより、アンモニア分解触媒層87にプロトン導電性を付与することができ、アンモニア分解触媒層87を有する膜電極接合体97のプロトン導電性の低下を抑制することができる。
より具体的には、燃料ガスの露点が77℃、酸化剤ガスの露点が77℃、燃料電池運転温度が80℃、燃料ガスの利用率が80%、酸素含有ガスの利用率が50%で燃料電池106を運転する。また、高分子電解質膜13は、パーフルオロスルホン酸高分子電解質膜とする。
また、アンモニア分解触媒層87を構成するアンモニア分解触媒20は、Ptとする。また、アニオン交換樹脂40は、ポリエーテルアンモニウム共重合体とする。この構成により、アンモニア分解触媒層87の反応速度およびアンモニア除去率を向上させることができ、効果的にアンモニアを除去することができる。
以上のように、本実施の形態では、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、膜電極接合体に設けられたアンモニア分解触媒層にてアンモニアが分解されるため、カソードへの特異吸着を防止することができ、電池電圧の低下を抑制することができる。また、アンモニア分解触媒層にカチオン交換樹脂を有する構成とすることで、アンモニア分解触媒層のプロトン導電性を向上することができる。
その結果、燃料電池システムを小型化、簡素化および低コスト化することができる。
また、本実施の形態では、高分子電解質膜13をパーフルオロスルホン酸としたが、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒20にPtを用いたが、Pt、Ru、Co、Ir、Cu、Pd、RhおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む金属触媒や、酸化物系触媒(酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸窒化タンタル、酸化イリジウム複合酸化物等)、錯体系触媒(鉄ポルフィリン錯体、コバルトポルフィリン錯体等)でも構わず、また、担体に担持されたアンモニア分解触媒でも構わない。
また、本実施の形態においては、カチオン交換樹脂30をパーフルオロスルホン酸としたが、ビニル系ポリマーのスルホン化物やポリベンゾイミダゾール、ポリエーテルエーテルケトン等の、耐熱性高分子にスルホン酸基又はリン酸基を導入したポリマーや、フェニレン連鎖からなる芳香族化合物を重合して得られる剛直ポリフェニレンを主成分として、これにスルホン酸基を導入したポリマーとすることもできる。
また、本実施の形態においては、アニオン交換樹脂40をポリエーテルアンモニウム共重合体としたが、スチレン−ビニルベンジルリアルキルアンモニウム共重合体や、N,N
−ジアルキルアルキレンアンモニウム、ポリビニルベンジルトリアルキルアンモニウム、ポリビニルアルキルトリアルキルアンモニウム、アルキレン−ビニルベンジルトリアルキルアンモニウム共重合体とすることもできる。
また、本実施の形態においては、カチオン交換樹脂30とアニオン交換樹脂40とが接触しない位置に配置されているが、カチオン交換樹脂30とアニオン交換樹脂40とが接する位置に配置することもできる。
また、本実施の形態では、アンモニア分解触媒層87を高分子電解質膜側のカソード最表面に設けたが、高分子電解質膜側のアノード最表面、アノードセパレータ側のアノード64aの最表面、カソードセパレータ側のカソードの64b最表面でもよい。また、発電時および非発電時にアノード64aの電位に対して0.45V以上高い電位領域や、0.45V〜0.80V高い電位領域や、その他の電位領域に設けることもできる。
本発明の膜電極接合体は、アンモニアを含む反応ガスが膜電極接合体に供給される場合であっても、カソードへのアンモニアの特異吸着を防止することができ、アンモニアによる電池電圧の低下を抑制することができるので、ポータブル電源、携帯機器用電源、電気自動車用電源、家庭内コージェネレーションシステム等に使用する高分子電解質を用いた燃料電池に適用できる。
10,11,12,13 高分子電解質膜
20,21 アンモニア分解触媒
30,31 カチオン交換樹脂
40,41,42 アニオン交換樹脂
50 担体
60a,61a,62a,63a,64a アノード
60b,61b,62b,63b,64b カソード
70a アノード側セパレータ
70b カソード側セパレータ
71a 燃料ガス流路
71b 酸化剤ガス流路
80,81,82,83,84,85,86,87 アンモニア分解触媒層
90,91,92,93,94,95,96,97 膜電極接合体
100,101,102,103,104,105,106,107 燃料電池
110 アンモニア分解触媒粒子

Claims (13)

  1. 高分子電解質膜と、前記高分子電解質膜の一方の表面に設けられたアノードと、前記高分子電解質膜の他方の表面に設けられたカソードと、を備えた膜電極接合体であって、
    前記膜電極接合体にアニオン交換樹脂とアンモニア分解触媒とを有するアンモニア分解触媒層を備える、膜電極接合体。
  2. 前記高分子電解質膜の表面もしくは内部に、前記アンモニア分解触媒層を有する、請求項1に記載の膜電極接合体。
  3. 前記アニオン交換樹脂は、前記アンモニア分解触媒を被覆するように位置している、請求項1または2に記載の膜電極接合体。
  4. 前記アンモニア分解触媒層は、さらにカチオン交換樹脂を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  5. 前記カチオン交換樹脂は、前記アニオン交換樹脂と接するように位置している、請求項4に記載の膜電極接合体。
  6. 前記アンモニア分解触媒は、アンモニア分解触媒粒子が担体に担持された構成である、請求項1から4のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  7. 前記アンモニア分解触媒もしくは前記アンモニア分解触媒粒子は、Ni、Co、Cr、CuおよびMnからなる群から選ばれる、いずれか1以上の元素を含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  8. 前記アンモニア分解触媒層は、前記膜電極接合体の特定の電位領域のみに位置する、請求項1から6のいずれか1項に記載の膜電極接合体。
  9. 前記アンモニア分解触媒層は、前記アノードの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置する、請求項7に記載の膜電極接合体。
  10. 前記アンモニア分解触媒層は、前記アノードの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域に位置する、請求項7に記載の膜電極接合体。
  11. 請求項1から9のいずれか1項に記載の膜電極接合体を、前記アノードと対向するように配置されたアノードセパレータと前記カソードと対向するように配置されたカソードセパレータによって挟んで構成される少なくとも一つのセルを含むことを特徴とする燃料電池。
  12. 前記アンモニア分解触媒層は、前記燃料電池の発電時もしくは非発電時に、前記アノードの電位に対して0.45V以上高い電位領域に位置する、請求項10に記載の燃料電池。
  13. 前記アンモニア分解触媒層は、前記燃料電池の発電時もしくは非発電時に、前記アノードの電位に対して0.45V〜0.80V高い電位領域に位置する、請求項10に記載の燃料電池。
JP2015172513A 2015-09-02 2015-09-02 膜電極接合体および燃料電池 Pending JP2017050143A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015172513A JP2017050143A (ja) 2015-09-02 2015-09-02 膜電極接合体および燃料電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015172513A JP2017050143A (ja) 2015-09-02 2015-09-02 膜電極接合体および燃料電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017050143A true JP2017050143A (ja) 2017-03-09

Family

ID=58280996

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015172513A Pending JP2017050143A (ja) 2015-09-02 2015-09-02 膜電極接合体および燃料電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2017050143A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018221701A1 (ja) * 2017-05-31 2018-12-06 古河電気工業株式会社 アンモニア分解触媒構造体及び燃料電池
KR20190032187A (ko) 2017-09-19 2019-03-27 주식회사 엘지화학 담체-나노 입자 복합체, 이를 포함하는 촉매 및 촉매를 포함하는 전기화학 전지 및 담체-나노 입자 복합체의 제조방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018221701A1 (ja) * 2017-05-31 2018-12-06 古河電気工業株式会社 アンモニア分解触媒構造体及び燃料電池
CN110691649A (zh) * 2017-05-31 2020-01-14 古河电气工业株式会社 氨分解催化剂结构体以及燃料电池
JPWO2018221701A1 (ja) * 2017-05-31 2020-04-09 古河電気工業株式会社 アンモニア分解触媒構造体及び燃料電池
JP7282027B2 (ja) 2017-05-31 2023-05-26 古河電気工業株式会社 アンモニア分解触媒構造体及び燃料電池
KR20190032187A (ko) 2017-09-19 2019-03-27 주식회사 엘지화학 담체-나노 입자 복합체, 이를 포함하는 촉매 및 촉매를 포함하는 전기화학 전지 및 담체-나노 입자 복합체의 제조방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070292742A1 (en) Fuel Cell System
EP2612390B1 (en) Assembly for reversible fuel cell
TWI686988B (zh) 與無重組器燃料電池相關之裝置的製造方法以及此裝置的操作方法
JP6928921B1 (ja) 圧縮装置
JP5454301B2 (ja) 燃料電池スタック
JP2017050143A (ja) 膜電極接合体および燃料電池
Vedarajan et al. Anion exchange membrane fuel cell: New insights and advancements
US20220102737A1 (en) Enhanced durability of fuel cell metallic bipolar plate
US20220102746A1 (en) Fuel cells with enhanced carbon monoxide tolerance catalyst layer using composite catalyst
JP6589129B2 (ja) 膜電極接合体および燃料電池
KR20060096610A (ko) 연료전지용 막/전극 어셈블리, 및 이를 포함하는 연료전지용 스택 및 연료전지 시스템
JP2002110190A (ja) 燃料電池
JP2016207575A (ja) 燃料電池
US20230099815A1 (en) Fuel cells with improved membrane life
US20190237789A1 (en) Fuel cell with improved durability
JP2019029170A (ja) 燃料電池セル用の不純物センサ
JP5470131B2 (ja) 家庭用定置式燃料電池システム
US20240060190A1 (en) Electrochemical cell for hydrogen pump and compression apparatus
JP2013168227A (ja) 固体酸化物形燃料電池の製造方法
JP2018073457A (ja) 燃料電池用触媒インク、燃料電池用電極、膜電極接合体、および燃料電池並びに燃料電池用触媒インクの製造方法
KR101065380B1 (ko) 연료 전지 시스템 및 이에 사용되는 스택
JP2006040703A (ja) 固体高分子型燃料電池の触媒担持方法、膜電極接合体
JP2017134890A (ja) 膜電極接合体および燃料電池
CN116472625A (zh) 燃料电池金属双极板的耐久性的提高
WO2012127999A1 (ja) 制御装置および燃料電池システム